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迷宮災厄戦㉕〜蒼氷の書架の王ブックドミネーター〜

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #ブックドミネーター

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●アリスラビリンス・絶対零度の凍結世界
「そろそろ、刻限か。……見ているな、『六番目の猟兵』達」
 すべてが凍りつくような吹雪が吹き荒れる世界。そんな中にそびえ立つ巨大な氷の城の玉座に座り虚空を仰いで彼方を見つめる王あり。
 その名はブックドミネーター。オウガ・オリジンの力を簒奪した侵略蔵書を猟書家達に与え、今回の戦争の引き金となった人物にして、書架の王である。
「いずれ、私の未来見の臣民(ハピタント)も取り戻しに行くが、今はその時ではない。私には他に、命を賭ける場所があるのだ」
 王たる自分の臣民すらも優先される事案。王自らが命を賭けて乗り込んできた理由。
 それこそが帝竜達が支配する群竜大陸があった世界「アックス&ウィザーズ」にある。
「群竜大陸での戦いぶりは、実に見事だった。だが、「アックス&ウィザーズ」にはまだ、知られざる大陸がある」
 群竜大陸の支配者、帝竜達の王ヴァルギリオスによって封印されしその大陸。
 今は誰も知ることのない、世界すら忘れ去ろうとしている世界の名をブック・ドミネーターは言葉にする。
「其の大陸の名は『天上界』。ヴァルギリオスに封印されし、美しき天の牢獄に、私の求める答がある。その為ならば、私自らが出ることも吝かではない」
 それ故に今回猟書家達に協力し侵略蔵書を提供して、オウガ・オリジンの力を奪った。さらに自身この世界に降り立ち、オウガ・オリジンの力を使って天上界解放の力を得ようと戦いに身を置く。
「私に『侵略蔵書』は無い。書を司る者である私は、全ての書の力を扱える。ゆめゆめ油断せぬ事だ。私は強く、オウガ・オリジンは更に強い。何を守り誰と戦うか、常に考え続けるが良い」
 猟書家達を全員倒し、書架の王たる自分を倒してもまだ解決とはならない。奪った力を手放せば、それはオウガ・オリジンの強化に繋がり、猟兵最大の敵となって降臨するのだから。
 故にブックドミネーターは思考を促す。答えを求め、考え続けろと。その上でメッセージをグリモアに向けて発する。

「戦場で会おう、六番目の猟兵達よ」

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「この見透かされている感じ、何度も嫌なものじゃのー」
 まるでこちらが見ているのも承知な喋り口にメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は顔を顰める。書架の王と呼ばれるのは伊達ではないと思い知らされるも、再び冷静さを取り戻して説明を続ける。
「今回は猟書家共に侵略蔵書を提供した書架の王ブックドミネーターが相手じゃのー。猟書家最強のサー・ジャバウォックですら認めておる実力者じゃ」
 絶対零度の世界にある自身の居城の玉座の間にて、猟兵達を待ち構えているブックドミネーター。氷からオブリビオンを作る能力に加え、先の国で苦労した時間を凍結する能力も兼ね備えているの注意して欲しいのこと。
 さらにブックドミネーターの感知能力は城全体に及ぶ。つまり、先手は必ず取られると思った方がいい。その上で対策を講じ、ブックドミネーターを倒す手段を実行しなければならない。
「考えるのも難しいが、実行するのは困難じゃけー、自分を信じて戦って欲しいのー」
 そう言ってメイスンは転移術式を発動させる。恐るべき時間凍結能力を持つ書架の王を打倒すべく、猟兵達は死力を尽くす。


ライラ.hack
 まだまだ侵略蔵書一杯持っていそうで、底が知れませんね。
 どうも皆様こんにちわ、ライラ.hackです。

 このたびはオウガ・オリジンの力を簒奪し、オウガ・フォーミュラとなって他世界に侵攻しようとしている猟書家に侵略蔵書を渡した書架の王、ブックドミネーターとの決戦です。
 難易度は普通より高めなのでご注意ください。

 彼がいる国はアックス&ウィザーズを狙う書架の王が君臨する、絶対零度の凍結世界です。氷からオブリビオンを作る能力と、時間凍結能力で戦います。
 なお敵は必ず先制攻撃をしてきますので、その点を注意して行動をお願いします。先手を取るのは不可能です。

 以下、特殊ルールとなります。
 プレイングボーナス…… 敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。

 以上です。オウガ・オリジンの力も戻ってきている状況は気になりますが、まずは目の前の敵を着実に倒していきましょう。猟兵の力で阻止しましょう。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『猟書家『ブックドミネーター』』

POW   :    「……あれは使わない。素手でお相手しよう」
全身を【時間凍結氷結晶】で覆い、自身の【所有する知識】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    蒼氷復活
いま戦っている対象に有効な【オブリビオン】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    時間凍結
【自分以外には聞き取れない「零時間詠唱」】を聞いて共感した対象全てを治療する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

火土金水・明
「相手は『猟書家』の一人、別名『書架の王』ですか。こちらも全力を出して戦いましょう。」
相手の先制攻撃に対しては、【見切り】【野生の勘】【第六感】の技能を駆使して回避を試みます。
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【フレイムランス】で、『猟書家『ブックドミネーター』』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】【氷結耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


