●闘技場の国
アリスラビリンスの中に無数にある国――その一つに、こういった国がある。その外観は円形の闘技場だ。大理石とオプス・カエメンティキウム――コンクリートらしきもので建造されたそれの真中には円形のアリーナがあり、その周囲には観客席が聳え立っていた。
静謐な場に猟兵は足を踏み入れる。すると、ひゅうと風が吹いた。猟兵はあまりの強風に目を瞑る。暫しの後強風が止み、目を開いた猟兵の前に居たのは奇妙なオブリビオンであった。その姿はさながら、鏡に映った像のような――。
●グリモアベース
「暑いわ! その上で戦争でしょ、嫌になっちゃうわよね。……で。今回は冒険みたいな……でも戦闘みたいな……そんな感じね」
懐から出した水縹の扇子をひらひらと動かしつつ、猟兵たちを見回してこう言ったのは棗・瑠璃子(ハイカラさんの學徒兵・f22649)だ。
「皆にはアリスラビリンスに行ってもらうわ」
彼女は続けて……そこは古代ローマ風の闘技場の国で、侵入者の『昨日の姿』が、オブリビオンとして現れる。突破するためにはそれと戦い、勝利しなければならない……ということを超ザックリと説明した。
「『昨日の自分』は無視してもいいんだけど、倒しておいた方がいいわね。敵の特徴、戦法、弱点は貴方達の『昨日』次第だから私からは何とも言えないわ。ごめんなさいね」
ここまで言うと、彼女は説明は終わりだと言わんばかりに手を叩いて猟兵たちに微笑んだ。
「というわけで、頑張って!」
人参SiriSiri
はじめまして!!!はじめましてじゃない方はお世話になっております!!人参Sirisiriです!!
よろしくお願いします!!
今回は一章のみです! 過去の自分との戦闘です!! 頑張ってください!!!
『「昨日の自分」の攻略法を見出し、実行する』ことでプレイングボーナスが付きます!!
連携ですが、相手様のIDを指定するか共通の単語を【】で指定すると確実です。期限までに相手様が不在の場合返金します!
プレイングはオープニング公開後すぐ受け付けます。
皆さんのプレイングお待ちしています!
第1章 冒険
『昨日の自分との戦い』
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POW : 互角の強さであるのならば負けない。真正面から迎え撃つ
SPD : 今日の自分は昨日の自分よりも成長している筈。その成長を利用して戦う
WIZ : 昨日の自分は自分自身であるのだから、その考えを読む事ができるはず。作戦で勝つぞ
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
亞東・霧亥
昨日というより普段の俺の行動だな。
分身の術で数多の分身を作り、殺気を籠めた牽制を繰り返す。
自身は分身に紛れて、背後から急所を狙って一撃で仕止めに掛かる。
【UC】
殺気に対して殺気の塊をぶつけて相殺する。
周囲のまとまった数の分身が消えれば、本体を晒す事は容易。
急所への正確な攻撃は捌くのも容易く、胸にある器物を破壊すれば、俺だったヤツは消滅するだろう。
古代の闘技場めいた場に一人の男が現れる。男が口を動かすと無数の分身が現れ、猟兵を取り囲んだ。
「これは昨日というより普段の俺の行動だな」
それに全く動じずに猟兵――亞東・霧亥(峻刻・f05789)は口角を上げる。彼は不敵な笑みをして数多の分身を作りだす。アリーナは霧亥の分身で溢れかえった。彼が動けば分身も同様に動く。その要領で霧亥は敵の分身を消し去っていく。残った最後の一人――『昨日の霧亥』を彼は分身たちで取り囲んだ。殺気の篭った数多の牽制に一歩も動けなくなった敵は背後から近づく霧亥に気付くことが出来なかった。
「閃・撲・殺!」
彼は【World End Flash(センボクサツ)】を発動する。急所への正確なジャブ。怯んだ敵に霧亥はもう一度ジャブを叩き込んだ。よろけた敵の脚を狙い彼は蹴りを繰り出す。膝をつこうとした相手に更に右ストレート。
「――終わりだ」
最後に胸にある器物に向かって殺意が漲る千の拳を放った。急所を破壊された敵は断末魔の声を上げながら消滅する。
「楽勝だったな」
男、亞東霧亥は日々成長する。彼の躍進は止まる所を知らない――。
大成功
🔵🔵🔵
リューイン・ランサード
『昨日の自分』との戦いですか。
自分の事だから判ります…ええ、とても。
闘技場で昨日の自分と相まみえると、お互いにUC:ホーネットネスト・クリエイション発動。
