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ガチャと丸太と日曜日

#UDCアース

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 予知映像をスキップしますか?
 →はい  …『要約すると』
  いいえ …『四賢人と魔書』

●四賢人の魔書
 異端なる煽動者、ドゥァイ・ウェームラー。
 生と死を司る者、ムァ・カヴェ。
 脆弱なる調停者、シメェタ。
 外界の外法師、ナルシス。

 彼等四人はとある教団の教祖であり、信者たちから四賢人と呼ばれ崇められていた。
 彼等は各々が強大な力を持ち、多くの者を魅了しては自らの糧とし、欲望の限りを尽くしたという。
 だがある時、彼等は共同で一冊の魔書を書き上げた後、教団諸共その姿を消した。
 彼等の消息については諸説あり、書き上げた書と一つになったとも、未だ世界のどかで暗躍しているのではとも言われている。
 残された魔書は強大な力を秘めており、書の一部を書き写した写本ですら魔性を帯びたことから、邪心召喚の触媒として用いられた。
 だが、オリジナルは時と共に散逸し、現存するのはいくつかの写本のみといわれている。

 そして現代。その写本の一つを手に入れた男がいた。

●現実逃避と丸太教
 UDCアースの世界には無数のソーシャルゲームが存在するが、その中に、強力なアイテムやキャラを手にいれるためのガチャと呼ばれるシステムがある。
 そして、欲しいアイテムやキャラを手にいれるために行うジンクスはしばしば宗教として例えられる。
 例えば、ボタンを押す際に指ではなく、左乳首で押すというものや、一定の操作を行うことで乱数を調整するというもの。はたまた、あるシナリオライターの前でガチャを引くというものなどなど、まさに多種多様である。
 そして、欲しいものを手にいれるために、現代人はそれらの宗教に手をだしているのが現状である。

 そこに着目し、SNS等を駆使して丸太教と呼ばれる宗教を広め、一般人達を集める男がいた。
 男の名は穴合(あなごう)。
 彼こそ、かの写本を手にした、独特の口調と日曜日の終わりを想起させ、ある種の強迫観念を植え付ける魔性の声を持った邪神信者である。

 彼が広めた丸太教とは、日曜日にある場所に設置された丸太を押し回すことで、ガチャ結果が良くなるというものだった。

「やった!☆5キャラ3枚抜きだ!」
「マジか!?俺も回さなきゃ!」

 だが、それは写本の魔力で操作された偽りの成功経験である。そして噂が噂を呼び、多くのゲーマー達が集まるようになった。

「彼の四賢人の写本を手に入れ、儀式の準備に奔走することはや数年。頭金5000万と、月々12万の35年ローンを組まされ多大な代償を払うことになったが、ようやく、全ての準備が整う!」

 穴合が居るのは件の丸太が複数設置された、とある雑居ビルの地下室。
 そこには丸太を無心に押し回す虚ろな目をした無数の男女がいた。

「流れはいい……。流れはいいから次こそは出るはずなんだ……」
「もやし、これからしばらく三食もやし……」

 穴合は写本の魔力で結果こそいいものの、欲しいものだけが手にはいらないように確率を操作し、ひたすらに丸太とガチャを回させているのである。

「これ以上はもうダメだ。課金額が家賃を越えてしまう……」

 そして、帰ろうとする者に、彼はそっと囁きかける。

「ここで帰って、本当にいいのか?」
 囁きかけられた青年はその魔性の声で、日曜日の終わりを強烈に意識する。
「あ、あああ明日は月曜で、そっ、そしたら会社に行かなきゃだし……!」
 そう、大半の者は日曜日が終われば会社や学校へ行かねばならない。例え行きたくなくても、行かねばならないと強迫観念に駆られる。
「だが、ここで帰れば君のゲームデータは全て消えてしまうことになるが、本当にそれでよいのか?」
「なっ!?」
「慌てるな。ここで帰っても何も良いことはない。だ帰っても辛い現実が待っているだけだ。それよりも、ここで丸太とガチャを回していた方がずっと幸せだ。安心したまえ、君が丸太を回し続ける限り、ずっとガチャを回せるようにしてあげよう」
「あ、ああぁ……」
 そして青年は、他の者達がそうであったように、丸太を回す作業に戻るのであった。

「もう少しだ。欲望と絶望と虚無が入り交じり、邪神召喚のための負の力が溜まる。そして私は更なる高みへと至るのだ!フハハハハハハハッ!ハァッーーーハッハッ!」

●要約すると
「皆様よくお越しくださいました。そしてこちらが皆様より一足早く来て、予知映像を見たことでSAN値チェックに失敗した方々です」
 猟兵達を出迎える無表情の少女、天乃・声(無気力系Tips少女人形・f13552)の近くには倒れ呻く、複数の猟兵達がいた。
「どのような内容か気になる方は、後程予知映像をご覧ください。では手短に説明を」
 そう言うと声は事件の概略説明を始めた。

「依頼内容としては、ちょっとアレな4人の教団教祖達が残した魔書、その写本を手に入れた穴合(あなごう)という独特の口調と魔性の声を持つ男が地下室に人を集めて、ひたすら丸太とガチャを回させるという邪心召喚の儀式を行っているので、その儀式の妨害と現れるであろう眷属と穴合の討伐となります。なお、儀式の妨害手段は問いません。また、一般人に関しても、組織の方々が避難誘導を行いますので、皆様は戦闘に集中してください。補足事項ですが、穴合の声は月曜が来ることへの恐怖心を持つ者に強く作用するようなので、該当の方はご注意を」