死之宮・謡
アドリブ歓迎

お前は何を知る?何を求め、何のために生きる?
何処から来て何処へ征く?
…答える必要はない。私は私であり、お前がお前である限り
殺し合い以外に選択肢などあるか?
其れが総てだ。さぁ、始めようか

・WIZ
つまり、回復されることを前提に動け、と…中々面倒な話だが…
悍ましき「呪詛」を束ねてレ・フィドラに纏わせて「怪力」で振るう
黒雷と黒焔(呪詛・属性攻撃・全力魔法・占星術・2回攻撃)を弾幕の様に浴びせ続け只管殺し合う、奴に回復されようと攻撃し続ける

斬り続ければ何時かは死ぬ
私が死ぬより先に奴が死ねばそれで良い。
奴が死により先に私が死ねば(致命傷を浴びれば)【因果応報】で返して殺す


大町・詩乃
恐るべき存在ですが、人々と世界の為にも此処で倒します!

・先制UC対策
メイスンさんの話と第六感で時間凍結の内容を予め想定しておき、実際の治療現象を見て理解。
その上でUC:初発之回帰で治療現象を発生前に戻して無効化。
「時間の流れを操作できても、遡及させる事はできないのですね。」と喝破。

・通常戦闘
結界術で自分の周囲に防御結界展開した上で、相手の攻撃を見切りつつ、オーラ防御を纏わせた天耀鏡の盾受けでガードします。

念動力で相手の動きを一瞬抑え、カウンターで煌月による神罰・風の属性攻撃・なぎ払い・鎧無視攻撃で氷結晶ごと斬り裂きます!

遠距離攻撃時は光の属性攻撃・全力魔法・神罰・高速詠唱・貫通攻撃で貫きます!



