●独白
こんなはずではなかった。
女は自分の腹をさする。その腹は大きく、中に胎児が居ることを知らせていた。
どうして。どうして、こんな子が生まれてしまうんだろう。
「…ごめんね」
天井に一つだけついている明かりは部屋全体を薄暗く照らしていた。
そう、あの時もそうだった。
救われた、と思っていた。私が虐められている所を助けてくれて私を仲間に入れてくれた。
だから私はここに居ようと決めたのだ。
…ここで、何がされているか知らずに。
ここは、邪教集団と外から呼ばれているらしい。正式名称は口に出すには少し難しい漢字が並んでいる。だから私たちは『組織』と呼んでいた。
不思議な実験をいくつも見せてもらった。私にはよくわからないことだったけれど、私にも出来ることがあるらしい。
それが、神の子を孕むことだった。
この組織の洗礼を受けた男性と交わることで生まれた子は神の子となるんだとか。
そして生まれた子は、バケモノだった。
黒くて、蠢く何かが私から出てきた。私は、何を産まされたの?
それを見て組織の人達は「失敗だ」と言ったのだ。
なんで?私は神の子を孕むことが出来るんじゃなかったの?
それから、幾度も、幾度も、神の子を孕む『実験』をすることになった。
私の中からは何度も黒いバケモノが出てくる。『失敗作』は私の目の前で殺された。
もう、嫌なの。
きっと、今この腹の中に居るのは『失敗作』。苦しんで産むことになるのは『失敗作』
組織の人の軽蔑の視線も、あきらめの視線も、見たくない。
終わりにしよう。
全部全部、終わらせて、ここも全部壊しちゃうんだ。
そうすればきっと、楽になる。
自分の中の何かが壊れた音がした。
●グリモアベース
「…UDC-HUMANの話は聞いていますか」
冬池・宇奈(冬色のファンタジア・f27260)は集まった猟兵たちを見て静かに言う。中には既にその事件に関わった猟兵も居るだろう。
人間がUDCに変身する事件を。辛い出来事により心が壊され、UDCへと変貌してしまうのだ。
「…今回は、とある女性がUDCとなる予知を見ました。皆さんに行ってもらいたいんです」
UDCに変貌した直後ならまだ外部に被害を及ぼしていない状態に間に合うことが出来る。そして急いで倒せばUDCとなる前に救えるかもしれない。
「……女性は、とある邪教集団に所属しています。…神の子を作る、そう信じて何やら実験を繰り返していたいみたいです」
その過程で非道な実験も行っていたようだ。…そう、件の女性もその実験に関わっていた。女性に薬を投与し、人工的に神の子を作る実験だ。
彼らの言う『神の子』が何を示しているかはわからない。神の子を作る実験は失敗続きだったそうだ。
「…その、あまり言うのを憚られるのだけど…子を、孕まされていたんだって。…何度も、何度も。神の子を産むために」
『神の子』。ろくなものでは無いことは確かだ。大体こんな人体実験で何を作れるというのか。…だが、邪教集団は信じていた。
絶対的な力を持つ『神の子』が生まれることを。
「…行ってもらうのは、その邪教集団の近くにあるアパートの一室です。そこに彼女は居ます。…ですが同調して出てきたUDCが集まってきています」
―――嗚咽への『影』人々の負の感情から生じた 嗚咽への『影』だ。彼女の深い悲しみに同調している。
「…UDCになった彼女は強大な戦闘能力を有しています。ただ、理性を失っているみたい」
全てを壊したかったのかもしれない。その邪教集団を、自分を傷つけた全てのものを。
「…説得、してほしいの。…彼女にとって現実はつらいものかもしれないけど…でも、辛いまま、終わってほしくない」
倒した後は―――。
「…邪教集団の元へ行って、制裁を。…その、彼らは何かを察知してもうこの場を離れてるんだけど…一人だけここに残ってるの」
その一人が、彼女が今孕んでいる子の父親だ。どうやら書類やら痕跡を消している所らしい。
「…彼にも思うところはあると思う。でも酷い事をしているのは彼も、だから」
だから、制裁を加えてほしい。
「…皆さん、お願いします」
ぺこりと、宇奈は頭を下げてから転送ゲートを開きUDCアース、彼女のアパートの前へと猟兵たちを送った。
笹山ぱんだ
●こんにちは。笹山ぱんだです。 今回はUDCアース、UDC-HUMANのお話です。
第1章:『嗚咽への『影』』
集団戦 とあるアパートの前に彼らは立ち尽くしています。
人々の負の感情――特に悲しみ――から生じた、嗚咽への『影』です。
今回は彼女の悲しみに同調し現れたようです。
第2章:『青の従者』
ボス戦。アパートの一室に居ます。理性を無くし、強力な力を手に入れたようです。
彼女を部屋の外へと出し、広い場所で戦うか、それとも部屋の狭い空間で戦うかは猟兵たちにお任せします。
第3章:『人間の屑に制裁を』
たった一人、邪教集団の施設に残っている男への制裁です。
書類や実験に使った色んなものを掃除している様子。
●飛ケ谷 由美(ひがや ゆみ)
とある邪教集団に所属する女性。18歳
虐めにあっていて、死のうと思ったがそこを邪教集団に救われ所属することに。
薬を投与され(本人はその自覚は無い)『神の子』を孕むための母胎とされていた。
だが何度も失敗作を作った為、どうやら廃棄処分される予定だった様子。
本来は大人しく真面目な少女。
●津賀 真(つが まこと)
とある邪教集団に所属する男。23歳
『神の子』の父となることを望み、由美を孕ませた。罪悪感はあったが、実験の為仕方がないことだと思っている。
邪教集団の施設に残り一人後片付けをしている。
*1章はオープニング公開後からのプレイング募集になります。断章はありません。
2章と3章は断章追加後のプレイング募集になります。
受付終了の日時については、決まり次第マスコメとツイッターにてお知らせします。
それでは、良き戦いを。
第1章 集団戦
『嗚咽への『影』』
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POW : 嗚咽への『器』
戦闘力が増加する【巨大化】、飛翔力が増加する【渦巻化】、驚かせ力が増加する【膨張化】のいずれかに変身する。
SPD : 嗚咽への『拳』
攻撃が命中した対象に【負の感情】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【トラウマ】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ : 嗚咽への『負』
【負】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【涙】から、高命中力の【精神をこわす毒】を飛ばす。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
また、なのか……けれどとてつもなく、「妙」だね。
今回は何なんだ?実験の影響?
