「まあ。素晴らしい――もうここまでいらしたのですね?」
きらめく宝石の大地に立ち、猟書家にして銀河帝国帝位継承権保持者、プリンセス・エメラルドは輝く空を仰ぎ見た。
「猟兵……かの銀河皇帝を滅ぼしたという異界の者たち。これを打倒することは、先代の皇帝陛下への手向けとなるでしょう。ふふ……私の戴冠式に相応しい余興ですね」
轟音。――空が砕け、宝石の大地が揺らぐ。
輝く空に浮かぶのは、宇宙戦艦プリンセス・エメラルド号。
大地に立つは、鋼鉄唸る皇帝乗騎。
「さあ、おいでなさい」
かくして、次代の銀河皇帝は戦場において猟兵たちを待ち受ける。
「ガオオォォン!グゴゴゴゴ……ガオン!」
グリモアベースにて、砲撃怪獣・ガンドドン(f12004)は、アリスラビリンスの窮状を叫ぶ。
ガンドドンは赤外線を飛ばし、モニターへと映像の投影を開始した。
「ガオォン!」
モニターに投影されたのは、これより猟兵たちが攻撃を仕掛ける撃破目標の姿である。
プリンセス・エメラルド。
スペースシップワールドに存在する種族、クリスタリアンの中でも最古の存在であり、強力な戦闘艦や機動兵器をもちいた制圧戦や、クリスタリアンとしての能力であるクリスタライズの力を駆使して攻撃を仕掛けてくるきわめて強力なオブリビオンだ。
『非常に強力な戦闘能力をもっているため、じゅうぶん注意して戦ってください』――。モニターには、続けてそのようなテロップが流れた。
「ガオオオン」
続けてガンドドンはモニターの映像を切り替える。
――戦場となるのは、あらゆる場所がきらめく宝石によって構成された、いわば宝石の国だ。
『当該の戦場は敵の支配領域となっており、侵入と同時に敵はこちらを察知して先制攻撃をしかけてきます。注意されたし。この先制攻撃を凌いでから、敵に攻撃をしかけてください』。モニターのテロップが補足する。
「ガオオォオン!ガオォングゴゴ。ゴゴゴゴ……ガオンッ!」
すなわち、敵の仕掛けてくる先制攻撃を凌ぎ、その上でプリンセス・エメラルドへとユーベルコードの一撃を叩き込むのだ。
「ガオォォン!」
説明は以上である。
そしてグリモア猟兵は、猟兵たちへとはげましの視線を向けた後、戦場への転送を開始するのであった。
無限宇宙人 カノー星人
お世話になっております、カノー星人です。
スペースシップワールドの侵略などという邪悪な目論みをゆるすわけにはいきません。
よろしくおねがいいたします。
このシナリオにはプレイングボーナス要項があります。ご確認ください。
☆プレイングボーナス……『敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する』。
(プリンセス・エメラルドは必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「迷宮災厄戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
第1章 ボス戦
『猟書家『プリンセス・エメラルド』』
|
POW : プリンセス・エメラルド号
自身の【サイキックエナジー】を代償に、【宇宙戦艦プリンセス・エメラルド号】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【エメラルド色の破壊光線を放つ多数の砲】で戦う。
SPD : 侵略蔵書「帝国継承規約」
自身の身長の2倍の【皇帝乗騎(インペリアル・ヴィークル)】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : クリスタライズ・オリジナル
自身と自身の装備、【敵に被害を与えうる、半径100m以内の】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヴェル・フィオーネ
・心情
……宇宙、戦艦
いやいやいやいやいやいや!?!?でかすぎるでしょ!?
前に宇宙での大きな戦争に猟兵が挑んだってのは聞いたことあるけど、みんなこんなのと戦ったの!?ホントに!?
……あぁもう!やれってんならやってやるわよ!!!
・戦闘
相手の光線は技能【オーラ防御】で受け止めて、直撃をなるべく回避するようにするわ
そして、ユーベルコード『翔覚醒~白き姫騎士~』で飛んで、接近しつつ技能【カウンター】と技能【ランスチャージ】を叩き込むわ!
というか宇宙戦艦なんかとまともに戦ってられないわよ!?
・その他
アドリブ等は大歓迎よ!
黒城・魅夜
戴冠式?
あなたがその身に纏うべきは豪華な王冠ではなく惨めな死装束にすぎません
皇帝を僭称したあのつまらぬ男と同じようにね
「早業」「範囲攻撃」によって鎖を撃ち出しますが
目標はあなたではなく周囲の宝石です
これを無数に撃ち砕いて欠片を宙にばらまき
煌めく光の中に私の「残像」を映し出して攻撃を「誘惑」
「オーラ防御」で身を護りつつ
「見切り」「第六感」も駆使して攻撃を避け接近
いかに高速のヴィークルであろうと
駆けることができますか、止まった時の中を?
凍った時間の中で棒立ちになったあなたを私の鎖が引き裂きます
そう、時を止めるこの技こそはかつて皇帝を葬った力
そして過去の遺物たるあなた方を撃ち砕くに相応しい力です
エル・クーゴー
●POW
躯体番号L-95
当機は対艦戦闘に高い適性を発揮します
●対先制
・【空中戦】用バーニア展開、光線群に対し飛行にて回避に専心
・周辺風景を取り込み生成した迷彩を退場に塗布(撮影・情報収集・学習力・迷彩)、回避率増を
・命中弾を受けそうな際の対処二案
→戦艦の砲塔一つに絞り電脳魔術による【ハッキング】を敢行、照準をプリンセスに一瞬でも向けさせ攻勢を遅延させん
→バーニアを瞬間的に強噴射、己の身を【吹き飛ばし】離脱
●反撃
・【嵐の王・蹂躙円舞】発動
・戦艦に対し最大戦速で回避機動を継続し【誘導弾】群によるオート攻撃を敢行
・己はアンチマテリアルライフルよりプリンセスへ渾身の狙撃(スナイパー・貫通攻撃・呪殺弾)
黒川・闇慈
「帝国継承規約とは……とんだ置き土産もあったものです。クックック」
【行動】
wizで対抗です。
先制攻撃への対処ですが、どうやら相手は透明化して攻撃を仕掛けてくるようです。ですので、ホワイトカーテンの防御魔術を球状に全方位展開し、オーラ防御、激痛耐性、覚悟の技能で攻撃に備えましょう。
透明化した相手の位置を第六感の技能で補足し、属性攻撃、高速詠唱、全力魔法、範囲攻撃の技能を活用しUCを使用します。
第六感で大体の位置が掴めれば、竜巻での広域攻撃に巻き込めるでしょう。
「もう戴冠式気分でいらっしゃるのですか?それはいささか気が早いというものでしょう。クックック」
【アドリブ歓迎】
雪・兼光
◇SPD
御機嫌ようプリンセス。
悪いが一戦如何かな?
