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迷宮災厄戦㉒~クルセイダー

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #クルセイダー

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●アリスラビリンス
「すべては『ぱらいそ預言書』の思し召し……。故に、私は間違わない。私の考えは、ぱらいそ預言書に基づくモノ。故に、私こそが正義。私は選ばれた。世界の間違いを正すため……。私は戦わなければならない」
 猟書家『クルセイダー』が虚ろな表情で、しばし虚空を見上げた。
 すべては『ぱらいそ預言書』の思し召し。
 目を閉じれば、聞こえてくるのは、天の声。
 滅ぼせ、滅ぼせ、すべてを滅ぼせ……。
 お前には、その権利がある。
 それこそ、お前の使命ッ!
 故に、考えるな。
 我の言葉に従え……心に声に!
 それは単なる幻聴であったが、クルセイダーにとっては、神の声。
 内なる神が叫んでいるようなモノだった。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明した。
 今回の目的は、猟書家『クルセイダー』を倒す事。
 クルセイダーは白い十字架が立ち並ぶ純白の草原を拠点にしており、サムライエンパイアを狙って侵攻を開始しようとしているようだ。
 ただし、クルセイダーは自らの行いが正義であると信じ込んでおり、決して間違った事をしているとは思っていないようである。
 そのため、邪魔をする者は、すべて敵。
 例え、誰であろうと悪しき存在と言う認識なので、色々な意味で注意しておかねばならない。
 そう言った事を踏まえた上で、クルセイダーを倒す事が今回の目的である。


ゆうきつかさ
 この依頼は戦争シナリオです。
 敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくるので、対抗手段を考えておきましょう。
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第1章 ボス戦 『猟書家『クルセイダー』』

POW   :    十字槍「人間無骨」
【十字型の槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【体内の骨を溶かす光線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    侵略蔵書「ぱらいそ預言書」
【預言書に書かれた未来の記述を読むことで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    『魔軍転生』秀吉装
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。

イラスト:kawa

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒川・闇慈
「自分が正義だと信じる宗教家ほど始末の悪い手合いもおりませんねえ。クックック」

【行動】
wizで対抗です。
先制攻撃への対処ですが、大量の秀吉による物量攻撃のようです。ですのでブラックシェードとホワイトカーテンの防御魔術を起動し、全方位に球状の防御障壁を展開しましょう。オーラ防御、激痛耐性、覚悟の技能をもってしのぎましょうか。
防御で時間を稼ぐ間に高速詠唱、全力魔法、範囲攻撃の技能を活用しUCを使用します。攻撃対象はまず秀吉。範囲攻撃で秀吉を掃討したらクルセイダーを攻撃しましょうか。余さずに切り刻んで差し上げますよ。

「信心深いというのも考えものですねえ。クックック」

【アドリブ歓迎】


月舘・夜彦
猟書家達が世界各地を目指す理由が如何なるものであれ
その先にその世界の滅亡を狙うのであれば
貴方を通す訳にはいかないのです

此方が仕掛ける攻撃を読んでいるようですが完全ではないようです
預言書の記述から行動を予測、つまりは己で考えた上で回避している
それならば予測を上回るまで

初撃の段階でダッシュして接近
2回攻撃を基本とし、躱し難くなるようなぎ払い
ユーベルコードはまだ使用せず敵の動きを確認

敵からの攻撃は視力により攻撃の軌道を読み、残像と見切り
躱し切れないと判断すれば、武器受けにてその場で防御
負傷は激痛耐性にて耐える

初撃の回避後、東雲を召喚
攻撃をしながらジャンプして彼に騎乗
人馬一体の戦術、予測はできましたか


空桐・清導
侵攻するクルセイダーの前に立ちはだかる。
「お前の正義は、俺が止める。」
十字型の槍の構えを見て、突く方向を予想する。
(勝負は一瞬、初撃を避ける・・・!)
[覚悟]を決め、クルセイダーに向かって走る。
迫りくる槍を[気合い]で見切り、
[スライディング]で股下をすり抜けて躱す。
躱した先で[勇気]を爆発させ、UCを発動。
高速で宙に浮くことで無理やり攻撃の体勢になる。
クルセイダーが振り返る前に[力を溜め]、拳を握る。
「たとえ俺が悪だとしても、誰もが笑える明日ために俺は戦う!!」
彼の意志は激しいオーラとなり、速度の[限界を突破]する。
「超必殺!!プロミネンス・インパクト!!」
装甲が赤熱化するほどの速さで殴る!


