迷宮災厄戦㉓〜敵として軸がブレている
「ブレブレブレ、頭が高いぞ猟兵ども! 吾輩はキング・ブレイン、キマイラフューチャーを狙う猟書家である! 分かったらお帰り頂けないでしょうか!」
特にこれと言った特徴のない、ごくありふれた不思議の国。
童話の舞台として使われがちな森の一角で、それはまだ自己紹介の練習を続けていた。
「……うーむ、やはり『ブレブレブレ!』が笑い声というのは無理があるだろうか……いや、それよりも吾輩自ら目的を言いふらしてよいものか。猟兵に言わせて『ブレブレブレ! よくぞ気付いたな猟兵ども!』とでもした方が盛り上がるのでは……?」
●標的→猟書家『キング・ブレイン』
髑髏にWANTEDと書き殴った紙を突き出して、テュティエティスは語る。
「また新たな猟書家たちに通ずる道が開きました。私がご案内する相手は――」
キング・ブレイン。侵略蔵書『スーパー怪人大全集(全687巻)』を用いて、キマイラ・フューチャーへの侵攻を画策する者。
「超長射程のビームは皆さんの思考を暴走させ、背負った本棚は直接投擲することで武器になります。そして何より、スーパー怪人大全集。怪人の能力一つと巨大化の効果を得られるこの書物の力は、その名称に反して侮れないものでしょう」
怪人の能力、とは何とも漠然としたものだが、恐らくは猟兵の外見などから判断して、特に効果有りと思しき能力を手に入れるのだろう。
「例によって例のごとく、此方はまず受ける事を強いられますが、後手に回る状況を知り得ているのはある意味で優位に立っているとも言えるでしょう。対抗策をお忘れなく」
テュティエティスは語り終えると、キング・ブレインに通ずる道を開く。
天枷由良
『迷宮災厄戦(ラビリンス・オウガ・ウォー)』の戦争シナリオです。
当シナリオは、1章のみで完結します。
●プレイングボーナス(下記に基づく行動で判定が“有利”になります)
……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
プレイングの受付状況等はマスターページをご確認頂けますと幸いです。
ご参加お待ちしております。
第1章 ボス戦
『猟書家『キング・ブレイン』』
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POW : 侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」
【スーパー怪人大全集の好きな巻】を使用する事で、【そこに載ってる怪人誰かの特徴ひとつ】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーキング・ブレイン】に変身する。
SPD : 本棚をバーン!
【突然、背中のでかい本棚を投げつけること】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【リアクションをよく見て身体特徴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 脳ビーム
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【脳(かしこさを暴走させる)】属性の【ビーム】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ユーシア・ロクス
あなたの野望もここまでです!ブレ……ブレ……なんとかさん!
(ブレブレブレ…しか記憶に残らなかった模様)
あの本棚、ほんとに背負ってたんですね……って!投げてきましたよ!?
いきなり投げつけられるのは心臓に悪いので、初撃を見切りや武器受けで回避しても次いつくるかびくついてます。完全に「ほら投げるぞ」「ビクッ」みたいな感じ
でも何度目かの本棚回避の時にUCでわたし(2P)を呼び出し、
わたし(1P)は迷彩でこっそり隠れて2Pに代わりに立ってもらい、その間に背後へ移動
『別人だと気づいて意識を周囲に向けたらわたし(2P)が仕掛け』
気づかず同じ行動を2Pに対しとり続けるならわたし(1P)が奇襲を仕掛けます!
