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迷宮災厄戦㉑〜蒸気の国でワルツを

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #レディ・ハンプティ

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●猟書家との戦いへ
「みんなお疲れ様。いよいよアリスラビリンスの戦いも後半戦よ」

 グリモア猟兵のリンディスティア・エスペランドルは、そう猟兵達を激励する。月初に始まったオウガ・オリジン、猟書家、猟兵の三つ巴の戦いh、いよいよ猟書家との直接対決の段階までやってきた。

「どいつもこいつも癖のある奴らばかりね!油断せずいきましょう!」

 リンディスティアがそう付け加える。

「私達が今から向かうのは、『蒸気の国』。そこにいる猟書家『レディ・ハンプティ』を倒すのよ」

 黒い喪服を思わせるドレスのあちこちから蒸気機関をのぞかせる淑女の姿をした彼女は、かのアルダワ魔法学園の地下で戦った大魔王の一人の娘であるという。彼女の持つ蔵書『蒸気獣の叫び』の力によって、災魔を強化するだけでなく、彼女自身も高い戦闘能力を持つ。魔王の能力を思わせる乳房の下の口による喰らいつきには、近接戦において十分注意しなければならない。

「難敵との戦い、気合い入れていきましょう!」

 そう言って、リンディスティアはテレポートを起動した。

●亡き父への弔いに
「あぁ、ついに彼らがここへきてしまうのですね!」

 蒸気で埋めつくされた大都会のビルの一つ、その屋上で猟書家、レディ・ハンプティは叫ぶ。

「えぇ、えぇ、彼らならきっとわたくしのところまでたどり着くと思っていました。わたくしの計画を阻止すべく!そう父様達を無慈悲に殺し尽くした時のように!!」

 その様は悲しんでいるようにも喜んでいるようにも見えた。

「それならばわたくしは彼らを歓迎しなければなりません。そう、わたくしの全力を持って!彼らの屍を父様への供えとしましょう!」

 彼女の思いに呼応するように、侵略蔵書『蒸気獣の叫び』は光を放ち、おびただしい数の蒸気獣を産み出すのだった。


夢月
 マスターの夢月です。猟書家との決戦シナリオとなります。彼女を倒して、アルダワ魔法学園の平和を守りましょう。
 敵はユーベルコードによる先制攻撃をしてきます。必ず対策をプレイングに記載してください。

 それではみなさんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『猟書家『レディ・ハンプティ』』

POW   :    乳房の下の口で喰らう
【乳房の下の口での噛みつきと丸呑み】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    アンティーカ・フォーマル
【肩の蒸気機関から吹き出す蒸気を纏う】事で【武装楽団形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    侵略蔵書「蒸気獣の悦び」
【黄金色の蒸気機関】で武装した【災魔】の幽霊をレベル×5体乗せた【魔導列車】を召喚する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シャルロット・クリスティア
魔王の娘……こんな所で会うことになるとは!

強化を防ぐことは出来ない。何とか凌いで見せなくては。
まずは牽制に弾丸をある程度ばら撒きつつも、逃げを最優先に。
アンカーショットも使って、立体機動で飛び回りましょう。
大都会であれば引っ掛ける場所や遮蔽もある。対して向こうはそこを猛スピードで飛び回るのは難しい筈です。
それでも振り切るのは流石に無理でしょうが、それでも逃げながらに『追い方』『牽制弾の避け方』くらいは学ばせて頂きますよ。

十分にデータが集まったら、反撃開始です。
跳弾による死角からの攻撃、弾幕での回避誘発、あらゆる手を使って『反応しようとも避けようのない位置』へ誘導し、致命弾を入れる……!



