4
迷宮災厄戦㉑~レディ・ハンプティ

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #レディ・ハンプティ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アリスラビリンス
🔒
#戦争
🔒
#迷宮災厄戦
🔒
#猟書家
🔒
#レディ・ハンプティ


0




●アリスラビリンス
「ああ、父様……、愛しの父様。父様の無念、わたくしが晴らします。……ですから、力を! ナニモノにも負けない力を、わたくしにくださいませ。そうすれば、どんな相手であっても、わたくしが屈する事はありません。何故なら、父様の想いこそ、わたくしの力。父様が願うのであれば、例え世界であっても滅ぼして見せましょう。まず手始めとして、『アルダワ魔法学園』の西方、諸王国連合から……」
 猟書家『レディ・ハンプティ』が不気味に笑う。
 自らが放った『蒸気獣』によって、大事故が起こった未来の世界を想像し……。
 その被害を利用すれば、レディ・ハンプティ自身も、新たな災魔を産み出す事が出来る。
 それこそ、理想。
 思い描いた未来であった。
 だが、それを邪魔する者達がいる。
 その者達が、この場所を目指して、迫っている。
 その事でレディ・ハンプティの感情を逆撫で、冷静ではいられなくさせていた。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明した。
 今回の目的は、猟書家『レディ・ハンプティ』を倒す事。
 レディ・ハンプティはアルダワ魔法学園を狙う猟書家にして『大魔王アウルム・アンティーカの娘』で、魔導列車が走り回り、蒸気建築に埋め尽くされた、大都会のような国を拠点にしているようだ。
 またレディ・ハンプティは必ず先制攻撃を仕掛けてくるため、対抗策を考えておく必要があるようだ。
 そう言った事も踏まえた上で、サー・ジャバウォックを倒す事が今回の目的である。


ゆうきつかさ
 この依頼は戦争シナリオです。
 敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくるので、対抗手段を考えておきましょう。
194




第1章 ボス戦 『猟書家『レディ・ハンプティ』』

POW   :    乳房の下の口で喰らう
【乳房の下の口での噛みつきと丸呑み】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    アンティーカ・フォーマル
【肩の蒸気機関から吹き出す蒸気を纏う】事で【武装楽団形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    侵略蔵書「蒸気獣の悦び」
【黄金色の蒸気機関】で武装した【災魔】の幽霊をレベル×5体乗せた【魔導列車】を召喚する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ネーヴェ・ノアイユ
レディ・ハンプティ様の先制攻撃はリボンに魔力溜めしていた魔力を使用し……。全力魔法にて作り上げた氷壁の盾受けにて受け止めます。
その際に……。攻撃を受け止めながら氷壁をUCへと変化させることで相殺を狙います。

UCへと変化させた氷壁にて身の守りを堅め……。それを活かして味方の猟兵様への攻撃を盾受けし、かばうことにて援護をしながら戦いますね。
余裕がありそうでしたら武器であるicicle scissorsを作り出し……。せめて一太刀でも切り込みを入れたい……。ですね。

レディ・ハンプティ様……。あなた様をアルダワへと行かせるわけにはまいりません。どうか……。このアリスラビリンスにてお眠りを……。


草野・千秋
POW

なんともおどろおどろしい敵ですね……
父娘の間の絆というとはそれはあるでしょう
しかし、せっかく守ったアルダワの世界に行かせはしないッ!
早くなんとかして倒さないと
アリスラビリンスとアルダワ魔法学園の両方を牙にかけようとしているんですね

相手が乳房の下の口で攻撃してくるなら
僕は遠距離戦で応戦しましょう
UCヴァリアブルウェポンを命中率重視で
武器改造で炎の属性攻撃をアサルトウェポンの弾に込めて
スナイパー、一斉発射で攻撃
敵からの攻撃、UCなどは激痛耐性で耐えぬく
この鋼の身体だからこそ痛みに耐えられるのです
仲間に攻撃が被弾しそうならかばう


