迷宮災厄戦⑱-18〜最強と、信じる姿は
●アリスラビリンス
最強とはどんな姿だろうか。
例えば幼い日、大きな背中を見せてくれた父の姿か。
或いは絵本で、わくわくするような活躍をした英雄の姿か。
それとも、絶対の信頼のおける友人や恋人の姿か。
もしかしたら、かつて剣を交えた恐るべき宿敵の姿かもしれない。
すべての答えが正解である。ここは想像力の国、想像力が力となるこの世界では、あなたが最強と信じる姿こそが最強なのだ。
そして、今、新たな旅人がこの世界を訪れる。
「おのれ猟兵……っ! 忌々しい、このオウガ・オリジンをここまでコケにするとは。この書架の牢獄さえなければ、たやすくねじ伏せられるものを……!」
腹いせとばかりに地団太を踏み、木々を蹴り倒し周囲の地形を破壊しながら、オウガ・オリジンは想像力の国へと足をおろす。
「認めよう、奴らは強い。だがこの想像力の国では、私の現実改変能力は大幅に増強される!」
言い終わるや否や、彼女の全身が沸き立つようにゆがみ変形していく。
「見ていろ、猟兵! 最強のイマジンモンスターになって、お前達を迎え撃ってやる!」
●グリモアベース
「みんな戦争お疲れ様。さて今回の依頼はオウガ・オリジンとの戦いになる」
予知を告げるのはディスターブ・オフィディアン。
「オウガ・オリジンの出現場所は、「想像力の国」――彼女はそこで、現実改変ユーベルコードを使い、三つの形態を持つイマジンモンスターとなって君達が来るのを待ち構えている」
一つは無数のオウガの口を持った巨人、一つは戦場を駆け首を刎ねる白兎の騎士、一つは切り刻まれても蘇る道化師。
「どの形態も厄介だが、こちらにも手がある。彼女の現実改変ユーベルコードの効果はボク達にも及ぶんだ。つまり君達も最強の姿に変身できるってわけさ。君達が最強と信じる姿にね」
例えばそれは敗北がイメージできない存在――自分の師匠や父親の姿かもしれないし、いつの日か最強の域にたどり着いた自分かもしれない。あるいは己が信じる神の姿かもしれないし、無敵のアニメキャラクターかもしれない。
「とにかく自分にとっての最強の姿をイメージすればいい。想像力こそが最強の武器になるんだ。そういった意味でオウガ・オリジンは弱い。彼女の想像力はアリスラビリンスで完結しているからね」
言ってディスターブはグリモアを輝かせる。
「それじゃ、頼んだよ。君たちの心の中の最強の姿をオウガ・オリジンに見せつけてやってくれ」
雲鶴
主人公求む! 雲鶴です。
さて今回は、オウガ・オリジン戦in想像力の国ということで、敵も味方も様々な姿に変身することが可能となっており、さいきょうのそんざいに変身することでプレイングボーナスを得ることができます。
なお「さいきょうのそんざい」については、猟兵が最強だと信じてさえいればそれが最強です。かつて戦った強敵や恋人の姿などでもOKですので、心の中で最強と信じている存在に変身しオウガ・オリジンと戦っていただければと思います。
ただし版権物に関してはNG、他の猟兵への変身は、相互の信頼関係があることをステシなどから確認させていただきます。
ちなみに変身後の技能やユーベルコードは適当にでっち上げて構いません。
それでは皆様の熱いプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『『オウガ・オリジン』とイマジンモンスター』
|
POW : イマジンモンスター・ギガンティック
【現実改変ユーベルコード】を使用する事で、【全身からオウガ達の頭部】を生やした、自身の身長の3倍の【イマジンモンスター】に変身する。
SPD : イマジンモンスター・スピード
【現実改変ユーベルコードを使用する】事で【イマジンモンスター】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : イマジンモンスター・ディフェンス
対象の攻撃を軽減する【イマジンモンスター】に変身しつつ、【身体から溢れ出すトランプ】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
宵野崎・とも子
〇
うーん、ひ弱な私じゃ役に立てないかと思ってたけど…
この戦場では想像力が正義。
ここでなら、私もなんとか戦えそうね。
そういうわけで、私はオウガ・オリジンに変身して戦うわ。
なんでって?