先制UC
第六感と旅行鞄を使った盾受けを利用、以降は旅行鞄が使えなければ相手へ向かってポイ捨て、第六感と見切りを併用で避ける
ふーん。要するに当たり判定が増えただけじゃん。
範囲攻撃、2回攻撃、誘導弾、乱れ撃ち、暗殺のUCで相手へ攻撃
相手の動きや攻撃パターンもたたき込みたいので見切りも利用
近距離に近づいてきたなら、
わーん、攻撃できないよーなーんてな。
近距離なら狙えないとおもったのか?遠距離時の技能に加えてだまし討ちと零距離射撃も追加のUCで零距離で射ち込んでやる。
霑国・永一
おぉ、これは盗み欲を刺激する素敵な輝きのするクリスタリアンだなぁ。よぅし決めた
君を盗むとしようじゃあないか
先制攻撃されるわけだし、戦場の宝石で出来た壁やら窪みやらなんでもいいけど障害物になりそうなところを縫いながら逃げるしか無いなぁ。皇帝乗騎はパワーはあるだろうけど、大きいし小回りも利くかと言えば怪しいしねぇ
此方のターンになったら狂気の使役を使うとしよう。皇帝乗騎、君が召喚したものなんだろう?ならその主導権を盗むまで
よぅし、今度は俺がこれ使って君を追いかけまわしてあげよう。浜辺で追いかけっこをする恋人のようなロマンは無いけど、これは愉しい
隙あらば侵略蔵書を盗み攻撃で盗むかなぁ。あと戦場の宝石も
煌めく宝石の光るその領域は、恒星瞬くスペースシップワールドの星空にどことなく似ていた。
「ふふ。――いらっしゃいましたね」
そして、輝く空の下。光る大地の上に立ち、プリンセス・エメラルドは猟兵たちを出迎える。
「ようこそ、私の玉座へ」
王侯貴族めいて、次代の銀河皇帝を標榜する猟書家は恭しく礼をした。
「おぉ……これは美しい。素敵な輝きのするクリスタリアンだなぁ」
霑国・永一(f01542)は、宝石の国の中にあってなお輝くその麗しき緑の煌めきに賛辞を贈る。
「まあ、お褒めにあずかり光栄です」
「いえいえ――貴女はとてもお美しい。俺の盗み欲を刺激する。……よぅし、決めた」
「何を?」
「君を盗むとしようじゃあないか」
永一はそう決めた。盗む、ということは、彼にとっては日々の営みの中で行われる、ごく自然なことだ。その対象が敵であれなんであれ、欲しいと思ったならば盗み出す。それが彼の流儀であった。
「情熱的なお誘いですが、そう簡単に差し出すわけにはまいりませんね?」
プリンセス・エメラルドは緩やかな笑みとともに永一を袖にする。
「それでは、始めさせていただきましょう。――そう、これは余興です。私が新たな皇帝の座に就く、帝位継承の戴冠式の」
そして、彼女は小高い丘のように隆起した宝石塊の上に立ち、猟兵たちを見下ろす。
「戴冠式?……愚かなことを」
だが、黒城・魅夜(f03522)は吐き捨てる。
「あなたがその身に纏うべきは豪華な王冠ではなく惨めな死装束にすぎません。――皇帝を僭称したあのつまらぬ男と同じようにね」
「クックック……まったくですねぇ」
黒川・闇慈(f00672)は嘲るように含み笑いの声を漏らす。
「もう戴冠式気分でいらっしゃるのですか?それはいささか気が早いというものでしょう。クックック」
「ふふ――先代の銀河皇帝がつまらぬ男だった、というのだけは同意見ですね」
プリンセス・エメラルドはその口の端に再び笑みを乗せた。
「私とて、先帝の二の轍を踏むつもりはありません。そのためにも、あなたがたの存在はここで確実に排除させていただきましょう」
その瞬間である。
轟音と共に、巨大な影が空に浮かび上がった。――宇宙戦艦、【プリンセス・エメラルド号】。猟書家プリンセス・エメラルドの保有する大規模戦力のひとつである。
「では、殲滅のお時間です」
光が迸る。
プリンセス・エメラルド号の各部に設置されたレーザー砲塔による砲撃だ。輝く熱線が宝石の大地を砕いた。
「……宇宙、戦艦……?」
ヴェル・フィオーネ(f19378)は仰ぎ見たその威容に息を呑む。
「いやいやいやいやいやいや!?!?でかすぎるでしょ!?」
そして、すぐさまツッコんだ。
「前に宇宙での大きな戦争に猟兵が挑んだってのは聞いたことあるけど、みんなこんなのと戦ったの!?ホントに!?」
「はい、すべて事実です。当機のデータベース・アーカイブに記録があります。閲覧を希望されるのでしたら、のちほどライブラリを……」
エル・クーゴー(f04770)はそこで口を挟んだ。
「やってる場合か!」
雪・兼光(f14765)がエルを引っ張る。既に敵の砲撃は開始されている。3人の数メートル横の地点が熱線に穿たれ崩壊していた。
「とにかく、あの戦艦をどうにかしなけりゃまずいぞ」
「見りゃわかるわよ!」
「承知しています。――しかし、問題はありません」
エル・クーゴーは空を仰ぐ。そして、電脳空間ストレージから空戦用ユニットを実体化させながら接続した。
「当機は対艦戦闘に高い適性を発揮します」
【嵐の王・蹂躙円舞/ワイルドハント・ジェノサイドサーカス】――空戦形態へと移行したエルは、バーニアの内部機構に火を入れ、そのまま空中へと飛び立った。
「……あぁもう!やれってんならやってやるわよ!!!じゃ、あっちの方は任せるわね!」
一方でヴェルは文句を言いながらも、その胸の内に熱を帯びる。――アリスナイト・イマジネイション。否、それは【翔覚醒~白き姫騎士~/アセンションドライブ・プリンセス・オブ・ホワイト】。ヴェルはその背に光の翼を開きながら、エルに続くようにして空へと飛び立った。
「あっちの方――?ああ、あれか」
そうして2人を見送った兼光は、その視線を向けた先に敵の姿を見る。宝石の大地を踏みしめ、猟兵たちへと向かい来るのは――プリンセス・エメラルド――そして、彼女が駆る皇帝乗騎である!