ニィナ・アンエノン
へー、大魔王がお父さんなの?
上中下のどの人?お母さんどんな人?
気になる事だらけだね☆

アルダワには来て欲しくないから頑張るけど……うーん、上手く行くかな?
まぁやってみよう☆
肩から噴出す蒸気を纏って変身って事だし、蒸気が出始めたらとりあえずランチャーから小さなミサイルを【乱れ撃ち】!
爆風で上手い事蒸気を【吹き飛ばし】ちゃえば変身が不完全になったりしないかな?
無理でも【時間稼ぎ】くらいは出来るといいな。
隙が出来たら後はもうとにかく撃ちまくるだけ!
ユーベルコードでいっぱいランチャーを作って、全方位に蒸気を吹き飛ばすようなグレネードを【一斉発射】しちゃう!
速く動いてても、反応出来ても関係ないくらいに!


シルヴィエート・ラーヴル
【まな板ーず】
此度の敵…到底許せる相手ではありませんわ
理由など語るまでもありません

どうやら私たちのアルダワ戦争は終わっていなかったようですわね…
えぇ、もちろんですヘスティア様。徹底的に、潰して、差し上げましょうね!!!!!!!

ヘスティア様の援護を受けつつ地形の利用で当たりの建物で身を隠し彼女の射程に入らぬよう
『молитва』から氷結の力を放ち遠方から氷を放ち属性攻撃
動けぬよう特に足元を狙っていきますわ
ヘスティア様、徹底的にその余分な脂肪を潰して差し上げてくださいませ!!
基本攻撃はヘスティア様にお任せしますが隙あらばそのスカートでも掴み胸が潰れるようUCで叩き潰しますわね


ヘスティア・イクテュス
【まな板ーズ】
わたしは貴方を止めさせてもらうわ…
理由、それはええ…解るわよね?(不敵な笑みを浮かべ)

そう、貴方のその大きな乳。それがある故わたしは貴方を生かすわけにはいかないわ…
ふっ、まだアルダワ巨乳戦争の残滓が残ってたとはね……
シルヴィエート、じゃあこの巨乳戦争に終止符を打つわよ



スモークミサイルによる『目潰し』
からのわたしとシルヴィエートのホログラム『残像』により敵の先制の回避!

シルヴィエートの足止めと同時にわたしのホログラムを動かし接近!
ホログラムに噛みつこと広げた口に
レッドキャップを射出!そのでかい乳諸共爆散させてやる!【爆撃・カウンター】


悪は…滅びた!(シルヴィエートとバトンタッチ)


マルコ・ガブリエル(サポート)
『初めまして、わたくしはマルコと申します』
『皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!』
『まあ、なんて美味しそう……! 宜しければ、一緒にいかがですか?』
笑顔が魅力的で朗らかな女の子です。実は故郷を滅ぼされて天涯孤独の身ですが、そうした悲壮感を仲間に感じさせることはなく、いつも明るく振る舞っています。
誰に対しても優しく、敵にさえ「できれば戦わず、穏便に事件を解決したい」と考えるような優しい性格ですが、無辜の人々を苦しめる悪い奴には心を鬼にして全力で攻撃をお見舞いします。
美味しいもの、特に焼肉をみんなで食べるのが大好きで、無事に事件解決した後はよく他の猟兵をご飯に誘おうとします。


周防・のどか(サポート)
『ここはどこ?』
 サイボーグのブレイズキャリバー×探索者、19歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、戦闘中は「真剣(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


七瀬・麗治(サポート)
沈着冷静な、黒スーツのUDCエージェント。
多重人格者で、闇人格「ロード」は好戦的で尊大な性格です。
一人称はオレ(私)、二人称はあんた、おたく(貴様)
体育会系のスポーツマンで、肉や魚料理を好んでよく食べます。
結構動物好きで、特に柴犬を好みます。硬派に見えて、
恋バナが大好きです。
麗治は調査や情報収集、ロードは戦闘中心という具合に、
シナリオの内容に応じて自由に人格を使い分けてください。

