3
クレープ迷宮 ~あまいものどろっぷす~

#アルダワ魔法学園

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アルダワ魔法学園


0





「アルダワ魔法学園の迷宮ってのは、ほんとに色んなのがあるんだな」
 タハニ・クルツリンガー(乱暴者は乱舞する・f03635)は面白そうに言って、今回予知した迷宮について語る。
「学園に侵攻しようとするオブリビオンがいるみたいなんだが、そいつらのいる迷宮は『キュウショクシツ』ってとこに似てるらしい」
 料理をする道具と設備が万全に整った上、巨大な冷蔵庫まで擁している。
 おまけに食堂まで併設されているので、調理室や食堂と呼ぶのも近いのかもしれない。

「で、その部屋全体に『蜜ぷに』がいる」
 ぷにぷに無害そうではあるのだが敵は敵、放っておくことは出来ないだろう。
 そして、今回は『敵である』以上に蜜ぷにを倒す必要があるのだとタハニは言う。
「実は今回の『蜜ぷに』、攻撃を受けて消滅する直前に必ずスイーツを生み出す」
 倒すごとに、なんらかの甘いものを残してから消滅するというのだ。
 残されるスイーツはフルーツだったりホイップクリームだったりと、種類は様々らしい。
「そして都合のいいことに、なんでか知らないんだがクレープ生地の材料だけはこの迷宮には揃ってるんだ」
 クレープを作るにはまさにうってつけの、というかクレープを作るためだけに作られた迷宮かのようだ。
「フルーツ、フレーク、ケーキだとかは蜜ぷにを一体倒すごとに一つ手に入る。ばんばん倒して、ばんばん集めると楽しそうだな!」

 ちなみに巨大冷蔵庫にはアイスクリームとチョコレートソースがたっぷりあるのだが、冷蔵庫内は『迷宮ショコラティエール』が守っている。
 せっかくのクレープなのだからアイスクリームやチョコレートもあった方が楽しい。
 そういう意味で、蜜ぷにと迷宮ショコラティエールを全て倒してから、クレープを楽しむのがベストだとタハニは言う。
「ごほうびのクレープがあるからな、楽しみにしておくといい!」


遠藤にんし
今回はアルダワ魔法学園です

第一章は蜜ぷにとの集団戦、
第二章は迷宮ショコラティエールとの戦闘(冷蔵庫内)、
第三章はクレープを作って食べることになります

●特記事項
 蜜ぷには撃破されるたびに甘いものをドロップして消滅します
 ドロップする甘いものは『アイスクリーム以外』であれば何でもOKです
 プレイングに記載のある場合は該当のものを、特にない場合はこちらで美味しそうなものをドロップさせます

 第三章はクレープを作る・クレープを食べることが出来ます
 アイスとホイップクリームとフルーツでパフェを作ることが出来るのでは? という気がしますが、クレープ以外のものを作るとマスタリング対象となりますのでお気を付けください
 飲み物については室内にあったり持ち込んだりできますので、ご自由にお飲みください
100




第1章 集団戦 『蜜ぷに』

POW   :    イザ、ボクラノラクエンヘ!
戦闘用の、自身と同じ強さの【勇者ぷに 】と【戦士ぷに】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    ボクダッテヤレルプニ
【賢者ぷに 】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ミンナキテクレタプニ
レベル×1体の、【額 】に1と刻印された戦闘用【友情パワーぷに】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴィクトリア・アイニッヒ
【太陽の家】の仲間達と参加。

地下迷宮、アルダワ……こういう変わった施設もあるのですね。
まぁ、折角の機会です。甘い物は心も満たしますし、堪能させていただきましょうか?

戦闘時は同行者のサポート役。
攻撃は仲間に任せ、愛用の斧槍を構えての盾役となる事に徹する。
『蜜ぷに』はそこまで手強い相手ではありませんが、油断は禁物ですよ?

出てくる素材に関してはお任せ。
料理は苦手ではありませんから、どんな物が出てきてもある程度の対応は出来るはずです。
…よっぽど、変な物が出なければですけれど。でも、そこまで心配しなくてもいいでしょうね、きっと。


ティエル・ティエリエル
【太陽の家】の仲間達と参加。

「甘いお菓子!ボク、甘いもの大好き♪」
お仕事の後に甘いスイーツが食べれると聞いて、小さな妖精さんもやる気満タン!

【ライオンライド】で体長40cm程度の子供の黄金のライオンくんを呼び出して「騎乗」したら、『蜜ぷに』をどんどん踏み潰していくよ!
ヴィクトリアに油断しないようにと言われたら、元気に返事するよ♪

ドロップ品は何かな~何かな~♪この黄色くて細長いのは……バナナだ☆バナナも甘くて美味しいよね♪
わっ、甘い物しか出ないからライオンくんがちょっと不機嫌になってる!?
お仕事終わったらライオンくんにもご褒美あげるからもうちょっと頑張ってね☆


秋月・信子
【太陽の家】の仲間達と参加

「迷宮自体がまるで、ヘンゼルとグレーテルの童話に出てくるお菓子の家みたい…」
連れのヴィクトリアとティエルは当たり前のように、ぷにが倒された跡に出てくるお菓子を拾うのを見て『本当に大丈夫なものかと』疑います。

「…本当だ、本物のフルーツに生クリームだね」
半信半疑の彼女を見た連れ達に勧められて食材をつまみ食いするとその懐疑心は晴れて、積極的にぷに狩りを勤しむでしょう。

「影よ…召喚されたぷに達を駆逐して!」
ミンナキテクレタプニで戦闘用【友情パワーぷに】を召喚されたらば、ユーベルコード【影の追跡者の召喚】でハンドガンを持った影達を召喚し合体される前に倒すのを試みます。



