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獣頭の侵略者と七匹のしろやぎ

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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「めぇー、めぇー」
 ぴょんぴょんと、白いふわふわとしたやぎたちが跳ねる。
 鞄にいっぱい詰め込んだ手紙はとてもおいしそうだ、仲間の元へ持って帰って、みんなでめぇめぇとおやつタイムにしよう。
 真っ黒い上司さんはいつもの上司さんじゃないけれど、学生さんに復讐できそうなら何でもいいって言ってた気がする。
「フクシュウってなんだろうめぇ? おいしいのかめぇ~」
「上司さんはお手紙食べないからめぇー」
 めぇ、めぇーと跳ねながら、新しく拾った手紙を手にしろやぎたちは迷宮の奥へと帰っていく。
 その数はざっと七匹、どれもお手紙をむしゃむしゃ食べてご満悦だ。

●グリモアベース
「……とまあ、さっきのしろやぎたちも災魔なんだがな」
 めぇめぇと、なんとなくのほほんとしてしまう光景を振り返って、ロアー・アレグリアス(ケットシーのマジックナイト・f02956)は封筒をちらつかせながら説明を開始した。
「さっきのやぎたちは“グルメなしろやぎ”と呼ばれている。 あの気の抜ける鳴き声は仲間の戦闘能力を上昇させる力を持っていたり、ぴょこぴょこ跳ねることでも強くなったりと……とにかく強化を重ねて強くなるタイプの厄介な災魔だ」
 可愛らしい姿に油断するなよ、とロアーはめぇめぇと鳴くやぎを見てほんわかした猟兵へと注意を呼び掛ける。
 加えて注意が必要な理由として、今度は黒と赤を基調にした中華系の服を着た獣頭の人物像をグリモアに表示させた。
「そしてこいつがさっきしろやぎが言っていた上司だ。 いつものパターンならくろやぎなはずなんだが……全然雰囲気が違うな。 肉食獣とやぎが手を組んだ奇妙な団体様を、諸君には退治してもらいたいということだ」
 獣頭の人物については明確な情報は手に入らなかったが、ただアルダワ魔法学園の学生に対し強い憎しみを持っていることだけは判明している。
 無論、“転校生”でもある猟兵たちをも殺す気で襲いかかってくるであろうことは容易に想像された。
「ただ、このめぇめぇやぎたちと、獣頭の人物を纏めて相手にするのは分が悪いと思ってな。 我に考えがあるのだ」
 ロアーは先程からぱたぱたと揺らしている封筒を、話を聞いている猟兵たちへせっせと渡していく。
 続けて取り出したのは、様々なデザインの便箋と筆記用具だ、これも同様に手渡していく。
「しろやぎたちは手紙に引き付けられる性質を持っていてな。 諸君らがこの封筒を持って迷宮に入ったなら、しろやぎたちは獣頭とは合流せずに諸君らの持つ封筒を奪うためにやってくるはずなのだ。 なので諸君には、転移する前に一筆したためて頂きたい」
 そうして引き付けたしろやぎたちをすべて倒した後で、迷宮の奥でしろやぎたちの帰りを待つ上司を倒して、この仕事はおしまいだ、とロアーはこっくりと大きく頷いて見せる。
「そうそう、この仕事が終わったらぜひとも学生食堂へ立ち寄ってみてくれたまえ。 前日の迷宮探索で大成功を納めた学生たちが、ちょっとした宴を開いているのだ。 転校生である諸君らならば飛び入りで参加もできるはずだぞ」
 なんせみな、転校生の武勇伝を聞きたがっているだろうしなぁーと、ロアーは皆の手紙が書き終わるのを待つのだった。


四季臣
 十二度目まして、四季臣です。
 この度はここまでOPを閲覧していただき、ありがとうございます。

 かわいい宿敵とかっこいい宿敵がコラボしました。

 第1章は、集団戦です。
 ロアーから封筒や便箋などを貰っていると思うので、戦いに行く前に手紙を書いてください。
 そうすると、本来はすぐ逃げてしまうらしいしろやぎたちは、その封筒を奪おうとめぇめぇやってきます。
 手紙の内容は自分宛でも他人宛でも大丈夫です、奪われてもぐもぐされた場合はしろやぎが感想を言うそうです。
 ただ、手紙の書き忘れにご注意ください、しろやぎがめっちゃ逃げます。
 第2章は、ボス戦です。
 しろやぎには上司がいるようです。
 獣頭の人物とのことですが、彼は学生に強い憎しみを抱いているとのことです。
 第3章は、日常パートです。
 皆さんとは別の学生隊が迷宮から大成功をもって帰還を果たし、ちょっとした宴を開いているようです。
 転校生である猟兵にもフレンドリーなので、自身の活躍などを話してあげると気を良くして学食を奢ってくれます。
 知人の方などとご一緒に、自由にのびのびと学食を楽しんでください。
 ロアーもちゃっかり合流していますが、参加者様の接触がなければリプレイに登場はしません。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『グルメなしろやぎ』

POW   :    めぇめぇじゃんぷ
予め【めぇめぇ鳴きながらぴょんぴょん跳ぶ】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    おてがみはりけーん
【カバン】から【何通ものお手紙】を放ち、【視界を埋める事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    めぇめぇタイム
【めぇめぇと、歌う様な鳴き声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ガルムゼノン・フェンリル
な…なんかかわいい白ヤギさんだな(癒やされながら)
……はッ!?いけないいけない、ついお持ち帰りしたくなる衝動に駆られてしまうところだった…!
戦闘に臨む前に、息子のデュオゼルガや旅団の皆に対してのお手紙をしたためておこうか。これで多分白ヤギさんたちが来てくれるはず…多分。

戦闘は集団戦になるだろうからUCで範囲攻撃する感じで行こうかな。その時は皆にある程度距離をおいてもらわないと巻き込んじゃうから気をつけないと…!基本的には戦闘知識と第六感を活かして立ち回る。アサルトライフル、ハンドガンで援護射撃、弾が切れたら拳の2回攻撃で攻めていこうかな。



●お持ち帰りは厳禁めぇ
「な……なんかかわいい白ヤギさんたちだな……」
 すっかりほんわかしているのは深い青の毛皮纏う人狼、ガルムゼノン・フェンリル(砕月の咆哮・f01970)だ。
 お手紙もっくもっくしながらとことこ歩いてくしろやぎたちの背中を追いかける最中、ガルムゼノンはハッと頭をぶんぶんする。
「いけないいけない、ついお持ち帰りしたくなる衝動に駆られてしまうところだった……!」
「めぇー? だれかいるめぇ?」
 大きな狼の気配か、はたまた手紙の気配に気づいたらしいしろやぎが振り返る。
 そしてやはり後者の存在が大きかったのか、しろやぎたちは七ひきすべてがガルムゼノンへと殺到してきたのだ。
「めぇー! お手紙だめぇ!」
「うわっ、纏めてきた?!」
 いきなり包囲されたことには驚きつつも、この分ならば味方を下手に巻き込むことはないだろう、そう判断したガルムゼノンは人狼の持ちうる激しい咆哮を上げてしろやぎたちを吹き飛ばす。
「めぇー!」
「このこのー、おてがみはりけーんだめぇ!」
 しかしやぎたちも負けるもんかーと、鞄からお手紙をばらまけば、それらはガルムゼノンの顔やら目やらにぺったり張り付き、視界を塞いでしまう。
「ぐっ……、視界が」
 それでも第六感を駆使してしろやぎの位置を察知、銃器で応戦するも、後ろからそろーりと近づいてきていたしろやぎに手紙を奪われてしまう。
 むしゃむしゃ、んめんめとガルムゼノンの手紙を食べたしろやぎさんの感想たいむ。
「息子さんたちと仲良くめぇー」
 そう言い残して、ガルムゼノンの視界がゼロなうちにしろやぎたちはたったか逃げていった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

敷島・初瀬
「しろやぎさんにこちらからお手紙であります」

笑顔でしろやぎさんにお手紙を渡すであります。

前文にはこう書かれているであります、

「これは不幸の手紙です。これと同じ内容の手紙を一週間以内に、6人のしろやぎさんと上司にに出さないと、あなたは不幸になります 」
以下、世の中に対する恨みつらみの負の感情がてんこ盛り、人の心の闇がいっぱい書かれた文章が続きます、
再びしろやぎさんと目があった時には、笑顔が邪悪なものになってるであります。

【POW】
お手紙でドン引きさせた後、ロケットランチャーを『範囲攻撃』でぶっ放し火力で押し切ろうと試みます。

「たとえホンワカモフモフであろうとも容赦しないであります!」



●これちょっと昔に流行ったやつだめぇ
 さて、次にしろやぎたちへ追い付いたのは敷島・初瀬(フリーの傭兵・f04289)。
 普段から完全武装の根っから傭兵、そんな初瀬はくるっと振り返ったしろやぎ一匹に、とても爽やかな笑顔を向けた。
「しろやぎさんにこちらからお手紙でおります」
「めぇー? ぼく宛なのめぇ?」
 ありがとめぇー、とお手紙を受け取り、いただきまーすと食べようとした時。
 しろやぎの楕円形おめめに映った文字列、前文にはこう書かれていた。
『これは不幸の手紙です。 これと同じ内容の手紙を一週間以内に、6人のしろやぎさんと上司に出さないと、あなたは不幸になります』
 ぱちくり、と楕円形おめめを開いたり閉じたりするしろやぎは、ちら、と初瀬の顔を見る。
 手紙を渡した時は爽やかだったのに、受け取った後の初瀬はなんか邪悪な笑顔になってた、こわい。
 あとこのお手紙、なんか持った瞬間に変な寒気とかする、深淵の闇とか覗いてる気分になる、とってもこわい。
 しかも初瀬が担いでいるのはでっかい箱っぽいものなんですが、まぁしろやぎにロケットランチャーなんて説明してもわかんないね。
「たとえホンワカモフモフであろうと、」容赦しないであります!」
 ちゅどーん。
 ロケランの圧倒的火力をもってして、しろやぎCくんはめぇーっと吹っ飛んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

せっかく書いた手紙を食べてしまうなんて悪い子もいたものだねえ。こういういたずらが過ぎる子達はお仕置きが必要だ。・・・見るとなんか癒されるけど。

アタシは娘の奏と義理の息子の瞬に日頃頑張ってくれているお礼の手紙を書くよ。飛んでくるお手紙で動きを封じられないように真紅の竜に【騎乗】して【ダッシュ】。戦闘力を増強される前に【先制攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】で攻撃するよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

むむ、気持ちを込めてしたためたお手紙を食べてしまうなんて許しません!!見た目は可愛いですが、真心を無駄にする悪い子なので、容赦なく倒させて貰います!!

