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迷宮災厄戦㉓〜ブレてる感じの王様

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #キング・ブレイン

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 あるところにキング・ブレインという王子様がいました。
 王子様は可哀想な怪人を見ると、自分の持つ「スーパー怪人大全集」の1つを分けてあげました。
 そして季節は巡り、キマイラフューチャーが世界征服される頃。
 怪人大全集を失った王子様は――。

「まて、待つのだ吾輩。吾輩の紹介動画なのにこれでは吾輩が死んでしまうではないか」
 誰もいない部屋で1人首を振るガイコツ脳みそ。
「っていうよりキングなのに王子さまっておかし……。いや、ここは視聴者の皆さんがコメントしやすいようあえて残しておこう。うむ。とりあえず吾輩が死なない感じに直して。えー、ブレブレブレ……」
 その猟書家『キング・ブレイン』は、これからここへやってくる猟兵たちのことなど忘れ。キマイラフューチャーの進行に向けて着々と準備を進めていた。
 動画編集ソフトで。


「怒涛の進撃で一気に猟書家への道が拓けたぞ」
 壁に景気よく肖像画を飾りながら。グリモア猟兵ダスク・ドーン(f13904)は新たな戦場への案内を始める。

 現在アリスラビリンスでは、オブリビオン・フォーミュラ『オウガ・オリジン』、他世界の侵攻を目論む『猟書家』、そして世界を守る猟兵との三つ巴の戦争が起きている。
 戦いも中盤戦を過ぎ。猟書家を削り、オウガ・オリジンへの道も目前。

「今度の敵は、猟書家『キング・ブレイン』。ある意味キマイラフューチャーを狙うのに相応しい男だ」
 ある意味、とは? ある意味はある意味です。真面目な人なんですよ。
 ダスクは表情を変えずに次の説明に進む。
「本来なら人間がいないはずのキマイラフューチャーには猟書家は移動できないらしい」
 どういう理由でコイツだけがあの世界にいけるのかはわからない。一応警戒しておいた方がいいかもしれないし、考えるだけ無駄かもしれない。まー、どんなに頑張って考えても脳みそガイコツが本棚を背負ってやってくることを理論的に説明することはできないんじゃないかな?

「そういうわけなので強敵相手の先制攻撃対策だけは忘れないでくれ」
 半ば投げやりに次の説明に進むダスク。キング・ブレインは侵略蔵書『スーパー怪人大全集』を2つの意味で使いこなし、更には脳からビームを放つという。愉快な攻撃だが、実力は確か。全くの無策で挑んではいけない、一応。

「とにかくアリスラビリンスとキマイラフューチャーの危機だ。いくぞ!」


背腹かえる
●特殊ルール:先制攻撃
 プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』。
(敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)

●このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「迷宮災厄戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●ご挨拶
 背腹かえるです。よろしくお願いします。

 戦争シナリオ、ボス戦フラグメント1つで完結。
 相手は猟書家『キング・ブレイン』となります。
 強敵らしいのですが場合によってリプレイは緩い感じになると思われます。

 敵には先制攻撃があります。
 猟兵の使用するユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)にて攻撃を行います。
 プレイングに対策を盛り込んでください。
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第1章 ボス戦 『猟書家『キング・ブレイン』』

POW   :    侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」
【スーパー怪人大全集の好きな巻】を使用する事で、【そこに載ってる怪人誰かの特徴ひとつ】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーキング・ブレイン】に変身する。
SPD   :    本棚をバーン!
【突然、背中のでかい本棚を投げつけること】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【リアクションをよく見て身体特徴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    脳ビーム
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【脳(かしこさを暴走させる)】属性の【ビーム】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ソナタ・アーティライエ
お忙しいところにお邪魔してしまい申し訳ありません
最初のお叱り(脳ビーム)は甘んじてお受け致します
詠唱時間に応じて、という事ならそこまで強力ではない筈
身に纏う[オーラの防御]とヴェールによる結界、自身の癒しで何とか耐えます

