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誰そ彼、誰そ彼と呼ぶひかり

#カクリヨファンタズム #鎮魂の儀

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#カクリヨファンタズム
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#鎮魂の儀


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 ――ああ、喪われた魂よ。
 ――ああ、未だ有る絆よ。

 彼らを、安寧の地に送り届け給え。

 ●
「死した妖怪の魂。その安息を願い妖怪たちは鎮魂の儀を行っているようなの」
 素敵なことよね。これが愛かしら。
 ユースティティア・ルザライト(ミレナリィドールの聖者・f07011)は、どこか羨望を滲ませて呟いた。
 小さく首を傾けるユースティティア。そうして彼女は猟兵たちに、ゆっくりと語りかける。
「儀式が上手くいけば、骸魂たちは花や樹の糧となり……浄化される。けれど……その儀式が失敗してしまうようなの」
 悲しい? わね。
「骸魂が儀式の主祭司さまに取り憑いて大暴れ、そんな予感」
 ユースティティアが、なにかを思い出すように上を向いた。
「あとは、そうね。儀式の場に集まってた骸魂たちが……妖怪以外のモノに取り憑いてオブリビオンになっちゃう、わね。妖怪に取り憑いたものじゃないから、弱いみたいだけれど」
 ……でも。
「かれらも苦しんでいる……のかもね。辿り着きたかった場所に、生きて辿り着けなかったんだから。悼んでいる妖怪を襲ってしまうのは、羨ましいから……なのかしら?」
 また、ユースティティアはこてりと首をかしげる。少しだけ、考える素振り。
 そのあとには、しっかりと猟兵たちを見据えていたけれど。
「みんな、お願いするわ。かなしい魂たちを、鎮魂してあげて」
 きっと、それがかれらの望みだから。
 そして、
「あなたがたも無事に帰って来てね。それが、わたしの望みだから」


Alice
 Aliceと申します。
 鎮魂の儀に現れた骸魂たちとオブリビオンを、たすけてあげましょう。

 第1章:【集団戦】です。骸魂が花や樹に乗り移ってオブリビオン化します。妖怪を飲み込んでいないので、非常に弱いようです。

 第2章:【冒険】です。儀式の場への道を切り開きましょう。

 第3章:【ボス戦】です。鎮魂の儀の主祭司が、強大な骸魂に飲み込まれ、オブリビオンと化しています。
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第1章 集団戦 『朧化け蜘蛛・カスミン』

POW   :    我がお洒落に策など不要ッ!
いま戦っている対象に有効な【服装のカスミン】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD   :    一番、カスミン! 歌います!
戦闘力のない【審査員風カスミン複数】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【審査員のシャレオツ評価】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ   :    僕が服になろう。こんな装いはどうだい?
非戦闘行為に没頭している間、自身の【オシャンティーなセンス】が【激しく光り】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ステラ・クロセ(サポート)
真紅の瞳。燃える炎。あふれる勇気。直情正義、元気全開、単純明快!
正しい心で悪しきを討ち、そして弱き者を救い、その盾とならん、我こそは義侠のスーパーセル!
スーパー純粋熱血、ハイパーテンプレ系ヒロイン、それがステラです。

一人称は「アタシ」ですが殆どの猟兵は先輩に相当するので話すときは「わたし、あなた」といった礼儀正しい振舞いとなります。
探索系はストレートな解決法を選び、
戦闘では正々堂々と敵の正面に立って攻撃を引き受け味方にチャンスを作る方が好みです。なお、近接戦闘派です。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
正義を大事にするので、他の猟兵の意図を阻害したり公序良俗に反する行動はしません。



 死した妖怪たちの魂を鎮める、大切な儀式。
「苦しんでいるのかな」
 ステラ・クロセ(星の光は紅焔となる・f12371)が小さく呟く。呼応するように、オブリビオンがないた。
 苦しい。悲しい。つらい。くるしい……。
 化け蜘蛛はそうないている。
「迷うことなんてないんだ。苦しいなら、助けてあげる!」
 ステラは真っ直ぐに化け蜘蛛たちを見据える。彼女の瞳に見えているのは、その先に待つ光に満ちた未来のみ。
「待っていて」
 ふわり、ステラを包むのは炎。業火と呼ばれるのであろうそれは、すべてを昇華するために燃え盛る。
 待っていて。今、必ず助ける! アンタたちのハッピーエンドのために!
 アタシがいる限り、みんなを必ず助けてみせる。
「もっと遠く! もっと高く! アタシの限界をこの翼で乗り越えてみせる!!」
 それが、ステラにとっての救いだから。
 紅蓮の灼翼となり、煌めく炎を纏って――彼女は迷える魂たちを救い上げるのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

