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迷宮災厄戦⑬〜血濡れた刃の向かう先

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦


●断頭台が立ち並ぶ国
 世界のいたるところに、断頭台が置かれている。この国はもともとオウガ・オリジンに捧げるアリス達を処刑する場所であった。この世界に召喚された憐れな迷い子たちの血と嘆きを吸ってきた刃は、今その矛先を向けるべき相手がおらず、静かに犠牲者を待っている。その周りには、オウガ達がくつろいでいた。彼らは、処刑されたアリスのおこぼれを預かっていた者達だ。そのため、他の世界の個体に比べて豊富な栄養にありつくことが出来、二回りも肥大化していた。彼らは、獲物にありつけず、この国でゆっくりと待っている。また、おこぼれに預かれる日を…。

●アリスの無念を晴らせ
「みんな、そろってる?」

 グリモアベースの一角に集まった猟兵達の前に立つ、カナタ・アマガ。

「アリスラビリンスでの戦争も、いよいよ後半戦ね。戦場もより複雑さを増してきているわ」

 それぞれの国の特性に応じた戦い方が求められるのが、今回の戦いの基本だ。すでに、多くの戦場を乗り越えてきた猟兵達にとって、それは難しいことではない。

「今回の向かう先は、『召喚断頭台』の国よ」

 かつて、『食事』のために召喚されたアリスを処刑していた国である。ここにいるオウガ達は、そのおこぼれに預かったことで、通常のオウガよりも肥大化している。その分戦闘能力も上だ。

「そのままだと敵を倒すのは困難だわ。そこで、『断頭台』を使うの」

 処刑用の断頭台は、そのままオウガを倒すのにも使える。これを使うことで敵の首を落とし、一撃で倒すことが出来るのだ。

「相手は、しばらくアリスを食べてないから、獲物を見たらすぐにつれるでしょうね」

 うまく誘導して断頭台に自ら上がらせるのだ。

「アリスたちの犠牲をこれ以上出さないためにも…みんなたのむわね!」


夢月
 こんにちは、マスターの夢月です。戦争シナリオが続きます。今回は、通常よりも肥大化したオウガを一撃で倒すために、敵を断頭台へ上手く誘導してください。敵はしばらく餌にありつけず、久しぶりに現れた新鮮な獲物に跳びかかってくるでしょう。

 みなさんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『ジャバオウガ』

POW   :    喰らいつく顎
【噛みつき】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    かきむしる爪
【爪】による素早い一撃を放つ。また、【翼を限界まで酷使する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    燃え光る眼光
【視線】を向けた対象に、【額のクリスタルから放たれるビーム】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:白狼印けい

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ノイシュ・ユコスティア
肥大したオウガを見て
他人のおこぼれを当てにして生きる人間にはなりたくないな…と。

あらかじめ断頭台のある場所を把握しておく。
ユーベルコードで子供のハヤブサを呼ぶ。
「今日もよろしく頼むよ。」
内容を伝えて「うまくやってね」と。

彼らと一緒にオウガの目の前に行き、そこから断頭台まで誘導しよう。
できれば1体ずつ誘導したい。

逃げるように断頭台に向かう。
敵のペースに合わせるようにゆっくりと。
視線には常に気を配り、ビームは避ける。

ぷち流花に、断頭台のそばにいてもらって
敵が下に来たら合図とともに刃を落とす。
刃がずれて倒せなければ、ロングボウで攻撃。

やり方は残酷だけれど…
これが報いだと思ってほしいな。



 血濡れた断頭台がいたるところに置かれている絶望の国に、紫の獣達が我が物顔で寝そべっている。彼らはアリスラビリンスの他の国で戦った個体と比べると、幾分か肥大化している。この国では召喚されてそのまま食糧にされたアリスの残り物を食べることが出来たのだ。その結果、豊富な食事が彼らの肉体を強化している。

「他人のおこぼれを当てにして生きる人間にはなりたくないな…」

 ノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)は、ぼそりと呟く。そして、ユーベルコードを使ってハヤブサの子を召喚する。

「今日もよろしく頼むよ」

 軽く頭を撫でてやり、作戦を伝えて放つ。ハヤブサは一鳴きして飛び去っていった。それを見送ったノイシュは、弓を手にゆっくりと進んでいく。狙うのは、群れから少し離れた個体。集団を一気に相手するのではなく、一体ずつ確実に仕留めていく堅実な戦い方は、実に彼らしい。彼は、物陰からちょうどよさそうな敵を発見する。矢を引き絞り、狙いを付け、放つ。滑らかな動作。普通なら確実に獲物をしとめるそれは、肥大化して強化されたオウガには通用しない。だが、注意を引き付けることには成功する。ノイシュは、姿をわざわざみせるようにしつつ、矢を放ちながら、後退する。久しぶりの獲物を発見したオウガは咆哮しながら追撃してくる。

「よし、いい子だ。そのままついてこい」

 離れすぎないようにしつつ、断頭台まで誘導。

「こっちだ!」

 ダメ押しの弓矢を続けざまに放つ。鬱陶しそうに払いのけたオウガは、ノイシュに跳びかかる。

――今だ!

 ノイシュは横っ飛びに躱す。狙いを見失ったオウガはそのまま断頭台に突っ込む。そのタイミングで、ハヤブサの子が紐を切る。ギロチンが久しぶりの獲物に歓喜するように甲高い音を立てて落ちた。

「やり方は残酷だけれど…これが報いだと思ってほしいな」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ギャスパー・グリムヒルド
「あ、猫だ!」
「いや違うでしょー」

[化術]で2人に分身して会話するギャスパー。

「ただの猫だよ。おいで~ほら猫ちゃん、ここだよ~」

ギャスパーは自分の膝をポンポン叩く。そんな[挑発]に乗ってしまったのか、それとも空腹のあまり見境がないのか、物凄い勢いの噛みつきや爪、ビーム攻撃。

「わぁ! 危ない!」
「ほら言わんこっちゃない」

とパニックになっている風に見えるが[念動力]を巧みに駆使し攻撃を避け、ビームは歪め曲げる。

「ふぇ~、もう疲れちゃった」

偶然を装い断頭台の上まで登り跪くギャスパー。それ目掛けて飛びかかる敵。ただそれは分身で、不気味に微笑んだと同時にポンと消え、もう一人が刃の落下スイッチを押した。



 寝そべって昼寝をしていたオウガが、ふと気配を感じて顔をあげる。

「あ、猫だ!」
「いや違うでしょー」

 二人のギャスパー・グリムヒルド(キラーラビットは今日も笑う・f28370)が、オウガの姿についておしゃべりをしている。

「ただの猫だよ。おいで~ほら猫ちゃん、ここだよ~」

 右側のギャスパーがポンポンと膝を叩いてオウガを招く。低くうなると、オウガはギャスパーに跳びかかる。

「わぁ! 危ない!」
「ほら言わんこっちゃない」

 二人のギャスパーは、慌てて逃げ出す。追いかけるオウガ。

「きゃー!こないでー!」
「やだやだこっちくんなー!」

 ちょこまかと逃げ回るギャスパーをオウガは捉えることが出来ない。適当に逃げているようにみせかけて片方が追い付かれそうになると、もう片方がオウガの気をひくようにしたりとかなり計算された引き付けを行っているのだった。オウガは二人に振り回されてすっかり冷静さを欠いていた。

「ふぇ~、もう疲れちゃった」

 一人のギャスパーが断頭台の上に腰掛けて休憩する。オウガは咆哮しつつ、彼に向かって突撃する。

「ほら、ひっかかった」

 ニヤリと笑うギャスパー。彼の姿がふっと消える。分身にまんまと騙されたオウガはそのまま断頭台に突っ込んでいく。そして、もう一人のギャスパーが断頭台のスイッチを押した。悲鳴のような音を立てて、刃がオウガめがけて落下した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メラニー・インレビット
まずはオウガの前に姿を晒し、怯えて逃げるような仕草を致します
奴らが腹を空かせているならば、わたくしめでも構わず食べてしまおうとするはず
決して捕まらず、しかし振り切る事もない速さで断頭台まで逃げ回りましょう