「こういう変わった施設もあるのですね」
 アルダワ魔法学園の地下迷宮。
 蜜ぷにがみちみちに詰まっていること以外は普通の調理場といった風合いの周囲を見回して、ヴィクトリア・アイニッヒ(陽光の信徒・f00408)はそう呟いた。
「迷宮自体がまるで、ヘンゼルとグレーテルの童話に出てくるお菓子の家みたい……」
 秋月・信子(魔弾の射手・f00732)も言いながら周囲を見回すが、甘いお菓子が食べられると聞いてティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)はやる気満々。
 さっそく小さなライオンの仔を呼び出して背中に飛び乗ると、蜜ぷにの中へ突入。
「いっけー!」
 ぷにぷにぷにぷに、と踏み潰されて消えていく蜜ぷに。
 ティエルの走った後にはチョコチップクッキー、マシュマロ、メロンが残るので、ティエルは蜜ぷにを踏み倒しながらそれらを拾っていく。
「甘いお菓子! ボク、甘いもの大好き♪」
 黄色くて細長いものを見つけてなんだろう? と首を傾げてからバナナだと気付いてぱあっと顔を明るくするティエル。
「『蜜ぷに』はそこまで手強い相手ではありませんが、油断は禁物ですよ?」
「うん! 気を付けるー!」
 無防備とも言えるほど迅速に蜜ぷにを倒して回るティエルに続くように、ヴィクトリアはティエルの元へ急ぐ。
 ぷにっぷー、と現れた賢者ぷにと共に襲い掛かる蜜ぷにをヴィクトリアは斧槍【L'orgoglio del sole】で受け止め弾き返すと、蜜ぷには空中でりんごに変わる。
「美味しそうですね」
 器用にも空中でそれをキャッチするヴィクトリア。
「……」
 蜜ぷにを倒しては甘いものを集め続ける二人の様子に、この状況への疑問はなさそうだが信子としては不安がある。
 果たして本当に大丈夫なのか――思っている信子の前に、ティエルは生クリームを、ヴィクトリアはりんごを差し出す。
「食べてみてよ☆」
「甘い物は心を満たしますよ」
 勧められて、半信半疑ながらも口へ運ぶ……濃厚なミルクの風味と、甘味と酸味の調和したりんごの味。
「……本当だ、本物のフルーツに生クリームだね」
 何かの罠ではないと分かると、信子はハンドガンを手に蜜ぷにの群れへ突入。
 サプレッサーのお陰で銃声は響くことなく、ぷにぷにぱちんと弾ける蜜ぷに。
 信子の撃ち抜いた蜜ぷにがアーモンドや袋に入ったココアパウダー、シフォンケーキへ変わる中、蜜ぷには友情パワーぷにを召喚して反撃。
「影よ……召喚されたぷに達を駆逐して!」
「ぷにぷー!?」
 蜜ぷにに対抗するように信子はハンドガンを持つ影を召喚して乱射、辺りに散らばる甘いものを集めてティエルはご機嫌そうだ。
「ドロップ品は何かな~何かな~♪」
「ここまで集まった材料で作れるクレープはと……」
 ヴィクトリアは集めた食材で今後のクレープ作りの構想を練る。
 幸いにも変な食材はなく、どれもクレープにはマッチしそうなものばかり。
 調理台を向いて考えるヴィクトリアの前に集めた食材を置くティエルは、ライオンくんが不機嫌なことに気付く。
「わっ、甘い物しか出ないからライオンくんがちょっと不機嫌になってる!?」
 この迷宮においてサラダクレープの概念はないので、ハムやソーセージといったライオンくんが好きそうな食材はないのだ……ライオンくんを慰めるように、ティエルはぽんぽんと撫でてあげて。
「お仕事終わったらライオンくんにもご褒美あげるからもうちょっと頑張ってね☆」
「どんどん行きましょう!」
 三名の活躍によって、調理台の上には食材が山盛りになるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

清川・シャル
f01013
葎ちゃん同行

まっ待って…倒すとクレープの材料…?
どんな構造してるんでしょう…そわそわ…
ここはたたっ斬ります!
なんか不用意に潰したくないっ(金棒仕舞い

UCでぐーちゃんにて攻撃
目潰しと時間稼ぎで足止め、範囲攻撃、
りっちゃんと連携を取りながら行きます
その後は抜刀して村雨にて応戦
2回攻撃、串刺し

攻撃には見切り、盾受け、カウンターで応戦
囲まれないように間合いを取りながら戦います

心做しか甘い匂いが…
とはいえ、心はまだ油断しませんからねっ
りんご出てこい、りんご…りんご……


硲・葎
シャルちゃん(f01440)と同行。
クレープ?
え、待ってこれ倒したら材料?
い、意味が分からないけど、とにかくやるしかないね。
うーん、せめて綺麗に飾り切りしてあげよっか!
増殖しそうだし、残像で避けつつ、
吹き飛ばしたりもしてみるね。
目潰しとカウンターも組み込んでみよう。
彼岸花ノ葬で2回攻撃と串刺しも使おうか。
「おとなしく材料になって食べられちゃえ!」
個人的にはバナナ出てこないかなー。あ、いい香り……お腹空いてきちゃう。でも我慢だ、我慢……!!!



 まだまだ蜜ぷにはひしめき合う。
「まっ待って……倒すとクレープの材料……?」
「クレープ? え、待ってこれ倒したら材料?」
 迷宮の構造がどうなっているのかまったくもって謎なので、清川・シャル(バイオレットフィズ・f01440)と硲・葎(流星の旋律・f01013)は戸惑い顔。
「い、意味が分からないけど、とにかくやるしかないね」
 こうしている間にも蜜ぷにはぷにぷにしているのだ――葎の言葉にうなずくシャルは金棒をしまい、ぐーちゃんと村雨で戦うことにした。
「戦場に響きし我が声を聴け!」
 まずは一発、ぐーちゃんをぶっ放すシャル。
 どごーん! と力いっぱい吹き飛んだ蜜ぷにちゃんを前に葎は求漿得酒を飲んで腕を変形。飛びかかってくる蜜ぷにを残像でかわしつつ吹き飛ばしていく。
「カスタードプリンだ!」
 ぷるーん! と調理台に置いてあったお皿の上にお行儀よく着地するカスタードプリンに二人の声がハモる。
 シャルは全体へ向けて攻撃し、葎は彼岸花ノ葬を振り下ろして蜜ぷにを両断。
「おとなしく材料になって食べられちゃえ!」
 こぼれるキャラメルをかいくぐって接近してきた蜜ぷにへ、シャルは村雨を抜刀して何匹かまとめて串刺しに。
 村雨を引き抜くとピンク×黄色のマカロンが落っこちて、囲まれないように背中合わせの二人はぶつぶつと呟く。
「りんご出てこい、りんご……りんご……」
「バナナ出てこないかなー」
 いい香りにお腹が空いてきちゃうし積み上げられていくスイーツはあまりにも魅力的だがここは我慢。
 油断禁物とばかりに二人の斬撃は宙を斬り、蜜ぷにを斬り、出てきたスイーツは斬らない。
 ――どれだけそうして戦い続けていただろうか。
 マカロンはタワーになってカスタードクリームは噴水が作れそうなほどたっぷりボウルに満ちた頃、何体目かも分からない蜜ぷにを倒すと、
「りんごっ!」
「バナナっ!」
 ついに目当てのものが蜜ぷにの中から出てきて、二人は歓声を上げるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リャン・マウイ
蜜ぷに蜜ぷに蜜ぷにぃ〜!!!
アタシ食べてみたかったの!!

とりあえず!
まずは蜜ぷにちゃんを倒すのが大事大事!でもでもぴょんぴょんしてるよねよね?

なら!
「捕縛用精霊石」で動きをストップストップ!!止まってね!
沢山いるし「全力魔法」してみようかな?

そうだ!
沢山倒せそうならちょっとつまみ食い…えへへ、だめだめ?
動けなくなった蜜ぷにちゃんをちょっとだけ、一口だけでも食べてみたいみたい!!

でもでも!
食べれないor食べちゃだめなら仕方ないから蜜ぷにちゃんからドロップしたフィナンシェとかロールケーキとかつまみ食いするね!
沢山倒してお土産がっぽがっぽ!!頑張るぞぉー!!!


