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廃墟に隠れ潜む、機械の亡者

#UDCアース

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#UDCアース


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「なんじゃ、しけておるのう……。」
「ぐ、このジジイ……何しやがる!」
 経営を終え、廃墟と化した遊園地。
 深夜の肝試しに忍び込んだ若者たちの一人が、半ば機械と化した老人につかまっていた。
「お主ら、もっと他の機械を持ったらどうじゃ?このスマホくらいしか持っておらぬのはどうかと思うぞ?」
 老人は体から伸びるロボットアームで若者を吊り上げ、スマホを没収していた。
「うるせぇ!知ったことか!それより離しやがれ!」
 騒ぐ若者に顔をしかめ、
「あー、まぁ離してやってもよいぞ。」
 若者の足元には、スライムのようなモノが滲み出していた。
「……わしには、お前たちは必要ではないからのう!」
「え、ちょ……うわあああああああ!」
 アームが開き、若者の体が地面につくと、一気にスライムに体が飲み込まれる。
 その様子を見た老人は、楽しそうに高笑いをしていた。

「皆さん、UDCアースで邪神の信奉者が事件を起こしているようです。」
 アト・タウィルは、集まった猟兵たちを光の入っていない目で見渡しながら、話をつづけた。
「その信奉者は、廃墟となった遊園地に隠れています。
 そこで、肝試しなどで深夜に訪れる若者達を襲い、彼らを殺して回っています。
 まずは遊園地の中を探索し、信奉者を探してください。」
 ここで、アトは1枚の写真を取り出した。
「その信奉者の名前は、坂城・鋼三郎。
 かなりの高齢ですが、邪神に体を捧げて機械に変えることで、普通の人間以上の身体能力を持っています。
 十分に注意して当たってください。」
 あぁそれと……と思い出したように、
「彼は、スライムのような生き物を従えているようです。
 人を飲み込むようなサイズでした、この生き物にも注意が必要だと思います。」
 それではみなさん、ご武運を……その言葉とともにゲートが開かれ、廃墟となった遊園地が目の前に現れた。


ヨグ
 こんにちは、ヨグです。
 廃墟と化した遊園地に潜む邪神の信奉者を退治してください。
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第1章 冒険 『遊園地の廃墟』

POW   :    遊園地の中を、捜し回る。足を使って、情報を掴め。

SPD   :    廃墟となった遊園地の施設を、捜していく。時には鍵を開けたり、手先の器用さも求められるだろう。

WIZ   :    遊園地の地図から、効率的に捜していく。時には、残された地図と変わっているかもしれない。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

當良邑・祈
【SPD】
「邪神と機械ですか…」

機械はあくまで知恵の結晶であり、出自のわからぬ古代のウォーマシンや魔導のミレナリィドールも、いつの時代かの人が作り出したものだと思っている。
私は自身の体に使われている技術の詳細を知らない。
だからこそ、今回の事件の敵には興味を引かれた。
邪教への信仰と機械化、一見両立しない二つの道

施設の中を重点的に調べていく、機械としての整備の施設、あるいは邪教としての供物の祭壇、そういったものが必要となるはずだ。
猟兵としての使命以上に、そこにある技術と知識に引かれ調査を進めていく。

幸いにして私の機械化された感覚は常人よりも【視力】もよく【聞き耳】も効く。


バレッタ・カノン
一度だけ街でポップコーンの匂いを嗅いだことがある
小奇麗な格好をした女の子が食べていた
聞けば遊園地という所で食べられるそうだ
香ばしくて甘い、憧れの匂いだ
「一度来たいと思ってたけど、こんな形で来ることになるとはな」

【SPD】
不明な施設で単独行動は危険だ
出来る限り他の猟兵と合流して探索

まず【ジャンプ】と【ロープワーク】で高所へ登り遊園地の全体を把握したい
【視力】には自信がある。怪しい場所は見逃さない
何か見つけたら誰かに報告

重要な部屋は鍵がかかっているだろう
所詮廃墟。開かない扉は【怪力】で破壊
いや壊す前に【聞き耳】くらい立てよう
罠という可能性も否定できないからな

早く終わらせてパンを食べよう

アドリブ歓迎


トリテレイア・ゼロナイン
廃墟となった遊園地、こうして訪れてみると哀愁を覚えますね
ですが人がいないということは探索に使える手段が増えるということ
これ以上の犠牲者を出さないためにも全力を尽くしましょう

