迷宮災厄戦⑬〜賜るは慈悲深き首堕とし
●慈悲賜るは
「俺の作ったアリスの内蔵煮込みが一番だ、ギギッ」
「私の作ったアリスの脳みそスープが一番でしてよ、ゲゲッ」
「僕の作ったアリスのステーキが一番だよ、ガガッ」
首を堕として、死して、饗されたは無数の骸。
げらげら、と自らが頂点であることを主張しあうオウガの群れ。
こびりついたソレは黒く濁り、刃は毀れ、赤錆びていて。
それでも、"堕とす"なれば、その質量と勢いだけで十二分。
それは断罪の為の刃、あるいはそれは贖罪の為の刃。
慈悲深き賜るは断頭台(ギロチン)。
されど、それは慈悲と言えるのだろうか?
●無数の断頭台
「イエス、イェーガー。戦争の時間です」
無数の電子ウィンドウが展開され、不思議の国が映し出される。
そこを闊歩する怪物たちはどれもこれもがでっぷり、と太っており足も鈍い。
しかし、それは同時に"数多のアリス"を喰らってきた証左でもあった。
あくまで、"おこぼれ"としてのそれではあったが。
そして、その数多のアリスを"食事"に変えたと言う"ソレ"も無数に存在していた。
「この世界のオブリビオンは非常に戦闘力が高いと言う想定データが算出されています」
無数のアリスを食らったが故に、太った。
しかし、それ故にこの世界のオウガたちは非常に精強であった。
まともに正面からぶつかれば、相応の苦戦を強いられる事が間違いない程度には。
「ですので、周囲に存在するオブジェクトを有効活用してください」
次の電子ウィンドウに映し出されたのは無数に存在する"ソレ"。
赤錆びて、どす黒く汚れて、刃も毀れた断頭台たち。
かつて、無数のアリスがこの刃の下に"召喚"され、そして、露と散った。
ろくな手入れもされず、ただただ、何度も何度も機械的にアリスたちを殺し続けた処刑機構。
「断頭台の破壊力はアリスに限らず、オブリビオンにも有効です」
この断頭台にオウガを乗せる事さえできれば、あとはストン、と一直線。
その慈悲の断罪をオウガにも与えるであろう。
「当機は、イェーガーたちならば問題なくこの予知の打破を完遂出来ると信じています。健闘と武運を祈ります」
いつものように言葉を結び、アリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)は転送陣を起動させる。
いつものように事を終えればそれでいいのだから。
虎河豚天
虎河豚の天ぷら、略して虎河豚天でございます。食べないで。
戦争第二弾です。
断頭台!! 断頭台ですよ!!
と言うことで敵を断頭台にのせればすぱっといけます。
まともに戦えば苦戦必至なのでのせてしまいましょう。
そうすれば慈悲なる刃がすっとんとんです。
第1章 集団戦
『ジャブジャブ鳥』
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POW : My father he died
【殺戮の狂鳥モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : Who Killed Cock Robin
【狂気に満ちた鳴き声】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : My mother has killed me
【鉤爪】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
イラスト:猫家式ぱな子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
蓮見・津奈子
この鳥の首を落とせば良いのですね。
分かりました、やってみます。
断頭台の位置を確認の上、向かってきたオウガと交戦。
敵の攻撃を肉鉤で押し留め、そのまま敵の身体を掴み取ります。
そして発現・奇鬼怪力を発動し持ち上げて、断頭台に乗せてやります。
暴れるなら、刃が落ちるまで抑えつけておきましょう。
乗せるまでに拘束から逃げられそうなら、肉鉤と【怪力】で翼を片方だげでももぎ取り、断頭台へ投げ込みます。
痛いですか?