アーサー・ツヴァイク
※協力アドリブ大歓迎

今度の蜜ぷにはスイーツをドロップする…だと…!?
なんというアーサーホイホイ、これは行かねばなるまい

だが以前食べた蜜ぷにシロップも美味しかった…スイーツだけでなく、何とか蜜ぷにシロップも回収できないだろうか(強欲)
…よし、シロップ回収用の小瓶とかも用意しておこうかな。
いやいや、クレープにかけたら絶対美味いって!
待っていろ、蜜ぷに! 俺たちが美味しく頂いてやるぜ!!

あっ、それはそれとして戦闘はちゃんとやるぞ。
武器はレイシューター、【一斉発射】の技能も使って部屋の蜜ぷにをまとめて撃ち抜くぜ!


ネレム・クロックワーク
スイーツ狩りとご褒美のクレープ、ですって……?
嗚呼、なんて甘美な誘惑!
甘いものを保管するのに、容器を用意していかなければ、いけないわ、ね
張り切って、甘いものを獲得してくる、わ
どんなクレープにするのか考えるだけで、もう楽しいわ、ね

ごきげんよう、蜜ぷにちゃん達
可愛らしい見た目のぷにちゃんだけれど、この子達もオブリビオンだもの
銃の引鉄は躊躇なく、引く、わ

あれが、友情パワーぷにちゃん……!
魔法を高速で詠唱し魔導銃に装填
魔法の弾丸に星属性を纏わせて、煌めく星の流星弾をお見舞いする、わ

欲しかったのは、丸い形の苺のショートケーキ
とても、美味しそう、ね
他に、ラズベリーソース、ホイップクリームと桃も欲しいわ、ね


ジェイド・カレットジャンブル
これが蜜ぷに…。実物を見るのは初めてですが、惹かれる人がいるというのも頷けますね。あまり長い事見ていると『ヒスイ』が触りたがって表に出てきそうなので、その前に素早く行動しましょう。

エレメンタル・エッジで複数撃破を狙います。様々な属性を乗せて弱点属性を探りましょう。特に弱点が見つからなければ、氷属性で凍らせてから雷属性で一気に撃破することで、蜜ぷにを無駄に苦しませずに済むかもしれません。

どんなスイーツをドロップしてくれるか楽しみですね。甘酸っぱい柑橘類があればクレープのアクセントになるでしょうか。


白金・伶奈
クレープ、クレープ、あま~いクレープ~♪

……浮かれてしまいました。いけませんね。
父様は甘いものをおねだりするたびに言っていました。『甘いものは危険だ。かつては戦争の原因になったことすらある』と……。
彼らを倒すのはあくまで正義のためなのです。猟兵として!

友情パワーぷにに集まられると面等なので、対処をいたしましょう。ゴッドスピードライドで刻印の数が少ないうちにつぶします。
また、他のぷにと戦う方をプラズマジャベリンによる『投げ槍』で『援護射撃』します。

敵を倒したら生クリームをたくさん手に入れたいですね。あとはチョコレートクリームなども。
一口大のブラウニーやバウムクーヘンなど焼き菓子も見つけたいです。



「蜜ぷに蜜ぷに蜜ぷにぃ~!!! アタシ食べてみたかったの!!」
 ぴょんぴょんしている蜜ぷにを前にしてリャン・マウイ(森の自由人・f06380)は大興奮。
「今度の蜜ぷにはスイーツをドロップする……だと……!?」
 以前食べた蜜ぷにの蜜もたまらなく美味しかったのに更に蜜ぷにがスイーツをドロップするとは聞き捨てならん、とアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)もホイホイつられてやってきた。
「待っていろ、蜜ぷに! 俺たちが美味しく頂いてやるぜ!!」
 蜜ぷにシロップ回収用小瓶を片手に、レイシューターからソーラーパワーを力いっぱい射出するアーサー。
 ぷにににににー、とと薙ぎ払われて色とりどりのフルーツに変貌していく蜜ぷにの様子を、ジェイド・カレットジャンブル(三心二刀・f09633)はじっと見つめ。
「これが蜜ぷに……」
 ジェイドが蜜ぷにを見るのはこれが初めてだが、蜜ぷにに惹かれる者がいるというのも分かる、とうなずく。
 ぷにゅんとしたところとか愛らしい表情とかがずっと見ていたい気分になる蜜ぷにだが、あまり長いこと見ていると『ヒスイ』が触りたがって出てくるかもしれない。そうなる前にと、ジェイドは朔月刀・翠の刃に魔法を乗せる。
「刃に宿り、理を刻め」
「ぷぷにっ!?」
 凍り付いて動きを止めたところを雷で一気に撃破すれば爽やかなヨーグルトクリームに。
「クレープ、クレープ、あま~いクレープ~♪」
「スイーツ狩りとご褒美のクレープ、ですって……? 嗚呼、なんて甘美な誘惑!」
 クリームたっぷりのクレープを夢想する白金・伶奈(プラチナの先導者・f05249)に、クレープ天国を想像してうっとりするネレム・クロックワーク(夢時計・f00966)。
 浮かれてしまった、と伶奈はかぶりを振ってから父様の言葉を思い出す。
 ――甘いものは危険だ。かつては戦争の原因になったことすらある――。
 甘いものをねだるたびに父様は伶奈へそう言っていた、と思い出しながら伶奈は宇宙バイクへ騎乗。
「ごきげんよう、蜜ぷにちゃん達」
 ぷにゅゆぴ、と宇宙バイクの威容に気圧された蜜ぷにへと、ネレムは優しく微笑みかけながらも容赦なく魔導銃『romantica*』を向ける。
 躊躇なく引かれた引金にパニックを起こして飛び回る蜜ぷには友情パワーで増殖し、増えていく姿にネレムは目を見張る。
「あれが、友情パワーぷにちゃん……!」
 恐ろしい速さで増えていく蜜ぷにに対してネレムは高速で詠唱した魔法を魔導銃に装填して流星弾の煌めきをプレゼント。
「ストップストップ!! 止まってね!」
 精霊石箱から捕縛用精霊石を取り出したリャンは飛び回る蜜ぷにを拘束することで仲間たちの攻撃が当たりやすいように計らい、金平糖を拾い上げる。
 リャンの発揮する全力魔法のお陰で蜜ぷにを狙いやすくなった。宇宙バイクに騎乗した伶奈は蜜ぷにを潰しまわりながらプラズマジャベリンのスイッチをオン、アーサーの方に投擲することで支援も怠らない。
「伶奈、ありがとな!」
 手を振るアーサーは、さて、とばかりに蜜ぷにへ向き直る。
「ぷぃ、ぷにに……」
 滴る蜜ぷにシロップをそーっと小瓶に注ぎ込むアーサーの姿を認めて、リャンは目を輝かせる。
「アタシ、ちょっとだけ、一口だけでも食べてみたいみたい!!」
 動けなくなった蜜ぷにちゃんをつまんで、そっと口に含むリャン。
 冷たくぷるんとした触感と共に滲む甘さは濃厚なのに、シロップがサラサラだからかくどい印象はない。
 ドロップしたフィナンシェやロールケーキは後の楽しみに取っておいて、今は蜜ぷにの美味を堪能するリャン。
「クレープにかけたら絶対美味いよな!!」
 小瓶の中でキラキラ輝くシロップを眺め、アーサーもうっとりしてしまう。
 甘いものを集めながらだからか大量の蜜ぷにとの戦いも苦しくはない。
 気付けば蜜ぷにの姿は調理場にはなく、辺りにはたくさんの甘いものが溢れていた。
「どんなクレープにするのか考えるだけで、もう楽しいわ、ね」
 そんなアーサーにネレムは微笑して、残り少なくなった蜜ぷにを掃討しながら目当てのスイーツはないかと探索する。
 ラズベリーソースは持参した容器に移して、ホイップクリームと桃も確保。
 丸い形の苺のショートケーキを見つけると、ネレムはスポンジを包む滑らかなクリームをじっと見つめて。
「とても、美味しそう、ね」
「ブラウニーやバウムクーヘンもありましたよ」
 伶奈の見つけた一口サイズの焼き菓子は様々な種類。
 生クリームとチョコレートクリームもたっぷりあるので、これならクレープがいくらでも作れそうだ。
 スイーツばかりの中で甘い空気に満ちているが、ジェイドはその中では酸味のあるレモンピールやまるごとのオレンジを回収。
「クレープのアクセントになるでしょうか」
 これから作るクレープに思いを馳せながら、猟兵たちはスイーツを集めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『迷宮ショコラティエール』

