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当町は吸血鬼の滞在は禁止です!

#ダークセイヴァー #ここをキャンプ地とする

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#ダークセイヴァー
#ここをキャンプ地とする


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●ここをキャンプ地とする
「お、この町よさそうじゃない」
 気軽に、そんな言葉を発したのは、まさかの吸血鬼だった。まるで、気軽に立ち寄った町が気に入って、そこに住む、あるいは泊まろうするかのような感じで。
「うん、ここをキャンプ地とする!」
 ででん、という効果音がついたかは定かではないが、吸血鬼――リーシャ・ヴァーミリオンはそう言い放った。

●当町は吸血鬼の滞在は禁止です!
「ねえねえ、事件なんだよ!」
 そう言ったのは、黒髪を束ね、ポニーテールにして女子中学生、グリモア猟兵の紅葉・華織(奇跡の武術少女/姉捜索中・f12932)だった。と言っても、中学に通うよりも前に家出を敢行し、姉を探す旅に出て神隠し、その後様々な世界を転移する等して中学には一度も通っていないため、中学生と呼んでいいのかは怪しいところだが、一応中学に在籍している以上はきっと中学生だろう。
 閑話休題。
「ダークセイヴァーってとこの、ある町に吸血鬼が来ちゃったんだって。今のところ、まだ何も事件は起きてないんだけど、吸血鬼が来て無事なわけないよね?」
 軽い口調だが、一大事である。吸血鬼一人で町が壊滅など別におかしな話ではないのだ。
「ただ、町に来てそうそう、堂々と此処に来た、みたいな宣言をしたせいで、町に住む人達は怖くて仕方がないって感じなの。まあ、無理もないよね」
 正確には「ここをキャンプ地とする!」だが、まあ、そんな事はともかく、吸血鬼が暫く此処にいる、ともなれば町の人が恐怖するのは自然な話だった。
「とにかく! 今回の目標は町の外れにあるボロ屋敷に来たばかりの吸血鬼を倒す事! 来たばっかで身支度も終わってないだろうし、守りは薄いよね! 私が一人で倒せるような敵なら、寄って斬って終わるけど、そうじゃないだろうしね。どうか皆、この吸血鬼を倒して欲しいんだよ!」
 ぺこり、と礼をしながら転移の術を展開する。
「ああ、それと。屋敷には元々居ついた死霊がいるみたいなんだよ。まあ、無理に相手にする必要はないんだろうけど、吸血鬼との闘いの最中に入られても邪魔だろうし、何よりこのままだとかわいそうだから――眠らせてあげて欲しいんだ。どうか、お願い」


暁文空
 どうも、6作目のシナリオとなります。初めましての方は初めまして。そうでない方は今度も宜しくお願い致します。暁 文空(アカツキ フミアキ)です。

 さて。今回のシナリオは、1章:集団戦闘(残影) , 第2章:ボス戦(リーシャ・ヴァーミリオン) , 第3章:日常 という構成となっております。
 まずは廃墟に屯する残影を倒し、看取り、そして2章で町をキャンプ地としようとしたボスを倒す。そして、3章では吸血鬼によるキャンプ地宣言で震える町民たちに寄り添い、不安を払拭するシーンとなる予定ですが……。まずは敵を倒してからとなりますね。

 一応、プレイングについてですが、特定の他者との連携の場合は、その方のキャラ名とID、旅団単位であれば旅団名を最初に明記して頂きますようお願い致します。
 また、明確に技能を使用する場合は、本文中に明記して頂けると、助かります。

 それでは、今回もどうか、お付き合いの程、宜しくお願い致します。
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第1章 集団戦 『残影』

POW   :    怨恨の炎
レベル×1個の【復讐に燃える炎の魂】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    同化への意思
【憐憫】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【異形の肉塊】から、高命中力の【絡みつく傷だらけの手】を飛ばす。
WIZ   :    潰えた希望の果て
【悲観に満ちた絶叫】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

オイフェ・アルスター
WIZ
ヴァンパイアが気軽に旅をして……困りものですわ。
倒せるヴァンパイアがいるなら今のうちに、大いに賛成ですの。

死霊も可哀想な末路を辿ったが故。
きちんと浄化して差し上げますわ。

暗い場所は【暗視】で見えるように
相手の攻撃は距離を取りつつ、【地形の利用】で避けますの。
隙を見つけながら【ウィザード・ミサイル】を打ちこみますわ。

近接に持ち込まれたら、【属性攻撃】の杖で殴打し
距離を取りながら【高速詠唱】で【ウィザード・ミサイル】を放ちますわ。

戦闘が終われば、簡易的な墓でも立ててあげましょう。
【祈り】で死霊が天に還れるように。


リーヴァルディ・カーライル
事前に防具を改造し呪詛耐性を自身に付与しておく。
敵の攻撃は大鎌を怪力任せになぎ払って武器で受け。
第六感が危険を感じたら、その場から全力で回避を行う。

