迷宮災厄戦⑱-17〜汝、己を狩れ
「諸君、『オウガ・オリジン』がまた姿を変えたようだ。今度は巨大な迷路となり、侵入者を待ち受けている」
グリモアベース。アリスラビリンスへの出撃を待つ猟兵達に、氷川・権兵衛(生物学者・f20923)はミッションの内容を伝える。今回は実に単純だ。ダンジョンで獲物を狩ればよい。だが、曲がりなりにもオブリビオン、それもフォーミュラが変化した要塞だ。一筋縄ではいかないだろう。
「残念ながら、先行隊の侵攻は失敗に終わったようだ。何でも、自分とそっくりな『偽物』が現れたらしい」
彼ら曰く、まるで鏡写しの様に自分とそっくりな敵が現れた。己と同じ武器を携え、鏡の壁から這い出てきたそれは『オウガ・オリジン』の手先なのだ。何とも悪趣味であり、不愉快な敵だ。
「鏡写しだから容姿は対称。そして性格も対称か。正に鏡の国のラビリンスといったところだな」
それは熟練の猟兵である己自身が、自分とは違う戦い方で攻めてくるということ。熱血な者は冷静に、気弱な者は勇敢に。此処はそういう場所なのだ。
「貴殿らには、この『偽物』達の掃討を願いたい...共闘を望むなら、くれぐれも注意することだ。隣にいる誰かが、本当に相棒かどうかをな。それでは健闘を祈る」
それから、と権兵衛は付け加えた。
「汝、己をよく知りたまえ。強みは汝の弱みであり、弱みは汝の強みである。努々忘れぬことだ」
偽物と侮るなかれ。鏡は真実の裏返し。お前の背後に佇む者は、お前自身ということだ。
ウルフパック
ウルフパックです。
このシナリオでは「姿が左右対称」で「性格が正反対」の自分自身と戦います。
「鏡写しの私」を攻略する行動にプレイングボーナスがあります。
今一度、猟兵の性格を見つめ直してみましょう。
第1章 冒険
『「鏡写しの私」と戦う』
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POW : 「姿が左右対称」「性格が正反対」だけならば、戦闘力は同じ筈。真正面から戦う
SPD : 「姿が左右対称」である事を利用して、攻略の糸口を見つけ出す
WIZ : 「性格が正反対」である事を利用して、攻略の糸口を見つけ出す
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レパル・リオン
あたしと同じ強さのニセモノ!普通に考えたら時間稼ぎに持ってこいの強敵!
でも、ニセモノのあたしは…見るからにビビっているっ!
魔法少女に変身!パワーアップして戦うわ!
多分ニセモノは逃げながら武器を投げるとか、気合弾を撃ってくるとか、とにかくあたしを引き離そうとするわね!だったらオーラバリアで弾きながら、全力ダッシュで追い詰めるだけよ!
あたしの魔法は、元を正せば気合いの力!
性格が正反対のニセモノに、力に変わるほどの気合いがあるのかしら?
少女はまるで太陽だ。見知らぬ誰かを守るため、少女は明るく笑うだろう。
貴女が鏡に映されて、歪んだ真実が見え隠れ。
向こうのあなたは慎重で、冷静沈着な殺人鬼。誰かのためには笑わない。冷酷無比な人でなし。
さあ狩れ、そして殺したまえ。汝が汝であるうちに。
●臆病なあたし
物陰に隠れたレパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)は、撃たれた箇所を確認する。左足が掠った程度、だが右肩は見事に貫通していた。
「これくらい...気合でなんとか!」
気合を入れて、闘志を燃やす。すると、傷口が塞がっていく。これが彼女の力なのだ。壁から顔を少し出し、外の様子を伺った。
ーーバキッ!
