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迷宮災厄戦⑯〜戦いはりんごの中で

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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「みんなー、集まってくれてありがとー」
 君達にお礼を言ったレティエル・フォルクエイン(オラトリオのサウンドソルジャー・f15293)は今日もアリスラビリンスの世界のことなんだけどと前置きした上で、今も続いている戦争を優位に運ぶために協力して欲しいんだよと続けた。
「みんなには、巨大な林檎の国に行ってほしくて」
 食べることのできる林檎で出来たその国は、実を食べればトンネルを掘ることができ、その国のオウガも同様に林檎を食べることで洞窟を作っているらしい。
「気づかれないように堀り……食べ? とにかく、トンネルを掘っていけば、オウガさん達に不意打ちを浴びせちゃうことも可能だから」
 リンゴの中を食べ進んで林檎に巣くうオウガ達を強襲し倒してほしいというのがグリモア猟兵からの依頼だった。
「それで、みんなに倒してほしいオウガさんだけど、昆虫採集などで乱獲された鱗翅目の怨念がオブリビオンになったものなんだって」
 精神的にも幼く泣き虫だが集まると強くなるのだとか。
「戦いは数ともいうし、いっぱいいたら油断はできないよね」
 だが、君達が林檎を食べ進んで強襲するのなら不意を打てるし、工夫すれば仕掛ける相手だって選べるだろう。
「オウガさんは沢山いると思うけれど、数の少ない集まりになったところを狙ってみるとか」
 もっとも強襲するとなるといかに相手に気づかれず進むかということも考えないといけないかもしれないが。
「大変なお仕事かもしれないけど、レティちゃんもしっかりサポートするから、どうかよろしくね」
 ぺこりと頭を下げると、グリモア猟兵の少女はそのまま君たちを送り出すのであった。


聖山 葵
 リンゴ狩りに行って思ったより食べられなかったことをふいに思い出しました。

 という訳で、今回はおっきな林檎を食べ進んでオウガを強襲、倒していただくお話となっております。

 また、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になります。

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 プレイングボーナス……林檎を食べ進み、奇襲する。
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 ではご参加お待ちしておりますね。
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第1章 集団戦 『マユラ』

POW   :    飛んで火に入る夏の…
【攻撃的な紋白蝶の群れ】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【嫌がる音域】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD   :    花蝶風月
【泣く事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【追加でマヒ効果の有る鱗粉】で攻撃する。
WIZ   :    羽化
戦闘中に食べた【花の蜜】の量と質に応じて【いつもより強気になり】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。

イラスト:pico

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リアナ・トラヴェリア
果実に虫が作っていう話はよく聞けれど、この世界でも同じなんだね。
でもそれがオブリビオンならどんなに同情に値しても討つしかない。
悪いけど倒させてもらうよ。

まずは魔獣の顎で静かにリンゴを食べ進めていくよ。時折足を止めて周りの音に変わったものがないかどうか確認。特殊な音を出すっぽいしね。
そして敵を見つけたら壁を破って不意打ちするよ。

相手が飛ばしてくる紋白蝶は黒剣を回転させてそのまま食べさせるよ、こちらが嫌がるって音も空気の運動だから一緒に食べられるはず。
攻撃してるって相手が思っている内に防御させずに攻撃するよ。

