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西瓜惨殺殺人事件

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●注意:この依頼はワル乗り依頼です(大事)
 海です! とお気に入りの水鉄砲携えて、華切・ウカ(空鋏・f07517)は猟兵達へと声向ける。
 アリスラビリンスでの戦争の真っ只中。しかし、だからこそ海に遊びにいきませんか、という事らしい。
 それも海底にある島――海闊島、という所に。

 そんなわけで!

 ウカの案内で海闊島へとやってきた猟兵たち!
 泡につつまれた島は呼吸に困ることもまったくなく、時折空から魚がふってくるくらいが事件。
 頭上に広がる海の空! 目の前に広がる海の空!
 わぁい海でバカンスだ~! なんて――飛び出した矢先。

「きゃあああああああああ!!!! だれか、だれかー!!!」

 浜辺には甲高い叫び声が響き渡った。その声につられてそちらへと向かえば惨劇が広がっていた。
 周囲には西瓜が転がる。
 散らばる赤い色(西瓜)、倒れた男(西瓜まみれ)、そして男が握りしめた魚(大きい)。
 聞けば、この散らばる西瓜はこの場所に積まれていたものだという。
 西瓜割り用に売っていたひえひえの西瓜だ。
 そして男は、この西瓜を売っていた男で、手に持っている魚は一体何なのか。
 幸いな事に、男は頭を打って意識をとばしているだけで命に別状はない。
「落ちてきた魚キャッチしてそのままバランス崩してつっこんだかですね」
「ま、その辺が妥当だから捜査もなにもですね。はい、いつもの事故案件処理~」
「そんなことないわ! ジョンはイケメンのできる男なのよ! そんな間抜けなことあるわけないじゃない!」
 私がジュースを買いに離れていた隙に、何者かにやられたのよ!! と、第一発見者の女――男、ジョンの恋人であるマリーンは叫ぶ。
 しかし、状況からしてそんなことはない。(なおこのジョンとマリーンはラブラブカップルだ。しかしマリーンはとても思い込みの激しい女である!)
 マリーンは喚いているが、捜査にきたものたちは顔を見合わせて解散と言っている。
 だが本当にそうなのか――そう思うものもいるだろう(多分いない)。
 彼が目覚めればその魚の意味も、誰にやれたのかもわかることだろう。
 だが目覚める前に全ての謎(多分ない)を解いてしまってもいい。
 そうこれは犯人の分からぬ迷宮事件――なんて、マリーンの思い込みに乗る形で住民の一人が悪乗りを始めてしまった。
 真夏のテンションなので仕方ない。そう全部真夏のテンションなので仕方ない。
 そういうことにして――探偵ごっこをしよう。
 聞き込みだ! と周囲の人に何かを訪ねてもいいだろう。
 地道に、他になにか証拠がないか探してみてもいいだろう。
 なぁあんたたち、手伝ってくれよ、この事件が迷宮入りにならぬように! なんて、頼まれてしまったら、手を貸さねばなるまいよ!
 ひと夏の――探偵ライフが幕をあける。


志羽
 お目通しありがとうございます、志羽です。
 プレイング締め切りなどのタイミングはお手数ですがマスターページの【簡易連絡】をご確認ください。

 このシナリオは既に猟兵達によってオブリビオンから解放された島となります。
 また、このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。

 一章まるっと、わるのりお遊びシナリオです。
 犯人? まぁいませんね……ちょっとした偶然の産物です。OPの通りです。
 いやいやちょっと、と真面目に突っ込んでもいいですし。
 思い切り悪乗りでのっかってもいい。むしろ隣にいる人を犯人にしてもいい。
 ご自由にどうぞ! どうにかする!!
 そのへんに聞き込みをしたら適当にモブをうみます!!
 騒ぎがあったみたいだけど……まぁいいか、海であそぼ!という感じで遊んでても全然OKです。

 公序良俗に反しない。また他の方に迷惑のかからない内容でしたら問題ありません。
 当然の事ながら、未成年の飲酒喫煙については絶対禁止です。(なお見た目年齢で判断致します)

 グループ参加などの場合は、ご一緒する方がわかるように【グループ名】や【ID】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。

 お声がけあれば志羽のグリモア猟兵も遊びに参ります。

 以上です。
 ご参加お待ちしております。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み』

POW   :    海で思いっきり遊ぶ

SPD   :    釣りや素潜りを楽しむ

WIZ   :    砂浜でセンスを発揮する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●捜査資料(浜辺に皆でわちゃわちゃ書いた)
 事件名前:西瓜惨殺殺人事件(死んでない)
 時間:さっき
 場所:浜辺の一角
 被害者:ジョン(イケメン! できる男! 間抜けなわけがないじゃない!)
 第一発見者:マリーン(ジョンの彼女。思い込みが激しい。ジョンLOVE!)

 捜査結果:頭上から落ちてきた魚をキャッチ、もしくはキャッチし損ねて西瓜に突っ込んだ事故。
 特に操作の必要はない。
 解決済み。
(捜査結果には大きく二重線が引かれている)

 捜査途中!!
 マリーンがジュースを買いに少し離れている間に、ジョンは殴打され西瓜塗れで魚を握って倒れていた。
 凶器→第一候補は西瓜(西瓜まみれなので)ジョンがうっている西瓜はひえひえで美味しい。西瓜割りによく買われていた。
    他にもはまべでたくさんみつけた。
 容疑者→はまべでたくさんいる。動機はある(かもしれない)。

 他、聞き込み調査中~!!

(このあといろんな落書きが続いていく――)
(これを主に書いていた住人が飽きたと見える)
ミハヤ・ウェルフォード
はとり先輩(f25213)と

わあー崩壊してない真夏の海って爽やかだね
クールな先輩の横ではしゃいでたら天候が…
えっここ、そんな危険な場所だったの?

しかも西瓜の香りが…
はとり先輩!これは事件ですね!
皆さん安心して!はとり先輩は名探偵なんだよ 
ファンタスティックに事件の真相に迫って、即解決間違いなし!(大声

私は特大西瓜の中に犯人が潜んでいた気がするよ
それで西瓜の中から不意打ちして…
えっ、違う?ふむふむ…なるほど…
中身は全部食べたのかも…でもそうだと犯人は今頃お腹いっぱいで動けないかな…

! やっぱりはとり先輩すごい!
こんな巧妙なトリック、はとり先輩じゃなきゃ絶対気づかない
白雪坂のホームズはすごすぎる!


柊・はとり
ミハヤf24963と

いい夏だ
故郷だと空から降ってくんのゾンビだもんな
ん…?海上の天候が怪しい(※UCのせい)
注意しろミハヤ
ここは既に脱出不可能な海底の孤島かもしれないぜ…

っておい待てあんまハードル上げんな
ど、どうも…高校生探偵の柊はとりです(小声

まあまずミハヤの推理を聞いてみる
す、西瓜の中…?桃太郎かよ犯人
うん…発想は良いが多分違う
どうやって西瓜に入った
そして中身どこ行った
答えんなよ…意外と探偵の才能あるなお前

どう考えても第一発見者の恋人が一番怪しい
マリーンは実は凄い怪力の持ち主で遠距離から西瓜を投げた
そしてジュースを買いアリバイを確保する…これが真相だ
ほら目撃者(捏造)もいたぜ…罪を認めろ!



●はとり先輩の事件簿
「わあー崩壊してない真夏の海って爽やかだね」
 砂浜をはしゃぐように、一歩二歩、三歩目は大きくじゃんぷしてミハヤ・ウェルフォード(人間のストームブレイド・f24963)はくるり、回って柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)へと向き直る。
「いい夏だ。故郷だと空から降ってくんのゾンビだもんな」
 と、はとりが言っていると――。
「ん……? 海上の天候が怪しい」
 海の様子が様変わり。ざざんと不穏な音、そして海の空が鈍く濁り、そこからザザー! と海水が雨のように降り落ちてくる。
「注意しろミハヤ」
 はとりはすっと眼鏡のブリッジを押し上げ、探偵的な角度を作り上げるとその瞳を意味ありげに細めてミハヤへと向ける。
「ここは既に脱出不可能な海底の孤島かもしれないぜ……」
「えっここ、そんな危険な場所だったの?」
 楽しい夏のビーチじゃないの? と、ミハヤが思っていると――ふわり。というよりは自己主張はげしく。
「しかも西瓜の香りが……」
 すん、とミハヤや匂いを辿る。
 そちらを見れば――砕ける西瓜、西瓜の中で魚を持って倒れる男の姿。
 そして捜査が終わり喚く女の姿――つまり事件。
 事件! いこーる! はとり先輩のステージ!!
 と、ミハヤの頭の中でぴこんと方程式ができあがった。
「はとり先輩! これは事件ですね!」
 ここは、はとり先輩が格好良く華麗に素敵に事件解決する所。
 そう思ったミハヤはずざっと、浜辺の砂を巻き上げる勢いで急ブレーキをかけて現場(数メートル先の近距離)に急行した。
「皆さん安心して! はとり先輩は名探偵なんだよ」
「えっ、探偵!? 探偵ならこの事件を解決してよ! あたしのジョンをこんなにした犯人をぎったんぎったんにしてやるんだから!」
「任せて! ファンタスティックに事件の真相に迫って、即解決間違いなし!」
 そう言って、ミハヤがはとり先輩! お願いします!! と呼ぶ。
 浜辺に響き渡る――大声。
 皆の視線が、なんだろうとそちらへ向くのは仕方なきこと。
 待て、待てミハヤ。おい待てあんまハードル上げんなめっちゃみんなこっち見てるだろおい。
 という気持ちを抱きドキドキしつつ。わずかにかいた冷や汗を隠しつつ。
「ど、どうも……高校生探偵の柊はとりです」
 はとりは小声で自己紹介。
 しかし呼ばれたからにはこの事件を解かねばならぬのだ。
 はとりは咳払い一つ――ミハヤへと視線向ける。
「ミハヤの推理はどうだ?」
「私は特大西瓜の中に犯人が潜んでいた気がするよ」
 びし、と思案のポーズを決めたミハヤははとりへ答える。
 なるほど、潜んでいた――山積みっぽいしな、と西瓜が置かれていた場所を見つつはとりが思っていると。
「それで西瓜の中から不意打ちして……」
 なるほど不意打ち――中から?
「す、西瓜の中……? 桃太郎かよ犯人」
 西瓜の中からこんにちはー! するには、西瓜は小さい。巨大西瓜があるわけでもないとはとりは一応辺りを見回した。
 大きな西瓜、ない。ないな、ない。
「うん……発想は良いが多分違う。どうやって西瓜に入った。そして中身どこ行った。」
「えっ、違う? ふむふむ……なるほど……」
 ミハヤもその推理が無理であることを納得しただろうとはとりは思う。
 しかし、ミハヤは答えを導き出してしまったのだ。
「中身は全部食べたのかも……でもそうだと犯人は今頃お腹いっぱいで動けないかな……」
「答えんなよ……意外と探偵の才能あるなお前」
 その可能性も無きにしも――いやいや、ないない。
 はとりは首をゆるく降り、本当はこうだと推理を紡ぐ。
「どう考えても第一発見者の恋人が一番怪しい」
 マリーンは実は凄い怪力の持ち主で遠距離から西瓜を投げた――それがジョンにクリーンヒット。
「そしてジュースを買いアリバイを確保する……これが真相だ」
「! やっぱりはとり先輩すごい!」
 こんな巧妙なトリック、はとり先輩じゃなきゃ絶対気づかない――ミハヤはごくりと息を飲み、そしてばっとはとりを見詰めた。
 白雪坂のホームズはすごすぎる!
 きらららら……と尊敬のまなざしと共に。
「ほら目撃者もいたぜ……罪を認めろ!」
「えっ? えっ?」
 と、はとりは近くを歩いていた少年を捕まえてずずいと前に。
 少年、突然巻き込まれて意味がわからない。頭の上に見えない????が見える。
 ここは話を合わせておくべきか、どうするべきか。
 少年は迷っていた。しかし、マリーンのそんなわけない! という強い視線に射抜かれて。
「ボクナニモシリマセン」
 目撃者は逃走した!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アオイ・フジミヤ
シン(f04752)と