「やはり、自分にとって一番嫌なUCを使うのはお互い様ですね。」
牽制し合った後、昨日の自分に一つ提案。
「戦うのは自分同士。つまりどちらが勝っても僕達の勝利です。止めましょう、もう一人の僕。自分同士で戦っても空しいだけです。
敢えて言うと、僕の方が一日鍛錬を重ねています。
でも痛いのも怖いのも嫌なのは、もう一人の僕も判る筈です。」
と身も蓋も無い正直な説得で交渉成立。
現在の僕が勝ったという事でお互いに痛い目に遭うことなく決着(=談合)は着いたのでした♪
【ホーネットネスト・クリエイション】というユーベルコードがある。無敵のスズメバチの巣を想像から創造し、戦闘に利用するというものである。
「やはり、自分にとって一番嫌なユーベルコードを使うのはお互い様ですね」
と呟くのはリューイン・ランサード(竜の雛・f13950)。今、闘技場では幾多のスズメバチが争っていた。昨日の自分と今日の自分、双方ユーベルコードを使った結果がこれだ。お互い一歩も動けなくなっている。
痺れを切らした彼は昨日の自分に呼びかけた。
「戦うのは自分同士。つまりどちらが勝っても僕達の勝利です」
もう一人のリューインは首を動かし彼の話に耳を傾ける。
「止めましょう、もう一人の僕。自分同士で戦っても空しいだけです」
すると、先程まで飛び交っていたスズメバチがどこかへ消えた。お互い戦意を喪失している。それに気付いたリューインは最後のひと押しをする。
「敢えて言うと、僕の方が一日鍛錬を重ねています。でも痛いのも怖いのも嫌なのは、もう一人の僕も判る筈です」
敵もまたリューインだからか、考えることは同じようだ。敵は踵を返すとアリーナから降り、消えてしまった。それを見たリューインはほっと息を吐いてこう嘯いた。
「……現在の僕が勝ったという事で、お互いに痛い目に遭うことなく決着は着いたのでした……めでたしめでたし」
どんな経緯であろうと勝ちは勝ち。リューインは清々しい顔で戦場を後にするのだった。
大成功
🔵🔵🔵
フェルト・ユメノアール
自分自身と戦うなんてそうそう出来ない経験だね!
よーし、このミラーマッチ、必ず勝利してみせるよ!
相手は当然こちらがどう動くかを知り尽くしているはず、なら逆にそれを利用すれば……
ボクは手札からスペシャルゲストをご招待!カモン!【SPアクロバット】!
さあ、行くよ!『トリックスターを投擲』しながら相手を牽制
いつもならここで『ワンダースモーク』を一緒に投げて
煙幕で視界を遮った隙に視界に頼らないアクロバットで攻撃するんだけど……
じゃーん、取り出したるは事前に用意したワンダースモークそっくりの見た目にしたかんしゃく玉
自分は戦闘前に耳栓をして音を防いで、不意を突かれた相手が怯んだ所をトリックスターで一閃するよ
闘技場で二人の少女が相対する。桃色の髪を靡かせながら、少女たちはダガーを抜く。
「自分自身と戦うなんてそうそう出来ない経験だね!」
睨み合いの後、愉快そうに微笑んで口を開いたフェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)は軽やかなステップで相手を翻弄する。
「よーし、このミラーマッチ、必ず勝利してみせるよ!」
とはいえ敵も負けてはいない。フェルトは攻撃を避けながら思案する。
(相手は当然こちらがどう動くかを知り尽くしているはず、なら逆にそれを利用すれば……)
心を決めた彼女は懐からカードを取り出す。彼女はその一枚を弾き、こう宣言した。
「ボクは手札からスペシャルゲストをご招待!」
カードが宙に舞い、色鮮やかな蝙蝠の群れが現れる。
「カモン! SPアクロバット!」
彼女のユーベルコード、【<ユニットカード>SPアクロバット(スマイルパペット・アクロバット)】の力によって召喚されたそれらは、急降下による素早い一撃を放つ。
「さあ、行くよ! そしてボクは手札を捨て……」
身軽になった故に蝙蝠は更に加速する。フェルトはトリックスターと共にあるものを投げた。
「じゃーん!」
アリーナに転がるそれはいつもならば煙幕を放つ――敵はそれを予測し備えるが、広がったのは煙幕ではなくパンッ! という騒音であった。
「耳栓をしておいたのさ!」
耳を押さえて蹲る敵にフェルトはトリックスターで一閃。悲鳴を上げながら敵は倒れ伏した。
大成功
🔵🔵🔵
エトワール・ルフェーヴル
まあ、昨日のわたくしもとっても美しくってね。
でも残念、そんなに美しくて凛々しい女性はね、世界にふたりも必要ありませんの。
遠慮なく斧の錆にして差し上げますわ!