怖がりな相手ほど怖いから、私は油断なんかしてあげないよ。



「果実に虫が作っていう話はよく聞けれど、この世界でも同じなんだね」
 巨大林檎の赤い皮に視線を落とし、リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)は呟いた。グリモア猟兵の少女から、この林檎に潜んでいるであろう相手のことも聞いている。昆虫採集などで乱獲された鱗翅目の怨念からなるものであるということを。
「でもそれがオブリビオンならどんなに同情に値しても討つしかない」
 リアナが猟兵であるから、行く手を阻むから、理由はいくつかある、だから。
「さあ、食事の時間だよ!」
 まず黒鱗剣を抜くと徐に切っ先を林檎へと向けた。黒鱗剣の刀身に魔獣の顎が生まれ、剣は巨大な林檎を食む。なるべく静かに身を削り、瞬く間にできてゆく穴はやがて人一人が通れるほどにまで広がり。無言のままにリアナは林檎に出来たトンネルへ足を踏み入れる。
(「うん、何も聞こえない」)
 時折足を止め、何か音が聞こえないかを確認し、そして黒鱗剣へ再び林檎を食べさせ堀り進む。
(「あれ?」)
 二度、三度とこれを繰り返した後のことだった。複数のしゃくしゃくという音が重なって聞こえてきたのは。
(「そんなに遠くないから、そろそろ――」)
 リアナはすかさず音の方へと掘り。
「「きゃあああっ?!」」
 ぼろりと前方が崩れた直後に向こうから悲鳴が上がった。
「悪いけど倒させてもらうよ」
 突然現れたリアナに林檎の欠片を落として棒立ちになっていたオブリビオン達に黒鱗剣を防ぐ術はない。薙ぎ払われて鱗翅目の虫のような羽根と触覚を持つ少女たちは崩れ落ち。
「ひうっ」
「て、てきっ」
「やっつけて!」
 突然の仲間の死に動揺し身をすくませる者が出る一方で、一部のオブリビオンの少女達は紋白蝶の群れをリアナへ嗾け。
「っ」
 リアナは黒剣を回転させ、再び生じた魔獣の顎が押し寄せる紋白蝶を食べてゆく。
「そんなっ」
「怖がりな相手ほど怖いから、私は油断なんかしてあげないよ」
 驚きに顔を歪めたオブリビオンの少女は蝶の群れを放った格好のまま斬り伏せられ。
「さんにんのかたき」
 さらに別の個体が蝶の群れを差し向けるも、先程の光景が繰り返されるのみ。
「なんで……おんいきは、かんぜんにおぼえたはずなのに」
 攻撃した相手の嫌がる音域を覚えることで、紋白蝶の群れの攻撃は凌がれにくくなるはずだった。だが、オブリビオン達は知らない。紋白蝶の群れが発した音ごと黒剣に食べられていたということを。
「なん、で」
「うそ」
「こん、きゃあっ」
 だから理解が及ばない恐怖を顔に浮かべたまま、その場にいた残るオブリビオン達達も斬られ崩れ落ちるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
林檎、美味しいですよねぇ。
それでは参りましょうかぁ。

[大食い]の心得は有りますから「量」や「食べ進める速度」については殆ど問題ないでしょうが、『飽き』等の問題が出ましたら『鞄』から調味料を出して味を変えるなり、『刀』で斬りビニール袋に入れて保存、休憩しつつお土産を確保して再度食べ始める等の形で対処しますぅ。
『F●S』3種は展開しておき、不意の遭遇戦にも対応出来るようにしておきますねぇ。

遭遇したら『FSS』を防御に使い『FBS』は後方からの不意打ちに備え、『FRS』の[砲撃]で交戦しつつ【乳焔海】を使用し[範囲攻撃]、飛んでくる紋白蝶共々『乳白色の炎』で焼き払いましょう。


火土金水・明
明「今回、林檎を齧っている時間が多いような。本当に、太りそうですね。」クロ「その分、帰ったら運動するにゃ。」
【第六感】と【野生の勘】と【地形の利用】の技能を駆使し、使い魔のクロと林檎を齧りながら、相手の背後に移動を試みます。
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付けた【コキュートス・ブリザード】で、『マユラ』を攻撃します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



「林檎、美味しいですよねぇ」
 林檎のトンネルの中に転送された夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は果肉で出来た壁をちらりと見やると、それでは参りましょうかぁと食べ始めた。
「今回、林檎を齧っている時間が多いような。本当に、太りそうですね」
「その分、帰ったら運動するにゃ」
 そんなるこるの後方に転送された火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)の呟きに黒猫の使い魔であるクロは応じて、るこるの側まで進むと果肉の壁をしゃりしゃり食べ始める。
「早く敵の近くまでたどり着けるといいのですが」
 どれほどの所要時間を要するか。こればかりは、実際食べ進んでみないことにはわからず。けれども、他に食べる味方が、しかも大食いの心得のある猟兵が居合わせたのは、明にとっては幸運だろう。
「根拠はありませんが、あちらのような気がします」
「はぁい」
 そこからは、うまく分業が出来ていた。野生の勘と第六感を頼りにおおよその方角を明が示し、るこるが林檎の果肉を食べ進む。明やクロも当然林檎を食べるのには協力していたが、大半を消費したのはるこるだ。
「林檎と言うとシナモンも合いそうですねぇ」
 時折飽きがこないよう調味料で味を変え。
「これは持って帰りますぅ」
 漆黒の刀身の脇差を用いて果肉を切り取るとお土産用にビニール袋へとしまい。
「このあたりで休憩にしましょう」
 時折休憩も挟むことでテンポは落ちず。
「そろそろのような気がします」
「わ、わかりましたぁ」
 これまで通り食べ進んでいたところで明が声をかければ、るこるは浮遊する12枚の戦輪と8枚の小型ビームシールドを展開し。
「美味しいね」
「けど、さすがに飽きて来たよ」
 果肉の壁を掘りぬけば、聞こえてきたのは聞き覚えのない声同士の会話。二人と一匹がそちらを見やれば、鱗翅目の虫のような羽根の生えた背中を見せる少女が数名。オブリビオン達はまだ明達には気づいていないらしく。
「我、求めるは、冷たき力」
 何も知らぬオブリビオン達の背へは立たれたのは、四百を超える冷たく凍てつく魔法の矢。高速の詠唱によってに先んじて完成した魔法は、横殴りの雨の様に襲い掛かり。
「え」
 オブリビオンの少女達、その一体が偶然気づいたときには遅すぎた。瞳いっぱいに広がる、とても躱しきれない量の魔法の矢。
「きゃあっ」
「あ」
「がっ」
 射抜かれ、凍り付き氷像となって立ち尽くす者もいれば、急所にあたり即座に傾ぎ倒れ伏す者も居て。
「そん、みんな……」
 呆然とするのは、たまたま味方が盾になって生き延びた、少数のオブリビオン達。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの理をここに」
「ぎゃ」
「きゃああっ」
 その生き残りも、次の瞬間にはるこるの展開する女神の波動に当たり、乳白色の炎に包まれてバタバタと倒れ伏す。
「一方的なことになりましたね」
 不意を打てた上、るこると明が共に多数を相手どれる攻撃手段を有していたからだろうか。林檎の中のオブリビオンは大きく数を減じ。
「ひめい、きこえた」
「こっち」
 パタパタと駆けてくる声を聞き。
「て、敵がまた」
 るこるは再び浮遊する12枚の戦輪と8枚の小型ビームシールドで敵に備えるも、意味はあまりなかったかもしれない。
「少しでも損害を与えて次の方に」
 音の方に向き直った明が再び高速で詠唱を始めたのだ。
「我、求めるは、冷たき力」
「あっ」
「かはっ」
「ぎっ」
 結果として、出合い頭に魔法の矢の雨にさらされたオウガ達は更に数を減じることとなる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