 説明はあっという間だった。
 予知映像を見て倒れた猟兵達が「その説明だけでよかったのでは?」と抗議の声を力なくあげる。

「それでは行ってらっしゃいませ」
 声は深々と頭を下げ、猟兵達の抗議を無視した。


Chariot
 このシナリオが公開されたと言うことは、私はまだ四賢人に消されていないということですね。
 どうも、chariotです。
 思い付いたネタを投入したシナリオとなります。
 判定は甘めなので、思うがままに参加してください。
 穴合の声にやられるもよし、楽しくガチャを回すもよしです。
 ただし、版権には注意しましょう。
 そして、ネタ依頼ですので、キャラ崩壊してしまう可能性もあります。注意しましょう。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 冒険 『背徳の儀式を妨害せよ』

POW   :    力尽くで儀式を妨害する

SPD   :    潜入して隠れながら儀式を妨害する

WIZ   :    儀式に潜り込んで儀式に参加しながら妨害する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アンリエット・シャルパンティエ
「ふむ、ガチャ宗教か…物は試しよな」
隠れて参加どころか堂々と、何食わぬ顔でシレっと儀式に参加

【怪力】を用いて丸太をハンドスピ何とかの様にくるくると回しながら
ガチャを回す。
「その回し方じゃない」というツッコミは小柄な少女が丸太を軽く
回しているというおかしな状況がさせない感じで。

20連ほど回してからピタリと止め、
「丸太を回すだけなら安いものと思ってやってみたが…」
【力任せの一発】で丸太を粉砕!
「うむ、所詮は他人の宗派よな。 実に無為!」

「お主らも早々に見切りをつけた方が良いぞ、やはりガチャは回転数こそ全て故な」
『出るまで回す教』のアンリエットはブラックカードの限度額無制限パワーで無慈悲に引き当てる



 虚ろな目をしたちょっとアレなゲーマー達がひたすら丸太を押し回す地下室。
 そこに堂々とエントリーする見た目は少女の女が一人。
「ふむ、ガチャ宗教か…物は試しよな」
 アンリエット・シャルパンティエ(白炎の殲姫・f07812)である。
 彼女のエントリーに目を向けるものはいない。だが、アンリエットはそれを気にすることもなく、誰も使用していない丸太に近づき、その怪力で丸太を勢いよく押した。
 通常、数人がかりで回す丸太が、地面との接地面から白煙と悲鳴のような異音をあげながら超高速回転する。
「な、なんだ!?」
「火事!?」
 白煙と異音に気づいたゲーマー達は丸太を押し回す手を止め、超高速回転する丸太とそれを回したであろうアンリエットに目を向ける。
 ゲーマー達の視線が集まったことを確認したアンリエットはニヤリと笑みを浮かべ、スマホを取り出し、アプリを起動した。
 ゲーマー達の注目が集まるなか、アンリエットがガチャを引く。
「まさか、あの人は!?」
「知っているのか、漆黒の!?」
 漆黒のと呼ばれた男が頷く。
 10連目、撃沈。
「ああ、この間、あるゲームのガチャ配信をやっていた動画配信者だが……」
「だが?」
 20連目。
「視聴者がドン引くレベルの爆死をしていた」
 轟沈。
 20連だけの結果だが、魔書の効果でいい結果になりやすくなっているにも関わらず、確定枠ですらハズレで全くかすりもしなかった。
「丸太を回すだけなら安いものと思ってやってみたが…」
 ピタリとガチャを引く手を止めたアンリエットが口を開き、おもむろに力任せの一発で丸太を殴り付けた。
 轟音が響き、床がひび割れる。
 丸太こそ粉砕できなかったが、傾いた丸太はもはや回すことはできないだろう。
「うむ、所詮は他人の宗派よな。実に無為!」
 そう言うと、彼女は限度額無制限のカードの力で強引に目当てを引き当てた。
 彼女は、『出るまで回す教』の信者だった。
 犠牲になった諭吉の人数を数えることは恐ろしくてできないが、ゲーマー達のドン引き顔が犠牲になった諭吉の人数を物語っている。

「お主らも早々に見切りをつけた方が良いぞ、やはりガチャは回転数こそ全て故な」
 その言葉を残し、彼女は立ち去った。その後ろ姿が心なしかプルプルと震えているように見えるのは気のせいだろうか。

 アンリエットの尊い(?)犠牲により、正気を取り戻したゲーマーの一部が彼女に続く。
 だが、残ったゲーマーは多く、儀式は未だ継続中である。

成功 🔵​🔵​🔴​

狭筵・桜人
丸太押したくないので潜入して隠密行動です。
日曜日に疲れ溜めちゃうと月曜日持たないんですよねえ。

さてさて、延々とガチャを回しているってことは
延々とゲームを起動しているということで。

フリーWi-Fiとかあると嬉しいかなって思うんです。
『code/S.B』入力。
接続機器への【ハッキング】を開始。

え?チート技能で参加者のスマホぶっ壊されたら
一章終わっちゃいます?
そんな野暮なことしませんって!

バカデカ負荷をかけたWi-Fiを接続させて
速度制限地獄に陥れてやるだけです。
ンッフッフ……課金が反映されたりされなかったり
二重送信されたりロード画面で数分間待たされたりして
身悶えるが良い……!アッハッハ!