POW   :    チョコレート・ソルジャーズ
レベル×1体の、【頬】に1と刻印された戦闘用【チョコレートで出来た兵隊】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    チョコレート・コーティング
【溶かしたチョコレート】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    チョコレート・グラフティ
【溶かしたチョコレート】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を自分だけが立てるチョコの沼にし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠御剣・誉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 クリーム、フルーツ、その他色んなスイーツ。
 クレープの材料として申し分ないものは集まったが、何かが足りないことに猟兵らは気付く。
 ――アイスクリームがない!

 調理場から続く巨大冷凍庫へ足を踏み入れると、息を白くする迷宮ショコラティエールが出迎えた。
「まさかあれほどの蜜ぷにを倒すとは。流石と言って差し上げます」
 ですが、と呟く迷宮ショコラティエールを取り囲むように、美味しそうなチョコレートソースが揺らめく。
「もしもあなたたちがアイスクリームを求めるというのなら、私も放ってはおけません――クレープにアイスクリームを添えたいのなら、わたくしを倒してからになさい!」
 言って猟兵らへ迫る迷宮ショコラティエール。
 蕩けそうなほど濃厚なチョコレートの香りと共に、戦いが始まる!
清川・シャル
f01013葎ちゃんと

真の姿は鬼神ですっ

はわぁ…甘い匂い……ふふ、美味しそうです
寒いのなんてなんのその
子供は体温高いので平気なんです
お姿はお可愛らしいですが…アイスをいただきますっ

ちぇすとぉおおお!
UCで、金棒での攻撃を
先制攻撃、衝撃波、鎧無視攻撃、捨て身の一撃

第六感で葎ちゃんと呼吸を合わせて

金棒をおもむろに投げて隙を作ったら
村雨で早業、2回攻撃、串刺し

盾受け、カウンターで攻撃に対応します

痛いのが少しで済むようにしますね?たぶん
アイスクリームっ!


硲・葎
シャルちゃん(f01440)と同行。
わー、これはこれは可愛いお嬢さん。あんま女の子にひどいことしたくないんだけどね。でも遠慮なく。
寒いからさっさと片付けてアイス食べよう。アイスクリーム!
残像と目潰しを使って回避しつつ、
2回攻撃、串刺ししていくよ。
「せっかくおいしいチョコなんだし、そのままいただかれてくれないかな?逃げるのは許さないからねっ!」
衝撃波、吹き飛ばしを使って蹴散らしちゃえ!
「どこ見てんの?こっちだよ!」
第六感を使ってシャルちゃんと連携。こっちに注意を引き付けて、シャルちゃんに叩いてもらおっか。
「やーい、ひっかかった!いっけー!!」



 ――微かな冷凍庫の作動音が響く中。
「来てしまったのですね、猟兵たち」
 フリルに彩られたスカートの裾をつまんでお辞儀ひとつ、迷宮ショコラティエールは告げる。
「はわぁ……甘い匂い……ふふ、美味しそうです」
 シャルとしてはショコラティエールよりも、容器に入っていても分かるアイスクリームの芳香の方が気になるところ。
 子ども体温なので寒さも何のその、といったシャルに対し、葎は迷宮ショコラティエールの藍らしい顔を見て。
「わー、これはこれは可愛いお嬢さん」
 可愛い女の子にはあんまひどいことしたくないんだけどなー、と言いつつ遠慮なく彼岸花ノ葬を構え、刀身を赤く光らせる葎。
「寒いからさっさと片付けてアイス食べよう。アイスクリーム!」
「アイスクリームは渡しません!」
 言葉と共に生まれるチョコレート・ソルジャーズ。
「ちぇすとぉおおお!」
 兵隊たちが動くより早くシャルは金棒で兵隊をクラッシュ。
 生まれた衝撃波に立ち往生する兵隊は葎が串刺しにして、高く掲げ。
「せっかくおいしいチョコなんだし、そのままいただかれてくれないかな? 逃げるのは許さないからねっ!」
 衝撃波によってチョコレートチップに変えられた。
「くっ……生意気ですわね!」
 迷宮ショコラティエールは溶けたチョコレートを帯のように伸ばし、葎を狙う。
 葎もシャルも、視線の先には敵の姿のみ。
 それでも二人は第六感によって、これからどう戦うべきかを理解していた。
「どこ見てんの? こっちだよ!」
 挑発に乗って葎攻撃を向けるが、その隙にシャルは迫っている。
「やーい、ひっかかった! いっけー!!」
「しまった……!」
 気付いた時にはもう遅く、村雨による斬撃が迷宮ショコラティエールを襲う。
「痛いのが少しで済むようにしますね? たぶん」
 目にも止まらぬ斬撃を追おうとチョコレートは走るが、遅すぎる。
 溶けたチョコレートは二人を捕らえきれず、迷宮ショコラティエールの足元にチョコ沼を作るのみだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ネレム・クロックワーク
アイスクリーム無しのクレープだって、美味しい
でもね、アイスクリームとチョコレートソースがあれば可能性が広がって、唯でさえ美味しいクレープが更なる進化を遂げるのよ
そういう訳だから、アイスクリームとチョコレートソースはいただいていく、わ!