睦沢・文音(サポート)
『聴こえますか?私の歌が!』
年齢 14歳 女
外見 147.1cm 黒い瞳 黒髪 色白の肌
特徴 いつも笑顔 柔和な表情 胸が大きい お尻が大きい ネットが好き
口調 清楚(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません

他の猟兵のサポートに回り、事件の解決にあたります
日常パートならば飲食や歌をうたうことをメインに行動します

他の参加者様との連携リプレイ歓迎です
最大の目的は、事件を解決に導くことです
その為なら、ある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします



 睦沢・文音(フォーチュンシュネルギア・f16631)は、周囲でパフォーマンスをする骸魂に、きょときょとと目をまたたかせていた。
 花や木が変化したオブリビオン。
 彼らが望んでいたのは、なんだったのだろう。
 ――なんて。
「感傷に浸ってる場合じゃないですね」
 骸魂に向かっていく猟兵たちを援護するため、文音は構えた。
 ふわり、その瞬間。
 ひかりがみえたきがした。ユーベルコードは緩やかに彼らにひかりを与える。
 ねえ、聴こえますか? 私の歌が!
 あなたたちが苦しんでいること、悲しんでいること、知っています。
 でも、どうか思い出して。
 きっと、きっと!
「あなたたちには安息が訪れます!」
 歌声は遠く高く響き渡る。だれかを救うための神聖なる歌声。だれかを奮い立たせるための、ただの歌声。
 きっと、大丈夫。
「みんな、ここであなたたちの安息を祈っていたんですから」
 オブリビオンたちの動きが、鈍くなった、ような。

成功 🔵​🔵​🔴​


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※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
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草柳・華穂(サポート)
草柳・華穂(くさやなぎ・かほ)、ウサギ等動物の能力を移植された強化改造人間。
悪の秘密結社から脳改造寸前で脱出し復讐のため戦っていたわ。
悪い奴らに容赦は要らない、特に邪神とか邪教団とか手加減をする理由がないわね
まあ、容赦しなさ過ぎてダークヒーロー扱いになったんだけどね、後悔は無いわ

戦闘では蹴り技を主体とした戦い方をすることが多いわ
色々な動物が入っているけど、メインはウサギだからね脚力はちょっとした自慢よ



「あなたたちだって、そんな姿になることは望んでいなかったわよね、きっと」
 草木の変じたオブリビオンを前に、草柳・華穂(強化人間のダークヒーロー・f18430)は小さく首を横に振る。かなしい。つらい。くるしい。化け蜘蛛の嘆きに寄り添うように、華穂は一度だけ瞼を下ろした。或いは彼らは打ち倒すべき悪ではなく、むしろ――。
「……まあ、感傷に浸っても仕方ないわね」
 想うだけで誰が救えるわけでもない。そも、オブリビオン相手に慈悲をかけようなどとも思わない。ただ、彼らが望まぬかたちで世界を食い荒らすなにかに成り果ててしまうというのなら。――それは、華穂としても見過ごしたくはない。
 指を鳴らし、ヒトの限界を軽々超えて、華穂は地を蹴り走り出す。樹皮めいた蜘蛛脚ががさがさとざわめき、彼女に殺到しようとするけれど。
「遅いわ」
 元より妖怪ではなく、そこらの植物を依代として生まれたオブリビオンだ。その動きが華穂の速度に追いすがれる筈もない。蹴り抜いたしなやかな脚が蜘蛛の横腹を捉え、吹き飛ばし、弾丸のような速度で続く別の蜘蛛に叩きつける。
「慈悲をあげることはできないわ。でも、一撃で楽にしてあげる」
 呟きは、さながら崩れて消えゆく蜘蛛たちを見送るように風に乗った。

成功 🔵​🔵​🔴​

メルル・ハルピュイア(サポート)
 フェアリーのビーストマスター×バロックメイカー、13歳の女です。
 普段の口調は「女性的(僕、相手の名前、だね、だよ、~的な?)」、異性の前では「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」。
 ユーベルコードは「アサルト・シルバーアウル」を優先的に使用します。怪我は厭わず積極的に行動し、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 おいしそうなものを見つけたら飛んでいきます。あとはおまかせします。どうぞよろしくおねがいします!



