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迷宮災厄戦⑰~過ぎ去りし日の闘技場

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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●アリスラビリンス
 古代ローマ風の闘技場にいたのは、昨日の自分であった。
 それは幻でもなければ、ニセモノでもない。
 ……紛れもない現実。
 昨日の自分が問う。
 『お前は誰だ』、『あなたは誰?』と……。
 その言葉は、様々。
 その場にいた者によって異なっていたが、共通しているのは、昨日の自分であれば、間違いなく口にしていた言葉であった。
 故に、思う。
 目の前に立っているのは、間違いなく昨日の自分である、と……。
 だが、昨日の自分から発せられた言葉は、非情。
 『このニセモノめ!』、『ニセモノは、滅ぶべき!』。
 どんなに説明しても、相手が納得する事はない。
 完全にこちらをニセモノであると決めつけ、全く話を聞こうとしなかった。
 そのため、昨日の自分との戦いを、避ける事が出来なかった。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明した。
 今回の目的は、昨日の自分を倒す事。
 昨日の自分は、古代ローマ風の闘技場におり、こちらをニセモノであると決めつけ、問答無用で攻撃を仕掛けてくるようである。
 だが、相手は昨日の自分。
 昨日は調子が悪かった。
 昨日は妙に眠かった。
 昨日は、とにかく腹が減っていた。
 それが弱点となっているため、勝てる可能性は十分にあるようだ。
 そう言った事も踏まえた上で、昨日の自分を倒す事が今回の目的である。


ゆうきつかさ
 この依頼は戦争シナリオです。
 基本的に、キャラクターらしく行動していただければ、自分に有利な形でプレイングを書いても構いません。
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第1章 冒険 『昨日の自分との戦い』

POW   :    互角の強さであるのならば負けない。真正面から迎え撃つ

SPD   :    今日の自分は昨日の自分よりも成長している筈。その成長を利用して戦う

WIZ   :    昨日の自分は自分自身であるのだから、その考えを読む事ができるはず。作戦で勝つぞ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヘンドリック・ズリヴァルト
今日だか昨日だか知らねぇが、ようは俺なんだろう?
ならやることは決まってらーな
鏡写しでもない正真正銘の俺自身を見ることなんて滅多にねぇんだ
俺が俺の絵を描く
昨日の俺とやらもそうするはずさ、何しろ俺なんだからな
つまり、描いた絵で勝負する
のらないわけないさ、何しろ俺なんだからな

一朝一夕で絵の上手さは上達しねぇ
昨日の俺と今日の俺の絵なんて大して変わりゃしねぇ
そう思うだろ?
だけどな、毎日毎日飽きもせず絵を描いてるんだ
大して変わらないってことは
ほんのわずかには変わってるってことだ
そのほんの僅かが分かるか
分かるさ
何しろ毎日見てる俺自身の絵だ

負けを認めた昨日の俺に
俺と絵の俺でとどめをさして終わりだな


火土金水・明
【POW】で行動です。
「相手は、昨日の自分自身ですか。悪趣味な世界と言いたいところですが、今の自分の力がどれくらいか知るのも悪くないでしょう。」
愛用の銀の剣を構え正面から勝負します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】、そして【勇気】でダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「昨日の私と今日の私の違うところは、勇気の心を持って戦うことです。」
アドリブ等はお任せします。


アニカ・エドフェルト
昨日の、自分、ですか…。
これは、激戦に、なりそう、ですね。
(特に昨日の調子が悪いとかない)

カウンター、警戒で、しばらく様子見した後、何かのきっかけ(自然の音とか)で、一気に、組み合います。
後は、お互い投げたり投げられたり、関節極めたり極められたり、蹴ったり蹴られたり…
平行線な、戦いに、なりそうです。

ほぼ同じ、力なら、最後は、意志力の、勝負、です。
長く、関節を、極められてる状態を、悲鳴を、上げながらも、必死に耐えて…
相手が、攻め疲れて、一瞬緩んだ隙に、一気に外して、反撃、です。
首を、絞めて、相手の意識、刈り取っちゃいましょうっ
(その後こちらも疲れでその場にへたり込む)

(アドリブ行動台詞歓迎)


尾守・夜野
昨日てかここの所ずっと悩み続け一睡もしてない
体調面昨日より今日の方が悪くなってるな

「はぁ?滅ぶべきは偽物共々自分だろうが!」
こちらのみ滅べと叫ぶそれにぶちギレる
考えすぎてよくわからなくなっていたがそうやはり最初に自分だけが助かったのが間違ってたんだから正さないと
(※以下略発狂済み昨日の方が正気)