 時間凍結城という思考がそのままでその他の時間が遅くなるという国を創り上げた者。時間を凍結すると呼ばれる力を持ち、猟書家に侵略蔵書を渡した書架の王
 ブックドミネーターと呼ばれるその少年の力は決して見た目通りに侮れるものではない。恐らく何者にも勝る力を持っていることは間違いないのだから。
 それでも書架の王は絶対に猟兵を侮らない。かの力を知り、かの者達が成し遂げた偉業を考えれば、それは当然と言える行動だった。
「お前は何を知る? 何を求め、何のために生きる? 何処から来て何処へ征く?」
 手に持った時計で刻限を確認する書架の王に死之宮・謡(狂魔王・f13193)は問いかける。その敵意に塗れた表情を浮かべる謡に対して、ブックドミネーターは興味もかけらもなく答える。
「それに答える必要があるのか、猟兵よ」
「…答える必要はない。私は私であり、お前がお前である限り、殺し合い以外に選択肢などあるか? 其れが総てだ」
 元より、謡にとってブックドミネーターを見逃すという手はない。すでにアックス&ウィザーズへ渡ろうとする気があるのは明白。放っておけば災いになるは分かり切ったことである。
 オウガ・フォーミュラとなり世界に災厄を齎そうとするブックドミネーターと世界の敵を狩る謡。なればこそ、出会えば殺し合う選択肢以外に答えなどない。
「相手は『猟書家』、いえ『書架の王』ですか。こちらも全力を出して戦いましょう」
「恐るべき存在ですが、人々と世界の為にも此処で倒します!」
 そして謡に続くように火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)や大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)がブックドミネーターを包囲していく。その二つの瞳が見据える敵に対して、決して視線を外すことはない。
 その態度からもブックドミネーターに対する侮りは一切感じられない。そのことにブックドミネーターは猟兵に対する再評価を行う。
「なるほど、だから私も全力を尽くさねばならないか。■■■―――」
 そしてブックドミネーターのみが聞こえる言葉を呟く。それこそ自分以外には聞き取れない「零時間詠唱」。その瞬間にブックドミネーターの時間は凍結する。
 この状態を確保するという、恐るべき瞬間回復を可能とする時間凍結の利用の一種。それを施した後に、浮遊する書物から攻撃しようする書架の王。
「その程度ならば回避することは造作でもありません」
 そう言って高速に動き始める明。残像すら発生させる川の流れのような動きで、書物から発生する魔法の弾丸や氷の塊を回避していく。
 実際は自身の勘を元に行動を先読みしての回避なのだが、明の動きは咄嗟に避けているような感じに見える。そして動いたまま魔力を練り、詠唱を始める明。
「我、炎により敵を焼き尽くす」
 魔法「フレイムランス」。数百本に及ぶ魔法の炎槍がブックドミネーターに降り注ぐ。その炎は周囲の書物を焼き尽くし、ブックドミネーターに突き刺さる。
 魔法の炎が確かにブックドミネーターの身体で燃え盛るが、ブックドミネーターの身体が焼かれることはない。まるで時が凍り付いたかのようにその身体の状態は不変になっているのだ。
「何かしたか、猟兵」
「……少しでもダメージを与えられればよかったのですが」
 予想以上の回復能力にさすがの明もあきれ果てる。これが書架の王の時間凍結能力かと舌を巻くが、その攻撃は無駄ではなかった。
 周囲の書物を焼き尽くしたことにより、書架の王の懐はがら空きになり、謡が突撃する格好の機会を作り上げていた。そして謡もまた、ブックドミネーターの時間凍結の能力を目の当たりにしている。
「つまり、回復されることを前提に動け、と…中々面倒な話だが…」
 ここまでの回復能力ならば生半可な攻撃では無駄だろう。だから謡も覚悟を決めて、呪殺神槍レ・フィドラを握りしめる。そしてそこに溢れんばかりの呪詛を纏わせる。
「さぁ、始めようか」
 その身に宿る怪力をもってブックドミネーターの身体にレ・フィドラを叩きつける謡。身体を斬り裂く感触があるにもかかわらず、ブックドミネーターの身体には何も変化はない。
 だがそれでも謡は止まらない。黒雷と黒焔の魔法を放ち、レ・フィドラを振るいながら弾幕の様に攻撃を浴びせ続ける。只管に殺し続ける、そう回復しようとも攻撃を続けるのだ。
「無駄だ。私の時間凍結を突破できはしない」
「無駄? 斬り続ければ何時かは死ぬ。私が死ぬより先に奴が死ねばそれで良い」
 謡は殺気を迸らせ、槍を浴びせ続ける。黒雷も黒焔も常に放ち続ける中で、ブックドミネーターもただではやられない。氷を拳に纏わせてその弾幕ような攻撃の合間を縫って謡に攻撃を仕掛ける。
 お互いの命を削るような攻防。だが傷を負わないブックドミネーターに対して、負傷が積み重なっておく謡。そして氷の手刀が謡の身体に突き刺さる。
「ガハッ!」
 身体を貫かれて数歩下がってから倒れ込む謡。あれだけの攻撃を叩き込んだにも関わらずブックドミネーターの身体は無傷であった。時間凍結が能力だとしてもどれほどの回復能力なのか。
 とどめを刺そうとブックドミネーターの追撃が放たれようとするが、それは阻害される。詩乃の防御結界がその攻撃を阻んだからだ。
「メイスンさんのお話から予想していましたが、高速治癒の類でしたか」
 防御結界を突き破ってくるブックドミネーターの拳をヒヒイロカネ製の神鏡「天耀鏡」で受け止める詩乃。そして明と謡の戦いぶりを見てブックドミネーターの時間凍結能力について確信を得る。
 そして時間凍結を破る方法も考えついていた。能力「初発之回帰(ハジメノカイキ)」。詩乃の神としての力を顕現させることで、能力発動前の時間遡及する能力である。
「これは……」
「時間の流れを操作できても、遡及させる事はできないのですね」
 ブックドミネーターはすぐに違和感を感じる。まるで氷が割れたかのような感覚が襲い、時間凍結が効力を発揮しなくなったと知覚できたからだ。
 その様子を見て、詩乃は神力が籠るオリハルコンの刃を嵌めた薙刀「煌月」を手に持ち、風の魔力で加速させながら高速の一撃をその身体に撃ち込む。すぐに自身の氷結晶で防御態勢を取ろうとするブックドミネーターであるが、詩乃は神力で相手の動きを一瞬抑え込み、その防御の合間に斬り込む。
「くっ……!」
 今まで傷一つなかったブックドミネーターの身体に傷が刻まれる。その事実を確認した時、謡は己が能力「因果応報(ネメシス・ドライブ)」を放つ。これこそ、自身が負っている全ての傷を移し変える復讐の能力。
「自業自得だ、喰らえ!」
 今まで死力を尽くした上で攻撃を喰らったのもこの為。それでも時間凍結で効かない場合も考え機会をうかがっていたが、詩乃の能力で時間凍結が無効されたことで発動するチャンスを得た。
 謡が喰らった傷がブックドミネーターに再現される。その傷はさすがの彼でも堪えたらしく、血を吐いて後ろに下がる。だが更なる追撃と言わんばかりに明のフレイムランスが空中から飛翔する。
「畳みかけるなら今ですからね」
「……まだ甘く見ていたようだ。まさか時間凍結が破られているとは」
 ブックドミネーターは飛来する炎槍を辛うじて凌ぎながらも、謡や詩乃を攻撃することなくさらに奥へと撤退していく。ここは態勢を立て直した方がいいという判断からだろう。

 その冷静な判断に呆れつつも明はいいと思っていた。謡は傷を移し替えたとはいえ、すべてではない。さらに詩乃も神力を使い果たしている状態。
 なればこそ次の猟兵に追撃を任せるのも一つの手段だ。その冷静沈着な判断力は正しく、また着実にブックドミネーターを追い詰める結果へとつながっていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シズホ・トヒソズマ
書架の王、強敵でしょうが最強ならばここで討たせて貰います!

何を出すかわからないなら、オブリビオンなら特攻となる力を持ち出すまで!
オブリビオンが出たら、シュヴァルツヴィアイスの予測演算◆見切りで回避
過去戦ってるならその動作データを流用
ヴィアイスの疑似三呪剣の過去喰らいの◆呪詛を
イズンの力で増幅し過去特攻を付与し予測演算で動きを読んで、三呪剣でオブリビオンを攻撃します
どんな過去でも過去喰らいの呪いは共通特攻です!

