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迷宮災厄戦㉓〜ブーレブレブレブレ(笑い声)

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #キング・ブレイン

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「ブレブレブレ……少し威圧感が足りないか。ブーレブレブレブレ!うむ、この方が様になっているな!」
 予兆で得られた通り、怪人達に向けての挨拶に入念な練習を欠かさないキング・ブレイン。その奇抜な容姿や言動とは裏腹に、彼が居を構える世界は至って普通で逆に異質だ。
「む……?」
 その時、扉が開け放たれた。書架の王や他の猟書家ではないと瞬時に悟ったキング・ブレインは、即座に臨戦態勢へと入った。
「んんんんんー、許るさーん!よくも我輩の練習を邪魔する気だな!おととい来やがって下さい!!」


「新たなる猟書家、キング・ブレインへの道が開けたのです」
 グリモアベースにて無表情なフェアリー、ウーナ・グノーメ(砂礫の先達・f22960)は、あまり緊迫感のない様子で告げる。

 相手は予兆にもあった通り奇妙な外見と奇抜な言動が特徴の、書架の王にキマイラフューチャーに最も適しているとお眼鏡に適ったのも納得できる猟書家である。
「尤も、油断は禁物なのです。相手はサー・ジャバウォックやレディ・ハンプティと同格の存在、強大なオウガ・オリジンを封じ込め、その力を奪い取った一人に違いはないのです。こちらの侵入に素早く対応し、先制攻撃を仕掛けてくると思った方が良いのです。敵は怪人の力を秘めた書物、そして脳と思しき部位から放つビームで攻撃してくるようなのです」
 ウーナは猟兵達に、決してとぼけた相手だからと言って油断しないようにと、釘を刺すように一言一言を強調した。彼女にとっては、こちらの方が伝えたいメッセージなのであろう。
「しかしながら、サー・ジャバウォックが倒れた今、キング・ブレインを討伐することも決して不可能ではないと証明はされているのです。わたしはあなた方の勝利を確信しているのです」

 グリモアが輝き、世界を亘る門が開かれた。
「猟書家を倒せば倒す程にオウガ・オリジンの力が戻るのは気がかりなのですが……さりとて猟書家を放置しておくわけにもいかないのです。よろしくお願いするのです」
 ウーナは猟兵達に一礼し、その姿を見送った。


鶺鴒
 こんにちは、或いは初めまして。鶺鴒(せきれい)と申します。
 皆様の活躍を精一杯描写させて頂きたく思います。

 本シナリオは一章完結の戦争シナリオとなっております。全体のルールはトップページを参照下さい、シナリオとしてのルールに変化はございません。
 此度の舞台は、何ら特記することのない普通の世界です。
『敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する』ことで、プレイングにボーナスが付与されます。
 逆に対策が不十分だった場合、結果が強制的に苦戦や大苦戦になることもありますので、ご注意をお願いします。
(とは言え敵が敵なので、強敵という設定に反してリプレイがゆるい感じになる可能性は大いにございます)

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちさせて頂きます。
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第1章 ボス戦 『猟書家『キング・ブレイン』』

POW   :    侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」
【スーパー怪人大全集の好きな巻】を使用する事で、【そこに載ってる怪人誰かの特徴ひとつ】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーキング・ブレイン】に変身する。
SPD   :    本棚をバーン!
【突然、背中のでかい本棚を投げつけること】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【リアクションをよく見て身体特徴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    脳ビーム
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【脳(かしこさを暴走させる)】属性の【ビーム】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴェル・フィオーネ
・心情
あ、えっとお邪魔しまーす
……って、そうじゃなくて!?
あぁもう、調子狂うけれど、こんな感じでもこの世界だけじゃなくて他の世界にも被害がでるっていうのなら食い止めなきゃ!

・戦闘
相手の先制攻撃は技能【オーラ防御】で食い止めるわ!
その一瞬の隙を狙って、技能【カウンター】でユーベルコード『スパイラル・オーバーロード・ストライク』を叩き込むわ!

・その他
アドリブ等は大歓迎よ!