上野・イオナ
魔軍将を従えるとか言ってた気がするしコイツを逃したらコルテスがまた出てくるのかな?
アイツが来るならもう1回ぐらい殴っときたいけど
まぁいいや、今は目の前の敵に集中!
クルセイダー!君の速読見せてもらうよ!
敵UC【侵略蔵書「ぱらいそ預言書」】に対して
UC【バトルキャラクターズ】使用
色んなキャラクターを召喚し
適当に何体か合体させて強さをまちまちにした後、それぞれ連携とか考えずに攻撃開始!
様々な攻撃パターンを予言書から読んで、それぞれの対処法や優先順位の決定、
君の処理能力は追いつくかな?

※アレンジ・連携大丈夫です


黒髪・名捨

やれやれだぜ。
戦いも終盤って感じだ。ここが踏ん張りどころ…ってか?


当たらなければどうということはねーッ
『存在感』を消し『闇に紛れる』+『迷彩』で姿を隠し見えずらくし、『読心術』+『見切り』で槍の機動を見極め、オレの『第六感』を頼りに回避する。
そこかッ(ティキーン!)


よし、反撃開始!!
『マヒ攻撃』の毒を仕込んだ、長い髪の毛を振り回し、足元を『なぎ払い』『体勢を崩す』ことで猟書家の動きを止める。

よし。槍には…槍だッ。
アーラーワルを『槍投げ』し『串刺し』にし幻爆を起動し『焼却』する
あばよッ!!


真宮・奏
あ、秀吉のお孫さんですか。お爺様に似ていませんね?サムライエンパイアに戦乱はいりません。

飛んでくる物に何だか既視感があるんですが、大人しくそのまま喰らう訳にはいきませんので、【拠点防御】【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】でダメージを軽減して、【衝撃波】で敵を吹き飛ばします。更に煌く神炎で吹き飛ばしきれなかった秀吉を吹き飛ばしながら隙をみて1つの炎にして盾にして一気に接近、【グラップル】【怪力】で思い切り殴ります!!敵はオブリビオンフォーミュラにもなれる強敵、手は抜けませんので!!


バーン・マーディ
…正義…正義か
ならば…我が往かぬ道理無し

我はバーン・マーディ…悪…いや
こう名乗ろう
リバースクルセイダーである

対WIZ
【戦闘知識】で秀吉の陣形把握
【オーラ防御】展開
ダメージの軽減を図る
【武器受け・カウンター・怪力・二回攻撃】で薙ぎ払い殲滅


喜ぶがいい
我は悪…正義という名の狂気の信奉者よ

悪にもまた正義があると知るが良い

貴様の正義はここで粉砕する!

ユベコ発動!

先の技能に【生命力吸収・吸血】を加えての猛攻
魔剣と車輪剣で切り裂き喰らい付いて血を啜る

貴様は神を信奉していたな?
喜ぶがいい
今貴様は神の血肉へと至っているのだ(とはいえ本人は極めて不本意

滅びを正義と語るならば
貴様自身が滅び正義を示すがいい!!!