ボス戦では『地獄への扉』『黒風鎧装』『闇堕ち』などの強力なユーベルコードを使って戦います。『闇堕ち』のみ、肉体の主導権がロードに移ります。

特にサポートの必要が無ければ、流してください。


クロード・ロラン(サポート)
●心情
「俺は咎狩り!オブリビオンは皆狩ってやるよ!」
オブリビオンを倒すことこそ自分の存在意義と思っています
心情的に敵に同情することもありますが、
最終的にオブリビオンは狩るもので、それが救いにもなると思っています
助けるべき人がいれば、全力で助けに行きます
言動が素で中二病まっさかりな感じです

●戦闘
小柄さ・身の軽さを活かした、スピードやアクロバティックな動きで戦うタイプ
ダッシュ、ジャンプを多用し、敵の死角に潜り込んでUCを使います
武器は大鋏。斬ったり、叩いたり、お好きに使わせてください

その他、連携やアドリブお任せします


風雷堂・顕吉(サポート)
アドリブ連携歓迎

約100年前、ダークセイヴァーの人類敗北以来、ヴァンパイアとの死闘を細々と繰り広げてきたダンピール、それが俺だ。
ダークセイヴァー世界の大抵のヴァンパイア相手ならそれがどのような血族かは知っているし、知らなくとも調べる伝手はある。
それ以外の世界については物珍しそうに振る舞うことになる。すぐに慣れるだろう。
ダークセイヴァーとスペースシップワールド以外の世界は日差しが強すぎるので、サングラスを着用する。