UCでガイオウガの力を使用
火山弾を大量発射し敵ごと周囲を◆焼却し、氷での追加召喚を封じます
本体へはヴィアイスの三呪剣、そして炎により強化された私の王劾、◆マグマ属性剣で連続攻撃を仕掛けます


ウィリアム・バークリー
あなたがこの戦争の元凶の一人、“書架の王”ブックドミネイターですね。
世界に仇為すオブリビオンは、この手で確実に討滅します。覚悟。

環境には「氷結耐性」とサバイバルマントで適応。
生み出されるオブリビオンがはっきりした行動に移る前に、「全力魔法」氷の「属性攻撃」「範囲攻撃」「衝撃波」で氷結粉砕してみせます。

雑魚はいいんですよ。あなたをこそ討滅しなければならない。
Active Ice Wall展開。更に湧くオブリビオンを「盾受け」して阻みつつ、氷塊の幾つかを「念動力」で操って、氷の砲弾としてブックドミネイターへ「貫通攻撃」。タイミングをずらしたりフェイントをかけたり、とにかく一撃叩き込むのが目標です。


シャルロット・シフファート
今闘っている対象に有効なオブリビオンを召喚するなら、此方はそのオブリビオンに有効な兵器を作り出して見せるわ!!

と、私の推論に加えてあくまで召喚するのが「オブリビオン」である以上、「オブリビオンを否定するルール」に対しては特攻が聞くはず。
そこで『オブリビオンを否定する力場で出来た念動砲弾』を放射する兵器を作り上げて召喚されたオブリビオンを斃すわ。

そしてブックドミネーターの番ね。
「能力は「時間」を「凍結」させること。ならば先程の念動砲弾を改造して時属性に炎属性を合成した属性魔道砲を作り上げるわ!」
と、砲塔を構えてブックドミネーターに砲弾を叩き込むわ。


フェルト・ユメノアール
キミを倒せないようじゃオウガ・オリジンに勝つなんて夢のまた夢だね
みんなの笑顔を守る為にも、ボクはキミを超えてみせる!

持久戦は不利、召喚されたオブリビオンは無視してブックドミネーターを討つよ!
とは言え、まずは何とかしてブックドミネーターに近づかないとね
『トリックスターを投擲』して召喚されたオブリビオンを牽制
身軽な動きで攻撃を避けつつ相手をドミネーターから引き離して……
今だ!ボクは手札からスペルカード、【機雷バルーン】を発動!

バルーンの爆発で相手を怯ませた隙に脇をすり抜け一気にドミネーターの元へ
『ハートロッド』を投擲、白鳩姿に戻してドミネーターに纏わりつかせる事で動きを妨害、そこに一撃を加えるよ!



 ブックドミネーターの時間凍結能力は基本的には無敵の能力である。時間を止めるかのような治癒能力はいかに致命傷を喰らおうとも時を戻すように治癒していく。
 己一人に抑え込むことによって効率もよく、早々に破られることはないと思っていたが猟兵達はそれをやってのけた。そのことに書架の王もさすがに驚きを隠すことができない。
 ならばこそ傷を負い、精神的動揺が生まれたこの時を立て直さなければならない。城の奥へと撤退していくブックドミネーターではあるが、それを逃す猟兵達ではない。
「書架の王、強敵でしょうが最強ならばここで討たせて貰います!」
「あなたがこの戦争の元凶の一人、“書架の王”ブックドミネイターですね」
 おそらくオウガ・オリジンに次ぐ最強の存在。その書架の王に対して、シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)とウィリアム・バークリー(“聖願(ホーリーウィッシュ)”/氷聖・f01788)は気炎を吐く。
 シズホは騎士人形「シュヴァルツヴィアイス」・竜人人形「イズン」を傍に置き、すでに戦闘態勢を整えている。そしてウィリアムもまたルーンソード『スプラッシュ』を抜き、切っ先をブックドミネーターの方に向ける。
「世界に仇為すオブリビオンは、この手で確実に討滅します。覚悟」
 そのウィリアムの言葉には世界を守るという重みがあった。それを感じ取ったブックドミネーターもまた、その重みに負けない「書架の王」たる威厳を持って返礼とする。
「やれるものならやってみるがいい。だが我が蒼氷、容易くはないぞ」
 そうしてブックドミネーターの蒼い氷によってオブリビオンが再現されていく。その氷は居城の氷をも飲み込んでいき、巨大なる竜が出現する。
 その姿を猟兵達は知っている。嫌というほど見た、9本の首のドラゴン。再現されたのはまさしく、「帝竜ヴァルギリオス」であった。そしてその氷の帝竜はその攻撃方法を再現するように、9属性のブレスを放つ。
「まさか帝竜まで再現するとは、ね!」
 ウィリアムはサバイバルマントを翻して、氷のブレスを防ぎ9属性のブレスが犇めく環境をひた走る。本来ははっきりとした行動に出る前にやりたがかったがヴァルギリオスの蒼氷の動きが思ったより早い。
 だがそれでもやることは変わらない。練り上げた魔力を元に氷塊の衝撃波を放ち、ヴァルギリオスの蒼氷頭にぶつける。一つなら砕くことはできなかっただろうが、数十にも渡る氷塊の集中雨、一つの頭を砕くのには十分だ。
「帝竜復活だろうと、オブリビオンなら特攻となる力を持ち出すまで!」
 さすがにオブリビオン・フォーミュラの蒼氷を生み出すとは思わなかったシズホだが、それでもやることは変わらない。シュヴァルツヴィアイスの予測演算能力でブレスの軌道を見切り、その人形の動きと同調しながら動く。
 そして過去の帝竜戦役のデータを元に動きの動作データを流用してブレスの嵐をすり抜けていく。シュヴァルツヴィアイスには疑似三呪剣の過去喰らいの呪詛を籠めて貰い、イズンにはその力を増幅して過去特攻を構築していく。
「ヴィアイス、イズン! やっておしまいなさい!」
 練り上げたシュヴァルツヴィアイスの三呪剣はヴァルギリオスの蒼氷の一つの頭に突き刺さる。いくら再現体であろうともオブリビオンである以上は過去の存在。
 過去喰らいの呪詛はそれを蝕み、特別な効果を促す。貫かれた頭は溶けるように水へと帰っていく。シズホの攻撃は有効であると証明した瞬間であった。

