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迷宮災厄戦㉓~キング・ブレイン

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #キング・ブレイン

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●アリスラビリンス
「ブレブレブレ、運命の時は来た! 正義の味方気取りの猟兵達が、吾輩を倒すため、ここにやってくる。どうやら、吾輩も悪の大首領として、認められたようだな。だが、ここに来るのであれば、悪の大首領らしく、持て成してやらねばならん。やっぱり、アレか。『世界の半分をやるから、吾輩の手下になれ』とか言うべきか。いやいや、それでは、あまりにもありがちだ。ならば、これか。『吾輩……、この戦いが終わったら、キマイラフューチャーに攻め入るのだ』か。いや、これ……死亡フラグじゃないか。うーむ、なかなかイイ台詞が浮かばぬなぁ。いっそ、茶でも出して、のんびり会話に華を咲かせるか。だが、それでは悪の大首領っぽくないし、せっかくならポーズにも、こだわりたいものだ」
 そんな事を考えながら、猟書家『キング・ブレイン』が無駄に時間を潰していた。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明した。
 今回の目的は、猟書家『キング・ブレイン』を倒す事。
 キング・ブレインはキマイラフューチャーを狙う猟書家で、どこにでもあるような普通の不思議の国を拠点にしているようだ。
 どうやら、本当は悪の大首領気取りでいるらしく、自信だけなら猟書家最強を自称しているようである。
 それだけでは、何とかならなかったりするのだが、そのぶん怖いもの知らずのところがあるので注意しておくとイイだろう。
 そう言った事も踏まえた上で、キング・ブレインを倒す事が今回の目的である。


ゆうきつかさ
 この依頼は戦争シナリオです。
 敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくるので、対抗手段を考えておきましょう。
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第1章 ボス戦 『猟書家『キング・ブレイン』』

POW   :    侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」
【スーパー怪人大全集の好きな巻】を使用する事で、【そこに載ってる怪人誰かの特徴ひとつ】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーキング・ブレイン】に変身する。
SPD   :    本棚をバーン!
【突然、背中のでかい本棚を投げつけること】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【リアクションをよく見て身体特徴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    脳ビーム
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【脳(かしこさを暴走させる)】属性の【ビーム】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

火土金水・明
「相手は『猟書家』の一人。こちらも全力を出して戦わなければいけませんね。」
相手の先制攻撃に対しては、【見切り】【野生の勘】【第六感】の技能を駆使して回避を試みます。
【POW】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【ファイナル・フレア】で、『猟書家『キング・ブレイン』』を攻撃します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


ユージィーン・ダイオード

再生怪人&巨大化怪人…死亡フラグ重ね着するとは剛毅だな。
バギーに乗り、片手でハンドル、片手にアサルトライフルを装備し、『弾幕』を貼りつつ敵の周囲を走って逃げまわる。
さて、爆弾を助手席に設置したら、バギーから飛び降りる。
『破壊工作』『爆撃』でバギーの爆破で注意を引いて、その間に間合いを確保だ。さらばバギー


―反撃開始(カウンターアタック)
――武装展開(オープン・コンバット)咆哮凶虎発動。
ティガーⅡ(列車砲)はその場に設置。援護を頼む。
ティガーⅠ(移動砲台)は僕についてこい。
アサルトライフルとビームキャノンを装備…特攻を開始する
(【一斉発射】【爆撃】【制圧射撃】)する。
手持ちの火力全開で勝負だ


上野・イオナ
ブレブレめっちゃ好きだよ
本当は駄目だけどキマイラフューチャーに来て欲しい
キマイラフューチャーにピッタリの人材すぎるよ
イイネ!
とりあえず対策だよね
CelesteCarillon(チェレステカリヨン)お願い!
【脳ビーム】詠唱中に落ち着きそうな音楽を流して
かしこさの暴走を少しでも抑えるのと、詠唱の邪魔をしたい
それでも攻撃を喰らうとは思うけど、ピンチこそキマイラフューチャーのヒーローの醍醐味!
UC【空を翔ける小鳥が歌うは夢の音色】使用
「ここからは僕のステージだよ!」
勢い!ノリ!
カッコよく決めろ僕!