戦闘は剣士の動きだ。
フェイントを多用する。相手が格上や多数の場合は挑発をして隙を作ることもある。
次に参加する猟兵が戦いやすい状況を作ることも多い。



●大都会のような国
 その場所は、蒸気建築に埋め尽くされた大都会のような国だった。
 その中を所狭しと走るのは、何台もの魔導列車であった。
 魔導列車は勢いよく煙を上げながら、蜘蛛の巣の如く張り巡らされた線路を走り回っていた。
「あらあら、いけない、いけない。遅刻、遅刻~」
 そんな中、猟書家『レディ・ハンプティ』が慌てた様子で、食パンならぬトゲつきハンマーを振り回し、猟兵達に襲い掛かってきた。
 だが、誰にも当たらない。
 殺気全開で不自然なほど爽やかな笑顔を浮かべて迫ってきたため、猟兵達の誰もが『コイツは、ヤバイ!』と本能的に理解したのか、みんな全力で避けまくっていた。
「あら、残念。やっぱり、扱い慣れていない得物じゃ、誰も仕留める事が出来ませんね」
 レディ・ハンプティが思いっきり残念そうにしながら、トゲつきハンマーをドシンと置いた。
 その拍子に地面が不自然にめり込み、大量の破片が宙を舞った。
「……当たり前だ。能面のような顔で、笑顔を浮かべられても、不気味なだけだ」
 七瀬・麗治(ロード・ベルセルク・f12192)が、嫌悪感をあらわにした。
 レディ・ハンプティの顔は、不自然なほど整っているため、まるで人形のようだった。
 その上、それが人間のように表情豊かであるため、美しいと言う印象よりも、不気味さの方が際立っていた。
「あらあら、酷い、酷過ぎるわ。この顔は父様に作ってくださったものなのに……。それなのに、なんて……酷い事を!」
 レディ・ハンプティが苛立ちを隠せない様子で、こめかみを激しくピクつかせた。
「父様?」
 周防・のどか(機械仕掛けの少女・f15901)が、不思議そうに首を傾げた。
 わざわざ聞く事ではないかも知れないが、少し……気になった。
 もちろん、それを知ったところで、やるべき事は変わらない。
「父様は、父様ですわ。あなた達には、大魔王アウルム・アンティーカと言った方が分かりやすいかしら」
 レディ・ハンプティが大魔王アウルム・アンティーカを思い浮かべ、ウットリとした表情を浮かべた。
 ……大魔王アウルム・アンティーカ。
 その名前に、猟兵達は聞き覚えがあった。
 それは大魔王第一形態。
 上の頭、真ん中の人、腹の口が特徴的だったアレな大魔王……。
 どうやら、それがレディ・ハンプティの中では、思い出補正が掛かり、無駄にイケメン仕様になっているようだ。
「へー、大魔王がお父さんなの? ところで、上・中・下の、どの人? で、お母さんは、どんな人?」
 ニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)が、興味津々な様子でレディ・ハンプティに問いかけた。
「みんな父様ですわ♪ 母様の事は、よく分かりませんが、きっと私と同じように、美しい方だったはず。そんな事より、父様の事を聞いてください! 私が父様に、どれほど愛され、大切にされてきたのか、を!」
 レディ・ハンプティが興奮した様子で、猟兵達に迫ってきた。
 しかし、瞳孔が開いているせいで、かなり不気味。
 心が壊れ、不安定になっているのか、口調も定まっていない様子であった。
「父娘の間の絆……と言うだけでは、片付けられない気がしてきましたね」
 草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)がドン引きした様子で、警戒心をあらわにした。
 レディ・ハンプティが父親に向ける愛情は、異常。
 ネットリと絡みつき、糸を引きそうなほど、濃厚。
 その口から父親に関する言葉が漏れるたび、背筋からゾッと寒気が走った。
「まったく何も分かっていませんね。あなた達は父様と戦って、何も感じなかったの? 無限の愛を全身に浴びて、何ひとつ感じなかったの? だから、殺したのね。あんなに優しかった父様を……!」
 レディ・ハンプティが殺気立った様子で、猟兵達に吠えた。
「だとしたら、どうしますか? わたくし達を殺しますか?」
 マルコ・ガブリエル(焼肉天使・f09505)が、警戒した様子で身構えた。