オウガ・オリジンの想像上のモンスターが、
想像主であるオウガ・オリジンに勝てるわけないからよ。
まぁ、想像主に勝てるなら勝てるで構わないわ。
その時はオウガ・オリジンに対して、
「イマジンモンスターに負ける」という明確なイメージを刻み込める。
そう、イマジンモンスターが意思をもって反逆したら、
オウガ・オリジンは勝てないことになる。
後は制御できなくなる可能性を匂わせれば、
想像力豊かなオウガ・オリジンは自滅してくれるって寸法ね。
レイニーア・ノックス
pow
連携アドリブ大歓迎
イメージするのは数多の竜王と契約を成した先祖。それを越える将来の自分自身。先祖から継いだものを発展させてきたのだから将来の自分自身が最強と信じる。
戦闘については、ユーベルコードと想像力で最強の将来の自分自身を形成。
真っ向から【怪力】で殴り合い、【鎧砕き】で生えてきた頭部を粉砕していく。
敵の反撃については【オーラ防御】【激痛耐性】【勇気】など防御スキルと精神論で攻略する方向。
『なるほど。なかなか面白いルールですね。存分にやらせてもらいます!』
『行きます!』
沸き立つように姿を変えていくオウガ・オリジン。その体がよじれるように膨れ上がり、木々を見下ろすほどの巨体へ変わる。その体表が裂け、巨大な目玉が、あるいは乱杭歯が、オウガの頭部が姿を現す
木々の合間を、金色の影が飛ぶ。影は一直線にオウガ・オリジンへと向かい刺突。勢いの乗った槍の穂先をオウガ・オリジンは腹部の歯で受け止めていた。一撃を仕掛けたのは、金髪のドラゴニアンの竜騎士レイニーア・ノックス(竜召喚師にして竜に騎乗するもの・f18202)。
飛び退るレイニーア、同時にオウガ・オリジンの背後で茂みが動いた。瞬間、オウガ・オリジンが裏拳を放ち、茂みを薙ぎ払う。間一髪、転び出るように攻撃をかわして現れたのは、ゴシッククロスに身を包んだ少女、宵野崎・とも子(推定吸血鬼・f29264)だ。
「いったーい。膝、擦りむいたぁ」
涙目になったとも子をオウガ・オリジンが嘲笑するように見下ろす。
「なんだその様は。お前程度が、この世界で最も尊いこのわたしと戦えるつもりか」
「そのつもりよ。ひ弱な私じゃ役に立てないかと思ってたけど……。想像力が正義のこの戦場なら、私もなんとか戦えそうね」
オウガ・オリジンの顔が不愉快そうに歪む。とも子を叩き潰そうと拳を振り上げた瞬間、レイノーアが動いた。再び槍を構えて突進、その一撃をオウガ・オリジンは再び歯で受ける。破砕音、槍の穂先がオウガ・オリジンの歯を砕き、口の中を切り裂く。オウガ・オリジンが苦痛に悲鳴を上げた。
「馬鹿なっ、さっきの一撃とまるで違う。 これほど急激に成長できるはずがないっ! ……まさか、貴様!」
オウガ・オリジンが睨みつけたレイノーアの姿。数多の竜王の力を全身に纏い、その力を操る彼女の姿は、先ほどよりも明らかに身長が伸び、開いた目にはいくつもの戦場を勝ち抜いてきた騎士の眼力が宿っていた。
「なるほど。我が祖より受け継いできたものを使いこなすことを想像しましたが、こうなりましたか。なかなか面白いですね。それでは存分にやらせてもらいます!」
「貴様っ、利用したな! わたしの現実改変ユーベルコードをっ!」
「その通りだとも」
言葉と同時、オウガ・オリジンに向けて無数のギロチンの刃が降り注いだ。
「この力、思う存分使わせてもらうぞ……わたし」
そう語るのは、もう一人のオウガ・オリジン。変身したとも子だ。その姿を見てオウガ・オリジンが目を血走らせる。
「このわたしをっ……コケにしたなぁっ!」
「我がノックス家が受け継いできたこの力こそ最強。行きます!」
「いかに強いイマジンモンスターであろうと、想像主であるわたしには勝てない!」