※『キングブレイン』のことを『ブレブレ』って勝手にあだ名みたいな感じで呼びます
※アレンジ・連携大丈夫です


華上・ユーディ
【冥土隊・天】参加

猟書家と戦…敵に不足無し。
故郷のキマイラフューチャーを
進攻させるわけにはいきませぬ❗

マジにいきます。
冥土隊進撃開始です。

SPD選択
【先制攻撃の対策】
彗星掃射にはかなりの集中が必要です。みんなが時間を稼いでくれているから外せない❗でも、オブビリオンの先制攻撃に開発した技使わせて頂きます‼️覇気で固めた弓をつがいながら【衝撃波】で爆風を発生させ煙に入り【闇に纏り】回避を行います。被弾を【見切り】と【野生の勘】で紙一重にかわし【時間稼ぎ】が出来たら。

カウンターを開始!
弓を限界まで引き絞り【力溜め】【グラップル】の体裁きで
狙うは一つ…キング・ブレインを貫け!!!


有馬・ナオ
【冥土隊・天】に 所属

ネタ&連携マスター様にお任せ


何か見たことある
ボスさんがいましゅね。

あーゎ、黄金バットしゃん
でしゅ。でしゅ!サイン
下さい。(お子さまなので本気に勘違いしている)聖愛姉しゃん初めてヒーロー見たでしゅ。

POW選択
【先制攻撃】の対策

UCを発動迄【盾受け】をしながら砲撃しながら【一斉発射】で弾幕を作りユーディしゃんの時間作りします。
戦闘中、敵の攻撃から味方を守るため防御に専念します。

「正義は不変なのです!」
 猟書家『キング・ブレイン』の「侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」(POW)」に対し、「アルティメットボディ」を使い
 ある程度のダメージはやむを得ないでしゅ。


鏡神・りた
【冥土隊・天】で参加ですぅ。

わるーい奴は許さないですぅ。
でも、この敵さん何処かで見た事はありますねぇ?
あー、高笑いしながら悪を斃すヒーローさん?

なんでこんな所に遊んでいるのですか?

■POW選択ですよ。
聖愛さん、ナオさん連携して頑張りますよ。
【先制攻撃】対応
敵の攻撃には拳銃で【弾幕】を作り時間を稼ぎます。
動きを観察しながら【学習力】を生かし【オーラ防御】で
動きを予測し受け止めます。

 戦闘中、オトリ役になります。
「百邪を斬る為、此処に推参‼️」
 バイクンフーになったら相手の怪人と組み合い。

巨大なクローで相手の怪人特徴を狙い【重量攻撃】
【貫通攻撃】で反撃デス!

☆アドリブ、連携はマスター様にお任せ。


葉川・聖愛
【冥土隊・天】でシナリオ参加

猟書家との戦い…気を引き締めなければ。

りたさんやナオさんが心配ですが頑張りましょう。



●WIZ優先
【先制攻撃の対応】
脳ビームに対しては【結界術】で味方を護りながら。
単体の攻撃では盾を構え【盾受け】で受け流し。

勢いを殺しながら【見切り】で最小限の動きで回避を行います。

 戦闘中、戦いながらも、戦場全体や仲間の状態に常に気を配ります。
「皆様は私が護ります!」メイドの緊急処置術で疲労している仲間を回復し。

敵を【おびき寄せ】距離を取りながらユーディ様が技を発動するまで。
仲間達の傷を【医術】で支援致します。


雛里・かすみ(サポート)
 バーチャルキャラクターの戦巫女×UDCメカニックの女性です。
 普段の口調は「明るく朗らか(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
寝起きは「元気ない時もある(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

明るく朗らかな性格の為、
男女分け隔てなくフレンドリーに会話を楽しみます。
どんな状況でも、真面目に取り組み
逆境にも屈しない前向きな性格です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


シフォン・メルヴェイユ(サポート)
『楽しい世界が待っていたらいいなぁ。』
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 怒った時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびりとして、無邪気な性格をしています。
基本的に常に笑顔で人に接して、
敵以外なら誰に対しても友好的な性格です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ルエリラ・ルエラ(サポート)
じゃーん。アーチャーでシーフで芋煮な私だよ。
ソロでも負ける気はないけど、戦闘で得意なのは皆の援護。
なんでも貫く【アインス】や集団に有効な【フィーア】とか役に立てると思うよ。