慌てて頭を引っ込める。虹の様な『線』が走り、頭のあった場所を通過する。ロードオブヌー...彼女の道を作るという魔法は、誰かを繋ぐ為ではなく、殺人の道具に使われていた。
「出てこい、あたし。殺してやるわ」
「そっちこそ!正々堂々戦え!」
「強がっちゃって」
「臆病者!」
分かっている。あれは自分の偽物で、性格は正反対。自分の力は気合いの力。土壇場で本領を発揮するタイプ。短期決戦に持ち込めば、勝機はこっちにあるだろう。
「...」
改めて自分を見つめ直す。結局のところ、自分が臆病なのだ。その為の強がりであり、その為の気合い。
覚悟を決めろ。逃げなければ勝機はある。
「このイェーガー・レパルが相手よ!変・身!!」
空中に現れた火の輪を潜り、魔法少女に変身する。ライオンをモチーフにした『サンライズライオン』だ。
ーーバキッ!
少女に向けて、魔法の狙撃が撃ち込まれた。それを屈んで避けきった。踏ん張りどころだ。
「でりゃあああ!!」
「向かってくるのか、あたし...」
レパルは迫る魔法を躱し、ニセモノの元へと駆けていく。だが、予想以上に攻撃の手は緩かった...いや、寧ろ近づくにつれ、ニセモノの攻撃は静かになる。
「これで終わりだぁああ!!」
ついにニセモノの元へと辿り着いた。自分と瓜二つの容姿のニセモノ。ゾクッと、言い様の無い恐怖を感じた。その顔は酷く無表情で、生気を何も感じなかったのだ。
「じゃあね、あたし...もう疲れちゃった」
レパルは炎を纏って拳を握る。却って、ニセモノはもう諦めていた。
少女を拳でブチ抜くと、ガラスの割れる音がした。砕けて散った鏡の破片が、宙に漂い、消えていく。
レパルの手に残った感触は、少し後味が悪かった。
大成功
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ネーヴェ・ノアイユ
❄元の性格
大人しくて自分に自信がない
戦闘では防御や牽制を大切にする慎重派
私の性格までもが反転しているのなら……。必勝の手はありますが……。問題はそこにどう持ち込むかですね。
まずは氷壁の盾受けにて反転した私の攻撃を防ぎつつ、出来るだけ反転した私に攻撃を仕掛けさせて魔力を消耗するように防戦を頑張ります。
氷壁越しに反転した私の攻撃の威力や勢いに衰えを感じましたら……。反撃開始です。
自分の力を信じているが故にリボンに頼らない……。そんな反転した私にリボンに魔力溜めしていた魔力と全力魔法にて作り上げたUCにて教えてあげましょう。
私という存在は何かに助けられて初めて強いのだということを……。
あなたはまるで氷のよう。何もかもを知らぬが故に、孤独を恐れる小さき少女。だが、か弱いと侮るなかれ。彼女は賢く聡明だ。
貴女が鏡に映されて、歪んだ真実が見え隠れ。
向こうのあなたは炎のようだ。烈火のごとく激しく猛る。独りよがりの愚かな戦士。彼女はきっと無知なのだ。
さあ狩れ、そして殺したまえ。汝が汝であるうちに。
●知らない私
ネーヴェ・ノアイユ(冷たい魔法使い・f28873)は正しく自己を分析した。己は大人しく自信がない。それ故、荒事には慎重を期すのだ。つまり...
「私はきっと攻めてくる...」
それも自信満々に。だが、それは無知故の傲慢だ。もしそれで勝てるなら、彼女もそうやって戦ってきた。
「当たれ!当たれ!アハハハハ!」
偽物の放った巨大な氷の塊を、ネーヴェは氷壁で受け止めた。氷の粒が辺りを舞い散る。耐える。ただ、耐えて凌げば良い。そうすれば、必ず勝機は傾く。
「全部避けきれるかな?アハハ!」
氷鋏の雨が降り注ぐ。氷の傘で一息つく。
「これでどうだ!死んじゃえ!」
氷の剣を振り回し、私が私に斬りかかる。
避けて、守って、堪え忍ぶ...
