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迷宮災厄戦㉕〜蒼き凍結の星霜

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #ブックドミネーター

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 ――そろそろ、刻限か。
 そう紡がれた王の言の葉が響くその場所は、絶対零度の凍結世界。
 書架の王が君臨する、時間凍結城。
 そして、時さえも凍てつかせるという書架の王『ブックドミネーター』は自らが戦いの場に出る事を厭いはしない。
 剣と魔法と竜の世界に在るという「天上界」に、美しき天の牢獄に……求める答があるというのならば。

 そして王はこうも続ける。
 己は強く、オウガ・オリジンは更に強い、と。
 何を守り誰と戦うか、常に考え続けるが良い――と。
 けれども、王は識っている。
 それでも己の前に、六番目の猟兵達が立ちはだかるということを。
 だから王は、彼らへと紡ぐ。

 ――戦場で会おう、六番目の猟兵達よ、と。

●書架の王『ブックドミネーター』
「現在進行中の迷宮災厄戦において、戦局がまたさらに大きく動き出した。これも皆がこれまで尽力してくれたおかげだ」
 筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)はそう集まってくれた猟兵の皆に礼を告げた後、視えた予知について語る。
「今回、猟書家のひとり『ブックドミネーター』へと攻め入ることが可能となった。ブックドミネーターは、アックス&ウィザーズを狙っている猟書家であるというが。彼の書架の王は、絶対零度の凍結世界――時間凍結城に在るという。氷からオブリビオンを作る能力や時間凍結能力を持つという、かなりの強敵だ」
 ――私は強い、と。
 そう自ら言い切るだけの強さを持つ書架の王。
 そんなブックドミネーターと戦うとなれば、先手を取る事は不可能。
 しかし、猟兵達は予知により、予め王の攻撃手段を知ることができている。
 故に、ブックドミネーターの先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』という作戦や行動が、勝敗を決める大きな鍵となり、かなり重要となる。
 対抗策を用意しても、それが不十分であれば、苦戦や敗北となる危険性が大いにある。
 無策であったり生半可な対策では、猟書家を攻撃することさえできず、呆気なく倒されれてしまうだろう。
「だが、対策を正しく確りと練って臨めば、勝機は十分にある。これまでも強敵と戦い、打ち倒してきた皆の力を、俺は信頼している」
 清史郎はそう皆へと信頼の言の葉を紡ぎながら。
 掌に満開桜のグリモアを咲かせ、導きのいろを綻ばせる。
 猟兵達を王の待つ、蒼き凍結世界へと送るべく。


志稲愛海
 志稲愛海です。
 よろしくお願いいたします!

 こちらは、1フラグメントで完結する「迷宮災厄戦」のシナリオです。

 プレイングは、OP公開直後から物理的に締まるまでの受付となります。
 送信可能な限り受付致しますが、戦争依頼の為、早めに締まる可能性もあります。

●プレイングボーナス
 敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。

●シナリオ概要等
 敵は必ず先制攻撃してきます。
 いかに対策し反撃するかの作戦が重要になります。
 ブックドミネーターが使用する攻撃は、皆様のUCと同じ能力のものになります。

 強敵を倒すための、戦闘に関する行動や対策をしっかりと立てて臨んでください。
 このシナリオでは、難易度【やや難】相応の判定をいたします。
 ですので、技能名をただ並べただけやその熟練度が低いと、返り討ちに遭います。
 ブックドミネーターの先制攻撃への具体的な対策をプレイングにてお願いします。

 先制攻撃への対策は勿論必須ですが。
 王の言う『何を守り誰と戦うか』等への心情なども込めていただければかなと。

●お願い
 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入お願いします。
 ご記入ない場合、相手と離れてしまうかもしれませんのでお忘れなく。

●プレイング採用に関して
 通常の当方の依頼に関しましては、ご参加くださった皆様のプレイングは極力全採用しておりますが。
 今回も出来る限りはと思ってはおりますが、戦争関連の依頼に関してはその限りではありません。
 戦況次第ではプレイングの内容に問題がなくとも返金となる場合もあること、ご理解の上、ご参加ください。

 それでは、ご参加お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『猟書家『ブックドミネーター』』

POW   :    「……あれは使わない。素手でお相手しよう」
全身を【時間凍結氷結晶】で覆い、自身の【所有する知識】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    蒼氷復活
いま戦っている対象に有効な【オブリビオン】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    時間凍結
【自分以外には聞き取れない「零時間詠唱」】を聞いて共感した対象全てを治療する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
【SPD】だから私に有効な攻撃のできる敵が増えるわけね。

「いいわ、呼んでもらおうじゃない」

右手に短剣【揺らぎ逸らす刃】、左手に拳銃【平和を作るモノ】。
あえて召喚はさせるけど、ブックドミネーターからレベル(80)Mまでの距離は死守。
敵からの攻撃は、[見切り]あるいは短剣で[武器受け]る。
それでも命中するようなら[破魔][オーラ防御]で致命傷だけは避けるわ。