機械馬に「騎乗」して遊園地の敷地内を巡り、不審な人物や場所、痕跡がないか調べてみましょう。
壊れたアトラクション等があれば「怪力」で撤去したり、暗い場所を「暗視」で探索してみたりと機械の身だからこそ出来ることを行っていきます

それにしても……こうしてロシナンテⅡにまたがり遊園地を闊歩していると、自分が遊園地のアトラクションの一部になったようで奇妙な心地ですね(メリーゴーランドを横目に)



「廃墟となった遊園地、こうして訪れてみると哀愁を覚えますね。」
 機械の馬に騎乗した巨大なウォーマシン、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は、廃墟となった暗い遊園地を巡りながら独り言ちた。
 多少機械らしさはあるものの、まるでおとぎ話の白馬の騎士といった出で立ちである。
 主に屋外のアトラクションの崩れた瓦礫をどかし、何か痕跡がないかと機械の目で確認していた。
「ふむ、ここでもない、と。」
 今は動かないメリーゴーランドの横に立ち、簡単な地図にチェックをつける。
「それにしても……。」
 愛馬のロシナンテⅡと、その半分以下のサイズのメリーゴーランドの馬を見比べて、
「自分が遊園地のアトラクションの一部になったようで、奇妙な心地ですね。」

「……そう、この機械だ。」
「ふむ?それが何か。」
 軽食兼物販コーナー、ほぼ無傷のポップコーンの自販機を見つけたバレッタ・カノン(バレットガール・f11818)が上げた声に反応した、當良邑・祈(サイボーグの化身忍者・f09602)。
 それまで特に感慨もなさそうに、黙々と落ちているガラクタを調べていたバレッタが声を上げたので、興味をひかれたのだった。
「一度だけ、街でポップコーンの匂いを嗅いだことがある。小綺麗な格好をした女の子が食べていたんだ。」
 取り出し口を開け、もう動かない内側を確認しながら呟く。
「香ばしくて甘い、憧れの匂いだ……聞けば、遊園地という所で食べられるそうだが。」
 中の機械が一部抜き取られた痕跡を確認し、蓋を閉じる。
「一度来たいと思ってたけど、こんな形で来ることになるとはな。」
「……そうですね。」
 バレッタの言葉に頷き、當良邑は地面に落ちる中身を抜かれた冷蔵庫を開けて確認し、
「ここでは残念ながら、ポップコーンは食べられませんね。」
「ああ、そうだな。」
「ですが……。」
 冷蔵庫の蓋を閉じて、當良邑はバレッタの方を向きながら、
「いつか、動いているちゃんとした遊園地に行ってみませんか?」
「ああ……。」
 笑顔でかけられた言葉に返事をしながら、体についた埃をはたくバレッタ。
「いつか、な。」
「ふふ、いつかですよ。」
 當良邑も手についた埃を払った。
 ここには、スライムも邪神の祭壇の痕跡も見当たらない……。

「……という感じでしたね。」
「なるほど。私も屋外施設の大半を見て回りましたが、痕跡はあまりありませんでした。」
 外の広場でトリテレイアと合流した、バレッタと當良邑。
「後は……大型の屋内アトラクションですね。」
「ええ、おそらくその中にいるでしょう。」
 チェックの入った地図を確認し、次の場所を決める。
 背の低いバレッタに合わせて歩きながら、當良邑は呟いていた。
「邪神と機械……この組み合わせは、なかなか興味深いですね。」
 機械はあくまで知恵の結晶であり、出自のわからぬ古代のウォーマシンや魔導のミレナリィドールも、いつの時代かの人が作り出したもの。
「ふむ、何かおかしいか?」
「ええ、人の知恵が作り出した機械……それを、邪神に限らず信仰のために扱うというのは、あまり聞いたことがありません。」
「言われてみれば、そうですね。」
 ウォーマシン、いわゆる機械の塊であるトリテレイアも同意する。
「だからこそ、今回の事件の敵には興味を引かれました。邪教への信仰と機械化、一見両立しない二つの道をつなげる信奉者に。」
「……なるほど。」
 早く終わらせてパンでも食べたい……と考えていたバレッタは、ぶっきらぼうに答えていた。
 そうこうしているうちに、かつてはショーを行っていたであろう舞台施設の前に立っていた。
「それじゃあ、次はここですね。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