それとも……もっと深い悲しみか?
それを聞こうにも、まずは救わなけりゃいけないだろうよ。
だから……話が通じそうもないお前らはお呼びじゃねぇんだ。
さっさと退きやがれ!
ここまで存在があやふやになってるなら、
その拳もある程度は吸いこめるだろ。
手のひらに【災い拒む掌】の特異点を発生させて、
載せられた負の感情ごと返してやる!
ついでにアタシのダチを看取ったこの悲しみも、
上乗せして悶えてしまえ!
……そうだよ、まだ「ヒト」で居られる可能性があるのなら。
アタシはそれを諦めさせるわけにはいかねぇんだよ!
●嘆き
「また、なのか……けれどとてつもなく、「妙」だね。」
アパートの前に転送された数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は首を傾げる。
「今回は何なんだ?実験の影響?それとも……もっと深い悲しみか?」
例の少女がUDCになってしまった原因は? 邪教集団の実験のせいなのか、それとも…
それを聞こうにもまずは、話が出来るよう、救わなければいけない。
「だから……話が通じそうもないお前らはお呼びじゃねぇんだ。さっさと退きやがれ!」
アパートの部屋の前に居る黒い影のUDCに向かって多喜は拳を構えたのだった。
かなしい、と声がする。その思いが固まったUDCだ。その悲しみが何故出来たのか、もうわかりはしない。
「ここまで存在があやふやになってるなら、その拳もある程度は吸いこめるだろ」
敵の拳が、発動した【災い拒む掌】が受け止める。そして次元特異点を生み出し、その力をコピーすれば敵へとそれを打ち返す。
載せられた負の感情ごと全て、返すのだ。
「ついでにアタシのダチを看取ったこの悲しみも、上乗せして悶えてしまえ!」
多喜の悲しみも受け取った影は嘆き、苦しんでいる。しかし影に時間を使ってはいられないのだ。
「……そうだよ、まだ「ヒト」で居られる可能性があるのなら。アタシはそれを諦めさせるわけにはいかねぇんだよ!」
助けられる命は、救わなくては。
大成功
🔵🔵🔵
鉛・鐵斗
アドリブ連繋◎
18ィ!?俺とほぼ変わんねーじゃん!UDCになっちまったらそれこそ……。
一度死んで絶賛ボーナスステージ中な俺が言うもアレかもしんねーけど、その未来潰させてたまっかよ。
●SPD
こちとら記憶喪失だ!トラウマすらも覚えちゃ……
――フラッシュバック。夏の雨の夜。逆さまに見えた町灯り――
……マジか。
足が震えて動けねぇ
くそ!動けねーんなら動かねーまでだ!ナメんなオラァ!
●戦闘
指定UCを発動し、具現化した戒鎖で防御だ!
受けに受けて呪い増幅させて返してやんよ!んで、霊障で範囲攻撃するぜ!