秋津洲・瑞穂
そんなに食べられるかっ。

トンネル掘り20あるから、食べなくても進めるけどー。
まーちょっとくらいは(シャク)あら美味し。

とはいえ様式美というモノもあるわけで、
狐火さんたちに好きなだけ食べてもらいましょう。
あー蒸発させちゃだめよー。
周囲が塞がってるから水蒸気爆発しちゃう。
ゆっくりじっくり火力(もとい)霊力に変えて取り込んでね。

……って水蒸気爆発……あ、そっか。

野生の勘10/聞き耳10を働かせながら掘り進み、
蝶々さんが近づいた気配があれば、横道を掘って退避。
狐火さんたちに突撃してもらって、周囲のリンゴを一気に過熱。

見よ即席兵法、水蒸気爆発の術!

……普通に丸焼きにすればじゃん、とは言わないお約束よ?



「そんなに食べられるかっ」
 そうして他の猟兵達によってオブリビオン達が数を減じていた頃、転送された秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)はどうぞご自由にお食べ下さいとばかりに行く手を塞ぐ果肉の壁にツッコんでいた。
「掘るだけでいいなら、進めるけどー」
 トンネル堀りの心得のあるにとって自重に押し固められた土や石の混じった土と比べれば、林檎の果肉ははるかに掘りやすい代物だった。問題は、掘れば掘った分残る果肉だ。
「まーちょっとくらいは……あら美味し」
 掘り出した果肉を人欠片つまんだ瑞穂はしゃくりと齧って目を見開き。
「んー、とはいえ様式美というモノもあるわけで、狐火さんたちに好きなだけ食べてもらいましょう」
 それでも先のツッコミの通り一人では処理しきれないことも踏まえ、周囲に狐火を浮かべ。
「あー蒸発させちゃだめよー。周囲が塞がってるから水蒸気爆発しちゃう」
 放つ前にゆっくりじっくり霊力に変えて取り込んでねと前置きしてから果肉の山へと飛ばし。
「……って水蒸気爆発……あ、そっか」
 じっくり狐火に処理されてゆく林檎の果肉を見て瑞穂はポンと手の平を打つ。何か思いついたのであろう。そこからは黙ったまま、時折耳を澄ませつつ林檎の果肉を掘り進み。
(「この辺で良さそうね」)
 まるで一点を回り込むように掘り進んだ瑞穂は出来たトンネルに狐火を並べてゆき。
(「じゃ始めましょう」)
 安全を確保したうえで、狐火を一気に果肉の壁に向かわせる。これによって林檎の果肉内の水分が一気に過熱され。
「見よ即席兵法、水蒸気爆発の術!」
 生じた爆発にオブリビオン達の悲鳴がかき消される中、退避用の横穴で術の名を口にした瑞穂はくるりと振り向く。
「……普通に丸焼きにすればじゃん、とは言わないお約束よ?」
 呟いたのは、フォローの為にたぶん見ているであろうグリモア猟兵に向けてであろうか。
「どうやら、これで終わりみたいね」
 そのまま横穴を出て爆発の後に向かい、倒れ伏すオブリビオン達が骸の海に還りつつあるのを確認すると瑞穂も転送され、戦いは猟兵達の勝利で幕を閉じたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月15日


挿絵イラスト