波狼・拓哉
廃墟の遊園地で待つとは効率いいんだか悪いんだか・・・まあ、活きのいいのは捕まりそうか。
さてと、遊園地の地図なら近くの図書館とかネット上に有りそうかな、探して効率的に捜査しようか。
んー・・・スライムみたいなの操ってるなら何処かに保管場所みたいなのありそうか。建物系に絞って探してみるかな。
後、地図と変わってとこあったら地図に書き入れていこう。・・・儀式の模様とかだったら困るし。
万が一肝試ししてる奴らがいたらミミック使って脅かして帰そう。


藤堂・遼子
【SPD】
ふん、狂信者のサイボーグって感じかしらね。邪神に身体を捧げて何で機械化したのか分からないけど。
まぁいいわ、狂信者を見つけ出して首を狩るのには変わらないわ。
とはいえ、無闇に探してもね。まぁ野外にはおそらくいないでしょう。そして小規模な建物にもいないでしょうね。
そうなると規模が大きめな室内アトラクション施設にいる可能性が高そうね。
と、なると捜索範囲はある程度絞れそうね。まぁ大きな施設内部、しかもスタッフ用の裏側も含めると探すのは苦労しそうね。スタッフ用の裏側は鍵がそのままの可能性もあるわね。
いや、それ以前に坂城って奴が鍵とか更新してる可能性もあるわね、まぁそれなら目印にもなるでしょうけど



 時間は少し戻り、
「廃墟の遊園地で待つとは、効率いいんだか悪いんだか……。」
「ふん、どっちでもいいわ。狂信者を見つけ出して首を狩るのには変わらないから。」
 と話しながら屋内施設を見て回っていた、ミミックを抱えた波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)と、武骨な大鎌を背負って歩く藤堂・遼子(サイボーグの探索者・f09822)。
「まぁね、どうも人間自体は生贄に必要ってわけじゃなさそうだし。……と、ここだ。」
 二人は舞台施設の前に立っていた。
 入口の扉は半分開けられ、簡単に中に入れるようになっている。
「……ここ、かな?」
「どうだろうね、どこも入れるようになってたから解らないけど。」
 懐中電灯を手に、二人は中に入る。
 舞台へ続く廊下を歩くと、波狼は今まで見た施設との違いに気が付いた。
「……やけに埃が少なくないか?」
「そういえば……。」
 藤堂も足元を見て気が付く。
 廊下の端以外、ほとんど埃が積もっていない……。
「ってことは、この先に狂信者のサイボーグがいるってこと?」
「だと思う。慎重に進もう。」
「オーケー、解った。」
 藤堂は大鎌を構え、波狼はミミックを足元に放つ。
 そのまま舞台へ、慎重に歩みを進めた。

「……うわ、悪趣味。」
「邪神に身体捧げるような奴が、趣味いいわけないでしょ。」
 舞台の中を覗くと、目に飛び込んできたのは舞台上の機械の山……のように見える、人のような何か。
 人の体の一部と機械を繋ぎ合わせた物体、それが蠢きながら折り重なっている。
「ここに隠れられてたら解らないなぁ……。」
「ふん、そしたら返り討ちにしてやるわ。」
「あ、ちょっと!」
 藤堂がいつでも大鎌を振り回せるようにしながら舞台の観客席へ飛び出す。
 見まわした限りでは、観客席には何もいない。
「さぁ、出てきなさい!」
 遅れてミミックが懐中電灯を咥えて駆け寄ってきた。
 他の動きは特にない……。
「上だ!」
「ちっ!」
 波浪の声に反応して藤堂が飛び退ると、べちゃりと藤堂がいた場所へ巨大なスライムが落ちてきた。
 上を見上げると、さらに数匹のスライムが張り付いていた。
「スライムの保管庫とかがあると思ってたけど、まさかこうなってるとはね。」
「まぁいいわ、こいつらを倒せば狂信者が出てくるでしょ。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『不定形少女』

POW   :    あたまはこっちにもあるよ
自身の身体部位ひとつを【自分が擬態している少女】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    みんなとかしちゃうよ
【触手状に伸ばした腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【衣服を溶かす溶解液】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    いっしょになろうよ
【全身を不定形に変形させて】から【相手に抱きつくために伸ばした身体】を放ち、【少しずつ溶解させていくこと】により対象の動きを一時的に封じる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 地面に落ちたスライムは、体から複数の少女の頭を生やし、
「ねぇ、あなたも……。」
「いっしょになろう?」
 さらに体を作りながら、猟兵たちへナメクジのようにすり寄ってきた。
當良邑・祈
不定形、義足の刃も持ち合わせの手裏剣も効果は薄そうだ。

