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雷哮皇

#UDCアース

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#UDCアース


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 まるで、夜かと錯覚するほどに暗い空。荒れた海は、白く弾けて渦を巻き、あらゆる命を噛み砕く顎とすら思える。
 そんな海岸のほとりにある洞穴で、祈りを捧げる人々。小さな漁村の多くの民が、雨風に打たれながら膝を付いて手を組み合わせ、神へと言葉を捧げる。
 そんな彼らを見下ろすように、遥か天空で雷光が輝く。僅かな間もなく轟く雷鳴は、それが彼らの正に頭上で起きていることが理解出来るだろう。
「雷哮皇様…どうか我らにお恵みを…。」
 雷哮皇様…雷哮皇様…十重二十重に重なる真言は重く、巌のように広がる。それを受けて進み出たのは、白無垢に身を包んだ女性。
 俯くその身一つで繁栄が約束されるならと。龍神の妻となることを買って出たその女性は、ゆっくりと天を仰ぎ見る。
 次の瞬間、雷鳴と共に天より下った蒼い龍がその身を一口に咥え込んでいった。

「雷哮皇…現地でそう呼称されているオブリビオンの活動が確認された。」
 グリモアベースに集った猟兵を見て、開口一番に叢雲・秋星(悪を削ぐ太刀・f02120)はそう告げた。
 太平洋に面した小さな島。漁業で成り立つ小さな村では、龍神への信仰が盛んだ。
「そも古来より、日本では水と龍神信仰は密接に関係しているものであり、それ自体には問題らしいことは無い。」
 問題は、その信仰対象である龍神がオブリビオンとして実在してしまっていることにある。
「この信仰対象である龍神…呼称名『雷哮皇』は、雷光を司どり空を駆ける龍の姿をしており、普段は天高くに居る存在だ。それが特定の周期、時期にこの島の周辺へと現れ島から供物を受けている。」
 この時、島周囲の海域は酷い嵐に見舞われ船も出せない状況に陥るらしい。かつて、その時に島へと現れた龍神――雷哮皇――に贄として若い女性を差し出したところ、その嵐が収まったという。それがこの島での龍神信仰の成り立ちらしい。
「とはいえ、その嵐そのものがこのオブリビオンによって引き起こされている事象に過ぎない。」
 供物…贄を受け取った後である現在は暫くは島にある半水没した洞穴に潜み、そして天空へと去りまたいずこかへと行くそうだが、それまでこの海域を航行する船舶や近隣の島、本土の町村にも甚大な被害を出すだろう。
 故に、討たねばならない。ならないのだが――。
「…島の人々は、多くが雷哮皇を信仰している。あまり、友好的な対応は望めないかもしれない。雷哮皇の潜伏している洞穴を探さねばならないが…なかなか難しいだろう。」
 自力での情報収集に頼る形となるが、もし島民の協力を上手く取り付けることが出来れば大きな進展が見られるはずだ。
「困難かも知れないが、宜しく頼む。」


宗嗣
 初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。宗嗣です。
 ドラゴン、いいですよね。浪漫ですよね!ですが今回のドラゴンは生憎の敵ですので、倒さねばなりません。

 漁村は閉鎖的と言うほどではありませんが、島民は皆さん顔見知りで龍を信仰してます。なので対応次第では判定が難しくなるかもしれません。(島民の心証を悪くする、などで)
 聞き込みなどのプレイングをされる方は、そのあたり注意して貰えると良いのではと思います。

 それではよろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『寂れた漁村』

POW   :    漁村を歩き回り、情報を探す。どんな時も、足で稼ぐ方法は有効だ。

SPD   :    漁村にある怪しい場所にあたりをつけ、そこを捜す。時には、手先を使う事態もあるだろう。

WIZ   :    住人と慎重に接触、情報を引き出す。相手と意思疎通できれば、可能なはずだ。意思疎通できれば……。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

榎木・葵桜
POW
旅行者に【変装】して、村を歩き回ろうと思うよ
【第六感】的に怪しいとこってある気がしてるので
できるだけ村全体を見て回って気になる所があればそこに重点を置いて【情報収集】する

村の人に遭遇したら丁寧に挨拶
風景写真が好きで、観光地じゃない場所をあっちこっち回っている事、
この村の雰囲気が好きだから少しの間写真を撮ったりさせてほしい、って伝えて
【コミュ力】【礼儀作法】で、できるだけ心象悪くならないように心がけるよ
撮影してはダメな場所とか言ってきたら、忘れないようにします、と言ってメモを取っておくね

さらに可能だったら【影の追跡者の召喚】も使用
会話した村人を対象指定し追跡して現在の村の情報も集めてみるよ


江戸川・律
◆罠使い 言いくるめ コミュ力 情報収集 世界知識 使用

UDC組織に身分偽造を依頼
島の民宿に事前に連絡を入れ
違和感が出ないように本島との定期便で上陸
民俗学部の大学生で卒業論文作成の為に
「竜神信仰」を調べている体で島に訪れます

島の偉い人に挨拶をして
色々聞いて回ることを了承得た後
普通に島を周り写真を撮ったり、神社や仏閣を訪れ見て回り
にこやかに島民の人達とあいさつを交わし交流します
暇になったら釣り竿を借りて防波堤で釣りをします

夜、民宿で島民の人達と一緒に食事をして
酒を飲みかわし、知っている民俗学の知識を披露しながら
それとなく「この島の竜神信仰」について話を聞きます
面白い話は聞けるかな?

アドリブ歓迎


ガルディエ・ワールレイド
雷の龍……か
俺の真の姿に少し似てるんで何となく興味は有るな

【POW】漁村を歩き回り、情報を探す
もし話しかけられたらレポートを纏めてる学生に偽装
信仰よりも田舎の生活自体を重視して題材にしてる形

ごく普通に信仰されてんなら、祠みたいな祈る場所、あるいは日常的に祈りを向ける方向とかが有るかも知れねぇ
そういった場所や方向がわかれば手がかりになる筈だ
必然的に村人の様子を伺うことになるが、ジロジロと見るような真似は控えて、可能な限り静かに動くぜ

同時に怪生物の痕跡(龍神本体か、その眷属の集団)が無いかも探るぜ
海沿いを中心に、普通の生物じゃ有り得ねぇような跡とか、そういう生物が身を潜めれそうな場所とかを探す