「さあ、往きましょう。ヴェルデレジーナ」
侵略蔵書の力によって、スペースシップワールドより呼び出された皇帝乗騎ヴェルデレジーナが駆動する。その躯体は人型に近しい四肢を持つ戦闘マシンであった。騎乗するプリンセス・エメラルドは念動波によって機体と精神をリンクさせ、自在に操る。――皇帝乗騎が宝石の大地を駆けた。
「――クリスタライズ」
更に、その姿が消失する――!そう、プリンセス・エメラルドはクリスタリアンの最長老だ。多くのクリスタリアンがもつ透明化のユーベルコードを、彼女もまた行使することが可能なのである。
「これはなかなか手厳しい……!」
永一は地形の陰に身を隠しつつ、上空からの砲撃から逃れる。
「とはいえあのマシン、パワーはあるだろうけど、大きいし小回りも利くかといえば――」
「それは私を侮りすぎですね?」
「お――っと!」
ぎゃり、ッ!ギアの駆動音が永一の間近で鳴る。永一は反射的に側面へ転げる回避機動をとった。直後、宝石の地面が爆散するように砕け散る。不可視化した皇帝乗騎が不意を打って仕掛けたのだ。
「相手の戦力を過小評価する――よくもその程度で先帝を打ち破れたものです」
「――ッ!今度はこっちか!」
猛攻!再び鳴る駆動音!次に標的となったのは兼光だ。接近する気配を感じ取った兼光は、咄嗟にキャリーバッグを構えた。――衝撃!皇帝乗騎の放つ打撃がシールド越しに兼光の身体を揺るがす。
「ちッ、なんつうパワー……!」
盾受けして尚凄まじい威力だ。シールドとして用いたキャリーバッグは修理しなくては使い物になるまい。兼光は鞄を放り捨て、回避機動へと移る。
「これはこれは……透明化とは、なかなか心憎い」
闇慈は皮肉気に笑いながら防御術式を編み上げた。魔術障壁を展開しながら襲撃に備えた。――打突の衝撃!不可視の打撃が闇慈を襲う。
「ふふ。――この私を、そう簡単に御せる女と思っていましたか?」
猟兵たちは激しい攻撃に晒されていた。空中には無数の砲塔より光線を撃ち出し続ける戦闘艦。地上においては、透明化した上で高速の機動戦闘を仕掛けてくる皇帝乗騎ヴェルデレジーナ。新たなオブリビオンフォーミュラとして君臨せんとする猟書家たちの例に漏れず、プリンセス・エメラルドの戦闘力は非常に強大だ。
「せめて上からの砲撃だけでも止まれば……!」
魅夜が頭上を仰ぎ、睨む。激しい砲撃の雨は地上の猟兵たちの挙動を制限し、不可視化した皇帝乗騎との戦いを大きく不利に傾けていた。
――その一方。
「バカでかすぎでしょホントにさあ!!」
「問題ありません。当機の計算上では対処可能です」
「マジで!?」
空を目指すヴェルとエルは、降りそそぐ光線の雨を掻い潜りながら戦艦プリンセス・エメラルド号へと近づきつつあった。
「というか宇宙戦艦なんかとまともに戦ってられないわよ!?」
「安心してください。まともに戦うことは可能です」
「それホントにマジなの!?」
「マジです」
バイザー越しにエルは標的の姿を見据える。攻撃目標、宇宙戦艦プリンセス・エメラルド号。ターゲット・インサイト。標的は既に有効射程に捉えている。
「これより当機は火力制圧を開始します。同時に仕掛けてください」
「わ、わかったわ!じゃあ……突っ込むわね!」
「はい。――それでは、ワイルドハントを開始します」
オープンファイア。エルは開いた武装コンテナから、ありったけの搭載火器を放出する。拡散する弾頭群が、戦艦へと向けて襲い掛かった。
――交錯する火線。そして、着弾。エメラルド号の砲塔が爆ぜる。
「今です」
「オッケー!いっくわよーー!」
その中を、白い光が駆け上る。ヴェルは手にした杖に光を纏わせ、掲げた。光の槍スペリオルマグナの穂先が、鋭く加速しながらエメラルド号の艦底部装甲へと至る。
「これが私の――『猟兵(アリス)』の力、ッ!!!」
そして、貫いた。
内部を破壊された宇宙戦艦プリンセス・エメラルド号はその機能を停止する。――火器管制機能が停止。砲撃が、止んだ。
「なんです……?私の艦が!?」
砲撃は途絶え、そして艦が沈む。猟兵たちの頭上で爆発する戦艦。花火めいて撒き散らされた破片が宝石の大地に散らばった。
――それを皮切りに、戦況が変わり始める。猟書家プリンセス・エメラルドは想定外の展開に困惑した。
「クックック……過小評価していたのはそちらでしたね?」
闇慈はプリンセス・エメラルドの声と騎乗するマシンの駆動音を頼りに気配を手繰り、おおよその位置を推察する。
「しかし帝国継承規約とは……とんだ置き土産もあったものです。クックック……」
術式駆動。闇慈の手の中で編まれた術式が空間に魔法陣を展開した。満ちる魔力は風の術式へと変換されてゆく。
「まぁ、ここで潰してしまえば同じことですがね」
そして、闇慈は身の内に宿す魔力の全てをここに注ぎ込む。――【風獄刃軍/テンペスト・センチネル】。そこに暴風が吹き荒れた。
「この――ッ!」
広域展開する風の魔術は、プリンセス・エメラルドを捉えた。牢獄めいて猟書家を包み込む竜巻が風圧と真空の刃でもってその躯体を攻め立てる!
「ッ……!しまった!」
傷を負わされたプリンセス・エメラルドの不可視化能力が解かれる。長時間の使用に加え、術式による魔力干渉によって不具合を起こしたのだ。
「ですが、私とこのヴェルデレジーナの出力をもってすればあなた方など!」
「要するに当たり判定が増えただけ――ってことじゃん!」
側面。回り込んだ兼光がブラスターを引き抜く。そのままトリガー。素早い射撃でプリンセス・エメラルドの皇帝乗騎を狙う。
「そう思うなら、試させて差し上げましょう!」
轟音!プリンセス・エメラルドがマシンの出力を上昇させ、風圧の牢を力任せに破り抜ける。皇帝乗騎ヴェルデレジーナの機体は加速し、そして兼光へと迫った!
「近づいて殴ろうって魂胆か!くそッ、近づかれちゃ攻撃できねえ――」
――瞬く間に至近距離!皇帝乗騎の両腕が、兼光を捉える!
「なーんて、な!」
しかして兼光は銃を構えた。そして引き金を引く!
「近距離なら狙えないと思ったのか?」
「――いいえ。まったく」
【クイックドロウ】!兼光のブラスターが皇帝乗騎を叩く!装甲を灼き、内部機関の一部が損壊!しかし、プリンセス・エメラルドは強引に突っ込んで兼光へとマシンごとぶつかった。衝撃に兼光の身体が数メートル吹き飛ばされる!
「ッ……!」
「痛み分け、としておきましょう。……私を凡百のオブリビオンと同じように屠れると思うのであれば、大きな過ちです」
宝石の大地に転がった兼光へと、皇帝乗騎が再び迫る。
「過ちには報いが必要でしょう。では、処刑いたします」
――そして。
「――こちら躯体番号L-95。これより友軍への支援を開始します」
「……なに!?」
その進路を遮るように、弾頭が皇帝乗騎を穿った。
エルである。戦艦の無力化を終えた彼女は、空中からプリンセス・エメラルド本体を叩く機会を伺っていたのだ。長距離狙撃を可能とするアンチマテリアルライフルの大口径弾頭は、彼女の狙い通り皇帝乗騎の装甲を砕いた。
「“遠距離戦闘・兼・IT担当”、躯体番号L-95より、“ブラスター攻撃担当”兼光へ。担当ポジションの遂行を要請します」
「ああ――、わかった」
そして兼光は身を起こし、ブラスターのグリップへと指をかける。怯むプリンセス・エメラルドへ向けて再び射撃!熱線が緑の躯体を削り取る!