(サングラスにアロハシャツ姿で颯爽と現れて)
これは密室殺人です!
四方を西瓜に囲まれた中で大胆に犯行をやってのけるとは…
ふ、久しぶりに楽しませてくれそうね
この名探偵、アオイ・フジミヤを!

密室ったら密室なんだってば
被害者はやり手の西瓜密売人ね
こんな暑い夏の盛りに冷え冷えの西瓜、爆売れだもん
嫉妬した同業者、西瓜中毒者、疑わしきはたくさんいるわ

あ、西瓜ひとつください
(切ってもらってぱくぱく)おいしい!シンもどう?
えー、考えてたらお腹減っちゃったし
シンだってお魚美味しそうに見てるし

お腹いっぱいになったら眠い…え、被害者生きてた?
じゃあシン帰ろうか!
(抱えられて笑顔で帰っていく)


シン・バントライン
アオイ(f04633)と
(ハーフパンツにアロハシャツを羽織り眼鏡をかけ、何となく揃えた服装で)
…どこが密室殺人?
名探偵の助手シンです。

フジミヤ探偵は明らかに西瓜を食べたいだけ……おっと失礼、確かに冷え冷えの西瓜は爆売れ必至。同業者、中毒者、食べたいだけの西瓜好き……容疑者には事欠きません。
それにしても密室?浜辺で?…なんでやねん。(ボソリ)
むしろ被害者が持っている魚が気になるところです。…結構デカイな。刺身何人分いけるやろうか。
目を離した隙に西瓜食ってるし!?

(満足して眠くなったらしいフジミヤ探偵を抱え上げて退場)
魚も西瓜も出来ればゆっくり食いたいところやな。事件抜きで。

めでたしめでたし。



●(屋外)密室(西瓜)殺人事件の謎
 サングラスにアロハシャツに身を包み、颯爽と現れて開口一番。
「これは密室殺人です!」
 アオイ・フジミヤ(青碧海の欠片・f04633)はどーんと言い切った。
「……どこが密室殺人?」
 ここは海、屋外だ。密室など存在しないと、ハーフパンツにアロハシャツを羽織り、眼鏡をかけ。そう、アオイと揃えた服装のシン・バントライン(逆光の愛・f04752)は問いかけた。
「ふふ、密室は作られたのよ……四方を西瓜に囲まれた中で大胆に犯行をやってのけるとは……」
 なるほど、とシンは頷く。
 確かに西瓜に囲まれてしまえば密室――密室……密室ということにしよう。
「ふ、久しぶりに楽しませてくれそうね。この名探偵、アオイ・フジミヤを!」
「名探偵の助手シンです」
 だってアオイがやる気なのだから!!
 しかしやはり密室説をええ~という顔で見る者はいる。
 そう、被害者の彼女であるマリーンだ。
「密室なわけないじゃない。外よ?」
「密室ったら密室なんだってば」
「この探偵本当に大丈夫なの?」
 と、助手というシンを見るマリーン。しかしシンは微笑むだけだ。
 その間にもアオイの推理は続いている。
「被害者はやり手の西瓜密売人ね」
「密売はしてないわよ、普通に売ってるわ!」
「こんな暑い夏の盛りに冷え冷えの西瓜、爆売れだもん」
 ぱたぱた、手で仰ぎながらアオイは言う。マリーンの訂正? 聞こえていません。
「嫉妬した同業者、西瓜中毒者、疑わしきはたくさんいるわ」
 それにしても――じぃ。アオイの目は転がる西瓜へと向いていた。
 あれは割れている、あれは罅が。形がちょっといびつ――と目で追っていた。
 マリーンはごくりと息を飲む。その視線はこの周囲に何か見落としがないかと見ているようだったからだ。
 ただ西瓜をチェックしているだけなのだが。
「フジミヤ探偵は明らかに西瓜を食べたいだけ……」
「えっ?」
「おっと失礼、確かに冷え冷えの西瓜は爆売れ必至。同業者、中毒者、食べたいだけの西瓜好き……容疑者には事欠きません」
 マリーンの声にシンは口元隠して和やかに。
 そしてそれにしても――と助手モードで瞳を細めて。
「密室? 浜辺で? ……なんでやねん」
 ぼそり、つぶやいた言葉にマリーンは再び、えっ? というかそんな声は聞こえていない。
 シンもまた新たな物証、魚(最初からジョンが持っていた)へと視線を向けて、顎に手を当てて考え込む。
「むしろ被害者が持っている魚が気になるところです」
 何の魚だ。大きい。まだ時々びちびちしていないか――新鮮。粋が良いのは良い事だ。
「……結構デカイな。刺身何人分いけるやろうか」
 あれは赤身の魚――マグロか、マグロっぽいな。と思っていると。
「あ、西瓜ひとつください」
「ひとつ? 仕方ないわね……お代ちゃんと払うのよ! この西瓜がいいわね」
 と、マリーンもジョンの彼女。西瓜を見る目はあるようだ。
 ぱんっと縞模様に垂直、真ん中でぱんと切り、維管束という筋のようなものにそって六等分。
 さらに半分に切って、そこからまた小さく切った一つに早速アオイは手を伸ばしてぱくぱく。
「おいしい! シンもどう?」
「目を離した隙に西瓜食ってるし!?」
「えー、考えてたらお腹減っちゃったし」
 あ、もうひとつ貰うねとアオイはさらに一切れ、手を伸ばす。
「シンだってお魚美味しそうに見てるし」
 西瓜おいしいよ、と一つ差し出すアオイ。
 シンは受け取ってしゃくり。確かに美味しい。この西瓜が売れるのはわかる。
「で、犯人はわかったの!?」
 と、マリーンはわめいているがどこ吹く風。
 西瓜を食べ終わるまで待ってて、とアオイはいう。
 ぱくぱくと、大玉西瓜が消えていく――そして、お腹はいっぱいになって。
「お腹いっぱいになったら眠い……」
 ふあとあくびひとつ。と、倒れたジョンがうう、と呻いているのに気付いたアオイ。
「え、被害者生きてた?」
 なら――事件もなにも、そもそもないのでは!
 そう思ったアオイはシンの方を向いて。
「じゃあシン帰ろうか!」
 そうだなとシンはアオイを抱え上げた。アオイは西瓜を持ったまま、いわゆるお姫様抱っこされてご機嫌だ。
「魚も西瓜も出来ればゆっくり食いたいところやな。事件抜きで」
 そうね、とアオイは笑う。そしてシンはすたすたと歩み始めた。
「えっ、事件解決するんじゃなかったの!?」
 そんなマリーンの慌てる声がするが振り返ることはない。
 だって、事件などなかったのだから!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千頭・定
エリオくん/f16068 と!

可哀想なジョンさん!!
イケメンで仕事ができるならば、彼の不注意という筈がありません。マリーンさんの仰る通りです。
いきますよエリオくん!

犯人が近くにいるならば、聞き込みは舐められては負けです。
心を地獄の獄卒にして周囲の方にお声かけします。
こんにちは!(巨大錨担ぎ)
ジョンさんがお亡くなりなったのですが!(フルスイング)
彼を殺した方をご存じですか!(フルスイング)

おかしい。犯人がいません。
そんな時エリオくんの名推理にピーンときます!
さすがお兄さん。鬱々しながら頭はよろしいだけあります。
では、マリーンさんへの尋問に向かいましょう!!
アイスはその後です!!