●内心
くっそ、ハッキリ思い出しちまった。
死ぬ直前のフラッシュバックとか、マジきっつ
……そうも言ってらんねぇけど
●嘆き
「18ィ!?俺とほぼ変わんねーじゃん!UDCになっちまったらそれこそ……」
少女の年齢の情報を聞いた鉛・鐵斗(星望む幽鬼・f28410)は思わずそう叫んだ。まだ成人もしていない。それなのに少女に課せられた運命は強烈なもので。
「一度死んで絶賛ボーナスステージ中な俺が言うもアレかもしんねーけど、その未来潰させてたまっかよ」
幽霊となった少年は、UDCとなってしまった少女を助ける為アパートに向かうのだった。
影の拳が見える。鐵斗へと、負の感情を付与する。そしてトラウマを思い出させるのだ。
「こちとら記憶喪失だ!トラウマすらも覚えちゃ……」
脳内へと浮かぶのは、夏、暑い季節。雨が降り続く、夜。逆さまに見えた町の明かり。
(……マジか。足が震えて動けねぇ)
恐ろしい。覚えていないはずなのに、鐵斗を襲うその気持ちはその『記憶』が失ってしまった真実なのだと知らせていた。
「くそ!動けねーんなら動かねーまでだ!ナメんなオラァ!」
【戒鎖の呪縛】を発動すれば具現化した戒鎖で敵の拳を受け、攻撃を受けたことで増幅した呪いを戒鎖に乗せ攻撃を放つ。他の影達にも霊障で囲み、範囲攻撃を加える。
(くっそ、ハッキリ思い出しちまった。死ぬ直前のフラッシュバックとか、マジきっつ)
鐵斗は小さく頭を振って、その恐怖を打ち払う。
「……そうも言ってらんねぇけど」
そう、時間はあまりない。完全にUDCになってしまう前に、助けなければいけないのだから。
大成功
🔵🔵🔵
九重・灯
人格が替わる。敵の排除は「オレ」の役割だ。
なんとも胸クソ悪い話だが、やるコトはそう変わらねえ。
バケモノを倒して、女が生きていればUDC組織に引き渡してオシマイだ。そうだろ?
(「邪教集団を倒すための手掛かりも集めないと……それに他にも、何かできることがあるはずです」)
頭の中にもう一人の自分の声が響く。あまり入れ込まれても困るんだがな。
(「彼女は、わたし達と同じ年なんですよ……」)
剣、アザレアを構える。まずは影共の始末だ。
UC【剣劇】。攻撃力重視。
まとめてなぎ払う。デカくなったら手足を潰して動きを止める。
『なぎ払い8、怪力7、範囲攻撃5、体勢を崩す5、部位破壊5』
ま、オレはオレの仕事をやるだけだ。
●嘆き
「なんとも胸クソ悪い話だが、やるコトはそう変わらねえ」
九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)は本来の人格から、もう一つの人格へと変わる。
「バケモノを倒して、女が生きていればUDC組織に引き渡してオシマイだ。そうだろ?」
しかし頭の中で本来の人格である灯の声が聞こえた。
(「邪教集団を倒すための手掛かりも集めないと……それに他にも、何かできることがあるはずです」)
「あまり入れ込まれても困るんだがな」
そう、同情のし過ぎは良くない。戦闘にも影響は出るし、何より判断を鈍らせる。そう思っている。
(「彼女は、わたし達と同じ年なんですよ……」)
しかし、灯はそうは思わなかった。女であることを踏みにじられる、そんな行為を同じ年代の少女が受けているのを知った。
ならば助けたいと思うのは当然のことだった。
剣、アザレアを構える。まずすべきことは影達を倒すこと。【剣劇】を発動し、攻撃力を上げれば敵へと接近し、纏めて薙ぎ払う。
己を攻撃する手足が大きくなればその部分をアザレアで刺し潰し、動きを止めて体勢を崩させてその胴を纏めてぶっ叩く。
「ま、オレはオレの仕事をやるだけだ」
影の嘆きが、聞こえる。悲しみを自分へと訴えていた。だが、それがどうした?
この先へと向かう邪魔をしている敵を倒すのは当たり前のことだ。だから、この武器を手に取り、貫くのである。
それが灯たちの仕事だ。依頼された少女を助ける為――。
影の胴を、首を、切り裂き、貫き、薙ぎ払う。そうすれば、確実に影の存在は数を減らしていた。
大成功
🔵🔵🔵
備傘・剱
縋る先が欲しかった
縋った先が最悪で、絶望が自身を包んだ、か
ままならねぇ、なぁ…
青龍撃、発動、呪殺弾、衝撃波、誘導弾、頭の上の一足りないのダイス攻撃、ブレス、全兵装完全起動、オーラ防御、全面展開開始
殲滅戦、開始する
量だけはいる奴らみたいだからよ
纏めて一気に倒していく
俺の進む道を邪魔する奴は、爪を持って、引き裂いてやるよ
言い方は悪いが、悲しみを食い物にする奴、って事か?