「あ、えっと、お邪魔しまーす……って、そうじゃなくて!」
 珍妙な場の雰囲気に引っ張られ、ヴェル・フィオーネ(ウィザード・オブ・アリスナイト・f19378)は自分も挨拶をしてしまう。

「ようこそいらっしゃいました、お初にお目にかかります!そしてこれが最後だ!喰らえい!脳、ビイイィィィム!!」
有無を言わさずガラス質の透明な頭部から覗く頭脳より、チャージした賢さ暴走ビームを放つキング・ブレイン!
「ブレブレブレ!このビームは受けた者の知性が高い程に大ダメージを与えるのだ!高度な知性体である猟兵には正に効果覿面……って何ュ!?」
 ビームの射線には、オーラ防御を展開することで何とか一撃を耐え抜いたヴェルの姿があった。しかし、威力自体はかなり高かったらしく、蹲って息も絶え絶えといった様子。
「くっ、こんなのでも流石は猟書家ね……全力でオーラ防御を展開しなければ危なかったわ」
「こんなのとは何だ失敬な!ブレブレブレ……一発で倒れぬならば二発目で倒すのみ!脳ビーム、チャージ行きます!!」
 キング・ブレインの頭脳と思しき部位に光がチャージされていく。だが、この隙をヴェルは決して見逃さなかった。
「みすみすチャージなんてさせるわけないじゃない!その隙、頂いたわ!何を失うかはわからないけど……それでも!譲れないものがあるの!」
 ビームがチャージされている最中に突っ込んでいき、カウンターを狙うヴェル。言うのは簡単だが、これは弾の込められた大砲の筒先に突っ込んでいくようなものだ。生半可な覚悟でできる技ではない。

「スパイラル・オーバーロード・ストライク!!!」
 その必殺の一撃は、確かにキング・ブレインに届いた。
「わ、我輩の一張羅に傷がァァァ!? おのれ猟兵、リーダーシップを発揮するために我輩がどれだけの時間をかけて仕立てたとどぶっふぉおっ!?」
「喋ってる暇があったら戦いなさい!その脳はビームを撃つだけの飾りかしら!?」
 カウンターでビーム発射を阻止したヴェルは、そのままキング・ブレインに追撃を喰らわせ、着実にダメージを蓄積させた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

隣・人
「あーはっはっは。アハアハ。アハハハハァー……隣人ちゃん今何回『ハ』って言いましたか。教えてくださいよ脳味噌キング野郎!!!」
怪人ってのはつまり『人』なので三半規管ありますよね。あると言え。言わねぇとぶん殴るぞてめぇ!!!
その怪人の『特徴』を理解する為に『乗ってきそうな台詞』で時間稼ぎますよ
「そういえばブレインってどういう意味ですかね。あ。もしかしてなめらかお菓子な気分ですか……ところでもっとカッコイイ口上ありませんかね。王様っぽくお願い致します」
相手の『特徴』を引き出したら回避防御に専念しましょう。隙を晒したらコーヒーカップ叩き付けてやります
「アハハ――アンタの脳漿ぶち撒けてやりますよ!」



「あーはっはっは。アハアハ。アハハハハァー……」
 妄執、迷妄、妄想の果てに愛すべき忌むべき隣人はいる。つまり此処にも。
 愉快そうに不快そうに嗤いながら隣・人(ゲロイン・f13161)は声高に、或いは囁くように告げた。

