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迷宮災厄戦⑱-11〜女の武器、それは

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #オブリビオン・フォーミュラ #オウガ・オリジン

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「猟書家どもめ……わたしをここまでコケにして、ただで済むと思うなよ……!」
 何度怒っても飽き足らないとばかりに、猟書家への恨み言を吐き続けるオウガ・オリジン。
「だが、猟兵どもに無様にやられたのはいい気味だ。おかげでわたしの力も多少なりと帰ってきた」
 オウガ・オリジンが嘲るようにそう言うと、突如彼女の周りに白い煙……蒸気が漂い始める。
「元々この力はわたしのものだ。どう使おうがわたしの自由だろう。復讐の機会を与えてやる。泣いて喜べ、化け乳女!」
 蒸気が濃くなり、一瞬にしてオウガ・オリジンの姿を包み込んだ。そしてそれが晴れた時、そこにいたのは。
「父様……あなたの娘が無念を晴らします。この書にて蒸気獣を放ち、災魔を産みアルダワを満たしましょう。それを思うだけで乳房の下の口が震えます……父様……ああ父様……!」


「皆、集まってくれてありがとう。今日も迷宮災厄戦の依頼をするわ」
 子豚・オーロラ(豚房流剣士・f02440)が集まった猟兵たちに声をかける。既に猟兵たちも慣れたもの。今日は如何なる依頼かと問うような眼でオーロラを見ている。その視線を受けオーロラが口にするのは、意外な名であった。
「今回戦ってもらうのは、レディ・ハンプティよ」
 それは他の猟書家に先んじサー・ジャバウォックと共に現れ、そして倒されたはずの女の名。
「ええ、もちろん厳密には本物じゃない。オウガ・オリジンが変身した姿よ。ただしこれは並の変身じゃない。現実改編の力と無限の想像力を用いた、本物の複製……あるいは再生と言ってもいいくらいのものよ」
 それ故彼女をレディ・ハンプティと呼んだ。今の彼女はオウガ・オリジンではなく完全にレディ・ハンプティなのだから。
「だから、敵がやってくることも本物と全く同じ。乳房の下の口での噛みつきに、武装楽団形態への変身、災魔を乗せた魔導列車の召喚。これを本物と寸分たがわず、全く同じレベルで放ってくるわ」
 これは最早模倣のレベルではない。何しろ『本人』が放ってくるのだから。
「最も、逆に考えれば既に復活できなくなくるらいに倒した相手の技を、性懲りもなくそのまま使ってくるだけ、とも言えるわ。オリジナルと比べて劣化はないけど、進歩もない。ほんの一戦、レディ・ハンプティとの戦いが増えただけ……そう考えれば気も楽なんじゃないかしら」
 そう、猟兵たちにとって彼女はたった数日で両手両足の指でも足りないほど倒した相手。手の内の分かり切った敵など恐れるに足るまい。
「さあ、負け越した相手に化けたお馬鹿な子改め諦めの悪いファザコンおっぱいを、もう一度骸の海に叩き込んできてちょうだい」
 あえて軽い口調で言い、オーロラは猟兵を送り出すのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。またの名をオウガ・オリジン式豊胸術。
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する』

 ボスクラス共通の先制攻撃を彼女も放ってきますので、これに対処することでプレイングボーナスとなります。知恵と力を駆使して是非切り返してください。
 注意点としまして、彼女はオウガ・オリジンの変じた姿ではありますが、外見、口調、思考、バストサイズその他全てがレディ・ハンプティです。シナリオ中は彼女を完全にレディ・ハンプティとして扱いますし、地の文でも基本的に彼女をそう呼びます(撃破後の戦力だけはオウガ・オリジンのものが減ります)。
 オウガ・オリジン向けの精神攻撃や対抗策は一切効果がないと思ってください。逆に言えばレディ・ハンプティ向けの対策は(的を射ていれば)全て効果があるということです。
 本物に準じてこの依頼も『やや難』となりますので、先制攻撃後の戦闘も抜かりなく行ってください。
 それでは、娘になった少女を凹ませるプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『『オウガ・オリジン』レディ・ハンプティ』

POW   :    乳房の下の口で喰らう
【乳房の下の口での噛みつきと丸呑み】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    アンティーカ・フォーマル
【肩の蒸気機関から吹き出す蒸気を纏う】事で【武装楽団形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    侵略蔵書「蒸気獣の悦び」
【黄金色の蒸気機関】で武装した【災魔】の幽霊をレベル×5体乗せた【魔導列車】を召喚する。