【全力魔法】と雷属性の【属性攻撃】【マヒ攻撃】を【高速詠唱】で魔導銃に装填
マヒ付きの電撃の魔法弾を連射してショコラティエールの動きを封じる
【溶かしたチョコレート】を放ったら【時の鍵】で対応
【溶かしたチョコレート】に照準を定めて、チョコレートを氷漬けにしていく、わ
攻撃用のUCを防御に使うのは初めてだけど【スナイパー】【範囲攻撃】【2回攻撃】併用で上手く防いでみせる


ジェイド・カレットジャンブル
チョコの甘い香りに可愛らしいオブリビオンとは、なんとも戦いにくい相手ですね。ネフライトかヒスイに代わってもらいたいところですが…。

「俺もこのタイプの相手は苦手だぜ」
分かってるよネフライト。ここはヒスイに頼もう。蜜ぷにに触れなくてご機嫌斜めだろうが…
「頼めるか?ヒスイ」
「まったく都合の良いときだけ呼び出して…。まあ仕方ないのでここは私が出ましょう」
「任せたよ」

『エレメンタル・アロー』の氷の矢で相手のチョコを狙います。上手くいけばチョコを冷やして固められて、他の猟兵さん達が動きやすくなるでしょうし。

「蜜ぷにに触れなかった鬱憤を晴らさせてもらいます!」
【全力魔法】の【属性攻撃】でいきますよ!


ヴィクトリア・アイニッヒ
【太陽の家】で参加。

…ただクレープを作るのなら、素材は十分なのですが…
ここまで揃うのならば、もう一つグレードを引き上げたい所ではありますね。
…その為に戦う、というのも何だかなぁ、とは思いますけれど。

戦闘中は前と変わらず、サポート役。
斧槍を構え、迫るチョコレートの兵隊の攻撃を受ける盾となる。
…成る程、中々油断は出来ない相手ですね。気を引き締めて臨まないといけませんよ?

しかしこの戦場と、シチュエーション…全身がチョコレート塗れになりそうな。
無事に戻った後の洗濯が大変そうですね…


秋月・信子
【太陽の家】の仲間達と参加

ふぅ…ちょっと張り切りすぎちゃったかな?
でも、これだけ集めれば…あ、アイスクリームがないか…
それにチョコレートソースも欲しいし…
これだけでもクレープは出来るけど、やっぱりアイスとチョコは欲しいもんね

美味しいクレープを作るためにもうひと頑張りましょう、ヴィクトリアさん、ティエルちゃん!

「相手がチョコなら…コレが有効なはず!」
召喚されたチョコレート・ソルジャーズに対し、ユーベルコード【紅蓮の魔弾】で応戦します
真の姿の解放で姿を変えず魔弾の強化に力を使い、燃焼火力を増強させます


白金・伶奈
ほのかに温かいクレープと、少し溶けかけたアイスのハーモニー……その至福の甘味のためならば、わたくしは鬼にもなりましょう。
……もとい。
迷宮に巣くい、学園への侵攻をくわだてる災魔を見過ごすことなどできません。必ず撃破いたします!

スターライダーのわたくしにとって、地形をチョコにされるのは厄介ですね。
できるだけ距離をとった上で本体である宇宙バイクを錬成カミヤドリで複製します。
それを操ってチョコの兵隊へ突撃させることにいたしましょう。
兵隊たちをなるべく数字が少ないうちに撃破しつつ、ジャベリンによる『槍投げ』をショコラティエールに当てる隙をうかがいます。
槍は手足を狙って仲間を支援することを意識いたします。


アーサー・ツヴァイク
※引き続きアドリブ協力大歓迎

親玉のおでましだな。アイスクリームに、ついでにチョコも頂くぜ!!

チョコの兵隊は結構居そうだが…合体される前にやっちまえばこっちのもんだぜ! 移動するのは難しそうだが、別に動かなくても攻撃手段はあるぜ!
「ごり押し」とか「お前それ蜜ぷににも撃ったじゃん」とか、そういう苦情は受け付けねぇ! レイシューターの全力射撃で兵隊どもをまとめてぶっ飛ばす!


ティエル・ティエリエル
【太陽の家】の仲間達と参加。

「ようし、クレープにアイスクリームも乗っけてパワーアップだよ♪」
クレープのさらなら発展のため、意気揚々と巨大冷蔵庫へ……って、すっごく寒い☆

引き続きライオンくんに「騎乗」して戦場を駆け回るよ!
【太陽の家】の仲間やライオンくんと連携して相手の動きが止まったら大チャンス☆
風を纏った【妖精の一刺し】で「属性攻撃」「捨て身の一撃」を喰らわせるよ!

「見切り」で敵の攻撃は避けてたつもりだけど、気がついたら全身チョコレートだらけになってるけど全然気にしないよ☆


アニエス・ブランシュ
あら、美味しそうなチョコレートの香り……
と、とりあえず戦闘に集中しなくてはいけませんわね

他の方と連携してエレメンタル・ファンタジアで氷の雨を降らせて迷宮ショコラティエールを攻撃いたします(全力魔法、高速詠唱)
チョコレート・グラフィティは第六感とダッシュで避けるか魔力を身に纏って防御(オーラ防御)します
チョコの沼が発生した場合は、エレメンタル・ファンタジアの氷の雨で沼を冷やして固めて差し上げますわ!