私は響母さんへ日頃の感謝の手紙を書きます。戦闘力を増強させるのに長けているみたいですので、態勢を整えられる前に【二回攻撃】【範囲攻撃】【衝撃波】と信念の一撃で仕留めてしまいたいですね。飛んでくる手紙は【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】でなるべく家族の代わりに引き受けます。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

このしろやぎの上司も気になりますが、お手紙を食べてしまう迷惑な集団ですので、退場して頂きましょう。人の真心を伝える手段を断ってしまうのはあまり良い気分ではありませんし。

僕は響母さんに日頃の感謝の手紙を書きます。お互いを支援し合い、自らの能力も増強させるみたいですので、力を増す前に【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を撃って仕留めてしまいましょう。【二回攻撃】も使って攻撃回数を増やし、飛んでくる手紙には【見切り】で対処しますね。



●真宮家のはーとふるおてがみめぇ
 ぽてんとしろやぎCくんが倒された頃、歴史深い街よりやってきた一家三人が他のしろやぎたちを追っていた。
「せっかく書いた手紙を食べてしまうなんて悪い子といたものだねえ。 こういういたずらが過ぎる子達はお仕置きが必要だ」
 見てるとなんか癒されるけど、と真宮・響(赫灼の炎・f00434)お母さんはほんのり微笑む最中。
「むむ、気持ちを込めてしたためたお手紙を食べてしまうなんて許しません!」
 見た目は可愛いですが、真心を無駄にする悪い子は容赦なく倒させて貰います、と娘の真宮・奏(絢爛の星・f03210)はご立腹だ。
「このしろやぎの上司も気になりますが、お手紙を食べてしまう迷惑な集団ですので、退場して頂きましょう」
 人の真心を伝える手段を断ってしまうのは、あまり良い気分ではないと義理の息子、神城・瞬(清光の月・f06558)は冷徹ながらも許せないと感じてはいるようだ。
 ともあれ、そんな真宮家の皆さんの手紙の気配に気付いたしろやぎたちは、その数六匹に減っていたものの手紙への意欲は失わずにとことこ向かってくる。
「お手紙の気配がするめぇ!」
「いただいちゃうめぇー!!」
 まず目眩ましのおてがみはりけーんで隙を作ろうとするしろやぎへ突撃したのは、母の響だった。
「日頃頑張ってくれてる娘と息子の手紙、アンタらに奪わせやしないよ! さて一緒に行くよ!」
 気張りな、と響は召喚した深紅の竜に騎乗すると、たくさんのおてがみを打ち払いながらしろやぎへ突撃する。
 戦闘力が上昇させられる前にカタを付けるとした響は先手必勝として、てがみを飛ばすしろやぎに素早く連撃や範囲攻撃を放って、その行動を阻害していく。
「うわーん、お母さんは怒ると怖いめぇー。 めぇめぇじゃーんぷだめぇー」
「態勢は整えさせませんよ! その前に叩きます!」
「やーん、娘さんもこわいめぇー」
 豪快な母ありきと言うべきか、娘の奏もまたしろやぎが強化されるまえに叩いてしまおうと大きく攻勢に出る。
 信念の一撃はしろやぎの飛ばすてがみをことごとく切断していくが、ちょこちょこ逃げるしろやぎ本体にはなかなか届かない。
 母と娘による近接戦闘にぼこぼこ叩かれそうなしろやぎは、めぇーと鳴きながら逃げようとするも、竜に騎乗した響から逃れるのは困難だ。
「逃がしませんよ、これが見切れますか?」
 そこへ瞬が氷晶の矢を放ち、めぇめぇ逃げようとするしろやぎの足を止めようとする。
 飛んでくるてがみを撃ち落としつつ、しかし着実にしろやぎを追い詰める氷属性の矢はやがて、しろやぎの足を捕らえてちっくりと刺さり、かちかちと凍えさせてしまうのだった。
「め、めぇー、息子さんもこわいめぇー。 でもでも家族の絆を感じちゃうめぇー」
「それはどうもありがとう。 けどそんなアタシたち家族の手紙を食べようとするのは頂けないね!」
 瞬がしろやぎの足を止め、奏がしろやぎの鞄を切り払ったところへ、響がしろやぎ本体を槍で薙ぎ払う。
 こうして家族の一糸乱れぬ連携により、しろやぎFくんはぱったりと倒されるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ユリ・アップルヤード
「ボスクラスとの1対1のデータは取ったからね。ちょうどこの子の1対多数のデータが欲しかったんだ」

手紙は…そうだね、何通か作ってあたりとか外れとか書いとこうか!
様子見も何もせず、Code:Deus Ex Machinaを使おう。
私自身は手紙と一緒にデウスエクスマキナの中に入って、データ取りしてようね。
まずは内蔵してる重力制御装置のテストといこう。出力全開で周囲のヤギに対して加重して動きを鈍らせて、レーザー砲の嵐で焼き払ってもらおうか。
それが済んだら、散らばる敵に対して腕を叩きつけるよ。振り下ろす瞬間に腕に加重して、インパクトの衝撃を高めていこう。
あとは本体に対する重力を軽減して浮かせてみようか。



●当たっても外れてもレーザーだめぇ
「ボスクラスとの1対1のデータは取ったからね。 ちょうどこの子の1対多数のデータが欲しかったんだ」
 がしゃこん、がしゃこんと巨大なメカの稼働音が迷宮内に響き渡る。
 ユリ・アップルヤード(パーツ屋「アップルガレージ」・f00153)の手によって生み出された、アップルガレージの全メカが合体することで誕生する機械巨神、その名もデウスエクスマキナ。
 機械仕掛けの神であると迷宮を闊歩する者の中に、何通かの“当たり”や“はずれ”の手紙と一緒に入り込んだユリはしろやぎたちを追いかける。
 やがてめぇめぇと進む五匹のしろやぎに追い付くものの、やぎたちは全員が慌てて逃げ出してしまう。
「わー、でっかいメカが追いかけてきためぇ!」
「おてがみ持ってなさそうだから逃げちゃうめぇー!」
 どうやら、ユリの当たり外れな手紙何通かに、しろやぎのおてがみせんさーは反応しなかったようだ。
 しかし、はいそうですかと逃がしてやるほど機械の神は優しくはなかった。
「それじゃ、まずは重力制御装置のテストから。 出力全開!」
 機械の内からユリが神に秘められた装置の一つを稼働させる。
 重力制御によって加重効果を付与されたやぎたちは、なんか身体が重たくなってぺしゃりと地に伏せてしまった。
「やーん、ぺしゃんこめぇー」
「うんうん、いい感じに稼働してる! それじゃあしろやぎくんたち、神の審判を受ける覚悟は出来てるかな?!」
「とってもご遠慮したいめぇー! うわーん!」
 ぽちっとな、と掃射されていくレーザー砲の嵐に飲まれたしろやぎたちは、めぇーっと盛大に撃たれまくってぽろぽろと倒れていく。
 それでも頑張って逃げようとするしらやぎたちだが、うっかり逃げ遅れたしろやぎGくんが神の腕にぺしゃっと叩き潰されていた。
「……あたりもはずれも関係なかっためぇー」
 デウスエクスマキナの腕があげられた頃、しろやぎGくんはほろりと呟いたあとに、しゅわっと消えてしまった。 

成功 🔵​🔵​🔴​

アサノ・ゲッフェンルーク
それじゃぁ一筆
『水鞠さん大好きすぎるかなぁ!!これからもずっと一緒にいてくれると私は嬉しいかな!!かなl!!』

エレメンタルロッドの気まぐれな水精霊『水鞠』さんを愛しげに見ながら封筒を手にして戦闘に挑むかな!

WIZで挑戦
手紙につられてきたしろやぎを
【全力魔法5】【属性攻撃10】で補助強化した水の術を
【スナイパー4】を用いて狙い撃つよ!

どれだけ攻撃が当たるかは、水鞠さん次第かな
「水鞠さん、どうかな?たのしんでるかなぁ?」
水鞠さんが楽しんでいるようなら、嬉しさで跳ね回っちゃうよ!
楽しんでもらえてないなら、頑張って盛り上げるよ!

万が一封筒を取られても、恥ずかしいモノなんてないよ!!
アドリブ大歓迎!!


ブリッツ・エレクトロダンス
手紙、手紙と来たか…んー、普段電子メールばっか使ってるから物理メール…もとい手紙なんてあんまり書かねえぞ?
ま、書くとするか…
(とあるDJ&ラッパーコンビのアーティストへのファンレターだ。普段こういうのは恥ずかしくて書けない)

さて。手紙の嵐と来たか。
厄介な奴だが…俺にはそれを吹き飛ばす風の『埒外』がある!
起点は戦闘領域の中間点。
ベクトルは真上。
出力は紙が勢いよく吹き飛ぶ程度!
手紙の嵐が起点を通った辺りで…疾風(シュトルム)!


ファン・ティンタン
ファンは激怒した

必ず、かの邪知暴虐の山羊を除かなければならぬと決意した
ファンには(山羊の)生態がわからぬ
ファンは、一振りの護刀である
白刃を振るい、無表情に災魔を倒してきた
けれども御恩に対しては、人一倍に敏感であった
今日未明ファンはグリモアベースを出発し、時空を越え、遥かはなれた此のアルダワにやってきた
ファンには持ち主がいない
元主の遺品達と、道中に出遭った呪具と暮らす
ファンは、或る懇意のゴッドペインターから、近々、肖像画をもらう事になっていた
完成も間近なのである
ファンは、それゆえ、FLの草稿(千字超え)を懐に、はるばる此処にやってきていた
(以下略)

ぁあッ!?

(冒頭に戻る)


今回だけ、可愛い<<FL



●ファンレターって名前の超大作めぇ
 さて、おてがみといってもやはり種類というものが存在する。
 人に近況を伝えることを目的としていたり、日頃の感謝を伝えるものだったり、当たりやはずれといった結果のみを記したものだったり、といった具合に。
 今回、アサノ・ゲッフェンルーク(白耀の魔筆士・f00499)がとっても興奮したように仕上げてきた手紙には、アサノの持つエレメンタルロッドに宿る水精霊『水鞠』さんへの、とびっきりの愛が炸裂していた。
『水鞠さん大好きすぎるかなぁ!! これからもずっと一緒にいてくれると私は嬉しいかな!! かな!!!』
 そんなでっかい愛が詰まったおてがみにしろやぎたちが反応しないはずもなく、機械の神から逃げてきた4匹はめぇめぇと走ってきた。
「おてがみー! あいらぶゆーだめぇー!」
「私も水鞠さん大好きかな!! だから水鞠さんにはとってもたのしんでほしいかな!!」
 きまぐれらしい水鞠さんのために、アサノは全力で狙い済ました水の術で向かってくるやぎたちを撃ちまくっていく。
 やーん、とやぎたちがびしょ濡れになったりしているうちに、水鞠さんもちょっとは楽しくなったらしく、エレメンタルロッドの周りを踊るようにくるくる回転していた。
「水鞠さんがたのしいと私は嬉しいかなっ!!」
 ご機嫌の様子で跳ね回るアサノの横へ躍り出たのは、おてがみよりは電子メール派であるブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)。
 物理メールにはあまり馴染みのないキマイラフューチャーの彼だが、今回は仕事のためとして一筆したためてやってきた。
 とあるDJ&ラッパーコンビアーティストへのファンレターだというこのおてがみ、普段はこういうの恥ずかしくて書けないブリッツだが、んなこたぁ関係なしにしろやぎたちはめぇめぇ迫る。
「こっちのクロヒョウさんからも、親愛のおてがみの気配だめぇー!」
 そんなおてがみを奪うべくして、しろやぎはおてがみはりけーんを飛ばしてブリッツの隙を作り出そうとしてくる。
「さて、そいつは厄介な奴だが……俺にはそれを吹き飛ばす風の『埒外』がある!」
 起点を戦闘領域の中間点と定め、ベクトルは真上に決定、出力は紙が勢いよく吹き飛ぶ程度に設定すると、そのユーベルコードの発動条件を満たす。
「疾風(シュトルム)ッ!!」
「きゃーっ、ぼくのおてがみぃー!」
 ブリッツのユーベルコード、疾風はおてがみはりけーんもろとも、しろやぎたちをぴゅーんと迷宮の奥まで吹っ飛ばしていく。
 あいたたた、としろやぎDくんが立ち上がったとき、その目の前にいたのはファン・ティンタン(天津華・f07547)。
 彼女もまたとあるファンレターの草稿を持参してやってきていたのだが、これがまた、とても凄まじい文章量だった。
「詳しくはプレイングを見てくれればわかるめぇ」
 あまりの完成度の高さに、しろやぎDくんってばめっためたな感想を述べて投げちゃうほどだった。
 ともかく、御恩に対して人一倍に敏感であり、或る懇意のゴッドペインターから近々肖像画をもらう子とになっていて、その完成も間近。
 それゆえに千文字を余裕で越えるファンレターの草稿の用意があるのだが、これをやぎにもぐもぐされるとなれば、激怒は避けられぬ。
 必ずや、かの邪知暴虐の山羊を除かねばならぬとこの人振りの護刀の魂が叫ぶ。
 そんなわけでファンは、差し出されてもいないしろやぎDくんの右頬を力一杯にばしーんとぶん殴ることとなった。
 しろやぎDくんは沈黙した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
こんなにかわいくてもオブリビオンなのか
世界を過去に沈まさせない為に心を鬼にして戦うぜ!

手紙には故郷の家族へ向けて色んな場所を冒険している事、
沢山の仲間と一緒に様々な強敵との戦いを楽しんでる事を書くぞ
「濃厚な1ヶ月だったぜ」

しろやぎ達との戦闘では複数に囲まれない様に気をつけつつ
1体に集中攻撃して、1体ずつ撃破を目指すぞ
ジャンプしたてならグラウンドクラッシャーで攻撃して
敵の足元を崩してジャンプ継続の阻止を狙う
沢山ジャンプしてたら反撃を警戒して回避に専念する

あとは手紙を奪われない様に注意
手紙無くなったら逃げると思うし、
せっかく書いた手紙を食べられたくないからな
「オレの気持ちは奪わせないぞ!」


ロア・ネコンティ
【共闘・アドリブOK】
【SPD】手紙を囮に魔法攻撃

・手紙(星空の便箋)
『ロアー・アレグリアスさんへ。はじめまして、僕はロア・ネコンティといいます。同じケットシーで、名前も似ていますね。依頼が終わったら一緒に学食を食べに行きませんか?』

・心情
……直接言えば良いのはわかっています。でも種族と名前がほぼ同じだけに少し緊張するのです。しろやぎさんに手紙を奪われたら全速力で[盗み攻撃]して奪い返します!食べちゃダメです!