イラスト:きゃら

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鈴木・志乃
さて苦戦覚悟で行きますか……。もっと柔軟に戦術立てる力が欲しいよ、まったく!
アド連歓迎。

丸のみ、されようじゃありませんの。甘んじてさ。
可能な限りの早業でUC発動、もしくは高速詠唱のオーラ防御でダメージ軽減。どっちか早い、もしくは有効そうな方でいいや。
身体の中に入ってからが本番だからね。

破壊工作用の爆弾を早業で大量設置。それが厳しそうなら高速詠唱でレディの体内に時限爆弾を生み出す。UCで光と化した状態で全力魔法のなぎ払い攻撃と同時に起爆。全部ぶっ飛べ、内側から。

何度も通じる手じゃないので、終わったら作戦の成功否成功に関わらず即撤退。さァ吉と出るか凶と出るか。こんな自爆覚悟作戦二度とやりたくない!



 蒸気に覆われた大都会。そこに佇む豊かな胸を持つ女。その名はレディ・ハンプティ。例えほんの数刻前まで違う姿と名であり、それが変身した姿であったとしても、彼女は間違いなくレディ・ハンプティであった。
 そして彼女の前に立つ一人の猟兵。
「さて苦戦覚悟で行きますか……もっと柔軟に戦術立てる力が欲しいよ、まったく!」
 愚痴のようにそう言いながらも、その目は闘志に満ちていた。その目に見据えられたレディ・ハンプティは、ゆったりと優雅な所作で志乃へと近づいていく。
「ああ、父様、猟兵が来ました。あなたを倒した憎い憎い猟兵が。見ているだけで震えます。胸が、乳房が……乳房の下の口が!」
 レディ・ハンプティが豊満な胸を文字通りに震わせると、その乳房が横に避け、牙だらけの巨大な口へと変じた。彼女はその口を開け、一転凄まじい勢いで志乃に噛みかかる。
 その噛みつきを、志乃は自ら受け入れた。それどころか身を傾けて頭を口の方へ突き出し、体はオーラを固めて牙が刺さらず奥へ滑り込めるような幕にして、進んで丸のみとなったのだ。
 ドレスも含め豊かな体をしたレディ・ハンプティだが、志乃も女性としてはそこまで小柄というわけでもない。その体がするりと、レディ・ハンプティの体の中へと納まった。
「あら、これはなんと……これでまず一人、ですわ」
 まるでそこに笑みをたたえるように、得意げに乳房を揺らすレディ・ハンプティ。早々に敵を一人仕留めたと、本物の口の方も笑みを浮かべていた。
 一方、飲み込まれた志乃の方は。
「身体の中に入ってからが本番だからね。でもやっぱきついし痛いし、人がやる事じゃないねこれ……まぁ私ヒトじゃありませんし」
 体内で身をよじり、【光球】を発動させる志乃。志乃の体はその技の名の通りの光となり、狭く苦しい口の中でも体の自由を得た。そのまま体内を動き回り、文字通りの光の速さで爆発物を設置する。
 強い光が体の中を動き回ることで、乳房の口を外側から閉じる牙の間からも僅かに光が漏れていた。レディ・ハンプティはそれに気づき、まず外側から乳房の牙を撫でる。
「まさかあの猟兵、まだ……出てきなさい!」
 口をがばっと開け、中のものを吐き出そうとするレディ・ハンプティ。だがその程度で出てくるほど甘い話ではないことは分かっている。その為無理矢理にでも引きずりだそうと、口の中に自らの手を突っ込んだ。
 しかし、その手は志乃を掴めない。当然である。今志乃は『光』なのだ。光を手でつかめるわけがない。その代わり彼女の手に振れたのは、小さなプラスチック製の遺物。
「私の体に何を……? おのれ!」
 何かは分からないが、危険なものであるのは間違いない。引きはがそうとそれを掴むレディ・ハンプティ。だがそれを彼女の体内で見た志乃は、今が潮時と最後の仕上げにかかる。
「結局ここでやるしかないわけだ! もういいよ、吹っ飛べ!」
 全力で魔力を爆弾に叩きつけ、一斉に爆発させた。体内で強烈な爆発が起こり、レディ・ハンプティ。は全身を膨らませるように大の字に跳ね回る。唯一の出口である乳房の下の口からは、爆炎がまるで火炎放射のように巻きあがっていた。
 その炎に捲かれながら、強烈すぎる衝撃にユーベルコードが解け生身となった志乃が口から飛び出してくる。地面に叩きつけられた志乃はそのままごろごろと転がって体についた火を消すと、レディ・ハンプティの方を見ることもなくその場から這いずって離れてはじめた。
「即撤収、何度も通じる手じゃないだろこんなの! てかこんな自爆覚悟作戦二度とやりたくない!」
 あまりにも捨て身過ぎる作戦に、敵の安否を確かめる間もなく撤収にかかる志乃。その後方では、レディ・ハンプティが乳房から黒煙を上げて倒れ込んでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【高岩・凛(f17279)と連携】

