迷宮災厄戦⑯〜虫食い穴のある林檎
●巨大な林檎の国
「花の蜜とは違うけど、こういうのもいいわね」
その国は巨大な林檎そのものだった。もちろん、食べることも出来る。
林檎の中に少女たちが住み着いていた。鱗翅目の羽根と触覚を持つ少女の姿をしたオウガだ。
「ね! 食べ物には困らないし、隠れるのにも最適。ここにいっぱい仲間を集めましょう〜」
少女たちはわいわいと林檎を食べながら仲間を呼び込み、次第に数を増やしていた。
●グリモアベース
「今回皆さんに行ってもらいたい国は、巨大な林檎です」
クロノ・ライム(お菓子に目がないクレリック・f15759)の言葉に首を傾げる猟兵がいたかもしれない。
しかし、どうも「林檎の木」や「林」の言いまちがいではないらしい。本当に国全体が巨大な林檎なのだ。
「驚くのも仕方ないことです。僕も色々な本を読んだことがありますが、このような国の存在は聞いたことないですから」
とはいえ、アリスラビリンスのすべての国について書かれた記録など存在しないだろう。だから、こんな国があっても不思議ではないのかもしれない。
「この林檎の中には鱗翅目の羽根と触覚を持つ少女のオウガ、マユラたちが住み着いています」
マユラは見た通り、精神的にも少女のように幼いが、鱗粉や紋白蝶を呼び出す攻撃などを使う。範囲攻撃が得意なため数が多いと厄介だ。
「正面から向かっていくのは危険です。なので、林檎を食べ進んで穴を掘り、奇襲をかけましょう」
クロノは簡単に言うが、巨大な林檎を穴が掘れるほど食べることなど出来るのだろうか。
「大丈夫です。虫が住み着くくらいですから、とっても美味しいんですよ! ああ、でもお腹がいっぱいになってしまったら食べきれませんね。そこはうまく工夫してください」
説明を終えたクロノは巨大な林檎の国へとつながる扉を開く。
扉の向こうから甘い芳香が漂ってきた。
青猫格子
こんにちは、青猫格子です。迷宮災厄戦シナリオ第三弾です。
今回は巨大な林檎でできた国に住み着いているオウガ「マユラ」たちとの集団戦です。
林檎を食べ進んで穴を掘り、オウガたちを倒しましょう。
マユラたちは普段は臆病なため、林檎の中の洞窟で一箇所に固まっています。
敵が現れると集団で襲い掛かってきます。うまく奇襲をかけましょう。
このシナリオでは「林檎を食べ進み、奇襲する」ことでプレイングボーナスが与えられます。
今回はOP公開後すぐプレイング受付開始します。
どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『マユラ』
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POW : 飛んで火に入る夏の…
【攻撃的な紋白蝶の群れ】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【嫌がる音域】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD : 花蝶風月
【泣く事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【追加でマヒ効果の有る鱗粉】で攻撃する。
WIZ : 羽化
戦闘中に食べた【花の蜜】の量と質に応じて【いつもより強気になり】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
イラスト:pico
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
暇島・しいま
大食いキャラのお通りっすよー!
自慢の前歯でがりがり、バトルフォークでほりほり!
ガツガツ林檎を食べて進んでいくっす!
ハンバーガーも合間に食べて、調味料で味変して!
甘いものとしょっぱいものを交互に食べるのは止まんなくなるっすねー!
この辺りにオウガがいるっすね…
「ハンバーガーはいかがっすかー!?」
大声で奇襲をかけるっす!
臆病な子っぽいんで、拒否られちまいやすかね?
泣いたら【ファストフード】の効果で鈍間になっちまうっす!
自分の口にはハンバーガーを詰め込んで、一応スカーフでマスク
のろのろの鱗粉はバトルフォークの風圧で吹き飛ばしながら突撃!
鈍間なうちにバトルフォークを振り回す怪力で薙ぎ倒していくっす!
リアナ・トラヴェリア
相手が固まってるのなら、先手をとってまとめて攻撃すれば相当なダメージを与えられるよね。
じゃあ静かに近づいて行って、一気に倒しちゃおう。
魔獣の顎でマユラ達の足元を目指して静かに食べ進めよう。あとこの林檎の強度を確かめながら。
マユラの足元についたら、彼女たちの足元が崩れないように慎重に掘り進めて強度を下げて、全員が巻き込めそうになったら、一気に空間を作ってこちら側にマユラ達を落とすよ。
転倒してたり浮き足立ってる間に巨大化した黒剣で凪ぎ払って倒していくよ。
悪いけどあなたたちの鬼ごっこに長く付き合うつもりはないんだ。
だから躯の海に還ってもらうよ!