鐘馬・エリオ
定/f06581
やる気満々が過ぎて怖い。
そもそも犯人なんていないんじゃないの?って声掛けたいけど、もう何も聞いてなさそうだから大人しく後を付いて行きます。

いきなり聞き込み!?
これは振り切らないと恥ずかしい。ボクも馬鹿になろ。
こんにちは!な定の後ろで睨んで威嚇。
馬鹿丸出しの質問…もう巻き込まれた人に申し訳ない。心の中で謝ります。

マリーンさんが犯人なんじゃない?西瓜と私どっちが大切なの!って殺したんだよ。
キリがないから、適当に言う。
もう鬱でもバカでも何でもいいよ。
アイス食べたい。買ってきて。



●獄卒★尋問★タイム!
「可哀想なジョンさん!!」
「あっ、また新しい登場人物……!」
 倒れ伏したジョンの傍、千頭・定(惹かれ者の小唄・f06581)は膝をついてのぞき込む。
「あっ、生きてる」
 うう、と呻く声は生きているからこそ。
「ジョン! ジョン!! 生きてたのね!!」
 最初から生きています。
 マリーンはその無事を喜ぶように抱き着いた。
「ごふっ!」
 そして、抱き着いた瞬間、みぞおちに綺麗に決まったらしい――ジョン、気を取り戻しかけたが再びの気絶。
 ぱたっと、その体から力が抜けてしまった。そうまるでこと切れたかのように。
「ジョンー!?」
「ジョンさんー!!」
 ――そんなやり取りを、ちょっと離れて見守っていた鐘馬・エリオ(イディオット・f16068)は極めて冷静だった。
 やる気満々が過ぎて怖い。このままいかせていいのだろうか、もう遅かった。
 定とマリーンはすでに盛り上がっている(方向性はともかく)。
「イケメンで仕事ができるならば、彼の不注意という筈がありません。マリーンさんの仰る通りです」
 必ず犯人を見つけてきます! 見つけてきて頂戴!!
 のりのりである。
「いきますよエリオくん!」
「ああ、うん……」
 そもそも犯人なんていないんじゃないの? って声を掛けたい。
 掛けたいけれど――掛けたとしても。もう何も聞いてなさそうだ。
 ここは大人しく後を付いて行くのがベストな選択――エリオは定の後ろをついていく。
 ちょっと離れて。
「犯人が近くにいるならば、聞き込みは舐められては負けです」
「いきなり聞き込み!?」
 ここは心を地獄の獄卒にして――周囲の方に声をかけて聞きこむべし!
 えぐりこむように! 聞きこむべし!!
「こんにちは!」
「えっ」
「ジョンさんがお亡くなりなったのですが!」
 ぶんっ!
「彼を殺した方をご存じですか!」
 ぶぶんっ!
「あっ……すみませんみていません……」
「ね、ねぇはやくいこ!」
「うっ、うん、じゃ、じゃあ……」
 そそくさと。ささーと定の周囲から人々が消えていく。
 それもそのはず。巨大錨担ぎながらフルスイング! フルスイング!
 ぶおっと振り回した時の風がエリオの髪を揺らした。
「……これは振り切らないと恥ずかしい。ボクも馬鹿になろ」
「エリオくん、次はあっちのひとに聞き込みです!」
 なるほど、おっけー、わかった。
 エリオも――振り切ることにした。まともな心でここにいてはいけない――いてもいいだろうが多分しんどい。
 ならば馬鹿になるのみ。
「こんにちは!」
 巨大錨フルスイングしながら再び問いかける定の後ろ、えっ? という視線を相手から受けるがエリオはキッ! と睨んで威嚇する。
 威嚇しながら――その心の中では謝っていた。
(「馬鹿丸出しの質問…もう巻き込まれた人に申し訳ない」)
 ごめんね、でもつきあってくれてありがとうごめんね――いくら聞きこんでも何も情報でてこないだろうに。
 ありがとうとエリオは思う。思うが睨んでいるのでひっ! と声あげてみんなは逃げていくのだ。
 巨大錨はぶんぶん風を巻き起こしているし。
「おかしい。犯人がいません」
 これだけ聞きこんでも何も情報がでてこない。定の唸る声。
 もっと聞き込みの範囲を広げるべきか――そんなことを言うもので。
「マリーンさんが犯人なんじゃない? 西瓜と私どっちが大切なの! って殺したんだよ」
 エリオはぺろっと。キリがないので適当に紡いだ。
 しかしその言葉は定めに名推理……! とピーンときてしまったのだ。
「さすがお兄さん。鬱々しながら頭はよろしいだけあります」
「もう鬱でもバカでも何でもいいよ」
 アイス食べたい。買ってきてとエリオは言う。
 もう聞き込みもいいんじゃない、というように投げやりに。
 けれど定はいいえ! と首を振った。
「では、マリーンさんへの尋問に向かいましょう!!」
 アイスはその後です!! と高らかに叫んで走り始める定。
 その後ろをエリオがのろのろついていく――その途中、マリーンの叫び声が聞こえた。
「きゃあああ!! なんで錨ふりまわっ、私は犯人じゃないわよ、ってジョンー!!!」
 振り回した巨大錨、ちょっと方向をミスってジョンに激突。ぐえってまた聞こえたけど気にしない。
 定、逆に殺人未遂でエリオにアイスの下へと連行される――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

浮世・綾華
【秋】

単純明快?
いや、きよし
お前の推理は根本的に間違ってるんだよ

良く見てみろ
こいつぁオス
少なくともマリーンを好きなはずのジョンが愛すことは考えられねえ
つまり

真犯人はきよし、お前だよ
マリーンに罪を着せることで自分が―

アリバイ?
いやいや、だって俺
きよしを砂に埋めた後はあっちの売店にいたし
その後きよしを見た奴は…ほら、いねえ

ジョンが釣り上げた魚を奪おうとしたんだろ
それはこの辺りで捕れる超高級魚
屋台で大儲けする為だけにジョンをやったんだ
お前は金の為なら何でもするからな

そもそも西瓜を使うなんてアホな真似
ほかに誰が考えるって言うんだ

自首しろ、きよし
ちゃんと償って戻ってこい
(切って貰ったスイカを食いながら)


砂羽風・きよ
【秋】

ふはは、俺達がこの事件を解決してやろうじゃねーか!
な、綾華

顎を手に当て、パイプ(ハッカ)を咥える

周りにはスイカに手には魚
ははーん、なるほどな
単純明快だぜ!

マリーンを指差して
――そう、犯人はお前だ!

知っているか?犯人は必ず現場に戻って来るってな
ははは、そうジョンはイケメンで出来る男
即ち女にも魚にもモテるってことだ

魚に浮気をしていたジョンを見て
マリーンは大量のスイカを用意し頭に向って放り投げた
どうだ、俺の名推理

なん、だと…?!
なんで俺なんだよ!アリバイはなんだ!!
確かに…!(納得)

ち、ちげーちげー!別に大儲けなんて考えてねぇ!!
…けど、俺かも知れねぇ!!

くそ、覚えてろよ!
必ず戻って来てやる!



●「犯人はきよしだ」「俺はきよしじゃねー! きよだ!」
「ふはは、俺達がこの事件を解決してやろうじゃねーか!」
 高らかと響く――砂羽風・きよ(札付きのきよし・f21482)の笑い声。
「な、綾華」
「まずきよしはそこから出てからだろ」
 浮世・綾華(千日紅・f01194)は――見下ろしていた、きよを。
 そうだった、ときよは動く――動こうとした。しかし動けない。体の上に砂を盛られているからだ。
 どういうわけだかあれよあれよと砂浜でよくある、砂に埋められる人になっていたきよ。つまり砂埋められし。
 通りすがりの子供たちが綾華と一緒にその体の上に作り上げたのは城。壊すのか? それを、と綾華の視線が言っている。
「……いやこわさねーと……出れないし……そもそも」
 ぎっちり固められて動けない。
 けれど動こうとしていたら砂の城は少しずつ崩れて、きよはその中からずぼっと抜け出た。
「ふー、さて……」
 と、顎に手を当て、パイプ(ハッカ)を咥えるきよ。きよしそれどこから取り出したの、と綾華の視線は言っている。
 しかしそれに気づかず、きよは現場へと足を向け推理を始めるのだ。
「周りにはスイカに手には魚――ははーん、なるほどな」
 単純明快だぜ! とびしっとポーズ決めるきよ。
 そしてその指先は、マリーンへと向いた。
「――そう、犯人はお前だ!」
「なんで私なのよ! 私は犯人を捜してっていってるじゃない!」
 そのマリーンの声にちっちっちっ、と指を横に振って探偵気分のきよは言う。
「知っているか? 犯人は必ず現場に戻って来るって」
「えっ……そ、そんな。で、でも私は違うわよ!」
 焦る――それは肯定だろとばかりの表情できよはマリーンへと。
「ははは、そうジョンはイケメンで出来る男――即ち女にも魚にもモテるってことだ」
 つまり、真実はこうだ! ときよは、ジョンと魚を指さした。
「魚に浮気をしていたジョンを見て、マリーンは大量のスイカを用意し頭に向って放り投げた」
 どうだ、俺の名推理――どやぁ、ときよは綾華をちらっ。
 けれど綾華は、きよし……と生ぬるい視線。そしてぽんときよの肩を叩いて違うと首を緩く横に振った。
「単純明快? いや、きよし――お前の推理は根本的に間違ってるんだよ」
 良く見てみろ、と綾華は魚をよくよく見るように視線で促す。
「こいつぁオス」
 少なくともマリーンを好きなはずのジョンが愛すことは考えられねえ――つまり。
「つまり」
 ごくり、とマリーンが息を飲む。
「つまり……は、はやく言えよ!」
 きよも息を飲む。本当に言っていいのか、という表情の綾華は口を開く。
「真犯人はきよし、お前だよ。マリーンに罪を着せることで自分が――」
「なん、だと……?!」
 まさかの、俺――!!??
「あ、あんたが犯人だったの!? よくもジョンを!」
「なんで俺なんだよ! アリバイはなんだ!!」
 お前だって、ここに戻ってきてるんだから犯人の可能性もあるだろ! ときよは言う。
「アリバイ? いやいや、だって俺」
 きよしを砂に埋めた後はあっちの売店にいたし、と売店指差せばそこの親父がおーいと手を振っている。
 おつり忘れてるよ~、なんて言いながら。ついでに西瓜あげるよ~と言って(綾華のアリバイ)。
 そう、砂に埋められたきよ。けれど、さっきも自力で出られたのだ――自力で出て事件を起こし、再び自分で埋まり何事もなかったかのようにというのもできる。
 じゃあ、マリーンは!? ときよは言うが彼女の目撃情報も十分ある。
 では――俺は?
「その後きよしを見た奴は……ほら、いねえ」
「確かに……!」
 納得。いやきよし、そこ納得したらダメだろと綾華は思うが狙い通り――動機もある、とさらに追い打ちかける。
「ジョンが釣り上げた魚を奪おうとしたんだろ」
 それはこの辺りで捕れる超高級魚と綾華は言い切る。多分高級魚だ。大きいし。
「屋台で大儲けする為だけにジョンをやったんだ。お前は金の為なら何でもするからな」
「ち、ちげーちげー! 別に大儲けなんて考えてねぇ!!」
 きよは大きく首を横に振る。違う、そんなことしてない。
 していない――本当に? 夏の暑さにくらり、頭が回る。まず間違いなくしてないがしてるような気になったりならなかったり。
「……けど、俺かも知れねぇ!!」
 なった。そしてその場に、手をついてうなだれるきよ。
「そもそも西瓜を使うなんてアホな真似、ほかに誰が考えるって言うんだ」
 自首しろ、きよし――綾華はきよに優しい視線を向ける。
「ちゃんと償って戻ってこい」
 しゃくしゃく。売店の親父がくれた西瓜を食べながら。
 きよはばれちまったら仕方ねぇ! と立ち上がり綾華の方振り向いて。
「くそ、覚えてろよ! 必ず戻って来てやる!」
 そんな捨て台詞を吐いて、きよは走り始める――海へダイブ。
 あいつなんで海入ってんの、と思いながらその様子を見守る綾華。
 しかし、きよはしばらくして海からあがり戻ってくる。魚を手に。
「あ、戻ってきた」
「いや、俺犯人じゃねーし! 砂埋まってたし! アリバイあるし! それにきよしじゃなくてきよだ!」
 言葉通り戻ってきたきよし――じゃない、きよの今日一番の声が響くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイン・セラフィナイト
レイ(f12771)と。

(真の姿に変身)……いくらなんでも一般人を暗殺するのはどうかと思うんだけど。

とまあ、冗談を挟んでと……これは凶悪な犯人像が想起されるな(悪ノリする)

とりあえず犯人探しだ。使い魔の『神羅』を飛び立たせて『情報収集』。えーと、怪しい人探してきてくれ(適当)

じゃあ情報仕入れてる時間が暇だし、西瓜でも食べるか。レイも、ほら。

!!これは……偶然か……いや……この西瓜……凶器と同じ!!(ボケ続ける)

まさか犯人は……西瓜を運んできた人間か!

