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善意を狩る悪意

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●正義を狩る者
 ランタンの明かりが灯り、時折笑い声が響く。ここはアックス&ウィザーズ町にある一軒の酒場。冒険者たちはここで朝依頼を受け、魔物を倒し、夜に帰ってきて自分の冒険を語り合う。そんな酒場の扉をあけ放って初老の男が駆け込んできた。
「た、大変なんだ。ま、魔物がでて…だ、誰でもいい!退治してくれぇ!できる限りの礼は尽くそう!」
 初老の男の情けない声に冒険者たちは振り返る。新たな冒険の幕開けに瞳を輝かせながら。

「なんだぁ?なにもないじゃねぇか!」
 酒場で初老の男の依頼を受けたのは年若い冒険者パーティの一団だった。彼らは依頼された通り、魔物が住処にしているという洞窟までやってきたのだが魔物の痕跡なんて何一つ見当たらない。
「変ね・・・ここで間違いはないはずなのだけど・・・」
 仲間の女性が依頼書と見比べるが、何度見ても地図は何もないこの場所を差している。
 そんな彼らをぎらついた目で見つめる群れがあった。なかなか上等な獲物だ。今すぐにその四肢をいたぶり悲鳴を聞きたい・・・悪行を快楽とする悪魔の一団が、困惑する冒険者たちに、死の足音を奏でながら近づいていた。

●シンプルな作戦
 グリモアベースの中を駆け回る一人の少年、キケ・トレグローサ(たった一人の流浪の楽団・f00665)は声をかけた猟兵を集る。
「えっと、アックス&ウィザーズの世界での事件を予知、したんだ。」
 そういいながら彼は自ら手製の資料を配り始める。
「アックス&ウィザーズの世界では冒険者が酒場で依頼を受けて解決するっていう文化があることは、知ってるよね。今回の事件はそんな依頼の中に紛れ込んでるんだ。これがその依頼書なんだ」
 そういってキケは配った資料を指さす。
『洞窟に住み着いた魔物を退治してほしい!森の中を歩いていたら動物の死体があって、血のあとを追ったら洞窟の中に住み着いた魔物を見つけたんだ・・・あんなのが居たら安心して生活できねぇ!頼む!報酬は可能な限り弾もう!』
 そんな内容の依頼書のようでその他に魔物が住み着いたという洞窟の位置や支給品が書き込まれていた。
「見てくれた?この依頼書がフェイクなんだ。そもそも、この場所にある洞窟っていうのは魔物が住処にできるほど広くない。本当に小さなものなんだ。これは、冒険者をおびき出すための罠。オブリビオンは冒険者を標的にして襲ってるんだ。そして、洞窟があるとされる場所に行った冒険者は黒幕の操る悪魔に攻撃されて・・・」
 キケが表情を曇らせる。それだけで洞窟に向かったという冒険者の末路は想像に容易かった。
「そこで、僕ら猟兵が冒険者としてこの依頼を受け、襲ってくる悪魔を撃退してしまおう。手下の悪魔が倒されたと知ったら黒幕も姿を現すはずだよ・・・黒幕からしたら、依頼が偽物だったって表沙汰になるのは絶対に避けたいはずだからね。」
 悪魔と黒幕に真正面から立ち向かい叩き潰す。シンプルでわかりやすい作戦だ。
「このままだと多くの冒険者が犠牲になっちゃう。冒険者はその町を守る役目もある。だから、冒険者が減っちゃうと町が他の魔物に襲われる危険も高まってしまう。放置して置いたら被害は冒険者だけにとどまらない、第二、第三の事件に発展するかもしれない。だから必ずここで止めたいんだ。みんな、どうか力を貸して」
 キケはペコリと頭を下げた後で、あっ。と声をだした。
「そういえば依頼先の街はこの時期、特産品の羊毛にちなんだお祭りがあるんだった。出店もあるし、事件が解決したらみんなで行ってみようよ。」
 ニコニコと語った後キケは愛用のリュートを取り出した。


Yggd
 Yggdと申します。アックス&ウィザーズの世界でおいしいチーズが食べたいです。
 冒険者を標的にしているオブリビオンが相手ですね。悪魔を使役して冒険者を奇襲し命を奪う。なんともいやらしい敵ですね。私はそういうキャラは嫌いじゃないですが。しかし!グリモア猟兵に予知されては奇襲もできますまい。真正面から悪魔どもを叩き潰して黒幕もろとも骸の海に返してしまいましょう。
 三章は日常パートになります。依頼から帰ったらお祭りも始まってるでしょうね。歌うもよし、踊るもよし、食い倒れるのもよし、羊毛にちなんだお祭りなのでそれらしい興行もあるかもしれませんね。自由にはっちゃけちゃってください。思い付きで出店なんか立てちゃっても?キケ君を絡めてくれれば彼は愛用のリュートで楽しい音楽を奏でてくれますよ。
 それでは皆様の力のこもったプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『レッサーデーモン』

POW   :    悪魔の三叉槍
【手にした三叉槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    金縛りの呪言
【手で複雑な印を結んで】から【呪いの言葉】を放ち、【相手を金縛り状態にさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    呪いの鎖
【投げつけた三叉槍】が命中した対象を爆破し、更に互いを【呪われた漆黒の鎖】で繋ぐ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

箒星・仄々
心情
冒険者さん達をお助けしたいです
町の皆さんに安全に過ごしていただきく為にも
命を蔑ろにするオブリビオンを倒しましょう

手段
Kリートを奏で歌い
今を生き未来へ進む者たちを称え
仲間を鼓舞しつつ
聖なる調べで敵の行動を鈍らせます
:歌唱&破魔&演奏&&鼓舞&祈り&優しさ&勇気&手をつなぐ

魔法で溶け込むように姿を隠した後
一気に残像分身
UCで攻撃力強化
紅・蒼・碧の各色のオーラに
刀身と全身が包まれた私&分身さん達が攻撃!
デーモンさんを各個撃破です
:迷彩&忍び足&残像&早業&先制攻撃&見切り&属性攻撃&串刺し

敵攻撃は迷彩&残像&早業&見切り&忍び足で回避
呪いの言葉は聖なる調べで妨害します
;歌唱&演奏&破魔


月島・彩希
【悪魔との戦い】
他の猟兵達と連携をして敵を倒す
スピードによる敵の撹乱を優先して味方を支援
【ダッシュ】と雷迅槍(UC)を用いて高速戦闘
雷の魔力で強化した身体能力と【怪力】を用いて槍で敵を【なぎ払い】
敵の攻撃には【残像】による【フェイント】を交ぜることで行動を読ませないようにして回避
回避後はすぐさま【カウンター】として攻撃を繰り出す
戦闘中、【戦闘知識】として敵の動きを把握し効率よく行動
敵が印を結んでいるのを確認したら呪いの言葉を放つ前に【野生の勘】で感じ取った最適のタイミングで、敵を【串刺し】にするべく持ち前の【怪力】で槍を【投擲】し、【槍投げ】で攻撃
油断はせずに1体1体確実に倒していこう


シル・ウィンディア
最近のオブリビオンは、いろいろ姑息な知恵をつけてきたんだね
まぁ、でも、わたし達に見つかったのが運の尽きっ!
それじゃ、張り切っていこうっ!

【ダッシュ】に【残像】【フェイント】を織り交ぜて、敵を機動力で撹乱していくね
隙を見せたら、光刃剣と精霊剣の二刀流で【二回攻撃】と【なぎ払い】を混ぜて、纏めて攻撃を行うよ

回避は、【空中戦】を利用して三次元機動を行い、【第六感】で感知して【見切り】で回避を重点的に行うよ
被弾しそうな時は【オーラ防御】に【武器受け】で防御して被害を軽減

敵が半径22m以内に収まるように立ち回ってから
【高速詠唱】と【全力魔法】での
ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラストで一網打尽だねっ!