●ユーシア・ロクス(まっさらゆうしゃ・f26126)
「あなたの野望もここまでです! ブレ……ブレ……なんとかさん!」
「ブレブレブレ! 他人の名前を一度で覚えるのは確かに難しかろう!」
イマイチ決めきれなかったユーシアを慮ってか、キング・ブレインは爽やかに笑いながら言う。
「しかし曖昧なまま永久の別れとなるのも惜しい! これも何かの縁と思えば、是非とも覚えて帰ってください、吾輩の名はキング・ブレイン! キング・ブレイン! キーング! ブレイーン! 大事なことだから二回と言わず何回でも言おう! さあ、呼んでごらんなさい! 吾輩の名は~!?」
「き、キング・ブレインさん!!」
「よろしい! お嬢さんは見ず知らずの相手をちゃんと“さん”付け出来る良い子であるな! 是非とも名前を教えて頂きたいものだが――しかし! 無闇矢鱈と女性のプライバシーに踏み込むのはセクハラだのコンプライアンスだのと煩い世の中! まして猟兵とあらば敵になぞあれこれ語りたくないかもしれん! その辺りを踏まえた上で、吾輩は疑問を胸にしまったまま戦うとしよう! ブレブレブレ!」
どうにも調子が狂う。
ユーシアは口を噤み、じっと敵の様子を窺った。
キング・ブレイン。キマイラフューチャーへの侵略を目論むというそれは、骸骨の顔に外套付きの高尚な装いで――背に巨大な本棚を担いでいる。
(「あれ、ほんとに背負ってたんですね――って!」)
わぁ!? などと間の抜けた悲鳴と共に身を捩れば、ほんの数センチ横を通り抜けた巨大な本棚が、また不可思議な力で持ち主の元に戻っていく。
「ブレブレブレ! 驚いたであろう!」
これ見よがしに笑い声を上げるキング・ブレイン。
……いや全く。驚いた。驚いたとも。どうにか見切って躱しはしたが、それがいつ来るかと考えれば迂闊に動けない。
そんなユーシアの胸中を見透かしたかのように、キング・ブレインは小賢しくもフェイントなぞ織り交ぜてくる。投げると見せかけて投げない、と思わせといてやっぱり投げる。
「ブレブレブレ!」
すっかり上機嫌なそれは悪の大首領というよりか、女の子にちょっかいを掛ける思春期の少年のようであった。
しかし、いつまでも青春の残像に付き合ってはいられない。
嫌がらせじみた攻撃が何度繰り返されたか数えるのも止めた頃、ユーシアは密やかにもう一人の“わたし”を喚び出す。
そのわたしを代わりに立てて、元から居たわたしは森に同化するのだ。
それに気付けば向こうのわたしが、気付かなければ此方のわたしが攻め掛かる。
どちらにせよ奇襲となるのは必至。果たしてキング・ブレインは――。
「ブレブレブレ! なかなかしぶといなお嬢さん!」
「全く気付いてないじゃないですかこのにぶちんさん!!」
服装など一部の色が違うという明確な変化がありながら、周囲を警戒する素振りなど見せずに本棚を投げ続けようとするキング・ブレインの背後を取って、最初から居たユーシアが剣の形を成した鍵を振るう。
やはり悪の大首領を退け、未来を切り開くに相応しいのは刃だろう。
キング・ブレインが本棚を戻すより早く、その一撃はがら空きの背中をバッサリと斬り裂いた。
「ブブブブレブレブレ! これは一本取られたようだ! ブレブレブレレ!」
効いているのかいないのか。……いや、どうやら物凄く効いているようだ。
震えを誤魔化すべく高笑いを響かせると、外套翻してユーシアの前から姿を消す。
「まさか双子とは思わなかったぞ! ブブブブレブレブレ!」
「違いますー!」「違うっすよー」
誤解から生まれた捨て台詞に反論してみるも、それは届いたかどうか。
成功
🔵🔵🔴
セレシェイラ・フロレセール
『ブレブレブレ』って個性光るとても素敵な笑い声だね
キミらしくて良いと思うのに変えちゃうの?もったいないよー
あ、ごきげんよう、キング・ブレイン様
わあ、いきなりなにをするー(棒読み)
なーんてね、空飛ぶ魔法の箒で本棚攻撃は回避だー
さあ詠唱しよう
風の魔法で魔法の箒に更なる浮力を、そして同時に攻撃用の魔法と加速の魔法も詠唱し始める
ところで今どうやって本棚投げつけたの?
キミ、見かけによらず脳筋なの?
ノーキング・ブレイン……いやなんでもない
本棚には本棚を、ビームにはビームを
……さすがに本棚攻撃は出来ないから、ビームを出すよ!出すよ!