・戦闘
視界を塞がれても当てられるように、精霊銃で[マヒ攻撃+2回攻撃+誘導弾]の雷魔法を撃ちます。鳴き声やジャンプは、鋼糸の[敵を盾にする]でしろやぎさん同士をごつんとぶつけて防ぎます。



●言葉より、文字でなら伝えられることもあるんだめぇ
「こんなにかわいくてもオブリビオンなのか……」
 グリモア猟兵の説明に少しだけほんわかしていたグァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)だが、それでも世界を過去に沈ませてはいけないと心を鬼にした。
 グァーネッツォが書いた手紙は故郷の家族に宛てたもので、猟兵として色んな場所で、冒険している事や、沢山の仲間と一緒に強敵との戦いを楽しんでいることが記されている。
 その横でロア・ネコンティ(泥棒ねこ・f05423)は、星空模様の便箋を封筒に納める。
 しろやぎたちに奪われないよう、食べられないようにと封筒をぐっと握りしめていた。
 手紙の宛先は、ロアをこの任務に導いたグリモア猟兵なのだが、記した内容を彼に伝えるためにはこの手紙、守り抜かなくてはならない。
 自分の名前とほぼ同じなだけに緊張するのだが、奪われてしまっては水の泡だ。
 また書き直せばいいのでは、と思う人もいるのだろうが、そういう問題ではないのだ。
「オレたちの気持ちは奪わせないぞ! 行こうぜ、ロア!」
「はい、奪われても全力で奪い返します! 食べちゃダメです!」
 数も少なくなってきたしろやぎたちは、新たなおてがみの気配を感じてグァーネッツォとロアの二人を見つめてくる。
「おてがみー!」
 真っ先に走ってきたしろやぎBくんはロアの手紙がなんか好みだと感じたらしく、ロアの方へぴょこぴょこ跳ねてやってきた。
 しかし近接戦闘が得意なグァーネッツォがしろやぎBくんの接近を阻害し、手にした巨大な斧でしろやぎBくんを牽制する。
 そのしろやぎBくんがぴょこんと下がった所へ、ロアは精霊銃を構えて狙い撃つ。
 雷の魔弾がそれより放たれて、しろやぎBくんが着地した地面に当たると、そこに立つしろやぎBくんはばちばちと痺れてしまって動けなくなった。
「めめめめめ、素直なきもちのおてがみはきっとおいしいのにめぇ~」
「せっかく書いた手紙だ、食べられたくなんてないからな!」
「手紙は食べるものじゃなくて、読むものなんですよ!」
 ロアのだめ押しのマヒ弾丸でさらに痺れたしろやぎBくんに、グァーネッツォはグラウンドクラッシャーを叩き込んでトドメとした。
 二人は互いの手紙の無事を確認すると、ほっと一息のあとに笑顔を見せ合った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カチュア・バグースノウ
めっちゃ逃げるしろやぎも見たい気がするけど…
書いてきたわよ、大丈夫

一部抜粋
『グランマへ
相変わらず猟兵として何とかやってるわ。

グランマもあんまり無理しないで、もういい年なんだから。
心配だから言ってるのよ?

去年の誕生日には間に合わなかったけど、今年の誕生日には間に合ったわ。マフラー、大切にしてね。
編むの苦労したんだから。


あなたが好きな子竜より」

じっくり食べたのを待ってから、アックスソードブレイクで攻撃するわ
なんかかわいそうな気もするけど、そんなことは言ってられないわね

アドリブ、共闘歓迎


劉・碧
ロアーから受け取った封筒を手に出発だな
認めたのは亡き主へと認めた手紙だ
『俺は元気でやってるのだが、アンタは元気だろうか。俺は今アルダワ魔法学園で──この手紙をヤギに食わせてるところだ』

胸中で全力で謝ろう
俺は悪くはないはずだがヤギを誘き寄せるために主を利用したことを
そして見事、封筒を食い漁ったのなら、そいつから順に【凶拳八極】を叩き込んでやろう
なぁに、感想をくれたお礼にさ
ちょっと痛いかも知れんが、良い夢が見られることは請け合いだ

※共闘・アドリブ等あればお任せします


アガト・シレスティアル
お手紙……そういえば全然書いてないにゃ
食わせるから下書きのつもりで書くにゃ
『機鮫組頭領、シャーくんへ

アガトは頭領とお別れしてから
未完成だった相棒を完成させて
アガトを守ってくれた頭領の呼び名、
シャーくんを相棒の名前にしたよ
それから猟兵になったんだ
これで頭領はゆっくり眠れるよね
これからは頭領の代わりにアガトが災魔から世界や皆を守るから
頭領が災魔になっても守り切るから

追伸、また会えたら本名教えてね。シャーくんが二人は頭ぐるぐるだもん』
「しゃ……」
シャーくん……手紙濡れるから目のレンズ洗浄液拭いてにゃー

戦闘は手紙を手渡しで食べさせて油断した所をエレクトロレギオンで包囲
零距離射撃にゃ
アドリブ歓迎にゃ



●おてがみくれたので感想たいむなのめぇ
「めっちゃ逃げるしろやぎも見たい気がするけど……書いてきたわよ、大丈夫」
「あぁ、俺もだ」
 カチュア・バグースノウ(蒼天のドラグナー・f00628)と劉・碧(夜来香・f11172)はそんなことを言い合いながら、目の前でおてがみをもぐもぐ頂いてるしろやぎEくんをじいっと見ていた。
 この二人の猟兵もまた、あえてしろやぎに手紙を渡してその動きを封じることを選択したのだが、碧はそのことに対して本来の宛先であったろう人に胸中全力で謝っていた。
 やがてしろやぎEくんの感想たいむがスタート、まずはカチュアの書いたおてがみから。
「むぐむぐ。 おばあちゃんとは仲良しさんなのめぇ? 今年のお誕生日は間に合ってよかっためぇー。 おばあちゃんもきっと喜んでると思うめぇー」
「ええ、ありがとう。 あのマフラー、グランマも気に入ってくれてるといいんだけど……編むの苦労したからね」
 もういい歳になったというのに、割と無茶をするグランマへの近況報告を兼ねた手紙をごっくんした後、お次は碧のおてがみの感想たいむ。
「主さんは元気なのめぇ? おにーさんは元気そうみたいだけど……あ、おてがみはおいしくいただいてますめぇー、んめんめ」
「……あぁ」
「おにーさんは別に悪くないと思うめぇー、ぼくらはもともとおてがみに引っ張られるやぎだからめぇー」
 なんかほんのり慰める空気作ってるしろやぎEくんだが、碧はそんな感想のお礼に仕込みを開始する。
「我が拳は是正に一撃必倒の凶拳、八極の真髄也ーー」
「めえ?」
「『凶拳八極』」
「めえーん?!」
 もぐもぐしてるしろやぎEくんのおでこに炸裂する、碧のユーベルコード、凶拳八極。
 気を巡らせた掌打はしろやぎEくんの脳髄を大きく揺さぶり、いい夢どころか極楽に飛んでいきそうなダメージを与えてはっ倒した。
 そこへカチュアもユーベルコード、アックスソードブレイクをしろやぎEくんの無防備ボディにどこんと叩き込んで、その小さな身体をぴゅーっと吹っ飛ばす。
「やーん、酷いめぇー!」
「なんかかわいそうな気もするけど……そう言ってられないわね」
 倒しきれずにうわーんと逃げようとするしろやぎEくんを追いかけようとするカチュアと碧。
 そこでまたしろやぎEくんは別のお手紙を拾い、それをまたもぐもぐと食べ始める。
 その手紙をあえて落としたのはアガト・シレスティアル(シャーくんと一緒!・f03547)、彼もしろやぎに最初から食べさせるつもりで手紙を書いてきた一人だ。
 手紙の宛先はかつて、アガトを守ってくれたという機鮫組の頭領だ。
 アガトの今の相棒である鮫型黒剣の『シャーくん』を完成させたことや、頭領とおんなじ呼び名を付けたこと、自分もまた猟兵となり、世界や皆を守る誓いを秘めた手紙を書き記されている。
 今、しろやぎがもぐもぐしているのは下書きだが、本書は次に頭領と会うことがあればぜひ渡したいとも思っている。
「……しゃ」
「シャーくん……手紙濡れるから目のレンズ洗浄液拭いてにゃー」
 相棒とちょっぴり切ない空気になりながらも、アガトはしろやぎEくんと対峙していることは忘れない。
 しろやぎEくんが手紙に夢中になっている間にエレクトロレギオンを展開させて、逃げ場を無くしてのゼロ距離射撃の構えを
整えていたのだ。
「……めぇ?」
「シャーくん、ガトリングモード起動にゃ!」
「しゃ、しゃーん!」
 やたらと多機能なシャーくんは、その口から大量の銃弾を吐き出してしろやぎEくんをどかどか撃っていく。
 それに仰け反ったしろやぎEくんの背後に迫ったカチュアと碧がさらに追撃を放つことで、しろやぎEくんはぺったりと地に伏せたのだった。
「……おてがみ食べてたのに叩くなんて、ひどいめぇ」
 きゅー、と切ない涙を浮かべて、しろやぎEくんはしゅわっと消えていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ユカリ・ファントム
か、かわいい、えっ、あれ倒さないとやっぱりダメ?
たくさんのしろやぎさん宛に「お友達になってください」や自己紹介の手紙を持っていくよ

手紙でしろやぎさんを引きつけたら
手紙をしろやぎさんめがけて投げて
友達になってもらえないかダメもとで聞いてみるよ
「よ、よかったらお友達になってください」
一度断られても手紙が尽きるまで申し込んで見せるよ
「友達になってくれたら毎日お手紙をたくさんあげるから」

うまくいったら上司さんのことについて色々聞きたいな
弱点になりそうなところとか


ジャン・クロニエミ
「こいつはなんともまぁ、可愛らしい敵だこって。おっさんもゆるーくやりたいからさ、ゆるーく行こうや」

手紙かい?そうだねぇ、なんか書かないとねぇ。
ゆるい仕事回してくれるよう、嘆願書でも書こうか。
まぁあんまり派手に立ち回りたくもないし、シンプルにやろうか。
向こうから勝手に寄ってきてくれるだろうし、そこをサイコキネシスで吹き飛ばしたり、叩きつけたりするのが楽かね。
それで手が足りないようなら、念動剣使って斬り落とすとしよう。
腕は二本あるからさ。念動剣一本で足りなきゃ、練剣をもう片方の手で持って、二刀でやっていこうか。あんまりやりたくないけどね、疲れるし。
まぁ派手にやる人がいるなら、そこに便乗しよう。