POW勝負、正面堂々の潰し合いに持ち込みますわ──脳天から真っ二つにして差し上げないと、昨日のわたくしに失礼でしょう?
無事にグラウンドクラッシャーでダメージを与え、倒し切ることが出来たなら、わたくしは午後のお茶の心配でもするのでしょうね、今日のわたくしが昨日のわたくしに勝ったお祝いは、タルトタタンで充分かしら?
闘技場に、見目麗しい蒼いドレスの淑女が二人立っていた。
「まあ、昨日のわたくしもとっても美しくってね」
と言い、斧を構えるのはエトワール・ルフェーヴル(マドモワゼル・ブルー・f28983)。
「でも残念、そんなに美しくて凛々しい女性はね、世界にふたりも必要ありませんの」
彼女は手のそれを振りかぶり容赦なく振り下ろす。
「遠慮なく斧の錆にして差し上げますわ!」
昨日の彼女も負けてはおらず、刃と刃がぶつかり合った。鈍い金属音が響く。正々堂々、正面からの一撃。お互い敵を脳天から真っ二つにしようとしている。あとは単純な力勝負であるが、しかし。
「そこですわ!」
押し負けた敵がふらりとよろめく。その隙を逃さずエトワールは単純な、しかし重い一撃を与えた。周辺の大理石が割れて宙に舞う。脳天から真っ二つにされた敵はその残骸を大理石の破片に削られ消えていった。
「今日のわたくしが昨日のわたくしに勝ったお祝いは、タルトタタンで充分かしら?」
そんな敵には目もくれない彼女は、午後のお茶のことを考えながら戦場を後にした。
大成功
🔵🔵🔵
御桜・八重
闘技場の中心でブンブン手を振っているのは昨日のわたし。
うん、まごうことなきわたしだ。(手を振り返し)
向かい合い、ニッコリ笑って地を蹴る。
早速激しい鍔迫り合い。
さすがわたし、一筋縄ではいかないね!
膠着状態を破るのは、きっと【花嵐】。
互角なら先に決めた方が勝利を掴む。
相手の鋭い突きに合わせ【花嵐】を発動!
と思わせて、初撃を受けた後『限界突破』した速度で刀を振り、
八連撃を繰り出す。
昨日のわたしが八撃目を受けて【花嵐】を発動したところに、
【桜吹雪化身ノ舞】!
攻撃を空かし、交差した二刀を一閃!
たった一日だけど、一日分わたしは成長した。
見ててくれた?わたし。
(無茶な特訓で限界突破習得。明日は地獄の筋肉痛)
闘技場の真ん中で可憐な少女がブンブンと手を振っている。その少女に猟兵は見覚えがあった。
(うん、まごうことなきわたしだ)
その表情と仕草を見てそう確信し、手を振り返すのは御桜・八重(桜巫女・f23090)だ。二人の少女は向かい合い、微笑みを交わして地を蹴る。
「さすがわたし、一筋縄ではいかないね!」
大理石に刃の触れ合う金属音が反響した。激しい鍔迫り合いが続く。膠着状態に陥った二人。それを破ったのは相手の突きを狙った受け流し、そしてそこから続く二刀による神速の【花嵐】――ではなく、限界突破した速度で振るわれる八連撃だった。敵はその八撃目に合わせて【花嵐】を放つ――が。
「ひらひら変われ、花吹雪!」
刹那、八重の身体は舞い散る桜の花弁へと変わり、敵の刃は空を切る。きょろきょろと辺りを見回す敵に向かって八重は交差した二刀による一閃を叩き込んだ。
「たった一日だけど、一日分わたしは成長した。見ててくれた? わたし」
倒れ伏す自分を背に八重は呟く。明日の筋肉痛を心配しながら――。
大成功
🔵🔵🔵