デナイル・ヒステリカル
この件を放置して人が死ぬのを見過ごす理由も、悪魔をそのままにしておく理由もありません。
僕は僕の信念(プログラム)に従います。

投擲武器にユーベルコードが仕込まれているというのならば、撃ち落とすまでです。
僕はUC:バーチャルレギオンを使用して機械兵士の群れを召喚し、突撃と射撃を命じます。
自身とオブリビオンとの直線上に、常に数十機のレギオンを配置することにより、敵の攻撃が僕まで影響を与える事は無いでしょう。

彼らは矛であり壁です。
洞窟内のような移動に制限がかかる空間において、面制圧は強力な攻撃手段のはず。
絶え間ない攻撃で削り殺させてもらいます。



●狩る者は
 この日の森は静か、いや静か過ぎた。
「来タ・・・来タゾ・・・」
 唸り声のような言葉を発するのは身を潜めた数十体のレッサーデーモンたち。彼らは視線の先にいる今日の得物を見据えると静かにゆっくりと忍び寄り始める。
 レッサーデーモンの視線の先にいる一団は酒場で受けた依頼書通りに道を進み、やがて小さな洞窟の前までやってくる。悪魔たちの口が醜悪にゆがんだ。順調に事が進んでいることに笑ったのかもしれない。依頼を受けたのだろう一団は、悪魔たち主の予定通り洞窟に足を踏み入れる。今ダ!悪魔たちは洞窟という袋に入り込んだネズミを狩りに一目散に洞窟に駆けこんだ。獲物は悪魔の群れの登場に驚き、絶望し、甘美な悲鳴を上げて死んでいく。悪魔たちはそう信じて疑わなかった。
「最近のオブリビオンは、いろいろ姑息な知恵をつけてきたんだね」
 しかし、現実は違った。驚いたのは悪魔たちだ。なぜなら、獲物たちがまるで悪魔たちが入ってくるのを知っていたかのように待ち構えていたからだ。
「まぁ、でも、わたし達に見つかったのが運の尽きっ!
それじゃ、張り切っていこうっ!」
 悪魔たちを待ち構えていた青髪のエルフの少女、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)のやけに明るい一声で戦闘の火蓋は切られた。

●洞窟の攻防
 「町の皆さんに安全に過ごしていただく為にも命を蔑ろにするオブリビオンを倒しましょう」
 戦端を開いたのは帽子をかぶったケットシー、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)。彼は自らの懐中時計のボタン押し込む。すると、懐中電灯は展開し蒸気機関を内蔵する竪琴へと変形を果たす。カッツェンリートという仄々の武器の一つだ。仄々はカッツェンリートを奏で自身の歌声を悪魔たちにぶつける。今を生き、未来を歩むもの鼓舞する歌声は、悪行を生きがいとする悪魔たちにとっては不快なものでしかなく、
「・・・ダマレ!畜生メ!」
 悪魔の一人が激昂し仄々へと飛び掛かる。悪魔が手にした三叉槍が仄々へと迫る!
「・・・させると、思います?」
 悪魔の槍が仄々へと届くことはなかった。飛び上がった悪魔の胸に深々と刺さるのは雷を帯びた短槍。仄々の隣に立つ灰色の人狼、月島・彩希(灰色狼・f12810)が投擲したものだ。彩希は残像が残るほどの高速で短槍の刺さる悪魔に肉薄し。
「狼の牙から逃げられると思わないで……ッ!」
 槍を引き抜いて悪魔を蹴り飛ばした。
「よそ見してて、いいのかな!」
 仲間が貫かれ、突撃をためらった悪魔たちに別の影が迫る。光刃剣と精霊剣、二振りの剣を手にしたシルだ。悪魔に一太されど、悪魔たちとてやられっぱなしではいない。
「コノ・・・ッ!大人シク喰ワレロ!!」
 三叉槍でシルの一撃を受けた悪魔は、悪態をつきながら返す槍で反撃に出た。
「ッ!?イナイ!?」
「だから、こっちだって!」
 受けた槍支えにし、空中へと伸びあがり悪魔の視界から消えたシルが一閃。着地に合わせ更にもう一撃を悪魔に加える。
「コイツッ!オレノ槍ヲォ!」
 傷つきながらも吠える悪魔。我を失うほど怒り狂うそれに、背後から静かに落ちついた声がかかる。
「戦いでは、我を失ったほうが負けるのですよ?」
 背後に回った仄々が悪魔を細身の魔法剣カッツェンナーゲルを突き立てる。剣と仄々は紅・蒼・碧の三色のオーラにより魔法強化が施され悪魔の肉をやすやすと貫いた。
「・・・コ、コイツラ・・・散開シロ!連携ヲ奪イ!コロセ!」
「そう思い通りいくと思うなッ!」
 彩希が雷を纏い悪魔の群れへ突進する。シルが刃を閃かせ、仄々の突きが悪魔を貫く。悪魔たちも攻撃の手を止めさせようと三叉槍を振るい、呪いを放つ。猟兵の優勢で幕を開けた戦闘も、いつしか一進一退の状況へ。お互いに消耗が見え始める。
「さて、そろそろ頃合ですね。」
 悪魔たちの背後から声がかかると同時に銃弾の嵐が悪魔たちを襲った。

●信念プログラム
 銃弾により悪魔たちの陣形が崩れた隙をつきシル、仄々、彩希は悪魔たちの横をすり抜け洞窟を脱出する。
「皆さんお疲れ様でした。あとは僕に任せてください。」
 洞窟で三人に労いの言葉をかけるのはデナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)。癖のある茶色の髪のバーチャルキャラクターだ。
「人が死ぬのを見過ごす理由も、悪魔をそのままにしておく理由もありません。ここで倒れてもらいましょう」
 デナイルが洞窟に残った悪魔に告げると彼の周りに無数の機械兵器が現れる。兵器一つ一つには銃口が付いて、そのすべてが洞窟内に向けられている。
「フ・・・フセロ!」
 悪魔の一匹が叫ぶと同時に兵器全てから銃弾が発射される。回避が間に合わなかった悪魔の断末魔が洞窟の内部に響き渡る。
「チクショウ!キサマァ!」
 仲間を失った悪魔が飛び出し三叉槍をデナイルに向かって投擲する。しかし、銃弾の嵐が空中に飛び出した槍を打ち落とし、さらに体を曝した悪魔を穿つ。無数の機械兵器はデナイルの鉾であり、また盾となって悪魔たちを蹂躙していった。
「ふむ、このまま削り殺そうと思いましたが、どうもそうはいかないようで」
 洞窟の内部を観察していたデナイルは鼻上の眼鏡を抑え、独り言ちる。
「どうしたの?」
 シルがデナイルに尋ねる。
「悪魔の何体かが物陰や仲間の死体を盾にして生き延びているようでして・・・このまま撃ち続けてもいいのですが、時間がかかってしまいそうなんですよ。黒幕も、もう迫っていることでしょうし、手早く終わらせたいのですが・・・」
 デナイルが答えた通り。わずかな窪みや仲間の死体を積み上げて銃弾を避ける悪魔が弾丸の嵐が止むのをじっと待っていた。
「分かった。わたしに任せて!」
 シルはデナイルに言い、持ち場を入れ替わってもらうと、高速で魔力を練り上げていく。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ…。六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
 詠唱が完了するとシルの手から閃光がほとばしる。火・水・風・土・光・闇の複合属性の魔力砲が洞窟内部へを放たれる。色鮮やかな魔力の砲撃は洞窟内部を光で埋め尽くし内部にいた瀕死の悪魔たちは絶叫する間もなく、光に飲み込まれ跡形もなく消し飛ぶ。
「倒しましたね。デナイルさん。先ほどはどうもありがとうございました」
 仄々が洞窟の中を覗き込み、生き残りがいないことを確認した後デナイルに礼を述べる。
「僕が助力したのは、そうプログラムされているからですよ。僕はあくまで僕の信念(プログラム)に従ったまでです。」
 デナイルが仄々に、はにかみながら応対する。
「まって、まだ・・・来ます!」
 彩希が自身の背後、洞窟とは反対の方向に振り返りざまに短槍を放つ。
「ギャン!」
 短槍は接近してきた悪魔を貫く。
「残党、ですか。」
 仄々の呟きを肯定するように悪魔たちは吠えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

銅・加々美
ちょっと遅れてしまったけど、
まだ終わってなかったね。
それじゃ、残党の掃討を始めようか。

ダッシュで近付き、先制で攻撃するよ。
格闘を中心に、2回攻撃、鎧砕き、フェイントを組み合わせて攻撃を行うよ。
敵からの攻撃は、第六感、見切り、野性の勘、カウンターで回避優先。

間合いが開いたら、
幻想怪異百物語を使おうか。
さて、何の怪異が出てくるか?
おやおや、出てきたこれは青白い無数の手。
魂引き裂く亡者の話。
人を弄ぶ悪魔には、相応しいのかな?