●やぎはお友達に会うと……
「か、かわいい、えっ、あれ倒さないとやっぱりダメ?」
「倒さないとダメっぽいねぇ。 失火しこいつはなんともまぁ、可愛らしい敵だこって」
 しろやぎにあげるおてがみをたくさん抱えたユカリ・ファントム(バーチャルキャラクターのシンフォニア・f11433)は、お隣のゆるいおっさんことジャン・クロニエミ(フォースナイト・f10018)をちらっと見つめる。
 おっさんもゆるーくやりたい、そんな表れを示すかのようにジャンが書いてきたという手紙は、なんと嘆願書だった。
「おっさん歳だからさぁ、ゆるーい仕事を回してくれるように、ってさ」
「めぇー、それじゃーほくのことゆるーく見逃してくれないかめぇー?」
 ゆるーい雰囲気のジャンが目にしているしろやぎだが、その数はついに一匹となっていたのだ。
 最後に残されたしろやぎAくん、この場をなんとか切り抜けようと両手をぽむっと合わせてお願いしてはみる。
「んー……それはちょっと、おっと」
 仕事だしなぁ、とジャンがサイコキネシスの構えを取ろうとした時に、ユカリはたくさんの手紙をしろやぎAくんにドサドサと手渡していく。
「めぇ?」
「あの、よ、よかったら僕とお友達になってください」
「……めぇー? ぼくとお友達めぇ?」
 ユカリのたくさん書いた手紙のすべては、しろやぎとお友達になりたいという、そのための自己紹介を記したものだった。
 ダメもとの試みではあるが、それでも手紙が尽きるまではこの友達の申し込みを続けて見せるとユカリは意気込む。
 ジャンはユカリの背中を見て、戦いに備える手をそっと下ろしてその経過を見守ることにした。
「友達になってくれたら、毎日お手紙をたくさんあげるから、ね?」
「め、めぇー。 ぼく、おてがみは読まずに食べちゃうめぇ。 それでもいいのかめぇ?」
「うん、僕はしろやぎさんと友達になりたいんだ」
「めぇ……」
 しろやぎAくんは困ったような、それでもちょっぴり嬉しそうに首を傾げて、手紙をもくっと、口に咥える。
「そんなこと言う学生さんは珍しいめぇ。 ぼくも嬉しいからこっそり教えちゃうめぇ」
「やぎさん?」
「ぼくたちの上司さんは、いつものくろやぎさんじゃないんだめぇ。 剣とか銃とか持ってて、相棒に鷹まで連れてるめぇ。 とっても戦いなれてるから、本気で怒るととっても怖いめぇ~」
 もしゃもしゃとおてがみを食べるしろやぎAくんの身体が、何となく半透明になっていくのにユカリは気付いた。
 ユカリがしろやぎAくんの身体に触れようとするも、その手はすかっと宙を切ってしまう。
「あとめぇー、ぼくたちはとってもおいしいおてがみに出会うと、あまりのおいしさにしゅわーっと消えちゃうんだめぇ」
 だから、お友達になるのはちょっと難しいんだめぇ。
 ユカリの手紙に満足しきったしろやぎAくんは、満面の笑顔を浮かべ……しゅわっと消えてしまった。
 ぽと、としろやぎが掛けていた鞄が地に落ちた反動で、一通の手紙が飛び出す。
 その手紙は、「おいしいおてがみ、ありがとめぇ」と書かれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『獣の侵略者『デュラン』』

POW   :    内に潜む獣
【理性と記憶】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【一時的に自身を巨大な狼】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    達人の連撃
【腕を狙った飛ぶ斬撃】【足を狙った素早い銃撃】【胴を狙った重い蹴撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    鷹嵐
【相棒の鷹の鉤爪】が命中した対象に対し、高威力高命中の【暴風の魔術】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ナイツ・ディンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●しろやぎの上司さん
 グルメなしろやぎたちを突破した猟兵たちは、迷宮の奥へと突き進む。
 その先に待ち構えているという、しろやぎたちの上司と対峙し打ち勝つために。

 やがて、たくさんの手紙が集められたフロアに到達した猟兵たち。
 そこに待ち構えていた獣頭の人物ーー獣の侵略者『デュラン』はニィィと牙を剥き出しにして笑った。
「ヤギどもが奪った手紙を取り戻しに、学園の犬どもがのこのこと殺されにやってきたな」
 右手に剣、左手に銃を取り、その肩には相棒たる鷹を従えて。
 迷宮に閉じ込められた獣は、剥き出しの憎悪と殺意を帯びた構えを取る。
「さあ、来いよ。 テメェら全員……あの世に送ってやるめぇ!!」

 ……めぇ?

「…………だぁあああ、クソッ、あのヤギども!! めぇめぇめぇめぇ言いやがるから俺にもうつっちまったじゃめぇか!! ……なんだよテメェら、聞いたのか今の。 だったら尚更生かしちゃおけめぇなぁ?!」
 なんだかきちっと決まらない獣頭の戦士だが、その実力は決してふざけたものではない。
 猟兵たちは多彩な戦闘術を駆使する獣の戦士を打倒するため、戦いの準備を始める。 
ユリ・アップルヤード
「ヤギの親玉は犬かぁ。牧羊犬的な?アルダワの迷宮にいるなら面白いもの持ってるかなと思ったんだけど、そうでもなさそうだね」

まずは機械巨人リアンを前面に出して薙ぎ払い、叩き潰しつつ、敵の注意を惹きつけよう。
敵が狙ってきたら確実に大楯で防いでいこう。
その隙に偵察ロボットコロマルと万能型ドローンルー、戦闘用機械兵ヒューズは敵の死角へ移動。
配置に着き次第、Operation “Gulliver"を敵に発動。
手足の動きをコロマルとルーのトリモチ弾と拘束用ワイヤー弾で止めて、さらにヒューズのテーザーガンで電流を流し込んで痺れさせてやる。
動きが止まって無防備になった瞬間、脳天目掛けてリアンの鉄柱を叩きつけよう



●拝啓、ユリおねーさんへ
「ヤギの親玉は犬かぁ。 牧羊犬的な? アルダワの迷宮にいるなら面白いもの持ってるかなと思ったんだけど、そうでもなさそうだね」
 アルダワと言えば蒸気機械の宝の山、そんな認識が揺るがないユリにとって目前のデュランは知的好奇心の対象外だ。
 片やデュランと言えば、ユリの従えている機械たちを見るなり、銃口を偵察ロボットであるコロマルへ向ける。
「けっ、テメェが噂の機械女かよ。 お会いできて光栄ってか?」
「んん? 私、噂になってるの?」
「ンなバカデケェ機械連れ回して迷宮を我が物顔で歩いといて、顔が割れてめぇと思ったかァ?!」
 デュランは迷宮に訪れたことのある転校生の情報を握っているようだった。
 巨体故に注意を引きやすいリアンではなく、敵死角に潜り込んでの活動を主とするコロマルや、万能型ドローンのルーを警戒していることがその現れと言えるだろう。
 機械巨人リアンの薙ぎ払いを回避しつつ、迫るコロマルへ飛ぶ斬撃、ルーへ素早い銃撃を見舞うデュランは、アップルガレージの多重攻撃をやり過ごしながらユリへと迫る。
 これにはユリも少し驚いて半歩下がれば、デュランは締めとばかりに重い蹴りをーー。
「残念。 詰めが甘かったね」
 驚きから一転、自信満々の笑顔でユリが言い放った直後、リアンの巨体の影から放たれたテーザーガンがデュランに直撃する。
 警戒すべきはもう一体、戦闘用機械兵ヒューズが残っていたのだ。
 テーザーガンの電撃を受けて痺れるデュランへ、警戒から外されていたリアンがここぞと脳天への鉄柱叩き落としで追撃する。
 リアンの力業で無理矢理押し返されたデュランが引き際に、一通の手紙を落とした。
 それをユリが拾い上げると……それにはユリが知る名が書かれている。
「あ、これラパン君の手紙?」
 しかも宛先はユリであり、文面だけざっと目を通してみれば、『ユリおねーさんの美しい機械を目標に、ガジェット作りがんばるみゃ』などという意気込みと感銘が記されていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャン・クロニエミ
「なんだい、ヤギ君達と違ってやる気に溢れてるじゃないか。そんな気ばっかり張ってると疲れるだけなんだからさぁ、ここは退いてくれないかい?」

まぁこんだけやる気に溢れてるなら、こっちからどうこうしなくても向こうからガンガン来るでしょ。
来たところを迎え撃っていこうかね。
上中下段と攻撃を振って、敵の態勢を崩していこう。まぁ無理せず堅実に攻めてよう。
大技を出そうとしてきたら、三の太刀でカウンターを狙うよ。出鼻をくじいて、次に技を出す時にも警戒せざるを得ないようにしてやろう。
敵からの攻撃は、念動剣で防いでいこうか。銃撃は念動力を高めて跳ね返して、カウンターに使おうかね。
ま、ほどほどにやって若い子に任せるさ。



「なるほどねぇ、学生の手紙を奪うヤギ君達の上司になっていた真の狙いはそれかぁ」
 ユリ宛の手紙を目にしたジャンは、相変わらずのゆるいスタンスを崩さずにデュランを見据える。
 転校生である猟兵たちは現地学生にとっては注目の的だ、猟兵の活動を目にした学生が手紙にそれを書き記すこともあるのだろう。
 そういった意味で言えば。
「……ちっくしょう。 何見てやがんだ、おっさん」
 デュランにとって、アルダワ魔法学園での活動に乏しいジャンはノーマークと言うことになる。
 それでも、獣の目に籠った殺意は変わらない。
「なんだい、ヤギ君達と違ってやる気に溢れてるじゃないか。 そんな気ばっかり張ってると疲れるだけなんだからさぁ、ここは」
 引いてくれないかい、と続けられるはずの言葉はデュランの特攻によって阻まれる。
「ごちゃごちゃ五月蝿ェ、喰い殺すぞ!」
 自らの理性と記憶を代償に、その身を巨大な狼へと変えられるデュランは無防備に見えたジャンから始末しようとしたのだ。
「……おっさん楽がしたかったんだけどなぁ」
 初めから向かってきた所を迎え撃つつもりでいたジャンだが、巨狼の体躯から繰り出される猛攻に押されてしまう。
 それでも冷静に無理をせず、獰猛な爪と牙にいくらか身を裂かれようとも、ジャンは機会を待った。
 やがて巨狼の大口ががぱりと開かれたとき、念動剣を握る手に力を込める。
「師曰く、『斬れるなど当然。神速を貴べ。ーー」
 触れられぬ剣には、剛剣も柔剣も敵いはしない。
 硬質な牙や毛皮をもすり抜けて切り裂き、獣の鼻先に紫炎を上げさせる。
 あとは若い子に任せるさ、とジャンは顔を焼かれて変化を解除したデュランを見やりつつ後退する。 

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アサノ・ゲッフェンルーク
「安心していいよ。私には水鞠さんの可愛い姿と囁き以外は、吹き抜ける風程度にしか思わない、めぇ」
『泡沫ノ長杖』の気まぐれな水精霊『水鞠』さんをぎゅっとしながら、上司さんにフォローをいれよう!

WIZで挑戦。
【スナイパー4】で鷹を狙いを定め
【全力魔法6】【属性攻撃10】【高速詠唱6】で補助強化。
敵の攻撃が向かってきたら水刃で撃ち落とすか相殺を試みるかな!!

威力も狙いも水鞠さんの気分次第。
今日の水鞠さんの気分はどんな感じだろう?
水刃の中で戯れる水鞠さんが可愛いから
ちょっと見惚れててもいいよね?よね?

「もー!!水鞠さん可愛いかなぁ!!大好き!!恥ずかしいけど、すっごく愛してるよぉ!!」
アドリブ大歓迎!!



「安心していいよ。 私には水鞠さんの可愛い姿と囁き以外は、吹き抜ける風程度にしか思わない、めぇ」
 アサノさん、口調移ってますよ。
 気まぐれな水精霊の水鞠さんもやれやれといった風だ、顔についた紫炎をどうにか振り払ったデュランも元の姿に戻りつつも牙をむき出しにする。
「吹き抜けてめぇじゃねえか! ……ちっ、水精霊使いか、だったら俺の相棒とも踊ってもらおうか!」
 デュランは相棒の鷹を水鞠へと飛ばし、その隙に自らは暴風の魔術詠唱を始める。
 しかしこんな殺意むき出しの相手の前でも、アサノの視線の先には水鞠しか映っていないのだ。
「さて、水鞠さんの今の気分はいかほどかな? かな??」
「よそ見してんじゃ……!」
 気まぐれな水鞠だが、アサノやデュラン、さらに鷹にまで注目されては仕方ないとがんばる気分になったようで。
 水鞠は飛んで来た鷹に対して、総勢95にも及ぶ透き通った水刃を放って迎撃したのだ。
 単身で攻め込んだ鷹に、それほどの数の水刃を切り抜けられるはずもなく、いくらか羽根を斬られながら鷹はデュランの元へ逃げ帰って行く。
「くそ、相棒……!」
「もー!! 水鞠さん可愛いかなぁ!! 大好き!! 恥ずかしいけど、すっごく愛してるよぉ!!」
「テメェほんとにそればっかじゃめぇか?!」
 きゃあきゃあと愛を爆発させるアサノの水鞠さん愛もまた、だれかの手紙に書かれていたらしい。

成功 🔵​🔵​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
「言葉で語り合う必要はないぜ。お互い戦士だ、死闘で語り合おう!」
人類の敵ではあるが磨き上げた技を持つ獣戦士に敬意を払い、以降無言で戦うぜ
……語尾を指摘して冷静さを失わせるのも手だが、この手のタイプは逆上するとむしろ強くなりそうだからやめておくぞ

ドラゴニック・エンド発動の為に、わざとかわせる軌道で斧を投擲し、
周囲の手紙を巻き上げさせる
手紙で視界を悪くさせている内に槍投げしてドラゴン召還を狙うぜ
巨大狼に変化したら記憶がなくなっているはずだから同じ戦法を試すぜ
ただスピードがあがっているだろうからより慎重に槍投げするぜ