「隣人ちゃん今何回『ハ』って言いましたか。教えてくださいよ脳味噌キング野郎!!!」
「いや知りませんよそんなこと!多分9回であると我輩の聴覚は言っているのである!」
「残念、3回は『は』なので6回です。そして聴覚があると言いましたね、言ったなおい!?つまり三半規管ありますよね。あると言え。言わねぇとぶん殴るぞてめぇ!!!」
 睦言のように優しく、かと思えば唐突に脅迫するように憤る。キング・ブレインは忌避感を感じた……『キャラ被り』に。
「こ、こいつ……キャラがブレている!こんな色物を相手にしていられるか!とっととスーパー怪人大全集(全687巻)の力を借りて粉砕せねば!」
「そういえばブレインってどういう意味ですかね。あ。もしかしてなめらかお菓子な気分ですか……ところでもっとカッコイイ口上ありませんかね。王様っぽくお願い致します」
「もっとカッコイイ口上だと……つまり今の我輩はダサいと言いたいのですか!人(?)が下手に出ていれば調子に乗りおって!今、正に我輩は怪人の力を滑るスーパーキング怪人である!無礼は許さんぞブレインなだけに!」
 自分もキャラがブレていることは棚に上げ、背中に第三の巨大な腕の付いたスーパーキング・ブレインへと変身する脳みそ骸骨。身長は約3倍に膨れ上がり、流石にかなりの威圧感を伴っている。
「ブレブレブレ!今の我輩は427ページに記載されている、ベリーストロングな怪力怪人の『腕』を拝借した、スーパーキング・ブレインモードである!この豪腕で戯言ごと貴様を叩き潰してくれよう!食いやがれ下さい、ブレインパーンチ!!」
 キング・ブレインの豪腕が床を粉砕し、瓦礫があちこちに飛散する。しかし隣・人はふわふわと一見頼りない動きでそれを回避して、コーヒーカップを片手に嗤っていた。
「アハーハハァ!怪力自慢ですか、イイですね!つまりそれは相応に隙があるってことですからね、脳漿ぶち撒けろオラァ!!」
 突然、ロープのような触手が生えたコーヒーカップが丸見えの頭脳に直撃するが、キング・ブレインはビクともしない。
「ブーレブレブレブレ!見た目に騙されて脳を攻撃するとは愚かなり猟兵!ここは我輩の体の中で最も硬い部位なのである!つまりここへの攻撃は無駄ぶほオッ!!?」
 触手付きコーヒーカップの一撃は、今度はキング・ブレインの腹部へと炸裂した。

「わざわざ弱点じゃないと教えてくれてありがとうございます。あ、ミイラって知ってます?アレって鼻から脳味噌引っこ抜くのがミソなんです脳味噌だけに。スケルトンからミイラにクラスチェンジしてみませんか?しますよね?すると言え」
 そう、隣・人の一見支離滅裂に見える会話は、相手の『特徴』を引き出すための挑発(のようなもの)だったのだ。それにまんまと引っ掛かったキング・ブレインは、むざむざ自分に有効な打撃を教えてしまったも同然であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レパル・リオン
アリスラビリンスも守るけど、キマイラフューチャーだって守らなきゃ!

飛んでくる本棚を、オーラ防御をまとった回し蹴りで迎撃!
脚力とオーラ反発力でダメージ回避!

凌いだら改めて名乗り!
キマフュの平和はあたしが守る!魔法猟兵イェーガー・レパル参上!

飛んできた追撃本棚を掴み取り(最初の迎撃に使った脚を使わないのがミソ)、本棚の勢いで更に横回転!投げ返して突撃!
怯ませてからの殴り合いに持ち込むわ!

トドメっ!大ジャンプからの【虎狼竜・神風脚】で、本棚ごとなぎ倒すわ!



「アリスラビリンスも守るけど、キマイラフューチャーだって守らなきゃ!怪人には容赦しないわ、あたしが相手よ!」
 レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)はビシッと人差し指を突きつけて、怪人を相手にするかの如くキング・ブレインに宣戦布告をした。