これだけの数がいるって事はよ、それだけ、深いって事なんだろうなぁ…
受け入れてもらえた先で、自分の存在意義、それも、全部を使って失敗って言われちゃぁ、なぁ
ここまでなる前に、着てやりたかったが、な
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
●嘆き
「縋る先が欲しかった。縋った先が最悪で、絶望が自身を包んだ、か。ままならねぇ、なぁ…」
備傘・剱(絶路・f01759)はUDCとなった少女のことを考える。縋らなければ壊れていたし、縋ってもその身を滅ぼそうとしている。
少女の気持ちを考えれば、何とも言えない気持ちになる。剱には少女の気持ちを全てわかることは出来ないだろう。それ程の、絶望だ。
だが、救わなくては。今ならまだ間に合うのだから。
影と相対した剱は【青龍撃】を発動し、空気中の水分を凝縮し形成した青龍の爪と牙を纏い、己の移動力を増幅させる。
「殲滅戦、開始する」
爪から真空刃と牙から放たれる高圧の水弾を放つ。そこに呪殺弾を混ぜれば敵はダメージを受け嘆いていた。
一気に倒さねば、攻撃を食らい、己のトラウマを引き出されてしまうだろう。それは避けたい。
「俺の進む道を邪魔する奴は、爪を持って、引き裂いてやるよ」
敵の攻撃を受けぬうちに誘導弾を放ち、それに気を取られた影達へ衝撃波を加える。
「言い方は悪いが、悲しみを食い物にする奴、って事か?これだけの数がいるって事はよ、それだけ、深いって事なんだろうなぁ…」
悲しみも千差万別。だがたくさんの悲しみが積み重なり、影が生まれたのだ。同調された少女の悲しみもまた、辛いものだっただろう。
「受け入れてもらえた先で、自分の存在意義、それも、全部を使って失敗って言われちゃぁ、なぁ」
少女が己の身体を使うのは勇気がいる行為だ。それが信じるものの為であったとしても。…それは良い方向には向かわなかったが。
「ここまでなる前に、着てやりたかったが、な」
だがまだ助ける時間はある。最後の影を水弾で倒せば剱はアパートの扉を見つめた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『青の従者』
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POW : 魔兵咆哮
【動きを封じる程の破壊力を持った咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 魔兵装甲
【自己学習能力によって、戦闘中に敵から得た】【知識や技を取り込み、適応進化を行うという】【特性】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ : 魔兵覚醒
【本能のままに得た負】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ナハト・ダァト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●少女の絶望
つらい、くるしい、いたい。
身体中から鈍い痛みが走る。重い腹はどこへ行ってしまったのか。
少女は、自分の身体が何か、別の物になってることに気付いた。
醜い体、醜い手、醜い足。
「あ、ああああああああっ!!」
叫ぶ、どんどん曖昧になってしまう意識の中で。
(わたしのこころは、きっと消えてしまう)
それがなんとなくわかってしまった。
でもそれが良いのかもしれない。
もう、辛いことは起きないのだ。もう、全て忘れてしまおう。
(そう、それがいいのかもしれない)
ふわりふわり、意識が遠のく。
自分を救おうとしている存在が居るとは、知らずに。
備傘・剱
…おい、色々と思う所はあるがな、絶望するには、まだ、若すぎるんじゃないか?
自分をしっかり持ちな
オーラ防御を全力展開、呪殺弾、衝撃波、誘導弾で弾幕を張りつつ、ダッシュで接近して、二回攻撃と鎧無視攻撃と鎧砕きを行う
接近したら、ワイヤーワークスをロープワークの要領で絡めて、動きを止め、本体が少しでも残っている場所に、八咫導発動、少し、落ち着かせるぜ
子供の事は…、その、残念に思う
だがな、邪神が生まれていたら…
自分の子供が世界を亡ぼす神だなんてなったら、親のお前は、どう思ってた?
今以上の絶望を抱いていたかもしれないぜ
今なら、まだ人生をやり直せる
生きる事を否定するな
俺と違って、道はまだあるんだから!
●絶望
部屋へと通じる扉のカギは開いていた。備傘・剱(絶路・f01759)が部屋に入れば、醜いUDCがそこに居る。しかしその中で、少女が苦しんでいることを、剱は理解していた。
「…おい、色々と思う所はあるがな、絶望するには、まだ、若すぎるんじゃないか?」
子供を産める年齢だとはいえ、まだ二十歳にも届かない。そんな少女が絶望に身を委ねるのはまだ早いと思った。
「自分をしっかり持ちな」
剱は自分へとオーラ防御を全力で展開し、呪殺弾と衝撃波、誘導弾で弾幕を張り、少女であるUDC、青の従者へと走って接近した。素早くガントレットで二回攻撃し、その硬い防御を破壊する。
「あああああ、あああああ!!」
咆哮が剱の身体を揺らし、体力を削る。だが身を包むオーラが身体を守ってくれていた。怯むことなくワイヤーワークスをロープワークの要領で絡め動きを止めると少女の心が残っている部分、心臓へと【八咫導】を発動する。
強力なサイキックエナジーの一撃が彼女の心を揺らせば少し落ち着いたようで身を丸くした。
「子供の事は…、その、残念に思う。だがな、邪神が生まれていたら…自分の子供が世界を亡ぼす神だなんてなったら、親のお前は、どう思ってた?」
神の子供を作る実験、それは十中八九邪神を作る実験だったのだろう。人の子宮を使い実験するという行為は非道としか言いようがないが…、だが失敗したのは、逆に良かったのかもしれない。成功していたならきっと――。
「今以上の絶望を抱いていたかもしれないぜ、今なら、まだ人生をやり直せる」
少女の身体は暖かかった。UDCの身体になっても、今、ここに生きているのだ。だったらまだやり直せる。
「生きる事を否定するな。俺と違って、道はまだあるんだから!」
すべてを失った自分とは違う。まだ出来ることは沢山あるのだから。剱は少女の心へと語り掛けた。
UDCとなり退化した瞳から、涙がひとつ、こぼれた。
大成功
🔵🔵🔵
鉛・鐵斗
(深呼吸)
よし、やれる。
動け俺。過去の俺より今のアイツだ。
●SPD
攻撃は避ける。女子だしあんま殴りたくねぇ。
化物になってんのは本意じゃねぇと思うし、俺は金縛りで動きを止める。
既に苦しんでるし必要以上には締め付けねぇ。
他の猟兵の行動の一助になれれば上々だろ
●行動
届くかどうかわかんねぇけど呼び掛けてみる。
アンタがどんな思いしたか解るよなんて言えねぇけど苦しんでんのは見りゃ解る!