凌ぐことができたらユーベルコード【蒼き刃の円舞】
召喚された敵ごとブックドミネーターを叩ききってあげる。
召喚された敵が盾になっても【平和を守るモノ】は[貫通攻撃]する。

「複数との敵はそれなりにこなしてきたつもりよ?」



 アリスラビリンス・時間凍結城――この地に、彼の書架の王は在った。
 書を司る者であり、全ての書の力を扱える存在『ブックドミネーター』の姿が。
『やはり来たか、六番目の猟兵達よ』
 私は強い、ゆめゆめ油断せぬ事だ、と。
 そう自ら言い切るだけの、王たる力を持つ存在。
 けれども、そんな格上の相手を前に、これまでも猟兵達は立ち向かい討ち倒して来た。
 ひとりでは倒せないだろう。けれど、この場に赴いた猟兵はひとりではないから。
 それに、グリモアの予知で、相手がどの様な攻撃を用いてくるかは分かっている。
「私に有効な攻撃のできる敵が増えるわけね」
 時間凍結城へと辿り着いたヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は、時をも凍てつかせるという書架の王にも怯むことなく、聞いた予知を思い返してから。
「いいわ、呼んでもらおうじゃない」
 右手には波打つ刃を持つ短剣『揺らぎ逸らす刃』を、左手には長い銃身を持つ艶の消された黒の回転式拳銃『平和を作るモノ』を携えて。
 ブックドミネーターから距離を取り、死守することを心掛けんと敵を見据えた、瞬間であった。
「!」
 ブックドミネーターが展開したのは――蒼氷復活。
 戦況を有利にせんと取った距離をあっという間に縮め、接近戦へと持ち込まんと召喚されたのは。
「……猫さん?」
 素早く鋭い爪を持つ、猫型のオブリビオンの群れ。
 その見た目に一瞬だけ色の違う藍と紫の宝珠を見開いたヴィオレッタであったが。
「可愛くてもふもふじゃない猫さんもどきには、用はないわ」
 距離を詰め、襲い来るオブリビオンの爪を見切って躱し、剥かれた牙を波打つ刃で受け流して。
 全ては躱しきれず肩や腕にいくつも鮮血が走るけれど、それも想定内のこと。
 破魔を宿し身を守る気を漲らせて、致命傷だけはもらわぬよう立ち回れば。
 オブリビオンの猛攻の隙間に生じた、反撃の機会。
 ――貴方たち皆に不幸をあげるわ。
 刹那、青金剛石のチャクラムが巨大化し、猫型オブリビオンごと纏めてブックドミネーターへと向けられる攻撃。
 咄嗟に猫型オブリビオンが書架の王の盾にならんと飛び出すも。
 いくら盾になっても、狙い引かれた平和を守るモノの弾丸は貫通するから。
『……!』
「複数との敵はそれなりにこなしてきたつもりよ?」
 オブリビオンもブックドミネーターも関係なく、纏めて範囲内に在る全ての敵に衝撃を与える。

成功 🔵​🔵​🔴​

アネット・レインフォール
▼静
敵の力を察するに…阻止出来ればいいが
対処失敗を見越して動くべきか。

だが、俺も武人の一人だ。
この難敵に対し…更なる過酷に挑むとしよう

▼動
・共通
周囲に刀剣を念動力で展開し
早業で連続投射し技発動の阻害を試みる。
葬剣を無数の鋼糸にし絡ませる足止めや
刀剣を足場に空中戦&回避も視野に入れておく