攻撃は最小限に敵を躱す、切り裂けば分断し、あるいは小さな破片はそのまま消えゆくやもしれぬが、せっかくだから大きい塊のままいてもらいたいものだ。

ロープを駆使して天井を、壁を走り目的のものを探す、
廃園でも機械を動かしてるならばあるいは、と
音響、照明、舞台装置のモーターでもいい、通電している機器と配線を探し出す。

ケーブルの先端に【レプリカクラフト】で作り出したヒトガタを取り付けて、敵の中心へと蹴り飛ばす。

「わざわざ人の姿を真似るほどだ、ヒトガタには執着してくれるだろうな」

感電させればあの不定形の怪物もいくらかはおとなしくなるだろう。


波狼・拓哉
せめて頭以外ももう少し人に近ければ是非っていくのだが…ゴホンゴホン。んじゃあまあ悪いね、押し通るよ?
ミミックを持ち上げそのまま敵の真ん中に投げ込む。さあ、化け咆え、恐怖を与えてあげな?あ、周りの人はちょっとだけ耳塞いでね、狂うし。後はそのまま周りに気を付けつつ咆え続けといて。あ、あの悪趣味な機械の山みたいな奴は建物が崩落しそうになければ巻き込んでいいよ。むしろ巻き込め。
さて俺自身は衝撃波込めた弾で触手や頭部を打ち込んで怯ませたりして足止めしたりとサポートに回るか。…あんまり衝撃波効きそうにないからなー邪魔くらいしかできなさそう。


藤堂・遼子
ふんっ!まったく半端に人を真似ようだなんて悪趣味に過ぎるわね!
大体、狂信者を機械化する邪神になんでスライムの眷属がいるのよ、せめて系統を統一させないよ!

服を溶かすとか、少女の形を真似ておいて所詮スライムね。結局は陵辱とかそっちがお好みってことね。
ハッ!やれるものならやってみなさい!
と、言いつつもまぁ酷い目に遭うかもしれないわね。まぁ流石にこいつらに犯される心配はないでしょうけど。

【オーバーリミットアームズ】よ!
流石に不定形相手に大鎌の狂気を狩るモノだといまいち効果があるかのどうか分からないわ。首狩ってもすぐに別の首出てくるし。
でも機械化した四肢をオーバードライブさせて電撃混じりならどうかしら?



「ふんっ!まったく、半端に人を真似ようだなんて悪趣味に過ぎるわね!」
 藤堂は目の前のスライムの首を大鎌で刎ねる。
 しかし、すぐに体から顔を模した部分が沸き出てくる。
 離れた首もすぐに本体へ這い寄り、また一体となった。
「ねぇ、いっしょに、なりたいよ……?」
「ちっ……首狩っても、すぐに別の首出てくるし。」
「せめて頭以外ももう少し人に近ければ是非っていくのだが……ゴホンゴホン。」
 すぐ後ろでミミックを抱え上げながら言う波狼に、藤堂は冷たい視線を向けた。
 波狼は少し目線を逸らしながら、
「さてと……じゃあミミックさん。」
 そのままスライム達の真ん中にミミックを放り投げる。
「恐怖を与えてあげな?」
 投げられたミミックは空中で形態を変え、地面につく頃には機械じみた龍へと変化していた。
「あ、耳塞いでおいた方がいいよ?」
 狂うから、とにこやかに波狼が言い、急いで耳を塞ぐ藤堂。
「グルアアアアアアアアア!」
 途端に響く、ミミックの咆哮。
 それを間近で聞かされたスライムは、まるで体を維持できなくなったかのように液状に伸び広がった。
 天井についていたスライムも数匹、べちょりと落ちる。
「結構、容赦ないわね。」
「やっと、狙って叫べるようになってね。」
 と、舞台の上から機械の山が崩れる音が響く。
「……本当に?」
 波狼からの答えはなかった。

「あった!」
 そんな中、壁を走りながら、天井から下がるケーブルを掴んだ當良邑。
 一瞬バチッ!と漏電しているのを目ざとく見つけ、そこにヒトガタの人形を括り付ける。
「どうにも、刃物は効きそうにない……じゃあ、電流はどう?」
 言葉とともに、ヒトガタを地面にいるスライムたちへ蹴り飛ばす。
「人間の形に執着するなら、ヒトガタならどう?」