「ブレ!?貴様は何者……まさか、あのネコ科とイヌ科と爬虫類の特徴が混ざったような容姿……アレは正(まさ)しく、我輩が侵略しようとしている世界の主だった種族であるキマイラではないか!今からあなたの内臓を引っこ抜くので、そこにサインをお願いします!」
 その台詞と共にキング・ブレインが少し前屈みになると、とんでもない勢いで本棚そのものが飛んできた!
「ブーレブレブレ!我輩はスーパー怪人大全集(全687巻)をただ読むだけではなく、このように用いることも可能な頭脳派なのである!」
 本当にただぶん投げているだけの攻撃を、本を用いていると言えるかどうかは果てしなく微妙であるが、とにかく数百冊の分厚い本の質量が乗っかった攻撃は単純に脅威だ。
「レパル・キーック!」
 オーラ防御を纏った回し蹴りが本棚を弾き飛ばし、オーラ防御の反作用を防ぐ効果と蹴りの威力で本棚は見事に逸れて明後日の方向に飛んでいく。
「キマフュの平和はあたしが守る!魔法猟兵イェーガー・レパル参上!」
 華麗にポーズを決めて改めて名乗りを上げるレパルに、キング・ブレインはぐぬぬと悔しそうに地団駄を踏む。
「ブレブレブレ……いい気になっていられるのも今の内だぞ魔法猟兵!その本棚は貴様のリアクションを見るための言わば布石!次の攻撃こそが本番!戻ってこい本棚よ……って何やってるんですかー!!?」
 レパルは攻撃が終わった後に戻ってくる本棚に素早く捕まり、本棚ごとキング・ブレインの元に急接近していたのである。更にその矮躯からは想像できない怪力で本棚をグルグル回転させ、戻っていく勢いに上乗せして思いっきりぶん投げた!
「お返しよ、キング・ブレイン!」
「ぬおおおおっ!?」
 自らの元へ投げつけられる本棚を辛うじて回避したキング・ブレインはレパルを睨み付け、しかし臆することなく言い放つ。
「い、今の一撃は不意を突かれたが、貴様の先程のリアクションは覚えた!貴様は蹴りを主軸にして戦ぐへえっ!!?」
「レパル・パーンチ!!」
 すかさず距離を詰めたレパルは思いっきり鉄拳を腹に叩き込む。『まだ見られていない』、拳を使った殴り合いに持ち込んだのだ。
「ちょ、待って、待って下さい!そう言う戦い方は聞いてません!ああ服、服がボロボロに!!」
「ふっ、今から服の心配をしていて大丈夫なのかしら?もっとボロボロになるわよ、あなたの体の方がね!」
 とうっ、と天井近くまで飛び上がるレパル。片足がライオンの頭部へと変形し、そのまま急降下して飛び蹴りもとい飛び噛み付きを仕掛ける!
「ふっ、やはり必殺の一撃は蹴りであるな、それなら先程見たリアクションから……!リアクションから……あの、さっき回し蹴りに使った脚と逆じゃないですそれ?」
 そう、レパルはここまで一度も迎撃で使った脚を攻撃には用いていないのだ。一度見られたリアクションは学習されると既に知っていたが故に。

「これで終わりよ!カミカゼー……キーック!!」
「グワーッ!!」
 その一撃は何故かキング・ブレインを貫通し、鮮やかに大爆発を起こした。それを背後にレパルが決めポーズを取り、カメラ目線でしめやかにフィニッシュを飾るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シウム・ジョイグルミット
[POW]
ウーサウサウサウサ!
普段そんな笑い方じゃないけど、邪魔しに来たぞーっ!

スーパー怪人大全集って、なんだか面白そう
読んでみたいけど、読ませてもらえないよねぇ
それじゃ、こっちは『Hungry Dumpty』召喚!
先制攻撃してくるから【野生の勘】を絡めた先読みが必要かな
敵の変化する身体を見て判断してみよー
歩いて向かってきそうなら、進行方向の地面を水飴に変えておくよ
飛びそうなら最初は様子見して、着地しそうな地面を水飴にしようかな
踏んだら沈んで動き辛くなるから、その隙に仲間に攻めてもらおー
飛びっぱなしなら、ダンプティの腕を弾力抜群のグミに変えちゃう
それを伸ばして敵の足を掴んで動き難くしちゃおう!



「ウーサウサウサウサ!普段そんな笑い方じゃないけど、邪魔しに来たぞーっ!と言うわけで、お邪魔しまーすっ!」
「邪魔するなら帰って下さいマジで!今、我輩は取り込み中なのである!」
 シウム・ジョイグルミット(風の吹くまま気の向くまま・f20781)の闖入に爆風でヨレヨレになった衣服の埃を払い、キング・ブレインが割と切羽詰まった声色で告げる。

「いやー、これも猟兵のお仕事だしねっ!で、何だっけ…… スーパー怪人大全集だっけ?面白そうだから読んでみたいなぁ、読ませてくれない?」
「スーパー怪人大全集(全687巻)である!読ませるわけないでしょ!これに目を通せるのは、書架の王よりこの書を賜った我輩だけの特権である!」
 すると、キング・ブレインはその内の一冊を取り出して広げ、3倍もの身長へと巨大化し、背中に翼を持った、無駄に神々しい姿のスーパーキング・ブレインへと変身を遂げた!
「ブレブレブレ!このように我輩が取れない姿は無いと思って頂きたい!さあ、行くぞ猟兵よ、我が空中殺法の前に大人しく跪いて下さい!」
 空中に無駄に華麗に飛び上がり、急降下キックを仕掛けてくるキング・ブレイン。その攻撃は極めて素早く的確なものであったが、シウムは野生の勘を駆使することで何とかギリギリ回避した。
「……っとと、危ない危ない!これは次は避けられないかもねぇ、これお腹減るからあんまり好きじゃないんだけど、使うしかないかぁ……よーしやっちゃえ、みんな食べちゃえ♪ Hungry Dumpty!」
 シウムの呼び声に応じて、食器が大量に集まり、手足と口を備えた怪物、腹ペコダンプティが召喚される。
「ブーレブレブレブレ!そのような食器もどきで何ができると言うのだ!次の一撃で確実に仕留めてくれる!」
「ダンプティ、防御をお願い!あと、アレもねっ!」
 キング・ブレインは再び舞い上がると急降下キックをかまし、その巨大化した質量で防御に回るダンプティを蹴散らそうとした……が!
「何とおォォォ!?」
 粉々に砕ける筈だった床はぐにょんとねじ曲がり、まるで底無し沼のようにキング・ブレインの下半身をズッポリと飲み込んでしまったのだ。
「よいしょ、っと。この子、触れたものをお菓子に変える力があるんだよっ!それで床を水飴に変えて、文字通りキミにはハマって貰ったのさっ!」
 シウムが一緒に沈んだハンプティを引っ張り上げる。キング・ブレインも必死に抜け出そうとするが、勢い良く突っ込んだ分、こちらの方が深く沈み込んでいて脱出には時間がかかりそうだ。

「それじゃあ、動けない相手に攻撃するのはちょーっと気が引けるけど……やっちゃえっ、ダンプティ♪」
「ちょ、待って下さい、やめて下さい!我輩、もう服がボロボロなのだ!あ、ちょっと、フォークはやめ……あああーっ!!」
水飴でズボンはドロドロになり、フォークで滅多刺しにされて上着は穴だらけになり、ナイフで切り裂かれ、口で噛み付かれてマントはボロボロになってしまうキング・ブレインなのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

玉ノ井・狐狛
※アドリブ/連携などお任せ

こりゃまた元気の有り余った王サマだこって

🛡️
起点は脳、軌道は直線
それが分かってりゃァ、「先制」はさせても、「不意打ち」させてやる理由はない
威力はありそうだから、防ぐのはやめて回避
むやみにビビる必要はない。影響範囲を見極めりゃァな
▻見切り▻視力


初撃を避けつつ接近
直接触れるか、せめて札が届く距離までいけたらUCで呪詛を刻む――王手、なんてな
あとは逃げ回るだけだ
UCのデバフもあるからな、どうにかなんだろ
「詠唱時間に応じて威力が上がる」のを裏返しゃ、「十分に詠唱できなきゃ威力はショボい」っつうコトになる
余裕があったはずの初撃で決められなかった時点で、アンタの負けだぜ



「こりゃまた元気の有り余った王サマだこって」
玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)の呆れたような声に、キング・ブレインは高らかに笑って応じる。

「ブーレブレブレブレ!一張羅が台無しどころじゃなくて正直泣きたい気分です!でも我輩、このぐらいではへこたれないのである!」
ズボンが水飴だらけで程よく変態加減が増した姿で、腕を組んで仁王立ち。何故、キマフュに関わる悪役はどいつもこいつも前向きでポジティブなのか。
「しかし今度こそは遅れは取らんぞ!受けよ、脳ビイイィィィム!!」
 既に十分なチャージを終えていた脳ビームが、頭部より炸裂して狐狛に襲いかかる!だが狐狛はひょいっとその攻撃を見切って、最低限の動きで回避した。
「ちょ、あなた極太ビームを普通に避けるのは無粋じゃありません!?」
「知らねぇし。先制攻撃されるのがわかってるのならむざむざ喰らってやる道理はねぇよ。範囲が直線状だから、見切るのは割と簡単だったぜ?」
「ぐぬぬ……ならば次こそは賢さを暴走させて見せる!脳ビームチャージ、行きます!」
「させねぇよ」
 チャージ中に急接近し、護符を数枚投げつける狐狛。キング・ブレインはチャージを中断して発射するも、最初の一撃ほどの範囲と威力はない。狐狛は先程よりも簡単にそれを見切って回避した。
「それ、チャージが必要ってことはだ。最初ほどの威力を出すのはもう無理だろ?で、今アンタに張り付いた護符……これで『王手』だ、文字通りな」
「ブレブレブレ!こんな護符がどうしたと言うのだ!」
 張り付いた護符を引っぺがして破り捨てるキング・ブレインだが、既に呪詛は身を蝕んでいる。そのことを確信した狐狛は、逆に距離を取って人差し指を口の前で降って愚弄した。

「詳しく説明してやる必要もねぇが、もうアンタはダメージを受け続けるだけだぜ。アタシは逃げ回ってりゃそれでいい。アンタが力尽きるのを待つだけだ」
「え、ちょ、それは……」
「まだ認められないと言うのなら勝手にしやがれ。アタシは忠告したからな?」
 だが、狐狛の言う通りに呪詛によってキング・ブレインが疲れ果てて動けなくなるのには、もう少し時間がかかることになる。最後に割って入った者達が居たからだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルヴィエート・ラーヴル
【荒天】
手強い相手でしょうが…パワーイズジャスティス!
つかささま、捻じ伏せてやりましょう!

あらあら、そんなキャラも定まっていない笑い方で悪役とはおハーブが生えましてよ!
せめて金属を纏った素敵な怪人になってから出直してくださいませんこと?と挑発
うまく金属化した怪人となり巨大化したならこちらのもの!
つかささま、参りましょう!
スルトの肩に騎乗させて頂きいざ出陣ですわ

熱戦砲に合わせ、ここで私の出番ですわね!!
スルトの力で熱された箇所に目掛けUC発動
つかささまの出力に負けぬよう全力魔法・限界突破で最大出力の氷結の力でぐるぐる巻きで捕縛してやりますわ
これがお姫様(ヒーロー)力ですわ!!おくたばりあそばせ!


荒谷・つかさ
【荒天】

ええ、力こそ正義。筋肉は最強。
今こそ見せてあげましょう、私達の女子力(POW)を!

巨大化に対し当初はサイズ差による小回りを活かし二人で攪乱
コード発動可能になり次第【黄昏の鉄巨神】発動
通常形態すっ飛ばして即座に合体、体格差や金属化による防御面の不利を少しでも補う
その後は正面から殴り合いつつ、隙を見て胸部熱線砲をぶち当てる
ただしこの加熱は布石、本命はシルヴィの援護
高温の金属を急速冷却した場合、急激な体積の変化による罅割れ……熱疲労が発生する
こうなってしまえば、どんな頑強な金属装甲もボロボロ
鉄拳にドリルユニットを装着、ど真ん中をぶち抜く

どてっ腹、ぶち抜いて差し上げましてよ!
(喋りがうつった)



「あらあら、そんなキャラも定まっていない笑い方で悪役とはおハーブが生えましてよ!せめて金属を纏った素敵な怪人になってから出直してくださいませんこと?」
 シルヴィエート・ラーヴル(お姫様Lv1・f25627)は極めてわかりやすい挑発でキング・ブレインの変身先を調整しようとした。
「ブレブレブレ……ハーブなど片腹痛い、ぺんぺん草も残さぬよう残った力を振り絞り、徹底的に全力で叩き潰してくれる!!」
 キング・ブレインは全身に金属を纏った巨大な脳味噌骸骨へと変身し、その姿にシルヴィエートは呆気に取られた。勿論、その威容ではなく物凄く簡単に挑発に乗ってきたことに対して、だが。
「ここまで簡単に乗っかってくるとは思いませんでしたわ……ですがこれは好機!パワーイズジャスティス!敵が力押しで来るなら、それを更に上回る力で捻じ伏せるのみですわ!つかささま、参りましょう!」
「ええ、力こそ正義。筋肉は最強。今こそ見せてあげましょう、私達の女子力(POW)を!」
それに呼応し、荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)は息を合わせる。二人の漢女(おとめ)が合わさる時、その力は単純な1+1ではなくなるのだ。

「流石に、直撃を貰うのはまずいわね……!」
 体格差を利用し、攻撃を巧みに回避しながらつかさが言う。キング・ブレインの言葉は決してハッタリではない、その姿は天地を砕く剛拳を振るう、正に強敵であった。
「ブレブレブレ……!ちょこまかと逃げ回ることしかできないようであるな!」
 踏みつけ攻撃で床が崩れ、天井の一部が崩落する。そのタイミングで、シルヴィエートが叫んだ。
「つかさ様、今です!」
「了解よ!『レーヴァテインユニット、エンゲージ!』『全ユニット接続……完了!』『KFG零型、オーバードライブ!』『【黄昏の鉄巨神(スルト・ラグナロク)】、見参ッ!』」
 本来はスルトという通常形態があるものの、それをすっ飛ばしていきなり本気の形態に変身するというワープ進化を決め、スーパーキング・ブレインと同等の巨躯を得たつかさは、お返しとばかりにインファイトを仕掛ける。シルヴィエートは巨大化したつかさの肩に乗り、騎乗した格好だ。
「これでハンデ抜き、正面からの殴り合いよ!いざ、尋常に!」
「ブレブレブレ!面白い、正面から叩きのめしてやるのである!」
 キング・ブレインの右ストレートを左手で払い、つかさが脳天に拳を叩きつける。しかしキング・ブレインはその場に踏み留まり、右ハイキックですかさず反撃!つかさは再び左腕でガードするも、今度は払い切ることができず、完全に受けの態勢となり、ギリギリと全身が軋みをあげた。
「……今よ!」
 つかさの胸部が光輝き、熱線砲が放たれた!しかしキング・ブレインは余裕といった風にこれを受け止める。
「ブレブレブレ、何が今よ!であるか!この程度で倒れる我輩では……」
「あら、何を勘違いしているのかしら?今よ、はシルヴィエートに言ったのよ」
 その瞬間、キング・ブレインの胸部に氷の蛇が飛びつき、冷気の爆発を引き起こした!更にシルヴィエートとキング・ブレインの間が氷の鎖で繋がれ、キング・ブレインに冷気が送り込まれていく。
「私の怒り、思い知りなさいませ!」
「ブレ!?二段の構えとは!しかし何のこれしき……ってグワーッ!?」
 突如、キング・ブレインの胴体に亀裂が入る。熱せられた金属が急激に冷却されたために、金属疲労が一気に蓄積したのだ。更に先程から受けている狐狛の呪詛も、その破壊に拍車をかけた!

「こうなってしまえば、頑強な金属装甲もボロ雑巾と同じよ」
「これがお姫様(ヒーロー)力ですわ!!おくたばりあそばせ!」
「どてっ腹、ぶち抜いて差し上げますわ!」
 (シルヴィエートの口調が移り気味の)つかさの鉄拳にドリルユニットが装着され、その胴体を木っ端微塵に粉砕しながら刺し貫く!
「ブレブレブレ……わ、我輩を倒しても第二、第三の我輩が……え、我輩はそんなにいない? しょ、書架の王バンザーイ!!」
 最後にそう言い残すと、取り込んだ怪人の特性だったのか、盛大な爆発を起こしてキング・ブレインは粉微塵に消しとんだ。それをバックに佇み、仁王立ちしながら変身を解除するつかさ。シルヴィエートと無言でハイタッチをする様は、正に漢女(おとめ)の姿であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月16日


挿絵イラスト