…ん。残影の相手をした事は一度や二度じゃない。
憐れめば取り込まれる事は分かっている。それでも、私は…。

…っ。やっぱり貴女達は誤魔化せない、か。

敵味方の行動を見切り【限定解放・血の教義】を発動。
吸血鬼化した自身の生命力を吸収して魔力を溜め、
死者の呪詛を浄化しなぎ払う“光の風”を放つ。

その後、吸血鬼化の影響で傷口を抉るような光の痛みに耐え、
再度“光の風”を放ち残った残影を浄化する2回攻撃を行う。

…もう彷徨う事は無い。眠りなさい、安らかに…。


エドゥアルト・ルーデル
ダークセイヴァーだ、今ここは!
ダークセイヴァーで拙者達は今から、この町で吸血鬼をしばくって言ってるんだ!!

事前にありったけの【爆撃機部隊】を召喚、空中から屋敷に向かって進軍でござる
自身は屋敷周辺で【迷彩】及び【地形の利用】で、出来れば丘陵地帯等の発見されづらい場所から観察しますぞ!
爆撃機隊の爆撃と同時に、音と閃光で戦場が荒れている間に【スナイパー】で一体ずつ長距離狙撃でござる
なるべく敵の【絶叫】が届かない位置から一方的に撃ちたいですな
もし爆撃機がやられても再召喚で補充ですぞ!

心情はロリ吸血鬼のヴァーミリオン氏prprしたいでござるね
等と思いつつ引金は軽やかな感じですぞ

アドリブ・連携はご自由に


キール・ラトシエ
シュデラさん(f13408)と共に

この世界で吸血鬼が不法滞在というのは成立するんでしょうか…
なにせ、支配階級ですし、彼ら的には関係ない気がします
そうですね
我々としてはハントするだけのことです

とりあえず前哨戦でしたね
なんというか
ついでに浄化というになかなかの数
死霊がいるから吸血鬼も好んでこの建物を選んだのでしょうか

ウィザードミサイルを出現展開させ、死霊を発見次第発射して撃墜していきましょう
敵の攻撃はシュデラさんが防いでくれるというのでお言葉に甘えることにします

単体じゃ無理と悟って一気に来ますか
ではこちらも一気に参りましょう
シュデラさんの攻撃に合わせこちらもウィザードミサイルの一斉攻撃です


シュデラ・テノーフォン
キール君【f04006】同行

俺知ってるよキール君
コレ不法滞在って言うんだろ?
不法?不当?…まァいいや、狩ろう

最初は死霊掃除?了解
うんうん、何か絶叫してるけど俺は憐れまないよ?
その代わりちゃんと眠らせてあげるから
ンなとこで燻ってないで早く寝な

キール君炎と衝撃波来るから俺の近くに居て
左手翳し指輪の盾を展開
絶叫は威力高いかな、右手も添えて少し踏ん張る
残念。俺の硝子は砕けなかったね?

じゃあ反撃
Cenerentolaに光の精霊弾をセット
複製して死霊達に一斉射撃
Glasregenの輝く雨に浄化されてな
おやすみ

うーん…死霊は淡々と狩れちゃったな
次はヴァンパイアだっけ
一応警戒して、すぐ反応できるようにしとくよ



●To residents. Make this a campsite.
 その日、唐突にある一人の吸血鬼によってその言葉は発せられた。
「ここをキャンプ地とする!」
 それは、この町に住む者にとっては宣戦布告に等しく、また死刑宣告にも似た響きがあった。かつて、吸血鬼に支配され、理由は不明だが吸血鬼が不在となって幾年。その恐怖を忘れていた彼らにとって、再びの吸血鬼の登場は正しく恐怖そのものであった。
――等と、雰囲気を作った文にしたところで、吸血鬼リーシャ・ヴァーミリオンのキャンプ地という発言が全てを台無しにしているのだが。