「キミを倒せないようじゃオウガ・オリジンに勝つなんて夢のまた夢だね。みんなの笑顔を守る為にも、ボクはキミを超えてみせる!」
 そして帝竜ヴァルギリオスの蒼氷に立ち向かうのは、フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)。ピエロがサーカスに挑むように軽やかに、しかして勇者のような決意を秘めながら巨大なる氷竜に立ち向かう。
 しかしウィリアムやシズホが頭を潰しても、ブックドミネーターが力を籠めれば再び回復するのを見て、持久戦になれば不利になると感じ取ったフェルト。ならば狙うのは帝竜の蒼氷ではなく、ブックドミネーター本体を狙うしかない。
(とは言え、まずは何とかしてブックドミネーターに近づかないとね)
 そうするにはまずはヴァルギリオスの蒼氷とブックドミネーターの意識をこちらに向ける必要がある。挨拶代わりにブックドミネーターに向けて投げナイフ「トリックスター」を投擲するフェルト。
 それはもちろんヴァルギリオスのブレスに阻まれるのだが、それでも両者の意識はこちらに向いた。ならば後は派手に踊るのみ。
「行くよ、ブックドミネーター。君を倒す!」
「この帝竜の蒼氷を突破すると? 面白い」
 突撃してくるフェルトに容赦ないブレスが襲い掛かる。それを紙一重で身軽な動きで攻撃を避けていく。もちろん一人では無理だが、ウィリアムやシズホがある程度は受け持ってくれるのでどうにかできた。そして意識をこちらに向けた瞬間こそ、フェルトの攻撃のチャンスであった。
「今だ! ボクは手札からスペルカード、機雷バルーンを発動!」
 そして手札を切ったのはフェルト。能力「<スペルカード>機雷バルーン(キライバルーン)」を発動する。攻撃に反応して爆発する機雷バルーントークンを、ヴァルギリオスの蒼氷の周囲に配置。
 ブレスを喰らうと同時に連鎖爆発する形で一気に弾け飛ぶ。この爆裂で蒼氷の足が欠け、バランスが崩れる。その脇をすり抜け一気にブックドミネーターの元へ駆け抜けるフェルト。
「ブックドミネーター!」
 相手を呼ぶと共にステッキ「ハートロッド」を投擲するフェルト。それを拳で叩き落とそうとするが、それに接触する前にフェルトはハートロッドを鳩へと戻す。
 それによりブックドミネーターの視界を塞ぎ、動きに惑いを見せたところをフェルトのトリックスターの刺突が身体を貫く。
「ぐっ……!」
 すぐに拳で叩き落そうとするが、道化師ならではの軽業でひらりっと躱し、一回転しながら距離を取るフェルト。まさしくヒットアンドアウェイの手本となる一撃であった。