「く――ッ!この……!よくも、この私に傷を!」
激昂!刻みつけられた傷に、プリンセス・エメラルドが憤怒の声をあげる!激情が皇帝乗騎を突き動かした!
「それ以上はやらせません!」
だが、その進路を塞ぐように鎖が打ち出され皇帝乗騎の道を阻む!続けてその眼前には魅夜が飛び込んだ!
「なんですか、これは……斯様な鎖ごときでこの皇帝乗騎を縛れるとでも!」
「気付いていないようですね――狙いは、こちらです!」
「……なにッ!?」
更に鎖を繰る魅夜は、その先端を周囲の地形へと叩きつける。衝撃に砕け散る宝石の破片。煌めく光が満ちて、プリンセス・エメラルドの視野を惑わせる!
「このようなまやかしで、この私を!」
「ええ、これだけでどうこうしようとは思っていません!」
皇帝乗騎が宝石の欠片を薙ぎ払う。だが、そこに生じる隙こそが魅夜の狙いだ。魅夜は間隙に滑り込むように皇帝乗騎に肉薄する。
「ですから――」
【我が白き牙に喘ぎ悶えよ時の花嫁/ザイン・ウント・ツアイト】。
魅夜は不可視の牙を突き立てる。『時』という概念そのものに。――それは限定的な空間内における時間支配のユーベルコードだ。今この場において、彼女は支配者である。
「……!」
「いかに高速のヴィークルであろうと、駆けることができますか、止まった時の中を?」
時間の制御によって、当該の領域内は時間停止に近い状態となる。支配者である魅夜を覗いて。――それ以外の者から見れば、魅夜は光に近い速度で動いているように観測されるだろう。
「そう、時を止めるこの技こそはかつて皇帝を葬った力――そして過去の遺物たるあなた方を撃ち砕くに相応しい力です」
魅夜はその中で鎖を振るう。皇帝乗騎の躯体を叩く。プリンセス・エメラルド本体を叩く。踊る鎖が荒れ狂い、その躯体へと更なる傷を刻み込んだ!
――そして時は動き出す。
「ぐあ……ッ!!……お、のれ……!時間制御とは!」
重なるダメージに皇帝乗騎はもはや大破寸前の状態まで追い込まれていた。本人に刻まれた傷も決して軽いものだとは言えない――状況は徐々に不利に傾いている。もはや一度下がる他にあるまい。プリンセス・エメラルドは後退を開始する。
「おーっと……いけないね、お姫様。まだ俺とちゃんと遊んでくれてないじゃないか」
しかし、皇帝乗騎の挙動が止まる。――強制的に“停止させられた”のだ。【盗み操る狂気の使役/スチールパペット】。それは、他者が呼び込んだ存在を“盗み取る”技術である。
「外部からの介入……!?どうやって――く、ッ!」
「だいぶボロボロだけど、まだ動きそうだねぇ。よぅし、今度は俺がこれ使って追いかけまわしてあげよう」
皇帝乗騎がプリンセス・エメラルドを振り落とす。宝石の大地に引き下ろされたプリンセスは、即座に身を翻し自らの足で後退を開始した。
「私の皇帝乗騎を奪うとは……!」
「あっはっは。待て待てー。ロマンは無いけど、これはこれで愉しいねぇ」
「なんたる屈辱ですか……!猟兵どもめ、許しません!覚えていなさい!」
――プリンセス・エメラルドの姿が掻き消える。再びクリスタライズの力を起動したのだ。透明化した彼女は、静かに気配を殺しながら猟兵たちの視界から姿を消した。
「目標消失。……状況を一時中断します」
「あーっ、逃げられちゃった!?」
「クックック……。ですが、相当の痛手になったはずですよ」
「ああ、随分痛めつけてやったからな。こっちも無傷とはいかなかったが……」
「どれにせよ、決着をつけなくてはいけません。追いましょう」
「うんうん、そうだね。あの侵略蔵書っていうのもぜひ譲ってもらいたいし」
かくして猟兵たちは態勢を立て直し、戦いは追撃戦へと移行する。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
月夜・玲
あ、めっちゃこの国綺麗じゃん
うーんあの宇宙戦艦解体して解析したーい
皇帝乗騎も分解したーい
ダメ?
ダメか
●
ヴィークル召喚か…
デカい=強い
分かり易いじゃない
騎乗されたままだったら面倒だな…それならまずはそのデカいのから降りて貰おうか
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
敵と距離を取り此方に突っ込んでくるよう誘おう
騎乗して突っ込んで来たら『第六感』を駆使しつつ回避しながらエメラルドを狙って『カウンター』
騎乗したエメラルドを『吹き飛ばし』てみよう
ゼロ距離の『念動力』で少しエメラルドを浮かせると飛ばしやすいかな?
騎乗状態が解除されたら【Code:F.F】を起動
この一瞬に最大の一撃を!
メイスン・ドットハック
【WIZ】
どーも、プリンセス・エメラルドさん。
アメジストのクリスタリアンとして、エメラルドには負けられんけーのー
先制対策
電脳魔術による自身のホログラムアバターを大量展開して、透明化の対象を分散
対策されたら、AI操作の二足歩行戦車から自身の声を出して突撃させる
自身は揚陸艦ロストリンク艦内でステルスを張りながら隠れておく
先制後はロストリンクからのレーザー砲撃と雷撃砲を広範囲にかまして、敵のだいたいの位置を補足
UC発動で白騎士ディアブロの電脳体を召喚して、艦砲射撃から逃れる所を未来予知によるレーザー射撃で急所を射抜いて貰う
今を生きるクリスタリアンを舐めるんじゃないのー!
アドリブ絡みOK
ヤニ・デミトリ
美人になら傅くのも悪かないかもっスねえ
でもそいつを持ってる以上、
おいそれとお見送りする訳には行かないんスよ
威力も規模もバカでかそうな先制
鈍色の眼で光線の軌道を【見切り】、全力で【ジャンプ】
軌道の隙間へ体を崩して滑り込み回避を狙う
それでも余波はきついか、
魚骨を差し込み【武器受け】で衝撃をいなす
掠って泥が焼けた部分を敵の前に落としておいて、一瞬だけ注意を惹く
崩したままの【目立たない】身体で素早く本体へ肉薄
あっ、流石猟書家、気づくっスよね
だが射程に入りさえすれば刃が届く
どんな物質も切れるように磨いてきた刃
今が使い所じゃないスか?