探索系でもトラップ解除とかハッキングとかもできるのでちょっとは役に立てるはずだよ。

日常系は芋煮売るよ。売らなくても配るよ。芋煮はいいものだからね。
美味しい芋煮で皆が笑顔。いいよね

コミカルな感じなら【芋煮ビット】なんかで芋煮ぶっかけに言ったりするよ。

そんな感じで、基本マイペースの私だったよ。
後はお任せするね。
失敗とかは気にしないので色々させてもらえたらなって思うよ。
ただ、エッチなのは遠慮しているよ。水着ぐらいのお色気は大丈夫。


ベイメリア・ミハイロフ(サポート)
メイン参加者さまのお邪魔にならぬようにしつつ
状況を見て行動を行おうと思います

日常では、まったりのんびり楽しみたいと思います
探索が必要であれば、情報収集・聞き耳を活用し
さりげなく目立ちすぎない程度に行動を

戦闘での行動は、絶望の福音又は第六感・見切りにて相手の攻撃を予見し回避又はオーラ防御・武器受けからのカウンターを狙いつつ
広範囲に敵がいます場合にはRed typhoonを
1体に対してはジャッジメント・クルセイドにて攻撃をいたします
チャンスがあれば早業・高速詠唱からの2回攻撃を
回復が必要なら、この身を削ることになろうとも、生まれながらの光を使用いたします

呼び方ファーストネーム+さま
一人称:わたくし


タリアルド・キャバルステッド(サポート)
冷静に状況を分析するように務め、必要に応じて前衛・後衛等の求められているポジションで参加します。

前衛の場合は「HEROIC」で身体能力を強化し、魔力を帯びた打撃攻撃をメインに、靴による「踏みつけ」やネクタイピンで「串刺し」にするような攻撃方法も使用します。
後衛の場合は「TORNADO」または「COOL EFFECT」で遠距離から攻撃。
防御が必要な場合は「SILVER GHOST」で複製したスーツを盾にするか、「HERITAGE」で腕を羊毛の塊に変化させ受け止めるなど。