●作戦開始
 猟兵達はリーシャが陣取っている廃墟の前に転移した。直接、廃墟の中に転移できれば良かったのだが、流石にそう楽はできないものである。そして、この廃墟はかつてこの町を支配していた吸血鬼が所有し、不在となってからは誰も寄り付かず放置され、風雨等で劣化したもの。
 故に、この廃墟にはかつての吸血鬼による被害者が残影として出現していた。これは、吸血鬼リーシャにとっても不本意かつ想定外であったが、どちらにせよリーシャの下に辿りつくためにはこの残影すらも猟兵達は倒さねばいけないのだった。
「ついでに浄化、というにはなかなかの数ですね」
 キール・ラトシエ(古き知識を読み求める者・f04006)はその残影の数にそう呟きを漏らす他なかった。グリモア猟兵に文句を言いたいだけではないが、だとしてもそのあたりの報告はもう少しして欲しかった、とも感じていた。
 とはいえ、猟兵。立ちはだかるモノを倒さねばならない。ユーベルコード、ウィザード・ミサイルを展開。三桁近くはあるように見える炎の矢が顕現し、それらは廃墟の周りにいる残影たちへと向かっていく。矢が幾本かずつが残影に突き刺さり、その姿が霧散していく。だが、矢が一本では仕留めるには至らず、幾本かを要する為に、全滅には程遠い。故に、その残りがキールを脅威と捉え、向かってくる。
 悲観に満ちた絶叫をあげ、向かってくる残影。叫び声による無差別攻撃、脅威的なものではあるが、これがキールに届く事はない。
「うんうん、何か絶叫してるけど俺は憐れまないよ? その代わりちゃんと眠らせてあげるから、ンなとこで燻ってないで早く寝な」
 叫び声による衝撃波を受け止めたのは、シュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)が持つ指輪、Schild von Cendrillonにより展開された盾だった。
「残念。俺の硝子は砕けなかったね? じゃあ、反撃。Glasregenの輝く雨に浄化されてな」
 そう言って、Cenerentola――硝子細工装飾の白い大型拳銃に光の精霊弾を装填、これをユーベルコード【Glasregen】により、複製。そして、一斉射する。
「ではこちらも一気に参りましょう」
 キールもそのタイミングに合わせ、再度ウィザード・ミサイルを放つ。先ほどよりも多くの矢、弾により逃げ場を失った残影たちは体中に多くの穴を開けて、そのまま霧散していく。だが、まだ数は残っている。

 一方、別方向から攻める猟兵もいた。
「残影の相手をした事は一度や二度じゃない……」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、残影の姿を見てそう呟く。吸血鬼を倒す。それはリーヴァルディが主目的しているもの。故に、彼女がこの任務に参加するのは自然なもの。
 そして、そのためにもこの残影たちを片付けなければならない。近づいてきたものについては大鎌で薙ぎ払い、一旦は落ち着けるものの少し離れた場所にはこれから此方に向かってくるだろう残影が見て取れる。
「……限定解放。テンカウント。吸血鬼のオドと精霊のマナ。それを今、一つに……」
 そうして、リーヴァルディはユーベルコード【限定解放・血の教義】を発動する。
 あらゆる属性と自然現象。それを重ねた奥義と言っても良いもの。しかし、それだけにこの力を御するのは彼女にとては大きな負担である。
 だが、これを選択したのにも意味がある。光――呪詛などを浄化する力を持った、風を放つ――そう、この残影たちを浄化させるための、浄化する技。大技を放ち、視界からは残影が一度は消える。――しかし、まだまだ数はある。だからこそ、彼女は諦めない。再度風を放つ準備に入る。
 だが、それが間に合わないのでは――と思わざるを得ない程だ。だが、残影の攻撃はリーヴァルディに届く事はない。更に上空には爆撃機が接近してくる。そして、その爆撃機の数はこれも三桁程。ばらばらばら、と爆弾が投下され残影たちの姿は見えなくなる。更に、これを運よく避けたとしても、そこに対して乾いた音が少ししたかと思えば、残影が一つ数を減らしていく。

「ダークセイヴァーで拙者達は今から、この町で吸血鬼をしばくって言ってるんだ!!」
 そんな事を言ったのはエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)。軽い口調ではあるが、爆撃機や狙撃の絡んた戦いに於いては十分な集中を見せていた。
 だが、その内心においてエドゥアルトと一緒に珈琲があるのか、あるいは真面目にニュースを見ている事が大変だが――あるいはそれすらも。

