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迷宮災厄戦⑱-12~feat.クルセイダー

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #オブリビオン・フォーミュラ #オウガ・オリジン

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●アリスラビリンス
「……聞こえる。私には聞こえる、神の声が! そして、神は訴えている! 猟兵を倒せ、と! 猟兵を根絶やしにしない限り、未来はない、と! ああ、神よ! 愛しき神よ! あなたは何故、これほどまで私に試練を課すのですか? やはり私が選ばれた存在だから……。世界を救う救世主だからですか! ならば、その願い……叶えましょう! あなたの喜びこそ、私の喜び! あなたの言葉こそ、私のすべてなのですから! ピピ……ピピピッ……ピピピピピッ!」
 『オウガ・オリジン』が変身したのは、猟書家『クルセイダー』だった。
 クルセイダーは神の声と称する謎の電波を受信しながら、恍惚とした表情を浮かべていた。
 ……自分は選ばれた存在。
 何故なら、自分にだけ神の声が聞こえるから……。
 それは誰にも聞こえない。
 聞こえているのは、自分だけ。
 だから誰も神を信じない。
 自分達が神に見捨てられた存在である事にさえ気づかぬまま。
 故に、みんな神を否定する。
 神に愛されていない事を認めたくないために……!
 自分自身が虫けら同然の存在である事を認めたくないため、みんな神を信じない。
 だが、自分は違う。
 ……他とは違う。
 選ばれた存在であり、世界の救世主として相応しい器の持ち主である自分だけは違う。
 少なくとも、クルセイダーは、そう思い込んでいた。
「……聞こえる、神の声が! ここに猟兵達がやってくるのですね! 私に倒されるために! 愚かな猟兵達が、この場所に……! なんと愚か、実に愚か! あは、あはははははは……!」
 そして、クルセイダーは瞳孔の開いた眼で、神の声(?)を受信しつつ、狂気に満ちた笑い声を響かせた。

●ガジルからの依頼
「ボクは神の声が聞こえないんだよ。でも、お腹の音は聞こえるんだよ」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)がグゥッと腹を鳴らしながら、今回の依頼を説明した。
 今回の目的は、『オウガ・オリジン』を倒す事。
 オウガ・オリジンは、猟書家『クルセイダー』に変身し、白い十字架が立ち並ぶ純白の草原で、猟兵達が現れるのを待っているようだ。
 しかも、クルセイダーは神(?)の声が聞こえるらしく、とてもヤバイ状況。
 自分が選ばれた存在だと思い込んでいるため、色々な意味で危険な存在と化しているようだ。
 そう言った事を踏まえた上で、クルセイダーに変身したオウガ・オリジンを倒す事が今回の目的である。


ゆうきつかさ
 この依頼は戦争シナリオです。
 敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくるので、対抗手段を考えておきましょう。
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第1章 ボス戦 『『オウガ・オリジン』クルセイダー』

POW   :    十字槍「人間無骨」
【十字型の槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【体内の骨を溶かす光線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    侵略蔵書「ぱらいそ預言書」
【預言書に書かれた未来の記述を読むことで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    『魔軍転生』秀吉装
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。

イラスト:kawa

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミューズ・シルバーピース
神さま…かあ…
わたしには神さまにお祈りをした記憶も、見捨てられた記憶もないから…
あなたのお話を聞いてみたい…ってちょっと思ったけど、あなたはオウガ・オリジンで今は戦争で…わたしは猟兵なんだ
だから倒すよ…!

先制攻撃に対しては【第六感】で敵の攻撃をなんとなく補足しつつ、【念動力】を使用した【オーラ防御】【空中浮遊】による防御・回避行動で対応するね…
加えて【カウンター】による攻撃も狙おう…

こちらの番になったらユーベルコードを使おうね
目的はコードΔによる電流で敵の動きを阻害して、味方の猟兵の掩護に回ることだよ
撃破は他の人に任せちゃうけど…大丈夫だよね?