え、いや……それは流石にもったいないな。

ん、それじゃあサンゴとか魚の群れとか……後は露店を見学してみるか。さ、行こう。(手を差し出す)


レイ・アイオライト
アイン(f15171)と。

ねえ、なんであたしが殺った前提で話を進めようとしてんのよ。っていうかどうみても事故でしょ。明らかに西瓜が原因でしょ。なんで推理始めようとしてんのよ。嘘でしょ?ねえ?アンタいつもこっち側でしょ!?(ボケに回った事に驚愕している)

……し、仕方ないわね。地面で倒れてるの放っておいていいの?あ、そう……。

……そうでしょうね。ええ、そうでしょう。どうみても凶器の西瓜よね。ええ。

……じゃあその西瓜運んだ人間さっさと暗殺して帰りましょうよ。(諦め)

わ、分かったわよ……じゃあえっと……は、犯人探すついでにちょっと観光でもする?犯人探すついでによ。いい?犯人探すついでだから!



●今日はどっち側?
 真の姿に変身して――アイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)は深々とため息を零していた。
「……いくらなんでも一般人を暗殺するのはどうかと思うんだけど」
 と、あたかもレイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)が依頼人かのようにアインは零す。
 レイは、ちょっと待ってと胡乱気な視線を向けていた。
 私何も頼んでない。そもそもジョンもマリーンも今初めてみた相手だ。
「ねえ、なんであたしが殺った前提で話を進めようとしてんのよ」
「レイ……いったい何が君をそうさせたのか……でも、俺も――頼まれたからにはとやってしまったが」
「っていうかどうみても事故でしょ。明らかに西瓜が原因でしょ」
 明らかに状況がそう言っている――だというのにアインがレイへと向ける視線は、何かを言いたげな切なげな。
 そして己の手を見て、きゅっと拳を握ってみたり――悪乗りなう!
 が、これ以上続けると――と笑ってこの方向は打ち止め。
「とまあ、冗談を挟んでと……これは凶悪な犯人像が想起されるな」
 しゅんと真の姿を解いて、アインはむむと唸る。
 そしてこれは難しい事件だ――と、悪ノリに悪ノリを重ねて今度は探偵モードだ。
 悪乗り終わった、と思っていたレイは、一歩後ろへとよろめいて。
「なんで推理始めようとしてんのよ。嘘でしょ? ねえ? アンタいつもこっち側でしょ!?」
 やだ、いつも味方だと思ってた――そう、ツッコムと思っていたアインがぼけている!
 それはレイにとって驚愕の事実。そんな、と後ろによろり、よろめいた。
「とりあえず犯人探しだ」
 アインは使い魔の『神羅』を飛び立たせて情報収集を。
 何の情報収集、と神羅に問われたら。
「えーと、怪しい人探してきてくれ」
 適当な指示。神羅はわかった、と飛び立っていく。
「……」
「……」
 情報収集を頼んだら、やることがなくなってしまった。
 暇である。
 アインは、よし、とぽんと手を打って。
「じゃあ情報仕入れてる時間が暇だし、西瓜でも食べるか。レイも、ほら」
「……し、仕方ないわね。地面で倒れてるの放っておいていいの?」
「いいんじゃないかな。彼女が介抱してるし」
 ジョンー! と名前を呼んでいる。
 ジョンも死んでいるわけではなく、まぁちょっと色々あって気絶しているだけ。
 大事ないだろうという見積もり。
「あ、そう……」
 じゃあもらう、とふたりで西瓜を売っている露店へ。
 そこでもらった西瓜は、赤い色が綺麗な瑞々しい西瓜。
「!! これは……偶然か……いや……この西瓜……凶器と同じ!!」
 しゃくり、おいしい――と、思っていたらまだボケ続けていたアイン。
 レイはすでに、達観していた。
「……そうでしょうね。ええ、そうでしょう。どうみても凶器の西瓜よね。ええ」
 しゃくり、もう一口。おいしい。
「まさか犯人は……西瓜を運んできた人間か!」
「……じゃあその西瓜運んだ人間さっさと暗殺して帰りましょうよ」
 そのボケに諦めの面持ちを向けるレイ。
 けれどアインはぱちりと瞬いて。
「え、いや……それは流石にもったいないな」
 そこまでする必要はないんじゃ……と、突然ボケの沼から出てくる。
 まるでおかしなことを言っているのが、レイというように。
「わ、分かったわよ……じゃあえっと……」
 と、レイはしばし考えて――アインへと視線向け。
「は、犯人探すついでにちょっと観光でもする?」
 ちらり、と。
 ここまで来たのだから、浜辺も楽しそうだけれどほかの場所も気になるところ。
 それに海も、目の前にあるのだ。
「ん、それじゃあサンゴとか魚の群れとか……後は露店を見学してみるか」
「犯人探すついでによ。いい? 犯人探すついでだから!」
 わかってる、わかってる。ついで、とアインは笑う。
 そして手を差し出して。
「さ、行こう」
 犯人はいないと、わかっている。
 けれど犯人探しと銘打って、調査と銘打ってアインとレイはこの海底の島での時間を過ごすのだ。
 それは楽しい時間。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

歌獣・苺
【兎十雉】
む、そんなに私との砂遊びが楽しくなかったなら言ってくれれば海に投げ飛ばして差し上げたのに…。

…へ?助手…?
私、探偵なんてしたこと…
は!?す、スイカになれって
何言ってるんですか…!?
(…いや、出来ない事は無い。
無いんだけど~~~!)

えーい!どうにでもなれ!
『これは、皆を希望に導く謳』!
そしてうさぎ型(?)のスイカに。

あの、スイカさん、一体ここで何が…。(ここでときじさんが原因のアドリブ)

…結局ときじさんの
せいだったじゃないですか~!
もう…え?お酒…?
いいですけど、ときじさんの奢りでお願いしますね!

(ちゃっかりたくさん飲んでいざ帰る!と立ち上がった瞬間一気に酔いが回ってぶっ倒れる)


宵雛花・十雉
【兎十雉】

はーっはっは、迷宮事件と聞いちゃ黙ってらんねぇなァ!
ちょうど砂浜で城を作っては壊し、作っては壊しを繰り返すのにも飽きてきたところさ
このオレに任せな
あ、苺ちゃんはオレの助手な
え、いや別にそういう訳じゃ
だから投げないでくださいお願いしますオレ泳げないんで

いいかい、事件現場には何があった?
そう、スイカだ
あのスイカ達は事件が起きた瞬間を見てたってことさ
そう、つまり!スイカの気持ちになりゃあ犯人も分かるってこった
ほら、そうと分かればスイカになんな

……

どうだい?スイカの気持ち、分かったかい?

それはそうと向こうで小洒落た海の家を見つけたからさ
酒飲んで乾杯しようぜ
(飽きた)