この国は林檎でできている。
オウガたちが潜んでもまだまだ十分食べる部分が残っている、それほど巨大な林檎だ。
いくら美味とはいえ、普通に食べていては穴を掘るのにとても時間がかかるだろう。
……と、思われたのだが。
「大食いキャラのお通りっすよー!」
今ここに巨大な林檎をすごい勢いで食べている者がいた。暇島・しいま(もぐもぐライフ・f05777)だ。
一応手に大きなフォークを持っていたが、食べるのが早くて掘り返していては時間がかかると、直接前歯でガツガツ林檎を削って食べている。
「なるほど、林檎を削るのにそこまで力は必要ないようだね。でもしいまさんほどの速度で削るのは私にはできないかな……」
リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)も近くで林檎を食べていたが、こちらは林檎の性質を確かめながら静かに食べている。
「大丈夫っすよ。リアナ先輩はおいらに行く方向を教えてほしいっす」
「わかったよ。うーん、音からすると、こっちかな?」
リアナはマユラたちの足元へ行こうと、慎重に方向を探っていた。
しいまは彼女の行こうとする方向に合わせながら、どんどん食べ進んでいく。
「甘いものを食べているとしょっぱいものが食べたくなるっすー!」
しいまは林檎を食べる合間合間にハンバーガーを食べているが、それでもまだまだ食べる勢いは落ちる様子がない。
「待って! 複数人の足音が聞こえるよ。どうやらここがマユラたちのいる洞窟の直下みたい」
リアナがしいまを止めて頭上の音をよく聞く。
「とうとう着いたっすね。奇襲をかけるっすか?」
「うん。でもその前に準備してほしいことがあるんだ」
リアナになにか考えがあるようだった。
その頃。マユラたちは洞窟内で食事を終えたあと、かくれんぼなどをして遊んでいた。
「みーつけたー! これで全員見つけたね」
「次は何して遊ぼうかな?」
マユラの一人がロープを持ってきて仲間に見せる。
「これで縄跳びしましょう」
「しましょうしましょう〜」
二人がロープの端を持ち、他の仲間が縄の中に次々入って跳んでいく。
ところが、何人目かが入った瞬間、地面にミシッ、とヒビが入る。
「きゃあ!!?」
いきなり地面が割れて大きな穴の中にマユラたちが落ちてしまう。
リアナの発案で、しいまが地面の下のりんごを食べて作った落とし穴であった。
林檎がそれほど固くないため、大したダメージはない。しかし一体何が起きたのかわからず全員パニックの様子だ。
「ハンバーガーはいかがっすかー!?」
「きゃああー!! 何か出たー!」
突如崩れた林檎の中からしいまが飛び出してくる。侵入者の存在に驚いたマユラたちは逃げ惑いながら、しいまに向かって麻痺する鱗粉を飛ばしてきた。
「うーん、臆病だとは聞いてましたが、やっぱり拒否られてしまったっす……」
しいまはバトルフォークを振り回して鱗粉を吹き飛ばしながら、ハンバーガーを食べ続けている。
「よし、今のうちに……!」
リアナはマユラたちがパニックで騒いでいる間に、黒剣を構えてマユラたちに斬りかかっていく。
「敵だわ! 紋白蝶さんたちやっつけて!」
マユラたちは紋白蝶の群れを呼び出して、リアナにけしかける。しかしそれは逆効果だった。
紋白蝶を切り払った黒剣はエネルギーを吸収して巨大化し、その威力を増していく。
「骸の海へ還ってもらうよ!」
リアナが巨大化した剣でひと薙ぎし、マユラたちの群れを切り払った。
その後も二人の連携で、洞窟に潜んだマユラ達は次々に倒されていった。
大成功
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青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と
おいしい林檎があるんだけど食べてみない?
一緒に運動もできるから後のことも考えなくていいわよ
現地に着いた時の彼女の様子に少し良心の呵責を覚えるけど、切り替えの早さと戦闘能力の高さは買っているのよ
苦しくて動けなくならない程度に林檎を食べて通路を作る
周囲の状況には気を付けて
敵の気配を感じたら林檎の薄壁越しに様子を窺う
向こうの準備が整う前に弓曳落星を一斉発射
壁ごと破って奇襲するわ
ルーナと挟み撃ちするように、少しずつ敵を減らしていく
最後は花風で
林檎の虫はこれで退治よ
ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と
え、リンゴ?
食べる食べる!