作業のお邪魔をしたことに対して[礼儀作法]を活かして丁寧に謝罪
その後お詫びに作業を手伝わせて欲しいとお願いします

アイデア出しや助言、お茶くみにお掃除などでご[奉仕]
しかし何故かちょっとした粗相(どじっこ)が度々発生
けしてわざとではないので、誠心誠意謝ります
けれどその度にブレイン様の精神的なダメージが積み重なっているご様子が心配です
もっと頑張らないといけませんね(負の連鎖へ……



 1人PCの前で熱心に作業を続けるキング・ブレイン。
 ソナタ・アーティライエ(未完成オルゴール・f00340)がそろーりと覗き込む。
「お忙しいところにお邪魔してしまい申し訳ありません」

「どちら様でございま猟兵か! よく来た! 吾輩こそがキマイラフューチャーの新たな大首領! キング・ブレインだ! 吾輩の領域に踏み込むとは――」
「……あのー」
 事前に用意していためっちゃ長い詠唱に、ソナタが申し訳なさそうに割って入る。
「申し訳ありません。ブレイン様はとてもお忙しい様子。わたしもお手伝いしてもよろしいでしょうか?」
「え……? あ、もしかして書架の王様に頼んでたお手伝いの幹部さん?」
「幹部、なのです?」
 何か勘違いされてしまったが、ここは話を合わせた方がよさそうだ。
「ようこそお越しくださいました。さっきの口上どうでしたか? 威厳、出ていました?」
「かっこよかったと思いますよ?」
 こうして。猟書家と猟兵、奇妙な2人の共同作業が始まった。

「そろそろ休憩にしませんか? お茶をご用意しますね」
「ありがとうございま――、!?」
 がしゃーん。

「こんなところにこんなに埃がたまって。すぐお掃除します」
「待ってコンセント抜かな――」
「きちんとお掃除しないとダメですよ?」
「あ、ハイ」

「お疲れみたいですね。ここは癒しの光で回復を」
「あ、その光。モニター見にくくなるからちょっと下げて」
「えー……」
「あ、やっぱ笑顔で輝いていてください」
「はい、頑張りますね」

 いろいろあって作業は進んり戻ったり戻ったりしながら。なんとかキマイヤフューチャー侵攻に向けたPV動画が完成する。出来た動画は――、なんだこれ?
 小さな銀龍・アマデウスがキング・ブレインを助けて、スーパー怪人大全集を怪人の皆さんに頒布して。なんやかんやでキマイヤフューチャーが平和になる感じのPV動画。

「完璧だ……」
「ようやく終わりました」
 やり遂げた顔のキング・ブレインとソナタ。1人でやるよりやたらと手間が増えた気がするけど、新幹部のソナタちゃんも頑張ってくれた。どえらい攻撃を受けたみたいに疲れたけどとにかく頑張った。

 作業は無事終わったかに思われた。完成した動画の試写会と洒落込んだところで。
「折角ですからわたしお料理頑張りますね」
「待ってなんでそんな大きな鍋をPCの前に持って――」

 また最初からやり直しになりましたとさ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエナ・リーレイ
■アドリブ絡み可
本棚の投げ合いっこで遊びたいんだね!とシエナは理解します。

『お友達』を求め彷徨うシエナ
親愛と好意に満ち溢れた挨拶に対する怪人の返事は本棚の投擲でした

ですが、シエナは動じる事なく本棚を怪力で受け止めると怪人に投げ返します
更にシエナは周囲にある本棚も怪人に向け投げ付け始めました

わたしはあなたと仲良くなりたいんだ!とシエナは本棚を投げつつ答えます

時が経つ程に気分が高揚して本棚の投げる頻度と規模が大きくなるシエナ
周囲に他の猟兵がいなくても問題ありません

何故ならシエナにとって怪人とは親愛と好意を向け、仲良くなり『お友達』に迎えるべき味方なのですから

まだ遊び足りないよ!とシエナは叫びます。



 割と静かで普通な空間に。物が砕け散る豪快な音が響き渡る。
 長い挨拶から飛んできた本棚を躱し、シエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)がとても良い笑顔で悪の大首領と対峙する。
「本棚の投げ合いっこで遊びたいんだね! とシエナは理解します」