 異変は唐突に訪れた。
「くっそ、めちゃくちゃ回線が重くないか!?」
「重すぎて課金が反映されねえ!」
「モラでも詰まってんのか!?」
 突然の出来事にいたるところでゲーマー達の阿鼻叫喚が響く。
 その様子を物陰から覗き見るのは覗き見のは狭筵・桜人(不実の標・f15055)だ。
「日曜日に疲れ溜めちゃうと月曜日持たないんですよねえ」
 桜人は丸太回しで体力を消費しないように、ひっそりと潜入し、隠密行動をとっていた。
 桜人の指が巧みなキー捌きで端末を操作する。
 彼はcode/S.Bを発動し、ハッキング能力を大幅に向上させ、そにうえでハッキングを行い、回線に多大な負荷をかけることに成功していた。
 つまり、この状況を作り出した張本人である。

『ンッフッフ……課金が反映されたりされなかったり、二重送信されたりロード画面で数分間待たされたりして身悶えるが良い……!アッハッハ!』
 まさに、外道の所業と言わざるを得ない。

「二重課金!?二重課金、ナンデ!?」

 アクセス障害にもめげず、課金を行おうとしたのだろう。その弊害として、至るところで二重課金などが発生し、地下室は更なる阿鼻叫喚で包まれる。

「もやしならいざ知らず、ティッシュにポン酢は嫌だ!ティッシュにポン酢は嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 そして、一人、また一人と慌てた様子で地下室から出ていく。
 恐らく返金処理を行うためだろう。
 返金処理はいかに早くその対応を行うかで、事の正否が決まることが多い。
 あとに残ったのは、こんな時にこそ落ち着いて丸太を回すべしと、ある種のベテランの風格が漂う歴戦の猛者や、冷静にアクセス障害の回復を待つ者達だ。
 そして、桜人にハッキングを受けているにも関わらず、回線速度は徐々に回復を始めた。
「ここらが潮時ですかねぇ」
 ハッキングを止め、端末をしまった桜人はその場をあとにするのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

天津・麻羅
神・降・臨!

毎日が日曜日なわしに月曜日が来る恐怖などないのじゃ!そして、明日月曜日が来る現実から逃げようとする者達に神の一言を贈ろう…

「キミ、明日から来なくていいよ」

この言葉を突き付けられてはどうしようもないのではないかえ?ガチャどころじゃないぜ?まぁそれでもここに留まるとゆうのであれば、これ以上はゆうまい。わしはおぬしらの行動を尊重しよう。職を失い、金が尽き、借金だけが残ろうと生きるだけはできるかもしれんがな。そんな人生の前に最後のガチャをするのも一興かもしれんしのう。おぬしらの今後の人生に幸あれ!(聖なる光)

学生?知らん。親に余裕があるのなら良いんじゃないかえ?



「神・降・臨!」
 邪神降臨の儀式中だが、邪神が降臨するよりも早く、幼女の神、天津・麻羅(神・f16621)が現れた。
 念のため補足するが、幼女の守護神的なアレではなく、見た目が幼女の神である。
 実に羨ましい限りだが、毎日が日曜日の彼女には、迫り来る月曜日に恐怖心などなく、実に堂々とした態度で言葉を紡ぐ。
「明日月曜日が来る現実から逃げようとする者達に神の一言を贈ろう…」
 その声には丸太とガチャを回すゲーマー達が思わず手を止めるほどの力が宿っていた。
 固唾を飲んで麻羅を注視するゲーマー達。
「キミ、明日から来なくていいよ」
 神の言葉は重く、その一言はゲーマー達の心に深く、深く突き刺さった。
 特に社会人。
 なかには膝から崩れ落ち、倒れ伏す者までいた。
 更に麻羅の言葉は続く。
「わしはおぬしらの行動を尊重しよう。職を失い、金が尽き、借金だけが残ろうと生きるだけはできるかもしれんがな。そんな人生の前に最後のガチャをするのも一興かもしれんしのう」
 容赦がなかった。一部のゲーマー達のライフポイントはすでにゼロだ。周囲を憚らず、咽び泣くものまで出る始末。そろそろ止めてあげてほしい。
 そんな想いが届いたのか、彼女は聖なる光を後光に、最後の言葉を紡ぐ。
「おぬしらの今後の人生に幸あれ!」
 もはや限界だったゲーマー達は、その言葉を聞くと同時に、号泣しながら全力疾走で地下室から出ていった。

 残るゲーマーはあと四割。
 儀式の妨害成功までもう一息である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 【POWで判定】
 その四人は、罪なき人々に麻薬のような快楽を与え、貪るように金を巻き上げたという。そして今、この邪悪なシステムを利用して、再び人々の生活を破壊しようとしている。そんな事は、決して許せない。この儀式も止めてやろう。
 我は、丸太を回している者の執着心を削いでやろう。彼らの前に、清潔なスーツ姿で現れよう。そして、容器に入れて持ってきた高級ステーキを美味しそうに食べる。その際、スマートフォンを取り出し、会話をしている振りをするぞ。最愛の夫に、仕事が順調に進んでいる事を伝える演技をするぞ。そして、笑顔で場を去ろう。そうした姿を見せ、彼らの目を覚まさせてやろう。
*アドリブ&共闘、歓迎です