こりゃまた怖いもんだねぇ。
アリスなのにレディとか、笑おうにも笑えねぇや。
まあいい、この場はアタシだけじゃない。
いいかい凛さん、振り落とされるんじゃねぇぞ?

カブの後ろに凛さんを『騎乗』させ、
二人乗りの状態で『操縦』しながら、まずはヒットアンドアウェイを挑むよ。
牽制の様に『マヒ攻撃』込みのサイキックの電撃を放ち、
『挑発』しつつ隙を伺う。
痺れを切らせて下の口を大きく開けたなら、
誘いに乗ってやろうじゃないのさ!
そのままその口の中へ突っ込むよ!
二人と一台が飲み込まれたところでサイキックの『衝撃波』を炸裂させ、
ゼロ距離の【サイキック・ブレイカー】で背中をぶち破って脱出だ!


高岩・凛
【数宮・多喜(f03004)と共闘】【アドリブ改変大歓迎】
どれ運転頼むぞ多喜……安全運転でよろしくな?デカくなるから落とされそうだし。
と冗談を吐きながら「ケテルドライバー」でケテル(ICの姿)になりカブの後ろに『騎乗』し体の棘を槍に変えて『怪力』で投擲し牽制する。
多喜の【サイキック・ブレイカー】で突っ込んだタイミングで棘を突き刺し【at let down】で体内に残した棘を増殖させ内側から『串刺し』にする。オマケだ、そのデケえ口でたっぷり食ってろ!