「あらあら、怖い、怖い。でも、最初に手を出してきたのは、そっちよ。あんなに優しかった父様を手に掛けたのですから……。それは万死に値するわ! ああ……、想像するだけで、イライラする! どうせ、父様の優しさを利用して、薄汚い手を使ったんでしょ! 見ればわかるわ! 容易に想像する事が出来るもの」
 レディ・ハンプティが鬼のような形相を浮かべ、歪んだ妄想を膨らませた。
 その中で大魔王アウルム・アンティーカは数百倍ほど美化されており、まるで少女漫画に登場する王子様の如くキラキラだった。
 それとは対照的に、猟兵達は世紀末覇者王チックな漫画に出てきそうなほどのチンピラスタイル。
 何故か、得物も鉄パイプや、釘バットに変わっており、悪逆稼働の限りを尽くしていた。
「いまさら何を言っても無駄か。まあ、何であれ、相手はオブリビオン。俺にとっては狩るべき相手でしかない」
 クロード・ロラン(黒狼の狩人・f00390)が躊躇う事なく、レディ・ハンプティに対して言い放った。
「ほら、やっぱり! 私の予想通り! 今度は私を殺すんでしょう? 父様を殺したように!」
 レディ・ハンプティが何かに取り憑かれたような表情を浮かべ、両目をギラギラと輝かせた。
 頭の中で、どのような妄想が膨らんでいるのか分からないが、今にもモザイクが掛かりそうなほど、ヤバイ表情を浮かべていた。
「レディ・ハンプティ様……。あなた様をアルダワへと行かせるわけには、まいりません。どうか……。このアリスラビリンスにて、お眠りを……」
 ネーヴェ・ノアイユ(冷たい魔法使い・f28873)が覚悟を決めた様子で、レディ・ハンプティの前に陣取った。
「お眠りなさい……ですか。本当は、こう言いたいんじゃありませんか? 『早く、死ね。この野郎……』って。でも、残念。私には、やるべき事があるの! 父様の想いを、単なる理想ではなく、現実のモノにするために……!」
 次の瞬間、レディ・ハンプティが乳房の下にある口がアングリと開き、猟兵達に噛みつく勢いで迫ってきた。
「……やるべき事か」
 風雷堂・顕吉(ヴァンパイアハンター・f03119)が【血統覚醒】を発動させ、真紅の瞳に覚醒して、ヴァンパイアに変身した。
 それは、まるで夜の闇を纏ったのではないかと錯覚する程の漆黒だった。
「ええ、その通りですわ。あなた達を、この世から消し去った上で、アルダワを目指します。ですから、早く死んでください。……邪魔ですから」
 レディ・ハンプティが、たわわな乳房を揺らしながら、猟兵達に襲い掛かってきた。
「そう言われて、素直に応じる訳がないでしょう。せっかく守ったアルダワの世界に行かせはしないッ!」
 すぐさま、千秋が【ヴァリアブル・ウェポン】を仕掛け、内蔵兵器でたわわな乳房に無数の風穴を開けた。
「あらあら、乱暴ね。せっかく、苦しまずに死なせてあげようと思ったのに……。悶え苦しみながら死ぬのが、お望みなんて……」
 レディ・ハンプティが無数の風穴が開いた乳房を強調しながら、小馬鹿にした様子でクスクスと笑い始めた。
「……随分と余裕ですね。普通に考えれば、悲鳴を上げてもおかしくない程の怪我をしているのに……」
 その表情に恐怖を覚えた千秋が、心の生じた迷いを振り払うようにして、武器改造で炎の属性攻撃をアサルトウェポンの弾に込め、レディ・ハンプティを狙うようにして一斉発射した。
「あはは……。確かに、そうかも知れませんね。……ですが、よく考えてみてください。この痛みは、父様が感じた痛み。その痛みを、私は味わっているのです。つまり、私は父様と痛みを通じて、ひとつになっている訳ですわ! そう考えるだけでゾクゾクして、痛みなんて吹き飛んでしまうでしょう! だから、もっと! もっと、痛みを私に!」
 レディ・ハンプティが全身血まみれになりながら、興奮した様子で猟兵達に迫っていった。
「……狂っているな。いや、大魔王の娘だと考えれば、当然か」
 それを迎え撃つようにして、顕吉が躊躇う事なく攻撃を仕掛けていった。
 そのたび、レディ・ハンプティの身体が傷つき、大量の血肉が飛び散った。
「この痛み……この痛みが父様を死に追いやったのね! だったら、もっと激しい痛みを! もっと父様の気持ちに近づくために! さあ、さあ、さあ!」
 レディ・ハンプティが両目をギョッと見開き、乳房の下の口をガチガチと鳴らした。
「だったら、望みをかなえてやるよ」
 麗治が【魔人の本能(デモングラップル)】で左肩の肉を強引にもぎ取り、超高速かつ大威力の一撃で、乳房の下の口に生えた牙を木っ端微塵に破壊した。
