迷宮災厄戦⑯〜アップル・ダイエット・フィールド
●
「皆さん、リンゴダイエットって知ってますか!」
突如として力強く叫ぶミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)……のボディ花園・桃姫。
リンゴダイエット。それは基本的に林檎しか食べないという、ある種単純極まりないダイエット。名前とは裏腹に過酷なことでも知られ、軽い気持ちで挑んでは挫折するものが後を絶たないことでも有名だ。
「ええ、楽ではないことは知っています。ですがその常識を覆す林檎がアリスラビリンスにあるのです!」
力強く語る桃姫。多分今回ミルケンは乗ってるだけで喋っているのは100%彼女の意思なのだろう。
「アリスラビリンスにある林檎の国、ここは世界丸ごと林檎でできている世界なのですが、この世界の一部の林檎はダイエットに非常に効くという予知が出たのです! 折しも今は迷宮災厄戦の最中、そしてこの林檎の国はその戦場の一つ! 皆さんには是非ここに行って、林檎の国を奪還してきていただきたいのです!」
水着から色々はみ出したり断頭台の世界を予知させられたりと最近気になっていることの多い彼女からの、明らかに私情が入った依頼だが、迷宮災厄戦の一環とあれば無視するわけにもいくまい。この国をオウガが蝕んでいることは事実なのだ。
「ここに巣食っているのは『アルプトラオム』という歪な馬のような形をしたオウガです。彼らはアリス達が抱いたトラウマが具現化した存在で、そのトラウマを相手にぶつけることで攻撃してきます」
このような場所に巣食うオウガなのだ。どういうトラウマかは推して知るべしだろう。
「この敵は林檎の国の中に潜んでいますが、この国は林檎を食べ進むことで道を作り出すことができます。敵のいる場所は事前にお伝え出来ますので、林檎を食べて道を作ることで後ろはもちろん、上や下からの奇襲も可能となるでしょう」
そんなに林檎が食べられるのか……とも思うが、それもダイエットリンゴの特性か、意外といけるらしい。不安な人は味変アイテムを持ち込もう。
「ですので! 皆さんにはどうかオウガを打ち倒し、この林檎の国を確保してきてください!」
力強くそう言い、桃姫は猟兵たちを送り出した。
『リンゴ持って帰ってきて』その一言を言い忘れたままで。
鳴声海矢
こんにちは、鳴声海矢です。タイトル没案はリンゴフィットトレーナーでした。
今回は林檎の国で極めて重大なトラウマと向き合っていただきます。
今回のプレイングボーナスはこちら。
『プレイングボーナス……林檎を食べ進み、奇襲する』
敵は世界そのものである林檎の内部に潜んでいます。位置は事前に分かっておりますので、林檎を食べ進んで道を作ることであらゆる方向から奇襲をかけられます。
なぜか林檎はいくら食べても満腹にならず、それどころかオウガが支配する一角に至ってはダイエット効果もあるとかないとかなので、満腹を気にする必要はありませんが、より効果的に食べ進む方法を考えるとプレイングボーナス割り増しになるでしょう。
なお敵が具現化してくるトラウマはオープニングから類推してください。わかるかなーむずかしいかなー(棒読み)
それでは、プレイングお待ちしております。
第1章 集団戦
『アルプトラオム』
|
POW : 劈く嘶き
命中した【悲鳴】の【ような嘶き声に宿る苦痛の記憶や感情】が【対象に伝わり想起させることでトラウマ】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD : 狂い駆ける
【自身を構成する恐怖の記憶や感情をばら撒く】事で【周囲に恐怖の記憶や感情を伝播させる暴れ馬】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : もがき苦しむ
攻撃が命中した対象に【自身を構成する記憶や感情から成る黒紅の靄】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【かつてのアリス達が抱いた絶望の記憶や感情】による追加攻撃を与え続ける。
イラスト:烏鷺山
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
確かに大変ですよねぇ。