思い出した宿敵関係で村に襲撃があった時の真実が受け入れられず悩み続けてる
村人剣じゃなくて俺に合成された?
自殺未遂繰り返して俺村人殺してた?
宿敵倒したら皆離れる?
もうぐちゃぐちゃ

体調面はUC使ってる間に回復&刻印への補給
相手の攻撃?
今の状態で防御しないな
捨て身だが…まぁUC的にこの状態なら当たらねぇだろ


亞東・霧亥
昨日の俺は、サクラミラージュで行われる同人即売会のための新作を、不眠不休で書いていた気がする。

眠気覚ましの栄養ドリンクをがぶ飲みし、雑音を遮断するヘッドフォンを装備して、ひたすらにペンを走らせる作業。
そう『ガジル少年の(検閲)』。

俺に背を向けて一心不乱に机に向かう影。
悲壮感漂う背中に哀愁を纏わせる姿に、一思いに終わらせようと涙を飲む。

【UC】
正確かつ速やかに胸元の器物を突き壊し、安らかなる永眠をもたらす。

本?出来たよ。



●ヘンドリックの場合
「今日だか昨日だか知らねぇが、ようは俺なんだろう? なら、やることは決まってらーな。鏡写しでもない正真正銘の俺自身を見ることなんて滅多にねぇんだ。俺が俺の絵を描く。昨日の俺とやらもそうするはずさ、何しろ俺なんだからな」
 ヘンドリック・ズリヴァルト(シュモクザメの絵賊・f26185)は、闘技場で昨日の自分と出会った。
「分かっているじゃねえか、明日の俺! ん? 今日の俺か。まあ、いいか。俺は俺。それでいいだろ」
 昨日の自分が何やら察した様子で、同じように絵を描き始めた。
「まあ、一朝一夕で絵の上手さは上達しねぇ。昨日の俺と今日の俺の絵なんて大して変わりゃしねぇ。……そう思うだろ? だけどな、毎日毎日飽きもせず絵を描いてるんだ。大して変わらないってことは、ほんのわずかには変わってるってことだ。そのほんの僅かが分かるか」
 ヘンドリックが描き上げた絵を、もうひとりの自分を見せた。
「わかるさ。俺の方が上手い。……間違いなく、な」
 昨日の自分が、こめかみを激しくピクつかせた。
 おそらく、気づいているのだろう。
 自分の負けを、心の中では……。
「いや、俺の負けだ」
 だが、強がるのも、そこまでだった。
「せっかくだ。俺の描いた絵をたっぷりと堪能してけ!」
 次の瞬間、ヘンドリックが【攻性描画(アサルト・ピクトマンシー)】を発動させ、絵に描いた自分を実体化させた。
 そして、ふたりで力を合わせて、昨日の自分にトドメをさした。

●明の場合
「今回の相手は、昨日の自分自身ですか」
 火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)の前に立っていたのは、昨日の自分であった。
「つまり、あなたは今日の私……いや、正確には未来の私という事ですか」
 昨日の自分が落ち着いた様子で答えを返した。
 何となく状況を理解しているのか、昨日の自分に驚きはない。
 ただ、現実を受け止め、落ち着いていた。
「実に悪趣味な世界と言いたいところですが、今の自分の力がどれくらいか知るのも悪くないでしょう」
 そう言って明が、愛用している銀の剣を抜いた。
「未来の私が、どれほどのモノなのか、試してみるのも悪くありませんね」
 昨日の自分が躊躇う事なく、銀の剣を構えた。
 それは明と、まったく同じモノ。
 まるで合わせ鏡の如く対峙しているため、両者ともまったく隙が無い。
 だからと言って、ここで迷っている暇はない。
 互いに真正面から勝負を仕掛け、鍔迫り合いの如く、何度も銀の剣をぶつけ合った。
 だが、どちらの攻撃も当たらない。
 互いに攻撃を見切り、残像を繰り出し、オーラ防御で身を守る。
 両者とも隙はなく、迷いもない。
 しかし、勝負は一瞬。
 昨日の自分が気を抜いた数秒間が命取りになった。
「……油断しましたね。ほんの少しだけ、私の方が成長していたという事です」
 次の瞬間、明が昨日の自分に銀の剣を突き刺し、息の根を止めるのであった。