 迷宮ショコラティエールの足元に湧き上がるチョコ沼は一瞬の芳香を残し、冷凍庫の冷気であっという間に固まる。
 それでも残る香りにアニエスは赤い瞳を好まし気に細めた。
「あら、美味しそうなチョコレートの香り……と、とりあえず戦闘に集中しなくてはいけませんわね」
ジェイドは愛らしい容姿の迷宮ショコラティエールを見て腕を組む。
(「ネフライトかヒスイに代わってもらいたいところですが……」)
 思うジェイドだが、己の中でネフライトが拒むのが感じられた。
 蜜ぷにに触ることが出来ずご機嫌斜めだとしても、ヒスイに頼むとしよう……そう決めて呼びかけると、ヒスイは溜息交じりであっても応えてくれた。
「任せたよ」
 言葉は自分自身へ宛てて、ジェイド――否、ヒスイは天へ空を掲げる。
「万象の楔よ、降り注いで」
 魔法の矢は氷の冷たさを宿して冷凍庫の中を疾駆しチョコレートの兵隊たちを打ち砕く。
 冷えて固まったチョコレートは冷凍庫の床の形を歪め、迷宮ショコラティエール自身も地形を変化させることで猟兵らと距離を取ろうとする。
「地形が変わるというのは厄介ですね」
 スターライダーの伶奈にとって、足元が不安定になるというのは不便なこと……強行突破はせず、伶奈は錬成カミヤドリによって宇宙バイクを複製、複製品によって迷宮ショコラティエールへと迫る。
 ほのかに温かいクレープと溶けかけたアイスのハーモニー、その至福の甘味のため――もとい、災魔の打倒のためにも伶奈はプラズマジャベリンを握りしめ、次から次へと湧き出る兵隊を撃破しながら迷宮ショコラティエールの隙を伺う。
「アイスクリームとチョコレートソースはいただいていく、わ!」
 アイスクリームとチョコレートソースの秘める無限の可能性に胸を高鳴らせるネレムもまた牽制のために、雷属性の流星を解き放つ。
「わたくしも続きますわ!」
 宇宙バイク駆ける中、氷の矢と雷の流星が降り注ぐ。
 そこに加わったのはアニエスの氷の雨。
 唇が刻む言葉はすぐさま氷へ変わって迷宮ショコラティエールを打つ。
「くっ……邪魔ですわ!」
 苛立った様子の迷宮ショコラティエールは溶けたチョコレートを何度も射出。
 迷宮ショコラティエールへ肉薄しての攻撃は少なく、猟兵たちは迷宮ショコラティエールとある程度の距離を保ちながら攻撃を重ねていた。
 迷宮ショコラティエールは軌跡を読むことも難しいほどの速さで溶岩のごときチョコレートを発射し、それらで道を開こうと猛る。
「させるかよっ!」
 アーサーは蜜ぷにシロップの小瓶を割られまいと伏せて回避、放たれるチョコレートの途切れた隙を狙ってレイシューターを迷宮ショコラティエールへ向ける。
「別に動かなくても攻撃手段はあるぜ!」
 蜜ぷにを打ち払った時と同様にアーサーのレイシューターが光を集め。
「【Select……BURST ACTION!】フルパワーで……ぶちかますぜ!!」
 解き放たれた一撃に、壁面へ残る霜の煌めきはより眩い。
「蜜ぷにに触れなかった鬱憤を晴らさせてもらいます!」
 ヒスイはその無念も込めて透明度の高い氷でチョコレートを破壊。
 ただでさえ冷たいチョコレートがパラパラと天井や壁から落ち、ただでさえ冷えた庫内の空気がぐっと下がってショコラティエールの体温を奪う。
 ――迷宮ショコラティエールの口から洩れる吐息は白く、見れば唇は震えている。その様子を認め、ヒスイは声を上げた。
「今です、畳みかけてください」
「行く、わ!」
 ヒスイの呼びかけにうなずくネレムは、胸元の懐中時計を揺らしてromantica*を構える――高速で充填、手の中で力が満ちるのを感じてから、ネレムはそれを放つ
 ネレムの魔法弾は紫電を纏って迷宮ショコラティエールへ向かう。
 弾を受けた迷宮ショコラティエールの動きは麻痺したように鈍り、それでもチョコレートを放って攻撃するが動きは鈍い。
「この程度、回避は余裕ですわ!」
 勢いの削げた攻撃を伶奈は軽やかなスピンで回避。
 甘味の至福を思う伶奈の反撃は迅速、お返しとばかりに伶奈がジャベリンを投擲すると、それは迷宮ショコラティエールの腕をかすめチョコより赤い血を滲ませた。
 伶奈に負わされた傷に迷宮ショコラティエールはよろめくが、その足元からはチョコレートが湧き上がって力を授けようとする。
 猟兵たちの攻撃はそのチョコレートを瞬く間に凍らせて封じ、迷宮ショコラティエールはそれ以上チョコ沼から力を引き出すことは叶わない。
 一体どれほどのチョコレートが冷凍庫の中で砕かれたのか、白かったはずの内壁はチョコレート色に変わり、それによって庫内のチョコレートの香りも強く猟兵たちを刺激する。
「アイスクリームに、チョコ……何としても手に入れないとな!」
 たまらない香りに気持ちを新たに、アーサーは最大火力の射撃をもう一度撃ち込んだ。
 地響きが辺りを埋め尽くしても、猟兵たちの攻撃はやむことがない。

 ――ヴィクトリアは、蜜ぷにから回収した食材を思い出して呟く。
「……ただクレープを作るのなら、素材は十分なのですが……」
 信子も、そんなヴィクトリアの言葉にうなずこうとして、
「これだけ集めれば……あ、アイスクリームがないか……それにチョコレートソースも欲しいし……」
 集めた分の食材だけでもクレープは十分成立する。
「ここまで揃うのならば、もう一つグレードを引き上げたい所ではありますね」
 それでも食べるならば美味しいクレープを。
(「……その為に戦う、というのも何だかなぁ、とは思いますけれど……」)
「美味しいクレープを作るためにもうひと頑張りましょう、ヴィクトリアさん、ティエルちゃん!」
「ようし、クレープにアイスクリームも乗っけてパワーアップだよ♪」
 ヴィクトリアの中では疑問が生じるが、信子とティエルはやる気満々。
 どのみち災魔を捨て置くことは出来ないのだからと、ヴィクトリアは早くもこちらへ攻撃を仕掛けに来た兵隊の攻撃を斧槍【L'orgoglio del sole】で受け止める。
「……成る程、中々油断は出来ない相手ですね」
 チョコレートと侮ることは出来ないほど、斧槍からは手ごたえが伝わる。
「気を引き締めて臨まないといけませんよ?」
「分かったよ、任せてー! ……って、すっごく寒い☆」
 ぶるっと身を震わせるティエルは、再びライオンくんの柔らかな毛皮の上で攻撃を開始。
 ライオンくんの体長はティエルの倍はあるとはいえ、人間よりはよほど小柄。歪む地形を器用に駆けるティエルの道を拓くかのように、紅蓮の魔弾が放たれる。
「――セット……ファイア!」
 敵がチョコレートを使うというのなら有効なはず――凍らせて無効化するのでなく、溶かして迷宮ショコラティエールの統率の取れない形へと変えることで、信子は攻撃に対抗。
 真の姿になり力を注ぎ込んでいるお陰でチョコレートは一瞬で無秩序な液体へ変わり、辺りへと跳ねて散る。
(「全身がチョコレート塗れになりそうな……」)
 早くも手をチョコレートに濡らしつつ、戦いの後の洗濯に思いを馳せるヴィクトリアである。
 そんなヴィクトリアはチョコレートに満ちる床を蹴って迷宮ショコラティエールへ肉薄、斧槍を振りかぶって攻撃を仕掛ける。
 信子の魔弾が牽制弾となって、迷宮ショコラティエールはヴィクトリアの攻撃を回避できず受け止める。ヴィクトリアが大きく飛びのいた瞬間、入れ替わりにライオンくんが飛び込む。
 ライオンくんの背中にはレイピアを携えたティエル。
 小さな体に力を籠めて、ティエルはライオンくんと共に迷宮ショコラティエールの懐へと突撃し、
「いっくぞーーー!! これがボクの全力全開だよ☆」
 防御を捨てての全力の体当たりを喰らわせる――チョコレートの海へ沈むように、迷宮ショコラティエールの体は崩れ落ち。
「やったね、大勝利っ☆」
 チョコレートまみれの顔で、ティエルは顔いっぱいに笑顔を咲かせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『学園名物 学食風景』

POW   :    学食を作る側、もしくは売る側にまわる

SPD   :    誰よりも早く売り切れ必死の一品を買いに行く

WIZ   :    仲良く誰かと一緒にお昼

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 災魔は倒れ、アイスクリームは手に入った。
 食材もたっぷりある。これだけあれば、クレープはたくさん作ることが出来そうだ――思って、猟兵たちはクレープ作りを開始する。
ヴィクトリア・アイニッヒ
【太陽の家】の仲間と参加。

素材は集まりましたね。さぁ、クレープ作りの始まりですよ。
【料理】の腕を活かし、共に戦った仲間達に美味しいクレープを供する。
素材を手早くカットし、生地を用意。生地の甘さは控えめに、素材の方を活かす様にしましょうか?
…そう言えば、どこかの世界にはワッフル生地のクレープなどもあるそうですが。ここでは挑戦出来るでしょうか?

食べるより作る方に力を尽くす方向で頑張ろうかと。
…宜しければ、他の方も。学園の学生の方も、是非どうぞ?


ティエル・ティエリエル
【太陽の家】の仲間達と参加。

「ボク、アイスイチゴバナナチョコクリームが食べたい!」
ヴィクトリアにリクエストして作ってもらうよ!
料理?ボク、お料理とかしたことないよ☆

小さな身体であーんと大きく口を開けてもぐもぐ食べていくよ!追加したアイスも冷たくておいしー♪
生クリームだらけになりながらごちそうさま!お腹一杯になったらスヤスヤと居眠りしちゃうね。

【WIZ】で判定?


秋月・信子
【太陽の家】の仲間達と参加。

これだけ集まれば美味しいクレープが出来ますね、ヴィクトリアさん…え、食べないで作る方に行かれるのですか?
そ、そうですか…構わず、にですね…

残念そうに厨房に行こうとする彼女の背中を見ると、ある事を思いつくが中々声が出ない
いつも引っ込み思案な彼女だが、己の気持ちを打ち明けるよう勇気を振り絞り…

「あ、あの…私も手伝います!」
家庭科の授業や寮内での調理経験しかなくて、料理に詳しいヴィクトリアさんほど料理はうまくありませんけど、お手伝いします!
(本当は一緒に食べたかったけど…うん、一緒に料理するのもいいかもね。それに…ティエルちゃんが美味しいって喜んでくれてるのも嬉しいし…)


ジェイド・カレットジャンブル
目当ての食材が手に入ってよかったです。【料理】なら僕の得意分野ですし、ヒスイの機嫌が良くなるよう腕を振るいましょう。

エレメンタル・エッジの応用で包丁に冷気を纏わせます。

まずはレモンピールを細かく刻みつつ軽く凍らせます。これをアイスに混ぜ、味では少しの渋みと酸味、食感ではパリパリとした歯ごたえ、二重のアクセントを持たせたレモンピールアイスの出来上がり。さらにオレンジの皮をむきつつ冷凍オレンジにし添えることでシャリシャリ食感をプラス。
これとクリームをあわせ、様々なアクセントを楽しめる柑橘クレープの完成。

これを食べればヒスイの機嫌も直るでしょう。
皆さんがどんなクレープを作っているかも気になりますね。


アーサー・ツヴァイク
※最後までアドリブ協力大歓迎

さて…猟兵は【お空】の話題で持ち切りかもだが…ま、ここは甘いもん食って英気を養うとしますかね!
ウェポン・アーカイブで調理器具を召喚、レッツ・クレープ・クッキング!

まず、予め作っておいたクレープ生地がこちらになります。…いつ用意したって? 聞くな。
で、ここにホイップクリームをしこたま載せて、戦利品のフルーツを刻んで乗せる。そしてコイツ…蜜ぷにシロップ! チョコレートソースとどちらかにするかはお好みでどうぞ。俺? 両がけ。
そしてクレープ生地を包んだ所に、〆のアイスを載せて…完成だぜ!
飲み物いる人はそこに蜜ぷにハニーラテもあるから、飲んでいいぜ!
…甘過ぎ? そうかな…


清川・シャル
【W】
f01013
葎(りっちゃん)と

わぁい!
シャル、りんごがいい!
生クリームたっぷりで、りんごで、メープルシロップ!
カラースプレーでカラフルにデコってSNS映えを狙っちゃいたいです
りんごジュースをお供に
…りんご好きなんです

すまーとふおんでクレープの写メ撮って、自撮りして、りっちゃんとのツーショ!
SNSにアップです
「ねぇねぇ、シャルもいいねいっぱいだよ~!」
クレープ交換!しましょう~
どっちも美味しいね!
動いたあとの甘いものさいこーですっ


硲・葎
【WIZ】
シャルちゃん(f01440)と。
わーい!やった!バナナクレープだ!ね、チョコバナナクレープできるよね!いっぱい生クリーム使おう!アイスクリームも。
あと、コーヒーとかあるかなあ?
普段こんなゆっくりお昼できないし、女子トークしながら!
2人でSNSを見たり、自撮りアップしながら、コミュ力を使ってしゃべろっか!
「わ、いいねつくの早いよね!」
あとクレープ交換とかいいよね!
「シャルちゃん、一口シャルちゃんのりんごクレープ、もらっていいかな?」
私のも食べてみる?と差し出してみよ!やっぱり好きな友達と食べるお昼は格別だね!


白金・伶奈
ようやく素直にクレープができるのを喜んで良いのですね……。いえ、今までもちょっと想いが漏れ出ていた気はしますけれども。

クレープを食べるのは好きですけれど、作るのはあまり経験がないのですよね……上手にできるでしょうか。
父様が『買うより自分で作るほうが安上がりだ』と言ってときどき作ってくれたのを思い出します。出来は悪かったけれど、心のこもった味でした。

最初はホイップクリームとアイスだけのシンプルなクレープにいたしましょう。それからチョコクリームを足したり、ケーキを足したり……あらゆる組み合わせを試してみます。
ヤドリガミでよかったです。体は仮初のものですから、お腹が破裂するほど食べても平気ですから。



 戦いは終わり、調理の用意は万全であるといえるだろう。
 調理場にずらり並んだ食材たちを前に、ヴィクトリアはクレープを作る準備を始める――そんなヴィクトリアに、思わず信子は声をかけていた。
「……え、食べないで作る方に行かれるのですか?」
「食べるより作る方に力を尽くす方向で頑張ろうかと。どうぞお構いなく」
「そ、そうですか……構わず、にですね……」
 厨房へ赴くヴィクトリアの姿を見送る信子はどこか残念そう……だが、その時あることを思いついて、信子はヴィクトリアに呼びかけようと口を開く。
 口を開いて――なかなか声にならない信子の言葉。
 引っ込み思案だから、信子は思いを前に出すことが得意ではない。
 だとしてもヴィクトリアに伝えたくて、勇気を振り絞って信子は声を上げた。
「あ、あの……私も手伝います!」
 声を上げた途端に鼓動が早まる。
 信子の調理経験は家庭科の授業や寮内での経験程度で、料理に詳しいヴィクトリアとは並ばないかもしれない。
 それでも……と打ち明けた信子に対し、ティエルは顔をキラキラ輝かせて。
「ボク、アイスイチゴバナナチョコクリームが食べたい!」
 もりだくさんなリクエストをする。
 お料理はしたことがないから、ティエルは食べる専門。楽しみ、と期待に満ち溢れた表情で、ヴィクトリアと信子を見つめている。
「アイスイチゴバナナチョコクリームですか。一人で作るのは大変そうですね……」
 信子さん、とヴィクトリアは呼びかけて。
「手伝ってもらえませんか?」
「は、はいっ!」
 ヴィクトリアがクレープ生地を焼く間、イチゴとバナナをカットする信子。
(「本当は一緒に食べたかったけど……」)
 それでも、二人で料理をするというのもいい気分。
「生地の甘さは控えめに、素材の方を活かす様にしましょうか?」
「その分、フルーツを多めにしてみましょう」
 言い合いながら完成したクレープに、ティエルは喜色満面に口を開ける。
「あまーい! 追加したアイスも冷たくておいしー♪」
 口や手がクリームで汚れるのもお構いなしにぱくつくティエルの様子に、信子は嬉しさで頬が緩む。
「ワッフル生地のクレープなども挑戦してみましょう」
 ヴィクトリアは更にクレープを焼き進め、ティエルだけでなく、他の猟兵やアルダワ魔法学園の生徒へも振る舞う。
「ごちそうさま! お腹一杯になっちゃった☆」
 ティエルの小さな体は甘いものでいっぱいに。
「ティエルちゃん、口の周りが汚れていますよ」
 信子がティエルの口元をぬぐうと、ティエルはえへへと笑いながら青い瞳をとろけさせる。
「なんだか眠くなってきちゃったかも……おやすみ!」
「ティエルちゃん!?」
 ヴィクトリアの焼くクレープの香ばしい香りを嗅ぎながら、幸せそうに体を横たえるティエル。
 スヤスヤと寝息を立てるティエルは満足そうな表情をしていて、信子はそれが嬉しく感じられて。
「おやすみなさい、ティエルちゃん」
 そう言ってから、ヴィクトリアと共にクレープを作り始めるのだった。

 葎とシャルは、念願のクレープを作り上げた。
 生地と生地の間から覗く生クリームはカラースプレーが彩っている。
 葎はまるごと一本のバナナを、シャルはカットしたりんごを。チョコレートソースやメープルシロップのかけられたクレープを撮って、自撮りして、ツーショも撮って。
 甘いクレープのお供となるドリンクもあるため、葎はコーヒーを選ぶ。
 チョコバナナクレープは生クリームとチョコレートソースの後味が濃厚に甘いものだが、コーヒーのスッキリした苦味はそれを洗い流してまた次へと手が伸びる。
 りんごクレープのお供にシャルが選んだのはりんごジュース。
 生クリームがたっぷりであってもりんごの味わいのお陰でくどくなりすぎず、大好きなりんご尽くしだから飽きることはない。
 撮影した画像をSNSにアップして頬張れば、戦いの疲れもあっという間に溶けていくよう。
「わ、いいねつくの早いよね!」
「ねぇねぇ、シャルもいいねいっぱいだよ~!」
 スマートフォンの画面を覗き込んで、笑い合って。
 焼きたての生地は温かいのに中のアイスクリームが冷たくて心地よい。美味しさを堪能するシャルへと、葎は声をかける。
「シャルちゃん、一口シャルちゃんのりんごクレープ、もらっていいかな?」
「クレープ交換! しましょう~」
 交換したクレープを口に運べば、自分のクレープとは違った美味しさが口に広がる。
「どっちも美味しいね!」
 笑い合って、また食べて、お喋りをして。
 友達と過ごすご飯の時間は、何よりも代えがたいものだった。

 ジェイドの手にする包丁は冷気を纏い、レモンピールを刻んだ端から凍らせていく。
 レモンピールはそのままクレープ生地に乗せるのではなく、手に入れたアイスへと混ぜ込む。
 これで、アイスを食べた時に渋みと酸味、パリパリとした口当たりでヒスイも上機嫌になることだろう。
 皮を剥いたオレンジもほのかに凍ってシャリシャリ食感。
 滑らかなクリームを合わせれば、味や食感、香りの面で様々なアクセントのある柑橘クレープが完成。
 爽やかな甘みを楽しむジェイドの視線は、自分の手元から周囲へ。近くにいたアーサーは山盛りにホイップクリームを生地の上へ盛り込んでいるところだった。
「ここは甘いもん食って英気を養うとしますかね!」
 気合を入れるアーサーは、あらかじめ(いつのまにか)準備してあるクレープ生地があるので、必要なのは食材を入れて巻くことだけ。
 山盛りになったクリームの上に戦利品であるフルーツを刻んで乗せ、とっておきの小瓶を掲げる。
「そしてコイツ……蜜ぷにシロップ!」
「これは美味しそうですね」
「チョコレートソースとどちらかにするかはお好みだな」
 ジェイドにはそんなことを言いつつチョコレートソースも蜜ぷにシロップもかけるアーサー。
 生クリームだけでもこぼれそうなのにそこにフルーツを彩り、更にアイスクリームを乗せればアーサーのクレープは完成。
「甘味たっぷりという印象ですね」
「美味そうだろ! そうだ、そこに蜜ぷにハニーラテもあるから、飲んでいいぜ!」
 甘さの落ち着いたクレープを食べたジェイドは、アーサーの言葉に甘えてハニーラテを一口。
「……これは……」
「どうだ? 美味しいだろ?」
「かなり……いえ、少し私には甘過ぎるようですね」
 蜜ぷにシロップに蜂蜜を掛け合わせて甘さ全振り。
 決して美味しくないわけではないのだが――ジェイドには少し甘すぎたようだ。
「……甘過ぎ? そうかな……」
 ちょうどいいと思うんだけど、と首を傾げつつハニーラテを飲むアーサーへと、伶奈は声をかける。
「もしも残っているようでしたら、蜜ぷにシロップを頂いてもいいですか?」
「これか? いいぜ!」
 ありがとうございます、とお礼を言ってから、伶奈はクレープを焼き始める。
 クレープを食べるのは好きだが、作る経験には乏しい伶奈――伶奈が思い出すのは、父様が作ってくれた時のこと。
『買うより自分で作る方が安上がりだ』と言って時折作ってくれたクレープは、出来は悪くとも心のこもった味だった。
 ともあれ、ようやくクレープが出来ることを素直に楽しむことが出来る。
 伶奈は初めに焼きあがったクレープにはホイップクリームとアイスだけを乗せてシンプルに。
「次はチョコクリームにしてみましょう」
 ホイップクリームをチョコクリームにして、更にアーサーから受け取った蜜ぷにシロップを掛け、シロップを苺ソースに代え、小さく切ったブラウニーを乗せる。
 クリーム、フルーツ、シロップ、ケーキ、アイス。
 有無も種類も多様だから、組み合わせは無限にも迫る。
 しかし伶奈は無限にも等しい全ての組み合わせを試行するかのように、作っては食べ続ける。
「お腹は大丈夫でしょうか」
 歳の数だけの豆――ならぬクレープを伶奈が食べ終えたあたりで、ジェイドは不安になって尋ねる。
「平気です。わたくしはヤドリガミですから」
 仮初の体ですから、と言って今度はいちごとホイップクリームのみのクレープを作る伶奈。
 辺りへ満ちる甘い香りは、いつまでも辺りを包み込んでいる――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月03日


挿絵イラスト