加速の魔法を乗せて、超高速ビームでキミを猛追しよう
さあ、キミも踊れ踊れ
●セレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)
「その『ブレブレブレ』って笑い声、個性的でとても素敵だね」
だから断じて変えるべきではない。勿体ない。
献言と共に一礼してから、セレシェイラは言葉を継ぐ。
「ごきげんよう、キング・ブレイン様」
「うむ! ごきげんよう、美しいお嬢さん! 実に礼儀正しいキミのアドバイス通り、やはり笑い声は『ブレブレブレ』で通してみることにしよう!」
世界征服を目論む悪の大首領は、中々柔軟な対応の出来る男のようだった。
しかし、上司にしても悪くなさそうなどという評価は何の意味も成さない。
猟書家と猟兵。それは並び立たず、相容れず、どちらかが滅ぶ運命。
「そういうわけだ! お嬢さんには世界征服の第一歩、礎となってもらおう!」
言うが早いか、キング・ブレインが背負う本棚を投げる。
その動きは投擲する物体の大きさに反して機敏俊敏。
「わあ、いきなりなにをするー」
何とも平坦な悲鳴を上げるセレシェイラの姿は、瞬く間に本棚の陰へと消えた。
これにて終了。お開き。解散。
「吾輩大勝利!」
「……なーんてね」
魔法の箒に腰掛けて、セレシェイラはふわりと浮き上がっていた。
巨大な本棚から逃れるのは紙一重だったが、しかし躱してしまえば此方のもの。
さらなる風を喚んで高く高く飛べば、然しものキング・ブレインとて本棚で畳み掛けるのは厳しい。
「そんなところまで上がっては危ないではないか! 下りてきなさい!」
本気なのか誘っているのか、喚く声が真下から響く。
その呼び掛けすらもひらりと聞き流して、セレシェイラは魔法を紡ぐ前に一つ気になっていた事を尋ねる。
「ところで、今どうやって本棚投げつけたの?」
「どうやって……? こうやってに決まっているではないか!」
大首領が本棚に手をかける。そして担ぐ。投げる。
「……ノーキング・ブレイン……」
「今なんと!?」
「なんでもない!」
見かけによらず脳筋なのか。
なんて、思ったついでに口を衝いて出た言葉は、恐らくもう二度と呟かない。
さておき。
脳筋かはともかくとして、見た目にそぐわぬ筋力、或いは何某かの仕掛けはあるらしい。
眼下でキング・ブレインが投じる本棚は、少しずつセレシェイラの高さにまで迫っているような気がした。
「あまり悠長に構えてもいられないってことだね」
詠唱開始。
本棚には本棚を――とは如何にセレシェイラでも難しい。
故に、力を溜めて撃ち出すのはビームだ。加速の魔法も織り交ぜた無数の魔法光線。それも一条どころか、千にまで届きそうな程の圧倒的な量で。
避けられても止めようがないのが玉に瑕だが、そもそもこれを避けられるものが世界にどれほどいるものか。
「さあ、踊れ踊れ」
桜の魔法陣を拡げて微笑む。大首領は本棚を担いだまま逃げ惑う。
けれど、その美しくも惨たらしい様は長く続かない。
キング・ブレインの姿は桜色の光の中に溶けて。
ようやく魔法陣から放たれるものが無くなった頃、其処には外套の僅かな切れ端だけが残されていたのだった。
成功
🔵🔵🔴
霧島・絶奈
◆心情
斃した怪人の能力を用いる…
確かに悪の首領の嗜みですね
◆行動
敵先制攻撃対策として【各種耐性】を高めた【オーラ防御】を展開
加えて【罠使い】として持ち込んだ大量の「白燐発煙弾」を【衝撃波】にて周囲に散布
更に【空中浮遊】で射程外へと逃れます
「特徴を一つだけ」ですので、白燐を見透かされても攻撃は届かず…
射程圏内でも【目立たない】様、煙に紛れる私を正確に捉える事は不可能です
自身の視界は白燐を透過する赤外線センサと【環境耐性】で確保
先制攻撃対処後は『二つの三日月』を召喚
…巨大同士の決戦と言うのも「お約束」でしょう?