 また別の方向からもこの廃墟に転移した者――オイフェ・アルスター(妄信する神の代行者・f12262)は迫ってくる残影について、此方もユーベルコード【ウィザード・ミサイル】による三桁はあろうかという炎の矢を放ち、残影たちを仕留める。
 幾人もの猟兵達の攻撃により、その残影は少なくとも吸血鬼の下へと急いでいる猟兵達の前に残影が立ちはだかる、という事もない。
「……墓でも立ててあげましょう」
 足元に落ちていた廃墟の残骸。それをオイフェは拾って、地面に突き刺す。終わってから、もう少しちゃんとものにしようと思いながらも目を瞑り、祈る。願わくば、今倒された残影達がしっかりと浄化、成仏されますように、と。

 これで、吸血鬼の下に向かうまでの障害物はない。
 後は、本命を討つのみ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『リーシャ・ヴァーミリオン』

POW   :    魔槍剛撃
単純で重い【鮮血槍】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ブラッディ・カーニバル
自身に【忌まわしき血液】をまとい、高速移動と【血の刃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    魔槍連撃
【鮮血槍による連続突き】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天御鏡・百々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シュデラ・テノーフォン
キール君【f04006】同行

あァ君がそう
残念だけどお引き取り願えないかな
勿論この世から

キール君今度は離れてて
援護はよろしくね
それじゃ俺と遊ぼうか、ヴァンパイアのお嬢さん

立ち回り槍の攻撃を指輪の盾でいなす
高速槍の軌道読むの面倒だけど野生の勘も働かせて
受け止めるんじゃなくて、槍を受けた盾で横に受け流すようにするんだ
回避できたら相手が攻撃止まらないうちにCenerentolaを懐へ
クイックドロウからの零距離射撃で光の精霊弾ブチ込んであげる
追撃は複製したAschenputtelのGlasregenだ
この連鎖が決まったらちょっと楽しくなりそう

ごめんね綺麗なお嬢さん
でも俺には君が獲物にしか見えないや!


キール・ラトシエ
シュデラさん(f13408)と共に

なるほど、件の吸血鬼さんの登場ですね
とりあえず聞きたいのですが「ここをキャンプ地とする」とかどうしてそうなったんですか?
まさか夕食を優先して宿を取らなかったんですか?
えーっと
バカですか?

怒らせちゃいましたね
シュデラさん了解ですよ
援護は任せてください

というわけで初手ウィザードミサイルで相手を牽制
シュデラさんと相手が超接近戦を始めたので遠距離攻撃は不可能と思い私も体術で参戦
シュデラさんの連続技が終わったところに合わせ顔面に蹴り、上空に飛び上がってウィザードミサイルの雨を降らせます

今回はトドメを狙ってみますか
敵の動きをよく見て懐に飛び込みつつ零距離一撃で倒します



●宿なんてなかった
 残影達は眠り、廃墟に陣取った吸血鬼リーシャの下への道は開いた。リーシャは猟兵達がやってきた事を認識すると、「むむむむ」と声を出し、顔をしかめる。
「なーんで、ここで休もうとしたのに邪魔するかなー」
 どう考えても一泊したり休むとかするには不向きな風通しの良すぎる廃墟の館。故に、その疑問を口にする者がいるのも自然な事である。
「とりあえず聞きたいのですが「ここをキャンプ地とする」とかどうしてそうなったんですか? まさか夕食を優先して宿を取らなかったんですか?」
 キール・ラトシエ(古き知識を読み求める者・f04006)がそう言うと、リーシャは憎々し気にキールを睨み、口を開く。
「空腹で食事する事の何が悪いのさ?」
「えーっと……バカですか?」
 この手の旅やら旅行やらについては、宿の確保こそが最優先とされる。そう、かの移動番組でもそう言っていた。しかし、この吸血鬼はそうしなかった。食事を優先したのだ。そりゃ、宿というものはないだろう。
 ――そもそも、彼女に宿という概念があるのかすら謎ではあるが。
「……侮辱したわね。ただじゃ済まないわよ、あなたたち」
 そう言って、リーシャは鮮血槍を構える。
「残念だけどお引き取り願えないかな。勿論この世から」
 戦闘態勢に入る吸血鬼を見て、シュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)はそう言い返す。
「さて、それじゃ俺と遊ぼうか、ヴァンパイアのお嬢さん」
 そう付け足しながら、シュデラはリーシャに肉迫する。それに対してシュデラは忌まわしき血液を身に纏い、待ち構える。そこに対して、キールの援護射撃がリーシャへと向かう。幾本もの炎の矢がリーシャを襲う。一つ一つはともかく、幾本かが当たるようなら吸血鬼とて無傷では済まない。回避運動を取らざるをえないが、そこに迫るのがシュデラ。
 仕方なく、致命傷となる矢だけを弾き、幾つかを身体で受けながらもシュデラを自身の槍の一振るいで応戦する。さらに振るい、振るい、時には突く。リーシャは眼にも止まらぬ高速移動、高速攻撃を以ってシュデラを攻め立てる。
 だが、突きの際の僅かな隙。それをシュデラを見逃さずに自身の硝子細工装飾の白い大型拳銃を構え、これを複製して連続射撃、同時発射――シュデラのユーベルコード、Glasregen(グラスレイン)による飽和攻撃によってリーシャに反撃をしかける。
「く……っ」
 それら全てを致命傷だけは防ぎ、他は多少で済むなら受け止める等の判断は冷静だが、この一瞬の攻防で少なくとも一人は屠るつもりでいたリーシャに焦りの顔が少しだけ出る。だが、まだ終わらない。シュデラがリーシャへと肉迫した事により射撃での援護は厳しいと判断して、同じく一気に迫る。
 しかしながら、リーシャはその攻撃も素早い身のこなしで避け切った。だが、その呼吸は既にぜぇ、はぁと息は切れている。多少待てば落ち着く、とも言える状態だった。しかし、猟兵はこの二人だけ、という事ではない。
 まだ猟兵はいる。――今回も、残りの猟兵達の頑張り次第なのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。何が目的でこの街に来たのか知らないけど…。
私の前に立った以上、お前の命運はここで終わり…。
吸血鬼狩りの業を見せてあげる…。

