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迷宮災厄戦㉒〜クロスド・クルセイダー

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #クルセイダー

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「その時が近づいてきていますね」
 クルセイダーは白き草原の中でそう呟いた。迷宮厄災戦も佳境であり、オウガ・オリジンの命脈が尽きる時も近い。既に猟書家が数人倒されているがここでやるべきことは変わらない。なぜならばそれもぱらいそ預言書に記されている一文に過ぎないのだから。
「運命に選ばれし私が彼の地に渡るのも当然。彼らの無念を晴らすべく、信長の魔軍将を用いて必ずやこの手に入れましょう。島原が私を待っています」
 秀吉の孫はかくてその時を待つ。


「迷宮厄災戦、皆お疲れ様」
 リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)が猟兵達を労う。
「皆のおかげで戦いも大分優位に進んでるよ。オウガ・オリジンの撃破も見えてきた。ただまだ猟書家は残っているから、オウガ・オリジンが力を取り戻さない程度に猟書家の戦力を削ってきてほしいんだ」
 猟書家を倒しすぎればオウガ・オリジンは強化されてしまう。だがそこまで至らないレベルで猟書家達を倒せれば、戦後の戦いも優位になるはずだと彼女は言う。
「皆に倒して来てほしいのはクルセイダー。サムライエンパイアを狙っている猟書家だよ。「ぱらいそ預言書」っていう侵略蔵書で未来を読んでるみたいなんだ。戦闘でもこれを使うし、加えて人間無骨っていう槍で攻撃してきたり、前に戦った秀吉を召喚してくるよ。……クルセイダーは秀吉の孫なんだって」
 あの黒い獣のような何から人型の存在が生まれてくるのも謎である。
「そしてクルセイダーは強敵だよ。さっき言った能力を皆がユーベルコードを使う前に使ってくるから気を付けて。上手く対策を立てて戦ってね」
 説明を終えるとリアナは猟兵達を送り出す。
「戦争の終わりも近いけど気を抜かず頑張ろうね! それじゃ行ってらっしゃい!」


西灰三
いつもお世話になっています。
西灰三です。
今回は迷宮災厄戦、猟書家「クルセイダー」との戦いをお送りします。

詳しい内容はオープニングの通りです。
今回のプレイングボーナスは以下のものとなります。
=============================
プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
=============================

以上です。
それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『猟書家『クルセイダー』』

POW   :    十字槍「人間無骨」
【十字型の槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【体内の骨を溶かす光線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    侵略蔵書「ぱらいそ預言書」
【預言書に書かれた未来の記述を読むことで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    『魔軍転生』秀吉装
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。

イラスト:kawa

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

本・三六
今は猟書家との戦いの最中でもあったね
厄介な強敵だが幸いにも情報を貰えた。やれることを尽くそうか

預言書にはどれだけの記述があるのか
ボクの「先の行動」は読める。だが……
まず彼に預言書を読ませたい。
『黒賽子』の【誘導弾の弾幕】で促そう、追って追うんだ。
彼は槍の使い手だ。槍や援護にも注意を払う
『鉄芥』で応戦し、矛先を叩いて逸らしカウンターを

そうだね、君はボクの動きを完璧に読んだかもしれない
だけど、読む前に種は蒔かれたんだ
先に【目立たない】迷彩色のデータを送り【変装】し潜伏していた『バトルキャラクターズ』による一斉の騙し討ち。
動きを奪い、渾身の鎧砕きの一撃を

未来は多分にあるのかな、グリモアの力は凄いよね




 本・三六(ぐーたらオーナー・f26725)はふらりとその地に現れた。アリスラビリンスでの戦いの中で暗躍する猟書家との戦いが続いていると。
「なら、やれることを尽くそうか」
 手の中で黒い賽子を弄び、クルセイダーの元へと歩いていく。

 地面に落ちたダイスから光線が出るのを知っていたかのように、クルセイダーは身を捩ってかわした。
「へえ、本当にそういう避け方をするんだ」
「全てはこのぱらいそ預言書の導きのまま」
 次に三六が振り下ろした鈍器による攻撃もやはり槍によって弾かれる。攻撃の軌跡がやはり最初から分かっているのだろう。
「何故、全ての運命が分かっているというのにこの様な無益な事を?」
「……そうだね、君はボクの動きを完璧に読んでいるかもしれない」
 再度振るわれた鉄芥の一撃も簡単にいなされてしまうが、三六は余裕を崩さない。
「だけど、読む前に種は蒔かれたんだ」
 瞬間、白い草地の中からバトルキャラクター達が現れてクルセイダーを拘束しようとする。無論クルセイダーもぱらいそ預言書のページを読むが、その数が多すぎて速度が間に合わず捕まってしまう。
「これは……!」
 動きを止められたクルセイダーに今度こそ鈍器を振り下ろして三六は呟く。
「未来は多分にあるのかな、グリモアの力は凄いよね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