辛くて悲しいんだろーけど、アンタが自分を見失っちゃ全部が全部辛いまんまだろーが!
だから大事なモン、その心、しっかり捕まえといてくれ!
あとは俺らがどーにかしてやる!約束だ!
手を繋ぐを用いて、指切り……できるか?
アドリブ連携◎
●約束
開け放たれた扉。中に入れば見えるUDCの姿に鉛・鐵斗(星望む幽鬼・f28410) は一つ、深呼吸をした。
「よし、やれる。動け俺。過去の俺より今のアイツだ」
自分のトラウマより、まずはUDCとなった少女を助けなければいけない。
【金縛り】を発動し、UDC…青の従者の動きを止める。攻撃は行いたくはなかった。女子はあまり殴りたくないのだ。
敵は動けない身体を無理やり動かそうとし、呻き声を上げている。
彼女は苦しんでいるのだ。必要以上に締め付けたくはない。
鐵斗は一歩踏み出して、少女へと語り掛ける。
「アンタがどんな思いしたか解るよなんて言えねぇけど苦しんでんのは見りゃ解る!」
少女は動きを止め、退化した目で鐵斗を見ようとしていた。
「辛くて悲しいんだろーけど、アンタが自分を見失っちゃ全部が全部辛いまんまだろーが!だから大事なモン、その心、しっかり捕まえといてくれ!」
つらい、つらい、いたい、くるしい。そんな声が、聞こえるようだった。だからこそ鐵斗は伝えたかった。少女の元へとたどり着く。醜い身体はきっと、少女の心の表れだ。
そのままではいけないのだ。自分の心を捕まえて、溶けないようにしなければ本当に消えてしまう。
「あとは俺らがどーにかしてやる!約束だ!」
鐵斗が差し出した小指を見て、退化した瞳から涙を流す。もう、繋ぐ指も無いのだ。それに気付いた鐵斗は小指を醜い武器と化した手へと乗せる。どこが指かもわからない。
だが、この気持ちが通じるものだと信じて――。
大成功
🔵🔵🔵
九重・灯
引き続き「オレ」の出番だ。
壁や家具の後ろに隠れながら、銃撃で広い場所に誘導する。
『地形の利用5』
UC【影の森】。自身の生命力を寄生呪具『カゲツムギ』に注ぎ、広がる影が床を黒く覆う。
黒縄で敵を拘束、黒刃を乱立させて刺し貫く。
『2回攻撃5、串刺し8、ロープワーク6、捕縛5、呪詛6』
他を巻き込む恐れがなければ攻撃回数を増やす。
「オマエが与太話を信じて、バカなコトをやらかした結果がこのザマだ」
オレは戦うくらいしか能がない。
「悔しくないか? フザケんなって思わないか?」
だから、救われるかどうかなんてコイツが自分で決めることだ。
「このままバケモノのまま死ぬか、それとも抗って生きるのか選べ、飛ケ谷 由美!」
●生命
九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)…の中に居るもう一人の存在は他の猟兵たちが戦っている間に中へと入り込んだ。
壁や家具の後ろへ隠れながら狭い部屋から、広い部屋へと誘き出す。戦闘をするには狭い空間だと不利だったからだ。
【影の森】を発動し、その生命力を代償にカゲツムギへとその力を注ぐ。広がる影が床を黒く覆った。黒縄で敵を拘束すれば黒刃を影からいくつも乱立させ刺し貫く。
醜い悲鳴が灯の耳を揺らす。それにも戸惑うことなく捕縛したUDC…青の従者を何度も、何度も貫いた。赤黒い血が床を多量に汚す。
「オマエが与太話を信じて、バカなコトをやらかした結果がこのザマだ」
(オレは戦うくらいしか能がない)
優しく甘い、もう一人の『わたし』と違って。不器用な言葉をかけることしか出来ない。
「悔しくないか? フザケんなって思わないか?」
少女の心を揺さぶる。このままでいいのか、と。心を、身体を、利用されたこのままで――。
救われるかどうかは、少女が自身で決めることだ。
「このままバケモノのまま死ぬか、それとも抗って生きるのか選べ、飛ケ谷 由美!」
名前を呼び、心へ叫ぶ。届け、届け、たとえ今、うつろな空間にその心があったとしても。
今はまだ救えると信じて。
大成功
🔵🔵🔵
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
ダメだ!なんかこう、上手く言えねぇけど。
「そっち」に行っちゃいけねぇ!