よく解りますぅ(遠い目)。
[大食い]の心得は有りますから「食べ進める事」自体は大丈夫そうですが、速度を踏まえて【夢鏡】を使用、「消化機能」を含む「身体能力」を強化しておきましょう。
飽きが来た場合の対処に「塩味の品」を御用意しますねぇ。
『攻撃の位置』は「上から」を狙いましょう。
跳び下りつつ[重量攻撃]、体重を乗せた『刀』で『叫び』と相打ち覚悟で斬りますぅ。
体重は気になりますねぇ。
【UC】のおかげで『カロリー』は問題ないですが、胸やお尻の成長は止まりませんし、『反動』で文字通り「桁や単位が違う肥満体」になる事も(ぷるぷる)。
林檎はお土産に持帰りますぅ。
ダイエットによく効く林檎でできているという林檎の国の一角。まずそこに降り立ったのは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)だ。
「確かに大変ですよねぇ。よく解りますぅ」
遠い目をして言うるこるの言葉には、この上ない実感がこもっていた。何しろ元より非常に豊満な体なうえ、体を肥大させるユーベルコードまで持っているのだ。
さりとて食べること自体を厭うているわけではない。るこるは早速敵のもとへ向かうべく、目の前に聳える林檎の壁に向き合った。
「楽園の彼方におわします女神様、あなたの使徒に『鏡の加護』をお与え下さいませ」
【豊乳女神の加護・夢鏡】の発動と共に、胸元の勾玉が勾玉の嵌った鏡へと変形する。それと同時にるこるの身体能力が大きく強化され、その力をもって、るこるは目の前の壁面へかぶりついた。
「んー、なるほど、ダイエット用という話なので薄味化と思いましたが、意外としっかりおいしいですねぇ。では行きましょうかぁ」
そう言ってるこるは林檎を味わいながら、壁の中へと進入し、敵陣へと向かうのであった。
「んー、確かにおいしいのですけど、少し飽きてきましたねぇ。というわけで頃合いでしょうかぁ」
しばらく進んだ後、るこるは塩味の品を何種類か口直しに取り出した。一口で食べられる塩味の菓子類や、林檎にかけるための塩そのものだ。こちらは普通に腹に溜まってしまうのだが、【豊乳女神の加護・夢鏡】の力を得たるこるにはこの程度問題にならない。そしてるこるは塩味を使うのを契機に、斜め上方へと食べ進め始めた。
そしてさらにしばらく後、るこるは何度か自分の場所を確かめながら、下へと食べ勧め始めた。今いる場所は事前に聞いた敵のいる場所、その真上である。
「よし、それでは……たぁぁ~~~っ!」
一気に真下のリンゴを食べて足元に穴をあける。それと同時にその穴がるこるの体重に耐えられず一気に広がり、るこるは敵の頭上へと落ちていった。突然の奇襲にアルプトラオムたちは蹄を蹴立ててうろたえるが、すぐに気を取り直したように上を向き一声嘶いた。
その声はまるで女の悲鳴のようにも聞こえ、また増えた、なぜ痩せないの、そんな声が何重にもなってるこるに文字通りに突き刺さった。
「理解してます……よぉっ!」
だが、るこるもそれは覚悟の上。その叫びを受け入れ、相打ち覚悟で全体重を乗せ刀をアルプトラオムに向けて振り下ろした。その重さは、落下のエネルギーを加えれば数百キロはあるだろう。その一刀にて、アルプトラオムは真っ二つに切り捨てられた。
徐々に消えていく自分の中の悲鳴を聞きながら、るこるは思う。
「体重は気になりますねぇ。UCのおかげで『カロリー』は問題ないですが、胸やお尻の成長は止まりませんし、『反動』で文字通り「桁や単位が違う肥満体」になる事も」
そう言ってぷるぷる震えていると、ユーベルコードの反動……急激な体系への反動が表れた。元々豊かだった胸や尻は倍以上に広がり、手足も相応の太さになる。これがまさに今るこるの言った、『桁や単位が違う』体だ。
その体を揺らし動きながら、るこるは付近のリンゴを器用に切り取る。
「さて、これはお土産にしましょうかぁ。ユーベルコードにも効いてくれればいいのですけど……」
そう言いながら一口齧るが、少なくともすぐに体形が戻ることはなかいようだ。
何かと需要の多そうなそのリンゴを、るこるは多めに持って体を揺らしながら帰路へと付くのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リアナ・トラヴェリア
ダイエット……?