早乙女・翼
同じく十字架を掲げる身としては見過ごせない相手さねぇ
さて、主はお前と俺と、どちらに味方してくれるものやら

って毛玉来たぁっ!?
背の翼で自分覆う様にして防衛姿勢
オーラ防御張り巡らせ、急所や手足への攻撃は見切り、ダメージは最低限に抑える様努め
袋叩き状態の第一波を凌いだ所で魔剣を手に斬り払いながらUC発動

彼岸花と羽根はフェンフェン達捉え蹴散らしながら、目眩ましにも利用し
赤と黒に彩られた視界の中からサーベルを居合いの様に抜いて、クルセイダーに斬りかかる
向こうの得物は槍だから多少分が悪いとしても、捨て身で間合いの内に飛び込んで一太刀浴びせてやれば充分だ

主よ、道を誤りし彼が正しく召される事を俺は祈るさよ




「神の使徒とお見受けする貴方が私の前に立ちますか」
「だからこそさ。同じく十字架を掲げる身としては見過ごせない相手さね」
 早乙女・翼(彼岸の柘榴・f15830)はUDCアースの出である。その世界の日本ではサムライエンパイアとよく似た歴史を持っており……そしてクルセイダーと呼ばれる目の前のオブリビオンに該当する人物も伝えられている。概ね悲劇の主人公扱いだが。
「……さて、主はお前と俺と。どちらに味方してくれるものやら……って毛玉きたぁ!?」
 折角格好良く決めたつもりではあったが台無しだ、ただ黙ってムボウビに受けるわけには行かない。今は使わない背中の翼を盾代わりに自らの身を包み、殺到する秀吉達からの攻撃に耐える。
「フェンフェン!」
 地味にしぶといぞ! とか言われてる気がする。とりあえず奴らが疲れるまで待とうと思っていたが数が多すぎてそうはならんらしい。というかローテーション組んでる。まあこれでも武将だし。
「うっぜえ!」
 で、翼は切れた。即座に魔剣を召喚して、それを真紅の鳥の羽根と曼珠沙華の花びらへと変換し集まった秀吉を纏めてふっ飛ばした。クルセイダーがその戦況の変化に対応できない内に、翼は赤いサーベルを抜いて一気に踏み込んだ。
「……主よ、道を誤りし彼が正しく召される事を俺は祈るさよ」
 振り抜いたサーベルが彼の体を裂き赤い花弁を周囲に撒き散らす。果たして彼に救いはあるのだろうか?

成功 🔵​🔵​🔴​

神奈木・璃玖
今までアリスラビリンスの戦争は静観を決めていましたが、我が故郷サムライエンパイアの脅威となれば話は違ってきます
多少の戦は商売のしがいがありますが、彼らの及ぼす戦禍は想像を絶するものでしょう
アリスラビリンスの未来もかかっていますし、ここはひとつ私も力を貸しましょう

相手のWIZのUCによって召喚される豊臣秀吉公の数だけは多い様子
ならば私もかずで対抗しましょう
選択UCの狐火を秀吉公に当てて消滅させます
余った狐火は集めてクルセイダーさんへと放ちたいところですが、彼の持つ予言書の予言に阻まれてしまいますかね
しかし他の方の攻撃の援助となればこれ幸い、なにも攻撃だけが目的では無いのですよ




「成程、貴方がこれからサムライエンパイアに赴くと。そういう事でよろしいのですね?」
 神奈木・璃玖(九尾の商人・f27840)は指先で炎を弄びながら問いかける。クルセイダーもまたその問いかけにぱらいそ預言書を開き答える。
「それがこの書に記された運命故に」
「だが貴方はオブリビオンだ。……これまでのアリスラビリンスでの戦いは静観を決めていましたが、我が故郷の脅威となれば話は違ってきます」
 璃玖がそう口にするとその場に秀吉達がクルセイダーの尾を通じて溢れ出す、その状況にも関わらず平然とした様子で璃玖は炎を手繰る。
「多少の戦は商売のしがいがありますが、恐らく貴方の齎すものはその程度ですまないでしょう。……だからこそ今私がここにいるのです」
 彼は商人であり常に取引相手を必要とする生業だ、そんな彼にとって世界を乱すオブリビオンなぞ邪魔でしか無い。襲いかかる秀吉達に炎を飛ばし焼いていく、しかし彼らの勢いはやすやすとは止まらない。
「やはり強敵、ということですか」
 炎が足らぬなら自らが打って出る必要があるだろうと、彼は剣と金貨それぞれの手に握る。まるでトランプのスートを抜き出したような武器はこの戦場に相応しいだろう。
「世の中はギブアンドテイク。等価交換ってやつですよ。貴方が世を乱すのなら私も貴方に傷を与えましょう。……勿論先払いでね」

成功 🔵​🔵​🔴​

セルマ・エンフィールド
この戦いも大詰め、ならば……詰められるところは詰めさせてもらいましょうか。

二度も同じ戦い方を取らせてくれる相手ではありませんか。
集団の敵、普段なら敵を盾にするよう立ち回るのですが……盾にするには脆すぎますね。
こちらも手数を重視、両手にデリンジャーを構え、氷の弾丸を『乱れ撃ち』、『弾幕』により秀吉を近づけさせないように。
小型とはいえ縦横無尽に跳び回る秀吉が大量、全て捌くことはできないかもしれませんが、負傷は『激痛耐性』で耐え追撃は受けないように。