その「こころ」がある限り、アンタはまだ「ヒト」なんだ!
いいか!「ヒトである事」を諦めんな!
アンタがその一線を越えちまったら、「成功作」になっちまうんだ!
分かるか!?アンタが今一番思い通りになって欲しくない奴らの、
思うつぼなんだよ!
そいつらへの制裁は、アタシ達も力を貸す!
だから、アンタを元に戻すちょっとの間、
じっとしておいてくれ!
咆哮で動きを止められようが、強引に精神波を手刀に集め。
アタシ自身に『衝撃波』を撃ち出して、一気に青の従者に肉薄する。
そのまま【魂削ぐ刃】を突っ込み、邪神の核を削ぎ砕くよ!
●こころ
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、先の猟兵たちの言葉を聞いて、少女の心がまだここにあることに気付く。
「ダメだ!なんかこう、上手く言えねぇけど。「そっち」に行っちゃいけねぇ!」
おぼろな少女の心がUDCに解けてしまえば、戻ってこれなくなってしまう。
「その「こころ」がある限り、アンタはまだ「ヒト」なんだ!いいか!「ヒトである事」を諦めんな!」
たとえ辛くても、まだ少女に『こころ』があり『ヒト』であるならば、助けられる。犠牲はもう御免だ。
「アンタがその一線を越えちまったら、「成功作」になっちまうんだ!分かるか!?アンタが今一番思い通りになって欲しくない奴らの、思うつぼなんだよ!」
神の子供を作る実験、つまりはきっと邪神、UDCを作る実験と同等だろう。そうなってしまってはあの集団の思うがままだ。利用されてしまうかもしれない。彼らの武器として。
「そいつらへの制裁は、アタシ達も力を貸す!だから、アンタを元に戻すちょっとの間、じっとしておいてくれ!」
決して許されることではない。多喜はそう思う。だからまずは少女を戻すために、その力を振るわなければいけない。
苦しいのだ。こころが肉体と乖離している。少女のこころはUDCにとって不要なのだから。だから呻くように咆哮を上げる。
「あああああ、ああぁああ、あああああ!」
その叫びは力になり、多喜の身体を揺らし傷つける。だが強引に動き、手に精神波を集め自分自身に衝撃波を打ち込み、一気に青の従者に肉薄する。そのまま【魂削ぐ刃】を発動し光るサイキックエナジーで邪神の核を削ぎ砕いた。
瞬間、劈く様な悲鳴をUDCは上げる。解けるように、青の従者の存在は消え、床に少女――飛ケ谷 由美は倒れていた。
苦しそうにけほっと咽た後、由美は瞳を開く、零れるのは涙。猟兵達の言葉は全て、少女に届いていたのだ。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『人間の屑に制裁を』
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POW : 殺さない範囲で、ボコボコに殴って、心を折る
SPD : 証拠を集めて警察に逮捕させるなど、社会的な制裁を受けさせる
WIZ : 事件の被害者と同じ苦痛を味合わせる事で、被害者の痛みを理解させ、再犯を防ぐ
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●邪教集団へ
「……こえが、聞こえた。…貴方達のこえだね」
先ほどまでUDCに姿を変えていた少女、飛ケ谷 由美は涙に濡れた瞳で猟兵たちを見た。今はまだ立ち上がる気力は無いが数時間あれば歩けるようにはなるだろう。
その腹はいまだ大きく、『失敗作』を孕んでいることは明白だった。
「…ありがとう。…確かに、このままではだめだと、思ってたの」
だけれど変えれる自信が無かった。言われるがままに失敗作の母となることが良いものだと思っていた。
しかし心は納得をしていなかった。だから辛かったし、壊れ、UDCへと変化したのだ。
言われたままにする、心のないお人形だったら、どれだけ楽だったことか。…それならば、由美はここに居ないのだが。
由美は何もなければ、グリモア猟兵が声をかけているUDC組織へと保護されることになるだろう。
ならば猟兵がするべきことは一つだ。この近くにある邪教集団の施設へ行き、制裁を加えること。
だが彼らは何かを察知してもうこの場を離れてる。施設に居るのは由美を孕ませた男の一人だ。後片付けを行っているらしい。
たとえ彼に罪悪感があったとしても、実験に少女を使った事実は変わらない。もうこのようなことを彼が行わないように、制裁しなければいけない。
(※プレイングの受付は8/19 8:30~の受付になります)
九重・灯
体の支配権が「わたし」に移る。
邪教集団の施設へ走る。痕跡や書類を処分する時間を与えるわけにはいきません。
UC【天眼の導き】。津賀 真の位置を透視する。
男を黒縄カゲツムギで拘束する。ひとり残されたこの男は捨て駒なのでしょう。もしかすると飛ケ谷さんと同じような境遇なのかも知れません。