 蒸気機関を搭載され強化された蒸気獣との混戦。一体一体がこのアリスラビリンスで戦ってきたオウガよりも遥かに強く、猟兵達の戦闘力を持っても手強い相手だった。これが、アルダワ魔法学園とその周辺を脅かすようになれば、大変なことになる。

ーーはやく、猟書家を倒さないと。

 シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)はそんな戦場を駆ける。彼女が狙うのは、この事態を引き起こす侵略蔵書『蒸気獣の叫び』を所有するレディ・ハンプティ。たくさんの猟兵が戦いながら彼女を探しているが、未だに発見の報はない。

「いったいどこに…」

 ふと顔を上げた時、一際黒々とした蒸気の煙が上がっているところをみとめる。

「あそこ…!」

 そう直感したシャルロットは、建物の壁を蹴るようにして、屋上へ向かう。そこには、喪服のような装束をした女性の姿。

「見つけました!!」
「さすがですね、猟兵。ならば、歓迎のダンスと参りましょう」

 恭しく礼をしたレディ・ハンプティの背中に立ち並ぶパイプから一気に蒸気が排出される。次の瞬間、床を蹴ったレディの姿は、シャルロットのすぐ目の前にいた。

「っ!」

 シャルロットは、咄嗟に射撃しつつ、その場から飛び退く。狙いをつけている暇などない。とにかく少しでも相手の機先を制するためだ。

「甘いですわ」

 構わず突っ込むレディ。華麗なターンとともに、シャルロットにヒールを叩き込む。

「かはっ!?」

 受け身もままならず、建物に叩きつけられる。

「まだまだいきますわ!」

 追撃をしかけてくるレディ。シャルロットは、手持ちの銃器で応戦しつつ、建物の影などに転がり込む。直線的な動きのレディに自由に攻撃させないためだ。負けないための戦い、遅滞戦術。強敵であるからこそ決して無理をしない。そういう戦い方だ。

「ちょこざいですわ!!」

 レディが、シャルロットの隠れていた建物に突っ込む。強化された彼女の突進で大破する建造物からシャルロットとレディが飛び出してくる。


「鬼ごっこはおしまいにしましょう」
「そうですね。もう終わりです」

 シャルロットが、銃を構える。周囲には、蒸気獣との戦いをくぐり抜けてきた猟兵達。

「反撃開始です」

 シャルロットの銃声を合図に一斉に攻撃を開始した。

成功 🔵​🔵​🔴​

灘杜・ころな
先制攻撃の災魔の幽霊たちは、魔導『列車』で来るんやろ?
なら、それが走ってくる『線路』がうちの近くにあるはずや。
付近の線路を【念動力】や【衝撃波】で可能な限り破損させるで。それで魔導列車を脱線出来れば、先制攻撃どころやなくなるはずや。

上手くいけば、魔導列車の事故で混乱が起こるはずやで。
その隙を突いて――

(《降神・天照》発動、人格も変化)

……混乱が収まり切らぬ内に、天より灼熱の巨大光球を可能な限り招来させ、辺り一面へ絨毯爆撃を仕掛けてくれるのじゃ!
災魔の幽霊も、レディ・ハンプティも、そのまま焼き尽くしてくれよう。

……妾、アルダワの戦争に参加しておらぬし。
父の仇と盛り上がられても困るのじゃ……。



「おのれ猟兵!父様達の大望を踏みにじった旅人!あぁ、このわたくしの計画も潰そうというのですね!えぇ、えぇ!承知していますとも!ですが、そうはいきません!あなたがたを討ち、父様への弔いに!そして、わたくしの物語の序章としましょう!」

 レディ・ハンプティは、猟兵達の攻撃を避けつつ、『蒸気獣の叫び』の力を解放する。蒸気の国のあちらこちらに張り巡らされた路線から列車が集まってくる。その大軍勢こそ彼の侵略蔵書の脅威となる点である。