オウガ・オリジンへとギロチンの刃を放つとも子。飛来する白刃を力任せに叩きおとしオウガ・オリジンはとも子へ肉薄。彼女を捕らえようと手を伸ばす。そこへレイノーアが突進。槍の一撃で腕を弾き飛ばすと、クルリと身を翻し石突でオウガ・オリジンの目を打つ。思わず目を抑え悶えるオウガ・オリジンの背中へとも子が再びギロチンの刃を放つ。命中の寸前、オウガ・オリジンの背中に口が生まれ、ギロチンを刃を受け止め噛み砕いた。オウガ・オリジンが嗤う。
「やはりわたしの方が――このイマジン・モンスターの方が強い。思い知らせてやるぞ、偽物め!」
とも子へと目標を定め執拗に彼女へ殴り掛かり、隙を見て食らいつこうとするオウガ・オリジン。とも子もギロチンの刃などで反撃するが受け止められ、叩き落される。反撃とばかりにふるわれたオウガ・オリジンの拳を受けて、とも子の体が大きく吹き飛ばされる。
咄嗟に踏み込んだレイノーアの一撃が、オウガ・オリジンの追撃を防ぐ。その隙に立ち上がるとも子、その口の端には薄い笑みが浮かんでいた。そう、これもまた彼女の計画通り。
「ああ全くだ。わたしは――オウガ・オリジンはイマジン・モンスターと戦えば負ける」
それは一匙の毒。オウガ・オリジンに刻み込む敗北のイメージ。オウガ・オリジンはそのプライドの高さから咄嗟にそれを否定しようとした。
「違う! わたしはっ、この世界でもっとも尊く、強い!」
「もしもイマジン・モンスターを制御できなくなれば、負けるのはオウガ・オリジンの方だ」
言葉とと共に、とも子はオウガ・オリジンへとギロチンを放つ。
「違うっ! 私は無敵、勝つのは、私だ!」
オウガ・オリジンが言い放った瞬間、ギロチンの刃が鋭さを増し巨大化。受け止めた口ごとオウガ・オリジンの体を切り裂く。
オウガ・オリジン自身が想像してしまったのだ。イマジン・モンスターに勝てるオウガ・オリジンを。オウガオリジンの想像力がとも子の力を強化していた。
思わず一歩後ずさったオウガ・オリジンの懐にレイニーアが飛び込んだ。勢いのままの刺突で胸に生えていた口を貫き、石突の一撃で脇腹の顔を砕く。反撃にふるわれたオウガ・オリジンの拳の前に左腕を差し出す。命中の瞬間、レイニーアがまとうオーラが実体化、かつて彼女の祖先が契約した竜王の前肢に変じオウガ・オリジンの拳を受け止める。そのまま受け流すように身を翻して後ろ回し蹴り。オウガ・オリジンの巨体が飛んだ。
木々をなぎ倒しながら倒れ込むオウガ・オリジン。そこへとも子がギロチンを放ち、レイニーアが手にした槍を投擲する。
2人の同時攻撃、受け切れるのは一つ。
「首を落とされるわけには、いかんっ!」
喉元を切り裂こうとするギロチンを、オウガ・オリジンは両手で掴み受け止める。そして、槍が突き刺さる痛みに備えて身を強張らせ、その耳元で竜が羽ばたく音がひびいた。
レイニーアが投げ放った槍が仔竜へと姿を変えて高く飛び上がっていた。向かう先は上空を羽ばたく主の手元。竜王の巨大な翼を広げ、オウガ・オリジン目掛け急降下するレイ―アの手の中で、仔竜が再び一条の槍となった。
よけようと起き上がりかけたオウガ・オリジンの前で智子がパチリと指をならし、ギロチンの刃が厚みを増し、オウガ・オリジンの体にのしかかった。
身動きを封じられたオウガ・オリジンを目掛けてレイニーアが上空から急降下。直撃、オウガ・オリジンの体をレイニーアの槍が刺し貫く。悲鳴、ついで破裂音――音速を越えた一撃が空気の壁を破り衝撃波となって周囲の地形を吹き飛ばした。
やがて砂煙の中から姿を現したのは、イマジン・モンスターへの変身がとけ傷ついたオウガ・オリジン。とも子とレイニーアをにらみつけるその瞳には、未だ怒りと闘志が宿っていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラブリー・ラビットクロー
クロゼf26592と
クロゼの事はししょーと呼ぶ
さいきょーの姿
それは
らぶのししょー
いつもはゴロゴロしてて
あー体痛いーとか言ってて
あとずっとゴロゴロしてるけど
ホントはすっごい強いしょーにんなん!