 地下室に残るのは、これまでの妨害を耐えきった歴戦の猛者たる廃ゲーマー達だ。
 この場に似つかわしくない清潔なスーツに身を包んだ一見クールビューティな女性、竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)が現れても特に気にする事もなく丸太とガチャを回し続ける。
(その四人は、罪なき人々に麻薬のような快楽を与え、貪るように金を巻き上げたのだろう)
 落葉は廃ゲーマー達に目もくれず、ゆっくりとした優雅な足取りで地下室の中央へ進む。
(そして今、この邪悪なシステムを利用して、再び人々の生活を破壊しようとしている。そんな事は、決して許せない)
 中央へ至った彼女は持参した容器を取り出し、そして、そのふたを開けた。
 その瞬間、歴戦の猛者たる彼らが手を止めざるを得ない事態が発生した。
 地下室に香ばしく焼けた肉の香りが漂い始めたのだ。
 長らくもやしか、あるいはティッシュにポン酢生活だった彼らが久しく嗅ぐことのなかった匂いだ。
 久々に嗅ぐ匂いに、生唾を飲み込む音が聞こえ、その手が徐々に止まる。
 匂いの発生源はもちろん落葉である。
 彼女は容器にいれて持ってきた極上の高級ステーキをこれ見よがしに食し始めた。
 「ああっ……!」
 一口、優雅で完璧な所作で肉を口に運ぶたび、廃ゲーマー達から羨望の声が上がる。
 そして、落葉はスマホを取り出し、通話を始める。
 通話相手は会話内容から察するに、相手は彼女の夫だろう。仕事が順調に進んでいる事を伝えたり、他愛もない話をしたりと、実に幸せそうなやり取りが繰り広げられる。
 無論、演技である。
 実際には通話相手は居らず、彼女の良人は現時点では確認されていない。つまり、エア夫である。
 だが、その演技が見破られることはなかった。落葉の完璧な演技により、廃ゲーマー達の目には実に幸せそうな女性として映ったことだろう。
 それは、あり得たかもしれない、彼らのifの姿。あるいは、今後あり得るかもしれない未来の姿だ。
 いや、地下室に来ておもむろに肉を食し始める姿ではなく、幸せそうな姿がだ。
 やがてエア通話を終えた落葉は笑顔で地下室を後にする。
 残された廃ゲーマー達は、彼女の幸せそうな姿に、今一度頑張ってみようと奮起。はたまた、肉の匂いに釣られ地下室から出ていくのであった。

 残るゲーマーはあとわずか。
 もはや虫の息である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 【SPDで判定】
 ふっ、そこまでしてガチャを回し続けたいとは、哀れなものよ。我は『森の賢者』を発動する。堂々と詠唱を唱え、大量のゴリラを召喚し、そのまま彼らを拘束するぞ。そして、ゴリラ教(即興)の教えを説こう。ガチャを回すのは自由だが、それが過ぎると弊害が出る。怒りっぽくなったり、生活への余裕が無くなる。しかし、彼ら(ゴリラ)を見よ。文明の利器が無くとも、大自然の中で自然を謳歌し、優しき心で、他の生物、そして森という社会と調和を保っている。これこそが、我らが進むべき道ではないだろうか?今からでも遅くはない。我々もゴリラのように、素晴らしい人生を歩もうではないか!
*アドリブ&共闘、歓迎です



「ウホ、ウホホホ、ウホオオオォォーーッ!!」
 地下室にゴリラのごとき奇声が響き渡った。
 突然の出来事に、廃ゲーマー達が何事かと声のした方へ振り替えると、そこには先程肉を食いに来たリア充(偽)の女、落葉がいた。
 この短時間で、彼女の身に何が起こったのか、奇声をあげるほどの出来事があったのかと、疑問に思う彼らだったが、その疑問は瞬時に塗りつぶされた。
「ご、ゴリラ!?ゴリラ、ナンデ!?」
 そう、ゴリラである。
 落葉が発動したユーベルコード、森の賢者によって喚び出された無数のゴリラ達が次々と現れる。
『ウホォォォォォッ!』
「さおッーー」
 そして、見事な低空タックルにより、地下室に残っていた廃ゲーマー達を拘束し始めた。
 霊長類最強の称号を持っているのならいざ知らず、ただの人間がゴリラに敵う道理はない。ましてやユーベルコードによって召喚されたゴリラだ。なおさら敵うはずもなく、1分と経たずに廃ゲーマー達は全員拘束された。
 落葉は全員が拘束されたのを確認すると、言葉を紡いだ。
「ガチャを回すのは自由だが、それが過ぎると弊害が出る。怒りっぽくなったり、生活への余裕が無くなる」
 奇声をあげたかと思えば説教かよ、と思う廃ゲーマーをよそに落葉は言葉を続ける。
「しかし、彼ら(ゴリラ)を見よ。文明の利器が無くとも、大自然の中で自然を謳歌し、優しき心で、他の生物、そして森という社会と調和を保っている」
 廃ゲーマー達は違和感を感じた。これは説教ではない、話の流れがおかしな方向に転がり始めていると。
「これこそが、我らが進むべき道ではないだろうか?今からでも遅くはない。我々もゴリラのように、素晴らしい人生を歩もうではないか!」
 そう、これは説教ではない。ゴリラ教という、即興の教義の説法だ。
 廃ゲーマー達の想いはひとつだった。
『この女、この短時間で変な宗教に染まってやがる!』
 だが、ほどなくして彼等は気がついた。
 拘束されている筈なのに、全く苦しくないのだ。それどころか、全身を優しさに包まれたかのような暖かさを感じる。
 それは、現代人達が忘れ、失いがちだったなにかを思い出させる優しい抱擁だった。
 その抱擁に心を癒された彼等の心に落葉の言葉が徐々に染み渡る。
 そして、失ったなにかを思い出した彼らの顔は晴れやかで生気に満ちていた。
「さぁ、共にいこう!」
 落葉のその言葉に従い、最後まで残り続けた廃ゲーマー達は彼女とゴリラに続き、地下室をあとにするのであった。
 なお、地上に戻った後、無数のゴリラたちと一緒にいる彼女等を目撃した一般人が警察に通報しかけたのは別のお話。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『六零二『デビルズナンバーはやし』』

POW   :    悪魔の枝葉(デビルリーフ)
【刃物のように鋭い木の葉】が命中した対象を切断する。
SPD   :    悪魔の花粉(デビルポレン)
【目が痒くなる特殊な花粉】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    悪魔の樹枝(デビルブランチ)
レベル×5本の【刺突】属性の【鋭く伸びた木の枝】を放つ。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

虚偽・うつろぎ
やるべきことは ただ1つ!