他の猟兵と連携して常に挟み撃ちになるように行動
事前に防具を改造して第六感を強化
殺意の存在感を可視化する呪詛を付与して、
敵の攻撃を見切り【吸血鬼狩りの業】を駆使して大鎌によるカウンターを試みる

…勢いだけでは、私は倒せない

敵が隙を晒したら、吸血鬼化した怪力を瞬発力に変えて敵の懐に接近
【限定解放・血の波涛】の力を溜めた大鎌をなぎ払い、
生命力を吸収する血色の波動を敵の体内で爆発させて傷口を抉る2回攻撃を行う

…なぎ払え、そして撃ち砕け…!

…不運だったね。でもこれで、さようなら。



●腹を割って話そうと言ったな、あれは嘘だ
「吸血鬼狩りの業を見せてあげる……!」
 そう言ったのは、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)だった。先ほどの猟兵とは逆方向から吸血鬼リーシャの下へと迫り、結果的に挟み撃ちの形と相成った。――そして、大鎌をぐわんと薙ぎ払う。大振りではあるが、意識の外からの一撃。ただの大振りではなく、必殺になり得る一撃だ。
 しかし、リーシャとて吸血鬼。血の臭いには敏感であり、必殺になり得る一撃というのは、彼女には当てはまらない。その必殺に至る一撃を、槍で弾く。そして、逆に槍を振るって反撃に出る。槍による重い一撃は、リーヴァルディを襲うもののそれを見切り、咄嗟の判断で回避に至る。
 必殺の一撃を互いに放ち、膠着状態へと移行するかと思えば、そうはならない。リーヴァルディは吸血鬼狩りを生業とする者。故に、敵が吸血鬼である限り、リーヴァルディは敵の上を行く。吸血鬼の為す事であれば、それは全てリーヴァルディの想定内となる。
 故に、リーシャの一撃を余裕を持って回避した上で、リーヴァルディは一瞬だけ自身の身体を吸血鬼と化して、その身体能力を大幅に向上させる。そして、血色の波動を大鎌に纏わせて、振るう。
「なぎ払え、そして撃ち砕け……!」
 これは、先ほどの一撃を遥に上回った一撃。大きな一撃だが、無駄はなく鋭い。強烈な一撃がリーシャを襲う。正しく必殺の一撃――と言えたが、これをなんとかギリギリになって反応する。鋭い槍の再度の突きが、大鎌の軌道を少しだけずらし、致命傷をかろうじて避ける。だが、素早くリーヴァルディは大鎌をくるりと向きを反転させて、二撃目を放つ。
 これには流石のリーシャも反応しきれず、先ほど僅かな切り傷で済ませた箇所を正確に抉る一撃に、顔をしかめるしかない。
「……よくも、やってくれたね……!」
 リーシャの戦意は未だ健在。手傷はあるが、それでもまだ戦える。しかし猟兵達の戦意も十分。この戦いも佳境。決着の時は近づいているのだった――。

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
楽しいキャンプのはずが災難でしたね、リーシャ様。
吸血鬼というだけで人間から嫌われて
お互い苦労しますね。
僭越ながら、雑種のドゥルールめが お持て成し致しますわ


【呪詛】を唱え、苦しみで動きを鈍らせ
遠距離から【衝撃波】で、じわじわと体力を奪う

接近されても、攻撃を【見切り】回避。
連続突きには【オーラ防御】と【激痛耐性】で耐え
悲愴の剣の【2回攻撃】で反撃。
更に『愛の想起・妖狐烈刃乱舞』で追撃

巻き起こる爆炎も【火炎耐性】で気にせず
リーシャ様の背後を取り
抱きしめ【吸血】と【生命力吸収】で終わり


次は私と異世界の旅へ参りましょう。
お金は取りません。その代わり……
貴女の亡骸(み)も 魂(こころ)も、私のモノです❤



●愛でした
 少しずつ傷を増やしていき、体力を失っていくリーシャだが、その目には繊維が満ち満ちている。そこにやってきたのは、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)だった。
「楽しいキャンプのはずが災難でしたね、リーシャ様。吸血鬼というだけで人間から嫌われて、お互い苦労しますね。僭越ながら、雑種のドゥルールめが お持て成し致しますわ」
 礼儀正しい言葉遣いではあるが、その手には短剣が握られ、にこりと笑みを浮かべている。そもそも笑顔とは攻撃的な表情であり、リーシャもそのように受け取る。
「へぇ、やってみたらどう?」
 そう言って、リーシャは地を蹴り、他の猟兵を無視して一気にドゥルールの下へと接近を果たそうとする。ドゥルールとて、ただで接近を許す筈もない。呪詛を唱え、衝撃波を放ち、接近を許さないようにするが、手傷を負ってこそいても吸血鬼、持ち前の身体能力は未だ健在で、ついに槍の攻撃範囲にドゥルールを捉える。
「とっとと、倒れなさい、猟兵!」
 その素早い槍の突きは、二度、三度――いや、数えられない程の回数が、わずかな時間に放たれる。目で捉える事が至難な連続突き。間違いなく仕留めた、というリーシャの認識もあった。
 だが、これをドゥルールは読み切り、回避に至る。どうしても避け切れないものについては、身体で受ける事にはなったが、その激痛にも耐え切る。そして、ドゥルールは短剣での反撃に移る。とはいえ、あくまでも短剣。槍のリーチには遠く及ばず、器用にリーシャが槍でそれをいなす。
 だが、本命はそこではない。
「鮮烈なる刃の妖狐よ!」
 ドゥルールのユーベルコード――愛の想起・妖狐烈刃乱舞(リザレクトオブリビオン・シザース・ダイアキュート)。ドゥルールの言葉に呼応するように、鋏を操る、妖狐がその場に姿を現す。
「私の鋏で大人しくやられてね」
 幾体も顕現し、それぞれが鋏や狐火でリーシャへと襲いかかる。戦闘において、数というのは絶対的な暴力である。数の上でリーシャは最初から不利。故に、この結果は間違いなく必然というもの。
 リーシャは、周囲の妖狐の狐火による爆炎などによって身動きが取れず、逆にドゥルールは熱さへの耐性からものともせずに、リーシャへと近づく。
「んな……!」
「貴女の亡骸(み)も 魂(こころ)も、私のモノです」
 背後からの一撃。それは、ドゥルールによる噛みつき。そして吸血。敵の精目力を吸収する、というものであり、間違いなくトドメとなる攻撃だった。
 実際、リーシャはなんとか途中で抜け出したものの、その足はふらついている。本当にリーシャは吸血鬼なのだろうか、と疑いたくなるほどには、目の前の存在は既に大分弱り切っていた。
 だが、それでもなお、リーシャは生きている。なんとか、逃げ延びようとしている。戦意はなく、既に逃亡へと意識を切り替えている。
 ――だが、猟兵は吸血鬼を見逃す訳にはいかない。故に、この戦いの勝敗は、この直後に決するのだった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

オイフェ・アルスター
魔導書を片手に【地形の利用】で死角に隠れる
近接は苦手なので、他の猟兵に任せますの
私はただ、撃ち込むだけですわ

「リーシャ・ヴァーミリオン。貴女を灰にさせていただきますの」
笑みは崩さず、標的を見据える
他の猟兵の攻撃を確認しつつ、【高速詠唱】で【流星の如く聖なる螺旋光】を撃ち放つ