 旅行者風の装いに身を包んだ三人の男女が島へと降り立つ。年頃も近いことから学生の旅行か研究のためのレポート作成に来たように見えるかもしれない。
 勿論、三人ともが普通の学生ではない。それぞれがこの島のオブリビオンに対処するために訪れた猟兵だ。
「取り敢えずこれ、頼んで作って貰った身分証な。なんかあってもこれで乗り切れるだろ。」
 そう言って前以って用意しておいた三人分の身分証の内、女性と男性の一枚ずつを江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)は他の二人に手渡した。
「おう、助かるぜ。俺もレポート纏めてる学生に偽装しようとしてたとこなんだ、これがあれば話になってもやりやすいぜ。」
 礼を述べてにっと笑みを浮かべてガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)が応える。ガルディエもまた、律と同じように学生としてやってきたというカバーストーリーを用意していたので、この身分証は非常に助かる。
 より深く切り込むべく「龍神信仰」をテーマにした律と、怪しまれないように「田舎生活」を題材にしたガルディエだが、同じ島内を研究すれば自然と重なる部分は生まれてくるだろう。
「私もあって困る事は無さそうです。ありがとうございます。」
 丁寧に答えた榎木・葵桜(桜舞・f06218)は、手にしたカメラを見せて風景写真を撮って回る旅行者を演じようとしているのを二人に示す。レポートにも写真はあって損はない。これも身分を隠すには十分だろう。
「よし、それじゃ行くか。」
 それを見て、用意完了とばかりに律が二人を先導し、進みだした。

 村を見て回る三人だが、それぞれの立ち位置としては高い【コミュ力】や【情報収集】力を持つ葵桜と律が積極的に村人と話をし、ガルディエは周囲の光景や建物、異常の痕跡を探すように動くことになった。
「おや、島の外から来なさったのかい?珍しいねぇ。」
 畑仕事で冬野菜を収穫していた男性が、見慣れない三人に声を掛ける。疑うような様子はないが、物珍しい、という様子が見て取れる。
「こんにちは、ちょっと大学で民俗学を専攻している者でして、俺の卒論の研究で来たんです。こっちは専攻は違うんですが、同じく論文の研究で。」
「私は写真を撮って回るのが好きなもので、丁度海や島を撮りたくて一緒に来たんです。」
 律と葵桜がそれに応じる。ガルディエは律に紹介され、心証を悪くしないようにぺこりと頭を下げた。
「民俗学?はー、難しいこと勉強してるんだねぇ。」
「ええ、それぞれの地域の信仰なんかを研究していて…このあたりの神社とか祠って、自由に見ても構いませんかね?」
 その律の言葉に、男性の顔が僅かに曇る。島内で信仰され、未だ人柱を必要とするものだ。現代日本では、大っぴらにされるものではないだろう。
「折角なので色々と写真に収めてみたいのですが…駄目でしょうか?」
【礼儀作法】に長けた葵桜がすっと頭を下げる。そうまでされて断るのは、不自然に思えたのだろう。悩む様子の男性がすっと視線を森に向けたのを、ガルディエは見逃さなかった。
「まぁ、一応神社守の人が居るからねぇ…その人に許可を貰えればいいんじゃないかい?」
 それに礼を告げ、三人は男性と別れた。

「…という訳で、島の神社や祠を見せていただく許可を頂きたいんです。」
「この島の雰囲気がとても素敵で、どうかそのあたりも写真に収めさせていただきたいんです。」
 律の【コミュ力】と【言いくるめ】に、同行した葵桜が丁寧な【礼儀作法】で対応された神社守の男性は、断り切れず三人に自由に見て回って貰えばいいという旨を伝える。
 それを受けて彼の家を辞した三人は、ガルディエから畑で話をした男性が森に視線をやっていた事を伝える。
 海沿いにある防風林が大きくなったような森。赤い鳥居は少しばかり塗装がはがれ、手入れこそ入念になされているものの歴史の重みを感じさせる。
 そのまま三人が社へと足を踏み入れる。木々は日の光を遮るが、それは重苦しくなるような暗さではなく。寧ろ心地よい陰りで落ち着く空気を作り出している。
 森の奥には、岩盤に彫り込まれるように作られた祠があり閉じられた扉の隙間から奥を覗くと、御神体だろう龍の像があるのが見て取れる。
「じゃあ俺と榎木はこの近辺の人に声を掛けてみるぜ。」
「わかった、気を付けてな。」
 二手に分かれ、森へと向かうガルディエ。海沿いの村落へと向かう二人へと別れた。

 前以って予約を取った民宿で釣竿を借りた律は葵桜と共に近辺の防波堤へと向かう。
 暇を持て余しているのだろう漁師のおばさんが糸を垂れる横でにこやかに喋りながら釣り糸を垂れる。
「メジナ釣れたら持って帰り。あそこのおっちゃんなら、美味しく料理してくれるよ。」
 そんな他愛もない話をしながらも、島へ伝わる龍の話へと切り込んでいった。

 他方、僅かに参道を離れると、そこは手入れされた森ではなく人の手のあまり行き届かない海岸沿いの森そのものとなる。
 足場は悪く、降り積もった落ち葉と苔むした岩盤が足を取る。
 無論、その程度で足を止めるようなことは無い。周囲に気を配りながら、奥へと進む。
 ふと、ガルディエの足に何かが当たる。
「こいつは…成程、ビンゴじゃねぇか?」
 拾い上げたそれは、現存する生物ではありえない程に巨大な鳥の羽だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

江戸川・律
△情報確認
動物会話 情報収集 使用

メジナの煮付けも絶品!
地酒も美味い!!
最高!!俺ココの子になって良いですか?

((コレで事件が無ければ最高のリフレッシュ休暇なんだけどなぁ))

『あつーい、ちょっと酔ったので風に当たってきます』

ふらふらしながら昼間に釣りをした防波堤まで足を運びます

尾行は…どうかな?

陸から死角になる場所に腰を下ろせば
海に向かって語りかけ

『王様?居るんだろ顔だけでいいですよ…海岸周りに怪しい場所はありましたか?』

あらかじめ呼び出して周辺探索を頼んでいた王様から情報を確認
葵桜のシャドウチェイサーとガルディエの足で稼いだ情報と併せて精査します

さて怪しまれない内に
戻ろうかな

アドリブ大歓迎


ディスターブ・オフィディアン
第二人格で行動
他の猟兵と情報共有しながら洞窟の位置を捜索
心情:竜神、見てみたいですな
行動:スーツ姿でルポライターのカメラマンを装って村人と接触
風景を撮りたいと言って、竜神信仰の社や敵が潜伏できそうな洞窟の場所を訊ねてみます
「こういった離島の風景というものは、やはり人気があるものでしてね」

まあ、村人たちは雷哮皇やその近くの場所は言わないでしょうな
そうして不自然に言及を避けられた場所をオルタナティブ・ダブルで呼び出した自分と一緒に捜索
他の猟兵が怪しんだ場所と一致していれば、特にそこを重要視します
鳥の眷属がいるようですし、竜と鳥、両方の痕跡を探しましょうか

