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希望の在り処

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 そこは陽炎のように風景の移り変わる世界であった。
 グリモアベース。猟兵達の拠点である。
「みんな聞いてください。ダークセイヴァー世界にむかっていただきたいのです」
 可愛らしい顔立ちの娘がいった。グリモア猟兵であるプルミエール・ラヴィンスである。
 ダークセイヴァー。
 夜と闇に覆われ、異端の神々が跋扈する昏い世界である。百年ほど前に甦ったヴァンパイア――オブリビオンたちに敗北し、今や人類は彼等の完全な支配下にあった。ヴァンパイア達は次々とオブリビオンを呼び寄せ、世界の破滅を進めているという。
「村や領地では圧政が敷かれ、、人々は息を殺すようにして暮らしています。ヴァンパイアたちは、そんな人々をまるで娯楽や余興のように殺しにしているのです。そんなことをこれ以上許すことはできません」
 戯れに滅ぼされようとする村を守る為、赴いてください。プルミエールはいった。
「まず赴いていただきたいのは、オブリビオンに支配された村です」
 村の名はロザラム。山裾に開かれた小さな村だ。人口は千人にも満たない。村長の名はエルバートといった。
「オブリビオンに関する情報は何もありません。まずはそれを入手していただきたいのです」
 が、これが簡単ではなかった。何らかの情報を知る村の人々の協力を得ることは困難であるからだ。
 支配された村の人々は百年にも及ぶ圧政に絶望し、全てを諦めている。オブリビオンに逆らい、猟兵達に情報を漏らす者はいないだろう。
「けれど……いいえ、だからこそやるべきことはたくさんあります。たとえば猟兵達の強さをみせて人々を安心させて胸襟を開かせる。または村や周囲の探索など。話しかける内容や行動で信頼を得ることもできるでしょう」
 プルミエールは猟兵たちを見回した。そしていった。
「この村には時折、異端の騎士が篝火を持つ亡者を連れてやってきており、多くの村人が惨殺されれているようです。何としてもそのような行為をとめ、首魁を倒さなければなりません。そのためにも村人の信頼を得るよう頑張ってください」


雪村彩乃
 雪村ともうします。
 第六猟兵での冒険をお手伝いさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

 今回の舞台はダークセイヴァー。闇と絶望が満ち満ちた世界です。
 オブリビオンがいつどこから来るか。そのことを村人たちは知っています。ですが、それを猟兵達に簡単に教えてはくれません。オブリビオンを恐れ、絶望しているから。
 そこをなんとかして聞き出すことができれば、いずれやってくるオブリビオンに対して有利に戦うことができるはずです。
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第1章 冒険 『支配された村』

POW   :    強さを見せて村人を信頼させる

SPD   :    村周辺の探索を行う、村人達と密かに接触する

WIZ   :    会話や行動で信頼を得る、村人たちから情報を引き出す

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アーレイラ・モンクスフード
また、オブリビオンに支配された村が……いえ、いくつあろうと手の届く所にあるのです。差し伸べる手はここにあります。

先ずは猟兵をオブリビオンに対抗できる存在であるアピールをしましょう。

「この村を脅かす脅威の排除に来ました。」

まずはインパクト重視でユーベルコード使用、100体の輝く星霊を召喚。

「これでとりあえず、百人力です」
石を放り投げて破壊させユーベルコードの力を見せ。
次ぎに手近な壊しても良さそうな岩か何かをメイスで粉砕、すぐに銃に形態を変え、二回攻撃で舞い上がった破片を打ち抜きます

「そして、私も戦えます。どうでしょう、分の悪い賭にはしませんよ?」

有用な情報聞き出せたのなら、他の猟兵にも共有します


ルア・アンバーバード
村人と話そう。回りくどいのは嫌いでな。
彼らの摩耗した心をあおるようで申し訳ないが……このままでいいはずはないからな。

村人(出来れば若い夫婦や子供のいる者がいい)に、微笑んで言おう。
この村は絶望に覆われているな。
何に支配されている?それは、いつ、現れる?

俺にはよくわからないが、生まれた時から絶望に支配されるというのはどういう気持ちなのだ。
すぐ傍にある理不尽な”死”を当然だと思って生きているのか?
それが自分に……いや、お前の愛する者に降りかかった時、それが”当然”の事象だからと諦めるのか。

……なあ。
俺達はそれを拒否するために来た。
それが”おかしい”と思うからだ。協力してはくれないか。



 凍てついた闇。村の明かりですら飲み込まれそうであった。
 ロザラム。山裾に開かれた小さな村である。
 その昏い村に、ふらりとその二人は現れた。男と少女である。
 男は美貌の持ち主であった。夜と同色の髪。金茶の瞳。外見からは年齢は良くわからなかった。
 少女は十七歳ほどに見えた。が、その瞳には若年とは思えぬ透徹した光がある。
「また、オブリビオンに支配された村が……いえ、いくつあろうと手の届く所にあるのです。差し伸べる手はここにあります」
「まずは村人と話すとするか。回りくどいのは嫌いだからな。彼らの摩耗した心をあおるようで申し訳ないが……このままでいいはずはないからな」
 男が呟いた。すると、彼に気づいた数人の村人が姿をみせた。ヴァンパイアに魅入られた村を訪れる者など滅多にはいない。
「旅の人か?」
「私はアーレイラ・モンクスフード(真昼の白夜・f02061)」
「俺の名はルア・アンバーバード(月に恋する鳥・f13467)。猟兵だ」
「猟兵?」
 訝しげに村人たちは眉をひそめた。猟兵など聞いたこともない。するとルアは魅惑的な笑みを美貌に
うかべ、
「そうだ。ところで一つ確認したいことがある。この村は絶望に覆われているな。何に支配されている? それは、いつ、現れる?」
「!」
 村人たちは顔を見合わせた。それからルアを胡散臭そうにじろじろと見つめると、村人の一人が口を開いた。
「そんなことをどうするつもりだ?」
「俺が助ける」
「助ける?」
 村人たちが哀しそうに笑った。彼を助けることのできる者など、この世界において存在などしない。
「俺にはよくわからないが、生まれた時から絶望に支配されるというのはどういう気持ちなのだ。すぐ傍にある理不尽な”死”を当然だと思って生きているのか? それが自分に……いや、お前の愛する者に降りかかった時、それが当然の事象だからと諦めるのか?」
 村人に答えはなかった。暗鬱な目を伏せる。それが答えであった。
「……なあ。俺達はそれを拒否するために来た。それがおかしいと思うからだ。協力してはくれないか」
「巡り廻る星の子ら、数多にして独りなる者よ、その一握を我が前へ」
 突然、アーレイラが聖句のごとき言葉を紡いだ。すると異変が起こった。星が降ってきたかのように夜空に光が瞬いたのだ。それは小型の人の姿をしていた。その数は百。
「これでとりあえず、百人力です。破壊して」
 アーレイラが命じると、人型の光――戦闘用星界精霊が村の外で倒れた巨木に殺到した。一斉に攻撃し、巨木を粉砕する。
 と、巨木の破片が飛んできた。
 閃。
 残光にも似た光が閃いた。アーレイラが現出させた朱金色に煌くメイスが破片を切り裂いたのである。
 それだけではない。いつの間に抜き出したのかアーレイラの抜き出した水晶でつくられた銃が火を噴いた。まだ空に舞っている破片を撃ち砕く。
「そして、私も戦えます。どうでしょう、分の悪い賭にはしませんよ?」
 アーレイラは薄く微笑んだ。見返す村人たちには声もない。ただ、その死んだ魚のようであった目に、小さな光が瞬き出している。暗く深い沼の底から浮かび上がってきたかのように――。
 人とは思えない力。彼らなら、もしかすると……。
 思い切ったように若い村人が口を開いた。
「もうすぐ奴らは狩りにくる。オブリビオンとなった騎士に命じられて。その様を見届け、騎士に報告する者がいるんだ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴァン・アヴェルス
対応は【SPD】で。

んー、手掛かりナシってのは厄介だねぇ。
取り敢えず僕は村の外周をぐるーっと歩いてみようかな。
足跡とか血の跡とか、それっぽいもの見つかるかも?
途中で村人と出会えば挨拶は忘れずに。大事だぞ、挨拶は。

一通り歩き終わったら簡単に地図を描いてみよう。
道や建物は勿論、壊れた柵や倒れた木とか気になった場所も記入。
他に猟兵がいれば情報を共有できるといいよね。
※アドリブ歓迎


アベル・スカイウインド
【SPD】

まずは情報収集か…地道に足で稼ぐほかあるまい。村の周辺の探索を請け負おう。
主な移動は【スカイステッパー】で行う。その方が早い…が、なるべく目立たぬようにしなければな。
フッ、空飛ぶ猫なんて見たら村人が怖がるからな。

何か知ってそうな村人がいたら【忍び足】で【追跡】し、人気のない場所で接触を図ろう。
あまり交渉は得意な方ではないが、俺がヴァンパイアを倒しに来たことと情報が他所に漏れる心配はないと伝えれば納得するだろう。
見返りに必ずヴァンパイアを倒してやろう。フッ、猫の恩返しというやつだ。



 村の外。
 闇の中をゆるりと歩いて人影が足をとめた。村から届くわずかな光に浮かび上がったのは十歳ほどの少年の姿である。
 が、よくみれば少年は人間ではなかった。緑の髪と瞳をもってはいるが、関節部が人形のそれである。名をヴァン・アヴェルス(ミレナリィドールの人形遣い・f10853)といった。
「……なるほど。村の周囲はこんな感じか」
 ヴァンは紙に書き加えた。地図である。倒木や山道など、気になったところが記されている。
「何かわかったか?」
 闇に声が響いた。上空から。若々しいが落ち着いた声音だ。
 夜空を振り仰いだヴァン、空から降下する猫の姿を見出した。よほど鍛えているのか、猫の優美を残しつつ、逞しさも備えている。アベル・スカイウインド(天翔ける稲妻・f12583)であった。
「いいえ。まだ何も」
「そうか」
 音もなく着地すると、アベルはうなずいた。
「そっちは?」
「俺もだ。ただ」
 アベルは仲間が村人から聞き出した内容を伝えた。近日中に襲撃があるらしいこと。それがオブリビオンである騎士に命じられた亡者の群れであることなどを。さらには、それを見届ける者がいるらしいことをも。
「見届ける者?」
 ヴァンは地図に視線を落とした。幾つかの山道があったが、その一つ足あとはなかったようだ。
「よし。俺が見届けてこよう」
 アベルは地を蹴った。ケットシーらしき身軽さで、高々と。
 が、驚くべきはその後であった。彼は、さらに上空に舞い上がったのである。空気のみを足場として。さらに、さらに――。
 十七回にも及ぶ跳躍を繰り返し、アベルは遥か空の高みに舞い上がった。山道を鳥の視線で俯瞰する。
 その山道は山を縦断していた。抜けた先、遠くに何か見える。建物のようであるらしいが、あまりに遠くて、さすがにここからでは良くわからなかった。
 再び跳躍を繰り返し、アベルはヴァンのそ近くに着地した。見てきた内容を告げる。
「……遠くに建物ですか」
 地図に書き加えると、ヴァンはニッと笑った。新しい玩具を見つけた子供ように。
 退屈であったから、ヴァンは旅に出た。目的は自分の強さを確かめること。
「騎士ですか。戦ってみたですね」
「その前に亡者の退治だろ」
 今度はアベルがニヤリとした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『篝火を持つ亡者』

POW   :    篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アーレイラ・モンクスフード
来る場所が分かれば待ち伏せができますね。

山道なら、バランスの悪い岩や範囲攻撃を当てやすい場所を探します。

他の猟兵の方の戦い方を考慮して、その場に留まるか引いておびき寄せるか決めます。

「岩場なら火災の心配もありませんからね。さあ、照覧あれ」

黎明の神に祈り捧げ、全力魔法で詠唱開始。

『炎』の『吹雪』を呼びます。

そして、敵をまとめて範囲攻撃しつつ、岩や地形を崩す事での2回攻撃を発生させます。

必要あれば、銃撃で脆くなった部分を壊し、崩れる方向を調整します。

もう一度ユーベルコード放つチャンスあれば、人々の生存圏を破壊しに来たわけでもないので、敵ごと壊した地形も破壊して道をマシな状態に戻します。



 闇が哭いている。それは怨嗟の叫びであるのかもしれなかった。
 ゆらり。
 闇に淡い光が揺れた。篝火の光だ。
 その光に浮かび上がった者は人のように見えた。が、断じてそれは人ではなかった。フードに隠れた顔は虚無の深淵である。亡者であった。
「来ましたね」
 神秘的な眼差しをもつ少女が立ち上がった。十七歳ほどに見えるが、違う。かつて呪われた神として恐れられた少女であった。名をアーレイラ・モンクスフード(真昼の白夜・f02061)という。
「来る場所が分かれば待ち伏せができますからね」
 アーレイラはほくそ笑んだ。場所は山に続く道の手前。岩場だけの場所はなく、延焼を恐れたのであった。
「ここなら火災の心配もありませんからね。さあ、照覧あれ」
 手に煌く大鎌と聖典を手に、アーレイラは叫んだ。
「我が左手の大鎌よ、力を統べよ。我が右手の聖典よ、魔たる力を解放せよ。星は晴、晴天聖典共に堕す。黎明薄暮混じり合え、顕現せよ渾沌!」
 呪文の詠唱。星天渾沌呪――セイテンノカオスブリンガー。強大な魔力によりアーレイラが行ったのは、簡単にいうと合成であった。
 次の瞬間、紅蓮の炎の奔流が亡者を飲み込んだ。この場合、アーレイラが行ったのは炎と吹雪の合成である。
 亡者の数体が消滅した。恐るべき炎流の威力である。
 その時だ。闇を赤光が切り裂いた。亡者のもつ篝火から炎が噴出したのだ。
「あっ」
 アーレイラの腕に炎がからみついた。肉の焼ける嫌な匂い。激痛をこらえ、アーレイラは跳び退った。
 そのアーレイラを追って次々と炎が噴出した。その尽くをアーレイラは躱してのけたが、次なる魔法を撃つことができない。やはり一人で亡者の群れを蹴散らすことは困難であった。
 その隙をつくように、亡者たちが村に侵入した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルア・アンバーバード
理不尽を拒否したいといったのは自分だ。だから拒否するために動く。
自分はまだ実力も経験も何もない。
けれど、それでも”動く”ことだけはできるだろうから。

人が好きなのだ。その為に動きたいだけだ。

錬成カミヤドリと2回攻撃を使って戦う。
1匹でも減らすことで協力できたらいい。複数に対する相手にはある程度距離を置いて場を見て戦うことも必要だろうから、一定の距離を取り、手が空いているところを集中的に攻める。


アベル・スカイウインド
雑魚がわらわらと数だけはいるようだが…フッ、件の騎士とやり合う前に準備運動といくか。

どうやら奴らが持つ篝火の影に触れるのは避けた方がよさそうだな。
だが逆に考えれば触れなければどうということはない、という訳だな。
ならば話は早い、俺の【ドラゴンダイブ】で上空から奇襲を仕掛け【串刺し】にしてやろう。
あとは【スカイステッパー】を駆使して空中から攻撃してやるか。フッ、地に足をつけない戦い方は俺の得意分野でな。【空中戦】



 闇に篝火が流れる。怨嗟の呻きとともに。
 黒い奔流と化して亡者の群れが村に雪崩れ込んだ。待ち受けていたのは二人の男であった。
 一人は夜と同色の髪をもつ美貌の男だ。もう一人は猫の顔をもつ妖精――ケットシーであった。それぞれに名をルア・アンバーバード(月に恋する鳥・f13467)とアベル・スカイウインド(天翔ける稲妻・f12583)という。
「来たな」
 ルアは亡者の群れを睨めつけた。狩りと称する遊びのために村人を傷つけさせるわけにはいかない。
「理不尽を拒否したいといったのは自分だ。だから拒否するために動く。自分はまだ実力も経験も何もない。けれど、それでも動くことだけはできるだろうから」
 ルアは人間ではない。満月のような赫の石を抱く鳥のブローチのヤドリガミであった。それが何故作り主の青年の姿を模した存在となったか。
「人が好きなのだ。その為に動きたいだけだ」
 瞬間、ルアの周囲から何かが空を裂いて疾った。数は十四。それは弾丸のように亡者を撃ち抜いた。
 それの正体はブローチである。ルアは自身の本体を複製、操ることができるのだった。
 さらにルアは攻撃を放った。亡者の数が減る。
「おおおおお」
 地鳴りのような不気味な呻きを発し、亡者たちは篝火から炎を迸らせた。幾条もの火線がルアに襲いかかる。
 ルアは前後左右にステップし、躱した。が、すべてを躱しきることは不可能だ。ルアが炎に包まれ、倒れた。
 するすると滑るように亡者がルアに迫った。刹那である。
 流星のように空から舞い降りた者があった。アベルだ。驚異的な高空より降下した彼は自身の身の丈よりも長大な槍を亡者に叩きつけた。
 それは落雷の威力を秘めていた。膨大な破壊力の席巻に他の亡者も巻き込まれる。
「篝火の影に触れるのは避けた方がよさそうだな。だが逆に考えれば触れなければどうということはない、という訳だ」
 ふっ、とアベルは笑みをもらした。そして再び跳躍した。わずかに残った亡者が放つ炎が彼を追う。
 が、むなしく炎は流れ過ぎた。驚くべきことにアベルは空気のみを足場とし、さらに跳躍してのけたからだ。
「地に足をつけない戦い方は俺の得意分野でな」
 数回ジャンプし、アベルは槍を手に亡者に迫った。

 戦いは終わった。隠れていた家から姿をみせた村人たちは呆然と三人の猟兵たちを見つめている。
 亡者の群れに、今まで村人たちは為す術もなく蹂躙されてきた。が、今夜ばかりは違う。その恐るべき化物をたった三人のみにて斃し得る者たちが現れたのだ。
「あなたたちなら……あなたたちなら私たちを救ってくれるかもしれない。深い絶望の淵から助け出してくれるかも」
 一人の若者がいった。その昏かった瞳に微かに瞬いているのは、紛うことなき希望の光である。が――。
「安心するのは早い。亡者どもを斃していただいたのは確かにありがたいが……これで奴がくることになった。闇の主たる異端の騎士が」
 村長であるエルバートが慄く声でいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


「ふうっ」
 襲いかかってきた亡者どもをようやく始末し、アーレイラ・モンクスフード(真昼の白夜・f02061)は吐息を零した。次いで、激痛に美麗な顔をしかめる。
 本来の力があれば、と思わざるを得ない。呪われ神としての力と知識を封じられ、奪われ、失い、アーレイラは都を後にした。もし本来の力をふるうことができるなら、あのような亡者どもなど造作もなく始末できただろう。
「負傷しましたか。癒やしのユーベルコードを………」
 ユーベルコードを使用しようとし、すぐにアーレイラはやめた。自身の怪我などいずれは治る。痛みを耐えることにアーレイラは慣れていた。それよりも今は村人たちが心配だ。
 切り裂いた布切れを火傷した腕に巻きつけると、アーレイラは馳せた。疾風と化して村に戻る。
「あぁ、無事でしたか」
 村に走り込むなり、アーレイラは胸をなで下ろした。亡者の姿はない。猟兵二人と村人たちの姿があるばかりである。どうやら村人たちに怪我はないようであった。
「ゆるり揺らげゆりかごよ。宵闇降りて、安らぎを。遍く諸人に休息を」
 アーレイラは呪を唱えた。すると、仲間の傷が瞬く間に癒えていった。
「おおっ」
 村人たちの口から驚嘆の声がもれた。彼らの目には、それは奇跡と映っただろう。
「マイナーな古い古い存在の力ですよ」
 アーレイラは苦笑した。彼女にしてみればたいした業ではない。
「…疲れたので少し休ませて貰います」
 少し青ざめた顔でアーレイラはいった。彼女が発動した薄闇の揺籃なるユーベルコードは他者を治癒すると同時にアーレイラを疲労せしめるのだった。そして――。

「……三匹の鼠か」
 闇の満ちた豪壮な館の中。椅子に座した男がニヤリとした。
 甲冑をまとった騎士。が、男は人間ではなかった。口からもれる吐息は瘴気であり、瞳は血色に光っている。
 男の名はギルベルト。人類を裏切った異端の騎士である。
 何故裏切ったのか。それはギルベルトも覚えてはいない。すでに記憶の彼方にあった。
 今、彼が覚えているもの。それは数日前に殺した女の顔だけであった。
アーレイラ・モンクスフード
負傷しましたか、癒やしのユーベルコードを………いえ、怪我は治りますが、人々の命こそ優先ですね。