「あ……あなたも、いっしょに?」
 落ちてきたヒトガタに触手を伸ばすスライム。
 それに触れた途端、スライムに電流が走る。
「あ、あな、あああ……」
 一瞬で沸騰したかのように蒸気が上がり、一回り小さくなった。
「やっぱりね、これで少しは大人しくなるでしょう。」
「へぇ、いい方法ね。」
 感電したスライムを義足で蹴り飛ばした當良邑を見て、藤堂は自身の義肢の出力を上げる。
 腕から放電するほどの過電流、その様子を見て、
「なかなか高性能ですね。」
「まぁね……今ならそう思えるわ。」
 言葉を残し、近くのスライムへ駆け出す藤堂。
「いっしょに」
「なってやるかよ!」
 左手からの放電、それを受けて身動きの取れないスライムを電流の流れた大鎌で引き裂く。
 小さな欠片になったまま動かないのを確認し、
「これなら問題なく倒せるわ、ありがとう。」
「いえ、私もやり方を模索していたところですから。」
 では続けていきましょう。
 當良邑はヒトガタを蹴り飛ばして感電させ、義足の刃で切り裂いていった。

「それにしても、」
 そんな二人を衝撃波のこもったBB弾を撃ちながら援護する波狼。
 与えられる傷は小さくとも、動きを止めるのには十分なそれを撃ちつつ、
「何でこんなスライム連れてるんだろう?」
「知らないわ、よ!」
 一匹をちょうど葬った藤堂が吠える。
「大体、狂信者を機械化する邪神になんでスライムの眷属がいるのよ、せめて系統を統一させないよ!」
 それを聞いた當良邑は自分の考えを述べた。
「……人間のパーツは欲しいのでしょう。そして、要らない部分を……ということでは?」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

バレッタ・カノン
誰がお前たちと同じになってやるものか
淋しいなら遊び相手にはなってやる
すぐに楽になるぞ

不定形な敵か、やりづらい…
囲まれると厄介だ、距離を取ろう

一番近くにいる奴らを「ベルトリンク」で【なぎ払い】
中距離は「ハンドショットガン」を投げ動線を確保
物理ダメージは期待できないかもしれないが味方と連携し手数で勝負だ
少しでも敵の動きを止める

弾切れや敵の【触手状に伸ばした腕】には注意したいがもしもの時は周辺の瓦礫を【投擲】してやり過ごす

十分距離が取れたら「対戦車徹甲弾」を準備し角砂糖を噛み砕いて深く深呼吸
【力溜め】をして「バレッタ砲」で射線上の敵を一網打尽にしてやる

「射線を開けろ」

アドリブ大歓迎


トリテレイア・ゼロナイン
せっかくのお誘いですがお断りさせていただきます
装甲を溶かされたくはありませんからね

【暗視】で敵の所在を確認した後、舞台の観客席で戦います
格納スラスターを使って【スライディング】するように移動しつつ、移動の邪魔となる観客席を【怪力】で破壊し、戦いやすい環境を整えます

スライム達の動きをセンサーで【見切り】、【武器受け】【盾受け】で防御しつつ、剣で切り捨てていきましょう

スライムに捕縛されそうな味方がいれば身を挺して【かばい】、自分が捕縛されたら頭部格納銃の【だまし討ち】で対処しましょう

それにしても舞台の上の人体と機械のパーツの集合体、狂信に意味を求めるのはナンセンスかもしれませんがどういう意図で…



「なるほど、このスライムたちはゴミ処理屋と。」
 天井に張り付く残りのスライムを見ながら、トリテレイアは呟く。
「……どうだっていい、こいつらを倒すぞ。」
 敵の理由に興味のないバレッタは、手持ちの弾薬袋に手をつっこみ、金属片を握り込む。
 そのまま構えて投げつけると、まるで散弾銃のような勢いでスライムへ金属片が飛んだ。
 スライムには傷を与えたようには見えなかったが、周囲を傷つけたせいかそのまま落ちてきた。

 観客席の隙間から、スライムの少女は顔をのぞかせる。
「あなたも、いっしょになろう?」
「せっかくのお誘いですが、お断りさせていただきます。」
 鎧を溶かされたくはありませんからね、と儀礼用の長剣を構えるトリテレイア。
「誰がお前たちと同じになってやるものか。」
 弾丸を握り込みながらバレッタは狙いをつけていたが、相手が観客席の隙間にいるのが気に喰わなかった。
 トリテレイアはその様子に気が付き、
「周囲を平らにした方が良さそうですな。」
「……ああ、それなら射線が通るな。」
 ではいきましょう、とスラスターを起動し、スライディングの要領で進む。
 3m近いウォーマシンの体、その重量で観客席は大した障害ともならず、轢き潰されていった。
 近づいてくるトリテレイアに対してスライムは触手を伸ばすが、容易く長剣で切り払われる。