私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
負傷は【生命力吸収】で回復
●霧島・絶奈(暗き獣・f20096)
定番。お決まりの展開。テンプレ。お約束。
呼び方は多々あれど、それに一から十まで付き合わなければならない理由はない。
絶奈はキング・ブレインの巨大化にも怯まず、大量の白燐発煙弾を撒いてから大きく飛び退いた。
「む……目眩ましか!」
キング・ブレインが戸惑いを顕にする。
それが先に来たのであれば、全てを見通す眼を特徴として発現させる事も出来ただろう。
しかし、此度ばかりは機先を制したのが裏目に出た。何やらただならぬ雰囲気の猟兵を一撃で叩きのめすべく、万物を鎧袖一触にする一撃必殺の豪腕を生やしたところで、もはや宝の持ち腐れ。
「ええい、こうした小細工は悪役が弄するものではないのか!」
そこはかとなく情けない叫びが轟く。
けれど、そんなものは絶奈をこれっぽっちも揺さぶらない。
彼女は不明瞭な世界に狼狽する敵の姿を赤外線センサ越しに眺めた後、悪の大首領と対する者の“お約束”を少しは果たすべきかと、まるで戯れのように“それ”を喚び出した。
二つの三日月の如き光の巨人。
巨大化し敵と渡り合うに充分なそれは、質量と無数の小さな二つの三日月を武器に、猛然と襲いかかっていく。
「おのれ、小癪な!」
好き放題、いいようにやり込められた挙げ句、正体不明の輝きに打ち倒されてはキング・ブレインの名が廃る。
豪腕一閃。挽回を期する一撃が繰り出されて、光の巨人を靄の中に散らせた――が、しかし。
それよりも遥かに小さく、けれど強大な脅威が刃を振るう。
未だその姿を捉えられていない大首領に為す術などなく、衝撃波に裂かれたその巨体は縮み、白煙の何処かに消え失せてしまった。
成功
🔵🔵🔴
月夜・玲
キング・ブレイン君!まだまだ恥が残っているような気がするよ!
マッドサイエンティストにはまだ遠いようだね!
マッドサイエンティストじゃない?
知るか!!
●
脳ビーム…なんてことだ…!
私が大天才になっちまうぜー!
大大大天才になっちまったら、マッドな発明品の事で頭が一杯になってしまうー!
何て恐ろしい攻撃なんだ…
あ、ちょっと新しい武器考えたいからさ
ちょっとだけ!ほんのちょびっとだけ!
超緩い感じで良い感じのビームお試し出来ない?
ねえダメ?
お願い未来のキマヒューキング!
王の器を見せてよ!
こんな感じでお願いして威力を下げて貰おう
弱まった威力のビームは『オーラ防御』で斜めに弾く
【光剣解放】を起動
オートで包囲攻撃開始
●月夜・玲(頂の探究者・f01605)
「キング・ブレイン君! まだまだ恥が残っているような気がするよ!」
「恥……だと……?」
「ああそうさ! もっと己を、欲望を曝け出すように笑わないと! そんなんじゃ真のマッドサイエンティストにはまだまだ程遠いよ!!」
「……いや、吾輩は大首領であってマッドサイエンティストでは――」
「知るか!!!!」
理不尽極まりない罵声が突如としてキング・ブレインを襲う!!
かくして戦いの幕は上がった。
上がったと言ったら上がったのだ。誰が何と言おうと戦いは始まった。
殴り合いも斬り合いも無いが、しかし確かに始まっている。
その証拠に、初手から精神攻撃を受けたキング・ブレインが反攻すべく何某か唱えている。
「それは……まさか、脳ビーム!?」
「ブレブレブレ! さすが猟兵、吾輩についてある程度はご存知のようだ!」
「……なんてことだ……!」
精一杯悪役らしさを醸し出すキング・ブレインを完全に無視して、玲は膝を折った。
「あんなものを浴びたら……私は、私は……」
「ブレブレブレ! そうとも、吾輩のビームを浴びたものは――」
「大天才になっちまうぜー!」
「いやあの」
まさかここまで調子を狂わせるほどの強敵が現れるとは思いもしなかったか。
キング・ブレインは口ごもる。
それがどうした。
玲は全く気にしない。全く。
「私が大大大天才になっちまったら、マッドな発明品の事で頭が一杯になってしまうー!」
などと悲鳴だか歓声だか判らない叫びを上げて、一人騒ぎ、悶え、のたうち回って。
息切らしながら恨めしそうにキング・ブレインを見やる。
「何て恐ろしい攻撃なんだ……」
「……いや、まだ吾輩まだ何も」
「ちょっと待って!!」
もうとことん、何処までも、徹底的に、だ。まともに応対する方がしんどい。
とうとうキング・ブレインは会話を諦めて、脳ビームの発射準備に集中し始めた。
そんな悪役の周囲を無防備に回りながら、玲は何故か両手を合わせて懇願する。
「新しい武器考えたいからさ! ちょっとだけ! ほんのちょびっとだけ! 超緩い感じで良い感じのビームお試し出来ない? ねえダメ? 無理? そんなことないよね出来るよね大首領だもんね!? お願い未来のキマヒューキング! 王の器を見せてよ!」
「やかましい!!」
怒る首領。迸る光線。吹き飛ばされる不埒者。
王の器など疾うに割れていた。
「敵の我輩を敬えとは言わん! 言わんが、しかしだな! もう少しこの場に相応しい振る舞いというものがあろう! 全く、猟兵ともあろうものが……!」
我が道を行き過ぎる玲に堪え兼ねたのは明白。
キング・ブレインは捲し立てると、最早この場に用など無いと外套を翻す。
――が、しかし。
やはり大首領は敵のポテンシャルを見誤っていたのだ。
端から暴走気味のそれを暴走させるとどうなるか。
光の剣が舞い飛ぶ。実に850本という数の暴力が、罵声など霞むほどの理不尽となってキング・ブレインを襲う!!