「大丈夫。今、そこから出してあげるよ」
 梟の運ぶ鳥籠の中から、メルル・ハルピュイア(ハートフルぼっち・f30256)は幽世に至れなかった魂たちにそう呼びかける。きっと、この世界に辿り着きたかっただろう。けれどそれは、こんな歪な形で叶えられていい望みではない。
「行こう、ふっくん!」
 呼びかけに、そして吹き鳴らされた笛の音に、鳥籠を掴んだ銀梟が大きく翼を広げて鳴いた。さながら一条の流星のように猛禽は空を翔け、その鋭い嘴でオブリビオンの蜘蛛に襲い掛かる。喰われまいと鳴らされる顎を掻い潜り、振るわれる爪を高く飛んで回避して、急反転。切り裂くように翔け抜けざま、鳥籠から溢れ出た黒き呪いが蜘蛛たちを包み、飲み込んで虚空に溶かす。
「怖かったよね。今もきっと怖いよね」
 蜘蛛たちが消えざま、メルルの優しい声が空気を揺らす。籠越しに差し伸べた手に、縋るように蜘蛛脚が伸ばされる。
「ごめんね、あと少し待っていて」
 必ず君を、僕達が救ってみせる。約束するように触れた指先から伝った魔力が、また一匹、おぼろげな輪郭の蜘蛛を空に還した。

成功 🔵​🔵​🔴​

真城・美衣子
☆サポート&おまかせ専門
何を考えているかよくわからない猫っぽい少女

喋るペンダント『マキさん』

・UDCアース人や猟兵としての一般常識はある
・鋭い感覚、高い運動能力、強靭な肉体で頑張る
・ぼんやりしているけど動きは早い
・無表情で説明もないまま行動するので、奇行に見える事も多いが、本人は一生懸命

・マキさんは主に解説・交渉などの会話を担当
・PLが直接操作しない方針なので挙動はご自由に!

☆セリフ例
「にゃ」
『みーこさんは「こんにちは」と言っています』

「……すんすん」
『みーこさんはニオイを確認しているようです』

『お時間よろしいでしょうか、事件についてお話を……』
「にゃ」
『みーこさん、今は喋らないでください』



 随分と、空間に響く嘆きの声は薄くなっていた。視認できる蜘蛛の数も、今や少ない。
「にゃ」
『みーこさんの認識通りです。ここで終わりにしましょう』
 真城・美衣子(まっしろみーこ・f12199)の猫の鳴くような声に、彼女の胸元のペンダントがそう機械音声を発する。美衣子の表情は薄く、その内心や認識を読み取ることは難しい。けれど、少なくとも彼女に迷いの色は見られなかった。
「にゃ」
 暗闇で猫が狩りを行うときのように、少女の瞳が火に似た輝きの光を見せた。殆ど音を立てることなく地を蹴り、彼女は最初に動きを見せた蜘蛛へと躍りかかる。
『みーこさん、プログラム起動しますね』
 ペンダントからの機械音声に、美衣子は声を返さない。ただ脳に記録されたプログラムに従い、彼女は静かに拳を引いた。
「――!」
 きい、と甲高く声を上げ、唾液を散らしながら、蜘蛛の体が宙を舞う。すかさずジャンプで追いつき、逆の拳でもう一撃。地に落ち、じゅうと音を立てて溶け消えた獲物には見向きもせずに、美衣子は次の相手に向き直る。狙いを定め、一瞬で飛び掛かり、仕留める――まさしく肉食獣のようなしなやかさで、彼女は次々に蜘蛛を屠っていった。
 そして、ざわりと梢が揺れる。
 今や猟兵たちの手によって、植物に憑いた骸魂の群れは一体残らず駆逐されていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『猟兵達の神隠し』