技能:変装、コミュ力、礼儀作法、言いくるめ



 民宿で振る舞われた夕食は江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)達が釣り上げてきたメジナをメインディッシュとして漬物や味噌汁など素朴ながらとても美味しい料理だった。
 メジナはお造り、引いた皮は湯引きして酢味噌和え、そして煮付け。ご飯にも地酒にも良く合うそれに舌鼓を打ち、すっかり律も満足することが出来た。
(コレで事件が無ければ最高のリフレッシュ休暇なんだけどなぁ。)
 冗談半分ながら、ここの子になってもいいかなぁなどと思いながらも、そうもいかない現実に僅かばかり辟易しながらこっそりと民宿を後にする。
 ふらふらと千鳥足じみた足取りで、昼に釣りをした防波堤まで足を運び、ふと足を止める。
「王様?居るんだろ顔だけでいいですよ…海岸周りに怪しい場所はありましたか?」
 そう一人口にする彼の姿は、とてもいい具合に酒の回った青年には見えない。鋭い視線は、戦場へと潜入した兵士そのものだ。
 呼ばれて出てきたのは、王冠を頭にした大型のペンギン。顔だけでいい、と言われたことから本当に顔だけが彼に見えるように顕現すると、こくり、と頷いた。
 ――尾行者がいるのか。
 王様の反応からそれを察すると同時、彼の背後に気配が生まれる。
 スーツ姿でカメラを手にしたルポライター風の男性。明らかな【変装】で現れた彼の朗らかに笑みを浮かべる様は、人好きがするように思えるが、それがなにか言葉に出来ない違和感を与える姿。
「こういった離島の風景というものは、やはり人気があるものでしてね。色々と見て回ったのですが…貴方は如何でした?『面白い』景色はありましたか?」
 揶揄するような言い回しを以て、ディスターブ・オフィディアン(真実を 暴く/葬る モノ・f00053)が律に尋ねる。
 猟兵に共通する独特の空気を感じ取り、にっと律が笑みを浮かべた。
「ああ、あったぜ。とびっきりのな。」

「私も私で色々と調査をしまして。絶景はないでしょうかと村人に尋ねて回ったのですがね、皆が皆言及しなかった場所がありまして…。」
「あー…海岸沿いの森にある社…じゃないか?俺や一緒に来てる面子が集めた情報あるし、回って見てきてもいるぜ。」
 ビンゴ、とディスターブが指鉄砲を指す。じゃあちょっとばかり探してみますか、と探索に向かってみる。
 【オルタナティブ・ダブル】によって呼び出したもう一人の自分と共に森を歩く。陽も落ち、暗く影を落とす森は人の歩く場所からは乖離している。
 森の木々の香り、鼻を刺す潮の臭い、そこにどことなく香るのは、この世ならざるものの臭い。
 確か、大きな羽を見つけたという話を受けて探すのは、足元ではなく自身の上。木の上に影が差さないか。僅かな差異も見逃さないと、僅かな物音も聞き逃さないと。深、と静まり返る闇を行く。
 かさり、と。
 小さな音。
 咄嗟、音の方向から身を隠す。すっと覗いた顔の先、見つけたものに唇を歪める。
 異形の鳥が大きな木の上に止まっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『嘲笑う翼怪』

POW   :    組みつく怪腕
【羽毛に覆われた手足】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    邪神の加護
【邪神の呪い】【喰らった子供の怨念】【夜の闇】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    断末魔模倣
【不気味に笑う口】から【最後に喰らった子供の悲鳴】を放ち、【恐怖と狂気】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

赤月・句穏
心情
雷哮皇ですか。竜が見れるかもしれないなら、文に良い土産話になるでしょうか。グリモアベースで待っている叢雲さんにもなにかお土産ネタを考えておきましょう。
戦闘
「…観光、とはいかなかったみたいです。」
とっても残念そうにオブリビオンのいる戦場へ

相手が水の眷属であれば火では分が悪いでしょうか(溜息をつき)
【高速詠唱】で【全力魔法】を【2回攻撃】します。
魔法がきかなければ物理でいきましょう。
「おいで、グリムリーパー。」
敵を【衝撃波】でもって【なぎ払い】ます。

「子供の声・・・。」
【第六感】でその声がまずいものだと把握。動きを封じられたら一旦離脱します。
「・・本当に、分が悪い敵です。」


ガルディエ・ワールレイド
敵が出たって事は、予想通り此処が当たりみてぇだな。
つう事で、出迎えありがとよ。
生憎と礼は攻撃でしか返せそうにねぇが勘弁してくれ。


◆戦闘
攻撃には【竜神気】を主に使用。
敵が空を飛んでいる場合、竜神気で地面(せめて武器が届く範囲)に引きずり降ろせないか試すぜ。
相手を引きずり降ろせたなら、落下予想地点から上方に向けた刺突で【串刺し】にしてやる。

武装は【怪力】【2回攻撃】を活かすハルバードと長剣の二刀流
攻撃命中時は【生命力吸収】
【武器受け】を使いつつ立ち回り、被弾時は【オーラ防御】
味方に通ってヤバそうな攻撃は【かばう】
防御も回避も出来そうにない時は、相討ち上等で【捨て身の一撃】だ


江戸川・律
夜間・森の中という久々の好条件
【罠使い】の血が騒ぎ
思わずにやりと笑みがこぼれます

暗視ゴーグルを付け
仲間と共に森に入るなり
【早業】+【高速詠唱】で「レプリカクラフト」を起動

「見えないほど細く強靭な鋼糸」を中心に
様々な「ブービートラップ」を蜘蛛の巣のように
【ロープワーク】を使いテキパキと仕掛けていきます

事前に仲間が調べた【地形の利用】

何度も『嘲笑う翼怪』と対峙してきた【戦闘知識】

信頼できる腕の立つ仲間

手の内が分かる相手なら

「仕掛けた罠」にも誘導しやすいし援護もしやすい

頭の中で仕掛けた罠を整理しながら
準備OKと銃を構えます

さぁ食後の運動に
やるだけやったろうじゃないか!!

アドリブ共闘大歓迎です



『けきゃっ!けきゃっ!』
 けたたましく、聞くに堪えない奇声を上げて異形の怪鳥が夜の森に舞う。島民からすれば、正しく鵺にも等しいだろうその声、その姿。
 だが。怪異が人を蹂躙するのに正対するべく、その怪異を討つべくする者達がいる。
 夜闇の森という己にとっての好条件に、江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)はにやりと唇を吊り上げた。【罠使い】である自身にとって、これだけ整った条件はそうは無い。
「食後の運動だ、一丁やったりますかねっ。」
 【早業】と【高速詠唱】を駆使し、起動するのはユーベルコード【レプリカクラフト】。細く、しかし強靭な鋼糸を作成すれば、それを蜘蛛の巣のように森に張り巡らせていく。
 僅かな間に、一帯を自身の狩場へと書き換えて。愛銃『ディテクティブ・ブラスター』を手にした律は共に戦う猟兵に、自身の作りだした罠の場所と性質を伝える。
「成る程な、ありがとうよ。…それじゃ、あいつらに出迎えの礼と返そうぜ。生憎と攻撃でしか返せないけどな。」
 ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)が、『複合魔槍斧ジレイザ』と『複合魔剣レギア』の変則二刀流を構える。複数の獲物からまずは確殺できそうな対象を定めると、引き絞られた弓矢の如く駆け抜けた。