トレーニングしてればむしろ食べる量の方が足りなくならない?(アルダワ学園生徒的思考)
というか食べれば食べるほど痩せるって毒じゃないのかな、それ。本質的には魔力そのものに近いのかな?
まあでもたべてもたべてもお腹いっぱいにならないのは楽だね。
正直、ちょっと飽きてきたところだし。
顎が疲れるかもしれないから黒剣にも手伝わせよう。…味覚あるのかな?
オウガを見つけたら一気に攻撃を仕掛けよう。なるべく敵の攻撃に気をつけて。……今の精神攻撃?(叩き上げアルダワメンタルには通用しなかった)
よくわからないけどチャンス!
そのまま倒しちゃおう!
ところでこの辺りの果肉、欲しがってたような。持ち帰ろうか。
「ダイエット……? トレーニングしてればむしろ食べる量の方が足りなくならない?」
リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)はこの場所のリンゴの効果にそう首を傾げる。彼女はアルダワ魔法学園の生徒。その中でも鍛錬や探索に極めて意欲的なある種模範的生徒であり、その年齢のことも考えればいくら食べても足りないと言うのは決しておかしな話ではない。
しかしながら訓練無しに偶然力を得てしまったものや、そもそも望まずしてこの世界に送り込まれたアリスたちはそこまでハードなトレーニングを積む機会もないだろう。そしてここは何でもありの不思議の国、アリスラビリンスだ。小さな気がかりが増幅されて人を殺したり怪物になることも、もしかしたら有り得ることなのかもしれない。
「というか食べれば食べるほど痩せるって毒じゃないのかな、それ。本質的には魔力そのものに近いのかな?」
リンゴの性質にもアルダワ学生的見地から考察を入れるリアナ。ともあれ、まずは食べ進まないことには始まらない。まずは一口、壁となっているリンゴへと齧りついた。
「ん、なるほど、悪くはないね。これはこれで建材としての強度が疑問になるけど……」
そう言いながらも、リアナはどんどんとリンゴを食べ進み、敵のもとへと近づいていく。だが、いくら満腹にはならないとはいえ、同じものを延々食べ続けるのは辛いものがある。体よりも精神的なものが削られるそれは、奇しくもまさにリンゴダイエットが過酷と言われる大きな一因でもあった。
「まあでもたべてもたべてもお腹いっぱいにならないのは楽だね。とはいえ正直、ちょっと飽きてきたところだし」
そう言ってリアナは愛用の黒剣、『リアナの黒鱗剣』を抜き放つ。リアナの行動に応じて変わるその形状は、今回はまるで牙の生えた巨大な口のような形を取る。
「……味覚あるのかな?」
リアナの疑問など知らぬ気に、その口はがりがりと貪欲にリンゴを咀嚼し、リアナの行く道を共に拓くのであった。
そしてそのまま進むことしばし、聞いていたオウガの潜伏地点に壁一枚隔てたところまで出る。
「よし、行くよ……てやぁっ!」
壁をぶち抜き、敵へと奇襲をかけるリアナ。完全に虚を突かれたアルプトラオムは無防備に黒剣の一撃を受けてしまうが、即座に態勢を整え体を震わせた。その体からは悲嘆の声や絶望の記憶がばらまかれ、アルプトラオムの体を大きく太らせ暴れ馬へと変えていく。
「……今の精神攻撃?」
叩きあげのアルダワメンタルをもつリアナにその絶望は理解できない。だがそれと力の上昇は話は別。アルプトラオムはやり場のない絶望の力を叩きつけるが如く、その体をリアナに向けてぶちかました。
「くっ……結構重い……!」
黒剣を構えて受け止めるが、衝撃を殺しきれずリアナの体が大きく後ろに押し込まれる。そのまま押し潰さんとアルプトラオムはさらに体を押し付けるが、次の瞬間大きく鳴き声を上げ首を左右に振った。
敵を受け止めていた黒剣、それが再び牙の形状となり、アルプトラオムの柔らかそうになった横腹に食い込んでいた。
「お、よくわからないけどチャンス! そのまま倒しちゃおう! さあ、食事の時間だよ!」
好機とばかりに、【喰らいつく魔獣の顎】でアルプトラオムの肉を黒剣に食わせ、さらにそれで強化された力で牙をより深く押し込んでいく。喰らえば喰らうほど強くなる力が、あっという間にアルプトラオムを真っ二つに噛み裂いた。
倒れて消えていくアルプトラオムの下、ダイエット効果のあると思しきリンゴを見るリアナ。
「ところでこの辺りの果肉、欲しがってたような。持ち帰ろうか」
自分は興味なくとも必要とする者がいるなら。そう考え、リアナはその辺りのリンゴを黒剣で大きく切り出すのであった。
大成功
🔵🔵🔵
シウム・ジョイグルミット
[SPD]
ダイエットかぁ……
やったことないからよく分からないけど、オウガは懲らしめないとね!