時間を稼いだら【シェイプ・オブ・フリーズ】。戦場全体に降る氷雨で秀吉を凍てつかせつつクルセイダーの動きも鈍らせたら接近し氷の弾丸の『零距離射撃』を。




「貴女の戦い方は覚えていますよ」
「……二度も同じ戦い方を取らせてくれる相手ではありませんか」
 接近戦を挑もうとしたセルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)に対して無数の秀吉を放つクルセイダー。迷宮災厄戦もいよいよ佳境という所で、できるだけの戦力を削ろうとしたらこの通りである。猟書家も半数以上が倒されており敵も必死なのだろう、だからといって容赦する気など一片たりともないが。
「……敵が脆すぎますね」
 召喚された秀吉は亡霊のようなものなのか掴んで盾にするには強度が足りなさすぎた、ならばとスカートの中に仕込んだポケットからデリンジャーを抜き氷の弾丸を放って弾幕を張る。近づかせたりすればまり得意では無い格闘戦となるだろう。
「っ!」
 弾切れになったデリンジャーを交換しようとした矢先、秀吉の攻撃が頬を掠める。その鋭い攻撃は口の中にまで届くがセルマは歯を食いしばり痛みをこらえる。クルセイダーがよってくるまでに十分な時間をかせぐためにそれくらいは必要なことだ。
「今回は前のように行きません」
 秀吉に指示を出しながらセルマに近づいてくるクルセイダー。それこそが彼女の待っていたチャンス。
「優勢と考えている所悪いですが……ここは私の戦場です」
 彼女が呟いた瞬間空から触れたものを凍らせる雨が落ちてくる、それは勿論秀吉を凍てつかせクルセイダーの動きをも鈍らせる。セルマはこの短いチャンスに凍った草を蹴りながら走りデリンジャーをクルセイダーに突きつける。
「今回も私の勝ちです」
 氷の弾丸がクルセイダーを貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グウェンドリン・グレンジャー
クルセイダー……サムライエンパイアの、亡国の、王子と、聞いた
あなた、に、どんな過去、あるか、知らない
私……は、ただ、倒すだけ

先制、してくる、人間無骨、敢えて、避けない
第六感、ギリギリまで、タイミング、見計らう
当たる瞬間、同時に、Metamorphose……身体そのもの、作り替え、上方向に、羽ばたく 
空中戦……で、加速。残像で、攪乱

Imaginary Shadow、念動力、弾丸の形、いっぱい作る
魔力、限界突破。属性攻撃で、虚数属性乗せて、全力魔法、呪殺弾、一斉発射

『おねむりなさい』

蹴爪、めっちゃ刺さるよう、怪力で、脚、筋力、強化した、凶鳥の一撃
片脚で蹴ったら、もう片脚も、蹴り込み、傷口をえぐる




「クルセイダー……サムライエンパイアの、亡国の、王子と、聞いた」
「古い、古い話です」
 グウェンドリン・グレンジャー(Pathetic delicate・f00712)はぼんやりとした口調ながらクルセイダーと油断なく対峙する。彼女が問うているのは「その時」が来るまでの暇つぶしにしか過ぎない。
「あなた、に、どんな過去、あるか、知らない」
「私が貴女を知らぬようにそれは当然でしょう。この預言書に過去はありませぬ」
 クルセイダーはそう言ってぱらいそ預言書を閉じて名槍人間無骨を握る。それが攻防の始まる合図であると認識したグウェンドリンも僅かに前傾姿勢を取る。
「行きますよ、私は定められた運命に従う必要があるのです」
「そんなの、は、知らない。私……は、ただ、倒すだけ」
 クルセイダーの槍がグウェンドリンの胴を目指し突き進んでくる、しかし彼女の金の瞳は十字の穂先を見つめ続けている、その1秒ですら遥か長い時間として数えられる程の短い間に、彼女は変わった。
「………!」
 ばさりという羽撃きが響き、切っ先が大鴉の尾を掠めた。その大鴉はグウェンドリンが変じたもの青み掛かった翼を広げ凶鳥はクルセイダーの周りを飛び回る。そしてその身から定かざるが故に黒い弾丸を眼下に向けてばらまく。
「これも試練……お受けしましょう」
 槍を回転させそれらを防ぐクルセイダー、しかし大鴉は既に彼の後方に陣取っていた。 鴉の鋭い蹴爪が背中をえぐり、片側が刺さればもう片側も。クルセイダーは対応できずに背中の肉を奪われる。それはこれまでの戦いで傷ついた彼には致命的で。
「グっ……」
『おねむりなさい』
 大鴉は爪で彼の首に介錯を加えると、そのまま地面へと崩れ落ちる。白い大地は彼の血で染まり、十字の袂まで流れるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月25日


挿絵イラスト