UCで刃に変えた脚で蹴りを放ち、敵の身体を切断するっス
【血反吐】
ウィルヘルム・スマラクトヴァルト
「アリスラビリンスの混乱に乗じて銀河帝国皇帝を継承し、
スペースシップワールドを侵略しようなど許せるはずがありません。
如何にクリスタリアンの最長老だろうと……いや、だからこそ、
同じエメラルドのクリスタリアンとして貴女を討ちます!」
先制攻撃は「第六感」を働かせつつ砲撃の軌道を「見切り」、回避します。
避けきれない場合は、エメラルドの大盾で「盾受け」します。
例え盾だけで防ぎきれずとも、「オーラ防御」と「激痛耐性」で耐え抜きます。
「時間稼ぎ」に成功したらユーベルコード発動。
最高速度で飛翔し接敵しつつ、その速度を勢いに乗せて「ランスチャージ」を敢行です!
「……これが、世界を護る騎士の一撃だっ!」
チトセ・シロガネ
ユーでは皇帝にはなれないネ。ボクがここでその規約ごと斬るからネ。
姿を消す能力……ネ。フォースナイトの前では視覚など不要。
目を瞑り宇宙の声をリッスンするネ。
つまり迫る敵意を第六感を研ぎ澄ませ見切って。EZファントムを早業で抜き打ち、鎧砕きと乱れ撃ちでスラッシュ。こちらも細かい残骸や土煙で姿を隠すネ。
ちなみに熱量がある爆発物なら念動力で敵意のある方へ撃ち返すヨ。
相手がボクを探している間に空中浮遊と早業で距離を詰めるネ
ユーの服は派手すぎる、布擦れの音で場所が丸聞こえヨ。それに……
リミッター解除、UC【破邪光芒】を発動、高出力化したプラズマの刃による属性攻撃を振り抜く!
ユーは、はしゃぎ過ぎネ。
ヘスティア・イクテュス
次代銀河皇帝ね、なら残念ね
戴冠式がまさかの葬式になるなんて…
ヘスティア・イクテュス…その首頂くわ!
皇帝乗騎…ね、
スモークミサイルを発射し視界を防ぎ【目潰し】
ホログラムを展開し撹乱【残像】
時間稼ぎの間に『ハッキング』による『情報収集』
さぁ、機体情報十分かしら?
アベルにティターニアの制御権を【空中戦】
回避、移動は任せて、ミスティルテインによる駆動系や推進系の狙い撃ち【スナイパー】
トドメは急所にE.O.Sによる一刺しを!
テリブル・カトラリー
最長老だったか、よくもまぁ、こんな物を用意してくれたな…
転送と同時に装甲車でダッシュ。装甲車でおびき寄せ、
ジャンプ、装甲車を踏みつけ、体を吹き飛ばし破壊光線を避ける。
装甲車を見て一言、…すまない。と言いつつ、
『ハイ・オーバーコート』発動。
かの戦艦の砲撃にも負けぬ装甲が、かの戦艦を破壊できる機体へ…
超巨大機械兵器へ転身。
長巨大シールドを展開し盾受けし、近付いて機械刀で属性攻撃。
超高熱の刃をなぎ払い破壊。
お前を、あの世界には行かせない。
センサー(視力)で早業、情報収集。プリンセス・エメラルド本人を視認し、怪力でガントレットを振るい、範囲攻撃。
高速の大質量を持って、殴りつける。
トリテレイア・ゼロナイン
同郷の騎士として、クリスタリアンの貴人である貴女に敬意を
ですが、宇宙を我が手にせんとするならばその野望を阻むまで
人々の安寧の為、討たせていただきます
事前に●防具改造で施した光学兵器反射処理を施した盾で光線を●盾受けしつつ脚部スラスターでの●スライディング滑走で接近
UCの妖精ロボを●操縦し砲火を潜り抜けさせたり、●怪力で●投擲することで宇宙戦艦内部へと侵入させます
そして●ハッキングにより火器管制や動力部へ●破壊工作
砲門同士での同士討ちや、プリンセスへの砲撃
動力部暴走による損害で戦艦を無力化
御覚悟を
プリンセス・エメラルド
エナジーと戦艦を失い消耗したプリンセスに●怪力による剣を一閃
「さあ、滅ぼして」
轟音!
宝石の国の空を砕き、再び緑に輝く戦艦が姿を現す――プリンセス・エメラルドの膨大なユーベルコード出力が、一度は撃沈された戦艦を再び呼び出したのだ。
「……もはや容赦はありません。私が故郷へと凱旋するため、あなた方にはここで一人残らず滅びていただきます」
そして、再び立ち上がる皇帝乗騎。プリンセス・エメラルドはその上に立ち、猟兵たちを見下ろした。
「……いいえ、そうはさせません」
そこに対峙するのは、ウィルヘルム・スマラクトヴァルト(f15865)――奇しくも、彼はプリンセス・エメラルドの同族であり、同じく緑の光を宿すエメラルドのクリスタリアンであった。
「アリスラビリンスの混乱に乗じて銀河帝国皇帝を継承し、スペースシップワールドを侵略しようなど許せるはずがありません」
だが――その胸に秘めた正義の意志だけが、彼女とは決定的に異なっている。
「いやァ、しかし。これくらいの美人になら、傅くのも悪かないかもっスねえ」
その一方、ヤニ・デミトリ(f13124)は飄々と笑った。
「ブラックタール。泥の民ですか。……構いませんよ?星の世界を征するのに、手駒は多い方が――」
プリンセス・エメラルドは、皇帝乗騎の上からヤニを値踏みするように見下ろした。しかし、ヤニや飄々とした笑顔のままに首を振る。
「いいや――でもね、美人さん。その『継承権』なんつー物騒なもんを持ってる以上、おいそれとお見送りする訳には行かないんスよ」
「愚かな選択ですよ、泥の民の者。私は次代の銀河皇帝……即ち、あなたのような下賎の民が首を垂れるべき高貴の者です」
「――ハ。ユーでは皇帝にはなれないネ」
「……なに?」
――しかし、ここでチトセ・シロガネ(f01698)の声がプリンセス・エメラルドの言葉を遮る。
「ボクがここでその規約ごと斬るからネ」
「……どこまでこの私を苛立たせれば気が済むのです。私は新たな時代を拓く新なる銀河皇帝ですよ!」
「――次代銀河皇帝、ね」
「あまりにも邪悪な願いです。同郷の騎士として、クリスタリアンの貴人である貴女に敬意を払いますが――先帝同様、宇宙を我が手にせんとするならばその野望を阻むまで」
更に集う猟兵の気配。戦場へと至ったヘスティア・イクテュス(f04572)が、そして、トリテレイア・ゼロナイン(f04141)がまた、銀河皇帝を名乗る猟書家へと立ち向かうその戦列に加わった。