サラ・ノアール
人族に仇なす悪魔はここに居るのね?
なら、私は容赦しないわ!

クサリメガミで増やした鎖で一網打尽にしてあげる。
「念動力」「衝撃波」で勢いを増して足を狙ったり槍を絡めとったりできたらメイスでボコボコよ。私のメイスは鎧だって砕くんだから!
洞窟内だし、ダッシュとかで走り回るのは厳しそうだから
「見切り」「カウンター」で最小の動きで躱して攻撃する感じで。
大量の鎖で網を作って動きを抑えておけばリンチの危険は無さそうだわ。

網の目から火の「属性攻撃」のファルシオンで貫くのも有りね。
残りを潰していくわよ!


ミアズマ・フォルテ
SPD重視で行動

獲物をおびき寄せるための罠の依頼か
冒険者のシステムを知っていてそれを利用する知恵を持っている
厄介な相手だ、気は抜けないな。

黒幕が控えているんだ、手っ取り早く終わらせよう。
多少のダメージは覚悟のうえで敵集団の真ん中に突っ込んで
「全力射撃」を発動、サポートAIに片っ端からロックオンさせて
アサルトウェポンで範囲攻撃、一網打尽にする。
仲間を盾にする知恵、もといずる賢さがあるらしいが関係ない
AIに弾道計算と予測表示をさせて跳弾で横から撃ち抜く。
直線的に弾を飛ばすだけが射撃じゃない、AIの手助けがあれば
こういった芸当も出来るのさ。



「人族に仇なす悪魔はここに居るのね?なら、私は容赦しないわ!」
 黒髪の中に混ざる一房赤い髪が特徴的なサラ・ノアール(明るく繋がれた鎖・f03336)が叫び声を上げる悪魔たちへ自身が装備する鎖を振りかざし突撃する。サラは鎖のヤドリガミだ。人間の一族が大事に使って愛情を注いだ鎖から産まれた経緯を持つ彼女は、人間を脅かす悪魔を討つべき敵と判断する。
「我が神の畏れ、とくと味わいなさい!」
 サラの力により彼女の象徴ともいえる鎖が先に結ばれた数々の武器とともに悪魔たちへ飛翔していく。
「黒幕が控えているんだ、手っ取り早く終わらせよう。」
 サラに続くようにして悪魔たちに迫るのはミアズマ・フォルテ(求める者・f00215)。金髪をなびかせ、碧眼で悪魔たちを視界に捉える。
「AIサポート起動、ロックオン、攻撃開始。」
 特殊な加工を施され、自動で詠唱のできる銃火器を構え、ミアズマは悪魔の群れの中心へ突き進み、照準もそこそこにトリガーを引く。
「ギャ!」
 雑なように見える狙いのミアズマの弾丸は、しかし、寸分違うことなく悪魔を打ち抜く。AIのサポートを受けた彼女にとって自力で必要なのはより多くの敵を視認し数の限り弾丸を放つだけ。視界に入れてさえすれば。AIが自動で敵を狙い打ち抜いてくれる。
「アノオンナ!適当ニ、撃ッテルワケジャネェ!」
 悪魔たちもミアズマの射撃を脅威に考えたのか木々や物陰、仲間の死体を盾に防御の体制をとる。
「無駄っ!」
 しかし、ミアズマは動じることはない。悪魔ではなく、周囲に生えた木や岩を射撃する。
「ガッ!コ、コイツ。反射サセタ!?」
「こういう芸当だってできるのさ。」
 AIのサポートがあれば跳弾すら意のままだ。ミアズマは顔色を変えずにトリガーを引く。
「チッ!アワセロ!」
 一体の悪魔が雄たけびを挙げ。仲間の死体を抱え盾にしてミアズマへ特攻をかける。慌てることなくミアズマはその悪魔を視界に入れるが。
(っ?指が・・・いえ・・・体が動かない!?)
 ミアズマの身体が動かなくなった間も悪魔は全速力で迫る。三叉槍が届く距離までに近づく。悪魔は死体を捨て三叉槍を振りかざす!
「人間族に手出しはさせないよッ!」
 三叉槍がミアズマに届く直前、サラの声が響き、チェーンウィップが悪魔の槍を叩き落とす。更に追撃、幾本の鎖を網目状に交差させ悪魔を拘束する。
「こいつは、お返しするね!」
 悪魔を拘束する鎖にチェーンウィップを絡ませ、全力で振るう。ハンマー投げの要領で悪魔は鎖に振り回され、味方の一団をなぎ倒しながら空を飛び、地面にめり込んで着地する。
「ちょっと遅れてしまったけど、まだ終わってなかったね。それで、ミアズマさんの動きを止めたのはお前だな?」
 ミアズマへ呪印を結んでいた悪魔の背後から声がする。三つ編みの銀髪を流す銅・加々美(典外魔鏡・f12883)だ。悪魔が背後の存在を認識し、回避に打って出るよりも素早く加々美の拳が悪魔の後頭部を殴打する。鋭く重い拳は悪魔の分厚い皮膚を物ともせずダメージを与える。それだけではない、よろめく悪魔に間合いを開けさせず、接近した加々美は更に二度、鳩尾と顔面に拳を叩き込む。流石の悪魔も強烈な拳を3度直撃しては意識を保てず崩れ落ちる。
「・・・助かった。」
 呪印を結んだ悪魔が墜ちたことでミアズマも戦闘に復帰し、再び視界に入った悪魔を銃弾の餌食にしていく。
「ヒ、ヒクゾ!割ニ合ワネェ!」
「人族に仇なすお前らを逃がすもんか!」
 残党もほぼ狩りつくされ、数匹になった悪魔たちは主への忠義も捨て逃亡を図ろうとするが。サラが飛ばした鎖に足を取られ行動を封じられる。地面に這う悪魔を見て、ふむ、と加々美は彼女の本体である銅鏡の外見の魔導書、典外魔鏡を手に取る。
「我が身に記された怪異譚。異端の魔術は、キミに何を見せるだろう?おやおや、これは・・・」
 加々美がつぶやくと青白い無数の手が悪魔の周囲に湧き出て悪魔の身体をつかむ。
「ナンダコレハ!オイ!ハナセ!」
 突如現れた手に抵抗するように暴れ、拘束している鎖をガチャガチャとけたたましく鳴らす悪魔たちに、加々美は静かに言い放つ。
「魂引き裂く亡者の話か。人を弄ぶ悪魔には、相応しいのかな?」
 無数の手が悪魔の肉体を引き裂く。悪魔たちは初めて感じる魂の苦痛に、血を吐くほどの叫びをあげ、そして、やがて静かになった。 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『パンテスキ』

POW   :    パンテスキ盗賊団
【レベル×5人の配下の盗賊達 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    強奪の手
【素手による攻撃 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【防具を透過し下着を抜き取る一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    包囲陣形
【配下の盗賊達に指示を出し、一斉攻撃 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィン・スターニスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 レッサーデーモンの断末魔が静まれば森には再び静寂が訪れる。猟兵たちが一度集結し各々の消耗具合を確認しあっていると、ざくざく、と足音が近づいてくる。
「はっはっはっ。いやぁ。お見事で。」
 拍手しながら猟兵たちに近づいてくるのは初老の男性だ。
「お初目にかかります。私、今回魔物の討伐を依頼しました、パンテスキと申します。」
 パンテスキは猟兵たちの前にやってくると芝居がかった挨拶の言葉を口にする。
「皆様の戦いぶり、拝見させていただきましたよ。素晴らしい、皆さまお強いのですね。全く持って素晴らしいですよ。ええ」
 パンテスキは興奮冷めやらぬと言った感じで、身振り手振り猟兵たちのことをほめたたえる。
「ああ、そうそう、それで報酬の件なのですが・・・」
 キラリ、とパンテスキの方眼鏡が光る。
「私なりに精一杯勉強させてもらいました。あなたたちの旅に幸あれ、とね」
 猟兵の周囲から盗賊たちが姿を現す。
「・・・死出の旅路、ですがね」
 パンテスキは頬を下品に歪め笑った。
箒星・仄々
Kリートを奏で歌い
今を生き未来へ進む者たちを称える歌で仲間を鼓舞しつつ
聖なる調べで敵の行動を鈍らせます
:歌唱&破魔&演奏&&鼓舞&祈り&優しさ&勇気&手をつなぐ