戦いが終わったら白山羊の分も含めて黙祷
「語尾が移る位親しかったんだよな……」



「言葉で語り合う必要はないぜ」
 グァーネッツォは重量感ある巨大な竜骨斧を構え、デュランを見据える。
 オブリビオンという人類の敵ではあるものの、磨き上げられた技を持つ獣戦士に敬意を払う。
「お互い戦士だ、死闘で語り合おう!」
「そうかよ、だがなぁ俺はテメェほどお上品じゃめぇぜェ?!」
 荒々しくも素早く銃口を向けてくるデュランへ、グァーネッツォは竜骨斧を投げつけた。
 この投擲はデュランに当てることが目的ではなく、周囲の手紙や砂埃を巻き起こして視界を悪くすることが目当てだった。
 邪魔な手紙を撃ち抜いていくデュランの横に回り込み、グァーネッツォは新たに手にした竜槍を投げつける。
 これこそが本懐、槍の命中から発動するドラゴン召喚を狙ったものだが、この槍すらデュランは銃で撃って弾いた。
「死闘がしてぇんだったな、じゃあ望み通り喰い殺してやる!」
 デュランは地を蹴ったと同時にその身を再び巨狼へと変えて、グァーネッツォに挑みかかる。
 グァーネッツォは弾かれた槍を拾い直し、再び巨狼デュランへと投げつける。
 生身ひとつで飛び込んできたデュランへ、その槍は今度こそ命中してドラゴンを召喚、巨狼にも劣らぬ大きさのドラゴンがデュランに食らい付いた。
 しかしそれでもデュランは止まらない、竜の牙を受けながらも、その巨体でグァーネッツォの小さな身体を弾き飛ばした。
「ぐあっ!」
 質量によって押し負けて尻餅をついたグァーネッツォの顔の先に、巨狼化を解いたデュランが吠える。
「テメェらは俺の仲間を殺した、そいつら五匹分はぶっ殺さなきゃ気が済まめぇ!」
「……五匹?」
 戦いの最中は無言を貫くつもりだったグァーネッツォは、思わず疑問符を上げる。
 しろやぎは七匹いたはずだ、だがデュラン五匹と言っている。
「……まさか、お前!」
 グァーネッツォは読み違いをしていた。
 デュランが巨狼に変化する際に犠牲にしている記憶は、直前のものではない。
 仲間だった、しろやぎの記憶を一匹ずつ消しているのだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ブリッツ・エレクトロダンス
まったくもってしまらめぇなこいつ…

ってざけんな!俺にまで伝染ってんじゃめぇかーーー!!
クソッ、俺までめぇめぇされてしまう前にこいつを叩き潰す…!

鷹の鉤爪はちょっと味方に当てさせたくはない所だな。
だから―――攻性プログラム・展開だめぇ!
鷹の急降下攻撃(ダイブ・ボム)に割り込んで盾になれ!



「攻性プログラム、展開だめぇ!」
 デュランが剣を振り上げたところへ、ブリッツが攻撃機能を持つプログラムを飛ばす。
 それを見てグァーネッツォへの追撃を諦めたデュラン、銃弾をばら蒔きながら後退し、いくつものプログラムを展開してくるブリッツを睨み付けた。
「まったくもってしまらめぇなこいつ……って、ざけんな! 俺にまで伝染ってんじゃめぇかーーー!!!」
「ちょっと待て、伝染るの早すぎじゃめぇか?! どんだけ単純なんだよテメェ!」
「うるっせぇ! お前がさっきからめぇめぇ言うからだろが!!」
 俺までめぇめぇされちまう前にこいつ叩き潰す、そうブリッツが心に強く誓う最中にもデュランの銃撃は続いている。
 相棒の鷹を飛ばそうにも、ブリッツの多すぎるプログラムが邪魔なのだ。
 無論、ブリッツもただプログラムが撃ち落とされていくのを黙ってみているはずもなく……銃弾を巧みに回避するようにプログラムの陣形を切り替えながら、デュランをじわじわと追い詰めていく。
「畜生、数が多すぎる……!」
 銃弾で凌ぎ切れなかったプログラムがデュランに殺到し、その身を傷つけていく。
 ブリッツはまだ攻め込む必要のないと判断したプログラムを下がらせ、鷹の強襲に備えて待機させた。

成功 🔵​🔵​🔴​

敷島・初瀬
「何かを拗らせたような憎悪であります、まさか同類でありますか」
しかし性格の歪み具合できっとこちらが上であります。


「プロの仕事を見せるであります」
モブかと思ったら名前付き、こいつ出来る。
アサルトライフルで味方の後方から狙撃、一発で決めるであります。
UC【精密射撃】で射程を伸ばし【スナイパー】【援護射撃】【鎧無視攻撃】で味方の攻撃に連携して狙撃、
相手の動きを止め味方の攻撃を確実に当てる渋いサポートを狙うであります。


ファン・ティンタン
………、めぇ?(戦闘の方向性が決まった瞬間)
以降、自分を先のやぎ達の擬人化した姿だと言い張り全力で煽る


上司さん、上司さん、どうしたんだめぇ?
別に、語尾が“めぇ”でも変じゃないめぇ?
それより、どうして私達を手下にしたんだめぇ?
あぁ、そっか…孤高の狼さんには友達がいないんだめぇ…

や ぎ の 手 も 借 り た い っ て ヤ ツ だ っ た め ぇ ?

敵が挑発に乗って近づいてくれれば、【刀心習合】で2連回し蹴りの【2回攻撃】

挑発失敗ならば、周りの猟兵の攻撃に乗じて【歓喜の細剣】に【力溜め】して投擲
雷【属性攻撃】で【マヒ攻撃】し、攻撃支援に回る
挑発自体は継続

上司さんよわっちいめぇ~(段々ノってきた)



「何かを拗らせたような憎悪であります、まさか同類でありますか」
 しかし性格の歪み具合はきっとこちらが上として、初瀬はアサルトライフルを担いで物陰へと移動する。
 モブかと思ったら名前付きという獣と侵略者デュランに、なんとなくこいつ出来るという気配を感じ取ったのだ。
「逃がすかよ!」
 数多の猟兵や召喚物を相手取るデュランはとにかく、どの猟兵の些細な動きを見逃さずに銃を向けてくる。
 そんなデュランの前に立ちはだかるのは、ファンだった。
「……めぇ」
「……あ?」
 デュランの語尾を聞いた時に何か、戦いの方向性を決めてきたらしいファン。
 頭に黄色い角のおもちゃ、白いハトのぬいぐるみ。
 肩にピンクの鞄を引っ提げて、とたたとデュランの前にやってくる。
「上司さん、上司さん、そんなに怒ってどうしたんだめぇ?」
「……は?」
「別に、語尾が“めぇ”でも変じゃないめぇ?」
「……はぁ?」
 語尾はともかく、そもそもテメェ何でそんな馴れ馴れしいんだよ、雪合戦のし過ぎで頭やられたか。
 そう言いたげなデュランに対し、ファンはどーんと両手を腰に当てて胸を張った。
「上司さん、私のこと忘れちゃっためぇ? 私、やぎが擬人化した姿なんだめぇ」
「どうせ嘘吐くならもっとマトモな嘘考えてきやがれ」
 話にならめぇ、とデュランはファンの姿に構わず発砲してくる。
 ファンはその銃弾を回避したり、刀身で弾いてもなお、自分はしろやぎだと主張してデュランを煽りにかかった。
「それより、どうして私達を手下にしたんだめぇ? 学生から手紙を集めさせて、情報収集のためだけめぇ?」
「俺はテメェを味方にした覚えはめぇ」
「あぁ、そっか……孤高の狼さんには友達がいないんだめぇ……やぎの手も借りたいってヤツだっためぇ?」
「……決めぇた、テメェは最後に殺す。 そこでバカみてぇにふざけて待ってろ」
 ただの煽りであれば、多少の効果はあったかもしれない。
 しかしファンは“自分はしろやぎだ”と、しろやぎに変化能力もないのにそう主張してしまったことで、デュランは“コイツ誘いに来てる”と分かりやすく警戒させてしまったのだ。
 結果、デュランはファンの煽りに乗らずに初瀬の方を見やる。
 そうして初瀬と言えば、ファンが稼いだ時間があれば十分だった。
「プロの仕事を見せるであります」
「チッ!」
 初瀬は物陰からの狙撃で、デュランの頭部を狙い撃つ。
 その精密射撃はデュランの咄嗟のガードを貫き、デュランの剣を大きく弾き飛ばしたのだ。
「しまった……!」
「上司さ~ん、覚悟ー」
 まだ挑発を継続していたファンは、歓喜の細剣に力を込めて投擲。
 雷属性を更に付与した刃でデュランを貫くと、その身を痺れさせて膝を付かせる。
「上司さんよわっちいめぇ~」
「……テメェ」
 デュランの思い違いは、ファンの行動そのものを侮ったことにあった。
 細剣を引き抜き、再び巨狼の姿に転じようとしたデュランを、更に初瀬が狙撃を加えることで阻止する。
 ファンの挑発が決まらなかったことにヒヤッとしたが、初瀬は渋いサポート役を見事に果たしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

劉・碧
学生に強い憎しみを持つ獣頭の侵略者か…
いやァ、めぇめぇ言ってるようにしか見えないけどなァ?
まァ、いいや
俺としては即刻倒れてくれた方がいいんでさァ
雰囲気作りというわけじゃねェが真の姿も良いだろう?
憎しみは増したかね?
じゃア、そのまま戦いに挑むとしようじゃないか
敵は強い方が叩き甲斐があるってものさァ
とっておきの狂拳凶脚を見舞ってやろうな
相手の攻撃はなるべく躱す、受ける時は出来る限り急所は外す
さァて、まだ立てそうかい?
もう一発必要なら受けて立つよォ
アンタの腹の疼きが取れるまで見舞ってやるさァ

※共闘・アドリブ等あればお任せします


アガト・シレスティアル
学園の犬じゃないにゃ。にゃーは猫にゃ。シャーくんは鮫にゃ
「しゃしゃしゃしゃーん!」
シャーくんも間違えるなって怒ってるにゃ!
でも謝らなくていいにゃ。ヤギさんと違って遠慮なくやれるからにゃ

機鮫組の羽織、一回しか見てないからどんな見た目か覚えてないけど
羽織姿に変身して、敵の攻撃を軽減して、生命力吸収で回復しながら戦うにゃ!
敵の攻撃を避けやすいよう距離を取って、短刀から衝撃波と水の刃を放つにゃ!
一緒に戦ってくれる人がいるなら援護射撃する感じに放つにゃ

それと相棒の鷹さんが飛んだらシャーくんのガトリングで撃ち落とすか、弾幕を張って近づきにくくするにゃ
短刀・雪時雨とシャーくんの二刀流にゃ

アドリブ歓迎にゃ



「学生に強い憎しみを持つ獣頭の侵略者か……いやァ、めぇめぇ言ってるようにしか見えないけどなァ?」
 まァ、いいとその辺りは流しつつ、碧は己の真の姿を解放しつつデュランの目前に立った。
 それを見たデュランは憎悪に満ちた唸り声を轟かせながら、三度目の巨狼化。
 その巨体を活かしての突撃……それが行われる前に、小さな影が割り込んできた。
 機鮫組の羽織姿に変身し、相棒シャーくんをちゃきっと構えるアガトだ。
「学園の犬じゃないにゃ。 にゃーは猫にゃ。 シャーくんは鮫にゃ」
「しゃしゃしゃしゃーん!」
「シャーくんも間違えるなって怒ってるにゃ!」
 姿を変えたケットシーと己が意思を持つ奇妙な鮫型黒剣はそう抗議すれば、デュランは嘲るように再び唸る。
「でも謝らなくていいにゃ。 ヤギさんと違って遠慮なくやれるからにゃ」
「けっ、猫だろうが鮫だろうが胃に収めちまえば同じこった!」
 そえして巨狼デュランは碧へ、相棒の鷹はアガトへと強襲を仕掛ける。
 碧もまた劣勢に立たされながらも闘志を失わない、強い奴の方が叩き甲斐があるとして、巨狼の突撃を真っ向から迎え撃つ。
 巨体ゆえの攻撃範囲の差は碧でも少々手こずったが、そこへシャーくんのガトリングが援護射撃として加わる。
 デュランの相棒の鷹を、短刀・雪時雨を手に相手取りつつもアガトは碧のことを気にかけていたのだ。
 短刀から衝撃波と水の刃を放ち、鷹を撃ち落としたことでアガトはデュランの敵意を受けることになる。
 デュランの意識がアガトへ向いた瞬間、碧もまたとっておきを見舞うために巨狼へと挑みかかる。
「我が拳は無間必倒の狂拳、疾速凶脚無影の如く」
 ――狂拳凶脚。
 高速で撃ちこまれる荒ぶる狂拳、それを顔に受けた巨狼デュランへ一撃一殺、驚異的な威力を持つ凶脚が叩き込まれる。
 あまりの衝撃に変化が解かれて吹き飛ぶデュランへ、鷹を退けたアガトが突撃。
「頭領、無茶してごめんなさいにゃ……でも、にゃーは皆守りたいのにゃ。 だから全力でいくにゃー!」
「しゃっしゃーん!!」
 頭領が初めてアガトにくれた品、雪時雨の水の刃と、アガトの覚悟に応えるシャーくんのガトリングが、体勢を崩したデュランを追い立てる。
 デュランも碧とアガトの猛攻でかなりの傷を受けたはずだが、その身を赤に染めながらもまだ立ち上がってくる。
「まだ立てそうかい? もう一発必要なら受けて立つよォ」
 アンタの腹の疼きが取れるまで見舞ってやると、碧はくいくいと手招きをする。
 獣の侵略者は未だ倒れずに、憎悪に突き動かされるように得物を構えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