「今闘っている対象に有効なオブリビオンを召喚するなら、此方はそのオブリビオンに有効な兵器を作り出して見せるわ!!」
 そしてフェルトがブックドミネーターの意識を向けている間にシャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)が帝竜ヴァルギリオスの蒼氷の討伐に乗り出す。彼女は隙をつくとか言った細かい戦い方はできない。電脳精霊術を用いた豪快な戦い方こそ本領。
 故に今まで戦いを見守りながら電脳精霊術の構築を行っていたが、シズホの過去特攻の攻撃を見て、自身の推論が確信に至る。あくまで召喚するのが「オブリビオン」である以上、「オブリビオンを否定するルール」に対しては特攻が効く。
「暴虐の終焉は告死と鏖殺を宣する人の造りし神滅の剣にして弾丸。それは神界を砕く夕闇に染まる聖光に満ちている……」
 その推論を元にシャルロットは能力「神戮人器・銀悠を奏するは臨界の聖剣にして魔弾なり(コレダー・イグナイター)」を発動させ、電脳精霊兵器を構築する。それは大砲であり、『オブリビオンを否定する力場で出来た念動砲弾』を放射するといったものだ。
「これで一気に斃すわ。ファイアーー!」
 シャルロットの号令と共に、電脳精霊砲は火を噴く。その砲弾が当たると特殊な力場がヴァルギリオスの蒼氷と共鳴し、氷の身体が脆く崩れ去っていく。効力があるとわかったシャルロットは連射してヴァルギリオスの蒼氷を撃滅しようとする。
 それを阻止しようと9属性のブレスをシャルロットに浴びせようとするが、氷塊の群れが盾となってブレスを反らす。それはウィリアムの魔法「Active Ice Wall(アクティブ・アイスウォール)」による念動力で操る魔法の氷盾であった。
「邪魔はさせませんよ」
 まるで鏡のようにブレスを反射したり反らしたりするウィリアムの氷盾の前に、シャルロットへの攻撃を当てることができないヴァルギリオスの蒼氷。見る見るうちに身体を砕かれ縮小していく。
「ここまでなったら私の出番ですね。ガイオウガ!」
 そしてトドメに動いたのはシズホだ。能力「幻影装身(アームドオブリビオン・ミラージュ)」によって帝竜ガイオウガの力を宿し、火山弾を大量発射しヴァルギリオスの蒼氷を焼却していく。
 さらに溶岩のような高温の炎は氷の復活を阻み、ヴァルギリオスの再構築を阻む。そして道が開けたところでシズホは炎獣牙剣『王劾』をもってブックドミネーターへと突撃する。
「さあ、ブックドミネーター覚悟!」
 マグマの刀身がその身を斬り裂こうとするのを氷翼で受け止めるブックドミネーター。返す拳で迎撃しようとするも、シュヴァルツヴィアイスが放った三呪剣が腕に突き刺さり、過去を侵食する激痛が走る。
「ぼく達も」
「忘れてもらっては困るわ!」
 遠距離からはウィリアムの念動力によって加速した氷の砲弾と、先の念動砲弾を改造して時属性に炎属性を合成した属性魔道砲を発射するシャルロットの追撃が襲い掛かる。
 ウィリアムの氷の砲弾は氷翼を貫通して身体に突き刺さり、シャルロットの砲弾は時間凍結の能力を付与したはずの氷翼を砕く。二人の能力もあったが、フェルトの攻撃により集中力が落ち、シズホの攻撃が効いて思うように防御に回ることができない。

「ここまで、後手に回るとはね」
 そう呟くとブックドミネーターは余力を使い、周囲の氷をドラゴンの蒼氷へと変えていく。数十、いや数百の氷のドラゴンが出現し、4人の足止めに使う気だ。
 これは猟兵を殲滅する際に使う術であったがもはや四の五の言ってはいられない。傷を癒す為になりふり構わない書架の王。だが4人を引き離したとしても、もはやその命は崖っぷちに追い詰められていることには変わりはないのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

シーザー・ゴールドマン
やあ、書架の王君、天上界の情報感謝するよ。
この戦いが終わったら赴いてみよう。楽しみが増えたというものさ。

先制対策POW
凍結した時間を溶かす炎のオド(属性攻撃:炎×オーラ防御)を纏い戦場へ。増大化した戦闘能力と超高速の飛翔能力から繰り出される攻撃は第六感で先読みして見切り、その攻撃の瞬間にカウンターを合わせることで対応。

現状の速度は君が上だが……来ると分かっていれば対応できるものさ。

『ウルクの黎明』を発動。極限まで増大化させた戦闘力から、絶対零度の世界を溶かす勢いで灼熱の波動を放ちます。
(属性攻撃:炎×衝撃波×なぎ払い×範囲攻撃×全力魔法)

アドリブ歓迎です。


黒玻璃・ミコ
※美少女形態

◆行動
辿り着きましたよ、ブックドミネーター
訳知り顔が気に入りません、一発殴らせなさい!

全身を覆って居るのに自身は格闘戦を挑めると言うことは
任意に選択しているのでしょう
ならば積み重ねた戦闘経験と五感を研ぎ澄まし念動力を以て私も空を飛び
重要な臓器はその位置をずらした上で即死だけは避けましょう
人の身に擬態するのは慣れたもの、敢えて攻撃を誘導してでも、です

第一波を凌いだならば反撃開始です
すれ違いざまに【黄衣の王命】による神風を放ち王命を告げます

此度は『汝、留まるなかれ』

私は脳内麻薬を過剰分泌させて心身共に準備万端
時と生命は流れるもの、貴方の好きにはさせません

※他猟兵との連携、アドリブ歓迎


卜二一・クロノ
 神のパーラーメイド×精霊術士、22歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、敵には「神(我、汝、~である、だ、~であろう、~であるか?)」です。

時間の流れを停滞させたり逆転させたりといった技を使う相手には容赦しません。
光陰の矢は、先制攻撃対応のユーベルコードです。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


マリエラ・レイクベア
少年さん!貴方が私達の世界に着たらまた騒乱が起きる訳ですよね!