UCの使い方はあくまで例なので、自由に使って頂いて構いません。
よろしくお願い致します。
※アドリブ・連携・あらゆる絡みを歓迎します



●不思議の国
 そこは何処にでもありふれた不思議の国だった。
 人の顔をして花々が楽しげに歌を歌い、人型のブタやウシ(陽気な仲間)達が、猟書家『キング・ブレイン』を火あぶりにしながら、キャンプファイヤーの真っ最中。
 陽気にキャッキャウフフと笑い声を響かせ、そのまわりでマシュマロを焼き、幸せ気分を満喫しているようだった。
「……って、死ぬ、死ぬ、死ぬから! つーか、なんで、火あぶり! 吾輩は魔女じゃないから、大首領だから! そもそも、なんでこんな仕打ちをしているのだ、貴様らは! ちょっと遊ぼうと言っていたではないか! みんなで楽しくキャッキャウフフとやるはずじゃなかったのか? それなのに……って、コラ! 薪をくべるな! 油を撒くな!」
 キング・ブレインが涙になりつつ、愉快な仲間達にツッコミを入れた。
 だが、愉快な仲間達は『ベントラ、ベントラ』と呪文を唱えるだけで、キング・ブレインの問いかけには答えなかった。
「いや、それの呪文、吾輩と関係ない奴だから! 吾輩を生贄にしたところで、銀色の円盤に乗った異星人とか来ないから……って、無視! あー、こんな事になるんだったら、フレンドリーに接するんじゃなかった。そもそも、吾輩……もっと偉そうにしておくべきだったんだろうなー。見た目が可愛いからって、油断したのが間違いだった。そう言えば、こんな事……昔にも」
 その途端、キング・ブレインが、この世の終わりと言わんばかりの雰囲気を漂わせ、過去の出来事を振り返っていた。
 おそらく、これが走馬燈というモノ。
 ドナドナマーチが響く中、ギング・ブレインが過去の選択を悔やんでいた。
「……何だか可哀想な気が……」
 それを目の当たりにした雛里・かすみ(幻想の案内人・f24096)が、気まずい様子で汗を流した。
 本来であれば、このままキング・ブレインを倒す流れになるはずだが、シチュエーション的に……何か違う。
 そもそも、先制攻撃が行方不明と言った感じになっていた。
「そんなの食べても、美味しくないよ」
 シフォン・メルヴェイユ(夢見る少女・f19704)が、愉快な仲間達を注意した。
「え~!」
 しかし、愉快な仲間達は、不満げ。
 『これ、絶対、美味しいヤツなのに……』と言わんばかりに、不貞腐れているようだった。
「とりあえず、芋煮と交換で、どう? 絶対に美味しいから、食べて、食べて」
 そんな中、ルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)が芋煮の鍋を持って、愉快な仲間達に駆け寄った。
「えっ? 本当に! だったら、いいよ。コイツ、あげる。もう飽きたし! いらないや!」
 愉快な仲間達が満面の笑みを浮かべながら、芋煮の鍋を持って森の中に姿を消した。
「ひょっとして、吾輩……芋煮以下!? いやー、助けてもらってナンだが、素直に喜べない状況だな、これは……」
 キング・ブレインが複雑な気持ちになりつつ、深い溜息を漏らした。
「別に助けた訳では無いのですが……」
 タリアルド・キャバルステッド(紳士服のヤドリガミ・f25640)が、キング・ブレインの考えを正した。
「えっ? 何、それ! だったら、なんで助けた! あのまま見殺しにしても良かっただろ!」
 キング・ブレインが、腑に落ちない様子で、タリアルドにツッコミを入れた。
「それは、さすがに……。猟書家のひとりが、愉快な仲間達の手によって、火あぶりで死亡……と言うのもアレですし……」
 ベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)が、残念なナマモノを見るような感じで、キング・ブレインに答えを返した。
「確かに、それは一理ある。悲しきかな、吾輩と貴様らは、水と油のようなモノ。本音を言えば、このまま戦わず、仲良くしたいところだが、そうもいかないのが現実だ。だから、ここで死んでくれ! そして、吾輩の中で……生きろ!」
 キング・ブレインが己の運命を呪いながら、悪役っぽい台詞を吐いた。
 そこにはキング・ブレインなりの優しさが込められていたが、その半分は厳しさで出来ていた。
「まさか、この状況で死亡フラグを重ね着するとは剛毅だな」
 その気持ちに応えるようにして、ユージィーン・ダイオード(1000万Gの鉄面皮・f28841)がバギーら乗ったまま、片手でハンドルを操り、もう片方の手でアサルトライフルの引き金を引き、弾幕を作りながら、キング・ブレインのまわりを走り回った。
「あ、嘘! 嘘だから! 何と言うか、ほら……今日は都合が悪いし、後日って事で!」
 キング・ブレインが涙目になりつつ、何とか逃げる機会を窺った。
「そんな事を言って、私達を油断させようとしているのですね!」
 だが、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)だけは、警戒心を怠らなかった。
 万が一、これが演技だとしたら、仲間達も無事では済まない。
「そうそう、それそれ! 吾輩が求めていたのは、それ! 吾輩は猟書家のひとりにして、悪の大首領! この際だから、大魔王とか名乗っちゃってもイイくらいの器なのだ!! ブレブレブレ!」
 その途端、キング・ブレインが調子に乗って、必要以上に胸を張った。
「僕はブレブレの事、めっちゃ好きだよ。本当は駄目だけどキマイラフューチャーに来て欲しい。キマイラフューチャーにピッタリの人材すぎるよ」