ボクは下から奇襲しちゃおう
ダイエットリンゴってどんな味がするんだろう……美味しいのかな?
もし味に飽きてきちゃったら、『Crazy Blackjack』召喚!
トランプ達にも協力してもらって一気に食べ進もう
お菓子に変えて美味しく進むのもいいかな
オウガがいる場所に着いたら、こっそりトランプを脚に噛みつかせちゃおう
走れなくなるように柔らかマシュマロに変えようかな
そこから徐々に全身マシュマロって感じに
美味しいものを我慢するのはダメだよ、結果オウガになっちゃってるし
甘いお菓子にしてあげるから、最後くらいは幸せにね♪
「ダイエットかぁ……やったことないからよく分からないけど、オウガは懲らしめないとね!」
美味しいものと出会うために世界を放浪するシウム・ジョイグルミット(風の吹くまま気の向くまま・f20781)にとって、ダイエットなど考えたこともない行為。だが、それが原因となって生まれたオウガがいるからには倒さなければならない。倒すべき敵のもとへと向かうべく、シウムはリンゴを下へと向かって食べ進み始めた。
「ダイエットリンゴってどんな味がするんだろう……美味しいのかな?」
今食べているリンゴの味は上々。もしかしたら意外と期待が持てるかもしれない。だがそれにしても、同じ味を食べ続けていればさすがに飽きてくる。
「よーし、ちょっと急ごうか。キミのハンドは「21」になるかなー? 楽しみだねぇ♪」
【Crazy Blackjack】にて金属のトランプを大量召喚。トランプたちは中心に開いた口で次々とリンゴにかじりつき、瞬く間に道を作っていった。
さらにトランプがかじりついた場所から、リンゴは次々に菓子へと変化していく。アップルパイにシャーベット、コンポートに焼き林檎と様々な菓子に変じていくリンゴは、同じ材料ながら食べるものを飽きさせない。
そうしてより一層進むスピードを上げ、シウムは目指す敵のもとへと迫っていった。
そして目的地。薄いリンゴの壁を隔てた真上に目指す敵がいる場所で、シウムは一度止まって自分の頭上……敵の足元に小さな穴をあけ、そこからトランプを一枚だけ飛び出させた。
トランプは敵の死角である真下から素早く飛び掛かり、中央にあるその口でがぶりとアルプトラオムの足に噛みついた。
突然の攻撃に嘶きながら暴れ回るアルプトラオム。だが暴れるその足は、噛まれた場所から白いマシュマロとなり、硬さを失い自重を支えられなくなっていく。
そこに追撃をかけるべく残るトランプとシウム自身も穴から飛び出すが、その眼前でアルプトラオムは苦痛にのたうつように跳ね、悲痛な叫びがあたりに伝播しはじめた。
食べたいのに、痩せたいのに、そんな苦悩の声があたりに溢れ、アルプトラオムをぶくぶくと太らせていく。その姿を見たシウムは、悲しげな顔をしてトランプたちを敵へとけしかけた。
「美味しいものを我慢するのはダメだよ、結果オウガになっちゃってるし」
次々とアルプトラオムに噛みつくトランプたち。そこから肥えた馬の肉が徐々にマシュマロへと変わっていく。全てが変わり切る前にと、アルプトラオムは半ば以上マシュマロとなった足を蹴り、大きな体をシウムに叩きつけようとする。だが、その足がぐらりと揺らぎ、体はぶつかることなく寄りかかるよう崩れ落ちるだけであった。
白く変わっていくその体を、シウムは優しくなでる。
「甘いお菓子にしてあげるから、最後くらいは幸せにね♪」
その声と共にアルプトラオムの全身が白く染まり、大きな馬型のマシュマロとなった。
好きなものを我慢し続け、オウガになるまで募った悲嘆がこれで少しでも癒されたなら。シウムはそう思いながら、マシュマロを撫でるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄と行動
リンゴダイエットか。
バランスに欠く気がするが……。
まあなんにせよ、どうにかする以外ないのだが。
少なくとも、リンゴを食べて道を作るのが先になるのか。
奇襲するためだ、仕方ない。