わたしにとって彼一人に制裁を下しても意味はない。この男は後ほどUDC組織に連行します。でもその前に
「飛ケ谷 由美さんに関する資料を全てわたしなさい」
何年も前からか、投薬で妊娠の期間を強制的に縮めてきたのか、彼女は何度も出産を繰り返している。……体が無事なわけがない。
治療に使えそうな資料を集めます。
『医術5、情報収集1』
●制裁を
九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)の人格は先ほどまでの『オレ』から『わたし』へと、交代し身体の支配権が移った。
彼女の無事にほっと胸を撫でおろした後、例の邪教集団の施設へ走る。実験の痕跡や書類を処分する時間を与えるわけにはいかないからだ。
施設にたどり着けば【天眼の導き】を使いその男…津賀 真の位置を透視する。誰も居ない入口から入ることは容易かった。
実験室と思わしき場所で書類を整理している姿を見つければ黒縄カゲツムギで拘束する。
「え、なっ…?何だ、君…!」
一人ここに残されたこの男はきっと捨て駒なのだろう。もしかすれば彼女と同じような境遇なのかもしれない。
それを知る術は無いが。
(わたしにとって彼一人に制裁を下しても意味はない。この男は後ほどUDC組織に連行します)
それが良い。彼女にしたことは罪に問うことは出来ないだろう。なら彼がしたことの罰を受けるためにもそれが最適だと思われた。
男の言葉に返事は返さず、灯は言う。
「飛ケ谷 由美さんに関する資料を全てわたしなさい」
「…君、由美ちゃんの知り合いかい」
「…似たようなものです。何年も前からか、投薬で妊娠の期間を強制的に縮めてきたのか、彼女は何度も出産を繰り返している。……体が無事なわけがない」
親し気に彼女を呼ぶ男。関係性は近しいものだったのかもしれない。だが今は、それは関係無い。
「……君は知っているんだね。俺たち…俺が、何を行ったのか」
言葉に詰まるように、彼は言い瞳を整理していた資料へと向ける。拘束された拍子に散らばってしまったそれは色んな実験の内容について記載されていた。
由美だけではない。神を作り出そうとた。それがどれだけ残酷な結果が生み出されたかも、それらに記載している。
「…母胎に負担をかけることで、実験が進むと思っていた研究者も居た。…由美ちゃんの資料だけでいいなら、持っていけばいい」
それ以上は、しかるべき場所に提出し対処してもらうのが良いだろう。彼らの手に負えなかった時は、猟兵が駆り出されるのだろうが。
「貴方は、逃げないんですね」
「…それを君が言う?こんな拘束しておいて。…俺はずっと、この罪悪感を見てほしかったのかもしれない」
苦笑した後に、真は言う。自嘲気味に瞳を伏せて。
彼もまた、歯車の一つに過ぎなかったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
鉛・鐵斗
●SPD
正直、顔の形がわかんなくなるまでぶん殴りてぇとこだけど、どうにかするって約束だからな
社会的に裁かれてもらおーぜ
●行動
金縛りで捕獲
呪いで絞めてじわじわ恐怖を与える
加減はするけど
そんでまずは嘘を吐かないと誓え
うん、約束な。はい指切り
嘘付いたら呪う。もう呪ってっけど。
じゃ、ここに都合良くボイスレコーダーがあっから、吐け。洗いざらい全部。
あとあの子になんか伝えることあんだろ
……
あ る だ ろ?
ほら
ほら
……嫌ならいいぜ?俺的にはこのままくびり殺したっていいんだからよ
吐け
出来るだけ自白させた後にうっかりシメ……げふん、気絶させちまったらボイレコと一緒に警察に引き渡すか
あ?殺してねーよ
アドリブ連携◎
●制裁を
「正直、顔の形がわかんなくなるまでぶん殴りてぇとこだけど、どうにかするって約束だからな」
由美の無事な姿を見てほっとした後、邪教集団へ向かった鉛・鐵斗(星望む幽鬼・f28410)は無人の入り口からすんなりと中に入る。
(社会的に裁かれてもらおーぜ)
平和的な解決ってやつ。
実験室と思わしき暗い部屋で書類を整理している男を見つければ【金縛り】を使い捕縛し、呪いで絞める。
「な、なんだ、君は…!?」
「俺?…ユーレイ(仮)」
そんな冗談も言いつつ、鐵斗は由美の話を始める。心を壊されUDCとなりかけた少女の話を。
「…あの子を傷つけたのはお前だろ」
その名前を聞いて驚いた男――津賀真は小さく息をついた。
「由美ちゃんの知り合いだったんだね、君は」
どこか親し気にそう呼ぶ真。もしかすればこの邪教集団の中では親しい間柄だったのかもしれない。
「似たようなもんだな。…そんでまずは嘘を吐かないと誓え」
「…は?」
「うん、約束な。はい指切り。嘘付いたら呪う。もう呪ってっけど」
「怖っ!?…いや、そうか、そうだな…判った」