 めっちゃ笑顔を返されて困惑するキング・ブレイン。
「え? いや、投げ合いっこ、とかそういうわけでは」
「わたしはあなたと仲良くなりたいんだ! とシエナは本棚を投げつつ答えます」
 そんなキング相手に、シエナは足元に転がる本棚を掴み上げ、豪快に投げ返す。
「待って専門家の指導の下に安全に配慮して投げないと本棚が壊れ――、ああー!?」
 投げ返された本棚を守るため、その身を挺して受け止めるキング。とりあえずセーフ!

 何度かの本棚キャッチボールを経て。シエナのテンションがおかしな方向へと振り切れてゆく。
「凄く楽しくなってきたよ! とシエナは気分の高揚を訴えます」
 これぞ【お友達との楽しい遊びが引き起こす気分の異常な高揚】。シエナの身体から呪詛の輝きが溢れ、手の届く範囲のあらゆるものを投げつけ始める。
「待て! 待つのだ! そっちの本棚は保存用で投げる用では!?」
 保存用、投げる用、と言われても一般の猟兵の方には意味がわからないかもしれません。怪人たちの間では自分のコレクションを自慢するために同じ蔵書を複数揃える行為が往々にして行われます。シエナ氏の投げた本棚に納められたスーパー怪人大全集。これは全て初版で揃え、購入から一度も開かれることのなかった保存用の特別な本棚。
「特別な本棚を投げることで特別なお友達になれる! とシエナは考えます」
 キングの瞳の中で、『スーパー怪人大全集(全687巻・初版完全美品)』が散っていく様がスローモーションで再生される。なんとか愉快なお友達の顔を保っていた男の中で、何かが弾け飛んだ。
「いくら吾輩でも我慢の限界が! 許さねえ! てめーの顔は二度と忘れねえ!」
 コレクションを無残に扱われた怒りが! 散っていた蔵書の無念が! キング・ブレインの背負った本棚に集結する!
「お友達からのプレゼントだ! とシエナは感激します」
 キングの本気の一撃。シエナはとても嬉しそうに受け止める。受け止め切れない勢いで本棚が砕け散り、降り注ぐスーパー怪人大全集を浴びてきゃっきゃっと騒ぐ呪詛の人形。

「まだ遊び足りないよ! とシエナは叫びます」
「もう本棚がないです許してください」
 とキング・ブレインは本気で泣いています。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒玻璃・ミコ
※スライム形態

◆行動
確かにキマフュー担当っぽい猟書家ですよねー

不定形である特性を活かして物陰に潜み時には影そのものに擬態し
そもそも攻撃の対象として存在を気取られぬよう
決して逸る事無く暗殺の機会を伺いましょう

仮に見付かろうとも重要な臓器はその位置をずらし
致命的な状態だけは避けますよ
何より既に脳内物質を過剰分泌させて居ます
賢さが暴走するならば強制的に薬物で沈静化させれば良いのですよ(ドヤ顔)

上手く逝ったならば
【黒竜の闇帳】で周囲を闇に閉ざし、領域を猛毒の霧で満たしますよ
五感が遮られて居る貴方に私の居場所
何より聴覚と触覚を失った自分が何処まで詠唱したか判りますか?