●西瓜は見た
 ぱっと扇を広げて。ぱたぱたと仰ぐ。だって海底とはいってもやはり夏、浜辺は熱い。
 そう、さっきから楽しそうな推理の声が聞こえていて――本職、宵雛花・十雉(奇々傀々・f23050)が立ち上がらないわけがなかった。
「はーっはっは、迷宮事件と聞いちゃ黙ってらんねぇなァ!」
 まだ解決されていないなら、と満を持して。その手にバケツはスコップなど、砂のお城作成グッズを持っていようとも。
 いやなんとなく事件っぽいけどなーんにもなさそうだなとは思いつつ。
「ちょうど砂浜で城を作っては壊し、作っては壊しを繰り返すのにも飽きてきたところさ」
 少し、頼れそうな――でも今までの流れからきっと信じちゃダメ! とマリーンは首を振る。
 本当に? と胡乱気な視線を向けられた十雉は、大丈夫だと大きく頷いた。
「このオレに任せな。あ、苺ちゃんはオレの助手な」
「む、そんなに私との砂遊びが楽しくなかったなら言ってくれれば海に投げ飛ばして差し上げたのに……」
 一緒に砂の城を作っていた歌獣・苺(苺一会・f16654)はぷぅと頬膨らませて。
 あと何回かやったら砂の城つくりも極められそうだったのに、と思いつつ。けれどずーっとしていたから確かに飽きはくる。
 それなら海にご招待という新しい遊びも提供できたのでちょっと残念そうだ。
 そう、こんな風に投げたのにとしゅっと身振りしてみたり。
 その様に、思い切り遠くに投げ飛ばされていただろうな――と十雉はひやり、背中に汗をかく。
 やばい、そのうち投げ飛ばされそうな気配がちょっとだけあるかもないかもやっぱりあるかもしれない。
「え、いや別にそういう訳じゃ。だから投げないでくださいお願いしますオレ泳げないんで」
 と、小さく拝みつつ、苺ちゃん手伝ってくれ、探偵の助手、助手をしよう、楽しいから、と十雉は海から意識をそらしていく。
「……へ? 助手……? 私、探偵なんてしたこと……」
 苺がそわそわしている間に、十雉は推理を始めていく。
 そう、探偵の心得的な感じで。
「いいかい、事件現場には何があった?」
 なにがって――と、苺は視線を巡らせる。
 マリーン、ジョン、魚、そして西瓜。その西瓜をびしっと、十雉は示して。
「そう、スイカだ。あのスイカ達は事件が起きた瞬間を見てたってことさ」
 そう、つまり!
「スイカの気持ちになりゃあ犯人も分かるってこった」
「ええ~?」
「ほら、そうと分かればスイカになんな」
「は!? す、スイカになれって、何言ってるんですか……!?」
 西瓜になれ、とは!
 なお俺はなれない、という顔をしている十雉。だって探偵だもん。情報集めは助手のお仕事(多分)。
(「……いや、出来ない事は無い。無いんだけど~~~!」)
 ほれはやく。はやくはやく!
 そんな視線を十雉から感じて。苺はううううと唸り。
「えーい! どうにでもなれ!」
 これは、皆を希望に導く謳――西瓜になぁれ★
 そして苺は、うさぎ型(?)の西瓜へとチェンジした。
 十雉は西瓜の傍に、西瓜な苺をそっと置いた。
「あの、スイカさん、一体ここで何が……」
「……」
「……」
 沈黙。
 わかっていた、わかっていたのだ――西瓜は、しゃべらない……!!
「どうだい? スイカの気持ち、分かったかい?」
 もちろん――わかるわけがない。
 いやわかることもある。あったのだ。
 西瓜になると動けない。それがわかっただけ。
 でも本当にわかるかもしれない? もうちょっとだけがんばって――と思っていると。
 ちょんちょんと西瓜をつつく十雉。
 明らかに飽きた、という感じだ。えっ、これはもう西瓜でいる必要はないのではと苺は元の姿に戻って。
「……結局ときじさんのせいだったじゃないですか~!」
「それはそうと向こうで小洒落た海の家を見つけたからさ、酒飲んで乾杯しようぜ」
「もう……え? お酒……?」
「そう、酒」
「いいですけど、ときじさんの奢りでお願いしますね!」
 奢ってくれたら、西瓜になったのもまぁよしとしましょう! と苺は思うのだ。
 結局、犯人は――多分西瓜ということで。
 二人で海の家へ。
 かんぱ~い! から始まって。
 苺はちゃっかりたくさんぐびぐびと。
 あれ苺サンまだ飲むんデスカ……なんて十雉の手はちょっと止まりつつ。
 けれどたくさん飲んで、いざ帰る! と立ち上がったなら瞬間一気に良いが回って。
 苺ちゃんー!! と十雉は叫ぶ羽目になるのだ。
 西瓜惨殺事件、ならぬ――飲酒ばたんきゅー事件の犯人は――またひとつ、新たな迷宮入り事件が生まれ――ない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベル・ルヴェール
亮(f26138)

僕はサングラスをかけて水鉄砲を持とう
僕の口にはスイカの種がついている

ジョンはできる男、ドジをして倒れたなんてあり得ない
僕はこう思うこのスイカの事が好きで好きでたまらない誰かが殺したに違いない!
……皆が僕の方を見ている気がする
スイカは美味しかったな

僕の水鉄砲にもスイカの種が付いている
僕は疑われているのか……?

亮、僕はやっていない
けどスイカは美味かった

ほんの出来心だったんだ
スイカにダイブをするなんて、余程食べたかったと見たんだ

ほんの出来心だったんだ……。
水鉄砲で撃った先にこの人がいたのも
(もう倒れていたけど)
出来心だったんだ!

スイカは美味かった
亮も食べてみると良い


天音・亮
ベル(f18504)と

飛び散る赤が事件の凄惨さを物語っていて
太陽はどこまでも晴れやかに浜辺を照らしているのに
私の心は晴れないまま

…私は見てしまった
きみがジョンに水鉄砲を向けている所を
口元の種から目を逸らして
笑顔はどうしたって向けられないまま

そう
ジョンはきっと嫉妬されていた
冷たくて美味しいスイカに囲まれて
羨望の眼差しを向けられていたに違いないの
でも、ダメだよベル
私は見てしまったの…きみが…ジョンを…っ!

真夏の暑さが狂わせた嫉妬心が
きっと今回の事件の引き金だったんだね
けどね知ってるんだ
きみは私の為にスイカを確保しようとしてくれていた事

スイカ食べたいな
無事なスイカはあるかな?
一緒に食べよ、ベル!



●夏の嫉妬心
 足元に広がる――飛び散る赤が、いやに目につく。
 天音・亮(手をのばそう・f26138)にとってそれは凄惨さを物語るものだった。
 太陽はどこまでも晴れやかに浜辺を照らしているというのに――亮はため息を零す。
 その心は晴れないままだ。
「……私は見てしまった」
 そう言って、ひどく残念そうにベル・ルヴェール(灼熱の衣・f18504)へと視線を向ける亮。
「きみがジョンに水鉄砲を向けている所を」
 ベルはサングラスをかけ、その手に水鉄砲を持っていた。
 さっと後ろに隠したが狙撃タイプのそれは水のタンクも大きく存在感がすごい。
 そして、ベルの口端には――西瓜の種。
 亮は口元の種から目をそらして、笑顔はどうしたって向けられないまま悲し気に瞳を伏せた。
「ジョンはできる男、ドジをして倒れたなんてあり得ない」
 きり、と表情引き締めて(ただしサングラスなのでその瞳の真剣さはわからない)ベルは、僕はこう思うと続ける。
 このスイカの事が好きで好きでたまらない誰かが殺したに違いない!
 高らかに紡いだベル。けれどじー、じー、じー。
 周囲の者達からの視線が西瓜の種に突き刺さっている。
「……皆が僕の方を見ている気がする」
 スイカは美味しかったな、なんてぽつりと零すベル。
 なぜ、どうして――口元を手で覆った時に気づいた。
 あっ、スイカの種ついてる。とっておこう。そしてその種を指先でつまんで、はっと気づいた。
 水鉄砲にも――飛び散った西瓜の種がついている――それは紛う事なき、物証。
「僕は疑われているのか……?」
「そう、ジョンはきっと嫉妬されていた」
 冷たくて美味しいスイカに囲まれて羨望の眼差しを向けられていたに違いないの――亮はすっと、ベルへと視線を向けた。
「でも、ダメだよベル。私は見てしまったの……きみが……ジョンを……っ!」
 亮はなんてことを、というように両手で顔を覆居、その場に泣き崩れ(るフリをし)た。
 その様子に亮はいいや、と首を横に振る。とてもまじめな顔で、違うと言って。
「亮、僕はやっていない」
 真摯に、真っすぐに見詰めて否定し、続く言葉はアリバイか、それとも動機か。
「けどスイカは美味かった」
 西瓜に対する感想だった。ひえひえのそれは、とても――美味しかったのだ。
「ほんの出来心だったんだ」
 スイカにダイブをするなんて、余程食べたかったと見たんだ。
 しかも頭から――そりゃ西瓜まみれにもなる――気絶もするだろう。割と西瓜固いし。
「ほんの出来心だったんだ……」
 ベル表情歪め、水鉄砲を握るその手に力を込めて、その水鉄砲の先をジョンへと向ける。
「水鉄砲で撃った先にこの人がいたのも」
 ぴゅー、と水鉄砲から放たれたそれが綺麗なラインを描いてジョンへと向けられる。その顔を狙いうちだ。
 暑いから、冷却も大事だし。もう倒れているけれど。
「出来心だったんだ!」
 ぴゅー。
 ちょっと水を撒くと涼しくなる、ような気もするし。
「ちょ、ちょっと水鉄砲できゃっ! あっ、でも涼しい」
 マリーンが何してるのよと飛び込んでくるが夏の浜辺で水鉄砲放つ先にでてきたら狙い撃ちの決め打ちだ。
 ああ、真夏の暑さが狂わせた嫉妬――亮はベルを見詰め。
「嫉妬が、きっと今回の事件の引き金だったんだね」
 けどね知ってるんだ、と亮は静かに紡ぐ。
「知られて、いた……だって?」
「ええ、きみは私の為にスイカを確保しようとしてくれていた事」
 ごめん、ベル。罪を背負わせて――私も一緒にその罪を背負うわ。
 亮――ベル――二人で罪を償おうと見つめあうことしばし。
「スイカ食べたいな」
「スイカは美味かった」
「無事なスイカはあるかな?」
 きょろきょろ、見回せば無事な西瓜はいっぱいある。
 しかもゆらゆら、氷一杯の中に浮かんでいてひえひえだ!
「亮も食べてみると良い」
「一緒に食べよ、ベル!」
「あ、西瓜食べたいの? 仕方ないわね……」
 西瓜売りの男の彼女、マリーンはこれがいいわと西瓜を選ぶ。
 そしてすぱんと切って、そして切り分けて。
「ちゃんとお代は払うのよ! 依頼料とかじゃ……そもそも解決されてないし!!」
 ちゃりーんとお代払って、いただきます!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夕留・鞠緒
(すっごく楽しそう! こんな面白いこと乗らないわけにはいかないよね!)

私……わかってしまったわ……
これはね、不幸な事故だったの
でもマリーンの言う通り、そんな間抜けな理由ではないわ

彼は、西瓜割り用に西瓜を売っていた
イケメンでできる男であるジョンの手から売られる西瓜はさぞ人気だったでしょうね
でも彼はそれだけでは満足できなかったの……
できる男としてこの夏あなたにプロポーズする為にね

だから、実演販売――それもただの実演販売ではないわ
高難易度のパフォーマンスを披露してもっと売ろうとしたのね
立派な魚で西瓜をざっくざく割るというパフォーマンスを!