「こ、これが父様の感じた痛みッ! さすが外道揃いの傭兵ね。やり方からして、えげつないわ。でも、まだです! まだですわ!」
 レディ・ハンプティが侵略蔵書『蒸気獣の悦び』を開き、魔導列車を召喚した。
 それに合わせて魔導列車の中から、黄金色の蒸気機関で武装した災魔達が飛び出してきた。
 武装した災魔達は、可愛らしい小人のようであったが、何故か顔だけリアルタッチ。
 一体、どこに需要があるのか分からない程、ハードボイルドテイストであった。
「これは、また……賑やかですね」
 すぐさま、ネーヴェが全力魔法で【六花の万華鏡(カレイドクリスタル)】を発動させ、美しく輝く雪結晶が重なった氷の盾鏡で武装した災魔達を受け止めた。
 だが、武装した災魔達はまったく気にしておらず、黄金色の蒸気機関をフル稼働させ、氷の盾鏡を破壊しようと必死であった。
「でも、ちょっと怖くありませんか? わわ、一斉に、こっちを見ないでください、怖いです!」
 その視線に気づいたマルコが、全身に鳥肌を立たせ、鈴蘭の嵐で自ら武器を無数の鈴蘭の花びらに変え、武装した災魔達を蹴散らした。
 しかし、武装した災魔達は、倒される時も、ハードボイルド。
 まるで、土手っ腹に弾丸を喰らったような感じで、ド派手に吹っ飛びながら散っていた。
「怖いというか……夢に出そうですよね」
 ネーヴェが氷の盾鏡を展開しつつ、少しずつ前に進んでいった。
 その間も、武装した災魔達が体当たりを仕掛けてきたが、みんな返り討ちにあって、ド派手に宙を舞っていた。
 その姿があまりにも哀れであったため、罪悪感すら芽生えていた。
「まさか、災魔達がこんなにも呆気なく倒れてしまうとは……。やはりキュートさを強調したせいかしら。そうですね、きっと、そう。でしたら、作戦変更です」
 レディ・ハンプティが肩の蒸気機関から吹き出す蒸気を纏う事で、武装楽団形態に変身した。
 その影響でスピードと反応速度が爆発的に増大し、レディ・ハンプティの目つきも鋭くなった。
「例え、倒す事が無理でも、時間稼ぎくらいなら……!」
 すぐさま、ニィナがランチャーから小さなミサイルを乱れ撃つと、爆風で蒸気を吹き飛ばそうとした。
「あはは、無駄、無駄、無駄ですわ。いくら攻撃を浴びせたところで、当たらなければ、どうって事はありませんもの」
 レディ・ハンプティが不敵な笑みを浮かべ、超高速でミサイルを避けた。
 それは超高速で反復横跳びをしているようにも見えたが、あまりにもシュール過ぎるせいで、あえて誰もその事には触れようとしなかった。
「いくら高速で移動したところで、この攻撃は避けられないだろう!」
 次の瞬間、クロードが【咎灼き炎(トガヤキホノオ)】で、黒い炎を纏い、高速移動をしながら、レディ・ハンプティを断罪する灼熱の炎を放射した。
「せーの、ばぁん☆」
 それに合わせて、ニィナが【ガジェット忍法・弾丸祭の術(ガジェットアーツバレットフェスティバル)】で、沢山のランチャーを作って、全方位に蒸気を吹き飛ばすようなグレネードを一斉発射した。
「こ、これは、さすがに……効きましたわ」
 レディ・ハンプティが傷ついた身体を庇いながら、必要以上に強がった。
「ひょっとして、あれ、父様では? そうですよね? どうみても、父様ですよね?」
 その間に、のどかが【レプリカクラフト】を発動させ、大魔王アウルム・アンティーカを模したニセモノを作った。
 それは、何処から、どう見ても、大魔王アウルム・アンティーカであった。
 多少つくりは荒いものの、そこにレディ・ハンプティの美的補正が加わり、イイ感じで父様だった。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああああん、父様! 父様! 父様ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァア!」
 その途端、レディ・ハンプティが興奮した様子で、大魔王アウルム・アンティーカのニセモノに迫っていった。
 だが、それこそのどかが、仕掛けた罠。
 レディ・ハンプティが大魔王アウルム・アンティーカに飛びついた瞬間、イイ感じで通りかかった魔導列車がドーンと直撃!
「父様ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
 哀れレディ・ハンプティは悲鳴と共に宙を舞い、猟兵達の前から姿を消した。