イザナギの覚悟を長柄に形成し対処するだけだ。
トラウマをぶつけてくるらしいが、第六感と見切りで避けつつカウンターを繰り出す。
白銀の魂を大剣に形成したら一気に攻める。
動き回るのなら、ダイエットなぞいらん気もするが。
アドリブOK
エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄と行動
リンゴダイエットねえ。
ダイエットと無縁だからピンと来ないのよね。
まあ、奇襲する道を作るためにりんご食べないといけないなら……。
野生の勘で奇襲できそうな道を作るわ。
ヤヌスを持って光刃を形成したらアリスと共に挑むわね。
見切りで避けつつダンスによる剣舞で攻めるわ。
魔力溜めからの衝撃波とかもやれるなら。
残像残して誘いこめば隙も作れそう。
まあ、トラウマってあれだと思う。
アドリブOK
藤宮・華澄
※アリス、エルーゼと行動
リンゴを食べて道を作ればいいんですね。
まあ食べるのなら……普通だと思いますけど。
奇襲するまでの道は二人に任せるしかないですね。
いつも通り、ヴァナディースによる援護射撃を行います。
第六感で攻撃を予測して避けてからマヒ攻撃で動きを抑制します。
そのあとは能力を上げて一気に畳みかければ……。
ダイエットとか、無理すると反動があるので日頃の行いを見直すのがいいかと。
アドリブOK
戦いの続くリンゴの世界。そこにまた三人の猟兵が降り立った。
「リンゴダイエットねえ。ダイエットと無縁だからピンと来ないのよね」
「リンゴダイエットか。バランスに欠く気がするが……」
エルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)とアリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)は、リンゴダイエットというものに対してどうにも理解できる部分がない。何しろ闘いの日々の中で抜群のプロポーションを維持しているのである。わざわざ苦行をしてまで痩せようという発想が出てこないのも無理はないことであった。
「リンゴを食べて道を作ればいいんですね。まあ食べるのなら……普通だと思いますけど」
藤宮・華澄(戦医師・f17614)も、リンゴダイエットについては余り関心がないようだ。彼女の場合そもそもなぜリンゴを食べ続けるのが苦痛になるのか、それすらもいま一つ分かっていないようにも思える。
もちろんカウンセラーとしての活動もしている彼女なのだから、体重や体形への悩みについては理解はできる。だがリンゴを大量に食べ続けるのがそんなにも過酷なことなのか……周囲も舌を巻く健啖家である彼女には、その辺りがなかなか想像のつかない部分なようでもあった。
「まあ、奇襲する道を作るためにりんご食べないといけないなら……」
エルーゼが壁面にかぷりとかぶりつく。存外さわやかな味が口に広がり、食べること自体は確かに苦痛ではない。
「まあなんにせよ、どうにかする以外ないのだが。少なくとも、リンゴを食べて道を作るのが先になるのか。奇襲するためだ、仕方ない」
続けてアリスも、リンゴを切りだして一口食べた。やはり味は悪くなく、普通に食べる分には何も問題ないように思える。
「まあ食べるのなら……普通だと思いますけど。奇襲するまでの道は二人に任せるしかないですね」
華澄は念のためと後方を警戒し、リンゴを食べて道を作るのは二人に任せることにした。本来食べるという役目なら彼女が一番適任なのだが、そうすると期せずして敵と鉢合わせてしまった場合、後方支援担当の彼女が最前列にいることになってしまう。戦術上それは好ましくないため、華澄はここの出番は二人に譲ったのであった。
エルーゼが先頭に立ち、敵が特に警戒していなさそうな方向を直感で選びながら道を作っていく。アリスはその後ろで道を広げるように食べ進めて、華澄は最後尾での警戒という布陣だ。その陣形でしばらく進むと、エルーゼが食べるのを止め、壁を指差す。
「この向こうね。いまなら仕掛けられるわ」