POW   :    妖怪を名乗れそうな見た目なので、ノリで押し切ります

SPD   :    変装だ!それっぽい扮装で妖怪に紛れ込みます

WIZ   :    妖怪としてのプロフィール設定を練り込んでいきます

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 そして開けた視界の先にあったのは、巨大なお宿の建物だった。どうやらこの奥で、主祭司は鎮魂の儀を執り行おうとしていたらしい。
 が、一歩そこへ踏み入った猟兵の前に、無数の妖怪が立ちはだかる。
「いらっしゃいませ」
「いらっしゃいませ」
「いらっしゃいまセ」
「いいいいいらっしゃいまセセセセセセ」
 それはおそらく、宿の前庭に植え込まれていた見事な植木や季節の花が、骸魂の影響でかたちを持ってしまったもの。
「ようコソお客様」
「お客様なら歓待ヲ」
「まずハお部屋までどうゾゾゾ」
 端から彼らは正気ではない。ただわかるのは、彼らは『この宿の従業員』として、踏み入る者全てを『歓待』しようとしているということだ。
 同じ『従業員』と誤認させて『仕事』のふりで宿の奥を目指すのが手っ取り早いか、或いは力ずくで突っ切るか。どうあれ、この狂えるおもてなしの壁の先にしか、目指す相手は待っていない。
アードルフ・ブルートシュタイン
「オブリビオンは切除するしかあるまい」
 この事件に対してこう感じ、猟兵として参加します。

「妖怪としてのプロフィール設定を練り込んでいきます(WIZ)」に挑戦します。もともと西洋妖怪(ヴァンパイア)なのでな。
 ユーベルコード「ギタギタ血まみれ外科手術」を使い、医者として信用を得て患者(オブリビオン化した鎮魂の儀の主祭司)のもとに移動します。
 最大の目的は、この行動を成功させることです。
 その為なら、ある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします。



「ようこそお客さママママ」
「どいてくれ」
 押し寄せてくる妖怪従業員たちを片腕で押しのけ、アードルフ・ブルートシュタイン(串刺し公・f28627)は短くそう言った。勝手にずんずん旅館の奥へ歩いていこうとする彼をどうにか引き留めようと、妖怪軍団はそれぞれアードルフの足やら腰やら背中やらに縋り付いてくる。
「いえ、まずはお部屋お部屋お部屋に」
「お荷物お持ちしまししシマス」
「見て分からんか。私は医者だ、この奥に患者がいると連絡を受けた」
 半ばひったくるように取り上げられかけた鞄から巨大な医療ノコギリを引っ張り出して示してみせれば、さしもの理性なき妖怪たちもその凶悪なビジュアルには怯んだようだった。
 それに紅玉の瞳と石膏のような白皙、それに尖った歯――つまり生まれついての高貴な吸血鬼であるアードルフの容貌も、彼らに畏怖と信用を抱かせる一助となったのだろう。
 先程までとは一変し、どうぞどうぞと廊下の奥を手で示すひときわ巨体の妖怪に軽く会釈して、悠々とアードルフは歩を進めていく。
「理解いただき感謝する。……礼にというわけでもないが、オブリビオンは必ず切除しよう」
 板張りの廊下にかつかつと足音が響き、吸い込まれるように消えていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

空裂・迦楼羅
自称、どこかで忘れ去られて流れ着いた神様を名乗って……
さり気なく紛れ込んでみるわ?
信じてくれなかったら、化け物に変身することだって辞さない!

私のどこが、お客様?こわーい顔で、凄んじゃいましょ
ずっと有給をとって休んでいた従業員の一人だって覚えてないの?
正気じゃないお話をする子には、正気じゃない話を
ふふふ、さあみんな働いて
もっともっとお客様が来るから

当然って顔で宿の奥を目指すけど、誰かに呼び止められたりしたら適当に応じるわ、お世辞程度の威厳を持って、お仕事してますって感じだしてね!
さりげなく、奥への道は、妖怪たちに尋ねましょ。
一人に聞いてわからないなら、複数人に聞いて辻褄があう方へ行けば完璧よ。