それから逃れる術などない。
箍が外れた表情の玲に見守られながら、大首領は無残に斬り裂かれていく。
苦戦
🔵🔴🔴
塩崎・曲人
ヒャッハー、見つけたぜぇ猟書家ァ!
テメーがキマイラFを侵略しようとしてる事はお見通しだぜオイ!
さて、お約束のやり取りを済ませたら相手の先手をどうにかしなきゃな
っても投げてくる物の非常識さに目を瞑れば単純な投擲攻撃だ
対処法は簡単、「死ぬ気で躱せばいい」
相手の投擲モーションに合わせて一方に逃げる……フェイントをかけて
投擲と同時に逆方向へ跳ぶ
初撃さえかわせりゃ良いんだから、この程度の詐術でもどうにかなるもんさ!
後は接近してこっちのターン、ってな
殴る蹴るで退治されるのは得意だろう、悪の怪人の親玉さんよ!
●塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)
「ヒャッハー、見つけたぜぇ猟書家ァ!」
鉄パイプ片手に乗り込んで、曲人は吼える。
「テメーがキマイラフューチャーを侵略しようとしてる事はお見通しだぜオイ!」
「……ブレブレブレ! よくぞ気付いたな、何だかガラの悪い猟兵よ! さすがと褒めておこう! あとその鉄パイプは何だかおっかないからしまって頂けないかね!」
「しまって頂けないかね! ……で引っ込めるわけねぇじゃん」
「うむ。やはりダメか! ブレブレブレ!」
そんな少々変則的お約束のやり取りを済ませた後、キング・ブレインは唐突に本棚を担ぎ上げた。
棚と言っても背中に背負って余りある巨大な逸品。投擲する事自体が非常識。
しかし、その非常識っぷりに目を瞑れば、ただぶん投げるだけ。
よって対処法は至極簡潔簡単。
(「死ぬ気で躱す!」)
曲人はまず重心を右に傾ける。
それを捉えたキング・ブレインが本棚を投じようとした瞬間、反対に跳ぶ――と見せかけて。さらにフェイント。やはり最初に身体を向けていた右へと跳ぶ。
「なにィ!?」
やたら大袈裟なリアクションが披露されたのも束の間、小手先の詐術を読み切ったとばかり思っていたキング・ブレインは曲人と逆方向に本棚を投げた。
其処に獲物が居なければ、それは本当に只々暴虐で無意味な振る舞い。まるで見当違いの方向に遠ざかっていく凶器を見送りながら、曲人は鉄パイプを握り締めて大地を蹴る。
度胸で勝った、とでも言うべきか。子供騙しのような引っ掛けであろうと、それで初撃さえ躱してしまえば勝ちに違いない。
先制攻撃という敵の優位性を難なく打ち砕いたなら、後は此方のターンだ。
「ヒャッハー!」
絶叫を伴って一気に間合いを詰める。
それは何処か根源的な恐怖を呼び覚ます。
「ま、待て! 待ちたまえ!」
ある種、悪党らしくみっともない態度を示すキング・ブレイン。
腕を突き出して振り、静止を求めるその呼び掛けに――曲人は勿論応じない。
「殴る蹴るで退治されるのは得意だろ、悪の怪人の親玉さんよォ!!」
そう言うが早いか、宣言通りに殴って蹴って。
トドメとばかりに鉄パイプを振り抜く。
頭空っぽでも繰り出せるようなその猛襲は大首領を吹き飛ばして、あっという間に不思議の国に煌めく星の一つへと変えてしまうのだった。
成功
🔵🔵🔴
トリテレイア・ゼロナイン
キマイラFの人々の安寧の為、騎士として挑ませていただきます
キング・ブレイン、いざ、勝負!