・P
先ず【武人覚醒】で武器を強化
結界術で簡素な障壁を張り方角を探り緋槍で貫通攻撃。
残った鋼糸や刺さった武器の上を重ねて狙い
直接触れないよう留意

・S
更に【剣聖覚醒】で多段覚醒
剣を投射しつつ一気に間合いを詰め
霽刀・式刀を手に高速連撃を叩き込む。
召喚敵が邪魔なら範囲攻撃で一掃

敢えてUC2つに挑戦
苦戦上等、アドリブ歓迎



 時間凍結城にて待つ書架の王は、遂に己の元へと辿り着いた六番目の猟兵達へと告げる。
『私は強い。何を守り誰と戦うか、常に考え続けるが良い』
 そう自信と、そして言い切れるだけの力を持つ敵を前にして。
 アネット・レインフォール(剣の異邦人・f01254)は強大なる敵を見据え、思い巡らせる。
(「敵の力を察するに……阻止出来ればいいが。対処失敗を見越して動くべきか」)
 真正面から攻め込んで真っ向戦っても、勝ち目はないだろう。
 それほど格上の相手であり、先手を取られることは必至だ。
 ……でも、だからこそ。
 アネットは眼前のブックドミネーターに対し、こう決断するのだ。
(「だが、俺も武人の一人だ」)
 ――この難敵に対し……更なる過酷に挑むとしよう、と。
 一人の武人として、敢えて限りなく困難な戦いを選択する。
 刹那、己の周囲に刀剣を展開させ、葬剣を無数の鋼糸へと変えて。
 ブックドミネーターの技発動の阻害や足止めを試みれば。
 視野を広く持ち、刀剣を足場に空中戦へと持ち込んだり、それを用いて相手の攻撃を回避する事も想定しておく。
 ……けれど。
「――!」
 技発動の阻害へとアネットが行動を移すその前に。
 先に動いたのは当然、格上のブックドミネーター。
 書架の王が召喚したオブリビオンは、全身から刃が生えた獣の群れ。
 その閃く刃が無数の鋼糸とギンッとぶつかり合い、鋭き糸が次々と千切れてゆく中で。
 ――零式・剣聖覚醒。
 自らの寿命を削り白髪緋眼へといろを変えたアネットが、武人覚醒を伴う剣聖覚醒にて、すかさず能力解放を二段階に引き上げんとするも。
 アネットが多段覚醒をすれば、格上のブックドミネーターはさらに早く複数の技を発動することになる。
 しかも敢えて2種の技を使用したことにより、書架の王の攻撃手段も増やす隙を与えてしまうことになって。
 霽刀・月祈滄溟、そして式刀・阿修羅道を握り、召喚されたオブリビオンを一掃する広範囲の高速連撃を放ったアネットであったが。
『ゆめゆめ油断せぬ事と、私は言ったはずだ』
 鋭き刃を向けるオブリビオン数体は振るう刀の連撃にて仕留めたけれど。
 全身を時間凍結氷結晶で覆い、戦闘力増強と超速度の飛翔能力を得たブックドミネーターが、気がつけば懐へと深く潜り込んで。
『……あれは使わない。素手でお相手しよう』
「……ッ! く、は……ッ」
 強烈な拳の一撃をアネットの身体へと突き上げ、間髪入れず勢いを付けた蹴りを放ち叩き込んで。
 増強した戦闘力と速度、召喚した刃のオブリビオンを以って。
 さらにアネットへと攻撃を見舞い、血の海へと容赦なく沈めるのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
せっかく手に入れた平穏な時
それを脅かすことは阻止させてもらうよっ!

対UC
回復で先手?
零時間詠唱…
もしかして、攻撃もらってもすぐに回復するってこと?

腰部の精霊電磁砲を連射しながら
隙あらば【空中戦】で一気に接敵っ!
二刀流に構えた光刃剣と精霊剣で【フェイント】を交えて攻撃
ヒット&アウェイで攻撃仕掛けるよ

回復されても諦めるものかっ!

敵の攻撃や行動は【第六感】を信じて
動きを【見切り】対処

わたしの切り札の
ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト…
これで幾っきゃないっ!

攻撃・回避時も詠唱を途切れさせないで
【多重詠唱】で【魔力溜め】を並行使用
【限界突破】の【全力魔法】だよっ!

回復が追い付かないくらいの火力でっ!



 これまで沢山の戦場を制圧し、敵を倒してきた猟兵達。
 そして辿り着いた時間凍結城にて、彼曰く六番目の猟兵達を待つのは――書架の王『ブックドミネーター』。
 自分で己のことを強いと言い切るのは、それだけの力を自らが有していることを識っているから。
 けれど、だからといって。
 猟書家たちに……このブックドミネーターに、好きなようにさせるわけにはいかない。
「せっかく手に入れた平穏な時、それを脅かすことは阻止させてもらうよっ!」
 先行した猟兵達に続き、時間凍結城へと攻め込むのはシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)。
 そして彼女も、予知を聞いて分かっている。
 格上であるブックドミネーターが先手を取り、技を繰り出してくることを。
 さらには、どの様な技を使用してくるかを。
(「回復で先手? 零時間詠唱……もしかして、攻撃もらってもすぐに回復するってこと?」)
 ブックドミネーターが使用してくると思われるのは、時間凍結――己以外には聞き取れない「零時間詠唱」にて治療してくるのだというが。
『先の戦においての戦いぶりは、実に見事だった。だが、私には他に、命を賭ける場所があるのだ』
 仲間達がこれまで与えた傷が癒えていくのを目にしながらも。
 シルは怯まずに、腰部の精霊電磁砲を連射しながら、いつものように元気良く戦場に飛び出して。
 空中をも戦場として縦横無尽、一気にブックドミネーターへと接敵せんと駆け出す。
 風の如きマントと羽が舞う様なローブ、水色のリボンをひらり空へと靡かせながら。
 そして、その両手に握るは、光刃剣『エレメンティア』と精霊剣・六源和導。
 手にした二刀でフェイントも交えながら、果敢にヒット&アウェイで攻撃仕掛けていくシル。
『時間凍結の前においては、如何なる傷をもたちどころのうちに治療される』
 ブックドミネーターの言うように、ようやく傷をつけても、瞬時に「零時間詠唱」の元、治されてしまうけれど。
 ――回復されても諦めるものかっ!
 ちまちまと攻撃をしたところで、すぐに治療されるのであれば。
(「わたしの切り札のヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト……これで幾っきゃないっ!」)
 ――闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ……。六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!
 紡ぐ詠唱と共に放たれるのは、火・水・風・土・光・闇の複合6属性から成る巨大な魔力砲撃!
『……!』
 今までよりも強烈なその衝撃に、ブックドミネーターはさらに「零時間詠唱」を重ね、ダメージを消さんとするけれど。
 ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラストは、詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する魔力砲撃。
 シルは詠唱を途切れさせず、多重詠唱で魔力溜めをして。
「限界突破の全力魔法だよっ!」
『……く!』
 時間凍結による回復が追い付かない程の火力まで膨れ上がった魔力を解放して。
 威力をさらに増した巨大な魔力砲撃を、ブックドミネーターへとぶっ放す。