そんな最中に起きてしまった不幸な事故だったのよ……



●それは不幸な事故
 色々なことが起こっている――砕かれた南瓜の中で男が魚を持ち倒れ。なんだかんだで意識を取り戻しかけたがまた気絶して。
 にぎやかわいわい、そして美味しそうに西瓜を食べたり。
 好き放題の探偵ごっこ――それは夕留・鞠緒(空模様・f09048)の瞳にこう映っていた。
(「すっごく楽しそう! こんな面白いこと乗らないわけにはいかないよね!」)
 ちょっとドキドキしながら鞠緒はそっとマリーンの前へと向かう。
 マリーンは、ジョンー! とその傍で叫んでいる所だった。そして、鞠緒に気づいて。
「何? はっ、まさかジョンのことを奪いに!? そうはさせないんだから……!」
「私……わかってしまったわ……」
 これはね、不幸な事故だったの、と鞠緒は紡ぐ。ジョンを守ろうと立ちふさがるマリーンへと。
「不幸な事故? 事故じゃないわよ、ジョンはこんな、間抜けな感じで倒れるわけないのよ! どうにもできない危機的な状況に陥ったにちがいないの!」
 その声に、鞠緒はええ、わかっているわと頷く。
 けれど、事故よと再度念押しして。
「でもマリーンの言う通り、そんな間抜けな理由ではないわ」
 鞠緒はジョンをちらりと見る。
 彼の周りに転がる西瓜、散らばる破片――惨劇だ。
「彼は、西瓜割り用に西瓜を売っていた」
「そうね、売っていたわ。食べる様のも、ひえひえにひやしてね」
「イケメンでできる男であるジョンの手から売られる西瓜はさぞ人気だったでしょうね」
 ええ、このあたりでは一番人気よ! とマリーンは胸を張る。
 恋人のことだから、自慢するしかない。
「でも彼はそれだけでは満足できなかったの……」
「えっ? 満足、できない?」
 何に、とマリーンは鞠緒に問う。鞠緒はふふ、と意味ありげに小さな笑みをこぼした。
「できる男としてこの夏あなたにプロポーズする為にね」
「えっ、ぷぷぷぷぷぷぷろぽーず!?」
 突如、マリーンの周りに花がが咲くようにぽぽぽっと、頬染めて。きゃあ! とかわいらしい声あげる。
「で、でもなんでプロポーズでこんな、ジョン……!」
「だから、実演販売――それもただの実演販売ではないわ」
 そう、私はわかってしまった――そこにある、魚。
 それがすべてのカギなのよと鞠緒は指さした。びちびち、からびち、びち……と魚の鮮度も落ちてきている!
「高難易度のパフォーマンスを披露してもっと売ろうとしたのね」
「高難易度の……パフォーマンス?」
 それは一体――ごくり。マリーンが息のむ音が響く。
 鞠緒はそれは、と口開く。
「立派な魚で西瓜をざっくざく割るというパフォーマンスを!」
 こう、尾をもってどんとふりまわしてざくっと!
 それを練習していたか、それとも初めて披露しようとしたのか――そこは定かではないけれど。
「そんな最中に起きてしまった不幸な事故だったのよ……」
 鞠緒はこれが事件の真相よ、とマリーンに告げる。
 マリーンは、ジョン!!! と極まった声を零し彼に抱き着いた。
 その勢い、突撃の勢いでジョンはぐえっとまた何とも言えない声を零していた。
 彼の意識が戻る時は――来るのだろうか!
 そんな様子を、鞠緒はお幸せに……! と見守るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
できる男……つまりは有能な方だからあり得ないのだと
困っている御方が居るのならば、助けて差し上げねば
まずは聞き込みを

はい、倫太郎殿
……事故?
純粋に彼が受け取り損ねたか何かと

っ、さり気なく耳に口付けないでください
私は真面目に考えているのです

……本当に?
はぁ、なるほど

大事に至らずに済んで良かったと思うべきなのでしょうね

解決というまででもありませんが済みましたので言われるまま
彼の手を繋いで浜辺を歩きます

同じ夏であれ、毎年同じではありませんからね
西瓜を見ていたら去年の西瓜割りを思い出しました
他愛ない話をしながら、夏限定と言われる飲み物を頂いてみたり
そこからはいつも通りの、平和の夏のひと時


篝・倫太郎
【華禱】
助けて差し上げねば(きりっ)
ってしてるトコ悪いんだけどさ、夜彦
(夜彦の肩を指先でトントン)

これ、多分事故だぜ?
事故案件……

彼女サンに聞こえないよう、手で壁を作ってそっと耳打ち
ついでだから耳朶にキスもしとこ

えへへ
なぁんて笑って誤魔化したら物凄い形相で見られた!!
ちぇー……良いじゃん

あのラブラブ馬鹿ップルにアテられただけだしぃ
真夏のテンションだしぃ
今日はもうこれ以上、なぁんにもしませんー

ほら、折角だし今回は浜辺で色々見て過ごそうぜ?
三回目でも初体験できるのって良くない?

そんな事を話しながら手を差し伸べて
近くの店で冷たくてスッキリする味わいの飲み物をGETしたら
浜辺をのんびり散策して過ごそう



●夏のひと時
 ジョン! と泣きつく女、マリーン。
 きっとジョンに意識があったなら、名前を呼んで抱きしめていただろう。
 なおこれは砕け散った西瓜の中の情景。
 そんな様子を痛ましげに月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は見詰めていた。
「できる男……つまりは有能な方だからあり得ないのだと」
 困っている御方が居るのならば、助けて差し上げねば――と、夜彦はきりりと表情を引き締めていた。
 まずは聞き込みを、と夜彦はこの事件を解決し、助けて差し上げねばと務めて冷静に。
 そんな様子をじ、と見ていた篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)はトントン、と夜彦の肩を指先でたたいて。
「助けて差し上げねば(きりっ)ってしてるトコ悪いんだけどさ、夜彦」
「はい、倫太郎殿」
 何か有力な手掛かりでも見つけたのでしょうか、と。
 聞き込みをする必要ないという事でしょうかと即座に思考巡らせる夜彦。
 そんな夜彦へと、倫太郎は――これ、多分事故だぜ? と紡いだ。
「……事故?」
 こくり。
「事故案件……」
 そう言って、マリーンには聞こえないよう手で壁を作ってこそこそと、そっと耳打ちする。
 事件はかくかくしかじか――ついでだから耳朶にキスもしとこと。
「純粋に彼が受け取り損ねたか何かと。っ、さり気なく耳に口付けないでください」
  真面目にその話を聞いていた夜彦は耳を押さえて、私は真面目に考えているのですと言う。
 えへへ、なんて笑ってごまかしていたのだが――夜彦はきっ! と表情を緩めることなく睨んで。
 その様子に倫太郎は笑ってごまかしてる場合じゃないと思うのだが、ちょっとだけ視線はずして。
「ちぇー……良いじゃん」
 あのラブラブ馬鹿ップルにアテられただけだしぃ。
 真夏のテンションだしぃ。
 と、二人をちらり。夜彦はその視線を追いかけて、確かに仲睦まじい様ではありますがと思う。
「今日はもうこれ以上、なぁんにもしませんー」
「……本当に?」
 本当本当、と頷く倫太郎。
「はぁ、なるほど」
 夜彦はそう零して、苦笑し。
 ジョンとマリーンを見詰める。確かに、落ち着いてみたら――別の角度から見てみればこれは事故案件。
 ジョンも気絶しているものの問題はなさそうだ。
 むしろマリーンに抱き着かれてぐっと唸っている、ような?
 うん、大丈夫だろう。
「大事に至らずに済んで良かったと思うべきなのでしょうね」
「ほら、折角だし今回は浜辺で色々見て過ごそうぜ? 三回目でも初体験できるのって良くない?」
 解決というまででもないが――事件はあった、なかった?
 いや、もう済んでいるいるのだろう。
 夜彦は倫太郎が差し伸べたその手を取る。
 手を繋いで浜辺を歩いて。
「同じ夏であれ、毎年同じではありませんからね」
 そう言って、そうそうと笑い零す。
「西瓜を見ていたら去年の西瓜割りを思い出しました」
 その去年のことを思い出しながら――今年の記憶を重ねていく。
 他愛無い話をしながら歩いて、倫太郎は夏限定だってと飲み物を。
「スッキリする味わいだな」
「そうですね」
 浜辺をのんびり歩いて過ごすのは、いつも通りの――平和な夏のひと時。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オズ・ケストナー
【咲日花】

クロバ、わかってるよ
――じけんだねっ

きらん、どこから出たのか探偵帽
下は水着というアンバランスさ

まずはげんばを見にいこうっ

被害者の隣にしゃがみ
ふむと顎に指添え
これは、きみょうだね

とってもおいしそうなスイカだし
ジョンはスイカまみれだし
スイカはひえひえだし
とってもおいしそうだ……
あとで買おう

さかなをにぎっている
これは、ジョンのメッセージじゃないかな?
わたしはしっているよ
こういうの、ダイイングメッセージっていうんだ
神妙な顔でこくり

このあたりに、魚の顔をした人がいなかった?
うーん、いないか
おかしいね
クロバはどう思う?

はっ、そうか
はんにんは……さかなだっ(びしっ)

どうきはじゅうぶんだね、クロバっ


華折・黒羽
【咲日花】

─オズさん

浜辺の惨状にひどく真面目な声色で
オズ探偵の言葉に頷けば
その背を追いかけ現場へと
倣って被った探偵帽はオズさんの助手たる証
一緒に覗き込んだ西瓜は確かに赤々として美味しそう
食べたい

後で買うの、賛成です

だい…んぐ、めっせーじ…?
慣れぬ言葉に首傾げながら
神妙な顔にごくり喉を鳴らす

魚顔魚顔…魚、顔?
浜辺中視界を巡らせるにつれ
普通の人の顔が魚に見えてくるのは暑さのせいだろうか
ぷるぷる頭を振って
高らかに宣言したオズさんの指の先を見る

!まさか…
注目を浴びる西瓜に嫉妬した魚が今回の犯行に…?