でも、それはきっと、今まで貴方達に殺されたアリスの痛みにまだまだ及びません。
良かったですね、その程度で済んで…
…ええ、本当はもっと痛めつけたいくらいですけど。私は、まだ弱いですから。
●痛みの断頭台
「この鳥の首を落とせば良い、と……」
口うるさく己の作ったアリス料理こそが最高であると喚き立てる怪物鳥。
蓮見・津奈子(真世エムブリヲ・f29141)は、その囀りを不快そうに聞いていた。
視線を周りにやり、"断頭台"を見やる。
朽ち果てたとも言えるその断頭台、切れ味の程は如何ものか。
ぎゃあぎゃあ、と喚き立てる怪物鳥が津奈子の姿に気づく。
「お前も料理の一品に加えてやるッ!!」
その身がぶくぶく、と膨れ上がり、肥え太って丸々とした姿はより醜悪な姿にへと変貌する。
言葉を放つ理性すらも失い、その嘶きは、よりうるさく、より醜悪なものにへと変じていく。
「……うるさいですね」
凶鳥の鉤爪が振りかぶられ、その細身に襲いかかる。
常なるアリスなれば、その爪に引き裂かれあっけなく命を散らしただろう。
されど、ここに立つは常なるアリスではなく、力を得た猟兵である。
常人離れした力のこめられた指先がその鉤爪を受け止める。
同時、握りしめれば、ゴキン、と言う音と共に骨がへしゃげ砕けた。
理性なき頭蓋であっても、痛覚がイカレているわけではない。
その痛みにけたたましく叫びをあげ暴れるも、その指先は決して獲物を逃しはしない。
その首を掴み、骨がきしむ音をあげ、頸動脈を締め上げる。
呼吸経路を潰され、びくん、びくん、と痙攣するその体。
叩きつけるように断頭台に押し付ける。
ガコン、と言う音と共に、その首が拘束される。
「……痛いですか?」
ぶちぶち、と肉が引きちぎられていく。
暴れまわるその身を押さえつける為に、津奈子がその翼をむしり取ったのだ。
鮮血が溢れ、断頭台の下に赤い海を作り上げていく。
その痛みに絶叫する怪物鳥。
「でも、それはきっと……今まで貴方達に殺されたアリスの痛みにはまだまだ及びません」
そうして、断頭の刃は降ろされ、鈍ったなまくら刃は切れ味ではなく、その質量と加速度によってのみ、首を断った。
それは斬首ではない、ただ単に首を質量物質で引きちぎっただけのものだ。
その痛みを通常の斬首と比べられるわけもないが、軽く終わったわけではないのは確かであった。
けれど……嗚呼、けれど。
「良かったですね、"その程度"で済んで……」
すでに命脈を断たれ絶命したまま、末期の痙攣を繰り返す骸を見下ろす。
このオブリビオンの手で断たれた命の数、その痛み。
それと比べれば、ほぼ一瞬で終わったこのような痛み。
確かに"その程度"であった。
「……ええ、本当はもっと痛めつけたいくらいですけど」
まだこの手には余るから、と。
自らの至らなさを自覚しているが故に、"その程度"で済まさねばならない事を少し、自嘲した。
大成功
🔵🔵🔵
メアリー・ベスレム
もう、目にも耳にもうるさいオウガね!
あれがこの国の流行なのかしら?
だったらそんな悪趣味なオウガはみんな
絶滅させてしまわなきゃ
【逃げ足】活かして捕まらないよう立ち回り
【屠殺ごっこ】で何度も切りつけてみるけれど
まぁ、大変。殺し切れそうにないみたい
不利を悟って退こうとする【演技】をしてみせて
鳴き声に満ちる狂気には【狂気耐性】耐えながら
耳を抑えて、おあつらえ向きに断頭台の傍うずくまり
無様に動けなくなる振りをする
近付いたところを【騙し討ち】!
先に傷付けた【傷口をえぐる】
怯んだところを断頭台へとご招待!
誰があなたを殺すのかしら?
それはアリス、とメアリは言うの
だって、メアリはアリスで
アリスはメアリなんだもの
●アリスはメアリで、メアリはアリス
「もう、目にも耳にもうるさいオウガね!!」
「ゲゲゲッ、あなたも私の料理の一品にしてあげるわ!!」
狂気に満ちた鳴き声を響かせながらオウガはメアリー・ベスレム(Rabid Rabbit・f24749)を追いかけ回す。
しかし、決してその距離は縮まるものの、追いつけはしない。
「あれがこの国の流行なのかしら? だったら、そんな悪趣味なオウガは絶滅させてしまわなきゃ!」
「ゲゲゲッ、無理よ、不可能よ、あなたでは私は倒せないわッ!!」
ぎゃっぎゃっ、と笑うオウガ。
メアリーの肉斬り包丁が、その身をずぱり、と引き裂く。
鮮血が漏れ出て、肉が断たれる。
しかし、肥え太ったその肉塊相手には、致命の領域には届かない。
何度も何度もメアリーの刃は肉を斬る。
「ゲゲゲッ、無駄よ無駄よ無駄なのよぉ!!」
「まぁ、大変。殺しきれそうにないみたい!!」
勝てぬのならば、逃げるが勝ち。
くるり、と身を翻して逃げ出すはメアリー。
「ゲゲゲッ、無駄よ、無駄よ、逃げられないわぁ!!」
狂気に満ちた鳴き声が大きく響き渡る。
反響する音がぐわんぐわん、と頭をかき乱す。
「嗚呼……!! 嗚呼、やめて、頭が痛くなるわ……!!」
メアリーは思わずうずくまってしまう。
耳を抑えながら、首を振り、いやいや、と首を振る。
狂気の叫びを嫌がる子供のように、涙を浮かべ。
「ゲゲゲッ、おしまい、おわり、終幕よぉ、さあ、何に仕上げてましょうかぁ!!」
ズシン、ズシン、と重々しい音が響き、メアリーに迫る。
蹲ったままのメアリー、その表情は伺い知れない。
その距離が完全になくなった時、うつむいた彼女の表情は、恐怖に引きつったか。
否――――その口元だけは笑っていた。
振り下ろされた鉤爪、それは大地を砕き、砂塵を立ち込める。
鉤爪は肉を引き裂けず、大地を砕いただけ。
メアリー、哀れな生贄のアリス、それは今どこに。
「誰があなたを殺すのかしら?」
その身は宙に翻っていた。
落ちるままに任せ、肉斬り包丁と名もなきアリスの刃が閃いた。
傷口を抉り、首元を裂いて、鮮血が噴水のように溢れる。
「それはアリス、とメアリは言うの」
ここにいるのはメアリー・ベスレム。
だが、アリスであって。
「だって、メアリはアリスで……」
二太刀、三太刀、と重ねられる刃は、その足の筋を切り裂く。
肥え太った巨体が傾いていく。
「アリスはメアリなんだもの」
傾いた巨体、最後の一撃とばかりに蹴撃を一つ。
最早それが倒れ込むのは止められない、倒れ込んだ先は――――。
「さあ、断頭台へとご招待!!」
ガコン、と言う音が響き、首は拘束された。
重々しい音と共に、なまくら刃が落とされる。
肉を引きちぎる、骨を砕く。
鈍ったなまくらギロチンは決して首を断たない。
ただ、その重さをもって無理やり引きちぎるのみ。
首はもげて転がり、オウガは息の根を止める。
「ローストターキーにもなりそうにないわね」
びぐん、びぐん、と末期の痙攣もやがて止まる。
肥え太った鳥など、食べるところすらないのだから。
大成功
🔵🔵🔵
死之宮・謡
アドリブ歓迎
ふむふむ…そのフォルムで如何やって調理したのやら…
鳥ってことは此奴らの方が旨いんじゃないか?
まぁそれは後で試すとして、断頭台にぶち込んでしまえば良いのだろう?首が落ちれば血抜きも完璧だろうしな…
よしよし、では始めようか…
認識低下の「呪詛」と濃霧(属性攻撃)を絡めた幻術(占星術・全力魔法)で断頭台の方に誘導してそのままグッバイ
後は霧に紛れて辻斬っておく。最後はそのままの流れで【黒絶斬禍】を叩き込んでフィニッシュ
●血抜きの時間
「ふむふむ……」
「ギャギャッ?」
死之宮・謡(狂魔王・f13193)は首を傾げた。
こいつらこのなりで調理していたのか?
こいつらのが美味いのでは?
「……いや、だがこいつら脂肪にまみれてるな」
肥え太った鳥の姿を見て思った。
いや、だがフォアグラは取れるのではなかろうか?
だが、こいつらはカモなのだろうか?
「……まぁ、後で試すか」
食べないでください。こいつら、オウガです。
魔剣を抜き払い相対する。
「僕を食べるだって? ギャギャッギャッ、食べられるのはお前なんだよぉ!!」
ビキビキ、と肉の裂ける音を響かせ肥え太った体が膨れ上がる。
フシュルル、と言う理性なき声をあげ、殺戮形態へと変じたオウガ。
「――――具合もちょうどいいな」
謡の身より漆黒の霧が立ち込める。
これは幻術でしかない。
よくよく注意しておけば、回避もできただろう。
だが、その理性を失われたオウガにはそれすらを避ける事はかなわない。
さらに認識低下の呪詛によってどこにいるのか、何があるのかも構わない。
ふらふら、と断頭台の方に歩みを始めるオウガ。
斬――――と言う音と共に、その足首が断たれた。
筋が切り裂かれ、その身が傾く。
背後より謡が霧から現れ、死色の闘気をまとった魔剣を振り飾る。
「グッバイだ」
剣が叩き込まれ、その背に死を宿した傷を作り。
体は断頭台に崩れ落ちる。
鈍ったなまくら刃が落ちて、その肉を引きちぎる。
血が溢れ出て、断頭台を赤く染め上げていく。
「――――血抜きの時間だ」
え、食べるんですか?
マジで?
大成功
🔵🔵🔵
フィランサ・ロセウス
私は赤ずきんちゃん
不気味な太った鳥さんから無様に逃げ回って、
今、ついに断頭台の前に追い詰められた所なの。もうダメ、殺される…!
――という演技でオウガを誘き寄せて、
飛び掛かってきた所を隠し持っていたナイフで思いっきり【目潰し】!
いくらぶよぶよでも、流石に目まで脂肪で覆うのは無理でしょ?
悶えた隙に【早業】で縛り上げて、断頭台に押し込んであげる♪
ああ、いいわぁ…今のあなた、とっても素敵な顔❤
おいしい料理を食べてまるまる太ったあなた達は、
首を刎ねたらきっと最高のショクザイになるわよ!
あ、今のは「食材」と「贖罪」を掛けた面白いジョーク!笑って笑って♪
それじゃあお時間です!バイバーイ♥(断頭台を作動)
●私赤ずきんちゃん、今あなたの首を刎ねるの
「ひぃ……!!」
フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)は怯えていた。
逃げ回って、逃げ回って、無様な姿すら晒して。
けれど、もう逃げる場所はない。
隠れられるところは断頭台ばかり。
しかも、それもろくに身は隠してはくれない。
「ゲゲゲッ、もう逃げられないぞぉ、お前の肉で何を作ろうかなぁ、ゲゲッ」
追い詰められたフィランサ。
もう逃げる場所はない。
絶体絶命、それを助けるものはない。
オウガが、その命を奪おうと襲いかかる。
刹那、一瞬の光が閃いた。
肉に突き立つ音が響き、その巨大な目には何かが刺さっていた。
「グギャアアァァアアアアアッ!?」
突き刺さたもの、それは小さな刃物、決して致命傷にはなりえないナイフ。
だが、如何に肥え太り、その肉に届かぬ刃と言えど、眼球それそのものの守りにはなりえない。
引き抜き、二度、三度の巨大な瞳にナイフが突き刺さり、痛みに悶え苦しむ。
その身をフィランサのユーベルコードが縛り上げた。
相手の力を封じるその巨躯から抵抗する力を奪う。
「ああ、いいわぁ……今のあなた……とっても素敵な顔……」
断頭台に押し込まれ、その首を拘束された姿。
死刑執行を間近にしたその顔を嬉しそうに笑いながら撫でる。
「美味しい料理を食べてまるまると太ったあなた……」
その手は、ぶくぶくに肥え太って膨れ上がった体を撫でる。
嬉しそうに、愛しそうに、フィランサは笑ったまま。
「首を刎ねたらきっと最高のショクザイになるわよ!!」
ショクザイ、ショクザイ、ショクザイ。
うわ言のようにつぶやくオウガ、意味を理解できなかったのか。
あるいは末路に気づいたのか。
「あ、今のは「食材」と「贖罪」を掛けた面白いジョーク!!」
ね、面白かったでしょう? 笑って、笑って、と笑いかけるフィランサ。
瞳を潰され、力を奪われ、首を拘束されて。
たどる道はただ一つ、こんな状況で笑えるものか。
憤りを叫ぼうとした。
だが、しかし。
「それじゃあお時間です!! バイバーイッ!!」
ガコン、と言う音と共にそれは動き出す。
鈍ったなまくら刃が降り注ぎ、その重さと厚みだけで、肉を削いで骨を砕く。
手入れを怠った刃は一瞬でその生命を奪わない。
肉を引きちぎり、無理やり引き裂いていく。
憤りを叫ぶ事もなく、その命は永遠に断たれた。
大成功
🔵🔵🔵
カタリナ・エスペランサ
国の在り様はナンセンス、蔓延るオウガもお似合いの醜悪さだね
分不相応な飽食には此処で幕を引くとしよう
音を媒介にした攻撃ならそれより速く飛んで躱すまでさ
《空中戦》に風と重力の《属性攻撃》を合わせ加速、《第六感+戦闘知識》で敵の攻撃は《見切り》対処するよ
UC【異聞降臨】発動、呼び出すのは水銀の身体を持つ多頭の大蛇だ
それはかつて国一つを滅ぼした《神罰》の具現。狂気を感知するような意思は無く、音の衝撃や物理的な攻撃は流体の身体が受け流す
敵の数だけ増やした顎門でオウガたちに喰らいつかせ、際限なく成長する巨躯の質量と《怪力》で押し出すようにして断頭台へセット。
後は蛇頭諸共にオウガたちの首を落としていこうか
●断首の幕引き
「国の存り様はナンセンス」
ぎゃっぎゃっ、と喚き立てる怪物鳥を前にカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)はため息をついた。
鉤爪の一撃を短剣でいなし受け流して弾き返し撃ち落とす。
「蔓延るオウガもお似合いの醜悪さ」
狂気の叫びが響き渡り、反響する。
その音を無造作に引き裂けば、カタリナは顔を顰めた。
「……分不相応な飽食、ここで幕引きだ」
翼に風が逆巻き、その身は重力の枷より解き放たれる。
音を媒介とすると言う事は即ち、空間の振動波であり、それは音の速さに等しい。
なれば、それ以上の速度で舞う身には決して追いつけぬは道理。
「我は汝、汝は我――――」
交わらない無限の世界、有象無象の鏡像たち、鏡合わせの鏡、並行世界よりそれは訪れる。
その身は流体する銀色。
無数の首を持つ大蛇。
かつて国一つを食らい付くした裁きの化身。
それこそが無限に存在する有象無象の中から選び出された絶対の一。
神が扱うが故こその権利であり、能力であり、それこそを指し示して権能と呼ぶ。
流体する水銀の大蛇が蠢き、オウガに食らいつく。
権能に意志も理知もなく、それはただただ蠢く水銀でしかない。
それはあるがままにあり、為すがままに為す為の機構。
食らいついた蛇たちがそのまま断頭台にオウガを押し付ける。
「さあ、斬首の時間だよ!!」
そうしてなまくら刃は落とされる。
水銀の蛇にその刃は何の意味もなさない。
するり、と通り抜けるばかり。
なれば後に残るは肉を引きちぎる音ばかり。
ごとん、と言う音と共になまくら刃は地に堕ちて。
その音と同時に首も露と散った。
大成功
🔵🔵🔵
クリスティアーネ・アステローペ
ギロチン、ねえ
あまり使ったことはない上に手入れの酷さで正直不安ですけれど
構造自体は結構シンプルですし大丈夫かしらね
これを用いるのがこの世界での律であるのならば、私もそれに従いましょう
速く動くものを無差別攻撃、ということですし誘導は容易そうね
私自身は《結界術》も使って《闇に紛れる》ことで身を隠して、石でも投げてそれを追わせましょうか
(《怪力》を込めて投げてより速度を確保)
断頭台まで誘導したら【エヴェリーナ、その慈悲深く】の杭で足を《串刺し》にして動きを止めて
剣の腹で断頭台の拘束具に押し込みましょう
さぁルイゼット?此の咎人へも区別なく、支障なく、苦痛なく、人道的な死を届けましょう
●ルイゼット、その慈悲鈍く
「ギロチン、ねぇ……」
クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)はその断頭台に視線をやる。
使った事はあまりない。むしろある方が稀有なのだが。
手入れの酷さはあまりに酷いとしか言いようがない。
これもまた、アリスを殺すために簡単には死なぬようにした為だろう。
構造そのものはシンプル、故にそれの機構そのものに支障はない。
「これを用いるのがこの世界の律であるのならば、私もそれに従いましょう」
ス、とその姿が薄く、掠れて、霞んで消える。
自身に張り巡らせた結界術、そして隠形術の併用。
理性なき肥満体なる怪鳥にはそれを察する術すらない。
あとは適当にものを投げつければ、それに釣られて暴れまわるだけ。
「さあ――――こっちよ」
誘うような囁き、それは甘美なる誘い。
アリスを殺す事が使命なれば、アリスの誘いの声に釣られるのはまた定め。
ましてや理性なき頭ではそれが罠かどうかもわからない。
断頭台に釣り出された怪鳥は、その足を縫い留められる。
つんのめり、倒れ込むその背目掛けて切っ先なき慈悲の剣が振るわれる。
ざぐん、とその背に傷が走り、その身は断頭台に崩れ落ちた。
「さぁ、ルイゼット」
拘束する音が響く。
最早逃れ得る術はない。
ギチギチギチ、ときしむ音をあげ、血で赤錆びた刃こぼれなまくらが釣り上げられる。
「此の咎人へも区別なく、支障なく、苦痛なく、人道的な死を届けましょう」
そうして断頭刃は降ろされた。
鈍った刃は、それを断つ事は出来ず。
引きちぎるように首を刎ねる。
転がる首を眼下に、切っ先なき慈悲の剣を下げた。
「最も、手入れを怠ったそれで苦痛なく、とは思えない事だけれど」
大成功
🔵🔵🔵