 アルダワを彷彿とさせる蒸気まみれの世界。その世界に、蒸気とはまた違う動力で動く機械がうなりを上げていた。
「こりゃまた怖いもんだねぇ。アリスなのにレディとか、笑おうにも笑えねぇや」
 それに搭乗するのは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)。愛車の宇宙カブ『宇宙カブJD-1725』に跨り、彼女はレディ・ハンプティと向かい合っていた。
 そしてそのカブに搭乗するのはもう一人。
「まあいい、この場はアタシだけじゃない。いいかい凛さん、振り落とされるんじゃねぇぞ?」
「どれ運転頼むぞ多喜……安全運転でよろしくな? デカくなるから落とされそうだし」
 意気揚々とエンジンをふかす多喜に、高岩・凛(傷だらけの鎧・f17279)は丁寧な運転を促す。
 もちろんこれは冗談だ。何しろこれから二人が向かう先は危険も危険、捕まれば食いちぎられる超危険物が待ち受ける場所。安全なんて言葉はどこにもない。むしろ最大スピードで一瞬でも早く目的を果たして離れるのが一番の安全運転だというくらいの場所だ。
 一際大きくエンジンを鳴らし、その危険地帯へ向けて宇宙カブが突っ込んだ。
 場所はレディ・ハンプティの胸元。彼女の最大の武器、乳房の下の口がある場所だ。
 敵の射程は30cm。その場所に入るまでは多喜が細かな電流を牽制するように打ち、凛は来るべき時に備え『ケテルドライバー』を操作し『ケテル』の姿へ変じていく。そしてもうすぐ射程内と言った瞬間に切り返しをかけ、そのまま離脱しようとする。だが。
「噛めないものは遠慮願いたいですが……私の口は悪食ですのよ」
 まだ距離の余裕があると思ったところで、レディ・ハンプティが地を蹴った。動きにくそうなドレス姿であるにもかかわらず、そのスピードはバイクに追いつくほど速い。一見噛みつき以外の肉弾戦は不得手に見える彼女だが、そもそもの地力が圧倒的に高いのだ。それ故の強豪扱いであり、先制攻撃だ。
 とはいえ二人とてそれを考えていなかったわけではない。
「やばいな……ちっと予定より早いが、準備はいいか、凛さん!」
「おう、まっすぐ行け! 高速代は払うよ!」
 二人の短い会話と共に、再び急速旋回しレディ・ハンプティへと向き直るカブ。そして多喜はそのままスロットルを全開にし、さらにはそこにユーベルコードの力も乗せる。
「誘いに乗ってやろうじゃないのさ! ルートが見えた……! 食らいなっ、サイキック・ブレイカー!」
 突っ込んでくるレディ・ハンプティの大口に、【サイキック・ブレイカー】のエナジーを叩き込む。その力を何でもないもののようにレディ・ハンプティは飲み込むが、ダメージはなかろうと当たりは当たりだ。それを導線にするかのように、バイクは一気に加速した。
「腹いっぱい食わせてやるよッ!」
 そして直撃の瞬間、多喜は身を屈め、【at let down】で棘を全身に生やした凛が、自らを先に食わせるかの如く身を乗り出した。
「遠慮なく、いただきますわっ!」
 二人と一台、それすらも飲み込むほどに乳房の口が大きく開かれる。そして上下に閉じ、乳房に生えた牙が多喜に、そして凛に容赦なく突き刺さった。
「オマケだ、そのデケえ口でたっぷり食ってろ!」
 その大きなダメージに耐えながらも、ケテルと化した凛はお返しとばかりに自身の棘を口内へと突き刺した。その棘はケテル細胞でできた刺さったものの体組織を喰らう棘。食らわれながら食らう、まさに捨て身の特攻であった。
 皮肉にもレディ・ハンプティの強烈な咬合力が仇となり、棘はより深くレディ・ハンプティの口へ突き刺さる。
「うおらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 そして絶叫と共に多喜がバイクの出力を上げる。【サイキック・ブレイカー】の最後の一押し。強烈な勢いでバイクはレディ・ハンプティの背中を膨らませる程に彼女にぶち当たり、そのまま後方へと飛び出した。
 レディ・ハンプティはとっさに体を大きくのけ反らせ背中に穴をあけられることこそ防いだが、そのまま仰向けに倒れ込み立ち上がる様子はない。その様子を見ながら、全身傷だらけの二人は勢いのままに戦場から走り去った。
 途中でに凛が体から自身のものではない棘を抜き、投げ捨てる。白く、ドレスのフリルにも見えるようなその鋭い牙は、主をなくし所在無く地面に転がるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

初志・貫鉄
即興共闘歓迎
POW

なんとも言えねぇなぁ、奪われたものを取り戻したから使うのは勝手だが、勝手に気持ちまで代弁されちゃぁ溜まったもんじゃねぇよな?

力を溜め、野生の勘を働かせ相手の攻撃を見切り、覇気の残像に攻撃させる
此方からのすれ違いざまの攻撃は、当てる事を目的に軽く速さ重視の拳撃に
乳房を殴ると同時にUCを発動、乳房下の口を開けづらいように、覇気の羂索(けんさく)で縛り上げます

後は、UC維持のため距離をあけ過ぎないように近距離を保ちグラップルで戦闘継続、限界突破した覇気で厚みましたオーラ防御と残像で戦闘をできるだけ優位に進める
ダメージに関しては激痛耐性で耐え、殴り勝ちに行きます