「そうくると思っていたよ!!」

 灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)はその手を読んでいた。彼女は扇を広げる。

「うちを……妾を前にして……随分と頭が高いのう! ひれ伏さぬか、愚物!!」

 トランス状態となった彼女の口調が尊大になる。彼女の背後に、太陽の如き火の玉が作り出される。

「はぁ!!」

 気合の掛け声と共にそれが放たれた。爆音と共に線路が吹き飛ぶ。重武装の列車も足元を崩されては、一たまりもなかった。

「なんてことを…!」
「隙あり!!」

 動揺するレディ・ハンプティにも火球を馳走する。

「……妾、アルダワの戦争に参加しておらぬし。父の仇と盛り上がられても困るのじゃ……」

 一通り暴れてから、急に落ち着いたようにポツリとあおう呟くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
あなたの父親は希望を喰らうものでしたね
つまり娘たるあなたにさえも大魔王は希望を持っていなかったのです
哀れですね、魔女よ

攻撃は見切りと第六感で回避
それでも完全にはかわしきれないでしょうから
早業で振るった鎖を防壁とし、オーラ防御も合わせて防ぎましょう
傷を負うでしょうが覚悟をもって進みます

同時にこの鎖が巻き起こす衝撃波はあなたの蒸気を吹き飛ばします
そのUCの条件は蒸気を纏うことでしたね
今のあなたは丸裸も同じ

さあ今度は私の速さを味わってもらいましょう
あなたが負わせた私の傷から噴き出した血が霧となり
あなたを包み込みます
あとは体内から引き裂かれるだけ
いかがですか?
父親と同じ技で骸の海へ沈められる気分は



「わたくしの蒸気獣たちをよくも!!」

 爆炎の中から、レディ・ハンプティが飛び出してくる。ころなに反撃しようとする彼女の前に立ちはだかったのは、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)。

「あなたの父親は希望を喰らうものでしたね」

 魅夜がレディに言葉をかける。それはレディにとって無視できないものであった。

「つまり娘たるあなたにさえも大魔王は希望を持っていなかったのです。哀れですね、魔女よ」
「いわせておけば!小娘が!父様を!えぇ、父様への侮辱は赦せません!!」

 彼女の怒りに呼応するように、彼女の肩口から突き出たパイプから蒸気が噴き出す。

――くるっ!

 シャルロットがどうにか逃げに徹することで致命傷を防いでいたレディ・ハンプティの高速攻撃。魅夜は、周囲に鎖を張り巡らせる。蜘蛛の巣のように張り巡らせた鎖にレディが突入する。

「この程度で防げると思って!?」

 鎖の上からの一撃。

「がはっ…!?」

 魅夜の腹部に、レディのヒールが叩き込まれる。

「甘いですわね」
「いいえ…!狙い通り…!」

 魅夜がやられながらも、鎖を引き絞る。レディの周囲にまとっていた蒸気が一瞬払われる。

「なんですって!?」
「もう遅い…!今度は私の番です…!」

 彼女が流した血が紅い霧となって、周囲を覆う。

「がっ…!?」

 レディの身体から無数の鎖が突き出す。

「いかがですか?父親と同じ技で骸の海へ沈められる気分は」

成功 🔵​🔵​🔴​

セレシェイラ・フロレセール
ごきげんよう、レディ
キミの言う通り、キミの計画を阻止しに来たよ

レディのスピードにはこちらもスピードで対応しよう
空翔る魔法の箒に乗ったら、詠唱を始めよう
風の魔法、空気抵抗を和らぐ魔法、加速の魔法
三つの魔法を同時に重ねて詠唱していく
どれも空を高速で翔るためには必要な魔法
レディへの攻撃用の魔法も一緒に詠唱していこう
さあレディ、追いかけっこの時間だ
わたしは自分の力のすべてでキミの攻撃から逃げきってみせる

レディとの距離がある時を見計らって攻撃に転じよう
一緒に詠唱していた攻撃用の魔法を展開する
わたしの桜、咲き誇れ
高速で猛追する魔法光線から逃げられはしない
さあ、踊ってレディ
そしてキミも骸の海へ還るといい