そして勝利の女神は微笑んだ。本物のネーヴェ・ノアイユに。
「ハァ...ハァ...あれ?」
偽物の手が虚空を仰ぐ。何故だと首を傾げ、まじまじと手の平を見つめていた。少女よ、それは魔力切れだ。
「わ、私の...氷...どうして...」
「愚かですね」
ネーヴェはリボンに貯めた魔力をほどく。さあ、このお遊びを終わらせよう。
「仲間のいない私なんて、この程度なのです」
偽物の周りに現れたのは、無数の小さな氷の鋏。上、前、後ろ、逃げ場はない。
「あ...れ...?」
「さようなら」
違いは正しく知ってたか。驕りは翳りを生むのだと。
心の臓が止まっても、頭のソレに気づかなかった。
大成功
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大門・有人
不採用含め全て歓迎だ。
POW対応
正反対な性格、ねえ。欲望に忠実って所か。…殺すしかねえな。
敵を発見したらクイックドロウ、拳銃で攻撃だ。敵は近接戦に持ち込むだろうがすぐには付き合わないぜ。鏡を利用して撹乱しながら射撃。
俺の性格と正反対なら抑えが効かないはずだ、焦れて突撃してきた所にUC始動、カウンターで威力重視の有人キックを叩き込む。
戦闘能力が同じなら、鉛弾を受けて先にデカい一撃を受けたお前じゃ、もう俺は止められねえな?
足を止めて乱打合戦だ。
致命傷を与えたら蹴り倒して最期に、人を喰いたいか聞く。…聞くだけだ。
答えを聞いたら頭をぶち抜いて終いにするぜ。
髪を整えておこう。身なりに気を遣うのが人間だ。
痛みに抗い正義を成せ。闇がお前を覆おうとも、その精神は高潔だ。
歪んだ鏡に映されたのは、見え隠れしたお前自身。
向こうのお前が呼んでいる。楽になれ、正直に。その空腹を満たすのだ。
さあ狩れ、そして殺したまえ。汝が汝であるうちに。
●人でなしの俺
「ッ!やりやがったな!」
大門・有人(ヒーロー・ガンバレイにして怪人・トゲトゲドクロ男・f27748)が放った出会い頭の弾丸は、見事『偽物』の腕を撃ち抜いた。反撃を躱すべく、背後の曲がり角へ身を隠す。
「逃げんじゃねえ!糞が!」
付き合ってられるか。何せ相手は自分と同じ能力を持つ。真面に戦っても疲れるだけだ。幸い、此処は鏡の迷宮。上手く利用させて貰おう。
「おいおい、そんなに俺が憎いかよ」
「うるせえ!その頭ぶち抜いてやらあ!」
おお、怖い怖い。鏡の迷路は複雑だ。相手は居場所が分かってない。だから、こうやって声を掛ければ...
「歯ァ食いしばれェエエ!!」
「グァアア!!」
奇襲も簡単にできるわけだ。
焦れて突っ込んできた偽物に『有人アタック』を仕掛けた有人。死角からの強襲を、まんまと奴は食らったのだ。そこからはずっと殴り合ったわけだが、結局彼は目立った怪我をせずに偽物を倒すことができたのだった。
「痛えぇなあ...はあ!負けた負けた!」
地面に横たわった偽物を踏みつける。
「お前に一つ聞きたいことがある」
「ああ?」
有人は散弾銃を突きつけながら、静かに問うた。こいつはある意味自分自身。違うのは性格、ただそれだけ。
「お前は...人を喰いたいと思うか?」
ならば、その欲望は同じはず。
「人?ああ...ハハッ、そりゃお前も一番分かってるはずだろ?」
男は小馬鹿に嗤う。傑作だと、今更かと嗤っている。
「答えろ!お前は人を...」
「今日は二人だ」
「は?」
見ただろ、と悪魔が続ける。
「まずは少女だ。さぞ柔らかいだろうな!噛み切りやすそうだし、レアといった所か」
「何を...言っている?」
「それにあのキマイラを見ろ!芳醇な味わいだろうさ!ゆっくりウェルダンで...」
これ以上、男は言葉を吐かなかった。その前に、有人が引き金を引いたからだ。
「黙れ...」
だが、彼の耳には未だに声が聞こえていた。
「黙れ!黙れ!」
引き金を引く。声が囁く。お前は今すぐ楽になりたいんだ。ほら、背中を預ける猟兵達を見ろ!絶好の獲物だ!早く食おう。痛くてしょうがないんだ!
「黙れ!黙れ!黙れ!」
引き金を引く。食人衝動は認めよう。だが、俺はお前みたいな人でなしじゃない!決して...決して...!
ズタズタになった亡骸を、蹴り飛ばして一息つく。鏡の壁に映るのは、酷くヤツれた自分の顔。ハハ、自慢のリーゼントも台無しだ...整えておこう。身なりに気を遣うのが人間だ。
俺はまだ化け物じゃない。
大成功
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メンカル・プルモーサ
ふむ、正反対の自分…能力はそのまま…えー
…つまり…見た目通りのインドア派で…動くのも頭を働かせるのも面倒だから…戦闘で細かいことは考えずに雑に火力をぶっ放してくる…辺りか…?
(なお本人の自覚はないが大人びてるので逆、つまり偽物は子供っぽい)
…対策としては…【最も古き魔女の家】で偽物の私のぶっ放してくるUCや術式を防御…
…能力が同じなら全力でぶっ放し続けた場合に息切れするまでの時間も把握済みだからね…
…時間が来たらUCを解除…相手を見ないで雑に火力を連打するからそうなる…そもそも、その戦い方じゃ能力を生かしきれない…
…魔力切れした私に術式装填銃【アヌエヌエ】で偽の私に銃弾を叩き込んで終わりだね…
あなたは知識の探求者。世界の英知を束ねて紡ぐ、静謐なる挑戦者。
貴女が鏡に映されて、歪んだ真実が見え隠れ。
向こうのあなたが手を振った。ねえ遊ぼうよ、と微笑みかける。下らないことは忘れてさ。
さあ狩れ、そして殺したまえ。汝が汝であるうちに。
●子どもな私
(正反対の自分...能力はそのまま...えー、つまり...)
きっと奴は面倒くさがりで、見た目通りのインドアだ。なら、細かいことを考えずに、短期決戦を仕掛けてくるはず。メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は、そう偽物を分析した。
(なら...)
「我が領域よ...築け、保て。汝は堅牢、汝は不落...魔女が望むは破れず侵せぬ護の結界」
詠唱に合わせて結界が張られる。これは彼女を守る聖域だ。貴女が何かをする限り、それは貴女を守るだろう。
ただ、
「ねえ!」
それは、
「遊ぼうよ!」
敵対者にしか効かないのだ。開いた本をそのままに、視線だけを上に向ける。楽しそうに微笑んだ、同じ顔の誰かがいた。メンカルはとても聡明だ。ならその偽物も、また聡明なのだ。
「...」
メンカルは焦りながらも、本を読むのに集中する。幸い、結界はまだ働いている。攻撃されることはない。
「もう!無視しないでよ!」
まるで愚図った子供の様に、偽物の貴女が貴女を揺する。まさか、攻撃してこないとは...どうやって攻略したものか。
「ねえ、私。本を読むのは楽しい?」
貴女は無視する。
「私は全然楽しくないわ!ゲームで遊ぶ方がずっと楽しいもの!」
「...」
「ねえ、苦しくない?辛いでしょ?」
「...黙りなさい」
偽物がニカッと笑う。待ってましたと言わんばかりに。
「あー!もしかして、負けるのが嫌なんだ!だから...」
声は遮られた。メンカルがアヌエヌエの銃口を向けたからだ。
「ねえ」
キテラーズ・インが解けていく。だが、結界がなくなる直前に偽物が素早く動いたのだ。彼女の腕を一瞬で掴み、そして耳に顔寄せて囁いた。
「冒険って大変よね。髪は汚れるし、疲れるもの」
鏡合わせの表裏一体。どんなに上手く誤魔化そうとも、後ろの貴女は騙せない。だからね、
「たまには休んでもいいんだよ、私」
結果だけ言うと、メンカルは彼女を打ち倒した。想像以上の労力と魔力の消費をを要したが。崩れゆく鏡の迷宮を背に、彼女は思う。知識の探求は喜びに溢れている。アルダワの紋章術、古代エルフの精霊術。どれも魅力的だ。物にしたい。そして、新たな術式の誕生を...だが、それは決して簡単な道ではない。危険な目にもあったきた。寝食を忘れて研究する日もあった。だから、
今日は帰りは喫茶店へ寄ろう。美味しいお茶をお供に、読みかけの魔術書を読み解くのだ。そういう日も、偶には悪くない。
成功
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