思わず真は突っ込む。鐵斗がボイスレコーダーを見せ、恐怖を感じるように凄んだ。
「じゃ、ここに都合良くボイスレコーダーがあっから、吐け。洗いざらい全部。あとあの子になんか伝えることあんだろ」
「用意いいな…。…いや、うん…」
「……あ る だ ろ?」
口籠る姿を見れば呪いでギリギリ絞めていく。殺さない程度に。
「いた、痛っ!」
「ほら、ほら……嫌ならいいぜ?俺的にはこのままくびり殺したっていいんだからよ。吐け」
「脅しか…」
そして、真は話始める。この邪教集団が行っていたことを、自分が何をしたのかを。
神を作ろうとしていたのだ。人を、使って。沢山の人を犠牲にした、その全てを真が知っているわけではない。
どちらかというと、真は新参者だったし、下っ端で、ここに一人残され書類整理していたのだって捨て駒のようなものだ。
「…君は俺を警察に引き渡そうとしているかもしれないけれど、しても意味が無いよ。だって、警察が信じるはずはない」
それでもいいなら、突き出せばいいよ。
「…あぁ、そうだ。由美ちゃんに伝えることだったね。…『ごめんね、出来るなら俺と君の子を、育てたい。それが失敗作でも』」
笑って言う真を、鐵斗はうっかりシメ…気絶させてしまう。とりあえずは警察に差し出そう。殺してないし。
想定通り、警察には逮捕されなかった、真はとあるUDC組織に連行され、罪を償う為に罰を受けているらしいと、後日鐵斗は風の噂を聞いた。
大成功
🔵🔵🔵
備傘・剱
罪悪感があるだけ、ましなのか、父親としての自覚を持てなかったことを攻めるべきなのか…
だが、因果応報、だ
鳥獣技、使用
あちこちに行って、こいつに関する情報を洗いざらい調べるぜ
そして、出来れば、教団から、こいつに関するデータを消したい処だが…
でよ、他の奴もかなり脅してると思うが、こいつには、由美の罪滅ぼし、そして、死んだ二人の子どもへの贖罪を、命ずるぜ
命まではとらねぇ、だが、てめえの睾丸、二つ在る内の一つは、潰させてもらう
もし、約束を違えたら、もう一つを潰した上で、なぶり殺すとも、な
直接的でも、間接的でも、てめぇの人生、全部を掛けて、償い続けろ
俺は、いつでも、見ているから、な
アドリブ、好きにしてくれ
●制裁を
「罪悪感があるだけ、ましなのか、父親としての自覚を持てなかったことを攻めるべきなのか…」
備傘・剱(絶路・f01759)は邪教集団の施設に行く前に【鳥獣技】を使い情報を集める。津賀真のことを。
穏やかな青年である、以前は引きこもっていたらしい、そんな何てことない噂話が集まる。
教団からもデータを消したいところだが…そのデータがどこに存在しているのかは分からない。どこかUDC組織やらに頼んだらどうにかなるかもしれない。
邪教集団に行けば、既に真は拘束されていた。たぶん、他の猟兵達が制裁を行ったのだろう。
「うん…君も由美ちゃんのことかな」
重々承知しているらしく、縛られ転がされたまま剱の言葉を待っていた。
「…由美の罪滅ぼし、そして、死んだ二人の子どもへの贖罪を、命ずるぜ」
命までは取らない。だが、この男の玉を一つ潰す。
「……君たちはとんでもないことを言うなぁ…うん、そうだね。俺たちが…俺がしたことに比べれば、微々たるものだ」
思わず驚いた真だったが自分の行ったことの重大さを理解している。後悔もしている。だから剱の罰を受け入れた。
「もし、約束を違えたら、もう一つを潰した上で、なぶり殺す」
痛みに言葉が出ない真は頷いた。言葉は聞こえている。しかし痛すぎてどうしようもない。
「直接的でも、間接的でも、てめぇの人生、全部を掛けて、償い続けろ。俺は、いつでも、見ているから、な」
その後、真は応急処置を受け、UDC組織へと連行された。そこで、少女に与えた痛みを、恐怖を、償う為に罰を受け続けることになるのだ。
大成功
🔵🔵🔵
●空は青い
津賀真は、今、彼女の腹に居る『失敗作』の父親だ。
きっと彼女は黒く歪んだ、赤ん坊とは言えない失敗作を生むだろう。
これからも、ずっと。どの人物の子供を孕んだとしても。彼女の身体はそうなってしまった。
真と由美は、邪教集団で知り合って、お互いの傷を舐め合っていた。
いじめ、ネグレクト、暴力、それらは2人を歪め、邪教集団へと足を踏み入れさせた。
だから真は、由美のことを気になっていたし、由美も真のことを気になっていた。
あんな実験が始まるまでは。
投与される薬は何で出来ているかわからない。ただ、少女の身体へ投与しろ、と命じられるだけ。
だが、由美が生む子供が神の子なら、なんて素晴らしいことなんだろう。
全てから見放されてきた自分たちの子供が、神なら、なんて素敵なことだろう。
あぁ、そんな良い話なんてなかったのに。
空は青い、この空は、由美へとつながっているのだ。
次は違う場所へ、君と出会えることを、祈っている。