 自 爆 !

ただそれだけさ

颯爽と現れ、颯爽と自爆し、散っていく

それが 我 うつろぎ


技能:捨て身の一撃もりもりでジバクモードによる特攻自爆
範囲内の敵全員を対象に即自爆即退場
自爆だけするマシーンうつろぎ

アドリブ連携等ご自由にどぞー



 地下室へ至る通路に、独特な声の鼻歌が響く。
 大事の前の小事と、雑事を済ませた穴合である。よほど機嫌が良いのかその声は非常に朗らかだった。
「さて、そろそろ儀式を行う頃合いだが、念のため、連中から最後の一絞りを頂くとしよう」
 彼はそう呟くと、扉にてをかけ地下室へと入った。
「…………なん、だと?」
 そこには誰も居なかった。
「あ、ありえん!アイツ等がこの場を離れるなど絶対にありえん!」
 無人の地下室に狼狽える穴合。彼は知る由もない。
 彼がこの場を離れている間に、猟兵達があの手この手で、贄となるはずだった廃ゲーマー達を避難させたことを。
 地下室を駆け回るも、そこに残されたのは、廃ゲーマー達が回していた丸太と、黒いタール状の物体。
「なんだ、これは?」
 黒いタール状の物体に、目を止めた穴合が呟いた瞬間、タールは蠕動したかと思えば、その身を上へと伸ばし、徐々に形を成す。
『うつろぎだよ』
 平仮名だった。
 黒いタール、虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)は自己紹介をするかのように、その身を文字へと変化させた。
「ほう、これはご丁寧に。君はうつろぎというのか。なるほど、なるほど」
 穴合は虚偽の自己紹介に頷きながら問いを投げ掛けた。
「ここに人が沢山居たはずなんだが、何処に行ったか知ってるかな?」
『かえったよ』
「やはり、そうか……」
 落胆の声を落とす穴合は更に問いを投げ掛ける。
「ところで、つかぬことを聞くが、君はいわゆる猟兵ではないかね?」
『そうだよ』
 そうか、そうかと呟き、一呼吸おいた穴合がかなり巻き舌の怒声を発する。
「うぉのれぇぇぇぇぇいッ!我が悲願を妨害するか、猟兵共がぁぁぁぁぁぁぁッ!」
 怒声は地下室ないに轟き、その振動で虚偽の体表が震えた。
「こうなれば儀式を強行せざるをえまい!ならば、出でよ、デビルズナンバー六零二、はやしぃぃぃぃぃぃッ!」
 穴合の号令と共に地下室の丸太が蠢き、その姿をはやしへと変え、穴合を守るように虚偽の前に立ち塞がる。
 「殺れ、はやし!邪魔な猟兵を駆逐するのだ!」
 無数のはやしに阻まれ、穴合の姿は見えない。だが、その足音からはやしの更に後方へと向かったようだ。
 穴合の残した命令に従い、はやしが虚偽に狙いを定める。
 だが、虚偽の行動の方が一歩早かった。
 彼はその身を伸縮させ跳躍すると、粘着質な音と共にはやし達の中心地へと降り立った。
 それに気づいたはやし達が虚偽に殺到する。
 あえて死地に飛び込んだ虚偽がすることはただ一つ。
『ゴッドうつろぎアタック…神風となり…HPは1になる…!』
 そう、渾身の捨て身の一撃。つまり自爆である。
 爆音が響き、爆炎と衝撃波が範囲内にいたはやし達を文字通り凪ぎ払う。
 爆炎により視界が奪われるも、程なくして爆炎は収まり、視界がクリアになる。
 爆心地付近に居たはやしは跡形もなく吹き飛び、残されたはやしたちも、何らかの手傷を負っていた。
 そして爆心地となった虚偽はといえば、自爆に力を使い果たし、既に転移による退避を行っていた。
 虚偽の自爆により、多くのはやしが消し飛んだが、生き残ったはやしも今だ多く、邪神たちとの戦いは始まったばかり。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 【POWで判定】
 どうやら、黒幕が現れたようだな。人々を堕落させようとしたその魂胆、許せる筈がない。まずは、黒幕が召喚した手下をどうにかせねばなるまいな。……だが、森林が黒幕に加担しているのか。これは、天罰を下さねばなるまい。
 我は『森の怒り』を発動、詠唱と共に大量のゴリラを召喚する。そして、名物竹城を手にして、ゴリラと共に突撃し、相手をボコボコにするぞ。
 聖なる森林が人々の社会生活能力を奪う悪魔の所業に加担した罪は重い。神聖なる森の賢者、ゴリラの天罰を、その身に受けるがいい!
*アドリブ&共闘、歓迎です



「どうやら、黒幕が現れたようだな」
 蠢くはやしを眺め、落葉はひとりごちる。
 彼女の瞳には人々を堕落させる黒幕への怒りと、その黒幕へ加担する森林への怒りが宿っていた。
「これは、天罰を下さねばなるまい」
 そう言うや否や、彼女は大きく息を吸い、地下室に響き渡る大音声で詠唱を行う。

「ウホ、ウホホホ、ウホオオオォォーーッ!!」

 雄叫び、もとい詠唱と共に、『森の怒り』が発動し、何処からともなく大量のゴリラが召喚された。
 次々と現れるゴリラに己の罪を自覚してか、狼狽え始めるはやし達。その動揺は木々のざわめきとなり、地下室へ広がる。
 そんなはやし達に追い討ちをかけるように、落葉は宣言する。