 上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)は穢れのない瞳で、キング・ブレインを高く評価した。
「おお、マジか! だったら、連絡先を交換しよう。あ、吾輩が暇な時間は、ここと、この辺りだから、気軽にな!」
 その事に気を良くしたキング・ブレインが、携帯端末を取り出し、イオナと連絡先を交換し始めた。
「……と見せかけて、本棚バーン!」
 次の瞬間、キング・ブレインが背中のデカイ本棚を、力任せに放り投げた。
「やはり、罠でございましたか」
 すぐさま、ベイメリアが【絶望の福音】を発動させ、まるで10秒先の未来を見てきたかのように動きで、デカイ本棚を避けた。
「えっ? 嘘、嘘、嘘! なんで当たらない! むっちゃ、狙って投げたのに!」
 それを目の当たりにしたキング・ブレインが、ベイメリアを二度見した。
「それじゃ、始めましょうか」
 その間に、タリアルドが【HERITAGE(ヘリテイジ)】で自らの腕を、ふかふかの上質な羊毛(ウール)の塊に変異させ、自らの身を守りながら、一気に間合いを詰め、靴でキング・ブレインの顔を踏みつけ、ネクタイピンで串刺しにした。
「グギャァァァァァァァ! 痛い! 地味に痛いッ!」
 その一撃を喰らったキング・ブレインが、地面をゴロゴロと転がった。
「さあ、一気に畳みかけるわよ」
 それに合わせて、かすみが【グッドナイス・ブレイヴァー】を発動させ、戦闘力のない動画撮影ドローンを召喚した。
「ならば、こちらも……喰らえ、必殺……」
 すぐさま、キング・ブレインが格好よくポーズを決め、脳ビームを放とうとした。
「お願い! 何か落ち着きそうな音楽を流して!」
 その事に気づいたイオナが、空色小鳥のオルゴールに声を掛け、キング・ブレインのテンションを下げる音楽を流した。
 それはキング・ブレインの気持ちが落ち着き、御通夜の如くしんみりとするメロディ。
「吾輩、何だか故郷に残した家族が心配に……」
 その途端、キング・ブレインの脳裏に浮かんだのは、大家族。
 何となくキング・ブレインが適当にヅラを被って、誤魔化しているような奴もいるが、おそらく彼らの子供達。
「とりあえず、芋煮……食べる?」
 ルエリラが【芋煮フェスティバル(イモニフェスティバル)】を発動させ、キング・ブレインを芋煮で癒した。
「おお、この芋煮、美味いな。身も心も癒されて、このまま昇天しそうな……って、イカン、イカン。脳ビームを放たねば……」
 キング・ブレインがブンブンと頭を振り、再び脳ビームを放とうとした。
「ここからは僕のステージだよ! 勢い! ノリ! カッコよく決めろ、僕!」
 それを邪魔するようにして、イオナが【空を翔ける小鳥が歌うは夢の音色(チェレステカンツォーネ)】を発動させ、チェレステカリヨンの音色を降らせ、ノリと勢いと恰好良さが渦巻く戦場に変えた。
「こ、これはイイッ! 実にイイ! やっぱり、吾輩が見込んだ奴だけはある! 週末はウチでB・B・Qをしようじゃないか!」
 キング・ブレインがノリノリな様子で、親指をグッと立てた。
 既に、脳ビームを放つ事を忘れており、曲に合わせて踊っていた。
「悪いけど、それは無理だと思うけど……。だって、あなたは、ここで倒されたてしまうから……」
 すぐさま、シフォンが【アリスナイト・イマジネイション】で、無敵の戦闘鎧を想像から創造した。
「いやいやいや、未来に希望を持ってもいいだろう! だから吾輩は戦う! 全力で戦う! 週末にウチでB・B・Qをするために……!」
 キング・ブレインが侵略蔵書『スーパー怪人大全集』の48巻に載っていた怪人ガジル・ナイチチ・ムナイタンの力を使い、スーパーキング・ブレインに変身した。
 それはどこかで見た事のあるような姿であったが、キング・ブレイン要素が強過ぎて、残念な感じになっていた。
「そろそろ、頃合いか。さらば、バギー!」
 その間に、ユージィーンがバギーの助手席に爆弾を設置し、キング・ブレインに突っ込む寸前で飛び降りた。
 それと同時に、バギーが大爆発を起こし、キング・ブレインの身体が、一瞬にして炎に包まれた。
「うぎゃあああああああああ! 熱い! 熱い! これはシャレにならん! いや、もうちょっと加減をしてくれないと、吾輩も心の準備が……」
 キング・ブレインが涙目になりつつ、アフロのヅラを被りながら、真っ黒な煙をぷはーっと吐いた。
「いい加減、本性を現したら、どうなんですか? あなたの実力は、こんなモノではないはずです」
 そこに追い打ちを掛けるようにして、明が限界突破した【ファイナル・フレア】を仕掛け、全ての魔力を込めた一撃をキング・ブレインにぶっ放した。
「いや、結構、これでも頑張っているのだが……。ならば32巻に載っていたカラテ怪人タツジンセンセーの力を使うか」
 キング・ブレインがスーパー怪人大全集の力を使い、目にも止まらぬ速さで突きを繰り出した。
「……残念ですが、それでは私に当たりません!」
 即座に、明がキング・ブレインの突きを見切り、野生の勘と第六感を駆使して華麗に避けた。
「―特殊兵装の使用を解禁。ティガーⅠ、ティガーⅡ……火力支援を要請する」
 それに合わせて、ユージィーンが【咆哮凶虎(ティガーロア)】を発動させ、無敵のティガーⅠ(浮遊砲台)と、最強のティガーⅡ(列車砲)を想像から創造し、アサルトライフルと、ビームキャノンを構え、キング・ブレインめがけて、一斉に撃ち込んだ。
「ぎゃあああああああああああああああ!」
 次の瞬間、キング・ブレインが断末魔を響かせ、まるで特撮モノの如く爆発四散するのであった。