※他猟兵との連携、アドリブ歓迎



「確かにキマフュー担当っぽい猟書家ですよねー」
 割と普通っぽい部屋で本棚をひっくり返しながらPC作業に勤しむキング・ブレイン。黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)はその様子を見ながらうんうんと頷く。

 ミコは壁を使い、慎重に敵へと接近する。
「む! これは!」
 キングのPCから特徴的な警告音が鳴り響く。バレたか? こうなっては仕方な――。
「戦況報告のメールだった。えーと、こちらにも猟兵が来ています。さっき来た分は追い返しました」
 ……、メールの着信音だった。バレてない。あんまり驚かせないでほしいですねー。
「現在の状況は……、む!」
 今度こそ目が合った。キングは壁に張り付いたままのミコをじっと睨んでいる。そして、しばらくすると何事もなかったかのように独り言と作業を再開する。
「なんだスライムか。最近換気扇が壊れて虫がいっぱい入ってきていたからびっくりしました」
 一旦作業に戻りつつ、またキングはちらりと壁のスライムを見る。まあ作業の邪魔にならないスライムならいいだろう、みたいな顔をしている。こちらに気付いているのに攻撃してこないのは強者の余裕か、はたまたキマフュ―担当脳か。

「諸君らの中には吾輩が猟兵を無視して作業に没頭しているように見えるかもしれないがこれはメール文章に詠唱を入力することにより吾輩の賢さを事前に高めておく極めて高度な技術であり――」
 諸君ら、と言うのは目の前のミコのことではなく、メール相手の猟書家のことらしい。モニターの文字がきっちり見えるところまで接近したところで。
 ミコは【黒竜の闇帳】の力で周囲を闇に閉ざし。キング・ブレインの感覚を奪い去る。
「うわ!? まだメールの送信を押してないのに!? 落ち着け吾輩! 賢い吾輩ならブラインドタッチの1つや2つ!」
 闇の中で力強く叫ぶキング。何食わぬ顔でキーボードの位置をずらすミコ。
「え!? キーボードがない!? そりゃ致命的でございますよ書架の王さま!? いや、暗闇で見えないなら賢さで世界を照らせばいい! 俄然やる気が――」
 溢れるやる気が輝いたところで、ミコから流し込まれた脳内物質で急激に鎮静化するキング。
「やる気が迷子スイッチです。世界のお友達の皆さん、『いいね』を押してキング・ブレインを応援しよう」

 業務連絡もまともな戦闘も行われないまま。
 暗闇の中に体育座りの大首領だけが残されていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

春霞・遙
バーンって、えー、本好きなら本棚大切にしなさいよ。
全集だってそこに入ってるんじゃないんですか?
なんなんですかそのコミカルな攻撃は!
もうこの人よくわかんないです……。

攻撃方法にショックを受けたのでリアクションを偽るのはちょっと難しいですけど、二度も同じ反応をするとは思わないでくださいね。

一度目は敵をよく見て全力回避します。
二度目は全く違う行動をして簡単には当てられないように策を弄します。
拳銃を乱れ撃ちして行動を邪魔して、致命傷や行動阻害になるような攻撃だけ避けて他は受ける方向で。
先制攻撃を凌げたなら【バレットレイン】で追加の銃擊を畳み込みます。



「バーンって、えー、本好きなら本棚大切にしなさいよ」
 割と普通の部屋だったのも今は昔。本やら家電やらいろいろな物が散らかる戦場で春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は叫んだ。

「これは戦闘用の丈夫な本棚。専門家の指導の下、安全に配慮して投げているので問題ありません!」
 力強い宣言。キングブレインの背中から、本棚が豪快にバーンされる。派手なだけで鋭いわけではないその攻撃を、遙はひらりと躱す。
「いや安全て! 攻撃しながら安全って!」
「丈夫な本棚です! 象怪人がバーンしても壊れない!」
 先ほどまで遙がいた場所には、本棚が綺麗にバーンしている。
「全集だってそこに入ってるんじゃないんですか?」
「ちゃんと保存用と布教用のコレクションが別にあるので万一これに何かあっても大丈夫です!」
 さっき別のリプレイで保存用も思いっきりぶん投げたれていましたが、本当に大丈夫ですか?
「なんなんですかそのコミカルな攻撃は!」
「これは吾輩をフィギュア化した際にワンタッチでアクションを再現しやすいようにと職人さんと協議しながら決めた攻撃で」
「いや、そういうことを聞いているのではなくてですね」
 敵の攻撃を躱し続けるにはリアクションを偽った方がいいのだが。ショックを受けた遙はそれどころではなくなっている。