亞東・霧亥
・先制対策
【ダッシュ、忍び足、グラップル、残像、目立たない、殺気】
緩急自在の歩法と卓越した体術から、様々な構えの残像を作り出す。
残像を隠れ蓑に移動しながら、時折殺気を放ち、的を絞らせない立ち回りで、徐々に間合いを詰める。

【UC】
敵の耳に直接叩き込むため、なるべく近付き咆哮する。
脳を揺さぶる音の衝撃で三半規管を破壊。

【暗殺、怪力、部位破壊】
その目にどの様な世界が写っているのかわからんが、音を立てず背後に近付くと、無防備な急所目掛けて貫手を放つ。

※絡み歓迎


グルクトゥラ・ウォータンク
【アドリブ共闘歓迎】
いやー、ロールプレイ完璧ですね。完璧すぎて神の声聞いてるとかホラーなんじゃが。ストップ、過剰ななりきり!

まぁなりきりだろうとなんだろうと実力はマジじゃからな、油断はできん。
【先制攻撃】は【武器改造】で反応速度を上げた『ガジェットアーム』で【盾受け】、即切り離して腕を自爆させる!煙幕弾仕様の『チープトイ』を【罠使い】【メカニック】で仕込んでおいたから、ある程度は目くらましになるじゃろう。あとは気合と根性と【覚悟】で追撃をダイビング回避じゃ。
うまく避けてユーベルコードさえ使えればあとは電脳妖精が丸焼きにしてくれるじゃろう。


黒髪・名捨

ああ、所謂狂信者か…
狭心者の方が正しい気もする。あるいは狂心か?


体内の骨を溶かす…ってこわッ。
骨を溶かすって強力な炭酸ビームか?(寧々「たぶん違う」)

悪いが蛸人間に成る気は一切ない。
スタングレネードを『投擲』し閃光で『目潰し』すると同時に『闇に紛れる』と『迷彩』でさらに姿を隠す。
んなモンに当たってられるか。槍や気がこっちに向いたら『スライディング』で光線を『見切り』回避だーーー。


はぁはぁ。避けたぞ。
もう怖くない。『ダッシュ』して助走をつけたら『ジャンプ』して十字槍を足場にしてそのまま踵落としで『踏みつける』陸断の蹴りを叩き込む。
あぁ、あばよ。マジで…


尾崎・ナオ
……、統合失調症じゃない?
あ、ごめん、UDCアース出身じゃないから判らんよね。
気にせんでいいよ。神様の言葉だもんね、うんうん。

先制攻撃で手は読まれたそうだな。
構わんよ、むしろ教えてあげる。
ナオちゃんがするのは高速移動と射撃でっす☆
なんで教えるかって? それは、その程度で回避できないからだよ☆
さあ、何回まで回避できるか挑戦してみよっか!

へいへーい!動き止まってんぜー!?
スピードアップしたパルクールで猫のように移動。
右手にした拳銃は本体4丁フル弾薬。左手は移動時の着地用。
他猟兵の攻撃を繋げるように戦場を駆けまわり、集団戦に持ち込む。
ナオちゃんの攻撃を回避できても、他猟兵の攻撃は回避できるかにゃー?


レオナール・ルフトゥ(サポート)
 誰かの面倒を気づいたら見ているような、
 近所のお兄さん、もしくは保護者的ポジションです。
 荷物番から料理まで頼まれれば意外になんでもやります。
 料理に関しては頼まれなくても率先してやります。

 基本的に穏やかな性格をしていますが、甘いわけではありません。
 可愛い子には旅をさせよ精神。

 全体を見るようにし、必要な場所へ行きます。
 無駄な争いは厭いますが、納得できるものであれば容赦はしません

 他おまかせします。


バラバ・バルディ(サポート)
飄々として、いつも笑顔で陽気な好々爺。
そうあろうとして、そうなった。
過去に色々あったので、並大抵のことでは挫けない。
落ち込んでいる人がいれば励まし、怒っている人がいれば宥め、嬉しそうな人がいれば共に喜ぶ。
戦闘では主に術や人形を用いた援護(救助者がいれば救助優先)を行うが、前線で戦うこともある。
他者を庇う、囮になるなど、必要だと思えば自己犠牲のようなこともする。

ギャグでもシリアスでもお色気でも、好意的に書いてくださるなら歓迎です!


鯉澄・ふじ江(サポート)
怪奇ゾンビメイド、16歳女子
誰かのために働くのが生きがいの働き者な少女
コイバナ好き

自身が怪物寄りの存在なので
例えどんな相手でも対話を重んじ問答無用で退治はしない主義

のんびりした喋り方をするが
これはワンテンポ間をおいて冷静な判断をする為で
そうやって自身の怪物としての凶暴な衝動を抑えている
機嫌が悪くなると短文でボソボソ喋るようになる

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
自身の怪我は厭わず他者に積極的に協力します
また、例え依頼の成功のためでも
自身の矜持に反する行動はしません
 
何でもやります、サポート採用よろしくおねがいします!

(流血、損壊系のグロ描写やお色気系描写もOKです)


仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!

お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ

口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ

よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね

アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!


轟木・黒夢(サポート)
『私の出番?それじゃ全力で行くわよ。』
 強化人間のヴィジランテ×バトルゲーマー、17歳の女です。
 普段の口調は「素っ気ない(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「それなりに丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで、あまり感情の起伏は無いです。
戦闘では、格闘技メインで戦い、籠手状の武器を使う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●白い十字架が立ち並ぶ純白の草原
「おお、神よ! 愛しき神よ! 聞こえますか! 私の声が! これから私は猟兵達との戦いに赴きます! あなたの為に戦うのです! ……ですから祝福を! 神の大いなる祝福を、私に下さいませ!」
 猟書家『クルセイダー』に扮した『オウガ・オリジン』は天から降り注ぐ光を浴び、恍惚とした表情を浮かべていた。
 その姿は、まさにクルセイダー。
 身も心もクルセイダーと化しているのか、クルセイダー110%であった。
「いやー、ロールプレイ完璧ですね。完璧すぎて神の声を聞いてるとかホラーなんじゃが……ストップ、過剰ななりきり!」
 そんな中、グルクトゥラ・ウォータンク(サイバー×スチーム×ファンタジー・f07586)が、愛想笑いを浮かべた。
 その間も、グルクトゥラの本能が、叫ぶようにして訴えていた。
 コイツは、ヤバイ。
 マジ、ヤバイと……。
 それが分かっていても、引き下がれないのが、現実であった。
「今なんと……? 何て言いましたか、オイコラ! これが、なりきり? ロールプレイ? 一体、何の根拠があって、そんな事を! これは間違いなく、神の声! 私にだけ聞こえる神聖な声なのです!」
 クルセイダーが瞳孔の開いた眼で、キッパリと断言した。
 何かイケない御薬でもキメているのか、両目が激しくギョロギョロと泳ぎ、思わず『おまわりさーん』と呼びたくなる程、ヤバイ感じが漂っていた。
 おそらく、クルセイダーの10%オーバー分が、彼の何かを刺激し、パチモノ感をマシマシにさせているのだろう。
 その分、壊れた感じがするものの、クルセイダー自身は、自分の事をマトモだと思っているようである。
「これは……重症だね」
 レオナール・ルフトゥ(ドラゴニアンの竜騎士・f08923)が、何やら察した様子で深い溜息を漏らした。
 おそらく、手遅れ。
 既に、手の施しようがないほど、残念な状態であった。
「ひょっとして、何処かの病院から逃げ出しちゃった系? あ、ごめん。気にしなくていいよ。こっちで連絡しておくから。だから大人しくしていてね。ほら、神の声、聞き逃しちゃうよ!」
 そんな空気を察した尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)が、クルセイダーに生暖かい声を掛けた。
「もう大丈夫じゃ。お主に相応しい場所がある。そこに行けば、みんな歓迎してくれるはずじゃ」
 バラバ・バルディ(奇妙で愉快な曲者爺さん・f12139)も、取り扱い要注意の精密部品を扱う感じで、クルセイダーに接した。
「ひょっとして、お前等……私を馬鹿してないか? 神の声が聞こえる、この私を! それだけで万死の値する! お前達には聞こえないのか、この声が! 神の声が聞こえないというのか!」
 クルセイダーが信じられない様子で、ケモノの如く吠え始めた。
 その間も神の声が『殺っちゃえ、クルちゃん。クルちゃんのクルは狂っているのクルだろ?』と煽っているようだった。
「神さま……かあ……。わたしには神さまにお祈りをした記憶も、見捨てられた記憶もないから……。あなたのお話を聞いてみたい……って、ちょっと思ったけど、あなたはオウガ・オリジンで今は戦争で……わたしは猟兵なんだ。だから倒すよ……!」
 ミューズ・シルバーピース(クイックシルバー・f27543)が、サクッと気持ちを切り替えた。
 何となく、このまま話を聞いたとしても、妙なツボを売りつけられ、それがキッカケで運気アップのブレスレットや御札などを売りつけられそうな感じであった。
「くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅう! あなたは何も分かっていない。私は悲しい。わざわざ神が目の前まで来ているというのに! その手を払い除けるなんて、あり得ない!」
 クルセイダーがオーバーアクションで悲しみを表現しながら、全米並みに号泣した。
「ひゃあああ! 驚いた拍子に首が……。ちょっと待ってください。あ、待つのは、わたしぃであって、えっ? えっ?」
 その声に驚いた鯉澄・ふじ江(縁の下の力任せ・f22461)が、転がり落ちた首を慌てて追いかけた。
 だが、首はコロコロ。
 ふじ江の気持ちを無視して、ハイスピードで転がった。
「落し物は、コレですね? また、こんな事が無いように、入信しましょう。大丈夫、すべて私に任せておけば、すべて解決、一件落着! 首だけでなく、色々な人との運命だって繋いであげますよ?」
 クルセイダーが無駄に爽やかな表情を浮かべ、ふじ江の首と一緒に入信書を手渡した。
 しかも、後は名前を書くだけ。
 ご丁寧に、ハンコまで押してある危険なシロモノだった。
「所謂、狂信者か……。いや、狭心者の方が正しい気もする。あるいは狂心か?」
 黒髪・名捨(記憶を探して三千大千世界・f27254)が、皮肉混じりに呟いた。
「そもそも、これは無効ね」
 その間に、仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)が、ふじ江の手から入信書を奪い取った。
 よく見れば、色々な制約があり、脱会する事が出来なくなっていた。
「な、何を根拠に、そんな事を言っているのですか! 無効な訳がありません! だから、早く! いますぐサインを! さあ、さあ、さあ!」
 クルセイダーが興奮した様子で、新しい入信書を取り出し、ふじ江にジリジリと迫っていった。
「どうやら、私の出番のようね。それじゃ、全力で行くわよ!」
 轟木・黒夢(モノクローム・f18038)がクールな表情を浮かべ、クルセイダーの行く手を阻んだ。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~……。これだから、困る! 神の声が聞こえない一般人は、これだから駄目なんだ。皆さん……心に闇を抱えてますね! いえ、何も言わなくてもわかります! ですが、安心してください。このホーリーウォーターさえあれば、大丈夫! もちろん、これはただの水ではありません! 身体に汚れだけでなく、心の汚れ、魂の汚れまで落ちてしまう水なのです!」
 クルセイダーが懐から怪しげな水の小瓶を取り出し、その水の素晴らしさを語り始めた。
 だが、何処から、どう見ても、危険。
 危険が危ない感じであった。
「それ、ただの水じゃないけど、硫酸だったりしない? だって、ほら、ラベルに、そう書いてあるし……」
 亞東・霧亥(峻刻・f05789)が、クルセイダーにツッコミを入れた。
「あ、いや、これは……その……! まあ、いいじゃありませんか! もう仕方がありませんね。私が直々に浄化してあげましょう! さあ、フェンフェン! コイツらの動きを封じ込めちゃってください!」
 次の瞬間、クルセイダーが小型の戦闘用豊臣秀吉を山ほど召喚し、猟兵達に対して嗾けた。
 それに応えるようにして、小型の戦闘用豊臣秀吉が、フェンフェンと鳴き声を響かせながら、猟兵達に襲い掛かってきた。
「……って、直々じゃない気が……!」
 その事に危機感を覚えたミューズが、第六感を駆使して、念動力を使ったオーラ防御と空中浮遊で小型の戦闘用豊臣秀吉達を避けていった。
 しかも、小型の戦闘用豊臣秀吉達はラリラリしているらしく、動きが怪しく、危険であった。
「隙ありぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!」
 それと同時に、クルセイダーが両目をギラギラと輝かせ、猟兵達に迫っていった。
「あんまり卑怯な手ばかり使っていると、神様にも見放されるわよ」
 すぐさま、衣吹が【影の城への招待状(アイン・ラードゥング・シャッテン・シュロス)】を仕掛け、影色の招待状でクルセイダーの攻撃を妨害した。
 その拍子に、怪しげな水の小瓶が床に落ち、ジュッと音を立てて真っ白な煙を上げた。
「セット、コードΔ! ちょっとビリっとくるけど、大人しくしててよね」
 それに合わせて、ミューズが【コードΔ:サイキックスパーク】を仕掛け、サイキックエナジーの力場から電流を放って、小型の戦闘用豊臣秀吉達を感電させた。
 そのため、小型の戦闘用豊臣秀吉達は成す術もなく、ばたんきゅーと倒れて動かなくなった。
「さて……、お主らには、まだまだ頑張ってもらうぞ」
 続いて、バラバが【ゴースト・リボーン】を使い、小型の戦闘用豊臣秀吉達を、シャーマンズゴースト人間に変えた。
 シャーマンズゴースト人間達は、バラバの命令に従って、クルセイダーをボッコボコ!
「こ、こら! やめろ! やめろ、エテ公! やはり、所詮は紛いモノ。役に立つ訳がありませんね」
 クルセイダーが侵略蔵書『ぱらいそ預言書』をめくりながら、サッカーボールを蹴る感覚で、シャーマンズゴースト人間達を蹴り飛ばした。
「あ、それ知ってる。未来の記述が書かれているんでしょ? 構わんよ、むしろ教えてあげる。ナオちゃんがするのは高速移動と射撃でっす☆」
 ナオがまったく躊躇う事なく、自分の考えを述べた。
「……ちょっ! そう言う事は秘密にしておくべきでは! 今から観ようとしている映画のオチを教えられてしまう事くらいショッキングな事なのですが! ま、まあ、いいでしょう!」
 クルセイダーが動揺を隠せない様子で、キリリとした表情を浮かべた。
「……と言うか、知ったところで、回避できないと思うけど☆ さあ、何回まで回避できるか挑戦してみよっか!」
 すぐさま、ナオが黒い拳銃を構え、クルセイダーに攻撃を仕掛けた。
「そんな攻撃、当たる訳が……」
 その攻撃をクルセイダーは、まるで未来を視てきたかのように回避……したつもりであったが、全弾命中!
 死神と激しくダンスを踊る勢いで、死亡フラグが立ちまくっていた。
「どうやら、身体が追い付いていないようね」
 黒夢が【クロックアップ・スピード】を発動させ、指を鳴らす事で高速戦闘モードに変身すると、目にも止まらぬ速さで、クルセイダーに攻撃を繰り出した。
「へいへーい! 動き止まってんぜー!? ひょっとして、わざわざ当たってくれているんですかぁ? あれあれ、おかしいですねぇ? 本当だったら、避けるはずなのにぃ?」
 そこに追い打ちをかけるようにして、ナオが【煽りは任せろ(イエーイ)】で相手を馬鹿にする軽口マシーンに変身しつつ、スピードアップしたパルクールで猫のように戦場を駆けまわり、クレセイダーを狙って、撃って、撃って撃ちまくった。