奴らに神罰を与える運命
手は抜かない。油断もしない
距離をとり、死角に入り、蹂躙する

近づかれたら、聖【属性攻撃】の【衝撃波】を放って、ひるんでいる隙に離れますの

動きが鈍くなったら、【祈り】を目の前で捧げ、【高速詠唱】の【全力魔法】で【流星の如く聖なる螺旋光】を放つ
「さようなら。リーシャ・ヴァーミリオン。地獄でお待ちくださいませ」



●おやすみなさい(物理)
 この廃墟の館の地形を把握し、不意打ちを食わらせるための場所に陣取っていた猟兵、オイフェ・アルスター(妄信する神の代行者・f12262)は今が好機と判断した。
「リーシャ・ヴァーミリオン。貴女を灰にさせていただきますの」
 元より、近接戦闘は得意ではない。故に、他の猟兵達が戦線を支え、その後ろから吸血鬼を狙い撃つ。それこそが、今回の戦闘において、オイフェが意識した事柄だった。
「跪きなさい。請いなさい。罪を認めなさい。聖なる光に包まれて浄化されなさい」
 逃げよう、と意識を切り替えていたリーシャに向けて、オイフェは左目の視線をやる。すると、渦巻くように落ちてくる聖なる光が、リーシャを襲う。既に他の猟兵から距離を話しつつあったリーシャ。故に、誤射の心配はなく、強烈な一撃が吸血鬼の下へと叩きつけられる。
「さようなら。リーシャ・ヴァーミリオン。地獄でお待ちくださいませ」
 既に弱っていた身。それも吸血鬼ともなれば、聖なる光に無事で済む訳もなく、リーシャは地に伏せ、眼を覚ます事はなかった。キャンプ地と定めた町で終ぞ泊まる事はなく、確かに吸血鬼はこの場で討たれ、街に平和が戻ったのだった――

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『微睡みに溶ける』

POW   :    寝ずの番をする

SPD   :    寝具を用意する

WIZ   :    子守唄を歌う

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●そうは言っても怖いものは怖い
 吸血鬼は討たれた。その事実を町民皆が認識し始める。しかしながら、堂々な「ここをキャンプ地とする」という宣言があった以上、不安がる町民たちがいるのもまた事実であり、忘れてはならないのだ。一般人にとって、吸血鬼がいるといないのとでは明確な違いがあるのだから。
 故に――この町の不安を払拭する事。それもまた、猟兵に求められる役割というものだった――。
オイフェ・アルスター
WIZ
歌はあまり得意ではありませんが……
子供達であれば、何とかなりそうですわ

【祈り】を捧げるように言の葉を紡ぎ
【催眠術】の応用で眠気を付与し
安らかな眠りへの【誘惑】をする

さらに【生まれながらの光】で安心感を与える
「私が村にまだいますので、大丈夫ですわ」

物語調の歌であれば、歌唱力はいらない
子供達がよき夢を見れるように
皆が幸せをつかむ物語
この子達の夢が楽しいものであらんことを

子供達を寝かしつけたら
まだ眠れない大人達の方へと歩み寄る
子供達と違って心配しがちでしょう

吸血鬼の存在を忘れるくらい私の【存在感】を与えますわ
同じように【生まれながらの光】で癒し
眠れるように話をし、話を聞きますの


キール・ラトシエ
シュデラさん(f13408)と共に


相変わらずシュデラさんはこういうことは私任せですね
困ったものです
吸血鬼を倒したこと
その前に死霊も打ち倒したみなさんの英雄譚を面白おかしく語って聞かせることにしましょう

今夜はみなさん集まって寝るのでしたら炊き出しも必要ですね
村の方々と一緒に手伝うことにしましょう
一晩みなさん一緒に過ごせば不安もきっと吹き飛びますよ
大人の皆さんも酒が入ればなおさらでしょう

世界旅行…
今もまさにしていると思いますが、そういうのは野暮というものですかね
ええ、もちろんです
いろんな世界を観て識って行きましょう
けれど、行き先をサイコロで決めるのは勘弁してくださいね?