成功 🔵​🔵​🔴​

篝・倫太郎
あぁ、確かに強いんだろう

これまでも、そう言ってきた奴らは
皆、ムカつくくらいに強かったから
でも、だからと言って
折角平和になった世界に行くのを見送ってやる道理はねぇ

先制対応
ハイスピードで飛ぶ敵相手だ……
視力を用いてギリギリまで惹き付けてから見切りで回避
オーラ防御を纏って衝撃を緩和し
ダメージは激痛耐性で凌ぐ
直撃しなきゃなんとかなるし、なんとかする

防御力強化に篝火使用
先制攻撃をやり過ごしたらダッシュで接近
生命力吸収と鎧無視攻撃を乗せた華焔刀で早業を使ってなぎ払い
刃先を返してフェイントを織り交ぜながら2回攻撃

攻撃は可能な限り華焔刀で受け流し
既にダメージが入ってる場合は
その部分を重点的に部位破壊で狙ってく



 数多の戦場を駆け抜け、オウガを倒し、アリスラビリンスの世界へと進軍して。
『私は強く、オウガ・オリジンは更に強い。ゆめゆめ油断せぬ事だ、六番目の猟兵達よ』
 辿り着いた時間凍結城にて今、対峙するのは――書架の王『ブックドミネーター』。
 自らを強いという眼前の王から紡がれる言の葉は、慢心から出たようなものではないだろう。
 自身の強さに確固たる自信を持っているし、それに見合う力があるのだろう。
 そして時間凍結城へと足を踏み入れた篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は、それを否定しない。
「あぁ、確かに強いんだろう」
 倫太郎はその身をもって、よく知っているからだ。
(「これまでも、そう言ってきた奴らは皆、ムカつくくらいに強かったから」)
 でも、だからと言って。
「折角平和になった世界に行くのを見送ってやる道理はねぇ」
 だって、それらの世界の平和を守り切ったのは、誰でもない自分達猟兵であり。
 これまでも自らを強いと言い、実際に強かった敵たちは、全てこの手で打ち倒してきたのだから。
 勿論、それはひとりでではない。だから今自分にできることを、全力でやるだけ。
 必死に守り切ったものを、守るために。
『……あれは使わない。素手でお相手しよう』
「!」
 しかし相手は格上、倫太郎が動くよりも早く行動をみせるブックドミネーター。
 けれどもそれも、前もって分かっていること。
 真っ向勝負であれば、どう足掻いても勝てない相手だけれど……付け入る隙はあるはず。
(「ハイスピードで飛ぶ敵相手だ……」)
 追うことも逃げる事も、得策ではないだろう。
 迂闊に自分から近づかず動かず、視力をもってブックドミネーターの動きを確りと見据えて。
「……!」
 ギリギリまで惹き付け、いつの間にかすぐ目前へと迫っていたブックドミネーターの拳撃を見切り、紙一重で回避して。
「く……!」
 すかさず放たれた強烈な蹴りをもらうも、意識を飛ばさぬ程度に見切り身をずらして。
(「直撃しなきゃなんとかなるし、なんとかする」)
 纏う守りの気で衝撃を緩和し、軋む身体の痛みを耐性で凌ぐ。
 けれど、そう何発も受けられないことは分かっているから。
 ――祓い、喰らい、砕く、カミの力。
 展開した篝火にて守りを強化した後、朱き焔舞い踊る黒塗りの柄をぐっと握りしめて。
 美しい刃紋映える薙刀をお供に、地を大きく蹴れば。
 動き回られては追えないけれど、十分に引き付けた今ならと――早業をもって、華焔刀を大きく振るう倫太郎。
『……!』
 その薙ぎ払いを咄嗟に躱したブックドミネーターであったが、さらに素早くその刃先を返して。
 フェイントを織り交ぜながら連撃を見舞わんと、美しき刃の閃きを戦場に躍らせれば。
『……っ』
 先行した猟兵の仲間達がダメージを入れた部位を狙って。
 狙い澄まし放たれた薙ぐが如き一閃が、戦場に赤き鮮血を王の身から飛沫かせる。

成功 🔵​🔵​🔴​

シキ・ジルモント
◆SPD
守るべきものは、一つの約束
この銃を譲り受けた時、命の続く限り戦い続けると元の持ち主に約束をした
戦うべき相手は、今を生きる者たちを脅かす存在
最期まで誰かを守って戦い続けた、その人の遺志を継ぐ為に

こちらの情報を得た上で有効なオブリビオンを召喚するなら
銃を構えて戦ってみせて、“銃を扱う人間”という認識を与えておく
“銃を扱う人間”に有効なオブリビオンが召喚されたら狼へ変身
“銃を扱う人間”という前提を崩し、隙を作りたい

その隙にオブリビオンを抜いて本体へ反撃する
ユーベルコードを発動し『ダッシュ』で死角へ滑り込み、人へ戻って『零距離射撃』を叩き込む
既に傷や急所があればそこを狙って、ダメージを与えたい



 アリスラビリンス・時間凍結城にて、書架の王は紡ぐ。
 ……見ているな、「六番目の猟兵」達よ、と。
 そして、戦場で会おう――そう言の葉を結ぶ、彼の王が求める答。
『私には他に、命を賭ける場所があるのだ』
 書架の王『ブックドミネーター』にも、命を賭けるものがあるのだと言うが。
 ――守るべきものは、一つの約束。
 シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)にも、継ぐ意志がある。
 そんな彼が手に握るのは、譲り受けた銃。
(「この銃を譲り受けた時、命の続く限り戦い続けると元の持ち主に約束をした」)
 そして今、戦うべき眼前の相手……書架の王『ブックドミネーター』は、今を生きる者たちを脅かす存在。
 今こそ、シキがその胸に秘める約束を守るべく戦う時。
 握る銃の元の持ち主――最期まで誰かを守って戦い続けた、その人の遺志を継ぐ為に。
 とはいえ、真っ向から勝負を挑んで勝てる相手ではないことは承知の上。
 けれども、相手がどのような攻撃を仕掛けてくるか、それは事前に分かっているから。
(「こちらの情報を得た上で有効なオブリビオンを召喚するなら……」)
 シキは握る銃を、『ブックドミネーター』へと構えてみせる。
 あたかも――“銃を扱う人間”であるかの様に。
 銃口を向けられても何ら平然とした表情で王は言い放つ。
『六番目の猟兵よ。ゆめゆめ油断せぬ事だ』
 そして刹那、銃を構えるシキへと放たれたのは、照準を合わせ辛い素早い動きの小柄なオブリビオン。
 銃弾が放てぬ程に接近し、その鋭い爪や牙でシキを引き裂かんと戦場を右に左にと駆けまわるけれども。
 この戦いにおいてのシキは“銃を扱う人間”ではない。
 瞬間、獲物を探す獣の如く、青の瞳が鋭く光る。
 いや……獣の如く、ではない。
『な……狼?』
 そう――普段は抑えている人狼の獣性を解放し、高速戦闘を可能とする狼へと化して。
 “銃を扱う人間”と思わせたその前提を崩し、生じた一瞬の隙をついて。
 タッと素早く軽やかに地を蹴ったシキが、“銃を扱う人間”へと向かってきたオブリビオンたちを次々抜いていけば。
 すかさず人の姿へと戻り、これまで他の猟兵の仲間がつけてきた傷や急所を狙い澄まして。
『! ……ぐっ!』
 今を生きる者たちを脅かす存在へと、零距離で握る銃の引き金を引くシキ。
 そして容赦なく『零距離射撃』を叩き込めば、書架の王の平然としていた表情が一瞬歪んで。
 戦うべき眼前の相手の傷を的確に広げ、揺らがせる。
 握る銃に誓ったあの時の約束を――最期のそのときまで、自分も果たす為に。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シェーラ・ミレディ
王を嘯くだけあって、流石、一筋縄ではいきそうにないな。
……しかし、まだ次があるのだ。勝たせてもらおうか!

零時間なのは詠唱だけであって、治療がすぐに終わるわけではないのだろう?
ならば治りかけた傷口を、『片恋の病』で全て撃ち抜いて見せよう!
強化した視力で敵の傷の位置を把握し、弾丸に毒と呪詛を仕込んで乱れ撃つ。誘導弾を使っているし、多少狙いが甘くとも、より多くの傷口を狙うことを優先する。
塞がりかけた傷口を再び開かせ、それができなくとも内部に毒と呪詛を残せば……現状維持か、良くすればそれ以上のダメージを与えることもできよう?

折角他の者が負傷させたのだ。易々と治されてはたまらないな!

※アドリブ&絡み歓迎



 此処はアリスラビリンス、時間凍結城。
 この城に、何れ『彼ら』が乗り込み立ちはだかることは、『王』には分かっていたことだ。
 けれど、臆する様子どころか、彼ら――六番目の猟兵達に、書架の王『ブックドミネーター』は告げる。
『私に「侵略蔵書」は無い。六番目の猟兵達よ、私は強い。ゆめゆめ油断せぬ事だ』
 自身の、圧倒的な王としての強さを。
 確かに、何の策も打たず正面から向かっていけば、あっさり倒されてしまうだろう。
 それほどの強敵であるのは間違いなく、必ず先手を打たれるほどに格上の相手だ。
 しかし猟兵たちはそんな格上の王を相手にも、勝機がある。
 ブックドミネーターの攻撃手段や行動が予知により、ある程度把握できているからだ。
 なのでその点を最大限に活かし立ち回り、皆で書架の王を撃破せんと。
 戦場と化した絶対零度の世界を、縦横無尽に駆け回る猟兵達。
 そんな、書架の王であるというその存在を前に。
「王を嘯くだけあって、流石、一筋縄ではいきそうにないな」
 シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は宝石の如き美しい紫の瞳を細め、倒すべき相手を見据えながら。
 こうも続けて告げる。
「……しかし、まだ次があるのだ。勝たせてもらおうか!」
 書架の王『ブックドミネーター』も十分強敵であるが。
 そんな書架の王が、自分より更に強いと言う存在、オウガ・オリジン。
 このアリスラビリンスを守るべく、そんなオウガ・オリジンを倒すために、此処で立ち止まるわけにはいかないから。
 しかし、シェーラが行動を起こすよりも早く。
 王自身以外には聞き取れぬ零時間詠唱を成し、これまで蓄積されたダメージや傷を治療せんとするブックドミネーター。
 けれど敵の方が先制することも、想定内であるし。
「零時間なのは詠唱だけであって、治療がすぐに終わるわけではないのだろう?」
 シェーラは傷を癒すべく時間をも凍結させんとする王へと、銃口を向ける。
 ――ならば治りかけた傷口を、『片恋の病』で全て撃ち抜いて見せよう! と。
 刹那、人格回路に刻まれた術式『戯作再演』をもって、精霊と戯れるように、向けた銃の引き金を引くシェーラ。
 ――この思いのひとかけでも、あなたが感じてくれたなら。それだけでわたしは報われるのです。
 『片恋の病』が演じられれば……戦場と言う舞台に踊るのは、距離や障害をものともしない愛憎の弾丸。
 それはただの弾丸ではない。毒と呪詛を仕込んだ、まさに愛憎の如き銃弾の嵐。
 強化した視力で敵の傷の位置を把握し、より多くの傷口を狙うことを優先しシェーラは乱れ撃っていく。
 そう簡単に、時間を凍結させやしないと。
『……くっ』
 治りかけていたブックドミネーターの傷口が再び開き、赤き雫が再び滴り落ちる。
 さらに毒と呪詛を傷口へと撃ち込むことができれば。
(「……現状維持か、良くすればそれ以上のダメージを与えることもできよう?」)
 シェーラは「零時間詠唱」にて傷が癒される前に、再びその銃口を書架の王へと向ける。
 ――折角他の者が負傷させたのだ。易々と治されてはたまらないな! と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒玻璃・ミコ
※美少女形態

◆行動
辿り着きましたよ、ブックドミネーター
全てを知ったか如く語る傲慢、打ち砕いてみせます

念動力を以て私も空を飛び
積み重ねた戦闘経験と五感を研ぎ澄まして攻撃を捌き
重要な臓器はその位置をずらした上で即死だけは避けましょう
第一波を凌いだら反撃開始です

時間凍結氷結晶で全身を覆ってるのは痛いぐらい理解しました
ですが覆って居るのはその身だけであり魂まではかないませんよね?
ならば逃げ惑いながらも
この地形を凍結させる力…生命力を略奪して構築した
【黒竜の道楽】を以てその傲慢を喰らいましょう

正直なところ貴方の思惑は判りません
ですが、今を生き選び続けているのは私達なのですよ

※他猟兵との連携、アドリブ歓迎



 数多の戦場を攻略し、猟兵達がいざ乗り込むのは――時間凍結城。
 そろそろ、刻限か……そう呟きを落とす書架の王は識っている。
 此処に六番目の猟兵達がもうやって来ることを。王たる己を打ち倒す為に。
 けれど、私は強い、そう言い切るブックドミネーターは逃げも隠れもしない。
 彼の求める答があるという美しき天の牢獄に思いを馳せながらも。
 戦場で会おう――書架の王は今、六番目の猟兵達を、この時間凍結城で待ち構える。
「辿り着きましたよ、ブックドミネーター」
 アリスラビリンスの様々な国を巡り、戦火を超えて。
 遂に、書架の王『ブックドミネーター』の元へとやって来た黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)。
 その口ぶりを聞けば、何やら多くのことを識っているようなブックドミネーターであるけれど。
「全てを知ったか如く語る傲慢、打ち砕いてみせます」
 眼前に在るのは、倒すべき敵。
 そして分かっている。相手の方が格上……どう足掻いても、先手を取られてしまうことを。
『……あれは使わない。素手でお相手しよう』
 けれど、事前の予知で、その攻撃手段は粗方把握できている。
 全身を時間凍結氷結晶で覆い、戦闘力を増強させ、高速を誇る飛翔能力をもってすかさず距離を詰めて来るブックドミネーター。
 その動きはまともに真正面から相対せば、たとえ素手でも、容易く打ち倒されてしまう程の威力とスピードを誇るが。
 ミコは咄嗟に念動力を以て空へと飛んで。
 積み重ねた戦闘経験と五感を研ぎ澄まし、唸りを上げて迫る拳を捌かんとするけれど。
「! ぐ……っ」
 ただでさえ格上の相手な上に、さらに強化されたその打撃を完全に躱し切ることができない。
 さらに強烈な蹴りが続けて見舞われ、衝撃が重なり、思わず揺らぐけれど。
 だが……それさえも、想定内。
 重要な臓器などに致命的な衝撃を受けない程度に位置をずらし、即死だけは避けるよう心掛けるミコ。
 それすらも難儀で、受けた衝撃の数々は致命傷にはならずとも、どれも強烈で重いけれど。
「……時間凍結氷結晶で全身を覆ってるのは痛いぐらい理解しました」
 かはっと咽つつも、ミコはこう書架の王へと続ける。
「ですが覆って居るのはその身だけであり魂まではかないませんよね?」
『……何?』
 今にも地に倒れそうに見えるミコの言葉に、ブックドミネーターは攻撃の手を緩めずとも反応を示すけれど。
 ならばと向けられる攻撃から逃げ惑っていたミコが、反撃へと転じる。
 ――いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第零の竜よ!
 刹那、屠竜の魔女の魔力が宿りし影に潜む数多の黒竜の残滓が、時間凍結氷結晶で覆われた敵のその肉体自体ではなく。
「この地形を凍結させる力……生命力を略奪して構築した黒竜の道楽を以てその傲慢を喰らいましょう」
 ブックドミネーターの負の想念と所持している財産のみを喰らわんと牙を剥く。
『……!』
「正直なところ貴方の思惑は判りません」
 そしてミコは、数多の黒竜の残滓を向かわせながらも、書架の王へとこう続ける。
 ――ですが、今を生き選び続けているのは私達なのですよ、と。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロット・クリスティア
……少なくとも、あなたは我々について、ともすれば我々よりも知っているようです。
知識は力となる。であるならば、あなたを好きにさせおくことは出来ないでしょうよ。

無詠唱による瞬間的な治療……つまりは、生半可な攻撃は無駄と。
であるならば、『一撃で致命打を入れる』以外に術はないと言う事……。
簡単ではありませんが……。

弾幕で相手の動きを制限し、心臓狙いの狙撃で撃破を狙う。
……当然、それだけで獲れるほど甘い相手ではない。間違いなく傷は治され、敵の攻撃は許すでしょう。
……私自身を餌にして、ユーベルコードの地雷に誘い込みます。
これも致命打にならなくていい。一瞬でも気を逸らし、ここで本命の弾丸を打ち込む……!



 アリスラビリンスにある、時間凍結城。
 此処に君臨する王こそ――書架の王『ブックドミネーター』。
 これまでの迷宮災厄戦にて、いくつもの戦場を超えて来た猟兵達も、遂に猟書家達の元へと辿り着き相対する。
 そして眼前のブックドミネーターは、予知や予兆をひとたび耳に聞けば。
 書を司る者であり全ての書の力を扱える王であり、その知識量は膨大でありそうであると。
「……少なくとも、あなたは我々について、ともすれば我々よりも知っているようです」
 シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)は改めてそう、書架の王を見遣り思う。
 ――知識は力となる、と。
 そして、まさにその知識を誇るという存在が敵であれば。
「であるならば、あなたを好きにさせおくことは出来ないでしょうよ」
 自分達猟兵が成すべきことはひとつ。
 眼前に在る書架の王『ブックドミネーター』を討ち倒すのみ。
 けれど、自分は強いと紡ぐ敵は、かなりの強敵。
 先制を必ず取られるであろうことは勿論、ひとりでは到底歯が立たぬ相手。
 だが傭兵達は把握している。予知による、敵の行動や攻撃手段を。
 それを活かし、そして他の猟兵達と共に攻撃を重ねていけば……遥かに格上であるブックドミネーターにも、勝機はある。
 シャルロットは予知通り、自らよりも格段の素早さで行動を起こすブックドミネーターへと視線を向けて。
(「無詠唱による瞬間的な治療……つまりは、生半可な攻撃は無駄と」)
 ――であるならば、『一撃で致命打を入れる』以外に術はないと言う事……。
(「簡単ではありませんが……」)
 決して容易ではない。けれども、それが敵への有効打として今考えられること。
 簡単ではないけれど、やるしかない。
 そもそも大型の機関銃・マギテック・マシンガンを構え狙い定めるシャルロットに、それ以外の選択は毛頭なく。
 弾幕で相手の動きを制限し狙うは――ブックドミネーターの心臓。
 けれど、確りと狙いを定め引き金を引きながらも、シャルロットには分かっているから。
(「……当然、それだけで獲れるほど甘い相手ではない。間違いなく傷は治され、敵の攻撃は許すでしょう」)
 だから、その一撃で仕留めようだなんて思ってなどいない。
 思った通り、心臓への狙撃を容易く無詠唱で癒し、書架の王がシャルロットの方へと数歩踏み出した……その瞬間だった。
 ――迂闊に動くと、危ない『かもしれない』ですよ。
『……!』
 これまで表情を変えなかった書架の王が目を見開いた刹那、耳を劈くのは、爆ぜる様な衝撃音。
 展開した不確かなる罠地帯の地雷に、ブックドミネーターを上手く誘い込んだのだ。
 けれどこれも致命打にならなくていい、一瞬でも気を逸らせれば……と。
 そしてシャルロットは狙いを定め、再びその引き金をぐっと引く。
 満を持して――ここで本命の弾丸を打ち込む……! と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ライカ・ネーベルラーベ
時間凍結能力を持った書家の王……
いいよ、わたしが殺してあげる
「由も理も知らないよあはははははは!それがわたしの役目だからさぁあははははは!!」

相手の先制攻撃には防戦一方になるね
早いし飛んでるし
素手で殴りかかってくるのだけが幸いかな
とにかく意識を刈り取られるのだけは避けなくちゃいけない
ダメージを覚悟で、頭とか最小限の部位の守りに集中

で、相手が虫の息と見て攻撃が緩んだ隙を見て
自身に【ジギタリスのエキス】をブチ込んで【それは、奇跡なんかじゃなく】
勝ったと思ってる相手にキツイ一発をお見舞いしてあげる
「死、ねぇえええええええええええええええええ!」



 アリスラビリンス・時間凍結城での戦いも、次第に見えて来た決着の時。
『……群竜大陸での戦いぶりも、実に見事だっただけはある』
 時間さえも凍結させるという、絶対零度の蒼き世界に在る書架の王。
 ――私は強い、と。
 そう紡いでいたブックドミネーターも、猟兵達の猛攻を受け続け、ダメージの蓄積は明らかであるが。
 それでもまだ倒れることなく、六番目の猟兵達と呼ぶ彼等を迎え撃つ。
 そんなブックドミネーターの前へと辿り着いたのは、物憂げな雰囲気の女性。
 けれど、彼女――ライカ・ネーベルラーベ(りゅうせいのねがい・f27508)は、眼前の敵を見遣って。
「時間凍結能力を持った書家の王……」
 そう呟きを落とした後、橙の瞳をふと細め続ける。
 ――いいよ、わたしが殺してあげる、って。
 そして、まるで壊れた玩具かの様に。
「由も理も知らないよあはははははは! それがわたしの役目だからさぁあははははは!!」
 物憂げな雰囲気は何処へやら、戦場中に響くほどの笑い声を上げる。
 そんな狂ったように高笑うライカを地に沈めるべく。
『……あれは使わない。素手でお相手しよう』
 全身を時間凍結氷結晶で覆ったブックドミネーターは、戦闘力増強と高速の飛翔能力を得てから。
 そのスピードを以って、瞬時にライカの懐へと入った刹那。
 唸りを上げた拳を放ち、先制の打撃を見舞わんとする。
「……ッ、!」
 そんな敵の先制の猛攻に、早いし飛んでるし……と、防戦一方になるライカ。
 戦闘力とスピードが増しているとはいえ、素手で殴りかかってくることだけが幸いかもしれないが。
「! あ……ぐっ!」
 容赦なく捻じ込まれる強烈な拳や蹴りに膝が笑い、崩れ落ちそうになるけれど。
 ――とにかく意識を刈り取られるのだけは避けなくちゃいけない。
 ダメージを受ける覚悟で、頭などの最小限の部位の守りに集中し何とか倒れる事だけはないようにと踏ん張るけれど。
 それでもライカの姿をみれば、まさに虫の息……いつ倒れてもおかしくはない。
 ……ように、見えるけれど。
 それこそ、ライカの狙い通り。
 刹那自らにブチ込むのは、ライカにとってのドーピング剤……強心剤『ジギタリスのエキス』。
 そして瞬間、響く叫び声と共に展開するは。
 ――ま、だ、だァァァァァァー!
『それは、奇跡なんかじゃなく』――戦闘で瀕死になった今だからこそ発動し召喚される、もうひとりのライカ。
 そして、強い戦意で負傷をねじ伏せ立ち上がったもうひとりのライカは、勝利を確信し一瞬生じた相手の隙へとお見舞いしてあげる。
「死、ねぇえええええええええええええええええ!」
 これまで猟兵達が重ねてきた、癒しが間に合っていないブックドミネーターの傷口へと、渾身の力を込めたキツイ一発を。
『……ぐ、はッ! 私としたことが、油断したか』
 そして強心剤の副作用もあり、本体のライカが地へと崩れ落ち、倒れ込むよりも早く。
 書架の王『ブックドミネーター』は、君臨していた時間凍結城から消滅したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月18日


挿絵イラスト