「こ、こんなはずでは! こんなはずではァァァァァァァァァァ! ならば最終手段です! この骨をも溶かす光線で、昇天してしまいなさい!」
 その現実を受け入れる事が出来ず、クルセイダーが十字槍「人間無骨」を構え、【体内の骨を溶かす光線を放ってきた。
「……って、こわッ! 骨を溶かすって強力な炭酸ビームか?」
 間一髪で名捨がビームを避けたものの、背後にあった十字架がドロドロに溶け、ロウソクの燃えカスのようになっていた。
「えーっ! そんなの困ります! ただでさえ、あちこち危なくなっているのに! ですから、こっちに来ないでください!」
 ふじ江が涙目になりつつ、【ぐるんぐるん~どっかーん!】を仕掛け、クルセイダーの腕を掴んで放り投げた。
「とりあえず、燃やしておこうか」
 それに合わせて、レオナールが【ドラゴニック・エンド】でドラゴンを召喚し、クルセイダーの身体を炎に包んだ。
「クククククッ! ハーッハッハッハッ! この程度の炎で、私が倒れると思ったら、大間違いですよ!」
 クルセイダーがブスブスと真っ黒な煙を上げながら、不気味な笑い声を響かせた。
「まぁ、なりきりだろうとなんだろうと実力はマジじゃからな、油断はできん」
 その事に危機感を覚えたグルクトゥラが武器改造で反応速度を上げたガジェットアームで光線を受け止め、即座に切り離して自爆させた。
 それと同時に煙幕が辺りに立ち込め、猟兵達の姿が見えなくなった。
「ええい、小賢しい真似を! 何処だ! 何処にいる!」
 クルセイダーがイラついた様子で、ケモノの如く吠え始めた。
「……ここだよ、と言っても見えないか」
 霧亥が足音を立てずに、様々な構えの残像を残しながら距離を縮め、刃物の如く鋭く研ぎ澄まされた殺気を放ってクルセイダーの注意を引いた。
 それに合わせて、名捨がスタングレネードを投擲し、閃光によって再び目潰しすると、闇に紛れる迷彩を施し、完全に気配を消した。
「ど、何処だ!」
 クルセイダーがイラついた様子で、殺気を纏った霧亥の残像を攻撃した。
「!!!!!!」
 その間に、霧亥が徐々に間合いを詰め、【ソニックブラスト】を発動させ、竜の如き咆哮を放って、クルセイダーの脳を揺さぶる音の衝撃で、三半規管を破壊した。
「あ、あれぇ? 声が聞こえない? いや、聞こえる! 神の声が! 今まで以上にハッキリと!」
 その途端、クルセイダーが完全にイッた様子で、ニンマリと不気味な笑みを浮かべた。
 どうやら、怪しげな電波を最高感度で受信しているらしく、向かうところ敵なし。
 そのため、完全に無防備だった。
「……」
 しかし、霧亥は容赦がなかった。
 そのまま音を立てず、クルセイダーの背後に近づくと、無防備な急所めがけて貫手を放った。
「いやああああああああああああああああああ!」
 次の瞬間、クルセイダーが野太い乙女の声を上げ、恥ずかしそうに頬を染めた。
「ガッツリ電圧上げとるからの、電撃で焼き鳥になりたくなければ降参した方がいいぞい」
 その隙をつくようにして、グルクトゥラが【攻性電脳妖精多重召喚(コウセイデンノウヨウセイタジュウショウカン)】を仕掛け、見えない速度で動く攻性電脳妖精達を放って、クルセイダーに電撃を浴びせた。
「あは、あははははっ! 何度も同じ事を言わせないで! 私は死なない! 死ぬ訳がないでしょ!」
 クルセイダーが壊れた表情を浮かべ、狂ったように笑い声を響かせた。
「それじゃ、あばよ」
 それと同時に、名捨がダッシュで勢いをつけて飛び上がり、十字槍を足場にして踵落としで踏みつけ、【陸断(リクダチ)】を仕掛け、超高速かつ大威力の一撃を炸裂させた。
「う、嘘、嘘、嘘ッ! 嫌よ、嫌、嫌ッ! あ、でも、神様の所に行けるの? だったら、いいわ! 昇天しちゃう!」
 そして、クルセイダーは恍惚とした表情を浮かべ、オウガ・オリジンの姿をチラ見せしつつ、血溜まりの中に沈んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月27日


挿絵イラスト