「聖なる森林が人々の社会生活能力を奪う悪魔の所業に加担した罪は重い。神聖なる森の賢者、ゴリラの天罰を、その身に受けるがいい!」

 宣言と共に、彼女は名物竹城と名付けられたバールのようなものを構え、召喚されたゴリラ達を引き連れはやしへと突撃。堕落した森林の伐採が始まった。
 落葉が手にした竹城を振るえば、はやしが抵抗する間もなく絶ち斬られる。
 それはサムライブレイドのように扱える竹城の特性ゆえか、あるいは彼女の技量ゆえか。恐らく、その両方だろう。
 はやしの抵抗は落葉へと届かず、次々と伐採された。
 そして、召喚されたゴリラ達も怒りの拳ではやし達を次々とへし折り粉砕していく。
 一方的な蹂躙によって、相当数のはやしが薙ぎ払われ、無惨な死骸をさらすが、今だ多くのはやし達が生存。
 しかし、単騎の戦果としては十分と言えるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 【SPDで判定】
 どうやら、まだ残っているようだな。しかし、貴様らに安寧の地など無い。貴様らは、決して下せぬ十字架を背負ったのだ。神聖なるゴリラの天罰は、例え貴様が地を超え山を越え、どこまで逃げても追ってくるだろう。
 我は『森の出陣』を発動、詠唱と共にドラミングするぞ。そして、敵の集団に向かって、目にも止まらぬ速さで大量のゴリラを発射するぞ。更に、【早業】でスピードアップだ!その勢いのまま、敵を次々に伐採していこう。
*アドリブ&共闘、歓迎です



(拝啓、新緑がまぶしい季節となりましたが、他のデビルズナンバーの皆様はいかがお過ごしでしょうか)

「ウホ、ウホホホ、ウホオオオォォーーッ!!」

(私たちは今、奇声を挙げつつドラミングを行っている女性が超高速で撃ち出すゴリラ達に蹂躙されています)

 落葉の詠唱とドラミングに合わせ、無数のゴリラが現れてははやし達を再び蹂躙していく。
 そして、次々と薙ぎ倒される仲間達の姿を後方のはやし達が悲しみと諦めに満ちた目で見ていた。

(ゴリラが此方に迫り来る昨今、恐らく平たい胸族ではないと思いますが、女の子が盛大にドラミングするのは如何なものかと考えてしまいます。お胸、痛くないのでしょうか?)

 落葉の早業により、ドラミングが加速し、それに連動するかのようにゴリラの射出速度が更に増す。

(あ、テンポが増しましたね。どうやら私はここまでのようです。皆様も、ゴリラを射出してくる女には気をつけーー)

「キキィィィィィィィッ!?」

 その瞬間、一本のはやしが射出されたゴリラの突進により、木っ端微塵に砕け散った。
 落葉は残存戦力の確認とショウキュウシを兼ね、ドラミングの手を止める。

「どうやら、まだ残っているようだな。しかし、貴様らに安寧の地など無い。貴様らは、決して下せぬ十字架を背負ったのだ。神聖なるゴリラの天罰は、例え貴様が地を超え山を越え、どこまで逃げても追ってくるだろう」

 生き残ったはやしたちを掃討すべく、再び雄叫びとドラミングの音が地下室へと響き渡る。
 はやしたちへの慈悲など無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞー

再び参上!我うつろぎ!
自爆と共に現れ、自爆と共に去る
我、自爆の化身なり!
う つ ろ ぎ !(決めポーズ

相変わらず自爆一択の自爆馬鹿です
技能:捨て身の一撃を用いてのジバクモード
対象は範囲内の敵全て

前口上と決めポーズの後、トウッ!とジャンプし
跳び蹴りっぽく敵達に突っ込み自爆
自爆以外の攻撃なぞ不要!
防御も回避も不要!
自爆すればそれで終わりさ!
主に僕が



「再び参上!我うつろぎ!」
 戦場に木霊した声にはやし達の動揺が木々のざわめきとなって広がる。
 彼らにとって、その名には覚えがある。いきなり自爆し、多くの同胞を道連れにした黒いタール状の生物。
 紛れもなく、奴だ。

「自爆と共に現れ、自爆と共に去る。我、自爆の化身なり!」

 はやし達の前に現れた虚偽は、決めポーズなのか自らの体を強調のエフェクトを交えた上で、5つの文字に変化させた。
 即ち、

『う つ ろ ぎ !』

 である。

 はやし達は虚偽の登場に恐怖し、慌てふためくが口上と決めポーズを終えた虚偽の方が早かった。
「トウッ!」
 彼はその身を押し潰したかと思えば、勢いよくその身を伸ばし、大跳躍。飛び蹴りの如き勢いではやし達の中心に飛び込んだ。
 勝敗は既に決していた。
 はやし達が逃げるよりも早く、渾身の捨て身の一撃による自爆が炸裂する。
 轟音と爆風がはやし達のみを容赦なく飲み込み、塵へと変えていく。
 爆煙が晴れた地下室を見渡せば、そこに虚偽とはやし達の姿は無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『膨らむ頭の人間』

POW   :    異形なる影の降臨
自身が戦闘で瀕死になると【おぞましい輪郭の影】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    慈悲深き邪神の御使い
いま戦っている対象に有効な【邪神の落とし子】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    侵食する狂気の炎
対象の攻撃を軽減する【邪なる炎をまとった異形】に変身しつつ、【教典から放つ炎】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくして、眷属達との戦いに勝利を納めた猟兵達は、穴合が消えたと思われる場所へと進む。
 そこには扉のようなものがあった。
 偽装が施されたような形跡があることから隠し扉の類いだろう。
 どうやら、はやしとの戦闘で偽装が剥がれ、扉が露になったようだ。
 扉を開けるとそこには更に地下へと下る階段があった。
 恐らく穴合はこの先だろう。猟兵達は急ぎ階段をかけ降りる。