真剣な眼差し向けていれば不意に鳴く腹の虫
…魚が食べたいな、西瓜も
助手はすっかり食い気に意識を逸らしていた



●名探偵オズ&クロバ助手
 ざざぁん、ざざぁんと波の音。
 そして浜辺でジョンー! と愛しいものの名前を呼ぶマリーン。
 砕かれて散らばる西瓜の欠片、転がる西瓜。
 その惨状を目にした華折・黒羽(掬折・f10471)はひどくまじめな声色で。
「――オズさん」
 その名前を呼んだ。それに応えるオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)は、うんと頷く。
「クロバ、わかってるよ――じけんだねっ」
 きらん、とどこから出たのか探偵帽をすちゃっと頭の上に乗せたオズ。
 その身は水着なので、どことなくアンバランスだ。
「まずはげんばを見にいこうっ」
 こくり、黒羽は頷いて、先行くオズを追いかけて現場へ。
 その頭には、オズを倣って被った探偵帽。それは助手たる証だ。
「たくさん西瓜が転がってるね……」
 きょろきょろ、オズは何かないかなとしゃがみ込む。
 黒羽も一緒にきょろきょろ。
 きょろきょろする中で赤い色が見えて、ばっとそちらをむけば――西瓜がちょっと割れて、赤い色が見えている。
 もったいない、あれはまだ食べれる西瓜……と思っているとオズの姿が消えた。
 見れば、すっとしゃがみ込んで被害者ジョンの隣に。
 黒羽も急いでその隣りへしゃがみ込んだ。
 ふむ、とオズは顎に指添えて。
「これは、きみょうだね」
 その声に、あら新しい探偵がとマリーンが顔を上げる。
 でもきっと解決はされないそう~ともうあきらめの顔だ。今まで何人もの探偵が匙を投げた(多分)難解な事件なのだから!
 西瓜がある――オズはじぃと見詰めていた。
「とってもおいしそうなスイカだし、ジョンはスイカまみれだし」
「西瓜、確かに赤々として美味しそうですね」
 食べたい、とじぃと見詰める黒羽。
 そしてオズはそっと、西瓜に触れた。その指先がひろうのは、西瓜がよくよく冷えていること。
「スイカはひえひえだし、とってもおいしそうだ……あとで買おう」
「後で買うの、賛成です」
 こくり、黒羽は頷く。
 いちばんひえひえでおいしいの買おうね! とオズは笑って――はっと気づいた。
 びちっ。びちっ。
「さかなにぎってる」
 その手に握っている魚――びちびちしていたであろうそれはびちっ、びちっ、と僅かに動きが鈍くなっていた。
 それは時間の経過を示しているのだ。
 オズは魚を見詰め――
「これは、ジョンのメッセージじゃないかな?」
 ぴん、と何かひらめいたかのようにオズは言う。
 そう、知っている――こういうのは、アレだ。
「わたしはしっているよ。こういうの、ダイイングメッセージっていうんだ」
「だい……んぐ、めっせーじ……?」
 慣れぬ言葉に首を傾げる黒羽。
「うん、ダイイングメッセージ、だよ」
 こくり、神妙な顔で頷くオズ。
 そしてその神妙な顔にごくり、喉を鳴らす黒羽。
 これは事件を解くヒントということなのだ。
 そしてオズはすくっと立ち上がって、くるりと周囲を見回して何かを探しているようだ。
 いったい何を、とわからぬままに黒羽もきょろきょろ。
「このあたりに、魚の顔をした人がいなかった?」
「魚顔魚顔……魚、顔?」
 そう、魚の顔をした人。魚顔、と不思議そうな顔の黒羽に頷いて返す。
 けれどいくらみても――見つからない。
「うーん、いないか。おかしいね」
 と、いうものの――黒羽の視界は揺れていた。
 浜辺中に視線を巡らせるにつれ、普通の人の顔がゆらぁり――あれ、魚ヘッド……? ふるふる、顔をふってもう一度見ると人――あれやっぱり魚?
 んん、とその目をこする。やっぱり人だ。
 何かおかしなものが見えている――きっとこれは暑さのせい。
「クロバはどう思う?」
「魚の頭のひとが……いえ、いえ……ちょっと待ってください」
 ぷるぷる、再び頭を振って黒羽は視界をクリアに。
 うん、魚の頭のひとも、魚の顔のひとも――いない。
 だいじょうぶです、と頷く黒羽。そっか、とオズは言って気付いたのだ。
 ジョン、マリーン、西瓜、魚――そう、魚!
「はっ、そうか――はんにんは……さかなだっ」
 びしっ! とその指先はジョンの傍にある魚へと向けられる。
 黒羽はその指の先を見詰めた。
「! まさか……」
「そうだよ、クロバ。そのとおりだよ!」
 オズ探偵、まだなにも言っていないクロバ助手が言おうとしたことをすでに察している。
「注目を浴びる西瓜に嫉妬した魚が今回の犯行に……?」
「どうきはじゅうぶんだね、クロバっ」
「はい!」
 と、真剣な眼差し向けた黒羽のお腹が――きゅう。
「……」
「……魚が食べたいな、西瓜も」
 不意に鳴いた腹の虫。黒羽はきりっと表情引き締めて――すでに気持ちは食い気に傾いていた。オズは笑って、じゃあまずはと紡ぐ。
「はんにんの魚を捕まえちゃおう!」
 それは近くで焼かれて、おいしそうな香りを漂わせている焼き魚がきっと良い!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

尾白・千歳
さっちゃん(f28184)と

ねぇ、知ってた!?西瓜で人が殺せちゃうんだよ!(エヘン
だって、ほら、あそこに(集まってる人たち指差し
…でも、どうやるのかな?(首傾げ
んー百聞は一見にしかずっていうしね!
よーし手始めにあの西瓜の山に頭から突っ込んでみて!
だからホントに西瓜で人が殺せるのかを確認するんだってばー

うーん…じゃぁ、私が頭の上に西瓜落としてみる?
うっ、西瓜って重いね…(ヨロリ
早く、さっちゃんそこで横になって!
いくよー!せーの!(渾身の力で西瓜放り投げ
もう!避けちゃダメ!もう1回!(再び西瓜投げ
どう?


お返事がない
うん、西瓜で人が殺せたってことが証明できたよね!?
みんなに教えてこなきゃ!(放置


千々波・漣音
ちぃ(f28195)と

な、なんだってー!?
って、んなわけ…え、被害者?
いや、あれ単に偶然の産物なんじゃ…って聞けよ!?
あー成程、あの西瓜の山に頭をな…
って、はァ!?何でオレが!
いや、そもそもその実験必要あんのか…?

てか、西瓜持って超よろよろしてるけど大丈夫なのかよ…(超かわいいな、おい!
え、横に…?こうか?(謎に言われるまま横になる
!?ちょっ、そんなの当たったら、いくら神格高いオレでも…
だあッ!?(ごろんと避け

はーあぶねェ、もう少しで殺されるところだった…
ぎゃあっ!?(撲殺

…けど、ただでは死なねェ…!
最後の力ふり絞り西瓜の絵を砂浜に描き
ダイイングメッセージ残す被害者の鑑なオレ…!(ぱたりと沈む



●西瓜撲殺砂埋事件
「ねぇ、さっちゃん、知ってた!?」
「ん、何をだよ」
 西瓜で人が殺せちゃうんだよ! と、エヘン!
 胸を張った尾白・千歳(日日是好日・f28195)に千々波・漣音(漣明神・f28184)は。
「な、なんだってー!?」
 なんで、西瓜で、どうやって! と驚く漣音は勢いで返して。
「って、んなわけ……」
「だって、ほら、あそこに」
 と、千歳は指さす。その先を漣音が追えば人だかりができていた。
「え、被害者?」
 転がる西瓜、割れた西瓜。そして魚を握って倒れる男、ジョンと泣きつく女、マリーン。
「いや、あれ単に偶然の産物なんじゃ」
「…でも、どうやるのかな?」
「……って聞けよ!?」
 こてんと首傾げ、ふしぎと千歳は零す。
 くそ、かわいい! と思いながらも一応ツッコミ側にまだいる漣音は思わず。
「んー百聞は一見にしかずっていうしね!」
 そう言って千歳は、さっちゃん! と漣音をまっすぐ見詰めた。
「よーし手始めにあの西瓜の山に頭から突っ込んでみて!」
「あー成程、あの西瓜の山に頭をな……って、はァ!? 何でオレが!」
 だってそゆことやるの、さっちゃん好きでしょ? みたいな視線を向ける千歳。
 好きかどうかはともかくとして。いや好きなんてことはないのだけれども、多分。きっと。
「だからホントに西瓜で人が殺せるのかを確認するんだってばー」
「いや、そもそもその実験必要あんのか……?」
 ない。ないはず。
 けれど不思議なことは調べたい、解決したいのが乙女心。
 千歳は、行動に出ることにする。
 西瓜の山に頭を突っ込めないのならば!
「うーん……じゃぁ、私が頭の上に西瓜落としてみる?」
 ちょっとまっててねさっちゃん! と言って千歳は西瓜を売っている人のところへ。
 そして西瓜をひとつ、買ってくる。
 しかし西瓜重い。よろりよろり、ちょっとずつ進むしかできない。
「てか、西瓜持って超よろよろしてるけど大丈夫なのかよ……」
 と、思いつつも。
 超かわいいな、おい! と漣音は見守っていた。
「うっ、西瓜って重いね……」
 運んできて、ふぅと千歳は一息。そして、さっそく。
「早く、さっちゃんそこで横になって!」
「え、横に……? こうか?」
 なぜそこで素直に横になるのか――砂の上に大の字になって漣音はごろり、寝転んだ。
「いくよー!」
「おう! って、え!?」
「せーの!」
「!?」
 西瓜をうううん! と持ち上げた千歳。
 そして渾身の力で、放り投げる!
 やだ顔の上に落ちてくる――いや待て、ダメだろこれ! と漣音はまてまて、と千歳を止める。
「ちょっ、そんなの当たったら、いくら神格高いオレでも……」
「えいっ!」
「だあッ!?」
 精一杯の力で投げた千歳。しかし、転がって漣音は避けた。
「もう! 避けちゃダメ!」
 なんで避けるの! とぷんすこ!
 そんな様子もかわいいと思うがここは止めなければ、何かやばい気配がした。
「はーあぶねェ、もう少しで殺されるところだった……」
 ふぅ、と一息ついたその瞬間。
「もう1回!」
 避けられて寂しそう(錯覚)と西瓜を拾って、千歳は投げた。渾身の力で、漣音へと。
「ぎゃあっ!?」
「どう?」
 ぴくぴく、ぱたん。
 漣音は僅かに動いて――そして力抜けるようにぱたりと動きを止めた。
「……」
「……」
「……お返事がない。さっちゃーん?」
「……」
「うん……西瓜で人が殺せたってことが証明できたよね!?」
 みんなに教えてこなきゃ!! と千歳はマリーンの方へと向かう。
 そしてそこに放置された漣音は。
「……けど……た、ただでは、死なねェ……!」
 最後の力をふり絞り、西瓜の絵を砂浜に描く漣音。
 のろのろ、へちょった西瓜は果たして西瓜に見えるのか――
「ダイイングメッセージ残す被害者の鑑なオレ……!」
 そう言ってぱたり、今度こそ本当に力尽きた漣音。
 しかし――この西瓜の絵がまた事件を呼ぶ。
「おえかきしてる!」
「ぼくたちもしよ!」
 そう、近所のお子様たちが漣音の周囲に集ってしまったのだ。
 そしてお絵描きから始まり、砂遊びが始まり、漣音の上に砂がかけられていく。
 あれ、さっちゃんいない? と戻ってきた千歳は探すのだが漣音は砂の中。(ただし顔は出ているが西瓜まみれ)
 そして気付いた漣音は。
「……う、動けねェ……これは、金縛……って、なんだこれ!」
「あっ、さっちゃんいた! もー! ひとりで遊んで!」
「いや違うだろ! って誰がこれ作ったんだよすげぇ!」
 砂のお城はすぺしゃるでらっくすなお城。私も手伝う! と千歳も子供たちと一緒にお城の最終仕上げへと取り掛かるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三岐・未夜
【団地】

え、何コレどういう状況?
魚持って西瓜に突っ込んで……え?