運動もできるなら一石二鳥だよね
颯夏に誘われてきたのは戦場
うー……おいしい話には裏があるってこういうことかぁ
でもいっか、おいしいリンゴが食べられるんだからね
ソルに乗ってリンゴを食べるよ
もちろんソルも食べてね
持って帰れそうならかごにもいっぱい詰めてくよ
あ、そういえばここ戦地だった
できるだけひっそりこっそり、音をたてないように進んだり
他から音が聞こえてこないか注意して行くね
壁がなくなったらソルと突撃
ソルは炎を吐いてね
颯夏と反対側から敵を追い詰める
ぜんぶ倒したら最後にちょっとだけ
ソルの炎でそのあたりの壁、焼きリンゴになってないかなぁ
「うー……おいしい話には裏があるってこういうことかぁ」
ここは巨大な林檎。その中の洞窟でルーナ・リェナ(アルコイーリス・f01357)は嘆いていた。
彼女は青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)に、
「おいしい林檎があるんだけど食べてみない?」
と、誘われてやってきたのだ。
まさかそれがオウガと戦うために、林檎を食べて穴を掘る、ということを意味していたとは。
「言ったでしょう? 一緒に運動もできるから後のことも考えなくていいわよ、って」
颯夏が林檎を食べながら答える。
「まあ実際においしい林檎は食べられてるから、いいか……」
ルーナは複雑な気持ちで、ドラゴンのソルと共に穴を掘りながら林檎を食べ続けている。
「どんどん食べてもらって構わないけど、周囲の状況には気を付けて」
「そういえばここ戦地だものね。気をつけるよ」
食べるのに一生懸命だったルーナは颯夏の言葉で、できるだけ音を立てないように食べるよう気をつける。
ルーナとソルと颯夏で食べ切れない分は持ってきたバスケットに詰め、掘り進んでお腹が空いたら食べ、また一杯になったらバスケットに詰め……の繰り返しだ。
「壁が薄くなってきている。敵の洞窟が近いかも……」
颯夏は壁越しに音を聞いて、敵の様子を窺う。
何かの音がする。よく聞くと「ぐー」とか、「すぴー」と言った複数人の寝息であった。
「お昼寝しているのかな?」
敵を警戒していたルーナはちょっと気が抜けた様子であった。
「でもそれなら攻撃のチャンスよ」
颯夏はからくり人形の雪紐に指示を出すと、人形の胴から数多の矢が壁に向かって放たれた。
矢は壁を破り、そのまま洞窟の中へ飛んでいく。
「何か刺さった! 痛い!」
「何が起きたの!??」
昼食後に寝ていたマユラたちは、突然壁が割れて飛んできた矢によってパニックになっていた。
「よし、行くよソル!」
ルーナが乗っていたソルに呼びかけると、ソルは羽ばたいて洞窟の中へと突入していく。
ソルは洞窟の中を旋回し、逃げようとするマユラたちに向かう形で炎を吐く。
「敵だわ! みんな花の蜜を食べるのよ」
マユラの一人が仲間に呼びかけながら蜜の入った壺を配る。
「わかったわ! と言ってもさっき林檎を食べてお腹いっぱいなんだけど……」
中には食べ過ぎた仲間もいて、あまり乗り気ではない様子だが、敵を倒すために何とか食べる。
いつもより強気になったマユラたちが颯夏とルーナたちに向かって飛びかかってきた。
「逃さないわ」
颯夏の人形とソルの炎でマユラたちを少しずつ追い詰めつつ、颯夏は能力を発動する。
彼女の装備がラナンキュラスの花びらに変わって辺り一面に舞い上がる。
「きゃああー!!」
花びらの攻撃によってその場にいたマユラ達は次々と倒れていく。
どうやら洞窟内にいたマユラ達は一通り倒したようであった。
「これで虫退治は終わりね。どうしたの?」
洞窟の確認を終えた颯夏は、ルーナが壁に向かって何か探していることに気がつく。
「えっ? あの、さっきソルがここに炎を吐いてたから焼きリンゴになってないかな~って」
ルーナの答えに颯夏は脱力する。
「それは……炎が当たっていた時間はそんなに長くないから、なってないんじゃないかしら?」
「そうか~、残念」
ルーナはがっかりしたようだ。
「こんなところでわざわざ焼きリンゴを探さなくても、林檎をたくさん持って帰るんでしょう? 帰ってから作ればいいのよ」
颯夏の言葉に、ルーナは目を輝かせる。
「うん、そうだね! じゃあさっそく帰って焼きリンゴを作るよ!」
二人は焼きリンゴを作る計画を話し合いながら、楽しそうに帰っていくのであった。
大成功
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