 そして、あらかたの観客席を潰したところに、
「あたまはこっちだよ?」
 崩した観客席から染み出したスライムが顔を出して噛みついてくるが、トリテレイアは声をした側へ腕を向け、
「……騎士道を鑑みれば言語道断なのですが。」
 言葉とともに格納された銃火器を撃ちつつ長剣で斬りかかる。
 ……ふとバレッタの方を見ると、彼女は角砂糖を口に含んでいた。
 目が合うと、
「射線を開けろ。」
 と表情が語っていた。
 手に持った対戦車徹甲弾と次の行動を予測し、トリテレイアはスライムから距離をとる。
 そしてバレッタは大きく深呼吸。
 そのまま、その小さい身体からは考えられないほどの速度で投げられた弾丸は、スライムを貫いた。
 高速で叩きつけられる重量は凄まじく、着弾と同時にスライムは霧のように飛び散り、そのままただの染みへと変わっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『坂城・鋼三郎』

POW   :    神に捧げしこの体
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【高性能なコンピュータ】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    機械触手
【背中の機械触手による薙ぎ払い攻撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    機械化光線
【体の一部を、激痛と共に機械化する光線】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【が機械化され】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠宙夢・拓未です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「かっかっか!なかなか生きがよい検体じゃな!」
 高笑いに舞台の上を見ると、瓦礫と化した人だったものの上に、坂城・鋼三郎が立っていた。
「ただの人間では、儂の神への捧げものにすらなれん。」
 背中の機械触手を伸ばし、広げながら、
「お前たちは、簡単に、」
 ゆっくりと、近づいて来た。
「……壊れてくれるなよ?」
當良邑・祈
目の前の老人に素直に感心していた
身体の機械化は精神に負荷がかかる、物心つく前に取り換えられても、いまだに脳が異常を訴えることがある、完全に自身の体の一部ではあるが、人の形からのズレ、その違和感

成人ならばその感覚は深いはず、にも関わらずあれだけ多くの機械腕を操るのは、基礎となる技術力の高さが伺えた。しかし…

降魔化身法で自身を甲殻で覆い、機械触手と刃を交わす。

「やはり、一つ一つを完全にコントロールしているわけではないようだな。」
触手の攻撃は苛烈だが無差別で無駄も多い

それらを受け流す
勢いのまま触手同士で接触し破損する
あるいは猟兵達の代わりに周囲のモノをなぎはらう

遮蔽物がなくなれば多勢のこちらが有利だ


バレッタ・カノン
お前が何を望んで
何を信じて
何がうれしくてこんなことをしたのかに意味はない
お前はここで終わるそれだけだ

敵の注意と攻撃を一手に引き受ける
「榴弾」の爆発攻撃なら相手の注意が引けるかもしれない
味方への危険な攻撃の兆候があれば【ダッシュ】で駆け寄り【かばう】

「大丈夫、私は簡単には壊れない」

一方でUC「戦場の亡霊」を忍ばせておく
亡霊で敵の身体からこっそりと部品を【盗み】出してやる
部品はどこかずっとずっと遠くへ【投擲】して永遠にさよならだ

奴の慌てふためく顔を想像すると柄にもなく笑えてくる
ともかく敵の身体に不具合でも起きれば味方の突破口になるだろう

お前が信じた神がくれたその身体を呪うんだな

アドリブ大歓迎


波狼・拓哉
壊れんのはテメェだ糞爺!そのまま滅びろ!
ミミックはそのまま咆えたててろ、近づく方が危険そうだ。あの糞爺狙いつつ、周りの機械も巻き込んで爆破させていこう。その方がダメージでかそうだし。
俺は引き続きサポートに回ろう。衝撃波込めた弾で機械の隙間を狙い内部から衝撃で崩したり、光線の威力を少しでも低減させよう。光線は何か当たるとやばそうだし、ロープや逃げ足を十分に活用して躱していこう。
…多分機械なら衝撃に弱いだろう。爆破や衝撃波を活用し地形や触手は破壊出来るはずだ。
(アドリブ絡み歓迎です)



「壊れんのはテメェだ糞爺!そのまま滅びろ!」
 珍しく激昂した波狼の言葉もどこ吹く風、坂城はニヤニヤと嗤いながら歩みを進める。
 ミミックの叫び声を機械触手の1本を犠牲に躱し、さらに近づいてくる。
「お前が何を望んで、何を信じて、何がうれしくてこんなことをしたのかに意味はない。」
 バレッタの言葉とともに投げつけられる、戦車用の榴弾。
 着弾と同時に炸裂し、坂城の機械触手を数本吹き飛ばすが、坂城の表情は変わらない。
「抗うがよい!それくらい元気でなくてはなぁ!」
 嗤う坂城に舞台の上の機械の破片が吸い寄せられていく。
 まるで磁石に吸い寄せられる砂鉄のごとく、人のなれのはてを取り込み、人型の機械へと姿を変える。
「さぁ、相手をしてやろう!せいぜい、簡単に壊れぬようにな!」
「ちっ!変形までしやがった!」
「……まぁいいさ、ぶっ壊すだけだ。」
 二人は武器を構え、坂城と対峙した。

 一方、横から坂城の変化を見ていた當良邑は、自身もサイボーグであることからか、その体に感心していた。
 身体の機械化は精神に負荷がかかる、特に成人してからはなおさらだ。
 物心つく前に取り換えられても、いまだに脳が異常を訴えることがある。
 完全に自身の体の一部ではあるが、人の形からのズレ、その違和感を克服しているように見えたからだ。
「でも、ちゃんと動かせるかどうかは別!」
 祈るようなポーズをとると、當良邑の体は甲殻に覆われていた。
「さぁ、行くぞ!」
 一足飛びに坂城の横へ駆け出し、2対の足から刃を出しながら蹴りかかった。
「ふん、なかなか素早いのう、嬢ちゃんよ。」
 斬りかかってくる刃を機械触手で受け、弾く坂城。
 どちらも機械によるサポートを受けた肉体、速度ではほぼ互角だった。
 當良邑の刃を機械触手でいなそうとした時、衝撃のこもったBB弾で弾かれ、斬り飛ばされる。
「援護するぜ!」
 そこに小柄な影が近づき、至近距離から坂城の腹に榴弾を叩きつける。
「お前はここで終わる、それだけだ。」
「ぐほっ!……くっくっく、やりおるわ!」
 炸裂した榴弾を受けた坂城は、一斉に機械触手を四方に展開した。
「ちっ!」
 挙動を見せた段階で後ろに下がった當良邑はかろうじて躱した。

 だが、バレッタはその場から動かず、機械触手をもろに受ける。
 そのまま機械触手に絡み付かれ覆われた所へ、ミミックの叫びが直撃した。
「……ほう?」
 破裂した機械触手の中からは、バレッタが手いっぱいに引きちぎった機械触手を持って飛び出し、そのまま投げつける。
「大丈夫、私は簡単には壊れない。」
「かっかっか!頑丈で結構、結構!」
 そんな坂城の背後から、部品を引き抜いた亡霊が高速で離れ、部屋の外へ捨てに行く。
 引きちぎられた感覚と同化し、そのことに気がつかない坂城。
 変わらず機械触手でバレッタと當良邑に襲い掛かるが、先ほどと違い動きが荒く、素早い當良邑に翻弄されていく。
「やはり、一つ一つを完全にコントロールしているわけではないようだな。」
 数本まとめて當良邑の刃で斬り取られ、
「ぬぅ?動きが鈍ったか。」
「耄碌しただけだろ!」
 さらに波狼のBB弾で動きを止められたところへ、ミミックの叫びが炸裂する。
「ぐ、貴様ら!」
 背中の機械触手の半分が吹き飛んでいる。
 残りの機械触手で周囲の破片を吸い寄せ、つぎはぎながらも再生を果たす坂城。
「貴様らに、体が機械に置き換わるすばらしさを教えねばならんな!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
私は『堅い』ですよ、ご老体
耐久性勝負といきましょう