そう言いながら『ヤヌス』を光刃にするエルーゼ。アリスも同じように『イザナギの覚悟』を長柄にする。
「よし、それでは……」
「いくわよ!」
二人は同時に最後のリンゴを蹴破ると、すぐ目の前に合った馬の背中へと切りかかった。光の刃が黒い体と紫の毛皮を切り裂き、血にも見える液状の何かを噴出させる。
「動かせません!」
さらに華澄は後方から『ヴァナディース』による援護射撃。麻痺毒の弾が馬の足に当たり、ダメージとマヒの両方で馬の命とも言える足の動きを止めた。
そうして一方的に攻撃されたアルプトラオムだが、何とか向き直って顔を三人に向けると、まるで悲鳴のような鳴き声をその口から放つ。
それを聞いた途端、エルーゼとアリスの心にいくつもの嘆きの声が聞こえてきた。
どうして、なんで、戻らない、痩せない、もう嫌だ、こんなところに……
アサイラムからここに転送されてきたアリス適合者の記憶を元にした叫びだろう。やり場のない焦りや悲しみ、絶望が二人の心に刺さり、抜けない棘のようにちくちくといつまでも痛みを与える。
「あれだと思ったけど、やっぱり……」
「動き回るならダイエットなどいらんだろうに……」
頭では分かっていても心と体が従ってくれないのがダイエットの常だ。それを甘えと一蹴するのは簡単だが、ここに来る前は平和な一般人だったアリス適合者たちにそこまでの心構えが果たしてできただろうか。その小さな無数の棘は、二人の心を苛んで動きを鈍らせる。
「しっかりしてください、これで!」
その姿に、華澄は【ノーブルラウンド】を放ち二人に回復と気付けを施した。光弾ルミナが二人の体に吸い込まれると、二人の心に刺さる悲鳴は少しずつ小さくなり、やがて聞こえなくなる。
「助かったわ、ありがと」
回復したエルーゼが礼を言いながら【クロス・エレメント】を発動、軽やかに舞いながら再度アルプトラオムに切りかかった。宙を舞うダンスのようなその動きは、豊満ながらも軽い体を見せつけ、あるいは自分でも確かめるような動きで、ようやく繰り出されたアルプトラオムの反撃を残像を残して避ける程の軽快さを持っていた。
「惨劇に踊れ!」
そうしてがら空きになった胴に、アリスの【罪なる災害】が叩きつけられる。初撃の後イザナギの覚悟を大剣に組み替え、その重い武器で軽々と怒涛の連撃を叩き込む様はやはり無駄な肉などなく、鍛えこまれた体を持つ者だけがなし得る技を見せつけんばかりの勢いであった。
アリスの連撃に、エルーゼの魔力を溜めての衝撃波がアルプトラオムを瀕死に追い込む。その姿をヴァナディースでしかと狙うのは華澄だ。
「ダイエットとか、無理すると反動があるので日頃の行いを見直すのがいいかと。もしあなたの元になったアリス適合者さんがご存命なら……相談に乗ります」
カウンセリングを進めながら放った銃弾が、アルプトラオムの眉間を貫いた。
アルプトラオムはどうと横に倒れ、そのまま消滅していく。
「ダイエットの必要は今のところないけど……一応気を付けておこうかしら」
「今大丈夫だからと言って怠けて良い理由にはならないからな」
エルーゼとアリスはアルプトラオムの消えた当たりを見ながら、改めてそう呟く。
「一体どれくらい食べたら太るんでしょう……」
その横では華澄がまるで違うことを気にしてもいたが、それはまた別の話であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
七那原・望
りんごなのです?りんご大好きなのですー♪でもすぐお腹いっぱいに……え?ならないのです?わーいなのですー♪
オラトリオでりんごを切って食べながら進んでいくのです。幸せなのですー。
奇襲が可能な位置に付いたらりんごの壁を隔てた状態で【全力魔法】で攻撃力重視の【Lux desire】を【スナイパー】で狙い撃ちなのですー。駄目ならりんごの壁を食べてから撃ちます。幸せなのですー。
相手のユーベルコードはなるべく【オーラ防御】で防ぎます。
え?トラウマってリンゴダイエットのなのです?