●白い十字架が立ち並ぶ純白の草原
「まさか私の邪魔をする者がいるとは……。これも神の与えた試練か。ならば乗り越えねば……。私の正義を貫くために……」
 猟書家『クルセイダー』が虚ろな表情を浮かべ、十字型の槍で地面を叩いた。
 次の瞬間、クルセイダーの殺気が爆発しそうな勢いで膨らみ、まるで刃物の切っ先を喉元に突きつけられているような錯覚に襲われた。
「お前の正義は、俺が止める」
 それでも怯む事なく、空桐・清導(人間のアームドヒーローにしてスーパーヒーロー・f28542)が、クルセイダーの前に立ち塞がった。
「やれやれ、何も分かっていない。これはすべて『ぱらいそ預言書』に書かれている事。それに従って、私は行動しているだけだ。それなのに、こんな事をして、許されると思っているのか?」
 クルセイダーがイラついた様子で、嫌悪感をあらわにした。
「別に許して貰おうとは思っていない。それどころか、罪とも思っていない。我はバーン・マーディ……。悪……いや、リバースクルセイダーである」
 そんな中、バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)が、名乗りを上げた。
「リバースクルセイダー……? 聞いた事が無いな。そもそも、散りゆく者の名など知りたくもない。私は私の正義を貫くのみ」
 クルセイダーがまったく興味がない様子で、さらりと流した。
 そんな事より、猟兵達を倒して、先に進む事しか考えていないようだった。
「自分が正義だと信じる宗教家ほど始末の悪い手合いもおりませんねえ。クックック」
 黒川・闇慈(魔術の探求者・f00672)が何やら察した様子で、不気味な笑みを浮かべた。
「何か勘違いをしているようだが、私ほど正しい考えの持ち主は、この世にいない。それが分かっていて、そんな寝言を言っているのか」
 クルセイダーが、こめかみを激しくピクつかせた。
 それだけ、クルセイダーは、自分の正義に対して、プライドを持っているのだろう。
 その証拠に、自らの正義を否定されるたび、全身から黒い感情が噴き出し、まわりを飲み込む勢いで漂い始めていた。
「猟書家達が世界各地を目指す理由が如何なるものであれ、その先にその世界の滅亡を狙うのであれば、貴方を通す訳にはいかないのです」
 それでも怯む事なく、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)が陣取った。
「愚か、愚か。実に愚か。神の言葉に耳を傾けず、私の正義を否定するとは……。これは必要な犠牲であって、決して無駄にはならない。すべては『ぱらいそ預言書』の思し召し。輝かしい未来に繋がるモノなのだ」
 クルセイダーが瞳孔の開いた眼で、自らの正当性を訴えた。
 自らの行いこそ、正義であると信じているため、何を言われても、その考えがブレる事はない。
 むしろ、自分だけが正しいと思い込んでいるらしく、猟兵達に対して凄まじい敵意が向けられていた。
「だからと言って、サムライエンパイアに戦乱を持ち込んでいい理由になりません。本当に、それが正しい事だと思っているのですか?」
 真宮・奏(絢爛の星・f03210)が、クルセイダーに問いかけた。
「ああ、もちろん。その通りだ。そのためであれば、どんな犠牲も厭わない。これも、すべてサムライエンパイアのためなのだから……!」
 クルセイダーが苛立ちを隠せない様子で、猟兵達に対して吠えた。
 すべては『ぱらいそ預言書』に書かれていた事。
 その予言を信じていれば、何の間違いもないと思い込んでいるようだった。
「やれやれだぜ。まあ、戦いも終盤。ここが踏ん張りどころ……ってか?」
 黒髪・名捨(記憶を探して三千大千世界・f27254)が、深い溜息を漏らした。
 ここまで来ると、話をするだけ、時間の無駄。
 まるで『ぱらいそ預言書』に取り憑かれているような感じになっているため、話にすらならなかった。
「まぁいいや、今は目の前の敵に集中!」
 そう言って上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)が自分の頬を両手で叩き、自分自身に気合を入れた。
 ここで迷っている時間はない。
 このままクルセイダーを放っておけば、サムライエンパイアの世界に攻め入る事は間違いないのだから……。