敵の動きをセンサーで「見切り」つつ、触手や光線を「武器受け」「盾受け」でいなし、味方を「かばい」ます

相手が合体したら「怪力」による接近戦を挑みますが、パワー負けして一旦後退すると見せかけて、隠し腕による「だまし討ち」を放ちます

放った隠し腕で相手の脚部を保持、同時に片足の格納スラスターを点火、もう片足を軸にスピンするように「スライディング」して敵を転倒させます

転倒したら「踏みつけ」て大楯殴打での「鎧砕き」で装甲を破壊、その亀裂に格納銃器を撃ち込み跳弾で中身をズタズタに引き裂きましょう

騎士としては嘆かわしいことですが機械としての完成度は負けませんよ



「ご老体、あいにくと私は機械ですから。」
「ふん、貴様に言ってはおらぬわ!」
 トリテレイアの言葉に坂城は苛立ち、体から落ちた機械を吸い寄せて機械の体を構成する。
「これで貴様の鎧など打ち抜いてくれる!」
「私は『堅い』ですよ、ご老体。」
「ほざくな!」
 殴り掛かってくる坂城に対し、トリテレイアは腕をとって取っ組み合いに持ち込む。
「かっかっか!貴様の力はその程度か!」
「ぐぅ……なかなか、やりますな。」
 力は坂城に分がある……ようにみせるトリテレイア。
 たまらず抜け出したようにして離れ、
「逃げるか貴様、うおあああ!」
 隠し腕を起動し、坂城の足を掴み、さらにスラスターを起動して高速移動。
 巨大な機械の塊となった坂城を、自身の重量と速度で転倒させる。
「油断しましたな、ご老体。」
「ぐう、きっさま!」
 そのまま坂城の腹を踏みつけ、大盾の角を機械の隙間に差し込むように叩きつける。
「ぐぼあ!」
「……このような戦い方は、騎士としては嘆かわしい。ですが、」
 そのまま空いた穴に、腕に仕込まれた銃火器を撃ち込み、坂城の生身の体を傷つけていく。
「がああああ!」
「機械としての完成度は、負けませんよ。」

 声を上げなくなった坂城を見て、離れるトリテレイア。
 が、機械触手の動きはまだ止まらず、坂城の体を立ち上がらせる。
「おや……なかなか、酷いものですね。」
 白目をむき、明らかに人間としては死んでいるが、まだ動くつもりのようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藤堂・遼子
ジジイの機械触手とか、それは立たなくなった自分のモノの代わりなのかしら?
と、もう聞こえてもいないか。機械を使うのではなく機械に使われるなんて、まぁ邪神が与えた物ならこんなものよね。
機械を使う者と機械に使われる者の違いを見せてやるわ。まぁそもそもお前みたいな狂信者に奪われた四肢の代わりでお前らみたいな奴らを狩る為の私の義肢と、お前のそれを一緒にして欲しくはないけどね!

【オーバーリミットアームズ】を発動して電撃と大鎌の狂気を狩るモノで攻撃よ。
邪神産でも機械なら電撃は効くでしょうよ。動きが鈍れば後は大鎌でなぎ払って機械触手を刈り取るだけよ。
さぁ坂城・鋼三郎、首を出しなさい。その首、刈り落としてやるわ



「ジジイの機械触手とか、それは立たなくなった自分のモノの代わりなのかしら?」
 っと、もう聞こえてもいないか。
 藤堂は武骨な大鎌『狂気を狩るモノ』を構え、自身の四肢の出力を上げる。
「機械を使うのではなく機械に使われるなんて、まぁ邪神が与えた物ならこんなものよね。」
 ブラブラと坂城の死体を吊り上げている機械触手を見ながら、
「機械を使う者と、機械に使われる者の違いを見せてやるわ!」
 一気に距離を詰め、バチバチと放電する腕で機械触手を掴み上げる。
 触手はビクビクと跳ねまわり、まともな動きをとれないようだった。
「さぁ坂城・鋼三郎、首を出しなさい。その首、刈り落としてやるわ!」
 稲妻のような勢いで薙ぎ払われる、分厚い大鎌の刃。
 機械触手ごと坂城の首が吹き飛び、ごとりと転がった。
「……そもそも、お前みたいな狂信者に奪われた四肢の代わりで、お前らみたいな奴らを狩る為の私の義肢と、お前のそれを一緒にして欲しくはないけどね。」

 すでに打ち捨てられた遊園地に潜む狂気は消えた。
 残ったのは、意志のないガラクタの山……。
 元に戻った、朽ちるのを待つ遊園地を後に、猟兵たちは元の世界へ帰っていった。
 ……次の狂気と向かい合うために、自身の心を癒すために。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月04日
宿敵 『坂城・鋼三郎』 を撃破!


挿絵イラスト