 一方、遙のリアクションに律儀に答えてくれるキング・ブレイン。このようなやりとりを繰り返すうちにターゲットの行動パターンを分析して――。
「もうこの人よくわかんないです……」
「え?」
「え?」
 コミカルなやりとりの中にも殺気を漂わせていたはずのキングが、硬直する。
「よくわかんない? え? もっとわかりやすいキャラにした方がよろしいでしょうか?」
 遙の何気ない一言が、キングの心に大きく突き刺さる。
「そこ、気にしてた……?」
「……ハイ」
 流れが変わった。攻撃のチャンスだ。
「まあ、口調は統一した方がいいんじゃないですか?」
 適当に話を合わせながら、拳銃を構える。
「キャラを作ろうと口調を変えてみたものの慣れなくて、ん?」
 口調の話をしていたら目の前に銃口があったでございます。これはひょっとしてひょっとしなくても吾輩ピンチでは?

 至近距離から、盛大な【バレットレイン】が火を噴いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
確かに愉快な敵さんですけれども
油断は禁物です
キマイラを守る為頑張りますよ~

蒸気竪琴を最大ボリュームに
大音量で気を逸らせて詠唱阻害

魔力操作で敵眼前に
暴風や火の粉、水飛沫を放ち
視覚を一時的に封じます

疾風を纏い機動力up
頭部の方向からビームの軌道を予測
サイドステップやジャンプ、ダッキングで
射線から逃れます

当たりそうなときは
光炎の盾でビームの反射も試みます

凌いだら魔力の矢

本や脳みそさんを
烈風が切裂き
業火が燃やし
超水圧で脳を貫きます

本を傷めるのは本意ではありませんが…
侵略蔵書ならば容赦できません

脳みそさん
骸の海へお還り下さい

終幕
鎮魂の調べ
安らかな眠りを願います



「確かに愉快な敵さんですけれども、油断は禁物です。キマイラを守る為頑張りますよ~」
 ここまでまともに戦闘なし。愉快なキマイラフューチャー担当の前に、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)もやってくる。

「いろいろとひどい目に遭い過ぎた。作業は諦めよう。まずは猟兵を……」
 キング・ブレインは決意を新たに、部屋に踏み込んだ仄々と対峙する。5人目の猟兵にして、ようやくの戦闘準備である。キングはこの時のために用意しておいためっちゃカッコいい演壇へと登る。
「よく来たな猟兵よ。吾輩こそが悪の大首領、キン――」

 デェェェェン!!

 キングの口上が始まった瞬間。仄々は大音量で蒸気竪琴の演奏を始める。
「え? すとーっぷすとーっぷ猫さんミュージックすとーっぷ!? お隣は静かなのが大好きな書架の王さまですよ!? 怒られますよ猫さん!?」
 キングが詠唱を止めたので、仄々も妨害の演奏を止める。
「分かってくれたんですね猫さん。では改めて……。吾輩こそが――」
 デェェェェン!!
「猫さーん!?」
 ピタッ!
「吾は――」
 デェェェェン!!
「……」
 ……。

 キングが演壇からとぼとぼ降りてくる。詠唱を諦めた様子なので、仄々が蒸気竪琴を懐中時計の形態に戻す。
「勝負だ猟兵ってなにそれかっこいい」
 かっこいい口上を諦めて戦闘を始めようとしたところで、仄々のかっこいい装備に食いついた。
「ん? これは『ねこのうた』っていうシンフォニックデバイスで――」
 仄々も自慢の装備を説明しようかと思った。が、攻撃出来る間合いに無防備な相手がいることに気付いてしまった。
「折角興味を持っていただいたところに申し訳ありませんが……」
「申し訳ありませんが?」
 いくらオブリビオン相手とは言え。折角興味を持ってくれた相手に不意打ちは忍びない。
「世界を脅かす猟書家と侵略蔵書は容赦できません。脳みそさん。骸の海へお還り下さい」
 丁重に断りを入れてから。キング・ブレインとその蔵書に向けて【トリニティ・ブラスト】で攻撃を仕掛ける。
「ブレブレブレ! よかろう猟兵! 吾輩が相手になる!」
 結局詠唱も口上も出来なかったけど、キングは脳からのビームで3色の矢を迎え撃つ。吹き荒れる烈風が蔵書を寸断し。業火とビームが部屋の中央で爆発を巻き起こす。怯んだキング・ブレインの脳を水の槍が貫く。