歓迎どうも。何か口調がおかしくなってるようだけど、しろやぎもなかなか手ごわかったからね。油断せずにいくよ。

護りを奏に、後方支援を瞬に任せ、鷹嵐と連撃の攻撃範囲からはずれる為に【目立たない】を使用して、【残像】も併用しつつ、敵に接近。【先制攻撃】で奥の手を使って技の封じ込めを狙うよ。接近戦なら【フェイント】したうえで【カウンター】を狙うよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。


貴方があのしろやぎの上司ですか。なんか慌ててるようですが、学生さん達を狙ってるなら倒すべき、ですね。覚悟するのは貴方の方です。

私は主に盾役を務めます。トリニティエンハンスで防御力を強化して、【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】で連撃と鷹嵐は受けきって見せます。余裕があれば【二回攻撃】【衝撃波】で強化の邪魔をしたいですね。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

7人のしろやぎを統率する力は侮れませんし、漂う強者にした達人の風格。決して油断は出来ませんね。心して、戦いに臨みましょう。

僕は主に後方支援を担当。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の槍を撃ちます。【二回攻撃】で攻撃回数も増やしますね。余裕があれば、【援護射撃】で響母さんが敵に接近するのを援護します。



「歓迎どうも。 何か口調がおかしくなってるようだけど、しろやぎもなかなか手ごわかったからね」
 油断せずに、と【真宮家】の母、響は娘、奏と息子、瞬に目配せをする。
 少し前に退治したしろやぎは攻撃能力に乏しかったものの、回避力と打たれ強さはなかなかのものだった。
 しろやぎの上司に当たるデュランはそれ以上の強敵であることに間違いはないだろう。
「学生さん達を狙ってるなら倒すべき、ですね。 覚悟するのは貴方の方です」
 トリニティ・エンハンスで防御力を高めた娘の奏がデュランと向かい合い剣を向ける。
「けっ」
 対しデュランは飛ぶ斬撃を奏、ではなく響へ向けて放つ。
 奏のことを視野に入れていないかのような動作に驚きつつも、奏は響を守るために斬撃を食い止める。
「させません!」
「やっぱそうくるよなぁ?」
 斬撃を弾いた奏へ、にたりと笑ったデュランはすかさず素早い銃撃を足に向けて放つ。
 弾は奏の足を掠めるも、その痛みに堪えてなお盾役の勤めを果たそうとする最中、デュランは銅を狙って重い蹴りを叩き込もうとする。
「奏!」
 高速での詠唱をしていた瞬が、奏を守るために氷晶の槍でデュランを狙い撃つ。
「チッ、うざってぇ連中だ!」
 トドメの蹴りを諦めたデュランは半歩引いて槍を避けると、瞬の方へ向けて相棒の鷹を飛ばす。
 いくつもの氷晶の槍を掻い潜った鷹は、鋭い鉤爪で瞬の腕を大きく切り裂く。
「くっ……」
「あばよ、優男」
 爪に裂かれた瞬へ、デュランは暴風の魔術で吹き飛ばそうと手で印を組む。
 万事休す、瞬がぐっと目を閉じ、デュランが魔術を発動させるーーその寸前に、デュランの手に枷が嵌められた。
「アタシの家族に手を出すんじゃないよ!」
 目立たずにデュランへ接近していた響が、奥の手の手枷に続けて猿轡、拘束ロープを放ちデュランの動きを封じ込めようとする。
「そうかよ、家族が大事か」
 響の、娘と息子を傷つけられた母の怒りにデュランは猿轡を切り払いながら応える。
「……それを、俺の仲間を殺した後に言うのか、テメェは!」
「じゃあ聞かせてもらおうか!」
 激昂するデュランへ、響は拘束ロープをデュランの銃持つ腕へと絡ませながら、続けて槍を突き付ける。
「アンタの仲間のしろやぎが、何匹いたかをね!」
「なっ……」
 響の問いに、剣で薙ぎ払おうとしていたデュランの動きはぴたりと止まった。
 その明確な隙を見逃さずにカウンターを取った響の槍は、デュランの腹を深々と貫く。
「がっ、は……」
「奏、瞬! 大丈夫かい?」
 倒れ込んだデュランを警戒しつつ、響は傷を負った二人の元へ駆け寄る。
「僕は掠り傷ですよ、響母さん」
「私もまだ戦えますっ!」
 軽傷を負ったものの、戦い続けるのに支障はないと、娘と息子も体勢を整え直してデュランに武器を向ける。
 響は一先ず、二人の無事を確認してほっと一息をついた頃、呻くような獣の声が聞こえてきた。
「しろやぎ……何匹いた? 四匹だろ……待て、いや、何だ……?」
 ごふ、と血を吐きつつもふらりと立ち上がったデュランの目から殺気が一瞬だけ、消える。
 気が動転したように頭を抱え、うずくまり……やがて地獄の底から沸き立つ炎のような唸りを上げながら、その身をまた巨狼へと転じさせる。

「ウウゥゥゥゥ、ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーッ!!!!」

 怒号か、悲鳴か、泣き声か。
 四度目の変化の勢いや凄まじく、その咆哮に吹き飛ばされそうになる猟兵たち。
 この変化は記憶だけではなく、理性をも犠牲にしたものだと誰もが確信する。
 そろそろ大詰めだ、響は愛する娘と息子を護るために。
 奏と瞬もまた、愛する母と兄妹を護るために、それぞれの武器を握りしめる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
「この……バカおおかみぃぃぃいいいい!!」
一番大事な記憶を消すデュランにも、巨狼に変身させずに戦う術を持ってない自分にも激怒しながら真の姿を解放
痛みやダメージを癒しながら隙を見てアースジャイアントを使用
召喚するのは7人の小さなやぎ土人形を肩に乗せたデュランそっくりの大地の巨人
「思い出せ!めぇめぇ言ってたしろやぎは7人だろ、物忘れしてもいいけど後で思い出せよ!!」
精神的揺さぶりはしたくないけど、もう変身させたくない想いでデュラン型巨人でも、オレ自身でも攻撃していく
オレに出来るのは、せめて骸の海で7人とデュランを再会させる位だから……
焦る気持ちもあるが、確実に攻撃を避けて少しでもダメージ与えるぞ


ロア・ネコンティ
【共闘・アドリブOK】
【WIZ】鋼糸を張り巡らせて雷魔法を打つ

・心境
刃物と銃、魔法も使うなんて僕の戦い方と似てますめぇ。戦いづらいですめぇ。その上僕はパワーが無いから蹴りも出来ませんめぇ。これは負け……るわけないでしょ。

・戦闘
僕には速さがある。敵の攻撃をタガー[武器受け]で防ぎ、相棒の鷹はすれ違いざまに[盗み攻撃]で尾羽を毟ります。敵には防戦一方に見せて、地面に[属性攻撃]付きの鋼糸を張り巡らせながら[高速詠唱]し[エレメンタル・ファンタジア]を使用。魔法を導火線の様に鋼糸に通し、地面から昇る雷、雷樹をお見舞いします。

・勝てそうなら
童話の締め括りに相応しく、悪い狼さんは、お引き取りくださいね。



「この」
 迷宮を揺るがす咆哮の中で。
「この……!」
 ドワーフのバーバリアンは槍を支えにして立ち上がる。
「……バカおおかみぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい!!!!」
 その両腕、両足に竜の鱗を纏う真の姿に転じながら、腹の底から叫び返す。
 グァーネッツォの声に応じるように現れたアースジャイアントは、獣の侵略者デュランそっくりの姿をしていた。
 その肩には七人分の小さなやぎ人形を乗せて、理性を失った巨狼に組み付かせる。
 巨狼も本能のままに荒れ狂い、自らを拘束する巨人を振り払おうと大暴れをした。
「思い出せ! めぇめぇ言ってたやぎは七人だろ、物忘れしてもいいけど……後で思い出せよ!!」
「わわっ、グァーネッツォさーん!!」
 デュラン型巨人が巨狼を抑えているところへ、駆け出すグァーネッツォにロアが続く。
 刃物と銃、魔法もつかうなんて僕の戦い方と似ていて戦いづらい。
 その上僕にはパワーが無いから蹴りも出来ませんめぇ……しかしロアには速さがある、負けるわけがない。
 デュランの暴走を受けて、相棒の鷹も狂ったように鉤爪を振るいながら、ロアへと向かってくる。
 ロアはその爪を武器受けで凌ぎ、鷹とのすれ違い様に尾羽を毟る。
 鷹との戦闘を防戦一方に見せつつ、ロアは巨狼のいる方の地面に鋼糸を張り巡らせながら高速詠唱。
「エレメンタル・ファンタジア! 地より出でよ、雷樹!!」
 鋼糸は導火線のように魔術を通し、巨狼の真下より地面から昇る雷、雷樹の現象を発動させる。
 制御の難しい力だが、属性を付与した鋼糸を介することである程度の制度を得た魔法の雷は、巨狼の胴を叩き上げて感電させる。
「グァーネッツォさん!」
「ありがとな、ロア! デュラン、オレに出来るのは……」
 グァーネッツォは自ら呼び起こしたデュラン型巨人、七人のやぎ人形を通り抜けて、巨狼の頭上に飛び込み、竜骨斧を振り上げる。
「せめて、骸の海で!!」
 ――七人とデュランを再会させる位だ。
 竜の力を引き出したグァーネッツォ渾身のグラウンドクラッシャーが、巨狼の頭を強く打ち付ける。
 頭蓋が割れる音が轟き、その衝撃で巨体を保てなくなったデュランは元の姿に戻りつつ、地に激しく叩き落とされた。

「……あぁ」
 雷樹に打たれて地に落ちる相棒の鷹。
 その横に、仰向けで倒れた獣の侵略者は虚ろな眼で、自分の姿に似た巨人を見る。
「……そうか、あいつら。 七匹だったかぁ」
 憎悪に染まった獣とは思えぬほど、穏やかにそう呟いて。
 獣の侵略者、デュランはその目を閉じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『手に汗握る冒険には宴が付き物』

POW   :    出来上がった料理の配膳をお手伝いしたり大食い選手権を開催したり

SPD   :    空いたお皿のお片付けをしたり食事の取り分けてあげたり

WIZ   :    不思議な力で洗い物のお手伝いしたり料理を効率よく楽しむ最適解の研究したり

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――この仕事が終わったらぜひとも学生食堂へ立ち寄ってみてくれたまえ。
 グリモア猟兵が始めにそう言っていた通り、戦いを終えた猟兵たちは学生食堂へ足を運ぶ。
 その一角では確かに、一部の学生による“ちょっとした宴”が催されているようだった。
「えー、そんじゃ音頭取るぞー! 迷宮制覇達成、かんぱーいっ!」
「かんぱいみゃーっ!」
「にゃーっ!」
 緑色の鱗を持つドラゴニアンと、オレンジ色のケットシーがグラスを掲げている。
 ワンテンポ遅れて、黒い小さなケットシーがミルク瓶を大きく振っていた。
 その様子を静かに見ていた人間の青年が、ふと猟兵たちの気配に気付いて振り返る。
「……あぁ、転校生か。 迷宮帰りだろうか。 よかったら、成果を聞かせてくれないか」
「俺達も大成功だったんだぜっ! 今日は班長スヴェンの奢りだ、面白ェ話聞かせてくれたら奢ってくれるってよ!」
「……はは、モーガン。 まぁ、そういうことで、程々に頼むよ」
 青年は緑のドラゴニアンに肩を抱かれつつ、猟兵たちを別のテーブル席へ誘う。
 こうして猟兵たちは、宴を催す学生たちに混ざって食卓に着くこととなった。
 アルダワ魔法学園の学食レパートリーはかなり豊富だ、よほどレアな料理でない限り、注文すればテーブルに運ばれてくるだろう。
 料理の腕に覚えのあるものは、即席で拵えたキッチンで腕を振るってもいいとドラゴニアンは豪快に笑った。

 ところで、最後の戦いの場にあったたくさんの手紙。
 いくつか取り戻したという猟兵がもしいたなら、それを送り主に返すことが出来るかもしれない。
 成果を聞かせてほしい。
 その言葉に応じるように、猟兵たちはデュランのいたフロアに集められていた学生たちの手紙をテーブルの上に並べていく。
 そうすれば手紙を紛失した覚えのある学生たちがわっと集まり、猟兵たちに感謝の言葉を述べながら自分の手紙を探し出していく。
敷島・初瀬
「災厄はまだ終わってないであります」
料理の配膳を手伝いながら途中で抜け出し恐ろしい悪事を働くであります。

充実した学園生活を送るリア充達に黒歴史をプレゼントする為に、最後の戦いの場にあった手紙の中からラブレーターを大量に持ち帰り、学園の掲示板に中身を貼り付け公開処刑を実行するであります!