わたしりんごだけで生きられるので別にって感じなのです。
終わりなのです。もう少し食べてもいいですよね?
夜ご飯もりんごにするのですー♪
「りんごなのです? りんご大好きなのですー♪ でもすぐお腹いっぱいに……え? ならないのです? わーいなのですー♪」
七那原・望(封印されし果実・f04836)はリンゴでできた世界と、食べても満腹にならないというその特性に大喜びだ。いそいそと『影園・オラトリオ』でリンゴを切りだし、食べながら壁を掘り進み始める。
「幸せなのですー」
元々満腹にならない特性に加え夏に嬉しいあまりくどすぎない甘さで、飽きることなくどこまでも食べ進んで行く望。だがもちろん猟兵としての役目も忘れてはいない。
敵がいるという場所までやってきた望は、壁をぎりぎりまで薄く食べ進むと、ほんの少しだけ穴をあけて外界との繋がりを作る。その直線状にいるのは、最後のアルプトラオムだ。穴から空気の流れや音などの視覚以外の情報を鋭敏に広い、敵と自分の距離や角度をじっくりと測る望。
やがて準備が整うと、望はその穴に願望に応じ、数多の奇跡を引き起こす勝利の果実『真核・ユニゾン』をあてがった。
「全ての望みを束ねて……!」
狙いすまして放たれた、威力重視の【Lux desire】。果実に集まった無数の願望が光の奔流となり、穴を通ってアルプトラオムへと襲い掛かった。リンゴの世界で黄金のリンゴから放たれた願いの奔流に、黒い絶望でできた体が押し潰され、焼け焦がされていく。
この世界で集まった願いに体をよじらせるアルプトラオムだが、やがてその願いの光が飛んできた方向に当たりをつけると、大きく嘶き苦痛の記憶と感情をそちらへ叩きつけた。リンゴの壁を貫いて、それは望に突き刺さる。
もう嫌だ、他のものも食べたい。そんな感情が望に突き刺さり、棘のようにその心と体をちくちくと攻め続ける。だが。
「え?トラウマってリンゴダイエットのなのです? わたしりんごだけで生きられるので別にって感じなのです」
その嘆きは、リンゴと切れない関係にある望には到底理解できないもの。リンゴだけを食べ続けることがなぜ苦痛なのか。ダイエットの必要に迫られたこともない望にとって、このトラウマは想起しようもないものでしかなかった。
だが、それでも力として体に刺さったトラウマからダメージは受け続けている。そのダメージをオーラで押し返すことで多少なりと軽減し、最後の攻撃に望は転じた。
「それではお別れなのです。次はリンゴを幸せに食べられますように」
再度放たれた願いの光が、行き場のない悲痛なトラウマでできた体を飲み込み、消滅させた。
敵が消えて静かになったリンゴの世界。後に残るのは、食べても満腹にならない永遠に食べられるリンゴたち。
「終わりなのです。もう少し食べてもいいですよね?」
戦いが終わったのを確認した望は、再び影園・オラトリオを取り出して辺りのリンゴを切り出しては食べ始める。もう戦いのことを考える必要はないということもあり、扇形や棒型、はたまたみじん切りなど様々な形に切っては食感の違いを楽しんでいく。
さらには携帯しやすい形にも切り出しそれは食べずに並べていく。
「夜ご飯もりんごにするのですー♪」
いくら食べてもなくならないリンゴの世界。望のリンゴパーティはまだまだ始まったばかりだ。
大成功
🔵🔵🔵