魔法を使い闇に溶けるように姿を隠した後
一気に残像分身して盗賊団へ一斉攻撃!
小柄な体を活かして得物をかいくぐり懐に飛び込み
トリニティで攻撃力を高めたKナーゲルで貫き切裂きます
:迷彩&忍び足&残像&早業&先制攻撃&見切り&属性攻撃&串刺し

敵攻撃は迷彩&残像&早業&見切り&忍び足で回避


何やら紳士ぶっておられるようですが
卑劣極まる御仁ですね

この世界は今を生きる命のもの
今を生きる命が未来を創り上げていくのです
過去には骸の海へお帰り戴きます


シル・ウィンディア
…なるほど、裏で手引きをしていたってことだね
何で、そんなことするの?
……そっか、何でって、盗賊さんの親玉ってことかぁ
それじゃ、仕方ないね?
でも…
簡単にやられはしないよっ!!

最初から全開でっ!!
広範囲の砲撃だけが魔法ってわけじゃないんだよっ!
【高速詠唱】と【全力魔法】でソニック・ブラストをいきなり撃ちます
速射砲撃だから、連射も効くのがこの魔法の利点っ!

魔法撃った後は【空中戦】と【残像】を有効に使って撹乱しつつ
敵を攻撃していきます
攻撃時は【フェイント】を織り交ぜつつ、【二回攻撃】で連撃をお見舞いっ!
攻撃は二刀流の光刃剣と精霊剣で行います

敵の攻撃は【第六感】と【見切り】で回避

※アドリブ歓迎


ナイ・デス
奇襲をと森に潜んでみましたが、必要なく……出遅れて、しまいました
いつでていきましょう……?消耗を確認してますし、回復に……
あ、黒幕さん……と、森に盗賊さん?
殺りますか

【地形の利用、迷彩】
森に隠れ【忍び足、ダッシュ】で移動
両腕の剣で【鎧無視攻撃】
【医術】知識で急所を刺して斬って【生命力吸収】で元気奪って、断末魔もあげさせず盗賊さん達を【暗殺】です
気付かれても、欠損【覚悟、激痛耐性】で怯まず【カウンター】する気で突撃【捨て身の攻撃】で殺る、です
本体無事なら、肉体は再生しますし

そんな感じで伏兵とか、策を悉く台無しにして
【生まれながらの光】で皆を回復して、相応しい最後、与えましょう

配下、召喚系でした?


サラ・ノアール
人の善意につけこんで悪さをしようとするなんて。
お仕置きが必要なようね?

「範囲攻撃」「なぎ払い」「ロープワーク」でチェーンウィップを操り、盗賊達に対応。
パンテスキには蛇眼で恐怖を煽ってから「2回攻撃」「衝撃波」「気絶攻撃」を狙ったメイスでボコる!
相手の攻撃は「見切り」「カウンター」で避けるつもりだけど……
なんか手つきがいやらしい気がするわ……紳士ってやつ?
「コミュ力」で他の猟兵と会話・連携してフォローしましょう。

アドリブ大歓迎よ。


デナイル・ヒステリカル
あちらから出向いてくれるのならば悪くない展開です。
現地の方が周囲にたくさん居るだろう、街や村での襲撃に比べれば、の話ですが……。

いずれにせよ、オブリビオンを逃すつもりはありません。
ここで、確実に、倒しておきます。

一体一体の戦闘能力は低くとも、数の多さは十分な脅威です。
他の方がパンテスキに集中できるように、盗賊の多くは僕が相対しましょう。

まずはユーベルコード:シークレットウェポンを発動し、数の差を埋めます。
中空で振られる槍で彼らを牽制し、時には槍を並べて地に突き刺して壁として動きを制限します。


ミアズマ・フォルテ
オブリビオンの、しかも盗賊団とはな。
悪いが仕事を終わらせるまで勝手に旅立つつもりはないんだ。

SPD重視で行動

数で押されると厄介だ、孤立しないよう味方と連携をとりつつ
まずは配下の盗賊を優先して叩くとしよう。
「全力射撃」発動、理想は陣形を組まれる前に殲滅してしまう事だが
無理なら足止めさせて時間を稼ぐ、数を減らして一斉攻撃時の脅威を減らす
等出来るだけのことはしておこう。
配下は何とか抑えておくからみんなはボスを……は?下着を抜き取る?

よしお前そこに直れ。
股間にそんなものがくっついてるから下種な考えが浮かぶんだ。
切 り 落 と す(絶対零度の声音かつ目が据わっている)

……まったく、これだから男ってのは。


銅・加々美
死出の旅路ね。
そこから出戻りした人が何を言うってね。
こそこそ動くのが好きな様だけど、
表に出てきたなら、倒すだけさ。

見た目や、やっていた事からだと、
後方から指示を出してね、
自分は動かないタイプっぽいけど、
何だろうね、近付くと危険な予感が・・・・・・
とは言え、ボクの戦闘スタイルだと近付かないとだし、
何かやられる前に、一発殴る!


レプリカクラフトでガントレットを作づた後、
ダッシュで近付き、フェイントをまじえて格闘で攻撃。

敵からの攻撃は、見切り、第六感、野性の勘で回避。
何だろう、当たってはダメな気がするんだよね?


※取られた場合
ふぇ?取られた?
か、返せ!ボクの!返せっ!


テラ・ウィンディア
此処がシルの参加した依頼か
成程…依頼自体が罠…本来そんな事はあっちゃならないってのはおれでも分かるぞ

よぉ初めまして
姉のシルの活躍は見事だったろう?
報酬についてだがそういうのを決めるのは酒場か…おれ達自身であるべきだ

何、大丈夫…お前でも払えるものだ
まぁ…敵も一杯いたようだし三つばかりお願いしよう

まず一つ目
属性攻撃で槍と剣に炎を付与
そのまま空中戦で舞いながら猛撃
貴様の苦悶の悲鳴を聞かせてくれ

二つ目
第六感と戦闘知識で敵の動きを見切り鳩尾に串刺し
貴様の恐怖の絶叫を聞かせてくれ

三つ目
弱った所を空中から見下ろし…そのままメテオブラストで粉砕

貴様の…断末魔の絶叫を聞かせてくれ

四つ目
今どんな気分か聞かせてくれ



●パンテスキの奸計
 数百人規模の盗賊たちが猟兵たちを完全に包囲していた。パンテスキの話が正しいならば、猟兵たちがレッサーデーモンと戦闘を始めた時からすでに、この包囲は始まっていたのだろう。だが、盗賊たちは猟兵たちと一定の距離を保ち、仕掛けてこない。彼らの視線はたまにパンテスキの方へ向けられる。パンテスキの指示が無ければ攻撃を仕掛けないつもりなのか。
「…なるほど、裏で手引きをしていたってことだね。何で、そんなことするの?」
 不気味な睨み合いの中シルがパンテスキに尋ねた。
「何故か、ふむ。問われれば応えるのが礼儀でしょうね」
 芝居がかった言い方でパンテスキは身振り手振りを加え、話し始める。
「この世界では、町を守るのは、冒険者!ならば、冒険者が居なくなったら町はどうなると考えられますか?ええ、自衛機能を失った町は、いともたやすく魔物どもに蹂躙されることでしょうね!逃げ惑う人々、そこで何者かが救いの手を差し伸べる!その人物は人々からの称賛と信頼を手にすることができるでしょう!そうすれば?人もカネも手に入る。我々の規模は更に大きくなる…簡単なことですよ?」
 猟兵たちの周りを演説するように歩きまわり講釈を垂れるパンテスキ。
「……そっか、結局、盗賊さんの親玉ってことかぁ」
 シルは短絡的に結論をつける。そもそもパンテスキの話など聞く価値がないと思ったのかもしれないが…
「まぁ…あなた方からすればそういう解釈になるのも仕方のないことかもしれませんが・・・まぁよいことです。あなたたちの旅路の先に待つのは骸の海ただ一つなのですから!」
 パンテスキは調子よく語る。だが、まだ盗賊たちは動き始める様子はない。
「そこから出戻りした人が何を言うのかってね。笑っちゃうよ」
 周囲を囲う盗賊たちに警戒しながら、加々美がパンテスキへ挑発するように言葉を投げつける。
「お嬢さん、先駆者の言葉は聞くべきですよ?」
 チッチッチッっと口を鳴らし、指を振って加々美と言葉を受け流すパンテスキ。
「例えば今の言葉が生前の最期の言葉になったとして、後悔したときには骸の海の中なんですから!お前たち、この方々をお送りして差し上げろ!」
 パンテスキのその言葉が合図となり、猟兵たちと盗賊団の戦いの幕が切って落ちた!