シュデラ・テノーフォン
キール君【f04006】同行

町の人達の説明、キール君任せた
え?…補足位はするよ

配下は居ないし、アノ古びた屋敷にたむろってた亡霊も残さずお還り頂いたから
大丈夫なんだけどね、良かったら一晩俺達見張るよ

そうだ、不安な人達は今夜だけ皆で寝るといいんじゃないかな
子供達とか仲良い子でお泊まり会したら喜ぶと思うよ
寝具とか運ぶの手伝うからさ

え?子供達が怖がって寝ない?
うー…ん…じゃあ
子供達寝かしつけ俺やっていいかな

Reine des Neigesを使用
子供達にだけ聞こえる音量で子守唄を
おやすみ、できたら
…俺が歌った事、大人には内緒だよ

夜警はちょい暇だな
ねぇキール君
今度どっかの世界旅行したいね
勿論宿は確保してさ



●ここはキャンプ場にはならずに済んだ
 猟兵達の活躍により、吸血鬼リーシャ・ヴァーミリオンは討伐された。町をキャンプ地としようとした彼女の目論見は果たされずに終わった。結果的に、犠牲者は出ずにこの騒動は収まった。
 しかしながら、吸血鬼が来たという事実は町民にとっての恐怖に他ならない。町民たちの安眠のため、猟兵達は各々できる事を為すのだった。

●歌は穏やかに光る
 オイフェ・アルスター(妄信する神の代行者・f12262)の姿は、廃墟とは正反対の位置にある小屋にあった。此処には、吸血鬼の存在に気づき、いち早く避難した者達が集まっていた。中には、応戦するための準備をする者もいたが、吸血鬼討伐の報を猟兵達が広めたため、安堵しその手を休めていた。
 とはいえ、先ほどまでの物々しい空気に子供たちはまだ不安がっている。故に、オイフェがその子供たちのケアをするのは当然の事だった。
 自身の生まれながらの光が、どことなく子供たちや、その親たちの心に落ち着きを戻していく。
 加えて、物語調の歌を伝え聞かせるように歌い、そのうち子供たちは穏やかに寝ていく。子がしっかりと寝た事によって、親たちも安心した表情を浮かべる。
 その様子に、オイフェ自身も安堵の表情を浮かべるのだった。

●新しい朝が始まる
 他のシェルターでも、同じような光景が広がっていた。大人たちの動揺が子供に伝播していたところを、猟兵達が子供を安堵させ、その様子に親も安堵する。そうして、町は少しずついつもの様子を取り戻していく。
 そこに関わる者の中には、吸血鬼討伐に関わった猟兵のシュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)とキール・ラトシエ(古き知識を読み求める者・f04006)の姿も当然あった。
 シュデラはこっそりと子守歌を歌い、キールは炊き出しに協力するなどし、それらが一通り落ち着いてから夜警の任に就いていた。勿論、危険等ある筈はない。しかしながら、誰かが見張っている、という事実こそがこの場に於いては重要で、それをこなせる者こそが、猟兵である以上、彼らが夜警の任に就くのも自然な流れだった。
「夜警はちょい暇だな」
 とはいえ、そんな感想が出てしまうのも無理もない話だった。シュデラがそう口にしても、キールはやんわりと軽く否定するに留まった。実際、猟兵でなければ倒せない存在は既に倒しており、ただ時間を潰すのみなのだから。とはいえ、それが町民の安寧につながる以上、無視もできないため、こうなっているのだが。
「ねぇキール君」
 ほんの少しだけ時間が経って、シュデラは再度口を開く。「何でしょう」とキールがシュデラの次に続く言葉を待つ。
「今度どっかの世界旅行したいね。勿論宿は確保してさ」
 にこやかにシュデラはそう言った。キャンプ地、という吸血鬼リーシャ・ヴァーミリオンの言葉に影響されたからだろうか。特に、宿を確保するという文言に力が入っているようにも感じられた。
「世界旅行……今もまさにしていると思いますが、そういうのは野暮というものですかね」
 猟兵はあらゆる世界を渡り、オブリビオンを屠る。見方を変えれば、これもまた世界旅行とも言えなくない。となれば、既にしている、とも言えるのだが、キールはそれを野暮だと感じた。
「ええ、もちろんです。いろんな世界を観て識って行きましょう」
 キールは頷き、シュデラにそう応えた。
「――けれど、行き先をサイコロで決めるのは勘弁してくださいね?」
「それも、面白そうだね」
「勘弁してくださいね?」

 そんな言葉を交わしながら、月は沈み陽が地平線から微かに顔を覗かせる。
 新しい朝。吸血鬼が訪れ、恐怖に襲われた町は、一晩でいつもの朝に戻ったのだった。ただ、一つ違う事があるとすれば、それは――

 ――当町は吸血鬼の滞在は禁止です!

 そんな立て看板を町の外れに用意するかどうか。それを町長が無駄に検討し始めた事くらいだろうか。だが、きっと、そんな変な話もまた、この町のいつもの姿なのだろう――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト