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迷宮災厄戦⑮〜アイスのお家を作ってみよう

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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●アリスラビリンス お菓子の家が多すぎる国(ちょっと北)
「ヒャッハー! 冷たいものは溶かしてやるー!」
「やめろーやめるんだ!」
 松明を持った子供達が氷やアイスクリームで作られた壁を溶かしてゆく。
「なんでこんなことをするんだ!」
「うるさい! かき氷を食べすぎた時に頭がキーンとし時の恨み!」

●グリモアベース
「……そんなわけでお菓子の家を作って欲しいの」
 そんな訳とはどんな訳だか中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)の言葉だけではわからないが、
「詳しくはわたくしが説明いたしますわ」
 そう言って現れたのは祐美の副人格のシルヴァーナだ。
「アリス達をオウガから守ってくださるお菓子の家がたくさんある、『お菓子の家が多すぎる国』というところがあるのですが、そのお菓子の家がオウガ達に破壊されてしまったのですわ」
 現在は、あらゆるお菓子の家が破壊されている為、安全に森を通過する事が出来ず、戦争にも支障をきたしているとのこと。
「そこで美味しそうなお菓子を沢山つくって、お菓子の家を再建してほしいのですわ」
「……でも……妨害がある」
 彼女たちの話によると、オウガ達に洗脳を受けた愉快仲間達、通称『邪悪な子供達』が現れて、妨害してくるという。材料に毒を混ぜたり、猟兵を冷凍庫に閉じ込めたりと、はたまた家の素材を溶かしにかかったりとするらしいのだ。
 溶かす? その言葉に疑問を持った猟兵の質問にシルヴァーナが答える。
「どうやらこの国の一部は、アイスクリームなどの冷たいお菓子で出来た家がある地域もあるらしいのですわ。そこへ今回皆さまに行っていただきたいんですの」
 気温自体は涼しいくらいなのだが、食べたり高温にさらしたりしない限りアイスや氷がひんやりしたまま溶けない地域があるというのだ。
「ケーキやクッキーでお家を作ることもできますが、そこででしたら、アイスクリームやアイスキャンディーの家なんてものも作ることが出来ますの。なので、そういったものを作ってみるのもいいかと思いますわ」
 お菓子を作る材料や器具は向こうで用意してくれるらしいが、持ち込みももちろんOKとのことだ。
「……だから……妨害」
「話がそれましたわね。そう、妨害してくる子供達もいますので、その対処もお願いいたしますわ」
 子供達はオウガではなくアリスラビリンスの今を生きる住人なので、手荒な真似はしないようにして欲しいと、シルヴァーナは付け加える。
「それでは、皆様頑張ってくださいまし」
「……お土産……できたらよろしく」
 そう言って彼女達は猟兵達を送り出すのだった。


麦門冬
 こんにちは、マスターの麦門冬(むぎとふゆ)です。そんな訳でお家をビルディングしてみましょう! この場所ではアイスクリームや氷で出来た家でも勝手に溶けたりしないようなので、作ってみてもいいかもしれません(さすがに火であぶれば溶けますが)。
 なおこのシナリオには、下記の特別な「プレイングボーナス」があります。これに基づく行動をすると有利になります。

 プレイングボーナス……美味しいお菓子のレシピを用意する。

 それでは以下補足事項です。

●お菓子の多すぎる国(ちょっと北)
 アリスと愉快な仲間達が、オウガから身を守る為に多数のお菓子の家を建設した森の世界です。現在は、あらゆるお菓子の家が破壊されている為、安全に森を通過する事が出来ません。
 北の方にアイスで出来た家が建っている地域があります。その地域で建てた家は自然には溶けないようです。ここに住む住人は雪だるまや二足歩行の白熊やアシカなどの姿をした愉快な仲間達が多いです。

●邪悪な子供達
 オウガに洗脳された愉快な仲間達の子供です。だいたい二足歩行の何かの胴部と思ってください。彼らに対する対策がないと、どんどん邪魔してきます。ただ、オウガでもない一般人なので、猟兵の誰かが対策をとっていれば特に問題はありません。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『お菓子の家つくり』

POW   :    生地をこねたり伸ばしたり、オーブンの火加減を調節するなど下拵えや準備を担当する

SPD   :    正確に材料を計ったり、綺麗に角がたつくらいにホイップするなど、技術面で活躍する

WIZ   :    可愛い飾りつけや、トッピングで、お菓子を美味しそうにデコレーションする

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ティモシー・レンツ
あいすの国かー。赤ずきんで暖を取ったのとは別のエリアかな?(オブリビオンを暖房器具扱いしたヤドリガミ)
……というか、説明に2人居なかった?(だいぶ遅れて疑問視)……まぁ、いっか。

とりあえず、妨害対策に「何回も使える蓋」(シリコンラップの事)をいくつか用意。
これで目を離しても、変なものは入れられないよね?
あとは、アイスを挟んだどら焼きのレシピ?(小麦粉とか材料は持参)

あ、愉快な仲間に釘を差さなきゃ。
「料理を妨害する子は、腹痛に襲われたり冷水浴びたり、良くない目にあう……って占いで出てるから、妨害はやめようね?」
……よし、ユーベルコードで「酷い事」は確定したし、転んだ拍子に入らないか監視しよう。


小雉子・吉備
アイスクリームの国かぁ……ある意味ロマンの詰まった国かもっ?

〖POW:プレボーナス〗
アイスの家を作るなら
キビは家のブロックがわりに
コレを【料理】して作っちゃおう

【属性攻撃(熱)】で加減しつつ暖めたバナナとココナッツミルクと黒蜜を滑らかになるまで混ぜ撹拌

更に炊いて下拵えした
もちきびを混ぜ攪拌し
コレを冷やし煉瓦状に固めて

きびだんご風アイスクリームの
出来上がり

これをかまくらみたく家の壁に積み上げ

アイスの繋ぎに黒蜜を使って繋げ

求肥とホイップクリームとバナナでトッピングで仕上げ

作ってる間
〖なまり〗ちゃんと〖ひいろ〗ちゃんに【動物使い】で妨害に対し【気絶攻撃】で阻止を指示かな

〖アドリブ絡み掛け合い大歓迎〗



●ひんやり和スイーツ
「あいすの国かー。赤ずきんで暖を取ったのとは別のエリアかな?」
「アイスクリームの国かぁ……ある意味ロマンの詰まった国かもっ?」
 グリモア猟兵に送られ、ついた場所を見回しながらティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)と小雉子・吉備(名も無き雉鶏精・f28322)はそれぞれ思ったことを口にする。正確には『お菓子の家が多すぎる国』の数ある地域の一つなので、アイスの国よりはアイスの町やアイスの区域と言った方が正しいのかもしれない。
「……というか、説明に2人居なかった? ……あ、そっか【オルタナティブ・ダブル】」
 そしてティモシーは今更ながらグリモア猟兵が二人いたことを疑問に思うが、裕美が多重人格者であることを思い出し、納得すると今回の作業に取り掛かる。
「アイスの家を作るなら、キビは家のブロックがわりにコレを料理して作っちゃおう」
 吉備はすでに料理に取り掛かっていたようで、加熱したバナナ、ココナッツミルク、黒蜜を混ぜている。
「うん、ここまで滑らかになれば、今度はもちきびを……なまりちゃん、ひいろちゃん、ちゃんと守ってくれてありがとうね」
 今作っている料理の為に下拵えしていたもちきび。それを守ってくれいていた狛犬の『なまり』と赤猿の『ひいろ』に礼を言う。邪悪な子供達が吉備の料理の邪魔をしないように見張っていたのだ。
「あ、小雉子さんもこれ使う? 『何回も使える蓋』」
 そんな吉備の様子を見てティモシーが取り出したのがシリコンラップだ。追加捨てのラップと違い何度も使え、ある程度形も変えられるので、様々な容器の大きさに対応できる代物だ。
「これで目を離しても、変なものは入れられないよ」
「でもこれ、蓋開けられたらアウトじゃないの? あ、今も何か入れられそうになって……なまりちゃん!」
 ティモシーの材料に何か入れようとしていた邪悪な子供めがけてなまりが弾丸のようにタックルをして吹き飛ばす。
「うーん、愉快な仲間に釘を差さなきゃかな」
 そう言うとティモシーはスッと水晶玉を取り出し、邪悪な子供達に向けて言い放つ。
「料理を妨害する子は、腹痛に襲われたり冷水浴びたり、良くない目にあう……って占いで出てるから、妨害はやめようね?」
 占いというよりは予言に近い宣言を行ったティモシーはそのまま料理の材料を監視する。その様子を、材料を撹拌しながら吉備が尋ねる。
「何してるの?」
「ユーベルコードで『酷い事』は確定したから、あとは愉快な仲間達がひどい目に遭った時に、材料が巻き込まれないか監視しようと思って」
「結局監視しなきゃいけないなら、ユーベルコード使った意味ってあるの?」
「あ」
 ティモシーのユーベルコード【因果に干渉する占い】は占いの結果を、因果を捻じ曲げることによって、相手に無理やり適用させるユーベルコードだ。邪悪な子供達が妨害をすれば害が及ぶことは確定したものの、妨害そのものが防げるかどうかまでは確定していない。
「なまりちゃんとひいろちゃんに、一緒にそっちも見張るように言っておこうか」
「……オネガイシマス」
 どうやら助けるつもりが助けられてしまったようだ。

「よし、後はこれを冷やして固めれば……きびだんご風アイスクリームの出来上がり!」
 吉備は一足先に作っていたお菓子を完成させる。もちもちした和のスイーツ独特の食感ながらもバナナとココナッツという南国の甘い風味が漂い、それを黒蜜のコクがうまくまとめている。そして積み上げやすいように形は煉瓦状だ。
「あとはこれをどんどん作って積み上げていけばお家ができるよ。そっちは何を作っているの?」
「……アイスどら焼き」
 きびだんごにどら焼きと、奇しくも和菓子系のアイスで作る方向性は同じだったようだ。
「僕も組み立てやすい形のお菓子を選んでおけばよかったかな?」
 確かに丸いどら焼きは建物の材料として積み上げるのは難しいかもしれない
「そこは工夫次第じゃないかな? キビのはこれから積み上げるのに、黒蜜を接着剤代わりにするつもりだし、求肥もあるから、これで隙間埋めたりとかして、さ」
「そっかあ……その手があったか」
 かくして、それぞれきびだんごアイスクリームとアイスどら焼きの家は出来上がり、さらに上からホイップクリームに求肥やバナナなどのトッピングで飾り付けられ、見事にお菓子の家が完成したのだった。
「この家達はきっと栄えるね」
「それも占い?」
「いや、そうだったらいいなーって」
「占いじゃないんだ」
 などと猟兵達は自分達の建てた家を前にして笑い合うのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カーバンクル・スカルン
目には目を歯には歯をアイスにはアイスでしょやっぱり。

というわけで……横向きにした車輪に泡立て器を装着した物をぶら下げ、弱火にかけた鍋の中に牛乳・砂糖、不思議な粉を入れて……かき混ぜスタート! 邪魔が入らないように私は【高速組立】で大量生産したワニ達と一緒に周りに詰めておくよ。

そしてヨーグルト状の固さまで煮つまったら冷やして、固まった後に改めて練り上げる!

謎の粉の正体はサーレップ。こうやって空気を含ませることで餅のような粘りが生まれるんだと。

そうして出来たアイスは接着剤に良し、とりもちにも良しっと!

……というか、アイスクリーム頭痛って早食いが原因っしょ? 自業自得を責任転嫁しないでほしいわ


雪・兼光
へぇ…。アイスでできたお菓子の家か。
最高じゃねーか。

じゃぁ、ほうじ茶のアイスクリームでも作るか。
なんかって?……ごめん。俺が食べたいだけ。

ほうじ茶を沸かそう…。沸かしても大丈夫か?ああコラ火で遊ぶな。
沸かしたほうじ茶を一分蒸ら…そこ飲まない!
蒸らした後は牛乳を入れて煮立たせる…。こら煮立たせる前に冷やそうとしない!

わるガキには浄化付きの指でデコをつんと

ボウルに卵黄、グラニュー糖を入れて、白っぽくなるまで泡立て、さっきのを少しずつ加えて鍋に戻してとろみがついてきたら、こし器でこして、8分立てした生クリームをそこへ加えて…。

後はセオリー通り滑らかになるまで「固まりかけたら混ぜる。」を繰り返せばOK



●アイシング&ビルディング
「へぇ…。アイスでできたお菓子の家か。最高じゃねーか」
 お菓子の家が多すぎる国に着いた雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)の感想はそれである。惜しむらくはオウガ達に破壊されてしまっているところだろうか。その為に自分たちが呼ばれたのであるが。
「目には目を歯には歯をアイスにはアイスでしょやっぱり」
 そしてお菓子のお家の再建にそう言ってやる気を出しているのはカーバンクル・スカルン(クリスタリアンのスクラップビルダー?・f12355)だ。
「お、アンタも分かってるじゃねーか。せっかくだしアイスの家を作ってみるか」
「それなら私も手伝うよ。どんな感じのアイスを作るの?」
 作るものの方向性が似ているということで、カーバンクルは兼光に協力を申し出る。そして彼女の質問に彼は少し考えて答える。
「じゃぁ、ほうじ茶のアイスクリームでも作るか」
「チョイスが渋いね。でも、何でほうじ茶?」
「……ごめん。俺が食べたいだけ」
「いいんじゃない? 食べたいもの作った方がうまくいくと思うから」
 こうして二人のアイスの家づくりは始まるのだった。

 アイスクリームは牛乳や砂糖、卵黄などを混ぜ、冷やしながらも空気を混ぜながら固めてゆくのが一般的だ。だが、兼光が作るのはほうじ茶アイスということで、原料である牛乳にほうじ茶の風味を混ぜるところから始まる。始まるのだが……、
「とりあえずほうじ茶を沸かしたら……ああコラ火で遊ぶな! それにそこはほうじ茶を飲もうとしない! 沸かしたてだからすごい熱いぞ!」
 邪悪な子供達が妨害しようとわらわらとやってくる。
「うるさい! どうなろうが勝手だろうが!」
「そうだそうだ! それよりもアイスクリームなんて作られてたまるか!」
 などと口々に勝手なことを言ってくるが、
「勝手だって言うなら、アイスクリームを恨むのもお門違いでしょうが」
 カーバンクルがそう言うと、邪悪な子供達はカーバンクルの作品である『機械仕掛けのワニ』の群れに囲まれる。彼女が邪悪な子供達の妨害を受けないように【高速組立】であらかじめ大量生産していたのだ。
「……というか、アイスクリーム頭痛って早食いが原因っしょ? 自業自得を責任転嫁しないでほしいわ」
 彼らの言い分についてはまさにそれで片づけることが出来る。
「く、大人はいつもそうやって正論で片づけたがる!」
 論破されて言い返せない時の常套句を言い放つ子供達に、カーバンクルはワニの甘噛みからのデスロールも辞さないかと思ったその時、
「悪さをしたんならつべこべ言わずに謝れ」
 兼光の容赦ないデコピンが邪悪な子供達の額に直撃する。デコピンを受けて昏倒する子供達。
「結構威力あったんだね今のデコピン」
「浄化の力を一緒に込めてはなったんだよ。洗脳が魔術や呪術の類であれば、これで取り払われてるはず」
 とりあえず倒れた子供達をワニに運ばせると、兼光は料理を再開する。沸かしたほうじ茶をしばらく蒸らし、その後に牛乳を混ぜて煮立たせる。これでほうじ茶アイス用の牛乳は完成だ。後はこれを卵黄、グラニュー糖とを混ぜたものに少しずつ混ぜてゆく。そしてとろみがついてきたところでいったんこし器でこし、生クリームも加える。後はこれをかき混ぜつつ冷やしてゆけばいいのだ。
「さて、私は私でアイスを作らないとね」
 カーバンクルも牛乳と砂糖とその他諸々を大きな鍋に入れて入れて何やら混ぜている。ちなみに、かき混ぜているのは彼女の武器でもある『カタリナの車輪』に泡だて器を装着させたものである。これをぐるぐる回転させながら混ぜているのである。

「ふう、こんなものか」
 アイスの家を作る建材として十分な量のほうじ茶アイスを作り上げた兼光。後はこれを組み立てて家にするだけだ。
「それも使ってみる?」
 そんな彼に声をかけたのは、自身の作ったアイスを持ってきたカーバンクルだった。
「トルコ風アイスか」
「正解!」
 自分のアイスに棒を突っ込み、うみょんと持ち上げるカーバンクル。アイスの原料の中にサーレップと呼ばれる植物の粉末を入れることで独特の粘りが特徴となるアイスである。
「接着剤に良し、とりもちにも良しってことで! そちらのお家に使いやすいように、さっき分けてもらったほうじ茶牛乳を使ってほうじ茶風味にしたものもあるよ」
「そうか。ならばありがたく使わせてもらおう」
 こうしてほうじ茶アイスで作られた家が順調に組みあがってゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

守田・緋姫子
赤ずきんのコスプレで登場
アイスケーキでお化け屋敷を作ろう。
デザインはホラーゲームチックな洋館風で。中には氷菓子の食器や振り子時計やタイプライターなどの家具を配置。
時間が許せば隠し部屋とか地下室も懲りたいな......。

妨害対策として廊下にスプラッター殺人鬼を配置。命までは取るなよ。怖がらせて追い返してくれればいい。

あとなんかグリモア猟兵がなんかお土産を頼んでいたので、人間大の雪だるまアイスパフェを家とは別に確保しておこう。口に合うといいのだが。


櫻城・千寿
とりあえず、何で飾るかが問題だから…お菓子の城を作るってことで、俺ひとりのセンスと力じゃ足りなさそうだから、俺の能力の『なんかになーれ』で『知性』を強化した創造物(可愛くておだやかな何かの生き物)とレシピを考えるかな。
お菓子の城に向いてそうなお菓子のレシピを考えて、どんな材料使えば良いかとかを相談しつつ作り上げる。
そんで、余裕があったら材料を一通りレシピに残して量産できる体制にするつもりだ。
多分、バリバリ食べるような硬いクッキーとか、溶けにくいチョコレートとかが良いんじゃないかなーって考えつつ、創造物の力を借りようと思う!



●可愛らしさと恐ろしさと心強さと
「とりあえず、何で飾るかが問題だから……」
 他の猟兵達が家造りを開始する中、櫻城・千寿(神たる由縁は・f29128)はうーんと唸る。
「お菓子の城を作るってことで、俺ひとりのセンスと力じゃ足りなさそうだから……なんかになーれ!」
 方向性が決まらないので、自分を補助する頭脳を生み出すべく、千寿は【なんかになーれ】で人間以上に知性が強化された創造物を生み出す。ふわふわの可愛らしい、マンガやアニメのマスコットキャラに登場しそうな生き物だ。
「お菓子の城に向いていそうなレシピを考えたいんだが、何かいいレシピ案はあるか?」
「きゅー」
 創造物は短い手を交差するようにして、まるで腕組みをするようにして考え込む。そして申し訳なさそうな顔をする。
「難しいか」
 人間を超える知性を得た創造物だが、お菓子の家の方向性に何か助言ができるようなセンスが備わっているわけではないのだ。とりあえず、片っ端からお菓子を挙げていって紙に書いてはみるが、
「うーん、どうしようか」
 そう千寿が悩んでいるときにスッと紙が差し出される。
「ん、なになに? アイスケーキのお屋敷? 中には氷菓子の食器や振り子時計やタイプライターなどの家具を配置。隠し部屋も計画中……すごいじゃないか。こんな短期間でここまで考えるなんて。そうだね、ここはお菓子が溶けにくいみたいだし、アイスの屋敷もアリか。それだったらチョコレートで作るも行けそうかな。おかげて色々とアイディアが浮かんできたよ。ありが……」
 そう言って自分の創造物に礼を言おうとする千寿だが、そこではたと気づく。創造物は自分の前の方でメモに何か書きつつきゅうきゅう唸っている。では、横から紙を差し出したのは誰か。

 振り向くとそこには殺人鬼が立っていた。

 正確には、そうとしか形容できないような男が立っていた。血みどろのシャツにぼろぼろのジーンズ、手には血の付いた刃物が握られており、だらんと脱力したたたずまいとマスクによって表情のうかがえない不気味さは、まともでない雰囲気を漂わせていた。
「っ!!?」
 グリモア猟兵からは、オウガの洗脳を受けた邪悪な子供はいるが、オウガ自身がこの場所にいるという話は聞いていない。愉快な仲間だったとしたら、愉快を通り越して危ない。
「あー、こりゃどうも。どこのどなたか分からないけれど」
 とりあえず、敵意を持った相手であれば自分はすでに攻撃されているだろうし、細かいことは気にせずお礼を言っておく。
「君はここの住人ぽくないけど、猟兵っぽくもない。誰かのお付きだったりするのかな?」
「…………」
 殺人鬼っぽい何かはその問いにすっとどこかを指さす。指さした先には洋館が建っていたよく見ると、壁や屋根などの素材がアイスで出来ており、先ほどのメモにあったアイスケーキの屋敷そのものである。そしてその洋館からズンズンと歩いてくる人影が。
「コラ! 戻ってこないと思ったら、そんなところで油を売って。お前の持ち場は屋敷の廊下なんだから、追い払ったらさっさと戻ってこいって」
 やってきたのは血みどろの赤ずきんの衣装を着た少女、守田・緋姫子(電子の海より彷徨い出でし怨霊・f15154)である。そして殺人鬼にひとしきり文句を言った後に千寿に気づく。
「あ……うちのやつが迷惑かけた」
 前髪で目線が合わないよう、うつむきつつ謝る緋姫子。
「あーいや、俺もいろいろ悩んでた時にアドバイス(?)くれたから助かった。迷惑だなんて思ってないからあまり叱らないでやってくれな」
 それに対して千寿は飄々とした態度で返す。
「で、こいつはいったい何者なんだ? 君のユーベルコードか何かの産物か?」
「ああ、こいつは……」

 時間は少しさかのぼる。
「お前らをホラー映画の主役にしてやるよ! キャハハ!」
「ひぇええ!!」
「あびゃああ!!」
 緋姫子の造っているアイスケーキの屋敷をめちゃくちゃにしようと邪悪な子供達が屋敷に侵入した。だが、そこに待っていたのは緋姫子のユーベルコード【戦慄の復活】で生み出された無敵のスプラッター殺人鬼だったのだ。
 屋敷の外へと逃げだす子供達。そしてなお追いすがる殺人鬼。
「命までは取るなよ。怖がらせて追い返してくれればいい」
 緋姫子は殺人鬼に背後から声をかける。そうれすば、すぐ戻ってくるだろうと思って。しかし、殺人鬼は戻ってこなかった。戻ってくる途中で何やら悩んでいそうな猟兵を見つけてしまったから。

「そんな訳で、邪魔したな。さっさと戻るぞ。お前が見張ってくれないとおちおち地下室も作れん」
「……」
 事情を話し終わると、殺人鬼を引き連れて戻る緋姫子。
「創造物でもいろいろあるもんだなあ」
 屋敷に戻ってゆく二人を見送りながらそんな感想を漏らす千寿。
「さて、こっちもお菓子の城作りだ。ここはアイスとかも溶けない環境だし、チョコレートとかも溶ける心配なく建てられるはず。まあ、チョコだけだと飽きるだろうからバリバリ食べるような硬いクッキーとかそんなのも入れたいな」
「きゅー」
 千寿のオーダーに沿って建物の設計図を描き始める創造物。建物の方向性さえ決まれば、知性は高いので、それを実現させるのに具体的な形に変えるのは得意なようだ。
「あ、その設計図、あとでここの住人達に渡して量産できる体制にするつもりだから、どんな材料が必要とかきっちり書いておけよ」
 自分たちがいなくなった後のことも気を回す千寿であった。作り方さえわかれば、材料は十分にある。猟兵の能力があれば、完成も時間の問題である。

「まったく、そんなお節介な性格した覚えはないのだが、一体どこでそんなことを覚えたのか」
 アイスケーキの屋敷に戻り、内装に手を加える緋姫子。殺人鬼は現在持ち場である廊下を徘徊中である。
「そういえば、グリモア猟兵がなんかお土産を頼んでいたな」
 そう言って、部屋の隅に視線を送る。そこには人間大サイズの雪だるま、そう見えるパフェが置かれていた。
「口に合うといいのだが」
 どうやらグリモア猟兵へのお土産に持っていく予定のようだ。
「それはそうと、早いところ地下室を作らないとな。見張りは頼んだぞ」
 そう言うと緋姫子は再び作業をに戻るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オルヒディ・アーデルハイド
【いつでもフワリン】でフワリンを呼び出し手伝ってもらう
フワリンに邪悪な子供達が来ないか見張ってもらい
邪魔する邪悪な子供達はミルクタイプのアイスバーでフルスイングして吹き飛ばしホームランする


見張っていると遠くに真っ白い山が
「チョコレートをかけて食べると美味しそうだな」

家を作る時に削った氷の残りを集めて器に入れて
寒天や羊羹やカットしたフルーツを盛り合わせ練乳をかける
練乳の代わりに黒蜜やチョコレートでも大丈夫


ルウィア・ノックス
菓子は作製難易度が高いから今まで作るのを控えていたが、このレシピ本に書いてある菓子のレシピを試すチャンスが来た…かもな
菓子そのものから製作して家の材料にする

アイスとクッキーやウエハース、プレッツェルもいいな…別の菓子を組み合わせて食べても飽きがこないものにしよう
遠目では普通に建築した家に見えるよう仕上げたい
…独特な世界では普通が個性になるかもな

妨害への対処:
ベルグ(ドラゴンランス)に見張りをさせる
邪魔者を見つけたら「ぎゃおー」とでも吠えておけ
…扱いが不満だと顔に書いてあるぞ
話しかけるより脅しのほうが効果的なこともある
それでも止まらない奴は仕方ない
俺が指定UCで突っ込み近くの物を破壊して脅かそう



●うまいやり方、おいしい食べ方
 なぁ~ん、なぁ~んと緊張感のない鳴き声がお菓子の家が多すぎる国(ちょっと北)に響く。
「邪悪な子供達が出たんだね!」
 オルヒディ・アーデルハイド(アリス適合者のプリンセスナイト・f19667)は自身のユーベルコード【いつでもフワリン】で召喚した空飛ぶ草食獣『フワリン』の警告の声を聞いて駆けつけたのだ。
「ぎゃおー!」
「わわっ! なんだよ!?」
 駆けつけるとそこには小さな黒竜が威嚇の声を上げて飛び回っていた。その威嚇に邪悪な子供達は戸惑っているようだが、まだ追い払えてはいない様子。
「ようし、ここから出てい……」
 出ていけ―! と、ミルクタイプの大きなアイスバーでフルスイングしようとするが、はたと動きが止まる。それはグリモア猟兵のお願いを思い出したからだ。邪悪な子供達はオウガに洗脳されているからあまり手荒なことはしないで欲しいと。なら、全力でたたいて大怪我させるわけにはいかない。そう躊躇した時、
「オラァ!」
 気合の声と共にルウィア・ノックス(止まない雨・f03190)のダガーが一閃。オルヒディの持っていたアイスバーが砕ける。
「お前たちもこんな風に粉々になりたくなければ、さっさと帰りな」
 女性と間違われるような端正な顔立ちではあるが、不愛想な表情が凄みを聞かせる。
「ひゃあ~~~!」
「逃げろー!」
 あんな風にはされたくないと邪悪な子供達は一目散に逃げてゆく。
「ぎゃうー」
「これで邪魔者はいなくなったか。おいおい、文句のありそうな顔すんなよ。…扱いが不満だと顔に書いてあるぞ。話しかけるより脅しのほうが効果的なこともある。怪我させずに追い払えたんだから良しとしようじゃねえか」
 自分の役目に不満を持っていたらしい黒竜『ベルグ』を主であるルウィアは宥める。それがひとしきり終わるとオルヒディにも声をかける。
「坊主も悪かったな。追い払うためとはいえ、ミルクバーぶっ壊しちまって」
 オルヒディも幼女に間違われるような見た目だが、性別を間違われやすい者同士、そのあたりなんとなく分かったらしい。
「ううん、ボクのやり方だと怪我させちゃってたかもしれないし、アイスバーはまたすぐ作れるしね」
「そうか、それならよかった」
 話も一段落し、ルウィアはお菓子の家の制作を再開する。
(菓子は作製難易度が高いから今まで作るのを控えていたが、このレシピ本に書いてある菓子のレシピを試すチャンスが来た……かもな)
 アイスやクッキーにウエハース、プレッツェルと様々お菓子を作っては組み立てていく。
「わあ、お菓子で出来ているのに普通のお家みたい」
「……独特な世界では普通が個性になるかもな」
 アイスの白壁にクッキーの柱、ウエハースの屋根といった風に組み立てられたお菓子の家は、ルウィアのこだわりによって、遠目からは普通の家に見えるように装飾されている。
「すごいなあ……あ!」
 その様子をぼんやり見ていたオルヒディは家の後ろに見える白い山々が目に入り、思わずお腹がくぅと鳴る。
「チョコレートをかけて食べると美味しそうだな」
 そこで、さっき砕けたアイスバーを集め、ふわふわのミルクかき氷にして器に盛る。そこに寒天や羊羹をトッピングして黒蜜を垂らす。
「うん、おいしい♪ 今度はチョコをかけてみようかな」
 そうやってミルクかき氷に舌鼓を打ちながら、オルヒディはルウィアの造るお菓子の家が出来上がってゆくのを眺めているのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シスカ・ブラックウィドー
【恋人のアイさんと】
アイさんとデート解禁!
じゃなかった、ホームレスになった愉快な仲間を救うためにがんばらないとね☆

アイさんと協力してお菓子の家を再建するよ。

スイーツ作りは趣味でよくやるから、レシピは任せて。アイさんはそうだな......。資材運び担当で(火や包丁使わせると大惨事になるから) 

あれ、アイさんがいない?

(冷凍庫で発見)

アイさん!
急いで外に連れ出してハグして温めるよ。恥ずかしいけど......。

あ、こどもはぬいぐるみに捜索させておしおきさせます。死なない程度に。


アイ・ブラックウィドー
恋人のシスカさんと

「愉快な仲間の皆さんが困っているなら、助けないといけませんね」

シスカさんと一緒に共同作業でお菓子の家を再建しましょう。
私は本型の電脳デバイスでお菓子のレシピを検索。
お菓子作りはシスカさんに教えてもらいながら一緒に作りましょう。
……私、不器用なので(赤面

「あとは仕上げの材料を取ってきますね」

最後にトッピングするためのアイスを取りに冷凍庫に向かいますが……

「ええっ、と、扉が開きませんっ!?」

『子どもたち』の妨害で冷凍庫に閉じ込められてしまい……

「ああ、私はここで凍え死ぬのですね……」

意識が朦朧としてきたところをシスカさんに助けられて抱きしめられ、照れて赤面してしまうのでした。



●今の彼女にできること
「愉快な仲間の皆さんが困っているなら、助けないといけませんね」
 オウガに家を破壊され、住処を奪われた愉快な仲間達の現状にアイ・ブラックウィドー(電脳の天使・f28910)は頑張らねばと奮起していた。
「アイさんとデート解禁! ……じゃなかった、ホームレスになった愉快な仲間を救うためにがんばらないとね☆」
 一方で、シスカ・ブラックウィドー(魔貌の毒蜘蛛・f13611)はデートと浮かれそうになったが、頑張ろうとしているアイの姿を見て気を引き締める。
「お菓子は、これなんてどうでしょうか?」
 本型の電脳デバイスを使い、レシピを検索するアイ。
「いいね☆ スイーツ作りは趣味でよくやるから、任せてよ」
 その提案に笑顔で答えるシスカ。
「それでは、私は何をしましょうか? シスカさんに教えてもら」
「アイさんは資材運び担当で」
 赤面しながら提案するアイにシスカは真顔で答える。
「あの……」
「資材運び担当で」
 以前に彼女は何か大惨事を起こしてしまったのだろうか。シスカの目からハイライトが消えかかっている。
「……はい」
 その圧にアイは頷くしかなかった。

「でも、やっぱりあれはないんじゃないでしょうか」
 一人、巨大冷凍庫に向かいながらアイは呟く。結局あれからアイはシスカに頼まれた道具や食材を運ぶ役目ばかりで、調理の工程に関係することはほどんどやらせてもらっていない。
「確かに私、不器用ですけど……でも……だからこそシスカさんの為にできることを増やしたいというか」
 シスカはそんなにも自分のことを頼りないと思っているのだろうか? それでも、邪魔に思ってしまったのだろうか。
「ううん、シスカさんがそんなこと思うわけないです。と、とにかく自分のできることをしましょう」
 巨大冷凍庫の中に入り、シスカに頼まれたものを探す。お菓子の家の仕上げに使うアイスだ。今は原料を冷やしている最中で、定期的に固まり具合を確認しつつ、かき混ぜて空気を入れることでふんわりさせる作業の途中だ。
 アイスは固まりかけてはいるが、量が多いからかまだ固まってはいない。カチカチに凍らないようにかき混ぜる作業がもう少し必要だろう。
「とりあえず、シスカさんに見てもらいましょ……あれ?」
 外に出ようとしてアイは異変に気付く。
 冷凍庫の扉が開かない。人が入れるサイズのこの巨大冷凍庫は内側からも開けられるようになっているはずだが、押してもビクともしない。まるでカギかかってしまったかのよう。
「嘘……」
 アイの血の気が引く。猟兵といえど、長時間ここにいたら命の危険がある。
「誰かいませんか! 開けてください!」
 扉をたたき、外に呼び掛けても反応はない。そもそも聞こえているのかすら疑問だ。
「……どうしましょう」
 途方に暮れるアイ。その時に固まりかけのアイスが目に入る。
「待ちましょう。シスカさんならきっと来てくれます」

「アイさん遅いなあ……やっぱり、ああ言ったのがまずかったかなあ」
 かたくなに調理に参加することを拒んだ後、しょんぼりした様子のアイの姿を思い出してシスカは独りごちる。
「でも、大惨事が起きてアイさんが怪我したら嫌だしなあ」
 火や包丁などを使わせたらろくな結果にならない。それだったら、極力自分の手で完成させてしまった方が彼女に害が及ばないだろう。
「もしかしたら機嫌悪くして戻ってくるのが遅いのかな? 戻ってきたら謝っておこう。アイさんも手伝いたい気持ちで言ってくれたんだろうし」
 などと言っているところに、シスカの視界の隅に愉快な仲間達の姿が見た。身長からして子供だろうか。
「もしかしてあれが邪悪な子供達?」
 料理に毒を入れたりなどの妨害をするらしいが、彼らはこちらの様子をうかがうでもなく去ってゆく。今作っているお菓子は自分や使役するぬいぐるみがちゃんと見ているので、大丈夫なはず。悪戯しないで帰った?それとも……、
「アイさん!?」
 グリモア猟兵の話では料理に毒を入れる以外にも人を冷蔵庫に閉じ込めるぐらいのことはしてくるらしい。そして、今、アイは巨大冷蔵庫に向かったっきり、戻ってきていない!
「なんで、もっと早く気付かなかったんだ!」
 お菓子の見張りはぬいぐるみに任せ、シスカは巨大冷凍庫へと駆けだすのだった。

「アイさん!」
 邪悪な子供達の手でかけられたカギを外し、シスカは巨大冷凍庫の扉を開く。そこにはアイスクリームの入った容器にもたれかかっているアイの姿があった。
「シスカさん……やっぱり来てくれたんですね」
「アイさん! 早く外へ」
 そんなアイを冷凍庫の外へ運び出すと、シスカは彼女をギュッと抱きしめ、その体を温める。
「ごめん! ボクがあんなこと言ったから! アイさんにこんなことさせたから!」
「……シスカさんは気にしなくていいですよ。……それに、ちょっとお手伝いしながら待っていたんです」
 そう言ってアイはちらりと冷凍庫の方に視線を送る。
「待っている間、アイスクリームを凍り付かないようにずっとかき混ぜていたんですよ。不思議ですね、アイスクリームって固まっていくとだんだん量が増えていくんですね。それなら大丈夫かなーってちょっと味見しちゃいました」
 抱きしめられていることに照れて赤面しながらも、アイは少し自慢げに話す。
「アイさん、今はゆっくり休んでください」
 そんな彼女をねぎらうかのように、シスカは声をかけると、アイを抱きかかえ、どこか休める場所へと連れてゆくのだった。

「うまくいったな!」
「もうしばらくしたらカチンコチンの猟兵アイスが出来てるかもな」
「そしたらオウガ様のところに持っていこうぜ」
 オウガに洗脳されている邪悪な子供達は自分たちの悪戯の結果に満足しつつ、巨大冷凍庫に向かっていた。
「ん? 何だあれ」
「ずいぶんチビな奴らだな」
「ぬいぐるみじゃないか?」
 そんな彼らに立ちふさがるように現れたのはシスカが扱っているぬいぐるみ達。実は、邪悪な子供達を見かけた後、何体かは追跡に回し、彼らの居場所を特定していたのだ。
「猟兵の持ち物なら、ぶっ叩いて蹴飛ばしてやろうか」
「さんせー」
 などとのんきなことを言っていたのもつかの間、ぬいぐるみの手にジャキンとナイフが握られる。
「は?」
 彼らが事態を飲み込むよりも先に、【暗殺ナイフの嵐】が雨あられと彼らに降り注ぐ。
「ぎゃああああああああああああ!!!」
 ナイフは彼らをの横ギリギリをすり抜けて飛んで行ったが、あまりの光景に邪悪な子供達は泡を吹いて気絶してしまった。
「今回の件は僕にも落ち度はあったし、お前たちはオウガに洗脳されているのもあるから、命までは取らないよ。でも、次こんなことをしたら容赦しないからね……と言っても聞こえてないから」
 物陰からその様子を見ていたシスカは、そう呟くのだった。

 かくして、お菓子の家が多すぎる国(ちょっと北)にあるお菓子の家は見事に再建されていった。これで、アリスがこの国に逃げ込んだ際に匿うことができるだろう。
 だが、『迷宮災厄戦』はまだなだ続く。猟兵達はアリスラビリンスに平和をもたらすためにも、次の戦いの準備と戻ってゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月18日


挿絵イラスト