細身だけど(多分)筋肉質で
切れ長(だったかな?)の目でこー言うの
『後は僕に任せて。大丈夫。僕は“死の商人”だからね』
かっこいー!
(※本人とはかなり異なります)
●
王様ネズミと共闘?仕方ないな
僕は商売敵には容赦しないよ
だってそうだろう?このセカイも僕のお客さんなんだからね
まるで止まって見えるな
普段ゴロゴロしてるのはこういう日の為に力を温存してたんだ
ではお返しさ
おいで
僕の首刈り兎【ボーパルバニー】
あいつの首を獲れ
クロゼ・ラビットクロー
ラブリー(f26591)と
ラブリーのことはラビィと呼び普通の口調
他の人には敬語。混ざっても問題無し
ラビィの変身を見て絶句した。
過大評価にも程があるが、
あれはあくまで彼女が想像した僕である。
さて、地球にはアレチネズミという生物がいる。
この生物がアポカリプスヘルの過酷な環境に
適応して進化した亜種が大砂ネズミだ。
体長は150cmにもなり群れで戦う。
ラビィの【宿敵】でもあるらしい。
更にその中には群れを率いる強力なボス個体、
通称“王様ネズミ”が存在する。
遭遇したことはないが多分すごくデカくてすごく強い。
前足で敵を叩き潰したり、群れに命じて
蹂躙したりするに違いない。
この王様が僕の考える最強の姿だ。
爆風に揺れる森の中、偽装した小型戦車からガスマスクをかぶった二人の猟兵がオウガ・オリジンの様子をうかがっていた。
「今の一撃でも生きているのか、あきれた頑丈さだね」
と、クロゼ・ラビットクロー(奇妙なガスマスクの男・f26592)がうんざりしたように言えば助手席のラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)がこくこくとうなずく。
「だいじょーぶ、らぶとししょーならやっつけられるんな。セカイのピンチを救うのん」
「はいはい、それじゃあそろそろ変身しようか」
言って戦車を降りたクロゼの姿をラブリーがじっと見つめる。訝しむクロゼの目の前でラブリーの姿が歪む。
――さいきょーの姿、それは らぶのししょー。いつもはゴロゴロしてて、あー体痛いーとか言ってて、あとはずっとゴロゴロしてるけど……。ほんとはすっごい強いしょうにんなん!
そしてラブリーは彼女のししょー――クロゼへと変身する。が……。
――んー、ししょーの体は細身だけど(多分)筋肉質でー。確か切れ長(だったかな?)の目で……。こんな時にはびしっと決める(ような気がする)!
「それじゃ、後は僕に任せて。大丈夫、僕は“死の商人”だからね。オブリビオンフォーミュラ如きに遅れは取らないさ」
妄想と乙女心のままに、やたらイケメンなクロゼに変身したラブリーの姿を見て、当の本人は硬直して絶句。過大評価にもほどがある、と内心で頭を抱える。
なお、ラブリーの方はと言えば、『ししょーかっこいー!』とご満悦だったという。
クロゼも頭を振って最強の姿をイメージする。故郷では見慣れた姿、アレチネズミがアポカリプスヘルの過酷な環境に適応した亜種、大砂ネズミ。人の子供よりさらに巨大な体躯を持ちながら、彼らは群れで行動する。
――そして、その群れを率いるリーダー。強大なボス個体、王様ネズミ。それこそが僕の考える最強の姿だ。多分すごくでかくて、すごく強い!
クロゼの全身を針のような体毛が覆い、肉体が膨れ上がった。クロゼが変身した王様鼠の体躯は隣の小型戦車に勝るとも劣らぬ巨体。そうして鼻面を天に掲げ超音波の鳴き声を挙げれば、あるいは木々の梢から、あるいは茂みの奥から、赤く目を光らせた大砂ネズミたちが現れる。もちろん元々そこにいた、というわけではない。王様ネズミは部下を呼べるというクロゼの想像力の産物である。
「やれやれ、王様ネズミと共闘かい? まあ世界の危機だ仕方ないな――遅れるなよ!」
言うや否やラブリーは小型戦車を急発進。エンジン音をとどろかせながら、オウガ・オリジンへと小型戦車を走らせる。クロゼもまた大砂ネズミたちを引き連れ、それに続く。
「この音は――猟兵、新手かっ!」
振り向いたオウガ・オリジンが目にしたものは全速力で突進してくる小型戦車と、戦車並みの巨体を持った王様ネズミ、そして地を黒く染めるほどの大砂ネズミの群れ。
さすがのオウガ・オリジンが一瞬顔を引きつらせるが、すぐにイマジンモンスター、ウサギの騎士へと姿を変えると、逆にクロゼ達へ切り込む。
クロゼが巨体を跳躍させ、ラブリーが小型戦車を急カーブ。直後、オウガ・オリジンの剣閃が走り、二人がいた空間を切り裂く。ラブリーが小型戦車から機関銃を連射、飛び退いたオウガオリジンの頭上へクロゼが落下するように前足を叩きつける。オウガ・オリジンの体が浮き飛ぶが、浅い。
小回りが利かないと見て取ったオウガ・オリジンはラブリーの操る小型戦車を切り裂こうと連続で切りかかる。ラブリーはアクセルとハンドルさばきで、その斬撃を一つ二つと凌いで見せて、三太刀目。上段から切りかかるオウガ・オリジンに向けてラブリーは車体を急スピンさせながら突進。車体後部の装甲版でオウガ・オリジンの剣を逆に弾き飛ばす。
「遅い、遅い。まるで止まって見えるな。普段ゴロゴロしてるのはこういう日の為に力を温存してたんだ。――ではお返しさ」
言葉と同時に装甲版が解放。現れたのは巨大なレーザーキャノン。その照準は既にオウガ・オリジンをロックオンしていた。発射、零距離から放たれたレーザービームが、オウガ・オリジンの肩を灼く。悲鳴を上げて悶えるオウガ・オリジンを見据え、ラブリーが言う。
「生憎、僕は商売敵には容赦しないよ。だってそうだろう? このセカイも僕のお客さんなんだからね。君の商売もここまでさ」
即座にクロゼが咆哮をあげれば、大砂ネズミの群れがオウガ・オリジンへと殺到した。新たな剣を生み出し一頭二頭と大砂ネズミを切り捨てた所で、クロゼが丸太のような尻尾を叩きつける。衝撃にがよろめいたオウガオリジンに大砂ネズミが鋭い牙をむき出しにして食らいつく。
「おいで僕のボーパルバニー。あいつの首を獲れ」
ラブリーの言葉と共に小型戦車の戦闘AI――首狩り兎が起動。オウガオリジンをロックオンし、けん引していたトレーラーのミサイルポッドを発射体勢に。オウガ・オリジンが力任せに大砂ネズミを引きはがすと同時に、六連装ミサイルを解き放つ。
オウガ・オリジンは初弾を躱し、二発目を両断、三発目四発目へ近くの大砂ネズミを投げつけて迎撃、初弾の爆風に乗って五発目を振り切り六発目。ぎりぎりまで引き付けながら、クロゼのもとへ疾走して身を翻す。ミサイルのセンサーはその急速な動きについていけず、クロゼの方へと標的を変える。それでもなお、ラブリーは不敵に笑う。
「そうくると思ったさ、すべては読み筋――ししょーならここから何とかしてくれるんな!」
――いや期待が重い!!
通じないと分かりながら抗議の鳴き声を上げるクロゼ。向かい来るミサイルを見据えて腹をくくる。
――けれどまあ、やって見せるさ!