「ぐぅ…まだです!!」

 魅夜のユーベルコードによって、発生した赤い霧を蒸気の煙で吹き飛ばす。魅夜もそれ以上は無理をするつもりはなく、レディ・ハンプティから距離をとる。

「後は頼みます」
「えぇ、お任せを」
 
 魅夜と入れ替わるセレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)。

「ごきげんよう、レディ。キミの言う通り、キミの計画を阻止しに来たよ」

 セレシェイラは、スカートの裾を掴んで恭しく挨拶をする。

「くっ、次から次へと!こうして父様を倒したのですね!!あぁなんということでしょう。卑劣にも蟻のようによってたかって!あぁ、なんということでしょう!!」
「好き勝手いってくれますね」

 レディが高速移動を仕掛けてくる。セレシェイラは、箒に跨ると、高速移動に必要な呪文を発動させる。風の魔法、空気抵抗を和らぐ魔法、加速の魔法。3つの魔法を重ねがけする。

「さぁ、追いかけっこの時間だよ」

 高速で飛翔するセレシェイラ。それに追従していくレディ。飛翔する分、勝負は、セレシェイラに分があった。

「ちょこまかと小賢しい!!」
「わたしの桜、咲き誇れ」

 攻撃用の呪文の詠唱を唱え終わる。幾重にも張り巡らせた魔法陣から桜色の光線が迸る。

「さあ、踊ってレディ。そしてキミも骸の海へ還るといい」

 次々と着弾し、レディの周囲に桜色の花火が舞った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユウキ・スズキ
デカイ胸は嫌いじゃないが、そこに牙があるんじゃ迂闊に触りには行けんな。
まぁ、いずれにせよ殺しにかからにゃならんわけだが。
敵の攻撃が接近しなきゃどうにもならんのなら、敢えて乗ってやろうじゃないか。
だが、もちろんただではやらせん。
【制圧射撃】で敵が有利に近付けないよう牽制しつつこちらから【切り込】んでいく。絶えず弾幕を張りつつ【恐怖を与え】ながら相手の発動距離にまで近づく
【戦闘知識】通常、恐怖を覚えればその対象を素早く排除に掛かるだろう。
奴が俺を殺そうと口を開いたら義手をねじ込みアンカー発射。
まぁ、こんなんでは死なんだろうから右手でその首へし折ってやる。
これで死なないんなら……撤退するしか無いな。



「かはっ…!」

 レディ・ハンプティは度重なる猟兵の攻撃に傷つき、膝をつく。

「そろそろ限界なんじゃないか?」

 ユウキ・スズキ((自称)不審者さん【少尉】・f07020)が挑発するように言う。

「いいえ、いいえ。わたくしはまだ負けておりませぬ。この『蒸気獣の叫び』がある限り!」

 レディはまた侵略蔵書の力を解放する。すでに、周囲には大量な蒸気獣が押し寄せてきて、辛うじて猟兵達が推しとどめている。ここにさらに増援が来ると、こちらが総崩れしかねない。

――となると、あいつをはやいところたおしちまわねぇとな。

 度重なる猟兵の攻撃にも耐えてみせるレディ・ハンプティは、相当装甲を仕込んでいるのだろう。となると近距離からの必殺の一撃が必要だ。

――けど、あいつのあの口は脅威だな。

 胸の下の口。それがかの魔王のもっていたものと同様のものならば、危険窮まりない。

――が、そんなこと言ってる暇はねぇ。

「なるようになれだ!!」

 銃器を手に接近する。

「愚かなり!」

 レディの胸の口が開く。

「そっちがな!!」

 そこに左手を自ら突き入れる。そこからアンカーを発射。

「ごほっ!?」

 鈍い音。その直後に左腕がレディの顎によって粉々に粉砕される。

「まだだ!」

 残った右腕を突き出す。狙うはレディの首元。処刑“エクスキューション”。レディは、信じられないという驚愕の表情のままゆっくりと倒れ伏した。

 猟兵達に勝利の感慨はなかった。主を失った蒸気獣が混乱している隙に包囲網を突破して速やかに戦場を離脱する。彼らの意識はすでにそこにあった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月17日


挿絵イラスト