追い詰められた我に奴らが今まさに飛びかかろうと言う所で
UC【微睡時刻】を発動
睡眠は食欲と並んで生物ならば抗いがたい欲求
暴食と惰眠を貪るのが得意なお前達なら猶更だろう?
堪らず眠りに落ちた所を目覚めても抵抗できないように縛り上げ、断頭台でその首を落としてやる
数多のアリス様を無残に殺し、喰らってきた罪は重い
お前達の首など路傍の石ほどの価値もないが、命を以て贖ってもらうぞ



「ここが絶望の国…」

 断頭台が立ち並ぶ国を恐る恐る進むメラニー・インレビット(クロックストッパー・f20168)。

「ここで、たくさんのアリスさんたちが…」

 断頭台の刃にこびり付いた赤黒い物に思わず目を背けたくなる。そんな時だった。

「がぅ?」
「ひぃ…!?」

 たまたまそこをうろついていたオウガと鉢合わせる。

「やっ…!」

 脱兎のごとく逃げ出すメラニー。一瞬呆気に取られるも、すぐに追いかけるオウガ。ちょこまかと方向を変えつつも逃げるメラニーだが、久しぶりの獲物にありつけるオウガは執拗に追いかける。徐々に息が切れていく。

「あっ…!?」

 ふとした時に転んでしまう。その様子を見てオウガは、ニヤリと笑うと一気にとびかかった。

「ーー遊びはおしまいです」

 急にメラニーが演技をやめて、ユーベルコードを放った。彼女から発せられた波動に当てられたオウガはとろんとして空中で寝入ってしまう。そのままメラニーを通過して断頭台に突っ込んでいく。

「睡眠は食欲と並んで生物ならば抗いがたい欲求。暴食と惰眠を貪るのが得意なお前達なら猶更だろう?」

 寝息を立てているオウガにゆっくりと歩み寄る。彼の者は、満足そうに寝息を立てている。メラニーは、それを一瞥すると、断頭台のスイッチに触れる。

「数多のアリス様を無残に殺し、喰らってきた罪は重い。お前達の首など路傍の石ほどの価値もないが、命を以て贖ってもらうぞ」

 そう言い放って無慈悲に刃を落とした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナギ・ヌドゥー
ギロチンか、お優しい器具だな。
苦しまず楽に逝ける、これ程慈悲深い処刑法も無いだろう。

肥え太っているくせに翼を使い素早い
断頭台に乗せる為にはあの機動力を封じねば
敵を断頭台近くまで【おびき寄せ】あえて敵UCを受ける
【オーラ防御】にて受け止め致命傷だけは回避
流れ出る血を啜れ我が拷問具よ!UC「禍ツ肉蝕」発動
禍つの力にて敵の動きを封じるのだ【捕縛】
捕えた敵を断頭台に乗せ首を落とす
1匹ずつ捕え処刑してやろう

このソウルトーチャーに捕われた者は本来なら拷問による絶望を味わうのだがな
アリスを喰らい続けたコイツ等にはアリス同様の死に晒すのが相応しかろう



「ギロチンか、お優しい器具だな。苦しまず楽に逝ける、これ程慈悲深い処刑法も無いだろう」

 他の猟兵と違い、ナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)の断頭台への評価はその一点にあった。彼は、そういう場に慣れているのだ。ある意味この戦場に一番適役であると言える。そんな彼を、オウガが追いかけてくる。もちろん彼の普段の武器は通用しない。

「肥え太っているわりには、素早いじゃないか」

 空中から滑空しながら襲ってきた敵を横っ飛びに躱す。すでに何体もの味方が猟兵によって倒されているのを知ってか距離をとりつつも執拗な攻撃をしかけていた。

ーー…獣のわりにはかしこいじゃないか。ならば…!

 ナギはユーベルコードを発動。呪獣ソウルトーチャーを召喚。

「いけ」

 一言命じると、血に飢えた獣がオウガに襲いかかる。オウガの首に食いつき、触手と針で動きを封じる。そのまま強引に断頭台へねじ込む。

「このソウルトーチャーに捕われた者は本来なら拷問による絶望を味わうのだがな…
アリスを喰らい続けた貴様らにはアリス同様の死に晒すのが相応しかろう」

 ナギは、そう言って処刑を執行した。

 かくして、アリスの血肉と無念を喰らい続けたオウガ達は、猟兵たちによって、アリスたちと同じ運命をたどるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月13日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト