迷宮災厄戦⑱-11~feat.ハンプティ
●アリスラビリンス
「ナイチチは悪! 乳無きモノには死を!」
『オウガ・オリジン』が変身したのは、猟書家『レディ・ハンプティ』だった。
レディ・ハンプティは大都会のような国で、ナイチチ狩りの真っ最中。
その被害に遭った愉快な仲間達が、悲しそうな表情を浮かべて、辺りに悲鳴を上げていた。
「ああ、イライラする! いくら殺しても、気が済まない! これはアレ、絶対にアレよ! 前世的な何かで酷い目に遭ったせいよ! ま、まさか父様を……アウルム・アンティーカ父様を、私から奪ったのが……ナイチチ! きっと、そう! 間違いなく、そうですわ! だったら、情け容赦など必要ありません! そもそも、ナイチチの罪は、ナイチチが責任を取るべき! それが嫌なら豊胸すればいいじゃない!」
レディ・ハンプティが瞳孔の開いた眼で、キッパリと断言をした。
そこにあるのは、自分だけの正義。
自分以外の考えは、すべて悪とばかりに、偏っていた。
だが、いくらナイチチを殺しても、怒りが収まる事はない。
むしろ膨らんでいくばかり。
「やはり、アリスを……。いえ、猟兵達を標的にしなければ……! 私から父様を奪ったのは、間違いなく猟兵……。その事実を私の本能が告げてますわ。そうすれば、私の中で渦巻く怒りも消え去るはず。ナイチチ死すべし。滅びよ、ナイチチ! おーっほっほっほっほっ!」
そう言ってレディ・ハンプティが、沢山のナイチチを逆さに吊るし、高笑いを響かせた。
●ガジルからの依頼
「ナイチチは悪じゃないんだよ! むしろ正義なんだよ!」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が小さな胸を自信満々に張りながら、今回の依頼を説明した。
今回の目的は、『オウガ・オリジン』を倒す事。
オウガ・オリジンは、猟書家『レディ・ハンプティ』に変身し、大都会のような国で、猟兵達が現れるのを待っているようだ。
しかも、レディ・ハンプティは、ナイチチが大嫌い。
そのため、半ば八つ当たり気味にナイチチ属性の愉快な仲間達を逆さに吊るし、非道の限りを尽くしているようだ。
そう言った事を踏まえた上で、オウガ・オリジンを倒す事が今回の目的である。
ゆうきつかさ
この依頼は戦争シナリオです。
敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくるので、対抗手段を考えておきましょう。
第1章 ボス戦
『『オウガ・オリジン』レディ・ハンプティ』
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POW : 乳房の下の口で喰らう
【乳房の下の口での噛みつきと丸呑み】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : アンティーカ・フォーマル
【肩の蒸気機関から吹き出す蒸気を纏う】事で【武装楽団形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 侵略蔵書「蒸気獣の悦び」
【黄金色の蒸気機関】で武装した【災魔】の幽霊をレベル×5体乗せた【魔導列車】を召喚する。
イラスト:きゃら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大門・有人
不採用含め全て歓迎だ。
その独り善がりな正義、断じて認めん。例え前世的な悲運があろうと貴様の存在は既に悪。悪は、俺が裁く。
見参、ガンバレェエイ!
先制UCに炸裂弾を装填した散弾銃ごと左腕を奴の大口に叩き込む。
激痛耐性と覚悟を持ち、噛らせて撃つ。左腕は持っていけ。
近接状態の上、爆撃に成功して隙が出来ればカウンター。UCを威力重視で始動。
全力全霊のガンバレイ・パンチを奴の顔面にぶち込む。
攻撃後は距離を取り、味方が居れば拳銃で牽制や援護射撃だ。
また、敵の注意が外れれば吊るされた者を救いに行こう。
標的が猟兵だけなら理解もあったが。
貴様は悔い改める必要も無い。怒りを胸に抱いたまま、骸の海へ還るがいい。
セツナ・フィアネーヴ
……なあアリシア
ないちち、とは何だ?
精霊アリシア『無い父、でしょうか?前そんなこと言ってた気がしますよ?』
だがそれでは“ないちち”は自分ではないか?よくわからないな……
相手にはこの後の野望が残っているのだから
寿命の消費を抑えるためにも短時間で勝負を決めに来るはず
敵の攻撃へは第六感と見切りでの回避に専念
さらに攻撃先に「置いておく」ようにアリシアの雷魔法のマヒ攻撃を放ち、
被弾を減らすより勝負を長引かせるよう動く
相手に隙ができたならこちらもUC【穿ち抉れ、衰退の短剣】
私の影から飛び出した「衰退」の効果を持つ短剣を投擲し、
四肢や蒸気機関の弱体化を狙う
動きが鈍れば封竜槍のランスチャージで貫かせてもらう!
尾崎・ナオ
どうしたガジルくん!?
いつも「みんなに頼みたい事があるんだよ」はどこへ!?
敵の初動攻撃は『喋る』事で回避。
「どうせ乳と同じように、ダルダルの腹と、ふっといフトモモしてんでしょ~。時代はスレンダー美女。どうよ、この美脚!」
「巨乳好きってマザコンが多いんですってぇ。知ってましたぁ? 求められてるのって母親の役割なんだってね~。自立心の無い男に好かれるってどんな気分ですかぁ?」
見たところ同じUCっぽい? それだとレベル勝負か。負けそう~~。
他猟兵いるなら連携取ろう。ナオちゃんが引き付けてる間にその巨乳引きちぎってくれ!
近接は絶対にされないよう回避しよ。
距離を取ってクイックドロウと早業で一撃!
烏丸・都留
SPDアドリブ共闘OK
「どちらにしてもその人に合ったボディバランスが大事よ?」
全装備は、UCで機動力79倍、攻撃回数9倍、自身と味方攻撃時に治癒効果有
距離を取り、無数に召喚した全装備で攻撃/支援/防御
隠蔽型アンチアストラルマインで行動阻害。
POW:無数のガードユニットとアイテールの護衛隊で攻撃を偏向/攻性防御。
SPD/WIZ:装備の聖魔喰理扇で蒸気を「吹き飛ばす」ことで戦力阻害。
また理を喰む能力で、どこへでも走りそうな魔道列車の理を喰むことで、
「列車なら線路の上を走りなさい!」
と正常な理へと書き換え動きを阻害。
念のために縮小召喚したクラスタードデコイで自身や味方から逸れる用に線路に擬態。
グロリア・グルッグ(サポート)
目標を確認。破壊します。
私という騎兵が現れた以上、もう逃げられませんよ。
観念するか抵抗するか、どちらにせよ覚悟を決めなさい。
二足歩行型戦車エンジェルに騎乗して戦闘。
レギオンを召喚してボスを攻撃させます。
電脳魔術によるハッキングで機体性能を底上げしているので、熟練の兵士のように上手くやってくれるでしょう。
レギオンで猛攻しつつ私は後方からミサイルを発射してボスを爆撃します。
ミサイルにも電脳魔術でハッキングをし、超高精度な誘導弾として自由自在に操ってみせましょう。
レギオン諸共爆破するのも普通にやりますよ。
空からはミサイル、地にはレギオン。
逃げ場のない戦場を作り出し敵を蹂躙してやりましょう。
大神・零児(サポート)
人狼
妖剣士×黒騎士
30歳男
普段(俺、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
怒った時(俺、てめぇ、か、だろ、かよ、~か?)
探索や調査、追跡等は内容に即した使えそうなUCを選択し、技能やアイテムも駆使
またマルチギアイヤフォンという通信機を仲間に配って即時情報共有も可能
戦闘の際は敵のUCにメタ、カウンター、一方的に攻撃ができるようなUCを選択又は状況を技能やアイテムを駆使して作り出し、マルチグレネードの機能を選択して使ったり、妖刀「魂喰」や黒剣「黒鞘」を駆使しての剣士の動き等で戦う
基本戦闘型キャラ
ギャグシナリオはツッコミのような立ち位置
自身に触れられる危険がなければお色気も少々いける
アドリブ共闘等可
仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!
お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ
口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ
よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね
アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!
源・ヨーコ(サポート)
『悪い子はお仕置きっすよー!』
人間のブレイズキャリバー × ビーストマスター
年齢 16歳 女
外見 158.4cm 金の瞳 ピンクの髪 色白の肌
特徴 胸が大きい 八重歯 ギャル ハイテンション! 運動が好き
口調 体育会系(自分、~先輩、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?)
悪いヤツは鉄拳制裁!
あまり難しいことは考えず、敵に向かって猪突猛進するタイプ。全ては拳で解決できると信じていて、とりあえず接近して殴るが基本戦術。
硬そうな相手にはカウンターでの一撃必殺を狙い、素早そうな相手には連撃と使い分けぐらいはする。
単独行動を好み、調査などは苦手。
基本は戦闘オンリーな感じですが、よろしくお願いします。
四軒屋・綴(サポート)
※口調
・語尾に「ッ!」がつきます(重要)
・敵には『貴様ッ!』
・一般人には『貴方』
・『~なのだなッ!』
・身振り手振りを多用します
※台詞例
・「仲間の為ならえんやこらッ! だッ!!」(だんだん《!》が多くなります)
・「良い夜だな、ご令嬢"フロイライン"。」(ルビを《"○○"》の形で振ります)
※行動例
・「なるほどッ! 了解だッ!!」(素直)
・「流石だ○○さんッ!」(サムズアップ)
・「生憎だがな、貴様達は此処が『終点』だッ!!」(それっぽい台詞)
ヒーローであろうとする一方、自分のことをヒーローとは呼ばず、正義を名乗る敵には一層の憎悪を抱く、ヒーローの仮面を被った面倒な奴です。
被弾とか破損とか全然OKです
●大都会のような国
「ナイチチ、ナイチチ、いくら殺しても、この怒りは収まらない。ナイチチは何処! 何処! 何処! 一体、何処に隠れているの! 隠れていないで出てらっしゃい!」
大都会のような国で猟兵達を待っていたのは、猟書家『レディ・ハンプティ』に変身した『オウガ・オリジン』であった。
だが、見た目はレディ・ハンプティと、瓜二つ。
まるで本人が、その場にいるような感じであった。
レディ・ハンプティは自らの怒りを発散するため、ナイチチ(愉快な仲間達)達を逆さ吊りにしたまま、火あぶりにしまくっていた。
それでも、心は満たされない。
いくらナイチチを始末しても、心の底に穴が開いているような感じで、すぐにイライラが増していた。
「……愚かなッ! こんな事をして、何の意味があるッ!」
その行く手を阻むようにして、四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)が、レディ・ハンプティの前に陣取った。
「意味? 意味ならあるわ。わたくしも気持ちが少しだけ晴れ……てないわね。でも、まあ、いいわ。誰も困らないでしょ、ナイチチなんて。だから退いて! 邪魔だから!」
レディ・ハンプティが鬱陶しそうにしながら、綴を強引に追い払おうとした。
「絶対に退かない。例え、怪我をしたとしても。だって、そうでしょ? ここで退けば、愉快な仲間達に危険が及ぶんだから……」
仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)が、レディ・ハンプティをジロリと睨みつけた。
「大丈夫。わたくしが狙っているのは、ナイチチ……。ナイチチだけよ。だったら、いいでしょ?」
レディ・ハンプティが上から目線で、フンと大袈裟に鼻を鳴らした。
「……なあ、アリシア。ないちち、とは何だ?」
そんな中、セツナ・フィアネーヴ(災禍貫く竜槍・f26235)が、不思議そうに首を傾げた。
『無い父、でしょうか? 前に、そんな事を言ってた気がしますよ?』
精霊アリシアがレディ・ハンプティの父親である大魔王第一形態『アウルム・アンティーカ(遺影バージョン)』の姿を思い浮かべた。
「だったら、“ないちち”はレディ・ハンプティ自身だろう? よく分からないな」
セツナが沢山のハテナマークを浮かべて、霧深い迷宮に迷い込んだような錯覚を覚えた。
「さっきから何なんですか、あなた達は! ひょっとして、わたくしの敵? 敵なのね! きっと、そう……そうに違いありませんわ! そもそも、父様を愚弄するようなヤツに、マトモなモノなんていませんもの!」
その途端、レディ・ハンプティが捲し立てるようにして、猟兵達に語り掛けた。
ナイチチ狩りを邪魔されて、だいぶ腹を立てているのか、今にも襲い掛かってきそうな勢いで鼻息が荒かった。
「……そこまでです。私という騎兵が現れた以上、もう逃げられませんよ。観念するか抵抗するか、どちらにせよ覚悟を決めなさい」
グロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)が二足歩行型戦車エンジェルに騎乗し、レディ・ハンプティに対して最後の警告をした。
「騎兵……ん? まさか、あなた達……猟兵ねッ! ああ、何と忌々しい。……ですが、あなた達さえ殺せば、この苛立ちも収まる……はず。ですから、死んでください。塵となって、わたくしの心を満たす御手伝いをしてください」
レディ・ハンプティが口元を歪ませ、不気味な笑みを浮かべた。
「その独り善がりな正義、断じて認めん。例え前世的な悲運があろうと貴様の存在は既に悪。悪は、俺が裁く。見参、ガンバレェエイ!」
その空気を木っ端微塵に破壊する勢いで、大門・有人(ヒーロー・ガンバレイにして怪人・トゲトゲドクロ男・f27748)が勇ましく名乗りを上げた。
「わたくしが悪ですって!? 何か勘違いをしているようですが、悪いのはナイチチ。わたくしにとって、ナイチチは悪……悪そのもの!」
レディ・ハンプティがイラついた様子で、キッパリと断言をした。
よほど前世(?)で酷い目に遭ったのか、イライラが止まらない様子である。
「理由は何であれ、その人に合ったボディバランスが大事よ? それなのに、ナイチチが悪って……。随分と偏った考えだと思うけど……」
烏丸・都留(ヤドリガミの傭兵メディック・f12904)が、レディ・ハンプティの考えに異を唱えた。
「どうせ乳と同じように、ダルダルの腹と、ふっといフトモモしてんでしょ~。時代はスレンダー美女。どうよ、この美脚!」
尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)が勝ち誇った様子で、レディ・ハンプティに見せつけるようにして美脚を披露した。
「ハァァァァァァァァァァ? 何を言っているんですかね、この人達は! まったく何も分かっていない! やはり猟兵は殺すべき! これも父様の御導き。きっと、そう。間違いなく、そ。絶対に、そう! 父様、父様、父様ァァァァァァァァァァァ! ありがとうございますぅ! 感謝いたしますわ、父様ァ! だから、きちんと殺さねば……。父様の期待に応えるためにも殺さねばァ!」
レディ・ハンプティが身震いしながら、ウットリした様子で、天を見上げた。
その視線の先には、200%ほど美化されたアウルム・アンティーカが、キラキラ、マシマシでポーズを決めていた。
「……狂っているな。まあ、愉快な仲間達を殺し回っている時点で、分かっていた事か」
大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)が、深い溜息を漏らした。
既に奪われてしまった命を取り戻す事は出来ない。
しかし、これから奪われるかも知れない命を守る事なら出来る。
そのためにも、ここでレディ・ハンプティを仕留める必要があった。
「あらあらあら、わたくしが狂っているですって!? 自分達の事を棚に上げて、よくもまぁ……そんな事を……。あなた達に良い事を教えてあげましょう。狂っている自覚がない人ほど、自分のことをマトモだと思っているのですよ♪」
レディ・ハンプティがゴミを見るような目で、不気味な笑みを浮かべた。
その途端、猟兵達の視線が、レディ・ハンプティに集まった。
「確かに……そうっすね」
そんな空気を察した源・ヨーコ(鉄拳制裁・f13588)が、乾いた笑いを響かせた。
「ほら、見なさい! ようやく自覚したのね。自分達が狂っているって! だったら、邪魔をしないでくださるかしら? それが嫌なら死んで頂戴!」
その事実に気づかぬまま、レディ・ハンプティが指をパチンと鳴らし、黄金色の蒸気機関で武装した災魔の幽霊達を乗せた魔導列車を召喚した。
召喚された魔導列車はウェーイな災魔の幽霊達を乗せたまま、火花を散らして線路を爆走しながら、猟兵達のまわりをハイスピードでクルクルと回り始めた。
「……断る! それ以前に、こんなガラクタで、俺達を殺す気なのか? だったら随分と甘く見られたものだな」
すぐさま、零児が【悪夢再現『大蛇大乱』(リュウミャクヘイキオロチ)】を発動させ、霊脈の流れから7(水・火・闇・光・樹・雷・土)属性のオロチと呼ばれる龍脈の力で魔導列車を攻撃した。
次の瞬間、先頭車両を除いて爆発炎上し、災魔の幽霊達が線路に転がり落ちていった。
「悪い子はお仕置きっすよー!」
それに合わせて、ヨーコが【スチームエンジン】を発動させ、自らの拳に蒸気エンジンを搭載し、災魔の幽霊をブン殴った。
「クキャアアアアアアアアア」
その途端、災魔の幽霊が断末魔を響かせ、弾け飛ぶようにして消滅した。
「目標を確認。破壊します」
続いて、グロリアが二足歩行型戦車エンジェルに乗ったまま、【サイバーレギオン】を発動させ、小型で電脳魔術仕様の戦闘用機械兵器を召喚し、災魔の幽霊達に攻撃を仕掛けていった。
その上で【騎兵隊歌(ライダーソング)】を発動させ、隣に立ち、肩を並べて前進せんとする友の歌声を響かせ、災魔の幽霊達を蹴散らしていった。
「ぐぎぎぎぎぃ! なんでよ! 何で死なないの! あなた達には、わたくしと父様を馬鹿にした責任を取ってもらわないと……。いまさら謝っても、もう手遅れですわよ!」
レディ・ハンプティがケモノのような叫び声を響かせ、乳房の下の口で猟兵達に襲い掛かってきた。
その口には鋭い牙が生えており、進行方向にあったすべてのモノが、噛み砕かれて辺りに散らばった。
「そんな事で、俺が怯むと思っていたのか? 本当に甘く見られているようだな。だったら、俺達の実力を分からせるまでだ!」
有人が全く怯む事なく、レディ・パンプティを睨みつけ、【ガンバレイ・ストライク(ガンバレイ・ストライク)】を発動させ、炸裂弾を装填した散弾銃ごと、乳房の下の口に左腕を突っ込んだ。
「えっ? ちょっと待って! 嘘でしょ! やめてよ、そんな事。考え直すんだったら、今のうちよ!」
その事に危機感を覚えたレディ・ハンプティが、薄っすらと涙を浮かべた。
「……俺を使えッ!」
そんな空気を察した綴が【暴爛列車(アバラントレイン)】を発動させ、必殺武器形態に変形し、自らの移動能力を代償に、自らの攻撃力と射程距離と浪漫を強化した。
「考え直すなら、今のうちか。だが、断る! どうせ、俺の腕を噛み千切るつもりなのだろう。そもそも、罪のない者達を巻き込んだ時点で、貴様は悔い改める必要も無い。怒りを胸に抱いたまま、骸の海へ還るがいい」
次の瞬間、有人が覚悟を決めた様子で、乳房の下の口に炸裂弾をブチ込み、反射的に後退したレディ・ハンプティの顔面めがけて、必殺武器形態に変形した綴によって強化された全力全霊のガンバレイ・パンチをぶち込んだ。
「わ、わたくしの美しい顔がああああああああああ! なんで、こんな目に! どうして、誰も死なないの! これじゃ、ストレスが溜まるだけじゃない! 死ね、死ね、死にやがれ!」
レディ・ハンプティが醜く歪んだ顔を隠すようにして、肩の蒸気機関から吹き出す蒸気を纏い、武装楽団形態に変身した。
その影響でスピードと反応速度が爆発的に増大し、一瞬にして動く凶器と化した。
「これ以上、酷い事なんてさせないんだから! せめて最後くらいは美しく戦いなさい!」
すぐさま、衣吹が【シーブズ・ギャンビット】を仕掛け、ダガーによる一撃で肩の蒸気機関の一部を破壊した。
「何するのよぉおぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉお! お前達だけは許さない! 絶対に殺す! ブチ殺すゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
その一撃を喰らったレディ・ハンプティが、イラついた様子で猟兵達に突っ込んできた。
「相手にはこの後の野望が残っているのだから、寿命の消費を抑えるためにも短時間で勝負を決めに来るはず」
その事に気づいたセツナが第六感と見切りを駆使しつつ、全力で回避に専念した。
それに合わせて、アリシアの雷魔法でマヒ攻撃を放ち、レディ・ハンプティを牽制した。
「ええい! チョコマカと! 逃げるな! 死ねえええええええええ!」
レディ・ハンプティが両目を血走らせ、傷つく事も恐れず猟兵達に迫ってきた。
「そういえばぁ、巨乳好きってマザコンが多いんですってぇ。知ってましたぁ? 求められてるのって母親の役割なんだってね~。自立心の無い男に好かれるってどんな気分ですかぁ?」
そんな中、ナオが【煽りは任せろ(イエーイ)】で、相手を馬鹿にする軽口マシーン】に変身した。
「ええい、黙れ! 黙れ! 黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
レディ・ハンプティの鬼のような形相を浮かべ、一気に距離を縮めてきた。
だが、怒りで我を失っているせいで、攻撃がワンパターンになっていた。
「……隙だらけよ」
次の瞬間、都留が聖魔喰理扇を仰ぎ、レディ・ハンプティが纏っていた蒸気を吹き飛ばした。
「いまのうちに、無駄なぜい肉を引き千切っちゃってください~。それとも、ナオちゃんが直々にヤッちゃいましょうかぁ~」
その間に、ナオが含みのある笑みを浮かべ、【クイックドロウ】を仕掛け、黒い拳銃でレディ・ハンプティの胸を撃ち抜いた。
「……ぜい肉だけでは済まないわ」
続いて、都留が【雷冥威武(ライメイイブ)】で、雷光の輝きと共に機動力を上昇させ、攻撃回数を増やした状態で、無数に召喚した全装備で攻撃を繰り出した。
「ぐ、ぐきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
レディ・ハンプティが両目を血走らせ、ギチギチと歯を鳴らした。
「ただの短剣だと……思うなっ!!」
それと同時に、セツナが【穿ち抉れ、衰退の短剣(ディクライン・ダガー)】を発動させ、己の影から生み出した【災禍「衰退の災い」の力を帯びさた6本の黒い短剣で、レディ・ハンプティの両手両足に突き刺した。
そこに追い打ちをかけるようにして、セツナが封竜槍を構え、ランスチャージを仕掛けて、レディ・ハンプティの身体を貫いた。
「わ、わたくしが、こんな最期……いい訳がない。こんな惨めな最後では、父様に叱られてしまいますわ。父様、父様、ごめんなさい。だから、わたくしを見捨て……ない……でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
その途端、レディ・ハンプティの顔が激しく歪み、オウガ・オリジンの顔と混ざり合うようにして弾け飛んだ。
その事を確認した後、物陰に隠れていた愉快な仲間達が顔を出し、ホッとした様子で胸を撫で下ろすのであった。
成功
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