「長旅ご苦労様です、おきゃおきゃお客さマ――」
「私のどこが、お客様?」
 ごごごご、と燃え立つような音がしたのは錯覚ではあるまい。事実、出迎えの妖怪たちの前で腕を組んでみせる空裂・迦楼羅(焔鳳フライヤー・f00684)の背後では、地獄の炎が彼女の怒りを表すようにめらめらと揺らめいていた。
「ずっと有給をとって休んでいた従業員だって覚えてないの?」
「ヒッッ」
 互いに顔を見合わせ、ひそひそ話すような素振りを見せる妖怪従業員軍団だが、当然その囁き合いがまともなコミュニケーションである筈もない。彼らをぱんぱんと手拍子ふたつで黙らせて、迦楼羅は強引にずいと一歩を踏み出した。
「さあ働いて、もっともっとお客様が来るから!」
 号令に、途端に妖怪たちは思い出したようにわらわらと動き出す。どうやら、すっかり『長く店を空けていたベテラン』の座を装うことには成功できたようだ。
 ならばここはベテランとして、当然いちばん大事なお客様をおもてなしに向かうのが筋というもの。
「あ、ちょっと。この辺、私がいた頃と構造変わってるのよね? ねえ、松の間への廊下って――」
 すれ違う妖怪にそうして順路の確認をとりつつ、迦楼羅は入り組んだ廊下を進んでいく。正気はなくとも従業員としての『機能』は備えているらしく、彼らがもたらす館内の情報は正確だ。――敵の気配が、近付いてくる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

燈夜・偽葉(サポート)
★これはお任せプレイングです★
『ぶった斬ってあげます!』
妖狐の剣豪 × スカイダンサー
年齢 13歳 女
外見 黄昏色の瞳 白い髪
特徴 長髪 とんでもない甘党 柔和な表情 いつも笑顔 胸が大きい
口調 元気な少女妖狐(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)

性格:
天真爛漫年下系ムードメーカー(あざとい)

武器:
刀9本
黄昏の太刀(サムライブレイド)を手に持ち
場合によっては念動力で残り8本を同時に操る

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います

敵の動きは見切りや第六感を生かして回避
避けられなければ武器受けで対処します

多彩な技能を持っていて、問題に対していい感じで組み合わせて対処します



「さあさあ、どいてください! さもなくばぶった斬ります!!」
「アアーッお客様おやめくださアアーーーーッッいけいけいけマママセン!!」
 どたどたと、松の間へ続く廊下にいくつもの足音が響く。黄昏の太刀をぶん回し、ついでに八振りの刀を念動力で振り回しながら突っ走る燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)と、彼女に追いすがる妖怪従業員たちの追いかけっこの音だ。背後から伸ばされる異様な長さの腕やら髪やら触角やらをひらりひらりと飛び越えて、偽葉は振り返りもせず叫ぶ。
「この奥が松の間だっていうのは聞いてるんですよ! 私、そこに用がありますのでっ!」
「まま松の間には本日ベツベツ別のお客様――」
「……そのお客様を、助けに来てるんですよねぇ」
 呟きが、追ってくる妖怪たちに届くことはない。届いたとて、きっと通じない。それが分かっているからこそ、偽葉はただ一直線に目的地を目指して走る。
「……なのでまぁ、ちょっと皆さんにはそこで待ってていただきたく!」
 踏み出した足を軸にして、一度だけ身体ごと振り返る。妖怪たちが迫ってくるさまをしかと見据えて、彼女は手にした刃を振り抜いた。
 瞬間、空間が切れる。めりめりと悲鳴を上げた柱が倒れ、妖怪たちの足を一瞬止めた。その一瞬で充分だ。即座に踵を返し、そうして偽葉は松の間の襖を開け放つ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『いろあつめ』

POW   :    あなたの『くろ』はきれいかしら
自身の【鳥籠に収集した悪感情を解き放つこと】を代償に、【実体化した任意の悪感情】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【交戦対象の感情を汚染すること】で戦う。
SPD   :    あなたの『ひかり』はまぶしいかしら
攻撃が命中した対象に【勝手に増幅する任意の良感情】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【感情の暴走による過剰な体力消耗】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    あなたの『いろ』、わたしにちょうだい
【悪感情を簒奪する『黒い手』】【良感情を簒奪する『白い手』】【その2つからなる鳥籠からの射出攻撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は霧島・カイトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

朱酉・逢真
◆おまかせプレイング
 神の殺人鬼×ダークヒーロー、20歳の男です。
 普段の口調は「博愛 (俺、お前さん、だ、だぜ、だな、だよな?)」、敵には「親愛 (俺、てめぇ、だ、だな、だろう、なのか?)」。
「うちのちびども汚染すっと、返ってくるぜ。お嬢さん」
 他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 ヒトの感情を持たず、相手を全肯定します。自分本体は脆弱でまともに走ることもできませんが、肉体が病毒のカタマリなので触れるだけでダメージを与えられます。
 基本は後衛、眷属(アイテムの獣・鳥・魚・虫、UC)に戦わせます。あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「――さて。お前さんが主祭司に憑いたって奴かい」
 祭司たる妖怪に取り憑き、オブリビオンへと変じた骸魂に向け、朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)はそう呼びかける。座敷の中央に陣取っていた少女がゆるりと振り返り、薄い唇にほんの僅か笑みを浮かべた。
「あなたの『くろ』はきれいかしら」
 きぃ、と鳥籠が哭くような音を立てて開く。溢れ出したどす黒い靄を前に、病毒の神は笑い声にも似た吐息を零した。
「……成程そういう手合いかい」
 ひとの感情を欲し、ひとの感情を簒奪し、それらを操りまたひとを襲うもの。それが目の前の骸魂の権能だろうと、逢真はひと目で見抜いていた。けれど、それなら。
「そいつは残念だったねえ――生憎と、俺の『くろ』はそういう類のもんじゃねェ」
 神のありようは様々だ。ひとに近いものもいれば、ひとのかたちをしていながらまるでそれとは異なる『つくり』のものもいる。
 そして逢真は後者の神だ。
「お前さんの欲しがるものは、俺には与えてやれんよ」
 翻った羽織の下から、無数の虫が、鳥が、病を乗せてオブリビオンへと襲い掛かる。更には鼠たちがその身を膨れ上がらせ、靄の怪物にも劣らぬ殺意をもって牙を剥く。その様を、凶星の性持つ神はどこか楽しげに眺めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鬼河原・桔華
●SPD

遂に見つけたぜぇ
主祭司…いや、骸魂よぉ?
はぁ?光は眩しいかって?
こりゃあ随分と重症だな
鬼棍棒の荒療治は痛ぇかもしんねぇが、歯ァ食いしばりな!!


ちっ、感情を狂わせる術かい
癪だが、こうなりゃ同じ土俵に立つまでさね
丁度奴さんに惹かれて色んな骸魂も集まってやがる
それにここは宿、酒なんていくらでもある
鎮魂の儀に使う筈だった神酒もたぁんとあるようだしな

さぁ、あたしの身体を依り代にしやがれ!骸魂『ヤマタノオロチ』!!
奇遇に私も大酒飲みのウワバミさ
酒でも飲まねぇとやってられねぇ、このクソな感情を消せねぇもんだ
この勢いで畳み掛けるぜ!
おい蛇公、もう根をあげちまったのか?
私はまだまだ呑めるぜ、あはは!



「遂に見つけたぜぇ、主祭司……いや、骸魂よぉ?」
 松の間に踏み入るなり、鬼河原・桔華(仏恥義理獄卒無頼・f29487)はそう言って鬼棍棒で自身の肩をとんとんと打った。対するオブリビオンはと言えば、やはりうっすらとした笑みを貼り付けたままで首を傾げて。
「あなたの『ひかり』はまぶしいかしら?」
「……こりゃあ随分と重症だな」
 ずるりと伸び上がる黒い靄に見降ろされ、桔華は軽く舌打ちする。肌にその色が触れた刹那、戦場に似つかわしくない感情が己の意思とは関係なく膨れ上がり、隙あらば外へ飛び出そうとするこの熱は――さすがに、気持ちが悪い。
 癪だが、相手の土俵に上がってやるしかないか。一瞬で判断を下すとともに視線を巡らせれば、座敷にしつらえられた祭壇には儀式のために用意されたのであろう酒がずらりと並んでいる。静かに息を吸い込み、舌先で唇を僅かに潤して、そうして桔華は叫びを上げた。
「さぁ、あたしの身体を依り代にしやがれ! 骸魂『ヤマタノオロチ』!!」
 声に、そしてユーベルコードに応じて、寄り集まっていた魂の一つが瓶ごと呷った酒に溶ける。なだれ込んでくる魂の質量に歯を見せて笑い、棍棒をぶら下げたまま彼女は走った。
「酒でも飲まねぇとやってられねぇ、このクソな感情を消せねぇもんだ。畳みかけるぜ蛇公!」
 自身も大酒飲みのウワバミである桔華とヤマタノオロチの相性は抜群だ。その力を借り、一時的に敵と同質の肉体と妖力を得た桔華の一撃が、オブリビオンの身体を鳥籠ごと打ち上げ、天井に叩きつけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

琶咲・真琴(サポート)
灼滅者の両親を持つ7歳の男の娘
母親に憧れて女装している
膝上15cmのスカートは正義


普段の一人称はボク
二人称はあなた、呼び捨て
口調は敬語が基本

大切な人とや本音で話す時は素に戻り
一人称がオレになったり男口調になる

familia pupa(2体の男女の片翼人形)をお祖父ちゃん、お祖母ちゃんと呼び
いつも連れ歩いている(目立つ場合は肩掛け鞄の中にいる

戦闘
指定したUCを状況に合わせて使う





例え依頼の成功の為でも、迷惑行為はせず、公序良俗に反する行動はしない

アドリブ・連携大歓迎



 猟兵の攻撃を受け、次第に骸魂は弱りつつある。琶咲・真琴(今は幼き力の継承者・f08611)の目もまた、そのことをしかと捉えていた。
 弱りつつある今だからこそ、相手も一層必死だろうことも。
「あなたの『いろ』、わたしにちょうだい」
 鳥籠が開き、真琴の感情を狙って白黒二本の腕が伸びる。瞬間、まるで誰かが抱き留めるように、藤色の闘気が膨れ上がった。闘気の流れはそのまま襲い来る腕を押し返し、逸らして、真琴の心身を守り抜く。
「あなたも、知りたかったんでしょうか。もっとたくさんのこと」
 知らぬからこそ知りたくて、持たぬからこそ欲しくて。そんな骸魂の狂乱に、真琴は寄り添うように言葉をかける。眼前で少女の瞳が瞬き、首が傾いだ。
「くれるの?」
「……いいえ」
 あげることはできない。真琴の心は真琴のものだ。けれど。
「でも、見せてあげることはできます」
 そう言って宙に滑らせた細い指が、光の軌跡を描き出す。その中から転がるようにして飛び出してくるのは、これまでに真琴が描いてきた絵の住人たち。嬉しかったこと、楽しかったこと、忘れがたいこと、大切なこと――しるしてきたそれらをまざまざと見せてやれば、オブリビオンと化した少女は掠れた声で呟いた。
「――あぁ」
 ひかり、と。

成功 🔵​🔵​🔴​

佐藤・和鏡子
感情の汚染がどのような物かは分かりませんが、あまり良いことではなさそうなので、一時的に感情をシャットダウンして対抗します。
変に後遺症が出るとまずいですし。
具体的な対抗法ですが、排除サブルーチン(惨殺のユーベルコード)を起動して消火斧片手に斬りかかります。
動く物を無差別に攻撃するだけの機械に汚染できる感情は存在しませんから。
『抵抗は無意味です。死は不可避です。諦めてください』



 主祭司に取り憑く骸魂が、揺らいでいる。恐らく引き剥がせるまであと一押しだ。
 彼らに施せる手当ては、幽世に生きる妖怪から引き剥がし、改めて鎮めてやることだけ。ならば佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)は迷わない。
 周囲に一度視線で合図を送ってから、彼女は平素の穏やかなそれより幾分温度の低い声を発した。
「排除サブルーチン起動。危険です。退避してください」
 相手が感情を汚染してくるのなら、その感情を取り払ってしまえばいい。その判断のもとに彼女は脅威を排除する戦闘人形へと一時的に己を切り替え、ソーシャル・レーザーを仕込んだ救急箱片手に走り出す。
「……みえない。あなたの『くろ』は、『しろ』は何処にあるの?」
 戸惑いの気配を見せつつ、それでも鳥籠からとめどなく黒い靄を溢れさせ、暴れさせるオブリビオンを、和鏡子の瞳は既に『暴れる黒腕の大元』として捉えている。ひたりと荷電粒子砲の照準をそこへ合わせ、彼女は淡々と告知を口にする。
「抵抗は無意味です。死は不可避です。諦めてください」
 そして、光が迷える魂を灼いた。

 ほどなくして目を覚ました祭司の身に異常がないことを確かめ、和鏡子は安堵の表情で頷いた。そこに、先程までの殺戮の機械の面影はない。
 消え際、確かに声を聞いた。ひかり、と骸魂は言っていた。彼女は――かれらは、望むひかりを見ることができただろうか。
 やがて座敷は妖怪たちの手で整え直され、改めて鎮魂の儀の詠唱が厳かに響き始める。
 ひかりあれ、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月19日


挿絵イラスト