「なんとも言えねぇなぁ、奪われたものを取り戻したから使うのは勝手だが、勝手に気持ちまで代弁されちゃぁ溜まったもんじゃねぇよな?」
 オウガ・オリジンが変じたレディ・ハンプティを前に、初志・貫鉄(拳食合一の功徳奉士・f26667)はそう呟く。現実改編による寸分たがわぬ姿とはいえ、その大元はオウガ・オリジン。例えそれが本物と全く同じ思考からのものであろうとも、本人が言っているわけではないということには変わらない。
「何をおっしゃられているのでしょう。アルダワにて私は父様の災魔を蒸気獣とし、それで起こる大事故によって災魔を産める身となる。父様の無念を私が晴らすのです。これは紛れもない私の意思、悲願!」
 声高にそう主張するレディ・ハンプティ。彼女は自身がオウガ・オリジンであったことなど最早忘れ、己こそ唯一無二のレディ・ハンプティだという当然の『事実』に基づいて己の目的を改めて宣言する。
 そして彼女は右手を高々と掲げた。その手にあるのは牙の生えた卵が表紙に描かれた本、【侵略蔵書「蒸気獣の悦び」】。
「父様、あなたを思いしたためました……照覧あれ!」
 レディ・ハンプティの声と共に、空中に蒸気列車が現れた。そこには黄金の蒸気機関を体のあちこちに接続した、アルダワ魔法学園のオブリビオン……災魔たちが無数に詰め込まれている。災魔たちは列車が地に着くと同時に車輛から溢れ出し、一斉に貫鉄へと群がった。
 その攻勢に、貫鉄は完全に虚を突かれ無防備なまま包囲を許してしまった。彼はレディ・ハンプティの乳房に注目し、その挙動を見切ることにに全神経と勘を動員していた。勿論変な意味ではない。敵の最大の特徴にして武器、そこへの対策を万全に取るのは強敵を相手取る上で当り前の準備であった。もちろんそのための技も用意していた。だが。
「アルダワの魔法ともアリスラビリンスの不思議とも違う神秘の力……父様もその力に追い込まれたのでしょうか。ああ、何と憎らしい」
 その技は、覇気という目に見えぬ力で敵を縛り上げるもの。オブリビオンはほとんどの場合猟兵の用いる力と同質の力で反撃を試みる。強豪の先制攻撃も然り。結果として全く警戒していなかった技を喰らい、貫鉄は敵の先制をまともに受けてしまうことになったのだ。
 だが、これで諦めて無抵抗にやられる男ではない。策は立てていたのだ、ぶつける相手が多少変わるだけ。
「悪意悪心、御身に満る間、不動明王尊の法具象り緊縛仕る」
 貫鉄は【不動明王尊羂索縛】を目の前の災魔に叩き込んだ。覇気の羂索が災魔に突き刺さり、その体を戒めた。そこから続く浄化の縛り上げで、武装しているとはいえ一体ずつはさしたる力を持たない災魔はすぐに消滅する。だがその間にも、他の災魔たちは容赦なく攻撃を貫鉄に加え続けた。
「千客万来……ピークタイムを捌けてこそ料理人ってもんだぜ!」
 受けるダメージの中、残像すら見える動きで次々と災魔を消滅させていく貫鉄。そしてその決死の攻勢が、災魔の包囲の中にとうとう小さな穴をあけた。
「物を噛むときは……口は閉じとくもんだぜ!」
 その穴を貫いて伸ばされた羂索が、レディ・ハンプティの乳房へと届いた。それは豊満な乳房を縛り上げたわませる。それはつまり、ここまでの二戦で傷ついていた口内と牙を力尽くでひん曲げるということでもあった。
「ぐぅぅぅっ……!」
 今度は自身が意識の外からの攻勢を受け、激痛に喘ぐレディ・ハンプティ。
 羂索からの伝わる手ごたえで敵にダメージが入ったことを確信した貫鉄は、次は撤退のため災魔たちの囲みを破ろうと戦うのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
POW

私に宿る二人の魂の欠片が共鳴しているわ。
本当にオリジン様でありハンプティ様でもあるようね。
オリティ様……いや、ハンジン様?

守護霊の【ドーピング】で戦闘力を高めつつ爆乳化!
豚房流オブリビオンやオーロラとの戦いで得た【戦闘知識】と
【第六感】で先制攻撃を【見切り】
胸の先端から【呪詛・属性攻撃・全力魔法】
媚薬効果の体液を大量に飲ませて迎撃よ!