「観光とはいかなかったのは残念ですが…おいで、『Grim Reaper』。」
 主の呼び声に応え、赤月・句穏(界渡りの旅行者・f05226)の手に大鎌が顕現する。堂々と赤い髪を翻す姿に、喜び勇んで異形の怪鳥が二羽、襲いかかる。
「その子供の声は、あまり良くないのですが…。」
 【第六感】の導きで、その声には動きを封じる効果がある事を察する。が、今回は別だ。
 がくんと、跳びかかる怪鳥の動きが止まる。空中で不自然な態勢で動きを止めた二羽は、それ自体も何が起きたのか分からない様子で混乱を見せる。
 次の瞬間、一羽の額に螺旋状の焼け爛れた傷痕が刻まれた。
「ま、そう来ると思ったぜ。」
 何度もこの異形と戦闘をこなした律の【戦闘経験】が、連中の動きを先読みした上で張った罠だ。それが最大の効果を発揮しない訳がない。そして、句穏もそれが分かっていたからこそ回避のそぶりも見せなかった。
「やり易くて助かります…いきます。」
 ぐっと腰だめに大鎌を構える。如何に動きを封じられたとはいえ、怪鳥は鎌の射程にはいない。そう思われた刹那、赤い旋風が巻き起こる。
 【薙ぎ払っ】た大鎌は【衝撃波】を放ち、もう一体の首を斬り落とし全身を膾に刻む。余波が律の狙撃したもう一体まで届き、それをすら飲み込み切断していく。
「それじゃ、残りもやっていきますか。」
「ええ…。氷結の柩よ…。」
 掲げた銃を大鎌と交差させ、次の狙撃ポイントへと律が駆ける。その半秒後、氷の竜巻が吹き荒れた。

「悪いな、そこも俺の間合いだ。」
 強襲を仕掛けた一体をハルバードによる【武器受け】で受け止め、弾き返した敵を罠に絡め取らせて首を長剣で斬り落としたガルディエ。
 流れる様に熟された動きに、攻め込む隙を伺っていた空にあるもう一体を、黒竜の瞳が捉える。
 視認する事の叶わない【竜神気】が伸び、敵を鷲掴みにする。得体のしれない何かに全身を掴まれた怖気に、異形の鳥が暴れるのも意に介さず。ガルディエを真下に一直線に落下。
 ぞぶり。
 掲げたハルバードの穂先が股下から頭上までを【串刺し】にしてみせた。血と死体を投げ捨てるように放ると、ひやりとした冷気に総身を振るわせる。
「…うぉ、また派手にやってんな…。」
 その方向を思わず見てみると、それを後悔したくなるような光景だった。暗い森がもろとも氷漬けにされていて、飲み込まれた怪異が月明かりに照らされ異常なオブジェとなってしまっている。
 まぁとはいえ、だ。仲間が頑張ってくれているのだ、自分がやらない理由は無い。
 ぶんぶん、と頭を振って意識を切り替えるその瞬間を隙だと見習わしたのか、背後から凶鳥が組み着こうと跳びかかる。
 真下から振り抜いたハルバードが胴体まで半分に切り裂き、ビームが額に螺旋の疵を描く。
 ああそうだった、仲間が頑張っているんだったな。
 その事実を再確認し、ガルディエもまた戦闘に没頭する。圧倒的な暴虐を誇った猟兵達によって、敵の数は急激に減少していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

明日葉・雅
人を喰らうのであればそれは討つべきもの。私もあーくんも存分に仕事をさせていただきましょう。
『俺もみーちゃんも咎を喰らう者だしな。あの方の真似事になりかねないけどな』

ユーベルコードを使用して二人に分かれる。明日葉(あーくん)が拷問具の小さめな杭とつながった鎖で、雅(みーちゃん)は剣で応戦。
飛んでいるのなら咎力封じで撃ち落とす。杭でも鎖でも枷でも当てて動きを止めればそれで充分。
落としたのはみーちゃんに任すさ。
剣の扱いくらい心得てますから。罪無き子供を貪っていたのですから、その罪喰らい尽くさせていただきます。


ディスターブ・オフィディアン
第二人格で行動
「皆さん派手にやっているようですな。ではこちらも雑魚退治と参りましょう」
「しかしどうにも悪趣味ですな。声の主は胃袋の中ですか」
レプリカクラフトで森の中に罠を仕掛けて、挑発でおびき寄せて、早業と逃げ足を駆使して、敵を罠まで誘導していきましょう
ワイヤーを利用したブービートラップや落とし穴、また精度が悪くても木のダミーを作って、間違えて着地した敵がバランスを崩すように仕向けましょうか。
ダミーの木にはわざと一部に欠陥を作って、地雷などに倒れ掛かるようにしておきましょう
「さて、そろそろご対面と行きたいですな」


榎木・葵桜
おっくればせー…って、ここにも居るんだね、鳥さん!
また誰かを食べちゃったりしてるの?
(鳴き声として聞こえてくる悲鳴を耳にすれば
 怒りの混ざった笑みを向け)
相変わらず趣味が悪いよね、その鳴き声聞くだけで胸がムカムカしてるよ
おいたが過ぎる鳥さんは翼むしって鳥肉にしちゃうんだからっ

【サモニング・ガイスト】で田中さん(霊)を召喚
連携して攻撃していくね!