 鎮魂の調べ 安らかな眠りを願います

「怪人たちの夢を背負った吾輩はここで眠るわけにはいかんのだー!」
 終局へと、物語は続く――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
SPDで判定

またキマイラフューチャーにおかしな怪人を呼び出すつもりだな!
ワイワイ楽しい世界なんだからお前達なんておよびじゃないよーだ!

突然投げつけてくるのを「第六感」で華麗に把握
本棚の軌道を「見切り」、本棚の角に両手を添えて、跳び箱を飛ぶようにぴょーんと飛び越えちゃうぞ♪
そのままぴたっと着地も決めて10点満点だ!

続けて投げてくる本棚も飛び越えるけど、着地の間際を狙われそうになるから【スカイステッパー】で二段ジャンプ!
くるくるくると三回転半を決めてからレイピアを構えてキング・ブレインの頭にぐさっと着地を決めちゃうぞ!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「またキマイラフューチャーにおかしな怪人を呼び出すつもりだな! ワイワイ楽しい世界なんだからお前達なんておよびじゃないよーだ!」
 関係者各位に失礼のないように、入念に準備を進める男に。ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が、割と酷なことを宣言する。
「お呼びでないけど失礼にあたらぬよう、吾輩は誠心誠意世界征服に挑むのだ! 各界の著名怪人様に手渡しする菓子包みもきちんと用意して――」
 ……もぐもぐ。
「これあんまり美味しくないよ?」
「何勝手に食べてん!?」

 ツッコミと共に。小さなティエルに対し、ずいぶんと大きな本棚が飛んでくる。そんな本棚にタイミングよく両手をついて、ティエルはぴょーんと飛び越える。
「ああー!? ちゃんと着地するように計算して投げてる本棚に触らないでください!?」
 キングの訴えは時すでに遅く。ティエルがビシッと着地のポーズを決める後ろで、本棚がバーンと壁に激突する。
「ななな投げる用本棚が!? 本棚で遊んじゃいけませんって習わなかったんですか!?」
「10点満点だ!」
 ティエルはきらきらといい笑顔で宣言する。ん?
「全然聞いてない!? ええい! 本を大切にしない小さな妖精相手に会話など無用!」
 キングは新たな本棚を投げつける。今度は跳び箱しにくいように、角度と回転をつけて。そんな風に投げたら本棚も無事では済まないけれど、って、まずいじゃん吾輩。
「とーうっ!」
 元気な掛け声で回転する本棚に片手を添え、ティエルは斜めに飛び越える。
「飛んだ!? だが吾輩の投げる本棚は108セットまであるぞー!」
 本棚を飛び越えたティエルに向けて。更に仰角をつけて本棚が飛ぶ。ティエルは空中回転を決めて、もう一段飛ぶ。ティエルが高く飛べば、本棚も更に角度がつく。最後に真上に飛んできた本棚を蹴って、ティエルは急降下する。

 ぐさっ、と。

 キングの頭に真上から小さなレイピアが深々と突き刺さる。きちんと108セットの本棚が全部あればこうなる前にティエルを仕留められるはずであったが。残念ながら事前に在庫は減っていたのだ。
 ティエルはキングの頭を蹴って、くるくるくるっと三回転半を決めてピタッと着地する。世界の向こうのキマイラフューチャーでは今頃ティエルの華麗な着地に『いいね』がたくさん飛び交っているはずだ。