……あの世界絡みの敵は危険度と相反するように緊張感が削がれる相手が多いのが苦手です……
『精密機械には高圧電流』等と思われて電気系の怪人への変身に備え●防具改造で耐電性を向上させましたが、吉と出るか凶と出るか
巨大化キングの攻撃を脚部スラスターでの●スライディング移動で躱しつつマルチセンサーでの●情報収集で敵の特徴把握
●怪力での●武器受け●盾受けや防御が危険な攻撃の●見切りに活用
充填していたUCを格納スペースから抜き放ち反撃開始
大振り故に当てにくい装備ですが…的が大きければその心配はありません
●なぎ払い一刀両断
●トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)
騎士たるもの、やはり人々の安寧を脅かす存在には立ち向かわなければならない。
「キング・ブレイン、いざ、勝負!」
「ブレブレブレ! 掛かってくるがいい、猟兵よ!」
悪党らしく外套を翻して、キング・ブレインは言葉を継ぐ。
「――お手柔らかに頼みます!」
……どうにもキマイラフューチャー絡みの敵は緊張感が削がれる。
それも脅威度と相反するように、力ある者に限ってアレな雰囲気だから質が悪い。
はっきりと言ってしまえば、苦手だ。
そうだ。騎士にも、トリテレイアにも苦手なものくらいある。
とはいえ、敵は敵。討つべき相手である事には変わりない。
それを前にして、騎士が後退るわけにはいかない。
トリテレイアは大盾を構え、キング・ブレインの出方を窺う。
その姿は瞬く間に巨大化して――何やらバチバチと耳障りな破裂音じみたものを伴うようになった。
「どうだろうか名も知らぬ猟兵よ! 機人と思しきキミとはエレクトリカルなコミュケーションを図るべきかと考えたのだが!」
端的に言えば電撃攻撃しますよ、という意味だろう。
その奇怪な言い回しには頭を捻る他ないが、しかし単純な発想はトリテレイアにとって吉。
大方、そんな事だろうと耐電性を向上させてきたのだ。
備えあれば憂いなし。大首領も恐るるに足らず。
かくして、トリテレイアは巨大キング・ブレインの足元を駆け抜ける。
脚部スラスターを噴出させて地を疾走れば、まるで雷霆の如き攻撃が幾度となく降り注いだ。
しかし、当たらなければどうということはない。
当たっても一度くらいなら(恐らく)どうということはない。
自ら施した改造を担保として思い切りよく動きつつ、マルチセンサーで敵の情報を掻き集めれば、巨体に任せた殴打や襲撃も何のその。長剣と大盾で確実に受け流す。
だが、幾ら躱したところでキング・ブレインも無傷。
「ブレブレブレ! 厳しい風貌の割には……と言わざるを得ないな、猟兵よ!」
さほど余裕でもない状況下でふんぞり返ってこその悪役――などと考えているのかは知る由もないが、ともかくキング・ブレインは挑発するように言い放ちながらまた雷を落とす。
それを至極冷静に見切って、トリテレイアは敵のお望み通り反攻に出る。
ひたすらに続けた回避行動の最中、充填していた必殺武器。
コアユニット直結式極大出力擬似フォースセイバー。
未だ柄だけの剣を身体の格納スペースから抜き放ち、ケーブルを通じてエネルギーを送り込む。
途端に伸びた白い刃は、キング・ブレインをも凌ぐかという程。
「ブレブレ……ブレ?」
嫌な予感しかしない。
然しものキング・ブレインも声を潜めたが、しかし時既に遅し。
刃が空を裂く。否、大首領の膨れ上がった巨体を裂く。
大振り大味な一撃も、的が大きければ何一つ案ずるところはない。
一刀のもとに切り捨てられたキング・ブレインは――大首領の敗北に相応しいダイナミックな爆発に紛れて、何処かへと消え失せた。
成功
🔵🔵🔴
ウィンディ・アストレイ
※アドリブ&絡み連携OK
ご自身が既に、スーパー怪人という感ですね…
さて置き
本棚を投げるとはアバンギャルドですが…
サイズの分、軌道は読みやすいですね
ただ『防御』を選べば『命中』となりかねない為
本棚は『回避』を狙います
飛来する本棚を注視しつつ
同時に本棚の周囲の気流を空間受動レーダーで察知
例え軌道を変えるモーションが無くとも
軌道が変わるからには、必ず周囲の気流は変化する筈
それも見逃さず、最適な回避機動を演算し続け
衝突の瞬間、演算した機動で本棚を避けます
(情報収集&戦闘知識&見切り&空中戦)
回避の瞬間にチャージしていた【選択UC】展開
一気に畳み掛けます!