●【冥土隊・天】
「はあはあ、吾輩、死んだ。絶対に死んだ。マジで死んだかと思ったけど……。何とか生きてる? 生きているのか、吾輩?」
 キング・ブレインがハッと我に返って、自分の顔をペタペタと触った。
 あって良かった、命の残機。
 おそらく、これで最後、残機ゼロ。
 だが、ひとつしかない命を無駄にしないため、キング・ブレインは戦略的な撤退を選択した。
 それは、決して悪い事ではない。
 悪役ならば、よくある話。
 『今日の所は、貴様らの勝ちにしてやろう』と言って去れば、何となくお互いに傷つかなくて済むレベル。
 故に、今日は逃げの一手。
 例え、猟兵達に遭遇しても、絶対に戦わない!
 そんな強い意志を胸に秘め、力強い足取りで、真っ直ぐ前を見つめて歩き出した。
 しかし、運命とは、実に残酷。
「……あっ!」
 その視線に先に立っていたのは、キング・ブレインが最も会いたくない相手であった。
「……あれ? 何処かで見た事があるようなボスしゃんがいましゅね。えーっと、確か黄金バッ……」
 有馬・ナオ(フツーの仮面・f10768)が、キング・ブレインを指差した。
「わー、わー! それ以上は、マズイ! 言ったら駄目だ!」
 その途端、キング・ブレインが違う意味で危機感を覚え、慌てた様子でナオの口を塞ごうとした。
 既に著作権の波が津波の如く押し寄せ、ナオだけでなく、キング・ブレインまで巻き込む勢いであった。
「それじゃ、サイン下さい! でしゅ、でしゅ! 聖愛姉しゃんの分も、サインを書いて欲しいでしゅ!」
 その間も、ナオが興奮した様子で、キング・ブレインに迫っていった。
「分かった、分かった! 分かったから! だから、それ以上、余計な事は言わないでくれ。ふたり分とは言わず、みんなの分も書いてやるから! フハハハハハッ!」
 キング・ブレインも断る事が出来なくなり、手慣れた様子でササッとサインを書いた。
「何やら拍子抜けですね。まさかサインが貰えるとは……」
 葉川・聖愛(メイドマスク・f23289)が、信じられない様子でサインを受け取った。
「それじゃ、吾輩はこの辺で。あ、それと……今日の事はナイショだぞ!」
 キング・ブレインが人差し指をピンと立てた後、そそくさと逃げるようにして、その場を後にしようとした。
「一体、どこに行くつもりですか? 故郷のキマイラフューチャーを、進攻させる訳にはいきませぬ!」
 その行く手を阻むようにして、華上・ユーディ(は隠居生活中・f02310)が陣取った。
「……えっ? キマイラフューチャーが故郷なの? いやー……そう言われると、吾輩も困っちゃうんだよねー。だって、ほら……吾輩も今更やらないとか言う訳にもいかないし……」
 キング・ブレインが、しどろもどろになりながら、必死に言い訳を考えた。
 だが、頭の中は真っ白、何も言葉が浮かばない。
「本来ならば、高笑いを上げながら、悪を斃すはずのヒーローが、どうしてこんな事になってしまったのか分かりませんが、キマイラフューチャーに攻め込むというのであれば、容赦はしないですぅ」
 鏡神・りた(美獣・f27665)が、キングブレインの逃げ道を塞いだ。
「……あれ? これって、吾輩……絶体絶命の大ピンチでは……!?」
 キング・ブレインが脂汗を掻きながら、スーパー怪人大全集の21巻をペラペラとめくり始めた。
 こんな時は、どうすれば……。
 その答えが出ないまま、超絶ロボ怪人ギャングスターの力を得て、スーパーキング・ブレインに変身した。
 その影響でスーパーキング・ブレインの身体に、ハリネズミの如く無数の銃器が生えた。
 そして、スーパーキング・ブレインは、理解した。
 これを一斉にぶっ放して、すべてを『無かった事』にしてしまえばいい、と……。
「不意打ちとは、なんと卑怯な……」