●【まな板ーず】
「あれ? 父様は、何処! 父様、父様、父様、父様、父様、父様、父様、父様、父様は、何処!」
 派手に吹っ飛んだレディ・ハンプティは線路の傍に落下し、何かに取り憑かれた様子で、大魔王アウルム・アンティーカを探していた。
 その姿は、誰もがドン引き。
 普通であれば、避けて通っていくほど、目がヤバかった。
「ここで会ったのも、何かの運命……。いや、宿命ッ! わたしは貴方を止めさせてもらうわ……。理由は……解るわよね?」
 ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)が、レディ・ハンプティを見つめ、不敵な笑みを浮かべた。
「……理由? さて、何でしょう? 何の心当たりもありませんわ。それよりも、父様! 父様は、何処ですの!」
 レディ・ハンプティは、たわわな胸を揺らしながら、瞳孔の開いた眼で辺りをギョロギロと見回した。
「誤魔化したって無駄よ、無駄。貴方の、その大きな乳が罪なの! それがある故、わたしは貴方を生かすわけにはいかないわ……!」
 ヘスティアがイラついた様子で、こめかみを激しくピクつかせた。
 この状況で無視されるのは、腹立たしい。
「……罪? この胸が? どうして? 何故? 何が罪なの?」
 その間も、レディ・ハンプティは、たわわな胸を、これみよがしに揺らして、揺らして、揺らしまくった。
 それがヘスティアの感情を逆撫でし、怒りをメラメラと燃え上がらせた。
「どうやら私達のアルダワ戦争は終わっていなかったようですわね……」
 シルヴィエート・ラーヴル(お姫様Lv1・f25627)が、激しく湧き上がった怒りを抑えるようにして、レディ・ハンプティのたわわな胸をジロリと睨みつけた。
「シルヴィエート、この巨乳戦争に終止符を打つわよ」
 その気持ちを察したヘスティアがスモークミサイルを撃ち込み、レディ・ハンプティの視界を奪った。
「えぇ、もちろんです、ヘスティア様。徹底的に、潰して、差し上げましょう!!!!!!!」
 それに合わせて、シルヴィエートが煙に紛れつつ、建物の物陰に身を隠した。
「あはははは、何処に隠れても、無駄よ、無駄! すぐに丸呑みしてあげますわ」
 レディ・ハンプティが高笑いを響かせながら、乳房の下の口でヘスティア達に噛みつこうとした。
 だが、先程の戦いで、乳房の下の口の歯は、ボロボロ。
 そのため、ギリギリまで近づき、シルヴィエート達を丸呑みするしか、勝機はない。
「ヘスティア様、徹底的に、その余分な脂肪を潰して差し上げてくださいませ!!
 その間に、シルヴィエートが『молитва(手袋)』から氷結の力を放って、レディ・ハンプティの足元を凍りつかせた。
「な、何よ、これ!」
 レディ・ハンプティが、驚いた様子で悲鳴を上げた。
 しかし、両脚が凍り付いているせいで、全く身動きが取れなかった。
「……そのでかい乳諸共爆散させてやるわ!」
 それと同時に、ヘスティアがレディ・ハンプティの乳房の下にある口めがけて、【対艦攻撃弾道弾運搬機レッドキャップ(エーエスビーエムコンテナレッドキャップ)】を放ち、単純で重い対艦ミサイルを発射する犬の頭型ドローンを射出した。
「な、何をしたの! ねぇ、何を……したの!」
 その途端、レディ・ハンプティが危機感を覚え、悲鳴にも似た叫び声を響かせた。
 だが、犬の頭型ドローンは、既に乳房の下の口の中。
 吐き出そうにも、吐き出す事が出来ない程、喉の奥。
「嫌よ、嫌、嫌! 助けて、父様ァァァァァァァァァ!」
 その事を理解した瞬間、レディ・ハンプティが断末魔を響かせ、爆発四散した。
「……終わりましたわね」
 シルヴィエートが汚い花火と化したレディ・ハンプティを眺め、やり切った様子で深い溜息を漏らした。
 ……戦いは終わった。
 しかし、戦いとは虚しいモノ。
 瞳から溢れる涙が、それを物語っていた。
「悪は……滅びた!」
 そう言ってヘスティアが瞳に浮かんだ涙を隠すようにして、澄み渡った青空を眺めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月16日


挿絵イラスト