「それについては、同意見だ」
 クルセイダーが『ぱらいそ預言書』をめくり、そこに書かれていた未来の記述を読み進めた。
 そこには、これから起こるであろう出来事が、事細かに書かれていた。
「クルセイダー! 君の速読、見せてもらうよ!」
 すぐさま、イオナが【バトルキャラクターズ】で、額に1と刻印された戦闘用ゲームキャラクターを76体召喚し、次々と合体させた。
「無駄な事を……。例え、何百体出そうが、同じ事だ」
 クルセイダーが冷めた目つきで、ゲームキャラクター達をジロリと睨んだ。
 それが引き金となってゲームキャラクター達が次々と攻撃を仕掛けてきたが、クルセイダーには一発も攻撃が当たらない。
「なかなか便利なモノのようですが、それならば予測を上回る行動をするまでです!」
 その間に、夜彦がダッシュで距離を縮め、クルセイダーに攻撃を仕掛けていった。
「いくらやっても無駄だ。すべて、この本に書かれているのだから……」
 クルセイダーが落ち着いた様子で、十字の槍を振り回した。
 しかも、その攻撃は夜彦が作り出した残像を無視して、本人の間近まで迫ってきた。
「……ク!」
 その攻撃を間一髪で避けたものの、あと数秒遅れていれば、夜彦の心臓を貫いていたレベル。
 それを防ぐ事が出来たのは、ある意味で奇跡と言えた。
 だが、クルセイダーの快進撃も、そこまでだった。
 既に限界、キャパオーバー。
 身体のあちこちが悲鳴を上げ、先程よりも動きが鈍くなっていた。
 そのため、いくら『ぱらいそ預言書』に未来の記述が書かれていても、身体が追いつかないような状態に陥っていた。
「どうやら、君の処理能力も限界のようだね?」
 そんな空気を察したイオナが、ゲームキャラクターと連携を取りつつ、クルセイダーをボコって、ボコって、ボコりまくった。
 それは攻撃と言うよりも、袋叩きという言葉に実にシックリ来るほど、容赦がなかった。
「来たれ、東雲」
 次の瞬間、夜彦が【東雲(シノノメ)】で赤毛の馬を召喚し、勢いよく飛び乗って、クルセイダーに体当たりを食らわせ、天高く弾き飛ばした。
「うわああああああああああああああ!」
 それはクルセイダーが星になって輝くほどの勢いだった。
「うぐ……ひっく……」
 そのため、猟兵達の所に帰ってきたのは、数十分後。
 途中で迷子になったのか、身も心もズタボロになりながら、泣きじゃくりながら戻ってきた。
「どうやら、貴様らを甘組み過ぎてしまったようだな。ならば私も本気を出すだけだ」
 その事を誤魔化すようにして、クルセイダーが八つ当たり気味に、十字の槍を握り締め、猟兵達に襲い掛かってきた。
(……怒りで我を失っているのか。本来であれば、強力な攻撃だが、これでは……)
 清導が複雑な気持ちになりつつ覚悟を決め、迫りくる十字の槍を気合で見切ると、スライディングで股下を擦り抜けた。
「……んな!」
 その事に驚いたクルセイダーが、キョロキョロと辺りを見回した。
「おいおい、何処を狙っているんだ? そんなに殺気を剥き出しにしていたら、当たるもんも当たらねーぞッ!」
 それと同時に、名捨が存在感を消して闇に紛れ、迷彩を施して姿を消し、読心術と見切りで槍の軌道を見極め、第六感を頼りに間合いを詰めた。
「俺は、ここだ! 例え、俺が悪だとしても、誰もが笑える明日ために俺は戦う!! 喰らえ、必殺! 超必殺!! プロミネンス・インパクト!!」
 次の瞬間、清導が【スーパー・ジャスティス】で自らの意志を黄金のオーラに変えて、力を溜めた拳を握り、装甲が赤熱化するほどの速さで、クルセイダーをブン殴った。
 その一撃を喰らったクルセイダーの身体が宙を舞い、激しい音と立てて地面にめり込むようにして落下した。
「よし、反撃開始!!」
 それに合わせて名捨がマヒ毒を仕込んだ長い髪を振り回し、立ち上がろうとしていたクルセイダーを薙ぎ払い、体勢を崩して再び転倒させた。
「ふ、ふざけた真似を! こんな事をして、許されると思っているのかァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
 クルセイダーが殺気立った様子で、ケモノの如く吠えた。
 そこの追い打ちをかけるようにして、名捨がアーラーワルを投げてクルセイダーを串刺しにすると、【幻爆(ゲンヴァク)】で環境に安全な小規模核融合爆発を起こした。
「こ、こんな未来、預言にはァァァァァァァァァァァァァァァ!」
 次の瞬間、クルセイダーが悲鳴を上げ、崩れ落ちるようにして、地面に突っ伏した。
 だが、まだ……生きている。
 おそらく、普通であれば、死んでいた。
 しかし、クルセイダーは生きていた。
 これは、間違いなく……奇跡!
 神に愛されている証拠ッ!
 その事実に身体を震わせながら、クルセイダーが恍惚とした表情を浮かべた。
「……喜ぶがいい、正義という名の狂気の信奉者よ。我は悪ッ! 悪にも、また正義があると知るが良い。貴様の正義は、ここで粉砕する!」
 その隙をつくようにして、バーンがオーラ防御を展開しながら、クルセイダーに迫っていった。
「至福の時間を邪魔するとは……よほど死にたいようだな!」
 クルセイダーが殺気立った様子で、小型の戦闘用豊臣秀吉を大量に召喚した。
「フェンフェン!」
 召喚された小型の豊臣秀吉達は、両目をギラリと輝かせ、次々と猟兵達に襲い掛かってきた。
「これは、まさか……。ひょっとして、あなたは秀吉のお孫さんですか? よく見れば、お爺様に似てますね」
 奏が妙に納得した様子で、クルセイダーの顔を見た。
「ば、馬鹿にするなァァァァァァァァァァァァ!」
 その途端、クルセイダーが顔を真っ赤にして、ケモノの如く吠えまくった。
「フェンフェン!」
 それに応えるようにして、小型の豊臣秀吉達が興奮した様子で、一斉に襲い掛かってきた。
「ククククッ、図星……という訳ですねぇ」
 闇慈がブラックシェード(黒いコート)と、ホワイトカーテン(白いカード)の防御魔法を起動し、全方位に球状の防御障壁を展開し、小型の豊臣秀吉達の攻撃を防いだ。
 それに合わせて、奏が拠点防御、オーラ防御、盾受け、武器受け等を駆使しつつ、衝撃波で小型の豊臣秀吉を吹き飛ばした。
 続いて、バーンが力任せに連続攻撃を仕掛け、小型の豊臣秀吉達を倒していった。
「フェンフェン!」
 だが、小型の豊臣秀吉達は全く怯まむ事なく、何かに取り憑かれたように飛び掛かってきた。
「これは……手が抜けませんね」
 それを迎え撃つようにして、奏が【煌く神炎(キラメクシンエン)】で、神聖な霊気の白熱した煌き】の炎を放ち、小型の豊臣秀吉達を炎に包んだ。
 それでも、小型の豊臣秀吉達が火の玉の如く勢いで、奏に飛び掛かってきたため、燃えていない部分をガシィッと掴み、クルセイダーの顔面めがけて叩きつけた。
「……ぐはっ!」
 それはクルセイダーの顔が歪むほどの破壊力。
「……喜ぶがいい。今、貴様は神の血肉へと至っているのだ。そもそも、滅びを正義と語るならば、貴様自身が滅び正義を示すがいい!!!」
 それに合わせて、バーンが【ダーク・ヴェンジャンス】を発動させ、全身を漆黒の粘液で覆い、向かってきた小型の豊臣秀吉の顔面を鷲掴みにして、生命力を吸収すると、干物の如く干からびた小型の豊臣秀吉を吠えり投げ、魔剣「Durandal MardyLord」と車輪剣「ダイアモードR」で、次々と小型の豊臣秀吉を肉の塊に変え、大量の血をシャワーの如く浴びながら、クルセイダーに向かっていった。
「う、うう……」
 それはクルセイダーにとって、恐怖でしかない。
 まさに、悪魔。
 悪魔と呼ぶのに、相応しい存在。
 間違いなく敵、滅ぼすべき存在。
 その危機感から心臓が早鐘の如く高鳴っているが、その気持ちに反して身体が動かなかった。
 その間に、バーンが一気に距離を縮め、クルセイダーの身体を切り裂き、大量の返り血を浴びた。
「信心深いというのも考えものですねえ。余さずに切り刻んで差し上げますよ、クックック」
 それに合わせて、闇慈が【銀嶺に舞え斬翔の花弁(シルヴァリー・デシメーション)】を仕掛け、自らの武器を無数の敵を切り裂く液体銀の花びらに変え、クルセイダーの身体を切り刻んだ。
「ば、馬鹿な。こんな未来……書かれていない」
 それはクルセイダーにとって、受け入れ難い事実であったが、それを否定すら余裕なく、意識が深い闇の中に飲み込まれた。
 そして、クルセイダーだったモノは、自らが思い描いた未来を実現させる事なく、肉の塊と化すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月21日


挿絵イラスト