●善意を狩る悪意
 盗賊が雄たけびとともに猟兵たちを押し潰さんと迫る。
「簡単にやられはしないよっ!!最初っから全開でっ!」
 シルは高速で魔力を練り上げ、集中する。
「炎よ、水よ、風よ、土よ…。我が手に集いて、障害を撃ち抜けっ!」
 シルの詠唱とともに彼女のユーベルコード『ソニック・ブラスト』が放たれる。火・水・風・土の4属性の魔力砲が盗賊たちを吹き飛ばす。
「何はともあれ、あちらから出向いてくれたのは悪くない展開です。現地の方が周囲にたくさん居る状況よりも戦い易いですから」
 状況を冷静に分析していたデナイルが仲間へ言葉をかけながら、自身も攻撃へと移行する。
「旧式兵装構築。実体化完了。対象を穿て…!」
 デナイルの頭上に何十もの槍が構築される。それらは完成され次第、別々に意思があるように盗賊たちへと降り注ぐ。
「盗賊の多くは僕が相対します。皆さんはパンテスキを!」
「わたしも手伝う!みんなはアイツをお願い!」
 シルとデナイルの言葉に背中を押され猟兵たちはパンテスキを攻撃するべく動く。
「途中の配下は私が抑えて道を作るから、みんなはアイツを。AIサポート再起動、ロックオン、攻撃開始」
 ミアズマが、悪魔たちを打ち抜いた時と同様AIのサポート受け、盗賊たちへ射撃し道を切り開く。パンテスキは盗賊たちを挟んだ猟兵たちの反対側、一番遠いところまで避難していた。
「一番奥へ逃げるとは・・・何やら紳士ぶっておられるようですが、卑劣極まる御仁ですね!」
 パンテスキの姿を視界に捉えた仄々が、怒りを露わにしながらカッツェンリートを構える。
「この世界は今を生きる命のもの!今を生きる命が未来を創り上げていくのです!過去には骸の海へお帰り戴きましょうか!」
 仄々は恩返しとして誰かの力になれることが生き甲斐のケットシーだ。その仄々にとって恩を仇で返し、さらに偽物の恩を押し付けようとするパンテスキの行為は認められるはずがないのだ。仄々の歌声が響く、今を生き未来へ進む者たちを称える歌が戦場を包み込む。歌声は染み渡り、猟兵の心に強い決意を実らせる。だが・・・
「はっはっはっ!これは傑作だ!『未来を創るのは今を生きる命』だと!そのような綺麗事に未だに囚われるとは滑稽だ!」
 パンテスキが仄々の歌を一笑したのだ。
「未来は勝者のものなのです!敗者が過去に押し込まれる!私はもう、そのような無様を曝したりしないですよ!」
「いや!あんたは負けるさ!」
 サラがパンテスキの笑い声をかき消す大声ではっきりと宣言する。
「人の善意につけこんで悪さをしようとするなんて、私たちがきっちりお仕置きして、骸の海に送り返してやる!」
 パンテスキに喰ってかかるサラ、数の優位に陣形の優位、絶対的優勢のパンテスキに対し、話を遮り、お仕置きするなどと言い放った猟兵にパンテスキはわずかに興味が傾き目を向ける。
「口では何とでも言えますとも!けれど、優位性は我らにあるこの状況を、どうすると!?」
 パンテスキがサラへ挑発する。だが、それこそサラの狙いだった。
「こっちを見たね。刷り込んであげるわ」
 サラの目が怪しく光る。パンテスキとサラの目が合わさった一瞬のうちにサラのユーベルコードが発動したのだ。その名も『邪眼』。目を合わせた相手にトラウマの恐怖を刷り込む技だ。真面に喰らったパンテスキは幻覚の恐怖にうろたえ、体に滝のような冷や汗を流す。
「みんな今だ!」
 サラの号令にミアズマと加々美、仄々が駆ける。頭の危機を察知し、十数人の盗賊が三人の前に立ちはだかるが、
「私に任せて、二人は先へ!」
 炎、水、風の魔力で自身を強化した仄々が先陣を切りカッツェンナーゲルで盗賊に切りかかる、加えてケットシーの小柄な体躯を活かし、残像が残るほどの高速で移動。さらに別の盗賊を突く。仄々に翻弄された盗賊たちの隙をつき、ミアズマと加々美がパンテスキの下へ辿りついた。
「こそこそ動くのが好きな様だけど、デナイルさんが言ったように表に出てきたのが間違いだったな。」
 ユーベルコード『レプリカクラフト』によってガントレットを作成し自らの腕に装着する加々美。
「っ・・・はぁ…なに…言って、いるが、いいさ…」
 サラの邪眼の影響を受け、ふらつきながらもパンテスキは加々美に応える。
「ああ、そうさせてもらうねっ」
 パンテスキへ一瞬の加速で肉薄する加々美、格闘を得意とする彼女の間合いだ。あとは全力でガントレットを装備した拳を振りぬくだけ!
 だが…一瞬、攻撃を当てる瞬間に加々美は違和感を感じた。勘に近い、何か不気味な悪寒を。だが、それはすでに遅すぎた。
「なっ、外した?」
 加々美の渾身の一振りはパンテスキには命中しなかったのだ。それどころか。
「はっはっ、小僧のような話し方の割りにずいぶんかわいらしいものじゃないか!」
 笑うパンテスキ、彼の手に握られてるのは真っ白なショーツ。
「ふぇ?」
 現実を理解できず気の抜けた声を漏らす加々美。
「状況が飲み込めんか未熟者め!これは貴様のショーツだ。何なら手を当てて確認してみるといいさ!」
 笑うパンテスキと対象的にみるみるうちに顔を朱に染める加々美。
「う、嘘!?取られた?か、返せ!ボクの!返せっ!」
「はっはっはっ返すか馬鹿者!所詮貴様らなどその程度、確かに私は暗躍を好み表立つことは嫌うが、それ以前に実力の差が・・・ぬっ!」
 加々美を辱める愉悦に浸るパンテスキだったが、殺気を感じ取り回避行動をとる。パンテスキが飛びのいた場所へ弾丸が着弾する。ミアズマが放った弾丸だ。
「よしお前そこに直れ。股間にそんなものがくっついてるから下種な考えが浮かぶんだ。切 り 落 と す」
 絶対零度の声音でミアズマがパンテスキの股間へ狙いを定める。男性不審気味なミアズマが、女性の尊厳を土足で踏みにじるようなパンテスキの蛮行に激怒している。目が据わっているミアズマは常人ならば尻尾を巻いて逃げ出すほどの殺気を放つ。
「淑女がそんな言葉を発するものじゃないぞ?それに、説教をされるべきなのは貴様のほうじゃないか?」
 しかし、そんなミアズマの殺気にものともせずに、パンテスキは笑みを浮かべる。
「何を・・・っ!」
 突如、ミアズマの後頭部を襲う衝撃。ミアズマは何が起きたのかわからない、視界がホワイトアウトする。
「ミアズマさん!くっ・・・」
 盗賊たちと切り結んでいた仄々が声をかけるがミアズマの返事はない。救出しようにも数ばかり多い盗賊が邪魔をする。脳震盪でも起こしたのかぐったりと倒れるミアズマの背後には盗賊が一人、棍棒を携えて立っていた。
「『戦いでは、我を失ったほうが負ける』とは、貴様の味方の言葉ではなかったか?」
 喉を鳴らしながらパンテスキは笑う。危機を察知した猟兵たちはミアズマの下へ向かおうとするが、盗賊がミアズマの首にナイフが当て動きを封じる。
「ふはは!よい気分だ。だが、お前らは褒めてやる。この短時間で我がパンテスキ盗賊団の数をここまで減らしたのだからな!」
 パンテスキが戦場を眺める、数百人規模の盗賊の数は半数近くまで減ってきていた。
(だが、たった6人、しかもこの短時間でここまで減らせるのか?いや…それほどの脅威だったということか、ともかく!)
 パンテスキはよぎった不安を奥へ押しやり、盗賊に命じた。
「女性を自らの手で傷つけるのは紳士の流儀に反するから私は手を下さんのだよ…殺せ」
「させない・・・!」
 首に刃が突き立ち、引き抜かれる。
「なっ・・・にっ!」
 ミアズマは無傷だ。首を切り裂かれたのは盗賊、そしてそれを成したのは、人知れず戦場に潜んでいた猟兵、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。長く白い髪の中でナイの赤い瞳が決意の炎を灯しパンテスキをにらむ。
「ちぃ!こうなれば貴様もろとも!」
 パンテスキが錫杖を振り、ナイへと殴りかかるが。
「痛くなんか、ない!」
 ナイは己の身体を盾としてパンテスキの攻撃からミアズマを守護する。
「・・・メテオ・ブラスト…受けろぉ!!!」
 突如現れた内への動揺を抱えたパンテスキへ、更にもう一人、必殺の気合とともに踵落としを放つ漆黒の髪と瞳の乱入者が現れる。完全な不意打ちにより、パンテスキは吹き飛ばされる。
「テラ!」
 シルがその名を呼ぶ。踵落としを放った乱入者。テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)はシルの双子の妹だ。
「くっ、やけに盗賊たちの数が少ないと思ったが…こそこそ動いたネズミがいたのですかっ!」
 攻撃を喰らったはずのパンテスキだが、よろめきながらも起き上がった。パンテスキは腕を振り、猟兵たちを攻撃せよと盗賊に合図を飛ばす。態勢を立て直される前に一気に攻め落とす作戦に出たようだ。合図を受け取った盗賊たちは再び猟兵たちに襲いかかろうとするが。
「盗賊の相手は僕だといったはずですよ」
 デナイルが数多の槍を操り、ミアズマの周囲を制圧する。槍を地面に突き立て並べバリケードにし盗賊の進行を阻む。
「盗賊は抑えます。ナイさんとミアズマさんの回復を!」
 デナイルが槍を駆使し、盗賊と交戦している間に猟兵たちはミアズマの周囲に集結する。
「私は、大丈夫です。ヤドリガミの私は本体が無事なら、肉体は再生する、です。ミアズマさんを診せて、ください!」
 話している間にもナイの身体は少しずつ癒えはじめている様子だった。ナイは未だに地面に倒れているミアズマの下へ急ぎ、自ら光を放ち始める。聖者たるナイから発せられる聖なる光は、優しくミアズマへ降り注ぎ身体に蓄積されたダメージを急速に回復させていく。更にその光はミアズマだけでなく猟兵全員へと降り注がれ癒しを施す。
「はっ…はっ…皆さん、回復しましたか?」
 連戦を戦った猟兵たちを癒したナイは代償として、動けなくなるほどの疲労を蓄積し、膝をつく。
「私は、大丈夫です、それより、あいつに、相応しい最後、与えましょう」
 ナイの言葉に力強くうなずく猟兵たち。ナイは、盗賊たちが包囲したその時から、森に潜伏し、盗賊たちを断末魔を上げる暇さえないほど鮮やかに暗殺して回っていた。すべてはこの時のために。
「準備は整ったようですね。僕が道を作ります!ここで、確実に、倒しますよ!」
 デナイルが中空で槍を振り盗賊たちを薙ぎ、けん制し、できた隙に槍を地面に立てて突き刺し空間を作る。
「今一度言います!この世界は今を生きる命のもの!」
 仄々は炎、水、風の魔力を纏い、残像を残しながらカッツェンナーゲルで邪魔な盗賊を串刺しにし、パンテスキが笑った言葉を紡ぐ。
「過去には骸の海へお帰り戴きます!」
 デナイル、仄々が切り開いた道を、サラがチェーンウィップを操り、盗賊たちを退けながら駆け、パンテスキへ接近する。
「私も言ったよね?私たちがきっちりお仕置きやるって。さぁ、こっち見てくれる?刷り込んであげるわ。二度と戻って来たくなくなるほどにね!」
 サラの邪眼が再びパンテスキに幻の恐怖を与えトラウマへ引きずり込む。悶えるパンテスキ、盗賊たちがパンテスキを守ろうと動くが、デナイルが立てた槍の柵がそれを阻み、
「心配かけた、もう、問題ない。」
 ナイの治療によって復活したミアズマが槍の柵にもたつく盗賊たちを次々と撃ち抜いて行く。
「サラさん!」
 加々美が声を掛け、アイコンタクトで応えるサラ。加々美はガントレットを、サラはアサルトメイスを、接近戦に長けた二人がふらつくパンテスキに向け怒涛のラッシュを浴びせる。頭へ、胴へ、打撃の嵐はパンテスキの鼻をへし折り、歯を吹き飛ばす。
「よぉ初めまして、姉のシルの活躍は見事だったろう?」
 加々美とサラの打撃の嵐により地に倒れたパンテスキに乱入者、テラはニヤリと笑いかける。
「そういえば始めは、あんたの出した依頼だったなぁ…報酬の話をしよう。なぁにお前でも払えるものだ」
 テラは彼女の武器、紅龍槍『廣利王』と星刃剣『グランディア』を抜き放つ。合わせるようにシルも光刃剣『エレメンティア』と精霊剣・六源和導を構える。
「まず一つ目」
 言葉とともにテラは星刃剣でパンテスキの右腕を切り飛ばす。星刃剣は炎を纏っており、傷口は一瞬で焼いてふさがった。シルもまた炎の魔法を纏った光刃剣でパンテスキの左腕を切り飛ばす。両の腕を失った激痛に、パンテスキが喉が避けるほど叫ぶ。
「貴様の苦悶の悲鳴を聞かせてくれ。これはよし、二つ目」
 悶え、苦しみ、暴れだすパンテスキの鳩尾めがけ、テラは紅龍槍を突き出し、くし刺しに、シルは光刃剣を戻す勢いで精霊剣を振り両の足を斬りつけ使いものにならなくする。目の前で自分の身体が壊れてゆく様にパンテスキは眼をむき、嗚咽する。
「貴様の恐怖の絶叫を聞かせてくれ。さて三つ目」
 テラとシルは同時に飛び上がる。すぐ真下には槍に貫かれ身動きの乗れないパンテスキ。
「貴様の…断末魔の絶叫を聞かせてくれ」 
 テラの宣言と同時に双子は攻撃を放つ。
「炎よ、水よ、風よ、土よ…。我が手に集いて、障害を撃ち抜けっ!」
「星よ…世界よ…流星の力を我が身に宿せ…!今こそ我が身、一筋の流星とならん!」
 シルはありったけの魔力を込めたソニックブラストを、そしてテラは先ほどパンテスキを襲った超重力を纏った踵落とし、『メテオブラスト』を放つ。二つのユーベルコードが重なり、かけ合わさるようにして威力を増してパンテスキへと叩きつけられた。
「最期、四つ目。今、どんな気持ちか聞かせてくれ。と、思ったが、無理か」
 テラとシルが地面へと戻ったときにはパンテスキは絶命していた。