「リア充の悲鳴が心地よいであります」
他人に見られたくないポエムや告白を一般公開された者どもの悲鳴を聞きつつ捕まる前に学園から逃走するであります。

(アドリブ、お仕置き大歓迎です) 



 そんな活気に湧いた学生食堂を、こっそり抜け出す一人の猟兵がいた……初瀬である。
「災厄はまだ終わってないであります」
 しろやぎへ不幸の手紙を渡した時よりも悪い笑顔で、初瀬が持ち出したのはそんな手紙のごく一部。
 その封筒の色や形を見て取るにラブレターとおぼしきそれらを持って初瀬がやってきたのは、学園の掲示板前。
 彼女はぐふふふと、とんでもない悪事に身を染めようとしている……手紙の中身を開示し、他人にみられたくないポエムや告白を一般公開しようと目論んでいたのだ。
「リア充の悲鳴を想像するだけで心地よいでありますな……!」
「……」
「ではさっそくこの手紙から。 ……む、むむむ?」
 初瀬が最初に手をかけた封筒の封を切ろうとするが、封を留めるシールに爪が引っ掛からない。
 であれば刃物で切ろうとしても、なんなら銃で無理矢理穴を開けようとしても、その封筒には切り口や風穴ひとつも刻めないのだ。
「ど、どういうことでありますか?」
「……手紙に鍵かけてますから」
「な、何奴?!」
「通りすがりの学生ですがなにか」
 初瀬が振り返った先にいたのは、いかにも眠たいですといった風の男子学生。
 初瀬が持っていた手紙をひょいと取り上げると、あれほど開かなかった封をあっさり解いてしまった。
「え、今のどうやって開けたでありますか」
「どうもなにも、これの差出人は僕ですし。 見つけてくれてありがとうございます……それに免じて、無許可で開けようとしていたことには目を瞑りますね」
 その学生が言うには、こうした手紙の盗難が発生しても、その中身を見られたくない学生はこうして封筒に鍵をかけておくものだと説明してくれた。
 ただこの鍵の魔法、学園内ならばその役割を果たすものの、迷宮内では機能しないらしく、もし迷宮内で他の学生の目に留まっていたら……と心配はしていたそうだ。
「つ、つまりこの手紙、迷宮で封を切っておく必要があったということでありますかぁ?!」
「……この封筒みんな、掲示板に張り出すなら手伝うけど」
「い、いや、自分はこれから迷宮に用が」
「手伝うけど? それともミスタ・ソルベルグ呼んできたほうがいい?」
 学生の有無を言わせぬ威圧に、初瀬は圧され始めていた。
 そもそも学園の掲示板といえば、ありとあらゆる学生の目につくもの……そのような場で悪事を働くならば、もう少しやり方を考えるべきだった。
「みんなもきっと貴女には感謝するんじゃないかな、無くしたと思ってた手紙を見つけて、こうして持ち帰ってくれたんだから」
「は、ははは……」
 初瀬の悪巧みは失敗に終わったが、紛失した手紙を多く持ち帰ったこと、それは称賛されたという……眠そうな学生と一緒に掲示板へ封筒を張り付ける作業が始まった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
山ほどの手紙を抱えつつ
「初めましてアンド久しぶり!」
って感じに挨拶しながら宴に混ざらせて貰うぜ
持てるだけ持ち帰ったから、後で学園側で送り主に返して貰おう

ただ差出人不明でオレ宛の手紙が一通あるんだよな……
だがオレの野生の勘が告げている
「この手紙、お前のだろ?」
災魔マスクに乗っ取られてたのを助けた女子生徒が書いたのだと思うが、果たして……
まー当たってなくても一緒に飯食おうぜ!

オレは飯も食いつつ力持ちだから配膳も手伝うぜ
その合間に今回の冒険を語るぜ
「あいつはめちゃくちゃ強かった。でも、それ以上に仲間想いだったぜ」
オレもいつかデュランより強く、でも大事なモンを忘れない、そんなビッグな戦士になりたいぜ!



「初めましてアンド久しぶり!」
 テーブルにたくさんの手紙を広げながら、グァーネッツォは宴の席に合流する。
 初めまして勢であるドラゴニアンの学生と人間の学生はそれぞれモーガン、スヴェンと名乗りグァーネッツォを迎えた。
 久しぶり勢な二人のケットシーも同様に歓迎の意を示した。
 たくさんの手紙は学園側に預け、後に持ち主に返却してもらうとして、グァーネッツォはその中から自分宛の手紙を見つけていた。
「この手紙、お前のだろ?」
 グァーネッツォが手紙を見せた相手は、ビン底のように分厚い眼鏡を掛けた女学生だった。
 かつてサキュバスマスクという災魔にその身体を乗っ取られ、グァーネッツォらに救出された女学生はぺこぺこと頭を下げる。
「あっ……その、あの時はありがと、ござます! 私あのまま意識戻らなくて、起きた頃にはみなさん帰っちゃったって聞いて……その……」
 おどおどとしている女学生の前で手紙を開いて読んでみれば、助けてもらったことに対するお礼と、迷惑をかけてしまったことへの謝罪の言葉が並んでいた。
「ま、一緒に飯食おうぜ!」

 ビン底眼鏡の女学生と共に、グァーネッツォは料理の配膳を行いながら料理を摘まんでいく。
 豪快に肉を齧りながら語るのは、最後の部屋で対峙した獣の侵略者デュランのことだ。
「あいつはめちゃくちゃ強かった。 でも、それ以上に仲間想いだったぜ」
 迷宮に囚われ、その心が病み、戦う度に記憶を削ろうとも、仲間のしろやぎを思い続けたデュラン。
 そんな彼よりもいつから強く、けれど大事なモノを忘れない……そんなビッグな戦士になりたいとグァーネッツォは活発に笑い、願うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
さて、仕事終わった終わった。
飯にするかな、と。
俺はハンバーガーとフライドポテト、それとドリンクにオレンジジュースで。

…あ、あのケットシー兄弟。コラパン兄弟か。
そういや、あいつら宛の封筒を下層で拾っていたし、渡しておくか…。

『コラパン商店への注文書』
・回復薬 10個
・解毒薬 5個

これ手紙じゃなくて注文書じゃねーか!



「さて、仕事終わった終わった。 飯にするかな、と」
 ふぅ、と宴の席に付きながらブリッツは遠慮なくオーダーを取り始める。
 ハンバーガーにフライドポテト、ドリンクはオレンジジュースといったジャンクフードを揃え、追加のサイドメニューはどうするかとメニュー表を眺める。
 片手間に齧ったハンバーガーはバンズがしっかりとしていて、肉の部分は噛む度に肉汁溢れるボリューム満点の品だった。
 フライドポテトにケチャップやマスタードを付けて食べ始めた頃、隣でうまうまとナゲットを頬張るオレンジ色のケットシーに気がつく。
「(……確かコラパン兄弟の兄か)」
 そういや、コラパン兄弟宛の封筒を下層で拾ったので渡そうとした所、封が解かれていた文字列を見てブリッツは目を丸くする。

『※ 注文書 ※
 ・回復薬 10個
 ・解毒薬 5個
 現金引き換えのみで対応致します』

「これ手紙じゃなくて注文書じゃねーか!」
「なんみゃ? ご注文かみゃ?」
「あ、いやいや俺じゃねぇって」
「毎度ありがとーなのみゃ! えーと商品はこちらーと」
「だから俺の注文じゃねーっての!!」
 商魂溢れる兄猫とブリッツの、回復薬と注文書の押し付け合いが唐突に始まる。
 果たしてブリッツは回復薬の押し売りを免れたかどうか……その結末は彼と兄猫のみが知る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加

本当に手強い奴だったね・・・あれだけ苦戦した敵は初めてだ。敵ながら、あの戦いぶりには敬意を表したいね。

学食のパーティだから、母としては学生達に食事を上手く配膳してあげたいねぇ。食べ盛りが一杯いるからてんてこ舞いだ。ほら、慌てんじゃないよ。今取り分けてあげるからね。あの狼男も皆と仲良くしてるのが羨ましかったのかね。賑やかな宴に目を細めながら、狼男の最後を想うよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加

あら、皆さんご無事で良かったです。あの狼の大将は強かったです・・・その強さにはちょっと憧れちゃうかもです。

同世代の学生さん達とのお食事には心底わくわくします。隣、いいですか?はい、物凄い戦いました!!お互いお腹すきましたよね。一杯食べましょう!!あ、乾杯いいですか?

学生さん達と過ごしながら、あの狼の大将はかつて白やぎさんとこう過ごしたかったのかなあ・・とふと思ったり。


神城・瞬
【真宮家】で参加


おや、皆さんご無事で。・・・ええ、あの狼の武人は確かに強かったですよ。記憶を代償にしてまで武を奮う姿は確かに強者だった。でも、大切な人の記憶は大切にしたいですよね。(響と奏が楽しんでる姿に目を細めながら)

盛大な宴ですから、後片づけが大変でしょう。男手が必要でしょうから、手伝いましょう。その何気ない日常が護るべきもの。楽しく過ごすのがなによりです。彼の狼の武人が一番恐れていたのは、孤独だったのかな、と戦いでの彼の言葉を思い出します。



「……まだ痛みますか? 奏」
「もう大丈夫よ、ありがとう瞬兄さん」
 瞬の月光の癒しが、傷を負った奏の足を治療していく。
 学生たちの宴に合流した【真宮家】の人々もまた、互いの身を案じ労いながら食卓についていた。
 母、響は宴に参加している学生たちに料理を上手いこと配膳している。
 食べ盛りの子らが大勢いるものだから、あちらもこちらもと配り回っててんてこ舞いだ。
 奏は猟兵たちを宴に誘ったスヴェンという学生の隣に座り、自分達の冒険の成果を話し始める。
 瞬は活気のある学生たちの中で、その空気や食事、交流を楽しんでいる響と奏の姿にすっと目を細めていた。
 粗方の学生に配膳をし、もう一仕事終えたと響が奏と瞬のいるテーブルへと腰掛ける。
 真宮家に混じりテーブルに付いていたスヴェンが、そんな家族を労うように紅茶をカップに注いで三人に渡してくれた。
 穏やかな気分にさせる紅茶の香りに心を和ませつつ、響はそれにしても、と激しかった戦いを振り返る。
「本当に手強い奴だったね……あれだけ苦戦した敵は初めてだ。 敵ながら、あの戦いぶりには敬意を表したいね」
「あの狼の大将は強かったです……その強さにはちょっと憧れちゃうかもです」
 奏も母に同意して、紅茶の水面をじっと見つめる。
 その赤い色は、彼の着ていた中華服の赤を連想させるようだった。
「……手紙を奪っていたしろやぎの上司が狼の戦士、というのは少し驚いたな。 そんなに強かったのか」
「あの狼の武人は確かに強かったですよ。 記憶を代償にしてまで武を奮う姿は確かに猛者でした。 でも、大切な人の記憶は大切にしたいですよね」
 スヴェンの問いに答えた瞬は再び大切な人たる母と妹を見れば、二人はその視線に応えて頷いて見せる。
「あの狼男も、皆と仲良くしてるのが羨ましかったのかね……」
 賑やかな宴に目を細めながら、響はデュランの最後を思う。
 ――そうか、あいつら。 七匹だったかぁ。
 デュランが死の直前に呟いたあの言葉は、とても穏やかなものだった。
 ――それを、俺の仲間を殺した後に言うのか。
 戦いの最中にはあれほど強烈な憎悪を纏い、真宮家三人にも引けを取らぬ戦いを見せる者とは思えぬくらいに。
「あの狼の大将は、しろやぎさんとこう過ごしたかったのかなぁ……」
 お腹一杯にごはんを食べて、時には乾杯をして、と奏もそんなことを思い浮かべる。
 狼だから手紙は食べないだろうけど、もしかしたらしろやぎたちとこうした宴のようなことをしていたのかもしれないな、とふと思ったり。
 空になった皿を片付け始めながら、瞬もまたデュランの言葉を思い出していた。
「彼の狼の武人が一番恐れていたのは、孤独だったのかもしれませんね」
 けれど、この何気ない日常こそが護るべきものである以上、オブリビオンである彼等との戦いは避けられなかった。
 だからこそ、せめて真宮家の人々は、獣頭の侵略者と七匹のしろやぎを想い、その生き様に敬意を表した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