●アニカの場合
「昨日の、自分、ですか……。これは、激戦に、なりそう、ですね」
 アニカ・エドフェルト(小さな小さな拳闘士見習い・f04762)は闘技場で、昨日の自分に遭遇した。
「……随分と弱気ですね。それとも、何かの作戦ですか?」
 昨日の自分が警戒した様子で間合いを取った。
 だが、アニカは様子見。
 ここで攻撃を仕掛ける事は得策ではない。
 それと同時に、何かが落ちた。
「……!」
 その正体を確かめる事なく、お互いが動いた。
 投げつ投げられ、関節技を極め、極め返され、戦いは平行線のまま、時間ばかりが過ぎていった。
 それでも、アニカは屈しなかった。
 昨日の自分も決して退こうとしなかった。
「ここで、負ける訳には、いかないの、です」
 すぐさま、アニカが【死闘天使(ストラグルエンジェル)】を発動させ、わざと不利な行動を取った。
「うくっ……!」
 それと同時に、昨日の自分が関節技を極めてきたが、アニカは悲鳴を上げながらも必死に耐えた。
 その影響でアニカの身体能力は、みるみるうちに増大していき、昨日の自分を上回った。
 そして、アニカは即座に反撃を仕掛け、昨日の自分の首を絞め、その意識を刈り取るのであった。

●夜野の場合
「あれが……昨日の自分か」
 尾守・夜野(墓守・f05352)の前に立ち塞がったのは、昨日の自分であった。
 だが、ここの所ずっと悩み続けて一睡もしていないため、気持ちはどんより。
 お互いどんよりしているため、空の天気まで怪しくなる程だった。
 しかも、夜野の方が、昨日と比べて……調子が悪い。
「なんか調子が悪そうだけど、大丈夫か?」
 昨日の自分が、心配した様子で声を掛けた。
「……誰だ、お前」
 夜野がジト目で、昨日の自分を睨みつけた。
 そこはかとなく漂うパチモノ感。昨日の自分であって、自分でない。
 そう思えてしまう程、違和感があった。
「いや、昨日の俺が悩んでいなければ、今日の俺が悩む事が無かったんじゃないかと思ってさ」
 昨日の自分が、申し訳なさそうに答えを返した。
「いや、そういう気遣いはいらねえから! ……と言うか、本当に俺か? 俺の皮を被った別物だろ? そもそも、昨日の俺が、そんな事を言う訳がない!」
 夜野が警戒心をあらわにした。
 ただでさえ、頭の中がグチャグチャなのに、昨日の自分のせいで、余計にグチャグチャ。
「いやいやいや、何処からどう見ても、昨日の俺だろ! むしろ、俺そのもの。もしくは、こう言うべきか。ニセモノの俺は、滅びるべきだって!」
 昨日の自分が、邪悪な笑みを浮かべた。
「確かに、それに関しては同意見だ。だから……滅びろ」
 次の瞬間、夜野が生命力の溶けた血の雨を降らせ、昨日の自分を消滅させた。

●霧亥の場合
「昨日の俺は、サクラミラージュで行われる同人即売会のための新作を、不眠不休で原稿を書いていた気がする。つまり……アレか」
 亞東・霧亥(峻刻・f05789)が闘技場の片隅で原稿を進める昨日の自分を見下ろした。
 昨日の自分は、眠気覚ましの栄養ドリンクをがぶ飲みしながら、雑音を遮断するヘッドフォンを装備し、『ガジル少年の(検閲)』の完成を目指して、ひたすらにペンを走らせていた。
「でも、これは……」
 邪魔をしたら、駄目な状況。
 せめて本が完成するまで、このままにしておくのが、情けというモノである。
 だが、そんな時間はない。
 原稿待ちをしている編集とは違うのだから、完成を待たずして、デストロイするのが理想であった。
 しかし、悲壮感漂う背中に、哀愁を纏う姿を眺めているだけで、胸が痛くなった。
 もっと違う出会いをしていれば、親友になれた……はず。
「本は完成したよ。だから、もういいんだ。もう……」
 霧亥が複雑な気持ちのまま、昨日の自分の背後に立った。
 そして、【IzumiArtisan(イズミアルチザン)】を発動させ、野太刀による素早い一撃で、正確かつ速やかに胸元の器物を突き壊した。
 それは、自分の半身を失ったような感覚にも似ていた。
 だからと言って、ここで立ち止まっている訳にはいかない。
 そして、霧亥は描きかけの原稿から視線を逸らし、その場を後にするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月12日


挿絵イラスト