私は鳥さんの羽根の付け根あたりを狙って【衝撃波】で攻撃する

夜だし視界は悪いけど
鳥さんの鳴き声から動きや位置、攻撃当てる距離感を【情報収集】して
【第六感】も駆使して鳥さんに攻撃を当てていくね

墜落したりバランス崩したところで
田中さんの【槍】で追撃してもらうよ



「おっくればせー…って、ここにも居るんだね、鳥さん!」
 戦場に元気よく乱入する小柄な女性。振り抜いた【胡蝶楽刀】の【衝撃波】が上空から他の猟兵を狙っていた怪鳥に叩き込まれ、撃ち落とす。
 子供の悲鳴じみた声は、普段は朗らかに笑む榎木・葵桜(桜舞・f06218)の笑顔を怒りの混ざった形容しがたい悲痛なモノへと変える。
「相変わらず趣味が悪いよね、その鳴き声聞くだけで胸がムカムカしてるよ。おいたが過ぎる鳥さんは翼むしって鳥肉にしちゃうんだからっ。」
 そう告げて愛槍を下段に構える。その彼女に、応える声がある。
「まったくです。人を喰らうのであればそれは討つべきもの、存分に仕事をさせてもらいましょう。」
「俺もみーちゃんもそうだからなぁ。」
 柄に鎖の備えられた杭を手にした男性と剣を手にした女性の双子のように見える男女だ。【オルタナティブ・ダブル】により自身と半身に分かたれた明日葉・雅(咎喰らい・f07590)。その女性人格の雅と男性人格の明日葉。
「という訳で、さっそく行くぜ!」
 葵桜の撃ち落とした敵に、明日葉が襲い掛かる。投擲した杭が胴体を貫くと、それを力尽くで引き寄せる。
「田中さん!」
 これが初対面というに、それまでの戦闘経験と鍛えられた【第六感】で即座に対応した葵桜が【サモニング・ガイスト】で英霊、田中さんを召喚。頭上で回転させた槍を構えるや否や、田中さんの放った鋭い三連突きが怪鳥を射抜く。眉間、喉、心臓の三点の急所を刹那に射抜かれた怪異はその命を散らし、残心を終えた二人が槍を、杭を引き抜く。戻ってきた杭をノールックで逆手に取り、雅へと振り向く明日葉。抜いた槍を体の後ろでくるくると回し、肩に担ぐ田中さん。
「いやはや、流石ですね。皆さん派手にやっているようですし、ではこちらも雑魚退治と参りましょう。」
 す、と闇から染み出るように彼らを賞賛するのはディスターブ・オフィディアン(真実を 暴く/葬る モノ・f00053)。真実を求める探究者であり紳士である第二人格として現れた彼は、【レプリカクラフト】を駆使。
 既に背後には、彼を追ってきたであろう怪鳥の骸が木に縫い留められるようにしてある。視認すら困難なワイヤートラップに、フェイクの木が絡め取った鳥を抱え込んで地面に倒れることで動きを完全に封じている。
「トラップでの足止めは、私に御任せあれ、という事で如何で?」
 慇懃に礼をして、適材適所ということですとディスターブが告げる。卓越した【罠使い】として、動きを封じるのは得手だ。
 まるで予知でもしていたかのように、そのタイミングで彼の作ったダミーの木で隠した落とし穴に、異形の鳥が落ちる。勿論、翼のある怪鳥ならば脱出することは困難ではない。だが刹那、弾かれたように駆け出した二人の影。
「その罪、喰らい尽くしますッ!」
「ここで倒れちゃってっ!」
 先行した雅が振るった剣の一太刀が飛び出してきた鳥の翼と右の半身を深々と斬り裂く。そこへ一足を開けて追撃した葵桜の槍が対称に左から、鳥を腹から深々と斬り裂く。
 流れるように無力化した二人に振り向き、ディスターブがばっちりですね、とでも言わんばかりに笑みを投げかける。
「あー…コンビネーションは良さそうだから、こっちも手伝ってくれねぇ?」
 木の枝に登り、杭を突き刺した怪鳥を頭上にあったワイヤートラップに無理矢理に叩き込み動きを封じる。更に左右から襲い掛かってきた二羽を咄嗟に明日葉が枝から跳び回避。そこへ見計らったように田中さんが刺突。一羽の頭蓋を一撃で穿ち、その体躯を振り回してもう一羽に叩き付ける。強引に地面に叩き落としたそれに明日葉が杭を穿ち、命を奪う。
 そうやって戦う二人の周りには、残った眷属が集結しつつあった。
「あ、今行きますねあーくん。」
「田中さん、ありがとう!」
「さて、そろそろ片付けてご対面と行きたいですな。」
 それも集結した猟兵達の前には無力も同然であり。僅かな間を置いて最後の一羽の断末魔が闇夜に響いた。

 その断末魔に、瞳を開いた存在がある。
 暗闇に包まれた洞穴の、更に奥。海水に包まれた奥底で目を覚ましたそれは、ゆっくりとその巨躯を持ち上げる。
 ただそれだけの動作にも関わらず、洞穴が崩れ、海が荒れ出す。
 暗闇を嵐に変えて。蒼い龍が雷光の華を散らして。猟兵の前に姿を現した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『雷穹龍グローレール』

POW   :    雷霆光輪
【超高熱のプラズマリング】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    撃ち砕く紫電
レベル×5本の【雷】属性の【破壊光線】を放つ。
WIZ   :    ドラゴニック・サンダーボルト
【口から吐き出す電撃のブレス】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・皇士朗です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

江戸川・律
空からじゃなくて地面からかよ!?

崩れる足場からバックステップで距離を取りつつ
【ペンは剣より強し】が見せる
えげつない未来に口元が引くつきます

話と実物の差が半端ない
この放電の感じだと準備していた小手先の技は殆ど意味ないか

はぁ…
逃げ道が無いなら活路は前しか無いってな!!

【レプリカクラフト】と先に作った「鋼糸」の罠を組み合わせ
電気を地面に逃がす大掛かりなアースの特性を持った仕掛け罠を作成
仲間の攻撃の起点を作る為、意表を突いて少しでも弱体を狙います

うまく罠まで誘導できるか?
賭けだけど【鏡写しの影法師】に分身と協力して立ち回ります

「罠使い」「地形の利用」「早業」「おびき寄せ」を使用
お守りに「電撃耐性」


明日葉・雅
「貴方の罪を喰らわせていただきます」
『その咎、吾直々に頂くとしよう』

【処刑人】雅の人格の一つ。一人称は吾
大鎌が得物。咎人の首を撥ね飛ばすことを生業としている人格
罪人、敵には慈悲も容赦もしない。他の人格は口出しできない
他の猟兵との連携も可能
近接での戦闘を主軸に行う
傷に関しては【激痛耐性】で耐える
【第六感】で動きや戦場を把握し、【先制攻撃】を仕掛ける
隙をついたならば【捨て身の一撃】にて【断罪の一閃】を叩き込もう
アドリブ歓迎



「空からじゃなくて地面からかよ!?」
 ガラガラと崩れる足場。荒天にへ変わった戦域、吹き荒れる風雨が視界と四肢の動きを阻害する。
 それでもこのまま巻き込まれる訳にはいかない。咄嗟のバックステップで崩れる足場を器用に飛び回って距離を取り、なんとか足場の良い場所へと着地する。
 そうして、見上げた江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)の視界に。天より下る雷光を纏う蒼い龍の威容の全貌が飛び込んできた。
 未来を見るユーベルコードが見せる未来はどれもろくでもない。爪牙に裂かれ五体バラバラどころか微塵以下にまで千切れ果てるか、放つ雷光に焼かれ黒焦げはおろか蒸発するか。そんな未来ばかり見せる視界に口元を歪め、しかし、否定する。
「…こんな現実、俺は認めねぇさ。」
 言葉にすることでその意思を力と変えて、瞳から迷いの色は消え失せた。そう、人がただいいように虐げられるだけの現実など、認める訳にはいかない。
「はい。ですので…アレの罪、喰らい尽くさせていただきましょう。」
 それに同意する意思は一つではない。彼の元へと現れたのは一人の女性の姿だ。明日葉・雅(咎喰らい・f07590)が宿す意思、その三つが三つとも、同じくアレの暴虐を否定する。そして、強大な相手に対して自身の最大以外で当たる利もない。
『その咎、吾直々に頂くとしよう。吾は深紅の処刑人なり…。』
 尊大な口調を以て、第三人格たる処刑人がその様を現す。【業を晒せ】によって、深紅の衣を纏い大鎌を携える。
 その頼もしさに、律がやっとといった様子で、不敵な笑みを浮かべた。
「小手先の準備は無駄になるかもだが…活路は前にしか無さそうだ。切り開くぞ!」