 だが、

『ブルァァァァァァァァァァァァァァァッ!?』

 突如、階段の奥から断末魔のような絶叫が響いた。
 猟兵達は顔を見合わせ、更に足を早める。
 階段の先に扉が現れた。
 走る勢いのままに扉を蹴破り突入する猟兵達。

 そこは先程までいた地下室と同等の広さを持つ部屋だった。
 先ほどと違うのは、最奥に怪しげな祭壇と、部屋中に広がる魔方陣があること。
 そして、祭壇の前に倒れ伏す人影。
 周囲には夥しい量の血が飛び散っており、倒れ伏す人影が最早生きてはいないことを悟らせる。
 恐らく儀式は失敗したのだろう。
 だが、死体と思われる人影から異様な気配が漂い始め、その身がむくりと起き上がった。
 その頭部は肥大化したうえ、禍々しい形状となっていた。
 そして異形と化した元穴合が口を開く。
「うぉのれぇい!中途半端な召喚をしおってぇッ!」
 その声を聞いた猟兵達をある種の焦燥感や虚無感、絶望感が襲う。
 例えるのなら、日曜の夜に超ご長寿アニメを目にしたかのような、あるいは、辛い現実から目を反らし現実逃避をしたくなるような、そんな感情。
 穴合の体を依り代に顕現したためか、彼の持っていた魔性の声を引き継いでいるのだろう。
 そして、元穴合が猟兵達へと目を向ける。
「貴様達か。貴ィ様達さえいなければァッ!」
 猟兵達の存在を認識した元穴合が禍々しい神気とともに襲いかかる。
虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞー

いなければァッ?
大丈夫だよ、僕は速攻いなくなってしまうから
その思いはちゃんと叶うから安心しなよ
爆発と共にね

先手必勝即自爆
技能:捨て身の一撃もりもりのジバクモードによる自爆
近づかなくても自爆に巻き込めるようにジバクモード

1歩も動かず登場即自爆な闘い方を理想としているよ
理想は即自爆マシーンだけどそこは空気を読んで
ちょっとくらいは言葉を発しておくわけですよ

自爆後はボロボロになって隅っこに転がってると思います
そのうち復活してまたいきなり自爆しに来ると思います


竹城・落葉
 【POWで判定】
 どうやら、黒幕は哀れな末路を辿ったようだな。しかし、敵があのおぞましい意志を継いでいることには変わりない。ならば、我はそれを切り伏せるのみ!
 我は敵と対峙して、『極術一閃』を発動する。そして、「切れろ」と静かに言い、相手を言霊によって切断するぞ。相手の体を肉体的に切断するのが目的だ。それと同時に、ガチャを回したい、といったような感情をも切断してやろう。それを切断することで、相手は精神的な苦痛を味わうことだろう。
 仕事をする上では遊びも大切だが、ほどほどにな?



 触手をうねらせ、急接近してくる元穴合。
 しかし、
「いなければァッ?大丈夫だよ、僕は速攻いなくなってしまうから。その思いはちゃんと叶うから安心しなよ。爆発と共にね」
 この男、虚偽の方が何歩も早かった。
 虚偽の行動はあまりにもシンプルで、それ故に、誰よりも早く動くことができる。
 つまり、いつもの自爆である。
『ゴッドうつろぎアタック…神風となり…HPは1になる…!』
 虚偽を中心に、今日幾度目かの敵のみを殺傷する爆発が巻き起こる。
「ブルァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」
 図らずも、カウンターとなり、爆風に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる元穴合。
「じ、自爆だと!?貴様ァ、正気かァ!」
 そんな元穴合の怒号など、一切気にせず、瀕死の虚偽は部屋の隅で、自身の体を&の形に変え休息に入った。恐らく、体育座りなのだろう。
「き、貴様ァァァァァッ!」
 虚偽の行動に更に怒り狂う元穴合。
 しかし、それが仇となる。

「切れろ」
「グハッ!?」
 女の声が聞こえたかと思えば、元穴合の体に不可視の斬撃が走った。
 元穴合が声のした先を見ると、そこにはゴリラーーではなく、和服に身を包んだ女、落葉がいた。
 先程、ドラミングをして大量のゴリラを召喚していた女と同一人物とは思えぬ、凛とした佇まいである。
(どうやら、黒幕は哀れな末路を辿ったようだな。しかし、敵があのおぞましい意志を継いでいることには変わりない。ならば、我はそれを切り伏せるのみ!)
 元穴合が反撃に移るよりも早く、畳み掛けるように、落葉は言葉を紡ぐ。ただ、『切れろ』と。
 極術一閃、攻撃と考え行う動作、言葉が不可視の斬撃となり、敵を切り裂く彼女のユーベルコード。
 その斬撃が再び、元穴号の肉体と精神を斬り裂いた。
「お、おのれぇぃッ!」
 鮮血を撒き散らし、膝をつく元穴合。度重なる攻撃が彼を大きく疲弊させた。
 戦況は猟兵達の優位。
 だが、油断はできない。不完全とはいえ、敵は邪神の一柱なのだから。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

火土金水・明
「色々と邪神は見た気がしますけど、今回はまた・・・すごい姿になっていますね。」
【WIZ】で攻撃です。攻撃は【フェイント】を掛けつつ【先制攻撃】で【高速詠唱】した【破魔】の【属性攻撃】の【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『膨らむ頭の人間』が何処に移動しても巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「とりあえず、この世界にはあなたの居場所はありませんから、『骸の海』へおかえりなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