え、サングラス?これ掛けるの?
刑事、はともかく、八千代が選んでくれたの?
青い☆型……うん、星好き。ありがとー

これ事件なのかなぁ……うーん、まぁいっか
八千代も硝子も楽しそうだし
西瓜が犯人……にん?
えぇと、西瓜は野菜なんだっけ
なら、犯野菜……?

買う時にぽんぽんしてみろって言う人居るけど、お店に並んでるのって普通に叩きづらいよね……
あっ、八千代は待っ、……ぁー……止め損ねた……(合掌)
今、目の前で犯野菜惨殺されたんだけど……
え、これ自白なの……?
ダイナミック自白……

……あーーー……うんっ、まあいっか!
八千代ー、硝子ー、西瓜食べよー調書ー


笹鳴・硝子
【団地】

空から魚が降ってくるとは恐ろしい所ですね
しかし、これは事件(西瓜)の匂いがします

「では捜査会議を始めます」
オレンジ色の☆型のサングラスをかけて気分は西部〇察です
「私は一番怪しくない存在が逆に怪しいと思うんですよね……そう、ヤツ(西瓜)が怪しい」
びし、と一番美味しそうなヤツを指さします
「取り調べ(ぽんぽん)をして良い音がしたら犯人です」
やっちーが取り調べしていた容疑者が割れたので
「大丈夫、これは自白です」
実に美味しそうな果肉ではないですか。これは良い容疑者。

「西瓜にレモン汁かけると良いって聞いたんですけど、いっときます?」
勿論定番の塩も忘れずに
だってほら、調書も書かねばなりませんしね?


花邨・八千代
【団地】
なるほど!わからん!
とりあえず近場の海の家で☆型サングラス(ピンク)を買ってきた
やっぱほら、捜査と言ったら刑事だし
刑事といったらサングラス、だろ…?

あ、みゃーは青な!しょこオレンジだし!
☆のグラサン刑事隊だ!

なるほど!じゃーしょこが言ってるそいつ(西瓜)が容疑者な!
ほほう、中々艶良くてでっかくてうまそうじゃねぇか…
えっ、西瓜って野菜なのか!?あんな甘くてうまいのに!?
すごいな……犯野菜、すごいな…

そういや西瓜の取り調べってどうすんの?
たたく?こうか?(怪力500のぽんぽん)

あっ
………なるほど、つまり俺は敏腕刑事
西瓜にレモンやったことねー!やるー!
みゃー!みゃー!スイカ食おうぜ!調書だ!



●西瓜惨殺殺人事件の調書
 転がる西瓜。割れて散らばった西瓜。
 魚、そして倒れた男、ジョンとすがる女、マリーン。
 うん……ぱっとみればこの反応が至極まっとうだろう。
「え、何コレどういう状況? 魚持って西瓜に突っ込んで……え?」
 三岐・未夜(迷い仔・f00134)は周囲を見て、誰か説明して……と零した。
 ただの事故です。地元の刑事さんの結論は事故です。
 しかし、笹鳴・硝子(帰り花・f01239)はきりりと表情引き締めて。
「空から魚が降ってくるとは恐ろしい所ですね」
 ごくり、と硝子は息を飲む。遠くで魚が落ちてきたぞー! という声も聞こえてくるのだ。恐ろしい。でも頭上は海だからそういうこともありありのあり。
「しかし、これは事件の匂いがします」
 すん、と鼻をならせば――あれっ、この匂い。
 これは――そう、西瓜の香り。砕けた西瓜の香がひろがっているのだ。
「なるほど! わからん!」
 そして神妙な顔をしていたものの、花邨・八千代(可惜夜エレクトロ・f00102)はぱっと相好崩してあるものを取り出した。
 その手にあるのは――サングラスだ。星型の。そしてぴんく。
「やっぱほら、捜査と言ったら刑事だし。刑事といったらサングラス、だろ……?」
 すちゃと八千代はサングラスを装着。似合う。ぴんく似合う。
 しかし一人だけサングラスを、なんてことに八千代はしなかった。
 右手には青を、左手にはオレンジを。
「あ、みゃーは青な! しょこオレンジだし!」
「え、サングラス? これ掛けるの?」
 サングラスを受け取って、未夜はじぃと見詰め。
「刑事、はともかく、八千代が選んでくれたの?」
 それはちょっと嬉しいのだが、その形。
 青い☆型だ。何度見てもそれは変わらない。
「青い☆型……うん、星好き。ありがとー」
 受け取ったからにはと、未夜も装着。
 硝子はオレンジ色のを受け取ってすちゃっ。こちらもまた似合う。
 三人お揃い――☆サングラス刑事隊誕生!
 そんなわけで早速迷宮入りしそうな西瓜惨殺殺人事件捜査をさらに進める三人。
「では捜査会議を始めます」
 揃いのサングラスをかければ気分は西部警――それ以上はもろもろの都合であれがあれですが素敵な西部な警察的気分。
「これ事件なのかなぁ……うーん、まぁいっか」
 未夜はうなりつつ、八千代も硝子も楽しそうだしと思うのだ。
「私は一番怪しくない存在が逆に怪しいと思うんですよね……そう、ヤツ(西瓜)が怪しい」
 びしっ! と硝子が示したのは――ちょっと離れた場所ですっと動きを止めて隠れていた西瓜だ。(ただ物陰に転がっただけです)そしてそれはひときわ、美味しそうな気配を纏っている。
「なるほど! じゃーしょこが言ってるそいつ(西瓜)が容疑者な!」
 八千代はその西瓜の下に走り確保! と抱えて戻ってくる。
 ずっしり、いい重量感の西瓜だ。
「ほほう、中々艶良くてでっかくてうまそうじゃねぇか……」
「西瓜が犯人……にん?」
 えぇと、西瓜は野菜なんだっけ、と未夜は思い出す。
 この三人の中で、ひとり突っ込めそうな雰囲気をまだ残していたというのに。
「なら、犯野菜……?」
 未夜も暑さでやられてしまった――ぴん、と何かに気づいたような顔をしている。(でもサングラス掛けてるしおめめは前髪で隠れているのでわかるのは口元のみ)
「えっ、西瓜って野菜なのか!? あんな甘くてうまいのに!?」
 初めて聞いた! と八千代はびっくり。
 そしてその手にある西瓜をじぃとサングラスごしに見詰める八千代。
「すごいな……犯野菜、すごいな…」
 犯野菜すごい。けれど犯人だ。
 どんなに凄くておいしそうに見えても、容疑者であるのだから取り調べをしなければならない。
「そういや西瓜の取り調べってどうすんの?」
「取り調べをして良い音がしたら犯人です」
 取り調べは、こうと硝子はやってみせる。ぽんぽん、とたたけばいい音。
 これは中身が詰まっている――
「買う時にぽんぽんしてみろって言う人居るけど、お店に並んでるのって普通に叩きづらいよね……」
 折角なので、と未夜もぽんぽん。うん、確かにいい音。手に感じる感覚もとても良い。
「たたく? こうか?」
「あっ、八千代は待っ、」
 と、その西瓜の運命を察した未夜は止めようとしたのだがそれよりも早く。
 怪力500のぽんぽんが――あっ。
 三人そろってその瞬間の心中は『あっ』に尽きる。
 取り調べの力がちょっとイイ感じに加わりすぎた。多分――怪力500だが。
 ぽんぽんのぽの瞬間、西瓜は強烈な力を受けてその表面に罅を走らせ、そしてぐしゃあああああ!!! と派手にいった。
 飛び散る赤い果肉。瞬間強まる西瓜のかおり。八千代の手は、血まみれならぬ果汁まみれ。
「……ぁー……止め損ねた……」
 合掌、と未夜は手を合わせて西瓜を拝む。西瓜さんどうぞ安らかに……でも美味しそうな色はしている。
 あとサングラスにタネが飛んでくっついていた。
 硝子は気にしてはいけませんと言う。
「今、目の前で犯野菜惨殺されたんだけど……」
 向けられた言葉に、いいえ違いますと未夜へとふるり、首を振って返す硝子。
「大丈夫、これは自白です」
 実に美味しそうな果肉ではないですか。これは良い容疑者と硝子は言う。
「え、これ自白なの……?」
 そう、自白。
 自白かー、自白ならしょうがないなーと未夜はううんと唸って。
「ダイナミック自白……」
 そういうことになった。
 そして八千代も自白を促すことに成功したのか! と思う。
 ということは、こういうことだ。
「………なるほど、つまり俺は敏腕刑事」
 そして、自白したのだ。
 美味しそうな良い容疑者ならば――いただくしかない。
「西瓜にレモン汁かけると良いって聞いたんですけど、いっときます?」
「西瓜にレモンやったことねー! やるー!」
 もちろん定番の塩も忘れずに、と塩、塩と硝子は探す。
 すると、塩ならそこにという声が聞こえてきた。
 それは――今までいろいろな事情で意識を失っていたジョンという男の復活だった。
 西瓜売りの男、レモン汁も塩も色々と取り揃えていた。
「てか、うおっ! でかい魚を受け止め損ねてこけたのか。片づけが大変だなぁ……」
「ジョン! 手伝うわ!」
 一番騒いで犯人探しと言っていた女、マリーンも何事もなかったかのように片づけを手伝い始める。
 まぁそういう事もあるか~、なんて言いつつジョンは周囲をてきぱき片づけて、すでに商売を再開している。
 西瓜のお代? 未夜がさっとお支払いした。ワンコイン、お安い。
 そんなわけで!
 迷宮入りしようとしていた事件もすべて解決(?)された――ということで。
「……あーーー……うんっ、まあいっか!」
「だってほら、調書も書かねばなりませんしね?」
 うんうん、その通りと未夜は頷く。
 そう、調書は最後のしめに書かねばならない。
「八千代ー、硝子ー、西瓜食べよー調書ー」
「みゃー! みゃー! スイカ食おうぜ! 調書だ!」
 調書に書くのは、こうだろう――美味しい!!
 そう、砂浜を走り回って大きく、でかでかと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月21日


挿絵イラスト