バックラーで盾受け、とりまわしやすいナイフを使って攻撃しますが、
あ、当たらない…えええい!
シールドバッシュ。盾で受け止めた所を怪力で強引に弾き飛ばし、
早業、全力魔法『幻影武器』ウィザードロッド:初期技能・属性攻撃

貴方が来たら武功を稼ぐチャンスかもしれませんが、
見過ごすのはいろんな意味で「終わる」ので全力で戦わせて貰います!

至近距離から火球を発射!爆発!
凍って時間が止まっているのなら、燃やし溶かして動かせてやりましょう!
でりゃぁぁああああああ!
即座に持ち替えた幻鎚メイスで鎧無視攻撃。氷結晶ごと砕いてやる!



 生み出した蒼氷のドラゴン達はうまく猟兵達の足止めを果たしてくれている。そのことに安堵し、壁に身体を預ける書架の王ブックドミネーター。
 その姿は一目見れば、国が陥落して落ち延びる王の姿といったところか。それほどまでに時間凍結と氷からオブリビオンを再現する王を、猟兵達が追い詰めている結果でもあるのだ。
 そんな中でもブックドミネーターは手元にある時計を見る。刻限はまだ遠い、だがそれでも勝利まで戦い抜くという決意を胸に、前を向く。蒼氷も足止めに使い果たしたので、頼れるのは己の身体能力のみだ。
「時を乱す存在を、私は赦さない」
 ブックドミネーターに回復の暇など与えない。そう言わんばかりに卜二一・クロノ(時の守り手・f27842)はブックドミネーターの前に立つ。時間凍結という能力を持つ彼はトニーにとって大いなる敵だ。
 時空の守護神の1人としての矜持が彼女を突き動かしている。そんな彼女の隣にいるのは、冒険者マリエラ・レイクベア(駆けだしマリー・f26774)である。
「少年さん! 貴方が私達の世界に着たらまた騒乱が起きる訳ですよね!」
「アックス&ウィザーズの人間か。ならば私の前に立ち塞がるのは必然か」
 そう納得するように書架の王は頷く。帝竜戦役に参加し損ねた彼女にとって、武功を稼ぐチャンスでもある。だがその強大な存在を肌で感じ取り、マリエラも二の足を踏む。
 しかし隣のトニーは神であることに加え、己の使命感によって威圧を放っている。ならば負けじと自分も動く番である。
「貴方が来たら武功を稼ぐチャンスかもしれませんが、見過ごすのはいろんな意味で『終わる』ので全力で戦わせて貰います!」
 手に持ったバックラーを構え、とりまわしやすいナイフを持ってブックドミネーターに立ち向かうマリエラ。トニーも軽機関銃を構えて、マリエラを援護する様相である。
「……あれは使わない。素手でお相手しよう」
 この窮地であっても奥の手は最後まで見せないつもりのブックドミネーター。だが身体が時間凍結氷結晶に覆われ、その書架の王としての知識が恐るべき戦闘能力を引き出す。
 それはマリエラのナイフも、トニーの軽機関銃も躱しつくすほどのスピードで動き、地面を砕く攻撃を繰り出してくる。
「あ、当たらない…えええい!」
 バックラーで受け止めるものの、あまりの衝撃に盾が弾き飛ばされそうになる。それでも地力と勇気を振り絞り、渾身のシールドバッシュでブックドミネーターの拳を弾く。
 弾き飛ばして受け流したところで、マリエラは能力「幻影武器(ミラージュ・ウェポン)」を発動し、幻影のウィザードロッドを召喚する。
「火球よ、消し飛ばせ!」
 マリエラに魔法の心得はほとんどない。だが幻影武器で呼び出されたものは、その技能を達人レベルまで高めることができる。そしてウィザードロッドの火球攻撃で、至近距離で爆裂させる。
 時間凍結氷結晶といえども、高威力の炎魔法をもってすれば、燃やし溶かすのは訳はない。そしてその隙を狙って、トニーが能力「神罰・光陰の矢(パニッシュメント)」を発動する。
「時間の流れを停滞させたり逆転させたりといった技を使う相手には容赦しません!」
 時間凍結氷結晶をも貫く神罰の矢がブックドミネーターの足を貫き、地面に貫通する。それを抜こうとしてあがくが、光陰の矢は時間が停止したかのように抜けることはなかった。
「まさかこれは私と同じ性質の……」
「でりゃぁぁああああああ!」
 高速機動が封じられたブックドミネーターに、ウィザードロッドから槌メイスへと変化した幻影武器で全力で振りぬくマリエラ。増幅した鎧をも無視する重量攻撃は結晶を砕き、ブックドミネーターを吹き飛ばす。
 光陰の矢は動くことはなかったが、ブックドミネーターの足を斬り裂き抜けて、その身体は城外まで吹き飛ぶ。城から落下する形でバルコニーまで墜落したブックドミネーターは衝撃と痛みで苦悶の表情を浮かべる。