「色々と邪神は見た気がしますけど、今回はまた・・・すごい姿になっていますね」
 穴合の成れの果てである元穴合の姿を見てそう評すのは、火土金水・明(人間のウィザード・f01561)だ。
 元穴合の状態、そして周囲の状況を確認し終えた明は詠唱と共にコキュートス・ブリザードの術式を構築し、自身の周囲に無数の氷矢を形成する。
「おのれぇぃッ!貴様も邪魔をするか!?」
 対する元穴合は、明の存在を認識すると同時に、その身を邪悪な炎で多い、自身を明言してはならない異形へと変生させる。
 動き出したのは同時にして一瞬。
 しかし、高速詠唱を使用していた分、明の方がワンテンポ早い。
 放たれる無数の氷矢。
 周囲の状況を加味し、フェイントを交えて広範囲に放たれたその一撃は、元穴合の逃げ場を一切封じた。
 避けられないと判断した元穴合は、氷矢に貫かれながらも、教典に灯る炎を明へと放つ。
 放たれた炎は寸分たがわず、明へと直撃ーー。
「!?」
 ーーするはずだった。
 直撃の寸前、明の像がぶれたかと思うと、炎は彼女をすり抜け、後ろの壁を穿った。
 そう、残像である。
 驚愕する元穴合。しかし、それが命取りとなる。
「がァァァァァァァァァァッ!?」
 先程とは別の方向から放たれた氷矢が元穴合の全身を貫く。
 コキュートス・ブリザードの二射目だ。
 しかも、第一射で元穴合の動きが止まったこともあり、二射目は広範囲ではなくピンポイントに放たれているため、いかに邪悪な炎でダメージを軽減できるとしても、その圧倒的な物量の前には全くもって意味をなさない。
「とりあえず、この世界にはあなたの居場所はありませんから、『骸の海』へおかえりなさい」
 その言葉と共に、元穴合が膝を屈する。
 未だ死に至ってはいないとはいえ、最早虫の息。
 決着の時は近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神楽坂・神楽
とーちゃーく!(【速さ】で走ってやってくる)

うわっ、何、この頭でっかち。
しかもこの暑い中、燃えてるし。
この部屋、スプリンクラーとかないのかな?

それに、あの声を聞いてるとなんだか気分が落ち込んでくるような気が……。
なーんて、嘘!
なぜならば! 私、学校が楽しいし! 月曜日が待ち遠しいし!

取りあえず、こいつをぶっとばせばバイト代がもらえるんだよね?
足の速さを生かして攻撃をかわしながら一気に近付く!
火が付いていない足を掴んで、力まかせに床や壁にべったん!べったん!べったん!べったん!(【力】)
最後は丸太を叩きつけて、葬らーん!

バイト代で何回ガチャできるかな~♪
ブリ皇当たんないかな~♪



「とーちゃーく!」
 速く、そして軽快な足音と共に一人の少女が戦場に現れた。それも、転移という形でだ。
 それはグリモア猟兵による転移ではなく、彼女ーー神楽坂・神楽(バイトエージェント・f21330)のユーベルコード、『速さ』によるものだ。
「なっ、きっ、貴様ァ!一体何処から現れたァ!?」
 突如現れた神楽坂に驚愕を隠せない元穴合。
 一方、神楽坂と言えばーー。
「うわっ、何、この頭でっかち。しかもこの暑い中、燃えてるし」
 などと、非常にマイペースな感想を漏らす。
「じゃ、邪神の話を聞けェェェェェェェェェい!」
 激昂し、絶叫する邪神元穴合(仮)。
 その声に思わず耳を塞ぐ神楽坂。
「あの声を聞いてるとなんだか気分が落ち込んでくるような気が……」
「そうだろう!この男の唯一優秀だった点だからなぁ!この力とーー」
 それは、今までなかった反応に気を良くした元穴合が雄弁に語ろうとした刹那だった。
「なーんて、嘘!なぜならば!私、学校が楽しいし!月曜日が待ち遠しいし!」
「なっーーー!?」
 神楽坂は演技を止め、全速力で元穴合の元へと駆け抜ける。
 自らの迂闊さを呪いながら、咄嗟に炎と触手で迎撃を行う元穴合だが、神楽坂の速さに追い付けず、その身を掠めることすらできない。
 そして、神楽坂の手が、疾走の勢いのままに元穴合の足を掴んだ。
 次の瞬間、元穴合は地面に叩きつけられていた。
 何が起きたのか理解が追い付かなかった元穴合だが、二度、三度と叩きつけられるうち、ようやく理解が追い付く。
 どうやら相対した少女に力任せに振り回されている(物理)らしいと。
「HAーー」
 なんとか逃れようともがく元穴合。
「NAーー」
 しかし、神楽坂の力は凄まじく、振りほどくことができない。
「SEーー!」
 勢いがまし、床だけでなく、壁などに叩きつけられ、ただでさえ消耗していた異形の身が更にひしゃげていく。
「暴力反たぁぁぁぁぁぁぁぁい!」
 それが元穴合の最後の言葉となった。
 異形の身が塵とかし、あとに残ったのは神楽坂達、猟兵のみとなった。
「これで終わりかな?バイト代で何回ガチャできるかな~♪」
 神楽坂はぱんぱんと手を払うと、この後振り込まれるであろう、今回の報酬に胸を弾ませながら、地下室をあとにするのだった。

 因みに、今回の報酬で神楽坂が推しのブリ皇を引けたかどうかは、また別のお話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月24日


挿絵イラスト