 ティエルの着地に少し遅れ。キング・ブレインが崩れ落ちる。
 そこへ。真上に投げた本棚が次々と降り注ぐのだった――。

成功 🔵​🔵​🔴​

メフィス・フェイスレス
1度死んで蘇った奴は噛ませになるのが基本ですって?
デッドマンを再生怪人みたいに言うんじゃないわよ
間違っちゃいないけど、元は人間なんだから

先制攻撃に対しては「飢渇」を張り付かせて動きを鈍らせつつ「ダッシュ」「ジャンプ」で退避する

そのまま空中でUCを使って血霧の毒と「生命力吸収」で撹乱しつつ視界を塞ぎ、高速で変則軌道を描きながら撹乱する
デカイだけあって外皮は硬そうだから「微塵」入りのドリル状「骨身」を射出、敵の体内に抉り込ませてから起爆する 
体積が増せば動きも鈍くなるし被弾面積も増えるものよ
怪獣化するのは再生怪人以上に死亡フラグだって教えてあげるわ



「1度死んで蘇った奴は噛ませになるのが基本ですって?」
 メフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)は叫んだ。
 1度死んだ、というのは誰のことを指すのか。デッドマンであるメフィス自身のことか、目の前の賑やかな大首領か、怪人となり絶滅したというキマイラフューチャーの人類か。

「言ってないし!? そんな怪人の皆様にすごい失礼にあたること吾輩思っても言わないですし!? あ、いやごめんなさい」
 よくわからないけど失礼があったみたいなので謝っておこう。
「デッドマンを再生怪人みたいに言うんじゃないわよ」
「言ってないです!? キマイラフューチャー人類絶滅してるからデッドマンすら残ってないとかそんなこと全然言ってないですお嬢さん」
「間違っちゃいないけど、元は人間なんだから」
「そうですそうです。怪人もデッドマンも人間ですから!」
 むむむ……。何だかよくわからないけどすごく怒っていらっしゃる。こういう時はどうすればいい? お菓子を出してみる? ゼッタイウケるミニ動画集を? あ、そうだ。こんなときこそ侵略蔵書『スーパー怪人大全集(全687巻)』の出番だ。布教用の用意したこの蔵書の力を使えばきっとわかってくれるに違いない。

「吾輩の真の力を見せるときが来たようだな! 集え! スーパー怪人大全集!」
 背負った蔵書をその身体に宿し、キング・ブレインが巨大化する。
 肥大化したのろまな巨大キングに、メフィスは黒く蠢く飢餓の衝動『飢渇に喘ぐ』を纏わりつかせる。キングは纏わりつくものを振り払おうと巨大な腕を振り回す。敵の攻撃に合わせ、メフィスは飛ぶ。
 メフィスは【醜翼を翻す】の力を解放する。血の霧で本棚の並ぶ部屋を包み、異形の翼から生命力を吸い上げる。
 再びキングの巨大な腕が振り下ろされる。本棚が砕け、怪人大全集が飛び散る。あ、この大全集は演出盛り上げ用なのでいくら破けても大丈夫です。
「体積が増せば動きも鈍くなるし被弾面積も増えるものよ」
 派手なばかりで速度を伴わない攻撃をすり抜け。メフィスはドリルとなったグルメツールを輝く脳へと叩き込む。
 巨大キング・ブレインがぐらつく。その巨体を支える様、侵略蔵書が纏わりつき、更なる巨大化を促す。
「怪獣化するのは再生怪人以上に死亡フラグだって教えてあげるわ」
 メフィスの宣言と共に、キングの脳内の『微塵に砕く』が爆発する。脳を失った巨体がヒビ割れ、隙間から黄金の閃光が溢れ――。
「わ、吾輩が滅びようとも第2第3の大首領が必ずや――」
 不思議の国全体を揺るがす大規模な爆発が巻き起こる。

 こうして、本の散乱する部屋に静けさが訪れ。
 1つの世界の危機が消え去ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月21日


挿絵イラスト