ミサイルをギリギリまで引き付け跳躍、そしてそのままミサイルにしがみついて飛行する。体重移動で軌道を捻じ曲げ、オウガオリジンの背へとミサイルを走らせる。気付いたオウガ・オリジンが逃げ出そうと背を向けるが、その足元を大砂ネズミたちが纏わりつき、動きを封じる。彼女の頭上をミサイルが通過する直前、クロゼはミサイルの上から大きく跳躍、その衝撃でミサイルの軌跡が一気に下を向き振り向いたオウガ・オリジンの顔に直撃。
着地するクロゼの背後でミサイルの爆炎がオウガ・オリジンの体を包み込む。その光景を見て、素に戻ったラブリーが両手を上げて喜んでいた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
お任せプレ。お好きに。
汝が為したいように為すがよい。
最強ね、それならカートゥーンアニメのキャラが最強だと思うわ。不死通り越して不滅だし、封印されても次のシーンではなかったことにできるしねぇ。
なのでラビットちゃんの霊を降霊してセクシーバニーさんなカートゥーンキャラに変身するわよ☆で、ブラックユーモア系カートゥーンアニメ的な理不尽な悪戯(神罰)で攻撃するわ。切り刻んでも復活する?なら料理して捕食しちゃばいいわよね☆
ちなみに私はギャグ補正(継戦能力/限界突破/リミッター解除)で其々に再生して分裂したり、喰われても悪霊だからそのまま憑依(降霊)して乗っ取ったりできるわよ♪
ホラーよりギャグのが強いわよ♡
「くそっ! くそっ! 猟兵どもめ、この世界で最も尊いわたしをここまで追い詰めるとは……。腹立たしい! 腹が減った!」
度重なる攻撃に傷つきながらもオウガ・オリジンは未だ健在。八つ当たりの様に脇の木を蹴り倒す。
「あらあら、悔しがるにはまだ早いわよ? これからあなたは、アタシに負けるんだから」
そう声をかけたのは、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)。既に変身を済ませて、妙にセクシーなバニー姿である。オウガ・オリジンもまたピエロの姿へ変身しながら、アリスの姿を笑う。
「なんだその姿は。そんなものでこの私に対抗できると思うのか」
「あら、分かっていないのね。この姿の恐ろしさに。いいわ、じっくりと教えてあげる♪」
アリスが微笑んだ瞬間、彼女の喉元にトランプが突き立った。血を流し倒れ込むアリスの目の前でオウガ・オリジンの口が耳元まで大きく開き、ガブリとアリスを丸のみにする。
「ふう、少しは腹の足しになる。しかし妙な味だな。 ん、痛っ! 背中が痛いっ! なんだこれはっ!?」
背中に手を回したオウガ・オリジンの指先が触れたのは小さな金具、チャックだった。まるで着ぐるみの背中についているような。
そしてオウガ・オリジンの手が彼女の意に反してチャックを下げ、着ぐるみを脱ぐようにアリスがオウガ・オリジンの体から抜け出す。
脱ぎ捨てたオウガ・オリジンの体をつまみ上げてアリスが笑う。
「これこそが最強、カートゥーンアニメの力よ。ふふっホラーよりギャグのが強いわよ?」
言葉と当時にアリスはオウガ・オリジンを蹴り飛ばす。オウガ・オリジンは空中でイマジンモンスターへと再変身しアリスへと飛び掛かる。たちまち二人の周囲を砂煙が包みこみ、響く打撃音とオウガ・オリジンの悲鳴。なぜだか飛び散る星。ひょいと砂煙からアリスが飛び出し、未だ砂煙の中で暴れまわるオウガ・オリジンへと巨大なハンマーを振り下ろす。
頭の周りに星を飛ばしながら目を回すオウガ・オリジン、アリスは巨大ミキサーに玉ねぎや小麦粉諸共オウガオリジンを叩き込んでスイッチオン。出来上がったペーストをボウルで捏ね上げて形を整え、フライパンで両面を炒めハンバーグステーキに。
「切り刻んでも復活するなら、こうして食べちゃえばいいわよね」
いっただきまーす♪ と、手を合わせハンバーグを味わい顔を綻ばせるアリス。彼女の背後、半身を囮にしてぎりぎりでミキサーを脱出していたオウガ・オリジンがほうほうの体で逃げ去っていった。
成功
🔵🔵🔴
四王天・燦
妖刀・神鳴の力を解放し自身を依代に雷様と化す―
これが知る限りの最強
雷
神
降
臨
電電太鼓を背負い空飛ぶ雷雲に立つ
異様なテンション、荒々しい男言葉に様変わり
童がねじ伏せられるならやってみい
ドカドカ雷を落として牽制
この国諸共塵芥にしてくれる
知っておるか?
人体は電気信号で動くのだ
自身に電気を流し、思うままに限界突破してオリジンの速度・反応を超越する
雷撃より剣が本命
儂が儂の為に神鳴を創ったのだ
封印二段解除の殺戮剣舞を冥途の土産に死ねい
これが達人、否、達神剣術の極みぞ
この体は良いな
邪魔な胸もなく本来の儂より使いやすい
雷様の性別を垣間見せつつ自我を取り戻すぜ
マジで神鳴解放をやったら確実にアタシが消滅するわ…てね
「バカな……、何なのだあいつらは。あんなどこの馬の骨ともわからぬ連中がこのワタシの想像力を超えているというのか、あり得ない! 早く、早くアリスを食らい、傷を癒さなくては」
全身傷だらけの体を引きずりながらオウガ・オリジンが森の中を歩んでいく。その背中に向けて、剣閃が走った。ばっと赤い血が宙を舞い、跳び退ったオウガ・オリジンが見たのは、剣撃の主――四王天・燦(月夜の翼・f04448)が雷を纏った妖刀・神鳴を構えた姿。
「猟兵っ、追ってきたかっ!」
「そうさ。これ以上アリスたちをお前の犠牲にはさせない。ここで仕留めさせて貰うよっ!」
瞬間、二人の姿が同時に歪む。オウガ・オリジンが変身したのはイマジンモンスター、ウサギの騎士。一方、燦は全身に黒い雲を纏い姿を隠す。合わせるように空に入道雲が湧き上がり、遠く雷の音が鳴り始める。
やにわに暗くなった空の元、燦が身に纏う黒い雲に目掛けて切り込むオウガ・オリジン。瞬間その体を雷が打った。ギャッと一声叫んで、身をすくめたオウガオリジンの目の前で、黒い雲が宙に舞い上がる。あたりに鳴り響く雷電太鼓。今や入道雲が天を覆い、辺り一面が滝のような大雨。雷雲の上、仁王立ちで笑うのは、その身に雷神を宿した燦。
「はーっはっはっ! どうした小童。その程度で己が最も尊いなどと、井の中の蛙にもほどがあるわ!」
オウガ・オリジンは近くの木の幹を利用し大きく跳躍、空中の燦に向けて切りかかる。その一撃を妖刀で凌ぎ、燦は反撃の回し蹴り。オウガオリジンは腕をクロスさせて凌ぐがそのまま空中へ投げ出される。そこへ稲妻が落ちた。
「童が! この儂をねじ伏せられるものならやってみぃ。この国諸共、塵となるまで焼き尽くしてくれる!」
荒れ狂いほとばしる稲光が、オウガ・オリジンを、周囲の木々を焼く。逃れようとオウガ・オリジンが飛び移った木が雷に打たれ地に倒れる。投げ出され何とか立ち上がったオウガ・オリジンへと、地に降りた燦が切っ先を向ける。一足一刀、一太刀で切り捨てられる間合いである。
「観念せい、儂の民をかどわかし喰らった罪、贖ってもらうぞ」
「何が罪だ! 私は、始まりのアリス――すべてのアリスを喰らうものだ!」
叫びと同時、オウガ・オリジンが飛び掛かろうとした瞬間、燦の姿が消えた。一瞬後、オウガ・オリジンの背後に現れた燦が妖刀を鞘に納める。
「……度し難いのう」
同時に、無数に切り刻まれたオウガ・オリジンの全身から血が噴き出す。
「馬鹿な……。見えなかっ、た」
倒れ伏すオウガ・オリジン。そこへ引導を渡すように燦が口を開く。
「元よりこの『神鳴』は儂が、ワシ自身のために鍛えた太刀。ワシの達神剣術の極み――殺戮剣舞を冥途の土産に、骸の海へと沈むが良い。しかし、この体は良いな。邪魔な胸もなく本来の儂より使いやすいわい」
オウガ・オリジンの体が消えていくと同時、燦の姿が歪み、彼女自身の姿へと戻る。
「ふうう、怖かったぁ。マジで神鳴解放をやったら確実にアタシが消滅するわ……。この国以外じゃ絶対にできないわね」
ほっとしたように息をつく燦の姿を太陽が照らす。雨が上がり、空には虹が出ていた。
こうして猟兵たちは、アリスラビリンスの平和をまた少し取り戻したのだった。
成功
🔵🔵🔴