ふぁぁん♥
やっぱりこれ気持ちイイ♥

『欲望解放』で音速を超え
胸の口を開けないよう【怪力】で鷲掴み

現実は愛の前に歪む。
現実改変能力……試させていただきますね♥

胸の牙を【化術・ハッキング】で桜色の突起物に変え
しゃぶりつき、舌と指先で【慰め・生命力吸収】



次にレディ・ハンプティの前に立つのはドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。ドゥルールは目の前にいるレディ・ハンプティの姿を見ながら、己の胸の内に起こるさざ波に耳をそばだてていた。
「私に宿る二人の魂の欠片が共鳴しているわ。本当にオリジン様でありハンプティ様でもあるようね。オリティ様……いや、ハンジン様?」
 レディ・ハンプティ、オウガ・オリジンの双方と相まみえたことのあるドゥルール。その際吸収した彼女たちの一片が、何かを語るように彼女の中で揺らめいていた。
「あの我がまま娘と同じにされるなど心外ですね。私はレディ・ハンプティ。アウルム・アンティーカ父様の娘にしてアルダワの新たなフォーミュラとなる者」
 冷たくレディ・ハンプティが否定の言葉を放つ。今彼女の意識は猟書家の一人レディ・ハンプティであり、オウガ・オリジンとは敵対関係にある。それ故彼女と同じと称され名前まで混ぜられては、気分を害するのもある種当然と言えた。こんな彼女が既に本物は死んでおり、今の自分はオウガ・オリジンが半ば侮辱の為に変じた姿だと知ればどのような気持ちになるだろうか。
 だがそんな仮定をしても意味はない。レディ・ハンプティは目の前に現れた敵対者を屠り去るべく、豊かな乳房を横一文字に裂き、牙だらけの口という正体を露にして噛みかかった。
 それに対しドゥルールは守護霊をその身に宿す得意の戦法で迎え撃つ。その宿す場所は。
「ふんっ!」
 敵が攻撃に用いているのと同じ場所、すなわち乳房。元より大きかったドゥルールの乳房が、大口を開けたレディ・ハンプティのそれすらかくやというほどまで膨れ上がった。
「な……!?」
「乳房で戦うのは貴女だけではございませんよ?」
 今その身に宿している霊は複数世界に跨り存在する乳房の流派『豚房流』の使い手たち。さらには迷宮災厄戦の開始直前、猟兵内での使い手とも実戦訓練を積む機会があった。期せずして、乳房での戦いの予行練習は完璧に済まされていたのだ。
 さらドゥルールは乳房に水の属性魔法と媚毒の呪詛の力を込め、それを先端から放つ。的は向こうから文字通り大口を開けて迫ってきてくれているのだ、狙いをつけるまでもない。白き呪詛の体液が、レディ・ハンプティの乳房の下の口で飲み干されて行った。
「ふぁぁん♥ やっぱりこれ気持ちイイ♥」
「うぐっ……くっ……!」
 恍惚とするドゥルールに、レディ・ハンプティは強引に乳房の口を閉じて噛みついた。だが、その勢いは大幅に弱まり、致命打には程遠い。さらには弱いとはいえ牙を突き立てられた乳房も、傷つくことはなくその先端を押し返していた。
「ありのままの私を見せてあげる!」
 そのまま胸のみならず全身の服を脱ぎ捨て、【欲望解放】を解放するドゥルール。音速の動きで牙の間から自身の乳房を引き抜き、そのまま口を開けられないよう両手で乳房を上下から抑えつけた。
「くあぁぁぁぁぁっ!」
 内部を何度も痛めつけられた乳房を強引に閉じられ声を上げるレディ・ハンプティ。だがその声は、痛みに泣いているにしては余りに甲高い。
「現実は愛の前に歪む。現実改変能力……試させていただきますね♥」
 猟書家やオウガ・オリジンとの戦いで見た現実改編の力。ドゥルールはレディ・ハンプティの胸の上下をまるで成形するかのようにこね、白い牙の大部分を白肌に、そしてその一本だけを向きを前方に変え桜色の小さな突起に変じさせた。オウガ・オリジンや猟書家が使うものには遠く及ばぬ化術程度のものだとしても、相手の武器を弱点に変えられるなら使い道はある。
 ドゥルールはその桜色を口に含み、そこから相手の生命を吸い上げた。
「いや……何かが……出ていく……!」
 『口』であることと『乳房』であること、それを二度も逆手に取られ、レディ・ハンプティはその武器を『正しく』使わされるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘスティア・イクテュス
オウガ・オリジンめ、わたしをここまでコケにして、ただで済むと思うなよ……!
乳房の下の口が震える…?はっ!
あんなペッタンだったのにそんなに揺らして喧嘩売ってるのね?売ってるのね?買った!泣いて跪け化け乳女!

スモークミサイルによる『目潰し』で視界を防いで
機雷入りダミーバルーンを展開…』【爆撃・残像】
煙で視界が見えない中わたしと勘違いしてボン!っといくといいわ

ティターニアで『ダッシュ』で近づき…近接戦…
と見せかけ【フェイント】レッドキャップの対艦ミサイルを口内に射出!【爆撃】


貴方の敗因…それは乳のでかいそれになったことよ…



「オウガ・オリジンめ、わたしをここまでコケにして、ただで済むと思うなよ……!」
 何度怒っても飽き足らないとばかりに、オウガ・オリジンへの恨み言を吐き続けるヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)。
 変身前のオウガ・オリジンの真似事か。いや違う。オウガ・オリジンが猟書家に怒るのと同じように、彼女はオウガ・オリジンに対し怒っていたのだ。
「乳房の下の口が震える……? はっ!」
 その怒りの原因となっているのは、彼女が変じたレディ・ハンプティの姿……具体的に言えばその胸部。
「あんなペッタンだったのにそんなに揺らして喧嘩売ってるのね ? 売ってるのね?」
 実際の年齢はわからないが、外見上は幼い少女の姿をしたオウガ・オリジン。当然胸の大きさもそれ相応。だが彼女は現実改編の力を用いてまず最初に目が行く程度には巨大な胸をいともたやすく手に入れ、さらにそれを震わせ、人を挟み、これ見よがしに武器にさえしてしまっている。
「買った! 泣いて跪け化け乳女!」
 そのオウガ・オリジンの変じたレディ・ハンプティに、ヘスティアは怒りに震えて指を突き付けた。なお震えているのは怒りだけであり、ほかのものは一切震えていないことを付け加えておく。
「おっしゃられていることがよく分かりませんね。乳房が欲しいのなら、存分に味わわせて差し上げましょう」
 そう言ってレディ・ハンプティは乳房の下の口を開け、ヘスティアへと噛みかかった。
 その噛みつきを、ヘスティアはミサイルの連射で迎え撃つ。ただし撃つ方向は敵ではなく、四方八方、辺りを覆いつくすようにだ。
「なんと!?」
 スモークミサイルの煙幕が周囲を包み込み、ヘスティアの体を覆いつくした。煙の中レディ・ハンプティは一瞬敵を見失うが、煙が不自然にかき分けられるところを見つけると、そちらへ口を向ける。
「見つけた……噛み砕いてあげましょう!」
 その空間を食らうように、レディ・ハンプティが乳房の口を閉じる。そして次の瞬間、その場所から強烈な爆発が起きた。
「あがっ!?」
「どう? ダミーバルーンの味は……変身で作った偽乳にはお似合いよ!」
 煙に紛れて押し出された機雷入りダミーバルーンをまともに噛んでしまったレディ・ハンプティは、本日何度目かの煙を乳房から吹き上げる。さらに追撃とばかりにジェットパック『ティターニア』を装備したヘスティアが、高速でレディ・ハンプティへと詰め寄った。
「その程度の体……一飲みにしてくれましょう!」
 さらに乳房の口をあけてそれを飲み込まんとするレディ・ハンプティ。だがその牙が届く一瞬前でヘスティアはぴたりと止まり、代わりに別のものをその口へと見舞う。
「そのご自慢の化け乳でたっぷり味わいなさい、的がでかいからよく当たるわ!」
 レッドキャップのミサイルによる爆撃が、巨大な乳房の中に叩き込まれた。内側から牙を折られ、吹き飛ばされ、爆風で乳をこれ以上なく揺らしながら吹き飛んでいくレディ・ハンプティ。
 そのまま地面にたたきつけられ、今までも多くの猟兵に散々いたぶられていた乳房がついにもげた……と思う間もなく、大人びた黒いドレスがはがれ肉付きの良い四肢が細り、幼い体つきの少女……オウガ・オリジンへと戻った。
「貴方の敗因……それは乳のでかいそれになったことよ……」
 倒れる彼女の体……特に胸を見ながらヘスティアは最後の言葉をかける。すでに負けていた相手に化けて戦いを挑む愚策を指摘した……わけではないような気もするが、ともあれ相手の現実改編を打ち破ったのは間違いない。
「やはり、乳しか取り柄のない女など役に立たなかったか……おのれ……!」
 悔しそうに歯噛みしながら、姿の戻ったオウガ・オリジンもまたすぐに消滅した。
「こんどは本当の自分で勝負に来なさい」
 彼女の消えた場所に向かってそういって、その場を立ち去るヘスティア。そこにはもう、何も震えるものなど残されてはいなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月27日


挿絵イラスト