「やあ、書架の王君、天上界の情報感謝するよ。この戦いが終わったら赴いてみよう。楽しみが増えたというものさ」
 そして瀕死のブックドミネーターにトドメを刺すべく現れたのは赤き伯爵シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)。美貌の偉丈夫は貴重な情報をもらってご満悦のようだった。
 だがそれでも目の前の書架の王を侮るつもりは全くない。敬意をもって全力で相手をするという気迫がシーザーに漲っている。
「辿り着きましたよ、ブックドミネーター。訳知り顔が気に入りません、一発殴らせなさい!」
 そして漲っているというのであれば黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)も同じであった。ブラックタールであるが、今は美少女形態を取っている彼女の表情は非常に険しいものになっている。
 一発その顔面に叩き込む満々であるミコだが、すでに時間凍結氷結晶に覆われ接近戦を選択してくるブックドミネーターに対しては冷静な判断を下す。相手は絶対防御の結晶があるにも関わらず、接近戦を挑むということは任意に選択している、と。
「臆することはない。それとも私に任せるかい?」
「冗談でしょう? そちらこそ遅れないように」
 ブックドミネーターが高速移動を始めると同時に、ミコは空中に飛翔する。シーザーはオドで炎のようなオーラを纏い、氷結晶の時間を溶かす熱量を放つ。
 そして始まる拳の応酬。氷と炎の激突は衝撃波を生み出し、水を蒸発させる熱とすべてを凍らせる冷気がせめぎ合う。
「……なぜ対応できる?」
「現状の速度は君が上だが……来ると分かっていれば対応できるものさ」
 超高速と化したブックドミネーターの攻撃はシーザーを圧倒的を上回る。咄嗟に防御しようとしても、それより先にブックドミネーターの攻撃が当たるはずである。
 だがシーザーはその速度を見越して先読みし、見切った上で攻撃を乗せることでカウンター気味の攻撃を当てることでその爆発的な速度に対抗している。
「こちらも忘れて貰っては困りますよ!」
 シーザーの攻防を繰り返している隙をついて、ミコも攻撃を繰り出そうとする。だがそれに機先を制するかのような氷の打撃がミコに炸裂する。
 その攻撃を喰らいながらもミコは今まで積み重ねた戦闘経験と感覚を駆使して致命傷だけは避けていた。さらにブラックタールが故の重要な臓器を移動させることで、即死を避ける行動をとることもできた。
「人の身に擬態するのは慣れたもの、敢えて攻撃を誘導してでも、です!」
 そして致命的な攻撃を避けつつ、その顔面に拳を叩き込む。時間凍結氷結晶に覆われているが故にダメージはないが、それでも致命的箇所での攻撃に怯まず攻撃してきたミコに驚きを隠せないブックドミネーター。
 その隙をついてミコは能力「黄衣の王命(ハスター・オーダー)」を発動、振りぬいた拳の後に神風が吹き抜け、王命が告げられる。
「いあいあはすたあ…………あいあいはすたあ! 汝、留まるなかれ!」
 黄衣の王が定めしルール。それを破りし者には相応の罰が下される。時間凍結という時間を「留めている」ブックドミネーターはその罰として、氷結晶の内部から負傷した傷がさらに開くことになる。
「崩れたね。さあ、楽しませて貰おうか」
 「ウルクの黎明(デウス・ポテスタース)」発動により、輝く真紅のオーラを纏ったシーザーの拳がブックドミネーターの氷結晶に突き刺さる。強大な魔力により極限まで戦闘能力・身体能力を増大させ、その魔力から生み出されるオドは絶対零度の世界を溶かす勢いで灼熱の波動を呼び起こす。
 圧倒的なる熱風と炎のごとき拳についに時間凍結氷結晶は破られ、シーザーの拳がブックドミネーターの身体を射抜く。そして吹き飛ばされるその身体に狙いを定めたミコ。
「時と生命は流れるもの、貴方の好きにはさせません」
 脳内麻薬を過剰分泌させて心身共に準備万端に整えたミコ。狙うはシーザーが穿った氷結晶の穴。そこはまさしくブックドミネーターの心臓がある位置。
 腕をブラックタールの身体に変化させ、ドリルのような回転形状を取ってその箇所を貫く。氷結晶も削り、ブックドミネーターの強靭な身体も抉り、そのまま心臓を破壊する。
「ゴッ……! ハッ……私が、ここで……」
 心臓を回転する腕でぐちゃぐちゃにされたブックドミネーターは時間凍結氷結晶を維持できなくなり、その場に崩れ落ちる。そして血を盛大に吐き、その結晶と共に消滅を迎える。

「やったやった! 戦功だーーー!」
「マリエラさん、はしゃぎすです」
 その様子をブックドミネーターが突き破った箇所から見下ろしていたマリエラとトニー。強大なブックドミネーターを倒したことがマリエラは喜ばしかったのだろう。
 大変な喜びようと共に、シーザーとミコはしっかりと書架の王の滅びを目に焼け付けるのだった。己はこうならないように、という戒めと共に。

 書架の王。侵略蔵書を猟書家に与え、アリスラビリンスに争乱を巻き起こしたブックドミネーター。かの者は全力を出したのかはわからないが、この世界では確かに滅んだ。
 その姿をもう一度見る可能性がある。だが強烈なる猟兵達の追撃はかの王の存在を許しはしないだろう。その一助となった猟兵達の奮闘は、きっと語り継がれることだろう。かの黄衣の王の伝説のように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月19日


挿絵イラスト