「…牽制はこちらが。」
 言うが早いか、処刑人へとなった雅が雷哮皇へと疾駆する。律もわざわざ呼び止めるような愚を犯すことはなく。【レプリカ・クラフト】による罠の錬成、それを彼の得意とする【早業】【地形の利用】を加味して組み立てていく。
 鋼鉄の糸は蜘蛛の巣ではなく、塔のように。精緻に作る必要はない。なれど小さなものでは役目を果たせない。早く、可能な限り早く、と。祈るように技を繰る。
 崩れた足場をものともせず、駆け抜けた処刑人は龍の頭部を見やる。こちらに視線が向いていない事を確認すると、侮蔑するように視界を正面に。
「こちらを敵だとすら認識していないか…舐めてくれる。」
 胸中に沸いた微かな怒りの炎。それを鎮める為にも、この龍に自身たちが大いなる敵だと認識してもらう必要がある。
 まずは背鰭を切り落とす。そう狙い、背後へと駆け抜け様、荒れ狂う大気を真っ二つに断ち切り大鎌が奔った。

 ――ガツン

 それは、木刀で岩でも叩いたような手ごたえ。思わず瞠目した処刑人の目には、僅かに切り傷の入った背の鱗が見えた。
 浅い、のではなく届いていない。
 そう認識した刹那、真下から烈風のように振り抜かれた爪が処刑人を襲う。大鎌をぶつけるように防御。その勢いのまま跳んだが、ぼたぼたと零れる血は果たして誰のものか。
 胸部から腹部まで、掠めたというには深い傷跡。対して大鎌が与えたのは、龍の後肢の掌に一条の傷痕。
「…相打ちには、足りんか。」
 そして、自身の認識の誤りを訂正し、内心で雷哮皇へと謝罪する。龍は、最初から己たちを最大の敵として認識していた。そして、自身に視線をくれなかった理由は一つ。
「避けろッ!」
 彼が脅威と認識したのは、己ではないということだ。
 紫電が龍を囲む。数える事すら困難な紫電の槍は、全てが全て、ワイヤーを組む律へと向けられて。擡げた鎌首が、一斉に放たれる。
 大鎌を翳した処刑人は、余波だけだというに全身が焼けるような痛みを受ける。【激痛耐性】すら貫く重い攻撃。
 律もまた、炎の矢による迎撃と回避を試みる。収束した矢はなんとか、半数ほどの雷槍を迎撃に成功する。――が、半数はそのままだ。

 ――ズンッッッ!!!

 地震でも起きたのかという衝撃。着弾の威力だというそれは、まるでミサイルが落ちたようだ。
「ちょっとは、効いたみたいだな。」
 その爆心地の中で、生き残った律が不敵に笑う。
 律の作り上げたワイヤートラップ…それは避雷針としての役割を果たしていた。すべてが直撃だったなら五体が残っていたかも怪しい攻撃も、今この地でなら雷哮皇の操る雷撃も半数程は誘導できる。それによって逸れた雷撃の槍があったおかげで、律は左腕を血に染める程度で済んだ。
 そして、その結果に動揺したのはオブリビオンたる龍も同じらしい。僅か、見えたそれは明確な隙だ。
「…返しだッ!斬り祓え!!」
 処刑人の大鎌が、振るわれる。先のような様子見ではない、【捨て身の一撃】で放つ全力の攻撃。血染めの全身で放つ死力の一太刀は、気を逸らした雷哮皇の前肢右腕を根元から切り捨てた。
「言ったろ…こんな現実、認めねぇってな。」
 指鉄砲で放つ炎の矢が、処刑人が初撃で与えた後肢の傷痕を撃ち抜く。憎悪に顔を歪ませる龍を前に、二人の処刑人は赤く化粧した顔で不敵に笑んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

明日葉・雅
「喰らいごたえのあるものだ。吾の馳走にふさわしい」

紅き衣をまとい、大鎌を得物とする
この身に残る痛みなど【激痛耐性】でもって封じ、与えた傷をより【傷口をえぐる】
【生命力吸収】を用いてその命を頂くとしよう
無論、戦場では【第六感】により常に感覚を研ぎ澄ます
【捨て身の一撃】をもって【断罪の一撃】を震わせていただこう
その首をもらい受けるのはこの吾だ

「良き味であった。次の時までしばし眠るとしよう」
「【処刑人】あなたは本当に自由なお方ですね……」
手当てが必要であれば雅が傷を癒すために歌います
応急手当も可能ですわ


赤月・句穏
龍を見なければ帰れません、文にもその姿お話して、差し上げたいですし。
大きな、蛇?…ふむ。此れが龍ですか。

【戦闘】基本は龍の観察をおこなっています。
【第六感】にて【時間を稼ぎ】敵の攻撃を避けつつ仲間の邪魔にならないように立ち回り、仲間が大ダメージを受けた場合のみ、回復。
「ご存分にどうぞ―。こちらでダメージは請け負います。」
この戦場にて【祈り】ユーベルコードを使用して仲間を広範囲で高速回復します。
攻撃が必要な場合や自分がダメージを負った場合【激痛耐性】で耐え【カウンター】攻撃。
【全力魔法】を【高速詠唱】で【2回攻撃】します。
(友人、雅さんを見つけたらそっと援護するかもしれません)


ディスターブ・オフィディアン
第一人格で行動
心情:
龍の威容を見て大喜びの第一人格に切り替わります。
「この脅威、この暴力。 素晴らしい!
 はるか昔に消えた、その神秘見せてもらおう!
 邪龍よ、オレの研究の糧となれ!」

行動:
エレメンタルミサイルで鋼属性の矢を生成し、雷哮皇へ向けて降り注がせてやる
ブレスの雷撃も鋼なら素通りするだけ、熱によって焼けた鉄になれば、その分命中時のダメージも上がるというものだ。
直接オレを狙ってきたときに備えて、近くの木が避雷針になるように、物陰に隠れるように立ち回っておくか。



「この脅威、この暴力。素晴らしい!はるか昔に消えた、その神秘見せてもらおう!邪龍よ、オレの研究の糧となれ!」
 喜悦を前面に押し出し、第二人格を押し退けて現れた第一人格が哄笑を上げる。ディスターブ・オフィディアン(真実を 暴く/葬る モノ・f00053)は魔杖『ケリュケイオン』を手に、蒼い龍と対峙する。
「喰らいごたえのあるものだ。吾の馳走にふさわしい。」
 同じく、強敵であることに悦びを抱くのは明日葉・雅(咎喰らい・f07590)、その第三人格たる処刑人。不敵に笑う彼女――第三人格の性別は不明――だが、忘れてはならない。先の交錯、確かに龍の右前肢を切り落としたが、その身に刻まれた傷は決して浅くない。
 寧ろ、早々に戦場を離れて治癒を行う事を推奨すべき傷。ぼたぼたと血が滴るのは、まるで命が零れ落ちていくのと同じようだ。それでもまだ立てるのは、処刑人の実力故か。
「これでも喰らえ…!」
 ディスターブの放つ、鋼属性の【エレメンタル・ミサイル】、100本以上の矢が虚空より雷哮皇へと殺到した。

 鋼は、雷撃を通す。そう、それは事実だ。故にディスターブは龍のブレスでも擦り抜けると読んだ。
 だが、だ。許容量を優に超える程の雷撃を、電気の逃げ場のない大気中で与えればどうなるか。
 鋼と言えど、雷撃によって焼き切れ蒸発する。
 龍が口腔から放つ蒼い雷撃は地から天へと昇り、その過程にある万物を焼き払い無へと返す。想定を超える事態に流石にディスターブも舌打ち、避けようと動きだす。
 同時に動き出したものが二人いた。
「みーちゃん、ご存分にどうぞ―。こちらでダメージは請け負います。」
 物陰から龍を観察していた赤月・句穏(界渡りの旅行者・f05226)が思わず手を出した。流石に血を流しながらも敵へと向かう友人を見過ごすわけにはいかない。
 『魔霊杖』を翳し、【祈る】は【生まれながらの光】。放たれた聖なる光は傷ついた猟兵のそれを素早く癒し、再度活動可能な程度には回復させる。
 引き換えに受ける疲労を、深くため息をついて放出する句穏。
「…感謝しよう。」
 大鎌を携えた処刑人が、【激痛耐性】の限界すら超えて受けていた痛みが無くなった事に感謝を一つ。その首を貰うと、駆け抜ける。
 が、当然雷哮皇がそれを見過ごすはずはない。蒼い雷撃の奔流、【ドラゴニック・サンダーボルト】は正しくその名を体現する龍の咆哮。【エレメンタル・ミサイル】の迎撃のため天へと向けて放っていたそれを、更なる脅威と見做した大鎌を持つ死神に向け薙ぎ払う。
「その隙は逃さん。」
 【高速詠唱】により術式を作り上げるディスターブが、自身を下に見られた怒りも込めて鋼の矢を解き放つ。
 雨のように降り注ぐそれは多くを弾かれ、纏う雷光に阻まれるものの、龍の鱗の隙間へと深々と突き立っていく。龍の血が蒼い鱗を赤く染め上げる。しかし、龍の吐息が止むことは無い。
「その首を貰い受けるのは吾だ…っ。」
 鎌を大きく振り翳し、【ドラゴニック・サンダーボルト】の中へと飲まれていく。
「ダメージは引き受けると言いました。」
 その奔流を、赤い死神が突き抜けた。無傷では無論ない。焼け付き爛れた体は正視に耐えるものではない。血が流れていないのは、傷が焼けて蒸発しているだけだ。皮膚が泡立っているのは、内部の組織が沸騰しているから。
 それでも死んでいないのは、【生まれながらの光】を受けているからだ。回復が追い付かないが、それでも。命だけは、守り抜いて見せた。
 正しく【捨て身の一撃】と化した【断罪の一閃】。首筋へと薙ぎ払うそれは、深く龍の体躯を切り裂く。咲いた血の花。深紅の衣を尚赤く染め上げた死神。

 ギョロリと、紅の瞳が彼女を捉えた。

「チィッ!」
 離れてその様を見ていたディスターブには、先のブレスの一端を見抜いた。あれは完全ではない。地に向けて放ったが故、先に用意された避雷針のワイヤートラップに誘導された分があったがため生き残るに足りた。
 だが、今の処刑人の位置が悪い。雷哮皇に近づいた彼女は、避雷針より内側に入ってしまった。今の彼女に、守りは無い。
 だが、手が無いわけではない。龍の周囲に蒼い雷光が満ちる。リング状になっていくそれはもう半瞬で完成するだろう。間に合え――。
 【祈り】にも似た思いでローブから取り出して【投擲】したのは、数枚のカード。
 それが、放たれた【雷霆光輪】と処刑人の間に飛び込み、自身も武器を翳して防御態勢を取る。

 ―――ズ……ンッ!!!

 重い雷撃の激突音。雷哮皇から放射状に放たれたプラズマリングは、その射線上にあったモノ全てを薙ぎ払い焼き尽くす。猟兵達を、除いて。
 避雷針のお陰で、守りを固めたディスターブと句穏は流石に大ダメージを受けはしたものの命に別状はない。膝を付くほどで、何とか耐えた。
 そして至近でそれを受けた処刑人の姿は、遥か彼方。雷撃の威力で吹き飛ばされ、なんとか胸の上下で生きていることは確認出来る。
「イカサマ用に金属を仕込んだカードだが、モノの足しにはなったか…。」
 それを見て僅か安堵を見せつつ、龍の威容が陰りを帯びている事は真実を暴く者の目からは隠せるものではなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

榎木・葵桜
雷哮皇サマ
カミサマ、だね

あなたが村の人達にとってとても大切な存在であることは知ってるけど
繁栄をもたらすための対価として犠牲を求めるのは、やっぱり違うって思う
この村の人は、あなたなしでもよりよい未来を築けるって、私は信じてる
だから、私はあなたというカミサマに喧嘩を売るよ
あなたを叩き潰して骸の海に送ってあげるから、覚悟しなね

【情報収集】【第六感】で敵の動きから弱点見極めて
【巫覡載霊の舞】で神霊体に変身して舞を舞うよ

カミサマに捧げる舞なら、神楽舞かな
桜舞花を手に、私ができる精一杯の舞で優雅な舞を見せてあげるね
私からの攻撃は【衝撃波】を中心に積極的に行くよ
攻撃受けても【見切り】【激痛耐性】で受け流すよ


ガルディエ・ワールレイド
狙ってはねぇだろうが、テメェも信仰の在り方として村の平穏に一役買ってたのかもな。
だが、オブリビオンである以上は此処で討つ!
今後はごくごく普通の伝承で信仰対象って形になりな。


◆戦闘
攻撃に【龍神気】を使用。武器攻撃と織り交ぜて攻めるぜ。
龍神気で引っ張って【串刺し】狙いの刺突なんかも使うか。
また敵の【雷霆光輪】に対しては、龍神気で武器を手放して操作し、避雷針として使えねぇか試みる。

武装は【怪力】【2回攻撃】を活かすハルバードと長剣の二刀流
攻撃命中時は【生命力吸収】
守りには【武器受け】や【オーラ防御】活用
味方に通ってヤバそうな攻撃は【かばう】
防御も回避も難しそうな状況では相討ち上等で【捨て身の一撃】だ


江戸川・律
やばいな…決め手に欠ける上に
損害率も併せてこのままだとジリ貧だ
高熱で溶解して使えなくなった鋼糸を一瞥して眉を顰めます

コイツ相手に同じ手が通用するほど甘くは無いだろ
どうにかダメージを軽減できる方法は…

ふと薄く足元に溜まり出した雨水に目を向けます
…試すか?
プラズマ以外なら何とかなるかもしれない
悩む暇はないな増援が来るまで足掻いてやるよ

「ルーンアロー」で応戦しつつ
電撃対策で足元に溜まり出した【雨水】を
「レプリカクラフト」で【電気を通さない純水】に変換
雷属性の攻撃が襲ってきた場合
「早業」「念動力」で操り、薄いヴェールのように「純水」を
仲間と自分の前方に展開して少しでも電撃の威力を散らします

アドリブOK



 右前肢は無く、後肢にも穴が穿たれた。背にはいくつも鋼の矢が撃ち込まれ、首にも深い傷跡が刻まれた。その様を良く見ることが出来れば、その龍に与えられた傷は浅いものでない事は解かるだろう。
 とはいえ、戦場でそれをゆっくり確認出来る者もそれを専とするような人物でもなければ簡単ではないだろう。
 そして、いかに傷ついたとはいえ蒼い龍の力は未だ健在であり、油断すれば刹那にひっくり返されるだろう。
 それを心底から理解しているからこそ、江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)に油断などない。彼とて、傷ついた身だ。先の猟兵の光で幾分動けるようにはなったものの、一瞬の油断で持っていかれるのが見えている。
「このままじゃジリ貧だ…せめて、他の猟兵のダメージを減らすのに…やるだけ、試してみるか。」
「なにか策があるんなら、俺が前に出てやるよ。」
 ハルバード『複合魔槍斧ジレイザ』と長剣『複合魔剣レギア』の二刀を携え、ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)が龍の前へと進み出る。
 この龍の存在も、信仰も、村の平穏の何か役には立っていたのかも知れない。だがここにいるのは、人類の倒すべき存在、オブリビオンに他ならない。故にここで討つ。その強い気迫を以て、立ち塞がる。
「ええ、では私も。お願いしますね。」
 同じく、その横に並んだのは愛槍『胡蝶楽刀』を手にした榎木・葵桜(桜舞・f06218)。朗らかに笑みを浮かべる彼女が、今は鋭く雷哮皇を見据える。
 彼女もまた、この存在が村の為にもなっていたことに理解を示している。だが、だ。
(繁栄をもたらすための対価として犠牲を求めるのは、やっぱり違うって思う。この村の人は、あなたなしでもよりよい未来を築けるって、私は信じてる。)
 目を閉じ、祈るように思いを心中で吐露する。それに同意するように、無言で頷くガルディエ。同時、背後の律へと視線を向けることのないのを信頼とし、二人が疾駆する。
「私はあなたというカミサマに喧嘩を売るよ。あなたを叩き潰して骸の海に送ってあげるから、覚悟しなね!」

「まずはこいつで!」
 【竜神気】を発動。ガルディエの振るう『ジレイザ』と『レギア』の軌跡をなぞるように、不可視の衝撃が雷哮皇を襲う。敵たる龍にも、油断は無かった。それでも回避も対抗もなかったのは、龍の受けた傷が自身の思うより深かった為だ。
 衝撃に揺らいだ体。視線が猟兵を射抜く。体躯から弾ける雷光が、プラズマとなる。リング状に形成されたそれが、反撃の狼煙となる、その刹那。
 その反撃を【第六感】で予測していた葵桜が舞う。彼女の舞う【巫覡載霊の舞】は、その装いと相まって巫女が神へと捧げるそれを彷彿させる。神霊体となった彼女が、放たれた【雷霆光輪】と真っ先に激突する。
「痛いけど…これが私の精一杯だよ、カミサマ!」
 言うが早いか、薙ぎ払われた『胡蝶楽刀』から放たれる【衝撃波】が【雷霆光輪】を引き裂く。彼女もまたダメージは負うが、龍の受けてきた傷によって威力は落ちている。深手とはいかない、まだ戦える。
 返す刀で放つ【衝撃波】。それが龍の左前肢を切り裂く。悲鳴のような咆哮は、猟兵が初めて聞く龍の絶叫だった。
「大分押されてるみてぇだな!」
 【竜神気】を応用し、自身の体を空中高く舞い上げる。龍を眼下に収めると、自由落下の勢いも込めて『ジレイザ』を頭に叩き付ける。額が割れ、血が噴き出る。
 その瞬間だ。横薙ぎの衝撃がガルディエを襲う。
「グッ…っ。」
 なんとか態勢を立て直して着地。何があったのかを見れば、その長い尾が降り抜かれたのだとわかる。口腔に、雷光が集う。その輝きが、龍の放つ残る最大の力だという事が理解出来た。理解出来てしまった。
 まともに受ければ、耐えることなど出来ない、と。そして、ガルディエも葵桜も、対応できるタイミングではないと。
 それでも、二人は理解していた。後ろには、信頼出来る仲間がいる事を。
 全てを飲み込む青い雷光、【ドラゴニック・サンダーボルト】が龍の顎から解き放たれる。
 それが二人を飲み込む刹那、水の盾とワイヤーの塔が二人の前に立ちはだかった。
 本来電気を通す水、金属。それを【レプリカ・クラフト】で純水を作り出し、律の【念動力】で動かし二人の前の壁に。それだけで防げるとは思っていない。【早業】で作り上げた避雷針と合わせることで、防ぐに足るものとなる。
「いいところ、持ってかせて貰ったぜ!」
 二っと笑う律に答えるように、ガルディエと葵桜が駆け出した。
「応よ、俺達も貰うけどな!」
 先を行くガルディエを、再び尾が襲う。だが、先と違うのはそれをガルディエが視認していることだ。
 ――斬ッ!
 振り抜かれた『レギア』はまるで遮るものが無いように、その尾を根元から断ち切る。
「よっしゃ、行け!」
 後方から来る葵桜に、【竜神気】で援護する。彼女を雷哮皇目掛け、不可視の力で全力を以て投擲。一瞬で葵桜は、龍と対峙する。
 視線が交錯する。そのオブリビオンが何を思っているのか、それは最期まで理解することは出来ない。
 だがそれでも、やることは一つだけ。
「この喧嘩、私たちの勝ちだよ…ッ!」
 『胡蝶楽刀』が、雷を断ち切る。天へと届くような斬撃。雷の咆哮の如き嵐が止む。
 雲が途切れる。闇夜の届いた光は、島のこれからを照らすような満月だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月03日


挿絵イラスト