劉・碧
便箋をくれたロアー(f02956)に礼も兼ねて、食堂に集まる学生諸君や猟兵たちに菓子を振る舞おう

小豆餡にアーモンド、クルミ、カシューナッツ、マカデミアナッツ、ピーナッツを混ぜて焼き上げた五仁月餅だ
あんまり聞かないだろ、これ
UDCアース辺りで売られてると思うんだがね
そんなに数は無いから、お一人様一個限り、温かい茶と一緒に召し上がれ、ってな
口に合うと良いけどなァ

俺も温かい茶を頂こう
アルダワの方の肉料理やお勧めがあれば頂くか
あー…もし良ければレシピなんかくれたりしないかねェ
貰えるようなら感謝を忘れずに
また来る時にはもう少し色々作れるようになりたいモノだねェ



 即席で用意されたキッチンに立った碧は、出発前の便箋の礼をとグリモア猟兵、ロアーに声を掛けていた。
「便箋の礼? いやなに、あれは我の提案にそれが必要だったというだけのこと。 礼を言われるほどとは思えんのだが……まぁいいだろう! そこまで言うならば、ぜひともありがたみを感じてくれたまえ!」
 はっはっはー、と上機嫌に笑いだすケットシーや食堂に集う学生や猟兵たちへ、碧は菓子を振る舞うことにしたのだ。
 その菓子とは、小豆餡にアーモンド、クルミ、カシューナッツ、マカデミアナッツ、ピーナッツを混ぜて焼き上げた五仁月餅だ。
 あんまり聞かないだろう、というこの菓子は確かにアルダワ魔法学園の人々には馴染みない一品であろう。
 UDCアースで言うならば中国に伝わる伝統菓子の一つで、甘さ控えめながらも栄養価が高く、身体に優しい甘味である。
 そんなに数はないのでお一人様一個限り、温かなお茶と一緒に召し上がれと碧は皆に配っていく。
「んむんむ、木の実のこりっこり感が香ばしいなぁ~、お茶とも相性も良くて旨いっ」
 ありがとな、とロアーの礼を受けた碧も笑み返しながら、アルダワのステーキに舌鼓を打つ。
 ついで串焼きやバーガーなど、一通り進められた肉料理を平らげた後、碧はちら、とロアーに視線を寄越す。
「あー……もし良ければレシピなんかくれたりしないかねェ」
「レシピ? 料理のか? そだなー、食堂のおばちゃんに言えば喜んで寄越してくれると思うぞ。 特にそのバーガーは我のオススメだ!」
 そうかい、と碧は後ほどロアーの言う食堂のおばちゃんを訪ねてみることになるだろう。
 貰えるようならばその感謝を忘れずに、また来るときはもう少しいろいろ作れるようになりたいモノだと、碧はバーガーの最後の一かけらを飲み込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユリ・アップルヤード
「そんでラパン君や、手紙にあった開発は順調かい?」

全部終わったらやることは1つさ。
そう、メンテナンス。特にリアンは通常戦闘にしろ、デウスエクスマキナにしろ、メインになってるのもあって摩耗が激しいからね。
ここで済ませちゃおう。
だからご飯はおにぎりとかサンドイッチとか、もしくはハンバーガーみたいな、作業しながら食べれる物がいいなぁ。
あとはラパン君の試作品とかあるなら、それも見てみたいね。
ほら、人が作ったものって面白いじゃない?
設計思想はみんな違うからさ。
スペースワールドの銀河帝国製、アルダワの蒸気機械、サムライエンパイアのカラクリ。
まだ見ぬ技術や設計思想が、もっともっと私の機械を輝かせる。



 迷宮探索に戦闘、それを終えたらユリのやることは決まっている。
 それはアップルガレージの機械たちのメンテナンスである……特に機械巨人のリアンは通常戦闘、デウスエクスマキナにおいてメインで稼働するので摩擦が激しいのだ。
 加えて今回はデュランの攻撃により、偵察ロボットのコロマルと万能型ドローンのルーは、それぞれ切り傷と銃痕を受けている……これのリペアも行わなければならない。
 だからご飯は片手間に食べれるものがいいなと思っていると、やはり現れたラパンがつやっつやとした表情でトレーを運んできた。
「ユリおねーさーん、ハンバーガー食べるみゃー?」
「おー、ありがとラパン君! ありがたく頂くよ。 あ、そんでラパン君や」
「みゃ?」
 一旦工具を置いてハンバーガーを受け取ったユリは、懐から拾った手紙を取り出してラパンに見せる。
 それを見たラパンはびっくりとした後、ちょっと恥ずかしげに照れ照れと耳を伏せる。
「やー、てっきりヤギに食べられたと思ってたみゃ。 無事だったのみゃねー」
「うん、お手紙ありがとう。 開発は順調かい?」
「んー、ウハウハってほどじゃみゃいけど試作品はいくつかあるみゃ。 例えば……」
 人が作ったものは面白い、設計思想がみんな違ってそこから個性や拘りが見えてくるものだ。
 猟兵であるユリはさらに数多の世界を跨ぎ、その世界特有のまだ見ぬ技術や設計思想が、もっともっとユリの、アップルガレージの機械を輝かせると確信している。
 ユリはラパンが披露する“雹を撃ち出す地雷ガジェット”や、“薬液を散布し仲間をサポートするドローン”の説明に耳を傾けては、時おり意見交換をしながらメンテナンスを進めていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロア・ネコンティ
【目的】ロアーさんと喋りたい

・ボス撃破後
あの狼は心を取り戻したんですね、最期に。
……。感傷に浸ってる場合じゃない。残された手紙も心がこもっているもの。持てるだけ持って、帰ります。

・宴では
勇気を出してロアーさんに話しかけてみます。
まず、お疲れ様でしたとお伝えします。自分の名前がロアで、名前が似てるから変に緊張して、話しかけられなかった事を素直に言います。あとは、ソースのかかったローストビーフが美味しいのでオススメしておきます。猫だと駄目な食べ物も、ケットシーは食べられるからお得ですよね。

・手紙
返せるものは可能な限り返して、自分の手紙は……しまっておきます。ちゃんと心は伝えられたはずですから。



 学生たちへ回収した手紙を返していきながら、ロアはある人の姿を探している。
 それはロアの書いた手紙の宛先である、グリモア猟兵のロアーだ。
 碧のいるテーブルでバーガーを頬張っていたロアーへ、ロアは勇気を出して話しかけてみた。
「ロアーさん、お疲れさまでした」
「む、やあやあロア、そちらこそお疲れさまだ! ……どうしたのだ、そんなかしこまったようにして」
「いえ、その……」
 ロアは、自分の名前がロアで、ロアーの名前と似ているため、変に緊張してしまって話しかけられなかったことを素直に告白した。
 それを聞いたロアーはふむぅ? と首を傾げてからしばらくして、こくこくと頷いて見せる。
「まぁ、あれだけ多くの人々がいるのだ、名が似ることはあるだろうし、緊張まではしなくとも良いと思うぞ! それになぁ」
「それに?」
「我の思い違いでなければ、貴殿のほうが我より年上だぞ? だもんで、次からはもっと気安く話しかけてくれていいと思うのだ」
 我がこんなしゃべり方だから、変に誤解させてしまったか? とロアーは首をまた傾げる。
「ははは……あ、ロアーさん、このソースのかかったローストビーフが僕のオススメなんですよ。 よかったら一緒にどうですか?」
「ほほう、そうなのかー。 ではロアのオススメ、我もありがたーくいただくぞぅ!」
 そうしてロアとロアーは、二人で学食メニューをぱくぱくと平らげていく。
 ロアの懐には手紙がしまわれたままだが、ちゃんと心を伝えることはできたので、しまったままにしておいた。 

大成功 🔵​🔵​🔵​

アガト・シレスティアル
学食の代金代わりに皿洗いするにゃ
シャーくんに洗い物をパクっとしてもらって、洗浄機能でピカピカのツルツルにゃ!
「しゃごしゃご」(ハムスターみたいに頬袋が膨らんでいる)
武勇伝は……話しにくいから洗い物を頑張るにゃ

洗い終わったらご飯の時間にゃ
ツナハンバーグやスイーツを探すにゃ!
後、奢ってもらう代わりに学生さんをシャーくんランドへご案内してあげるにゃ!乗り物いっぱいだし、フードコートはシャーくんが食べた料理とかいろいろあって楽しいにゃ
だからスイーツを分けて欲しいにゃ

あとあと、ロアー団長が忙しくなかったら
にゃーは頑張ったから、いっぱい褒めて欲しいにゃ
もふもふぎゅーぎゅーなでなでして欲しいにゃ

アドリブ歓迎



 じゃぶじゃぶ、と即席で拵えたキッチンにて洗い物に専念しているのはアガトだ。
 万能機械黒剣シャーくんが洗い物をパクっと口の中に入れると、搭載されている洗浄機能で汚れた皿もコップもピッカピカのツルツルに洗い上げていく。
「しゃごしゃご、しゃっはーん!」
 一つ洗えばもう一つ、と全自動で洗い物をこなすシャーくんの横で、アガト自身もじゃぶじゃぶ泡立つスポンジを手に食器を磨いている。
 あらかたの洗い物を終えたところで、アガトもまたご飯の時間と食卓へやってくる。
 先に食事を終えたらしい学生に声を掛けると、その手にはまたもやシャーくん。
「学生のみなさんをシャーくんランドへご案内しますにゃ! ご飯の奢りのお礼なのにゃ!」
「しゃっしゃーん!」
 掲げられたシャーくんを見ては、きょとんとする学生たち。
 少しの間を置いて、班長のスヴェンが首を捻りながらアガトへ尋ねる。
「…………そのシャーくんの中に、ランドがあるってことか?」
「その通りにゃ!」
 かくして、娯楽と治療の効果溢れるシャーくんランドにご招待された学生たち。
 その中は学生食堂並みかそれ以上のフードコートに、遊戯施設もあるというテーマパークのような空間だったという。
 がらん、となった食堂内で、目をぱちくりとさせるロアーの横についたアガトは、ツナハンバーグを満足げに頬張っていく。
「……いやぁ、シャーくんか? なんか至れり尽くせりって感じですごいなぁ」
「しゃっはーん!」
 ぽむ、とロアーがシャーくんを撫でると、自慢げに機械の身体を反り返らせる。
 その様を見ていたアガトもまた、ロアーの身にずいっと己の身を寄せる。
「にゃーも頑張ったから、いっぱい褒めて欲しいにゃ!」
「うむ、アガトもよく頑張ってくれたなぁ、偉いぞぅ!」
 ぶっちゃけアガトも我より年上なんだがなぁ、と呟きつつも、ロアーはアガトをもふもふぎゅーっと撫でまくってその身を労い、戦果を讃える。

 こうして猟兵たちと学生たちの有意義な時は過ぎ行き、宴はやがてお開きとなる。
 この楽しい一時がまた、彼らの明日を切り開くにおいて、かけがえのない力となることだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月12日
宿敵 『獣の侵略者『デュラン』』 を撃破!


挿絵イラスト