●取り返した日常
 パンテスキが倒れ、彼と同体であった盗賊たちも消滅した。猟兵たちの勝利だ。彼ら互いに称え合い、労い、勝利の余韻に浸る。
「あ!」
 と、加々美が大きな声を出してパンテスキの亡骸をあさる。果たして目的のものは見つかったようで。
「取り返したよ!ボクのパンツ!」
 戦いの余韻が残り、思わず大声をだしてしまう加々美。はっと、我に返った彼女は真っ赤になって森の陰に飛び込んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『綿雪祭』

POW   :    羊たちを抱きかかえての毛刈りに挑む。

SPD   :    音楽、演し物に飛び入り参加する。

WIZ   :    飲み食いしながら声援を送る。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●綿雪祭
 パンテスキを討ち、猟兵たちは依頼を受けた町へと戻る。町では猟兵たちが戦っている間に祭りが始まっていた!特産の羊毛の収穫に湧くお祭り、綿雪祭だ!
「そこのお嬢さん!かわいい小物はいかが?もっこもこのぬいぐるみっだってあるよ!」
「腕に自慢のある奴はいねぇか!毛刈り対決と行こうじゃないか!」
「祭りと言えば歌に踊り!どうです?あなたたちも少し踊って汗をかいていきましょう」
「祭りと言ったらメシだろう!何から何までそろってるぜ!」
 街に入れば出店に羊飼い、酒場のウェイトレスが通りまで出てきて猟兵たちを誘いこむ。逸る気持ちを抑え、一旦依頼を完遂したことを報告するため酒場に向かう猟兵たち。
「お疲れ様でした。依頼の完了確認しましたよ」
 受付嬢が猟兵たちの報告を受けると、カウンターの奥からずっしりとした革袋を取り出す。
「報酬です。あのおじいさんから予め徴収していたんです。なんだか怪しいお方でしたし」
 受付嬢が猟兵たちに革袋を渡す。
「今は、綿雪祭の真っ最中ですし、このお金で羽目を外して、楽しんで来たらいかがですか?」
 受付嬢はそういって猟兵たちを送り出す。軍資金は手に入れたし、贅沢をしてもかまわないだろう!パンテスキの悪意から守ったこの町で、思いっきり綿雪祭を楽しもう!
デナイル・ヒステリカル
元々があのオブリビオンの収集した資金ということは、これはこの地で活動していた冒険者のお金だったのでしょう。
冒険者として職務に忠実だったがゆえに犠牲になった人たちの物です。
僕がグリモアベースに持ち帰ってしまってはいけないものです。
地域還元の名目も立つので、この祭りで全て使いきってしますよ。

適当な酒場に入り、その場の全員におごりを宣言してカウンターにお金の袋を置きます。
乾杯の音頭は「冒険者たちに!」と。

そうやって盛り上がる周囲に紛れてそっと店を出ることにします。
僕はお酒が飲めないもので。


銅・加々美
うぅ、酷く恥ずかしい思いをしたよ。
あいつ、今度みかけたら絶対に許さない。
別の奴でも関係なく潰してやる。

とりあえず、もふもふで癒されよう。
嫌な事はもふもふで忘れよう。

あ、もこもこのぬいぐるみ。
これは欲しいな。
でも、これだけあると、どれを買うか悩むね。
やっぱり白い羊が良いかな?
でも、こっちの犬も良いなぁ。
よし、両方買おう。


サラ・ノアール
【POW】
うわぁ、羊さんの毛を刈れるの!?
やりたいわ!初めてだけどなんとかなるかな?

「コミュ力」を駆使してさらに他の猟兵を呼び込もう!
知り合いも知り合いじゃない人でも毛刈り勝負をすれば楽しいはず!
羊が動かないように鎖で拘束するのはありかしら・・・?
あんまり酷い事はしちゃ駄目よね。「2回攻撃」でささっとできたらいいなぁ~。


ミアズマ・フォルテ
あぁぁ……やらかした。一歩間違えれば死んでいたな。
第二章で体を張って助けてくれたナイさんと他の皆に
迷惑をかけた謝罪と助けてくれた感謝の言葉を述べて頭を下げた後
食事にでも誘おう。私は確かに男性不信気味だが
だからといって恩知らずにはなりたくない。
返せる恩は返せるうちに返しておかないと。

それから小物でも見て回ろうかな。
もこもこのぬいぐるみ……うん、心が癒される。
大きいのは無理だけど手のひらサイズの小さい物をいくつか買って帰ろう。


ナイ・デス
蜜ぷにごっくん
疲労、完全回復、です!
お祭り、楽しみます!

ふふ……賑やか、見てるだけで、幸せ、です
どこから、楽しみましょう。とりあえず、もふもふ羊さんと、動物と話す技能で、にゃーん、にゃーん。おしゃべりして、ぎゅっとして、楽しむのと
ソラへのお土産に、もこもこぬいぐるみ確保して
怪我人病人いたら、医術や生まれながらの光で治療して
……ふみ。私みたいに、途中で疲れてとか、ないでしょうけど
楽しいお祭りのお礼に、蜜ぷにドリンク、配りましょうか
キケさん、エドさん、ルナさん、楽しんでる、ですか?
よかったら、お手伝いお願いしたい、です!
楽しいが、長く続くように。疲労回復効果ある、蜜ぷにドリンク配りたいのです!


テラ・ウィンディア
お祭りだな!ならば徹底的に楽しみそして勝負事なら負けないぞっ

という訳で羊の毛刈りに挑むけど…その前に注意事項とかコツとかを色々と教えて貰うぞ
後は毛刈りを始めるけど最初は細々と状態を見ながら研究しながら狩るぞ
後は上手い人のやり方とか動きを見据えて参考に

よし、それじゃ…こうかな…怪我しちゃいけないから注意注意だ
そして慣れて来たら正確に加速


そして歌と踊りに参加に行くぞっ

シルも踊るかー?(なんて誘って姉が居るなら共に息を合わせてしかし完全アドリブで踊ってみる。割と色々と其れなりに癖とかどう動くか何となく分かる時もあるようだ

楽しいな祭りは!
(他の世界を見たけど故郷の世界の祭りはやはり楽しい

アドリブOK



「うぅ、酷く恥ずかしい思いをしたよ。」
 酒場を出ても顔が赤い加々美、よほど…いや、彼女の名誉のためにみなまでは言うまい。
「あいつ、今度みかけたら絶対に許さない。」
 オブリビオンのパンテスキはまたどこかで復活するだろうが、その時加々美と出くわしたら身に覚えのない恨みを向けられることだろう。静かにパンテスキへの怒りを募らせ拳を握る加々美の隣には、目的を達成したと言うのにどこか浮かない顔のミアズマが並んで歩く。
「あぁぁ……一歩間違えれば死んでいたな・・・ナイさん」
「ふぁい?」
 急に呼ばれ、咄嗟に声が出るナイ。召喚した『蜜ぷに』という生物を飲み込みながらだったためちょっと舌足らずな返事になってしまう。なお、蜜ぷにとは食べると疲労回復の効果があるらしい半液体の生き物だ。
「パンテスキとの戦いで、私をかばってくれてありがとう。みんなも、助けてくれてありがとう。」
 仲間たちを振り返り、頭を下げるミアズマ。
「それで、食事にでも行かないか。私は確かに男性不信気味だが、だからといって恩知らずにはなりたくない。返せる恩は返したい」
「ふふ、いいですね!一緒にいきます、よ」
 ナイが満面の笑みでミアズマへ答える。仲間たちも次々とミアズマの誘いに乗ってゆく中、
「折角ですから、このお金を使ってみんなで食べに行きましょう」
 と、デナイルが酒場で受け取った革袋を掲げる。
「ま、待ってくれ。それでは私の恩を返したことには…」
 ミアズマがデナイルの提案にうろたえ始めるが、
「誰もミアズマさんに恩を貸したなんて思っていませんよ。」
 デナイルがやさしく笑いかける。見渡せば仲間たちはみな同じようにミアズマへ笑いかけてくれていた。
「さぁ、一緒に楽しみましょう」
 ナイがミアズマへ手を差し出し、ミアズマはその手を取る。
「さて、このお金は元々があのオブリビオンの収集した資金。ということは、これはこの地で活動していた冒険者のお金だったのでしょう。地域還元の名目も立つので、この祭りで全て使いきってしますよ。」
 景気のいいデナイルの提案に一同は片手を突き上げて『おー!』と応えた。

●羊の毛、モコモコと
「とりあえず、もふもふで癒されよう」
 加々美の提案で一同は祭りのメイン会場へとやってくる。ここでは綿雪祭の名の通り、至る所に綿雪の如くモコモコと毛をたたえた羊たちが集合している。
「うわぁ、羊さんの毛を刈れるの!?」
 『毛刈り対決参加者募集!』なんて看板を目にしたサラが目を輝かせる。
「勝負事なら負けないぞっ」
 と、サラに並んで意気込んで見せるテラ。
「何だい嬢ちゃん。体験してみるか?あっちのスペースで毛刈り対決もやってるから行ってみるといい」
 受付のテントのおじさんが気のいい笑顔でサラとテラに体験スペースの場所を教えてくれる。
「もふもふ羊さん、たくさんいる、です!」
 ナイとサラ、テラの三人が先頭を歩き体験会場へとやってくる。ナイはさっそく大量の毛を蓄えた羊の一匹のところへ駆けてゆく。
「にゃーん、にゃーん」
「めー!めー!」
 と、ナイは鳴き声のような声を出して羊と会話のようなことをしてる。
「あれは・・・ナイさん、どっちかというと猫の鳴き声だと思うけど、羊の通じ合っているのかな?」
「さぁ?」
 とにかくほほえましい光景に加々美とミアズマはほっこりとする。
「サラさんにテラさん、ね。そちらの方々はどうする?羊の毛、刈ってみる?」
 ナイが羊と会話している間に二人はもう体験の手続きを済ませたようだ。テントの受付のおばさんがミアズマ達もどうだと誘ってくるが。
「私はいいかな?それより、出店回ってくるよ。サラさん、がんばって!」
 と、断る。そこで、デナイルとナイが体験場でサラとテラの雄姿を応援し、ミアズマと加々美は出店を回ることにした。
「ふむ、あれが相手の羊ですか…なかなか強敵のようで」
 体験場に連れてこられたのは丸々と毛を蓄えた立派な羊だった。柵にもたれかかりデナイルが二人にエールを送ると彼女たちは両手を振って元気よく答える。一方でナイは先ほど会話していた羊と仲良くなったようで、彼の背中に乗せてもらい近くで観戦する。
「サラさん、テラさんがんばって、です」
「よし!いっくよ!」
 二人は同時に鋏を入れて毛を刈っていく。サラは最初は羊を得意の鎖で拘束してしまおうかとも考えたが、周りで毛刈りをしている参加者は鋏一本で毛を刈っている。ならば、自分も鋏一本で勝負!と、勢いよく鋏を入れてゆく。対してテラは周りの様子を見ながら、やや慎重気味だ。
「こうかな…怪我しちゃいけないから注意注意だ」
 負けん気が強く態度が大きい割に、周囲を観察し研究していくテラ、鋏をもらう前にもおばさんからコツなどを伝授してもらっていて、それらを思い出しながら、少しずつ刈る速度を上げてゆく。
「にゃーん、羊さん、気持ちいい、ですか?」
 自分が乗った羊の上から、毛を刈られる羊たちに話しかけるナイ。彼の言う通り二人に毛を刈られる羊はされるがまま、身を預け気持ちがよさそうである。
 順調に毛を刈る二人、だんだんと慣れてきて二人は速度を競い始めるのだが…半分に差し掛かったあたりから、肩で息をし始める。
「ちょっと、思ってたよりも、大変、かも・・・」
「はぁ、はぁ…」
 成長した羊からとれる毛は4kgほど、しかも二人の羊は特に大きい個体だった。慣れない素人がやると、案外重労働なのである。
「はっはっ、お嬢ちゃんたち頑張ったじゃないか!初めてでここまで刈るとは上出来だよ!ほら、疲れてお祭りを楽しめなくなる前に切り上げなさい!」
 おばさんが三人の下へやってきてそういう。
「おばさん私はまだまだ…と、言いたいところだけど、まだちゃんと回ってないお店もあるし、お言葉に甘えようかな」
 サラは羊と鋏をおばさんに任せる。テラも、
「お祭りなら、徹底的に楽しみたいからな…悔しいけど、今日はここまでだな」
と、しぶしぶ鋏を返す。三人はおばさんにお礼を言い体験場をでる。
「羊さん、バイバイ、です。乗せてくれて、ありがとう。」
 ナイが羊に手を振ると羊はメェと一声鳴いた。
「お疲れ様です。」
 デナイルが気を効かせて三人に飲み物を持ってくる。と、ちょうど出店を回っていた二人も帰ってきたようだ。
「見て!もこもこのぬいぐるみ!」
 加々美がぎゅむ、と抱きかかえてるのは白い羊と茶色の犬のぬいぐるみ。どちらも一抱えはありそうなものを両手に抱きしめている。
「いい、ですね!私も、欲しいです、友達への、お土産です」
 ナイが加々美の抱えるぬいぐるみの端を突っついて感触を確かめる。もっこもこのふわふわ、だ。
「これはいいものだ、心が癒される」
 ミアズマもぬいぐるみを買ってきていた。小さなぬいぐるみを数種類、手のひらの上に並べて撫でていた。
「それじゃ、次はぬいぐるみ探しってことで!」
 こうして、猟兵たちは思い思いに綿雪祭を楽しむ。

●今日も酒場に明かりが灯る
 その夜、さんざん遊び回って疲れた猟兵たちは、ベースに帰るのは次の日にし、街に宿を取り夕食に繰り出す。訪れたのは依頼を受けたあの酒場、受付嬢が彼らを出迎えてくれる。代表してデナイルがカウンターの上に祭りで使い切らなかった報酬が入った革袋をのせる。
「今日はこの店の飲み食いを全部ここから出してやってください。僕らだけじゃなく、冒険者の皆さんの分も」
 受付嬢は驚いて店の奥へと駆けこんでいく。少し使ってしまったが金額は十分にあるはずだ。
「ニィちゃん景気がいいな!」
 話を聞きつけた冒険者がデナイルに絡んでくる。さらに話は広がり、オーナーらしき人物が客全員の前で飲み食いし放題などと宣言するものだから、さらに騒ぎは大きくなる。
「こりゃあ感謝しても、たりねぇな!祭りの夜に騒ぎ放題とは、イキなニィちゃん!乾杯の音頭はあんたがとってくれ!」
 ベテランの冒険者らしき男がデナイルを引っ立てて机の上に立たせる。酒場の客たちは今か今かとデナイルの宣言をまつ。
「それでは…冒険者たちに!!」
 言葉と同時にグラスを打ち鳴らす音が酒場中に広がった。盛り上がり笑いあう冒険者たちの顔を確認すると、デナイルはそっと酒場の端のほうへ席を移す。彼のグラスには地産の果物のジュースが注がれている。
「よかったね、みんな楽しそうで!」
「ええ、本当にそうですね」
 サラがデナイルの隣に腰かけ、簡単な会話を交わす。二人の視線の先では冒険者たちも猟兵も一緒になって笑いあっている。
「やっぱり、人族は好きだな!さて、私も食べ物貰ってこよっと」
 サラが席を離れ、冒険者たちの輪に加わってゆく。デナイルはジュースに口を付けてその様子をやさしく見守っていた。
 やがて夜も更け酒場の宴は更に熱を上げる。途中からやってきたキケが巻き込まれ、事の成り行きでリュートを奏でれば、何人かの冒険者たちは踊りだし、釣られてテラが踊れば、冒険者たちから歓声が上がる。酔っぱらった男の冒険者がミアズマに絡み、返り討ちにされたり、酔いつぶれた冒険者の介抱にと、ナイが呼び出した蜜ぷにをモンスターだ、と早合点した冒険者が暴れたりと、それはそれは騒がしく、また、せわしない夜になった。

 ランタンの明かりが灯り、笑い声が響く。ここはアックス&ウィザーズ町にある一軒の酒場。冒険者たちはここで朝依頼を受け、魔物を倒し、夜に帰ってきて自分の冒険を語り合う。なんてことはない、ただ、どこにでもある、そして、かけがえのない一幕がここにもあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月03日


挿絵イラスト