「人々の安寧の為、討たせていただきます」
「戯言を。私はこれより戴冠式を控えている身です。このようなところで果ててよいものではありません」
「ええ、それなら残念ね……戴冠式がまさかの葬式になるなんて」
「……なんですって?」
プリンセス・エメラルドは柳眉をゆがめ猟兵たちを睨む。
「ここでその野望はおしまい――ってことよ。何しろ、わたしたちが止めるんだからね!」
「その通りです!如何にクリスタリアンの最長老だろうと……いや、だからこそ!」
「――そうだ。お前を、あの世界には行かせない」
テリブル・カトラリー(f04808)もまた、この戦場に参列した。
「いやぁ、私としてはそのあたりはそんなにどうでもいいんだけど――」
その最中に在りながら、月夜・玲(f01605)は緊張感に欠けた表情で言い添える。
「……でも、色々気になるんだよね。うーん……エメラルド号だっけ……あの艦、解体して解析したーい……その皇帝乗騎ってゆーのも分解したーい」
玲は気まま、あるいは気まぐれ、という概念そのものに身体を持たせて動かせているかのような口ぶりで、そのように呟いた。
「ダメです」
しかして、プリンセス・エメラルドは断固拒否する。
「ダメ?」
「ダメ」
「ダメか……」
――微妙な沈黙が場に満ちてしまった。
わずかな間をおいて、そして再びプリンセス・エメラルドが口を開く。
「――随分愉快なメンバーが揃っているようですが、私は一切容赦しません」
プリズムリアクター稼働開始。彼女の騎乗するマシン、皇帝乗騎ヴェルデレジーナが動き出す。
「来るネ!皆、やるヨ!」
「はい!同じエメラルドのクリスタリアンとして……彼女を討ちます!」
「だねぇ、美女とわかりあえないのは苦しいことスけど」
「わかりあう必要もない。――銀河帝国の復活など、到底許容できない話だ。……叩くぞ」
「はいはーい。それじゃ、迎え撃つとしようかー」
「ええ、行きましょう。我々の世界を護るためにも!」
「よし、それじゃあ始めるわよ!ヘスティア・イクテュス……その首頂くわ!」
そして、ここで対峙する猟兵たちはいずれもが奇しくもスペースシップワールドにかかわりをもつ者たちだ。宇宙の平穏を守るべくして、彼らは猟書家へと挑む。
《――おーっと!僕もいるんじゃ!》
轟音!――戦場へと一機の戦闘マシンが投下されたのである。
それはメイスン・ドットハック(f03092)の繰るAI制御型の自律機動兵器だ。二足歩行戦車『KIYOMORI』である。
《どーも、プリンセス・エメラルドさん。言いたいことはもーだいたい他の人に言われちょるけど、敢えて言わせてもらうけーの!》
歩行戦車の外部スピーカーからメイスンの声が響く。
《アメジストのクリスタリアンとして、エメラルドには負けられんけーのー!しごうしちゃるで!》
「……なんと汚らしい言葉遣い。随分と辺境のお生まれのようですが、どこ宙の出身でして?」
苛立ちを露わにしながら、プリンセス・エメラルドは吐き捨てる。
「まあ、構いません。いくら増えたところで、何も変わりはしませんもの。まとめて一人残らず殲滅しましょう――我が名のもとに命じます。プリンセス・エメラルド号よ。滅ぼしなさい」
そして――その言葉が、戦端を開く合図となった。光が満ちる。上空に浮かぶ宇宙戦艦プリンセス・エメラルド号がその砲身に光を灯し、地上めがけて一斉に砲撃を開始したのだ。
「ああ、これはすごいッスねぇ……威力も規模もバカでかい!」
ヤニは頭上から降り注ぐ砲撃の軌道を仰ぎ見る。――咄嗟の回避機動。地形に隠れるようにしながら、ヤニは砲撃から身を護る。――だが、それでもすさまじい威力だ。その余波にタールの肉体の一部が爆ぜ散った。
「くっ……凄まじい出力だ。よくもまぁ、こんな物を用意してくれたな……」
同様に、テリブルの立つ地点から数メートルずれた箇所へと光線が着弾した。宝石の地面が砕け散る。テリブルは辛くも致命傷を避け、ここで準備していた装甲車に乗り込むと、即座にエンジンの火を入れ車体を加速させた。
「あれに対処できないうちは、まともに戦うこともできない、ということですか……!」
「なんとかしましょう――いいえ、しなくてはなりません!」
その一方でウィルヘルムとトリテレイアは頭上に盾を構え、降り注ぐ光の雨を凌ぐ。凄まじい圧力。衝撃と熱量に躯体が軋む。
「――まさか。できるはずができません。仮に私の艦を落とせたとしても……」
ざ、ッ――!皇帝乗騎の躯体が唸る。宝石の地面を蹴立て、プリンセス・エメラルドは地を馳せる!
「この私と皇帝乗騎を討つことはできません!」
――更に、皇帝乗騎とそれに騎乗するプリンセス・エメラルドの姿が掻き消える。クリスタライズによる透明化だ!
「む……ヴィークル乗り回してくる上に、しかも姿まで消すとは」
「やりたい放題じゃないの!アベル、センサー感度上げて!反応追跡よろしく!」
《承知いたしました、お嬢様。上方より高熱源体の接近を感知。回避動作を推奨いたします。同時に後方7時の方向よりセンサーに反応。続けて躱しましょう》
「本当にメチャクチャやってくれるわね……わかった、頑張って躱すわよ!」
《ファイトです、お嬢様》
「そのAI、便利そうだね」
玲とヘスティアは降り注ぐ砲撃を躱しながら、追い縋る不可視の皇帝乗騎より逃れる。
――上空からは宇宙戦艦プリンセス・エメラルド号の砲撃。地上では不可視化して襲い掛かる皇帝乗騎。――恐るべき二面攻撃が、猟兵たちを攻め立てていた。
だが、猟兵たちもまた防戦一方というわけではない。プリンセス・エメラルドが帝位継承という自らの野望のために動いているのなら、対する猟兵たちはそれぞれ想いは違えど同じスペースシップワールドという世界を護るために戦っているのだ。猟兵たちは、屈しない。
「敗北を宣言しなさい。運命を受け入れなさい。膝を折り首を垂れ私の前に屈し、そして新たなる銀河皇帝となるこの私を讃えなさい!」
プリンセス・エメラルドは砲撃による制圧と皇帝乗騎による攻撃を繰り返しながら、猟兵たちに迫る――しかし!
「……今更、銀河帝国などと」
テリブル・カトラリーは空を仰ぐ。そうしながら、前進させていた装甲車を踏みつけるように蹴立てて飛び降りた。――戦艦の火砲は装甲車へと照準を向けている。テリブルは囮がわりにした装甲車へ短く謝罪の言葉を呟いてから、宝石の大地へと降りる。――この刹那こそが彼女の好機。テリブルはその躯体を変異させる。
【ハイ・オーバーコート】。――虚空を砕き、無数の機械兵器が実体化しながらまとわりつくようにテリブルの躯体に組み合わさり、そして一台の巨大な戦闘機械を組み上げてゆく。
「――破壊する」
立ち上がるその躯体は、10メートルを超す巨大な機動兵器であった。大型兵器化したテリブルは、宝石の地面を砕きながら跳躍、そしてブースターに火を入れ、飛翔する。
「行きましたか!ならば私達もです!」
戦艦へと向かって飛び立つテリブルの躯体を見上げるウィルヘルムは、それを好機と捉えた。
――単独で戦艦に挑むのは無謀だ。多くの迎撃火砲が集中し、よほど装甲に自信がなければたちまち墜とされてしまうことだろう。しかし、同時に飛び立つことで敵の狙いを分散することができれば、そのリスクは大きく減少する。
【ハイパー・ガーディアン・モード】。ウィルヘルムもまた、その魂に炎を灯す。――すべては、人々を護るため。騎士としての誇りに背中を押されるように、ウィルヘルムもまた戦艦へと向けて飛び立った。
「わかりました、こちらはサポートします」
その一方でトリテレイアはデータストレージへと接続し、そしてその内部からユニットを引き出す。
「さあ、行ってきてください!」
【自律式妖精型ロボ 遠隔操作攻撃モード/スティールフェアリーズ・アタックモード】。トリテレイアによって呼び出されたフェアリータイプのマシンドローンの群れが、砲火の中を潜り抜けながら先行するテリブルやウィルヘルムを追いように飛んでゆく。
「目標捕捉――!」
砲撃の雨に躯体を削り取られながらも、テリブルは更に速度を上昇させ、そして戦艦の艦底部へと至った。
「こちらもたどり着きましたよ――では、いきましょう!」
「……攻撃、開始」
ほとんど同時のタイミングで、ウィルヘルムもまたそこへと到着する。
テリブルは、その機体から伸ばしたアームに機械の刃を握った。激しく赤熱する刀身。そしてテリブルは前方に向けて刃を突き出すと、加速の勢いのまま戦艦の装甲へと突っ込んだ。
「――これが、世界を護る騎士の一撃だっ!」
激突!貫通!それに続くように、ウィルヘルムの掲げたハルバードが戦艦の装甲を撃ち貫く!
「よし、これで突破口が開きました!」
そうしてこじ開けられた装甲の破損個所より、トリテレイアの放ったフェアリータイプが侵入する。――その艦は、ただプリンセス・エメラルドのユーベルコード出力によって動かされているがため、その内部は無人である。内側にさえ潜り込んでしまえば、内部機器へと侵入し、その艦を掌握するのは難しいことではなかった。
「このまま……この艦は、落とします!2人とも、このまま破壊して無力化しましょう。協力をお願いします」
「承知した」
「ええ、わかりました!」
艦の内部へと侵入したフェアリータイプを通じてトリテレイアが制御系にハッキングを仕掛けた。それと同時に、テリブルとウィルヘルムが内から外から戦艦を叩き、そして徹底的に破壊してゆく――かくして、プリンセス・エメラルド号は機能停止へと追い込まれたのである。
――頭上からの砲撃が、止んだ。そして機能を停止させられたプリンセス・エメラルド号の艦体は、ゆっくりと宝石の大地へと落下してゆく。
「なに……?私の艦が、またしても!?」
戦艦が無力化されたことを気取ると、プリンセス・エメラルドはその表情を歪めた。しかし、まだ戦いに決着がついたわけではない。プリンセス・エメラルドはクリスタライズによる透明化を保ったまま、皇帝乗騎を駆動させ猟兵たちへと更なる攻撃を仕掛ける!
「よくもこの私に抵抗などと――」
ぎゃり、ッ!加速する皇帝乗騎が音をたて、猟兵たちへと追いすがった!
《うーん……熱源反応からすると、あのあたりかのー》
「……なんですか!?」
だが、機動する皇帝乗騎の周囲の空間が突如爆発した。――メイスンが仕掛けたのである。
メイスンはこの戦場において、自身の保有する艦艇ロストリンクと共に出撃し、そして電脳魔術によるステルス化によって潜んでいたのだ。
プリンセス・エメラルド号が沈黙したことによって、ロストリンク号はこの空間における優位性を確立した。――であるが故に、砲撃戦に移行することが可能となったのである。
《姿だけ見えなくしちょっても、気配まで完全に消すことは出来んのじゃ》
ロストリンク号に搭載された火砲が火を噴き、だいたいのあたりをつけた空間へと砲撃を加えてゆく。
「くっ……しかし、そのようなめくら撃ちで、この私を仕留めることなど不可能です!」
《なら、こっちでどうじゃ!――ディアブロ君!》
『了解した』
メイスンはコンソールを叩き、ロストリンク号のデータベース内に構築した白騎士ディアブロの電脳再現体を活性化させる。【昨日の強敵は今日の親友/ホワイト・トワイライト】、というやつだ。
「なに――その声、銀河帝国の!?」
《ふふーん、コピーみたいなもんじゃがの!さー頼むぞディアブロ君!未来予測じゃ!どこに撃ちちゃ当たるかの!》
『座標特定。10秒後に指定ポイントへ向け攻撃せよ』
《よしきた!ゆくぞー、今を生きるクリスタリアンを舐めるんじゃないのー!》
ディアブロ電脳再現体の指示に従い、メイスンは照準する。――レーザー照射。出力を上昇させ、メイスンは火砲を放つ。
「くっ……やってくれますね!!」
爆発!閃光!――レーザー光は見事なまでに命中したのである。装甲部を穿たれた皇帝乗騎の躯体が悲鳴を上げる!
「ですが……しかし、この程度で私を倒すことなどできはしません!」
「――なら、ボクが仕留めるネ」
閃光。――光の刃が迸る。
「な、に……!?」
放たれた刃はEZファントム。その光刃は、不可視化しているはずの皇帝乗騎の躯体を完全に捉えていた。――刃を放ったのは、チトセである。
「姿を消す能力……そんな小細工を使ったところで、フォースナイトの前では視覚など不要、ネ」
「ぐあッ!」
返す刃が更に皇帝乗騎の躯体へと傷を刻み込む。――プリンセス・エメラルドは困惑した。
「あなた、何故、視えているのです――!?」
「目を瞑り宇宙の声をリッスンするネ。それでわかるヨ」
ざ、ッ!光の刃が、プリンセス・エメラルド本体を掠めた。その躯体に、新たな傷を刻み込む!
「あああ、ッ!わ、私に……私の身体に、傷を!」
「それから、ユーの服は派手すぎる、布擦れの音で場所が丸聞こえヨ」
――透明化の能力をもってしても、音を消すことはできない。それは即ち、気配を断つことができない、ということだ。チトセは、フォースナイトとしての研ぎ澄まされた感覚から視覚に頼ることなく敵の気配を捉え、そして追い縋ったのである。
「それに――」
ばち、ッ。――チトセの手の中で、光が爆ぜた。
「ユーは、はしゃぎ過ぎネ」
【破邪光芒/アークスラッシャー】。振り抜くプラズマ光刃一閃。それは剣であると同時に、ユーベルコードへと干渉する破邪の光だ。
「ああああああああああ、ッ!ば、馬鹿な……!!次代の銀河帝国を統べる、この私が……ここまで……!!」
クリスタライズによる透明化がユーベルコード出力同士のぶつかり合いによって相殺され、解除される。皇帝乗騎とプリンセス・エメラルドの姿が、ここに再び現出した。
「出てきた!もう逃がさないわよ!」
「よし、じゃあこれやっつけたら解体しよう解体。きっと楽しいよー」
「そっちはわたしパスかな!」
そこで、ヘスティアと玲が再び皇帝乗騎へと会敵する。――だが、先とは異なり不可視化は既に解かれている。となればあとは真正面からやり合うだけだ。
《お嬢様。目標捕捉完了しております。火器管制システム・オールグリーン。いつでも攻撃が可能となっております》
「ありがとアベル!それじゃ、スモークミサイルで!デコイもよろしく!」
《承知いたしました》
ヘスティアは背負った空中機動用ユニット・ティターニアで姿勢制御しながら、搭載火器のスイッチを入れた。展開したミサイルコンテナから射出される煙幕弾頭スモークミサイルの群れが一斉に皇帝乗騎へと殺到し、プリンセス・エメラルドを煙で包んだ。更にヘスティアは同時にダミーバルーンを展開。バルーンにはホログラムを重ね、分身したかのように見せかけて惑わせる。
「いいね、そっち色々できるんだ。私もそういうの欲しいな……君、こんどそのAI、私に貸してくれたりは……」
「貸さないわよ!それよりあっち!」
「わかってるよ!」
「この、程度の……目くらましで、この私を――!」
煙幕を振り払いながら、皇帝乗騎に乗ったプリンセス・エメラルドが激昂して叫ぶ。
「うん、効いてるね、目くらまし。お陰で隙だらけだ。――では、私も仕掛けるとしよう!」
ここで玲が得物を抜いた。《RE》Incarnation/Blue Bird。青白く光る二振りを携えて、玲は宝石の地面を蹴った。
「わたしたちも行くわよ、アベル!ティターニアの機動制御任せるわ。状況把握と指示お願い!」
《お任せ下さい。――では、参りましょう。このまま近接戦闘を推奨いたします》
続けてヘスティアは【サポートAI端末 ティンク・アベル】による支援を活用しながら更なる戦闘機動を継続する。そのままヘスティアは剣を引き抜いた。E.O.S!光の剣を携えて、ヘスティアは飛ぶ。
「下賎の……者たちが……よくも、この私に――……!」
「まだそんなこと言ってる――いい加減にしなよ!」
プリンセス・エメラルドは皇帝乗騎を繰り、玲へと襲い掛かった。――だが、その動作は精彩を欠く。これまでの戦いによって、ダメージと疲弊が蓄積していたのだ。その証拠に、プリンセス・エメラルドの肌は――既に、無数のひびが刻まれている。
「まずは――先に降りてもらおうか!」
玲はすり抜けるようにして皇帝乗騎の腕を躱すと、そのまま駆け上がるようにマシンの躯体を伝って上った。――そして、操縦席に座すプリンセス・エメラルドへとぶつかりにいく。
「ぐ、あ――っ!この、私を……この私を、“引きずり下ろす”というのですか!」
「そうだよ、降りて降りて!このマシンの操縦席もー、それから、銀河皇帝とかいうでっかい椅子からもね!」
そのまま玲はタックルめいて肩からプリンセス・エメラルドにぶちかました。――衝撃に軋むプリンセス・エメラルド。その躯体は皇帝乗騎の操縦席を離れ、転げるように吹き飛ばされる!
「フォーミュラになる野望かなんか知らないけど、それもこれで終わりだよ!」
そして、玲の身体に光が宿る。【Code:F.F/コード・ダブルエフ】。励起したユーベルコードが、彼女が身に纏う武具の力を引き出してゆく。
「この一瞬に――最大の一撃をッ!」
収束するエネルギーを二振りの剣に乗せ、玲は跳んだ。――そして、皇帝乗騎から降りたプリンセス・エメラルドめがけて飛び込みながら、その力を叩きつける!
「ぐあ……ッ!あ、ああああああああああああ!」
「コンビネーションでいこう!もう一発よろしく!」
「引き受けたわ!アベル、速度上げて!」
《かしこまりました》
そして玲はすぐさま身を翻し、ヘスティアへと道を譲った。ヘスティアの背でブースターの出力が上昇し、剣を携えたその身体は更に加速する!
「これで……トドメよ!」
そして、光の剣が突き立った。
「……ッ!」
プリンセス・エメラルドは、胸元に剣を突き立てられた姿のまま、ゆっくりと後退する。
「ま……まだ、……まだ、です。わ、私は、まだ、滅んでは……」
しかし――倒れるかに見えたプリンセス・エメラルドは、ひび割れた身体を引きずりながら尚も足掻いていた。
「――いやいや、いくら美人だっつっても、引き際はキレイにしとかないとダサいッスよ」
だが、往生際悪く呻くプリンセス・エメラルドの足を、黒い塊が掴む。
――ヤニである。
砲撃の雨が降り注ぐ中、ヤニは直撃を免れつつもいくらか光線砲を浴びせられ、肉体維持に多少なりと支障が出る程度の傷を負っていた。
しかし、ヤニはそれを逆に利用することにしたのだ。――崩れたタールの身体であれば、ヒトの形をしているよりも気づかれにくい。
そうして、ヤニはわざと身体を崩し、目立たないように半ば隠れながら好機を伺っていたのだ。――それが、今。
「貴様、泥の民――」
「おっと、気付くのが少々遅かったようっスね」
ヤニは素早く肉体を再構成する。その足の先が、鋭く刃へと変じた。――そして、風切りの音。【熟達の解体者/サマーソルト・スキナー】!奇襲めいた一撃!刃と化した片足で、ヤニはプリンセス・エメラルドの胴を裂いた!
「が――ッ!」
「これで終い、といきたいところっスけど――そちらも随分“もてる”ようで」
苦悶するプリンセス・エメラルドを捨て置き、ヤニは道を開けるように側面へとずれた。
「御覚悟を、プリンセス・エメラルド」
「……お前は、どこにも至れない。あの世界には、行かせない」
「これで――終わりだッ!」
そこに押し寄せる三つの声――ここに至ったのは、宇宙戦艦プリンセス・エメラルド号の撃墜にあたっていた3人の猟兵たちであった。剣を構え、トリテレイアが駆ける。続くようにテリブルが落下し、そして最後にウィルヘルムが奔った。
そうして剣が断ち、ガントレットの拳が叩く。そして、振り下ろされるハルバードが、最後の一撃となった。
「あ、あり得ません……次代の銀河皇帝となる、この、……この私があああッ!!」
――プリンセス・エメラルドの躯体は既にこれ以上の交錯には耐えられず、粉々に粉砕されて砕け散る。
そして、その破片は宝石の大地へと散らばると、砂粒のように崩れ去り消滅してゆくのであった。
かくして、猟書家の1人であるプリンセス・エメラルドとの戦いにひとつの決着がついたのである。
成功
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