 すぐさま、りたが拳銃で弾幕を作り、オーラ防御を展開した。
「でしゅが、正義は不変なのです!」
 それに合わせて、ナオがアルティメットボディを発動させ、全身を超防御型に変えた。
 そのため、銃弾の雨を浴びても、まったくの無傷。
「ば、馬鹿な! 吾輩の攻撃を喰らって、無傷……だと!?」
 スーパーキング・ブレインが信じられない様子で、唖然とした表情を浮かべた。
 この状況は、間違いなく、ヤバイ。
 その証拠に、背後で死亡フラグが、総立ちである。
「百邪を斬る為、此処に推参!」
 次の瞬間、りたが【白坤府(バイクンフー)】が無機物と合体し、スーパーキング・ブレインと組み合った。
「ぬわああああああああ! この流れって、まさか……みんなで寄ってたかってフルボッコにする流れか! いや、このシチュエーション、悪の大首領的に嫌いじゃないんだが……。もう少し、吾輩の見せ場を……見せ場をプリーズ!」
 スーパーキング・ブレインが涙目になりつつ、命乞いにも似た悲鳴を上げた。
 しかし、りたは容赦がなかった。
 仲間のため、未来のため、キマイラフューチャーのため……迷いを捨てた。
 まるでハルネズミの如く生えた銃器を掴み、引き千切って、放り投げて、スーパーキング・ブレインを文字通り、丸裸にした。
「……いやん!」
 キング・ブレインが、恥ずかしそうに胸元を隠した。
「皆様は私が護ります!」
 その隙をつくようにして、聖愛が【メイドの緊急処置術(メイドノキンキュウショチ)】で、睡眠で状態異常並び重傷を全回復する結界を放ち、傷ついた仲間達を眠らせた。
「……って、まだ戦闘の途中だろうが! 眠るんだったら、永遠に眠れ! 眠っちまえ!」
 それと同時に、キング・ブレインがチャンスとばかりに、格好よくポーズを決め、脳ビームをビビビッと放った。
「その程度のビームで、わたくしの結界術を破れると思ったら、大間違いですよ」
 即座に、聖愛が結界術を展開し、脳ビームを軽々と弾いた。
「ぬおっ……、馬鹿な! 馬鹿な! 馬鹿なァ! 認めん! 吾輩は認めん! これでは悪の大首領ではなく、単なるザコキャラ扱いではないかっ! そんなの悲し過ぎる!」
 キング・ブレインが駄々っ子の如くボロ泣きしながら、半ばヤケになりつつ、背中のデカい本棚を投げつけてきた。
「……この時を待っていました!」
 それと同時に、ユーディが覇気で固めた弓をつがいながら、衝撃波で爆風を発生させ、立ち昇った煙に紛れ、キングブレインが投げた本棚を回避した。
「な、なんだ、この展開! ちょっと待て! 何だか嫌な予感しかしないのだが……。まさか、アレか。死亡フラグ団体様御一行の到着か! あ、いや、駄目だ。せめて、吾輩の見せ場を……。悪の大首領っぽい格好いいシーンを……」
 キング・ブレインが動揺した様子で、頭の中に浮かんだ言葉を吐き出した。
 その間も、動悸、眩暈、息切れ、四十肩等に襲われ、パニック状態。
 三途のリバーで先に逝った猟書家達が手招きしていたが、キング・ブレイン的にはノーサンキューな状況だった。
「いえ、これで終わりです。せめて派手に散ってください」
 次の瞬間、ユーディが弓を限界まで引き絞り、力を溜めた状態で【彗星総射(スイセイソウシャ)】を仕掛け、全属性(炎・水・土・風・氷・雷・光・闇・毒・重力)の光の矢で、キング・ブレインの身体を貫いた。
「まだ秘密基地のローンが残っているのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
 その一撃を喰らったキング・ブレインが、ド派手に宙を舞い、爆発四散した。
 だが、それは花火と言うには、あまりにも汚く、ロマンのカケラもなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月16日


挿絵イラスト