(力溜め&一斉発射&カウンター)
「倍返しです!」
●ウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)
その力。風貌。振る舞い。大首領の座に相応しい。
もはやそれ自体がスーパー怪人という雰囲気。
侮れない。一筋縄ではいかない。
ウィンディは慎重に敵の様子を窺う。
対して、キング・ブレインは一言。
「ブレブレブレ! そう見つめられると些か恥ずかしいではないか、お嬢さん!」
――やはり、どうにも調子が狂う。
それが猟書家の中でも異質であろうことは明白。
だが、如何に異質であっても本棚を投げるのはアバンギャルド過ぎないだろうか。
そもそもそれをアバンギャルドなどと定義して良いものか。
ウィンディの演算能力を駆使しても答えは出ない。
確実なのは、その巨大な本棚が飛んでくるという事だけ。
それにどう抗うべきか。選択肢は二つ。
即ち、受けるか、それとも避けるか。
堅実な方策は受けることだろう。完全な回避を目論み、仕損じた際に喰らうダメージは態勢を整えて受ける以上のものであるはず。
だが――受けるとは、つまり攻撃の命中を意味する。何か神憑り的な手段で被害をゼロに押さえたとしても、それが当たったという事実は変わりない。
そして、本棚の命中はキング・ブレインにより苛烈な攻撃を許す事となる。
ならば。
(「サイズの分、軌道は読みやすいはずですね」)
受けるでなく避ける。防御でなく回避。
ウィンディは空間受動レーダーを稼働させて、巨大な本棚の周囲に生じた気流を読み取る。
無論、己が眼に映るものも疎かにはしない。取得出来るデータというデータ全てを演算処理に叩き込み、リアルタイムで計算した軌道を元に最適な回避パターンを弾き出すのだ。
それは一秒を千に刻んだ単位で変化していく。
思考回路を焼き切るような作業。常人には到底不可能な領域。
それでも結論を導き出せるのは、人ならざる身のウィンディだからこそ。
「――――っ!」
不意打ちの投擲を完全に見切って大地を蹴る。
ギリギリまで引きつけておけば軌道の修正も効かない。家具の形をした質量兵器は地を穿ち、其処に獲物の姿が無いことを認めたキング・ブレインは天を仰いだ。
「なんと……っ!」
驚愕は攻撃を避けられた為か、はたまたウィンディの華麗な動きに見惚れたのか。
いずれにせよ、その呆気に取られたような声がキング・ブレイン最後の言葉。
「倍返しです!」
肩装甲及び下腿装甲に内蔵された多連装大出力ロックオンレーザーシステム“ウィル・オー”の展開と共に、ウィンディが吼える。
演算と同時に充填されていたエネルギーが一気に迸る――!
「……ブレブレブレ! 怪人だろうと猟兵だろうと、やはり火力は……ロマン!」
極大レーザーに薙ぎ払われたキング・ブレインは、何故だか満足げな叫びを上げた。
そして爆ぜた。背中から倒れるや否や、盛大に爆ぜた。
爆風が森を薙いでいく。
ウィンディも靡く髪を押さえて――達成感よりも大きな疲労感を覚えていた。
成功
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