医術で簡単な応急手当して、ダッシュで戻ります。


「あぁ、無事でしたか」
撃退を確認したら、負傷者の確認、

あまり気の進まない力ですが、
ユーベルコード発動

自身と倒れた方を癒やします。

「マイナーな古い古い存在の力ですよ。…疲れたので少し休ませて貰います。」

次ぎに備えて疲労を少しでも回復させておきましょう。

可能なら、村長のエルバートさんか詳しい方に、異形の騎士とやらの戦法や能力分かるだけを教えて貰いましょう。



「ふうっ」
 襲いかかってきた亡者どもをようやく始末し、アーレイラ・モンクスフード(真昼の白夜・f02061)は吐息を零した。次いで、激痛に美麗な顔をしかめる。
 本来の力があれば、と思わざるを得ない。呪われ神としての力と知識を封じられ、奪われ、失い、アーレイラは都を後にした。もし本来の力をふるうことができるなら、あのような亡者どもなど造作もなく始末できただろう。
「負傷しましたか。癒やしのユーベルコードを………」
 ユーベルコードを使用しようとし、すぐにアーレイラはやめた。自身の怪我などいずれは治る。痛みを耐えることにアーレイラは慣れていた。それよりも今は村人たちが心配だ。
 切り裂いた布切れを火傷した腕に巻きつけると、アーレイラは馳せた。疾風と化して村に戻る。
「あぁ、無事でしたか」
 村に走り込むなり、アーレイラは胸をなで下ろした。亡者の姿はない。猟兵二人と村人たちの姿があるばかりである。どうやら村人たちに怪我はないようであった。
「ゆるり揺らげゆりかごよ。宵闇降りて、安らぎを。遍く諸人に休息を」
 アーレイラは呪を唱えた。すると、仲間の傷が瞬く間に癒えていった。
「おおっ」
 村人たちの口から驚嘆の声がもれた。彼らの目には、それは奇跡と映っただろう。
「マイナーな古い古い存在の力ですよ」
 アーレイラは苦笑した。彼女にしてみればたいした業ではない。
「…疲れたので少し休ませて貰います」
 少し青ざめた顔でアーレイラはいった。彼女が発動した薄闇の揺籃なるユーベルコードは他者を治癒すると同時にアーレイラを疲労せしめるのだった。そして――。

「……三匹の鼠か」
 闇の満ちた豪壮な館の中。椅子に座した男がニヤリとした。
 甲冑をまとった騎士。が、男は人間ではなかった。口からもれる吐息は瘴気であり、瞳は血色に光っている。
 男の名はギルベルト。人類を裏切った異端の騎士である。
 何故裏切ったのか。それはギルベルトも覚えてはいない。すでに記憶の彼方にあった。
 今、彼が覚えているもの。それは数日前に殺した女の顔だけであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『異端の騎士』

POW   :    ブラッドサッカー
【自らが他者に流させた血液】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【殺戮喰血態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    ブラックキャバリア
自身の身長の2倍の【漆黒の軍馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    フォーリングローゼス
自身の装備武器を無数の【血の色をした薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ドゥイット・ナウ
【WIZ】
絶望から救い
希望を与えるのもまた猟兵の役目だな
そんなわけだ
倒されてもらおうか、異端の騎士よ

剣を持つ騎士相手に
近接戦闘は普通にマズそうだからな
基本は距離を取りつつ
フレイム・フェザーで攻撃
フレイム・フェザーのエネルギー状の刃達を
しっかり敵へ【追跡】させ確実に当て
炎の【属性攻撃】で普通に燃やし尽くす


また距離を詰められても焦らず
バラックスクラップとマインゴーシュによる攻撃に
切り替えて対応しよう
敵に手傷を負わせていればその【傷口をえぐる】

敵の攻撃に関しては
マインゴーシュで【武器受け】し
攻撃を受け流したり致命傷を避けよう

フォーリングローゼスはフレイム・フェザーで相殺を狙う

・共闘、行動アレンジ可能


アーレイラ・モンクスフード
村の人たちに希望を取り戻せそうなのです、
ここで負けるわけにはいきませんね。

一戦で決着がつけられるとも思いませんし、先ずは弱らせる所から始めましょう。

戦場は仲間に合わせ、屋根や岩場の高所を取り
ユーベルコード発動

星霊を舞わせ、上空に分けて散開させます。

一度に攻撃されないように5体ずつ、違う方向からの10体ずつ突撃させ
小分けにした対象に薔薇の花びらのユーベルコードを発動したら、
残りの全てを突撃させ攻撃します。

また近づかれないように、仲間の援護になる様に、銃撃での攻撃も同時に行っていきます。

「骸の海へ帰りなさい、ここは貴方達のような存在が居ては良い世界ではないのです。」


アベル・スカイウインド
【SPD】

騎士でありながらオブリビオンに与するとは、どうやら騎士としての矜持は持ち合わせていないようだな。
フッ、こう見えて俺も騎士なんだ。同じ騎士のよしみだ、俺が引導を渡してやろう。

先手必勝だ。我が槍技【ヴァンキッシュ】で奴の動きを封じる。【先制攻撃】
俺の槍の前に鎧など無意味だ。躱すか捌くしかないぞ?【鎧無視攻撃】【串刺し】

やつのユーベルコードを封印できれば上々だが、そう都合よくはいかないだろう。
その場合やつは軍馬を召喚して騎乗するようだな。
やつが突撃してきたらその攻撃を【見切り】、【ジャンプ】で躱してそのまま本体を攻撃する。


ルア・アンバーバード
来たな、騎士とやら。
焼かれた代償は払ってもらうぞ、全く、熱かった。

悪いが痛みは倍にして返したい性質なのだ

サイキックブラスト使用
敵の動きを見てユーベルコード使用前のタイミングを狙って使用していこう
集中しているところを邪魔されるのは腹が立つだろうし

ブラックキャバリアを使ったら馬を中心に狙う
足を狙えば倒しやすいかもしれないしな
周りと協力していこう 一人では到底かなわんだろうしな

次に同じことがあったとしても
”抗う”という意味を知ってもらえたならいい
人は笑っているのが一番だ
不条理には抗えるのだ



●「……来たようですね」
 村の入口からやや離れた街道。佇んだ女が呟いた。
 神秘的な眼差しをもつ美少女。呪われ神として、かつては恐れられた彼女の名はアーレイラ・モンクスフード(真昼の白夜・f02061)といった。
 闇の彼方。より黒々とした影が歩み寄ってくる。悽愴の殺気を放ちつつ。
 がちゃり。がちゃり。
 鋼の響きだ。影は鎧をまとっていた。
 やがて姿を見せたのは鎧と兜を身につけた騎士である。兜をかぶっているために顔は良くわからない。ただ覗いた目のみ紅く光っていた。吐息はどす黒い瘴気である。
「来たな、騎士とやら」
 男が騎士――オブリビオンであるギルベルトを見やった。
 ルア・アンバーバード(月に恋する鳥・f13467)。夜色の髪をもつ美貌のヤドリガミであった。
「焼かれた代償は払ってもらうぞ、全く、熱かった。悪いが、痛みは倍にして返したい性質なのだ」
 ルアは告げた。静かなであるが、凄みのある声音で。それだけで闇が硬質化したようだ。
「ほう」
 ギルベルトは声をもらした。
「鼠は三匹と聞いていたが……まあ一匹増えたところでどうということもない。まとめて始末してやろう」
 ギルベルトはすらりと剣を抜き払った。
「いってくれる」
 異形が苦く笑った。鳥の頭骨のような顔をもつシャーマンズゴーストだ。名をドゥイット・ナウ(一般猟兵・f04358)といった。
「が、お前の思うとおりにさせるわけにはいかんのだ。絶望から救い、希望を与えるのもまた猟兵の役目でな」
「猟兵?」
 兜の内から訝しげな声がもれた。猟兵など知らないらしい。
「ああ。そんなわけだ。倒されてもらおうか、異端の騎士よ」
「鼠ごときが何をほざく」
「騎士でありながらオブリビオンに与するとは、どうやら騎士としての矜持は持ち合わせていないようだな」
 ふっ、と四人めの猟兵が笑った。人間ではない。猫族の顔としなやかなた体躯をもつ妖精。ケットシーだ。
「こう見えて俺も騎士なんだ。同じ騎士のよしみだ、俺が引導を渡してやろう」
 ケットシー――アベル・スカイウインド(天翔ける稲妻・f12583)は宣言した。
 刹那だ。ギルベルトが地を蹴った。


 重い鎧をまとっているとは思えぬほどの神速の踏み込み。ギルベルトの手の剣が空を裂いた。
 咄嗟にアベルは跳躍。が、遅い。
「先制攻撃を行いたかったが、さすがに今の技量では無理か」
 斬られた腹を手でおさえ、アベルは呻いた。
「が、やる。俺の槍の前に鎧など無意味だ。躱すか捌くしかないぞ?」
 今度はアベルが踏み込んだ。長槍――ランスオブアベルが迅雷の速さで疾る。
「ぬっ」
 ギルベルトの口から愕然たる声がもれた。刺突は三撃。すべて躱したはずであったのに、一撃のみ足を貫いている。
「やるな」
 ギルベルトの剣がキイィィンと唸った。刃に瘴気がまとわりついている。殺戮喰血態であった。
「しまった」
 呻く声はルアから発せられた。彼はギルベルトがユーベルコード使用する前に攻撃するつもりであったのだ。
 そのルアの手から紫電が迸りでた。数万ボルトにも及ぶ高圧電流だ。
「ふんっ」
 ギルベルトの剣が閃いた。電流をはじく。が、同時に放たれたドゥイットの刃を躱すことはならなかった。
 それは羽と化してギルベルトを燃やした。ふふん、とドゥイットは笑う。
「いかな手練でも、剣が届かなければどうしようもあるまい」
「そうかな」
 炎を払ったギルベルトの剣が真紅の薔薇と変じて霧散した。吹き荒れる薔薇の花びらが刃となって猟兵を切り刻む。
「花吹雪ですか」
 笑みを含んだ声は家屋の屋根から響いた。アーレイラである。
 その彼女の見上げる暗天。踊る無数の光があった。小型の戦闘用星界精霊である。
「骸の海へ帰りなさい、ここは貴方達のような存在が居ては良い世界ではないのです」
 アーレイラが告げた。呪われ神としての力と知識を封じられ、初めて彼女は知ったのだ。弱き人間たちへの愛おしさを。彼らは懸命に今日を生きている。
 刹那だ。一斉に星界精霊が襲いかかった。光の瀑布と化して。
「ええいっ」
 ギルベルトの剣が縦横無尽に疾った。驚くべきことに星界精霊の半ば以上を切り捨てる。
 が、残った星界精霊たちがギルベルトを弾丸のように撃った。一体の威力はたいしたものではないが、数十の衝撃はオブリビオンたる彼にも無視できぬダメージを与えている。がくりとギルベルトは膝を折った。
「ぬううっ。よくも」
 憎悪に血濡れた目をギルベルトは上げた。
 次の瞬間である。何の予備動作もみせず、彼は化鳥のように跳んだ。アーレイラの真上から降下、剣を薙ぎ下ろす。
「させん!」
 疾風と化してドゥイットもまた空に舞った。その手の奇怪な形状の武器――バラックスクラップとマインゴーシュで受け止める。
 が、ギルベルトの剣の方が速い。ドゥイットを袈裟に切り裂く。
「馬鹿め」
「馬鹿はお前だ!」
 叫ぶ声はギルベルトの直上で響いた。数度の跳躍により遥か高みに舞い上がっていたアベルである。
 落下速度を加えたアベルのランスオブアベルが、逃げも躱しもならぬギルベルトの背を襲った。瞬時に放たれた三撃を受け、地に叩きつけられる。
 爆発にも似た衝撃。地が陥没した。
「くっ……まだだ」
 陥没した地から、よろりとギルベルトが身を起こした。そして魔性の軍馬を召喚しようとした。が――。
「よ、呼べぬ。何故――」
「それがアベルの力。そして、これが俺の力だ」
 闇を砕く雷光。ルアの手から噴出した稲妻が異端の騎士の胸を貫いた。

 村に静寂がもどった。が、それは以前のそれとは違う。
 かつて村にあったのは墓場のごとき陰惨な沈黙であった。が、今、村を包んでいるのは夜明け前の静謐である。
 村人たちは、まだ茫然自失の状態であった。長い年月、彼らを縛り付けてきた絶望が打ち砕かれたことに確信がもてないのだ。
「彼らは大丈夫だろうか?」
 ドゥイットが、ふと呟いた。心配はいらない、とルアがこたえる。
「次に同じことがあったとしても、抗うという意味を彼らは知ったはずだ。不条理には抗えるのだということを。それに」
 ルアは村人たちの顔に滲む微笑みを見とめた。
「人は笑っているのが一番だ」
「そうですね」
 アーレイラは確りと頷いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト