●アリスラビリンス
その国に渦巻いていたのは、空を埋め尽くすほどの絶望だった。
かつてオウガ・オリジンに食事を饗する為に使われていた断頭台。
それが国のあちこちに設置されていた。
現在は戦争に注力するため、召喚機能は停止していたものの、『食事のおこぼれ』を食べてきた事で、この国のオウガであるジョーカー達はブクブクと太っていた。
「まあ、誰が来ようと、あたしらは負けない! ハッキリ言って、余裕っしょ! 楽勝、楽勝! みんな殺して、御飯にしよっ!」
だが、ジョーカー達はまったく気にしておらず、自信満々。
例え、どんな強敵が現れようとも、自慢の大鎌で一刀両断と言った感じであった。
ただ、ひとつ怖いのは、断頭台くらいであった。
●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明した。
今回の目的は、ジョーカー達の撃破。
ただし、ジョーカー達は『食事のおこぼれ』を食べてきた事で、戦闘力が高め。
その分、移動速度が落ちているものの、それを上回るほどの力を得ているため、倒す事は困難ッ!
ただし、国のあちこちにある断頭台で首を落とせば、一撃で殺す事が出来るようである。
ジョーカー達はみんなプライドが高く、自信過剰のようなので、挑発すれば追いかけてくる事だろう。
そう言った事も踏まえた上で、ジョーカーを撃破する事が今回の目的である。
ゆうきつかさ
このシナリオは、戦争シナリオです。
基本的にキャラクターらしく行動していただければ問題ありません。
キャラクターらしい行動であれば、ネタに走っても構いません。
第1章 集団戦
『ジョーカー』
|
POW : ブラックレディ
【死神の大鎌】が命中した対象を切断する。
SPD : ドッペルコップ
自身が【食欲や怒り】を感じると、レベル×1体の【自身の魂を分割した分身体】が召喚される。自身の魂を分割した分身体は食欲や怒りを与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ : レッドドッグ
【バラまかれたトランプから噴き出す灼熱の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【灼熱の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
イラスト:しらゆき
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
天星・零
【戦闘知識+情報収集+追跡+第六感】で戦況、弱点死角を把握し周囲警戒、臨機応変に対応し敵行動を予測し戦闘
虚鏡霊術で霊力の壁の【オーラ防御】
遠距離は十の死とグレイヴ・ロウを戦況に合わせ使用
近接はØ
『ふふ、悪い子達にはお仕置きですね。行くよ、ルー』
指定UCを発動し、一緒に戦ってもらう
『ふふ…ルーの氷で全部凍えさせてしまおう。ここは僕達の戦場になる様にね』
UCに吹雪で凍らせたりして、更にUC封印
虚鏡霊術で銃をを作って敵の死界から狙う
『ルー、合わせて!いくよ!』
ルーガルズは氷の、零は鏡の短剣を虚鏡霊術で広範囲に作っていき、一斉に戦場に流星群の様に落とす
零は敵に話すときは丁寧に礼儀正しく
UCは秘密の設定
メアリー・ベスレム
アリスを寝かせるまな板と
その首刎ねる包丁が
セットになった調理器具!
それに肥え太ったオウガ達
あぁ、なんてこの世界「らしい」悪趣味な国かしら!
人喰いを楽しんできたオウガはみんな
メアリが殺してあげるから!
【逃げ足】を活かして逃げ回り
捕まえてごらんなさい、と自慢のお尻を叩いてバカにする
分身体を召喚されても【ジャンプ】【踏みつけ】足蹴にし
あら、あら。おデブなあなた、息が上がってつらそうね?
それともお腹が空いたのかしら?
けど残念。そんな調子じゃ、いつまで経っても捕まえられないわ?
そうやって断頭台を背に誘い込み
突っ込んできたところをひらり身を躱し
あわれオウガは断頭台へと一直線
そのまま首を落としてお終いね!
夕月・那由多
これはまた食い意地のはってそうな
すこしはダイエットしたらどうじゃおぬしら
あ、これ手作りなんじゃけど、お団子食べる?
●
手作り団子の『ヨモツヘグイへの誘い』で【誘惑】し、食ったら【催眠術】にかけてぼんやりさせ断頭台へ
あと『オオカムヅミ(仮称)』をむしゃりと食べて見せて、欲しがったらほれと投げて寄越し【だまし討ち】で【気絶攻撃】での爆発で気絶させて断頭台へ
【化術】や【変装】や【演技】、さらにUCで作った小物たちの強力も得て、種族すら偽った別人になりすまし何度も同じ事をしてみよう
見た目別人なら騙しやすいはず
さらに毒は入ってないよ、怖いの?と挑発してみたいところ
ネーヴェ・ノアイユ
あのようになるまでお食事のおこぼれがこの世界にはあったのですね……。アリスである身……故でしょうか。今まで感じたことのないほどの不快感を感じてしまいます……。
事前にここと決めた断頭台の付近へとUCをあらかじめ発動。断頭台付近の足場が滑りやすいように凍結させておきます。
準備が整い次第ジョーカー様の前へと現れ……。氷壁の盾受けにてジョーカー様の攻撃を防ぎつつ……。念のためにひんやりアンブレラを制作して火炎耐性も纏っておきましょう。
そのままジョーカー様を上手く挑発しながら用意しておいた場へと誘導し……。断頭台へと足を滑らせて行っていただきましょう。
ジョーカー様。次はあなた様が絶望する番……。ですよ。
渡月・遊姫
【ミア・ミュラーと】
表に出ているのはジョーカー
うわ、キッツ......こんなに醜いもんか、黒歴史の自分は......。
しかもめっちゃメタボやし。人目に触れる前に早く殺そ。
「ミアはん、アレどう思う?昔のウチなんやけど」
さて、処刑タイムや。プライドが高い連中やそうやから、思いっきり煽ったるわ。
「やーい、デブー。イベリゴブター。最後に鏡見たん何年前や? 少しは遊姫のこの完璧なプロポーションを見習い!」
ウチは裏切りモンやからな。めっちゃ怒るはずや。
挑発で誘導したらミアはんに断頭台にセットしてもらい、刃を落とすで。記念に仮面は拾って帰ろうかな...。
※敵と遊姫に憑依しているオウガは同一存在
ミア・ミュラー
【渡月・遊姫と同行】
んー?昔のジョーカーさんはずいぶん太ってたん、だね。もちろん今のジョーカーさんの方が素敵、だよ。見た目もそうだけど、優しいし、こうやってわたしたちと一緒に戦ってくれる、から。
味方のジョーカーさんが敵を引きつけてる間に、わたしはギロチンの近くに隠れて処刑の準備を、するね。敵が近くまで誘導されて来たら、【水鎚】で後ろから思いっきり叩いて吹き飛ばして、ギロチンに押し込んでから水で覆って動きを止める、ね。油断大敵、だよ。
ん、ジョーカーさん、準備おっけー、だよ。止めはジョーカーさんに、お任せ。これはなかなか、えぐいね。わたしも悪いことしてギロチンされないように気をつけよう、っと。
鏡神・りた
●【冥土隊】所属
アドリブ&セリフ、連携はマスター様にお任せ
初めての戦争参加!
三つ巴の戦いですが頑張りますよ。
師匠と一緒に先ずは
自信過剰な敵をお掃除致します。
戦闘中、主に味方の支援に徹します。
「食べちゃいますよ♪」
ジョーカーの「ブラックレディ(POW)」に対し、ユーベルコード「美獣の指先(ケモノノユビサキ)」を使い相手の懐に飛び込み一撃必殺を狙います。
【オーラ防御】を纏いながら【見切り】を活かし紙一重で躱し
ラリアットで相手を倒しユーディ先輩に後はお任せしますぅ。
その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとします。
華上・ユーディ
【冥土隊】参加
◼️アドリブ、セリフ連携
マスター様にお任せします。
世界に脅威が現れるなら
お掃除の為に冥土参上!
弛みきっている
敵に活を入れましょう。
▼POW選択
戦闘中、敵の注意を引きつけるオトリ役になります。
【野生の勘】で敵の動きわや予想し。今回は試して見たい事をします。
敵が引き寄せられてきたら。
りたちゃんと息を合わせ
りたちゃんのUCに合わせて
「爆砕拳(バクサイケン)」を発動!POWUCの合体組み合わせ技を発動。戦場の中で猟兵の新しき体術の領域開眼を試すのです。(マスター様のノリで宜しくお願い致します)
最大の目的は、いち早く敵の群れを殲滅することです。
サーシャ・ペンローズ(サポート)
バーチャルキャラクターの電脳魔術士×バトルゲーマー、18歳の女です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、敵には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
エッチな描写もNGです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
コーデリア・リンネル(サポート)
アリス適合者の国民的スタア×アームドヒーローの女の子です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
内気な性格のため、三点リーダーや読点多めの口調になります。
ですが人と話すのが嫌いでは無いため、
様々な登場人物とのアドリブ会話も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
仲佐・衣吹(サポート)
オルタナティブ・ダブル発動!
それじゃ行ってみよー!
分身は僕ことベスト
ルーンソードやカルテを使って精霊属性の連携技で戦うのが好きだよ
僕が先に水属性で戦場をずぶ濡れにしていくから
続けて氷属性でガッチリ固めて動けなくしちゃうってのはどうかな?
愉快な敵だともっと楽しいよね
遊んでるように見える?
僕が一番本気が出せるのは、楽しくて夢中な時だよ!
足ひっぱんなよ!
本体はオレことサーベル
まぁ悪かねぇな
それでも逃げるやっかいなヤツは、ハサミ撃ちで即ぶった斬ってやろうぜ
んくらい根性あるヤツがいなきゃ、オレも楽しめねぇからな
使う精霊属性は敵に合わせて変更可
使うアイテム技能も好きに選んで下さい
シャーロット・ゴッドチャイルド(サポート)
ダークセイヴァ―の貧しい農村に生まれた聖なる力を宿した女の子です。暗い過去を背負った子ですが、いつも周りに気を使っていて笑顔を絶やしません。
ホーリー・ボルト~光の精霊の力で、光属性の魔法の矢を放ちます。
エレメンタル・ファンタジア~炎の精霊を呼び出し、炎の竜巻を巻き起こす。予想以上の威力のため、制御するのがやっと。
絶望の福音~10秒後の未来を予測する。
生まれながらの光~左の手のひらにある聖痕から他者を癒す。
「もう泣いているだけの私じゃない・・・私は貴方を倒します!」
エロやグロに巻き込まれなければ大体のことは大丈夫です。
ナギ・ヌドゥー(サポート)
普段はなるべく穏やかで優し気な感じで話してます。
……そう意識しておかないと自分を抑えきれなくなりそうなので。
それでも戦闘が激しくなると凶悪な自分が出てしまいますね。
オブリビオン相手なら最初から素で対峙し、手段を選ばず殺しにいきますよ。
探索行動の時は第六感などの知覚に頼る事が多いです。
日常的な行動は、寛ぐ事に慣れてないから浮いた存在になるかもしれません……
武器は遠距離ではサイコパーム、近距離では歪な怨刃、
痛みや恐怖を与える時はソウルトーチャーを使います。
己は所詮、血に飢えた殺人鬼……
それでも最後の理性を保つ為に良き猟兵を演じなければ、とも思っています。
どうぞ自由に使ってください。
●召喚断頭台
「こ、これは……酷い……」
サーシャ・ペンローズ(バーチャルキャラクターの電脳魔術士・f26054)が仲間達と共に、召喚断頭台の国にやってきた。
そこは見渡す限り、断頭台が置かれた奇妙な場所。
普通であれば、それだけで身体が震えてしまい、動けなくなってしまうほど、不気味な国だった。
「しかも、このニオイは……」
その途端、ナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)が、内から湧き上がった衝動を押さえ込んだ。
辺りには、濃厚な血のニオイが漂っており、ナギの身体を包み込む勢いだった。
「アリスを寝かせるまな板と、その首刎ねる包丁が、セットになった調理器具! それに肥え太ったオウガ達。あぁ、なんてこの世界『らしい』悪趣味な国かしら!」
だが、メアリー・ベスレム(Rabid Rabbit・f24749)だけは、違っていた。
まるで自分の庭の如く勢いで、瞳はランラン。
今にも鼻歌を歌いそうな勢いで、ゴキゲンな感じになっていた。
「そうは思わない……けど……」
コーデリア・リンネル(月光の騎士・f22496)が、警戒した様子で身構えた。
その視線の先には、ジョーカー達がおり、何かの塊を口の中に放り込んでいた。
「あれほど太るまで、お食事のおこぼれを食べ続けていた事を考えると、今まで感じたことのないほど不快に感じてしまうのですが……。それもアリスである故でしょうか」
ネーヴェ・ノアイユ(冷たい魔法使い・f28873)が、嫌悪感をあらわにしながら、断頭台の前で【総て凍てつく猛吹雪(スノウストーム)】を発動させ、その周辺を凍らせた。
「何よ、いきなり!」
「失礼しちゃうわ!」
「まるで、アタシ達が太っているみたいじゃない!」
「そうよ、そうよ! こんなに痩せているのに!」
その言葉に反応したジョーカー達が、ムッとした様子で猟兵達の前に陣取った。
ジョーカー達は個体によって、微妙に性格が違っているようだが、みんな太っていないと思い込んでいるらしく、そう言った言葉に敏感であった。
「いかにも食い意地が張っていそうな身体をしおって……。少しはダイエットしたらどうじゃ、おぬしら」
夕月・那由多(誰ソ彼の夕闇・f21742)が臆する事なく、手作り団子(ヨモツヘグイへの誘い)を手渡した。
「まあ、食べて上げなくもないけど……」
「……というか、食べなくっちゃ損よね」
「逆に、食べないという選択肢はないわ!」
「いっただきまぁーす♪」
ジョーカー達が、あれこれ言い訳をしながら、手作り団子を口の中に放り込んだ。
しかし、それは相手を誘惑し、意のままに操る力を秘めたモノ。
その影響で、手作り団子を食べたジョーカー達が、トロンとした表情を浮かべた。
「ふふ、悪い子達にはお仕置きですね。行くよ、ルー」
すぐさま、天星・零(零と夢幻、真実と虚構・f02413)が【命凍らせる氷霧の銀狼(ルーガルズ・ダイヤモンド・ガスト)】で召喚したルーガルズと共に、ジョーカー達に攻撃を仕掛けていった。
「ちょっと待ちなさいよ!」
「まだ食べている途中でしょうが!」
「せめて完食してからにしなさいよ!」
「……と言うか、もうないの!」
ジョーカー達が口をモゴモゴさせながら、ムッとした表情を浮かべた。
「……大丈夫。人喰いを楽しんできたオウガは、みんなメアリが殺してあげるから! どうせ、そんな身体じゃ、動きまわる事も出来ないでしょ? 悔しかったら、捕まえてごらんなさい」
メアリーも自慢の尻を叩いて、ジョーカー達を挑発した。
「何よ、コイツ!」
「ムカツク、ムカツク!」
「覚悟しなさい! 絶対、殺してあげるから!」
「その後で食べて上げる! 私達を敵に回した事を後悔させるため!」
ジョーカー達が殺気立った様子で、自身の魂を分割した分身体を召喚した。
召喚された分身体は殺気立った様子で、メアリーの後を追いかけた。
だが、誰も追いつかない。
でっぷりとした腹が邪魔をして、いくらスピードを上げても、距離が広がるばかりであった。
「それじゃ、行ってみよー!」
その間に、仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)が【オルタナティブ・ダブル】を発動させ、もうひとりの自分を出現させた。
「だから、何!」
「数が増えたって、何の意味がないから!」
「むしろ、的が増えただけ!」
「纏めて殺してあげるわ!」
ジョーカー達が鬼のような形相を浮かべ、八つ当たり気味に地面を踏みつけ、衣吹にドタドタと迫ってきた。
「それじゃ、僕が先に水属性で戦場をずぶ濡れにするから、氷属性でガッチリ固めて動けなくしちゃうってのは、どうかな?」
衣吹が含みのある笑みを浮かべ、もうひとりの自分に提案した。
「いいね、いいね。やってみよう」
その提案に、もうひとりの自分はノリノリ。
すぐさま、衣吹が高速詠唱の全力魔法で、ジョーカー達をずぶ濡れにした。
それに合わせて、もう一人の自分が氷属性の魔法で、ジョーカー達をカチコチに凍らせた。
「あら、あら。みんな、息が上がってつらそうね? それとも、お腹が空き過ぎて、思うように体が動かないとか。……けど残念。そんな調子じゃ、いつまで経っても捕まえられないわ?」
メアリーがジョーカーの分身体を挑発しながら、勢いよく飛び上がり、踏みつけるようにして足蹴にした。
続いて、衣吹がもうひとりの自分と連携を取りつつ、ルーンソードでジョーカーの分身体を切り裂いた。
「ゆ、許さない!」
その途端、ジョーカーが自らの怒りを爆発させ、ケモノの如く勢いで猟兵達に突っ込んできた。
しかし、衣吹は身軽。
そのため、ジョーカーが迫る前に、ひょいっと避けた。
「えっ? 嘘!」
ジョーカーが信じられない様子で悲鳴を上げた。
だが、ジョーカーは、急に止まれない。
そのまま断頭台に突っ込み、首がストーン!
それはあまりにも一瞬で、華麗。
弧を描くようにして舞ったジョーカーの首から飛び散った血が地面を死の色に彩った。
「……って、どうして避けるの!」
「信じられない!」
「普通だったら、受け止めるよね!」
これにはジョーカー達も、御立腹。
ジョーカーなりの美学があるのか、非難轟轟であった。
「……絶対に許さない!」
その怒りを爆発させ、ジョーカーが死神の鎌を振り回した。
「それは、こちらのセリフです。今まで何人のアリスを手に掛けたのですか?」
コーデリアが嫌悪感をあらわにしながら、【ヘビーアームド・ウェポナイズ】で、重武装モードに変形した。
その代償として自らの移動速度が失われたが、それでもジョーカーよりも素早かった。
そのため、ジョーカーが死神の鎌を振り回しても、決して当たる事が無かった。
「こうなったら、アタシ達の本気を見せるわよ!」
その事に危機感を覚えたジョーカー達が、次々とトランプをバラ撒いた。
それと同時に、トランプから灼熱の炎が噴き出し、辺りを一瞬にして火の海に変えた。
「ふふ……、ルーの氷で全部凍えさせてしまおう。ここは僕達の戦場になる様にね」
零が含みのある笑みを浮かべ、ルーガルズに合図を送った。
それに合わせて、ルーガルズが絶対零度の吹雪を放ち、まるで色を塗り替えるようにして、辺り一面を銀世界に変えた。
「うそ!?」「ウソ!?」「嘘!?」
その途端、ジョーカー達がポカンとした表情を浮かべ、信じられない様子で目を丸くさせた。
「嘘じゃないです……現実です」
シャーロット・ゴッドチャイルド(絶望の福音・f23202)が【ホーリー・ボルト】で、ジョーカーに魔法の矢(光属性)を撃ち込んだ。
それに合わせて零が、オーラ防御を展開しながら死角に回り込み、グレイヴ・ロウ(十字架の墓石)で攻撃した。
「……って、痛いじゃない!」
その一撃を喰らったジョーカーが、再びトランプを飛ばそうとした。
「その攻撃は止めておきましょう。いくら死期を先延ばしにしたところで、死神がいなくなる事などないのですから……」
ナギがジョーカーに対して警告しながら、【禍ツ狂宴(マガツキョウエン)】で、ソウルトーチャーを呼び寄せた。
ソウルトーチャーは、咎人の肉と骨で錬成した呪獣。
それがジョーカーに襲い掛かり、恐怖と絶望の種を植え付けた。
「こ、このままじゃ、ジョーカーが!」
「……って、アタシ達もジョーカーよね?」
「そんな事より、ジョーカーを助けなきゃ!」
ジョーカー達が焦った様子で、ジョーカーを助けに行こうとした。
「ここから先には行かせません!」
その行く手を阻むようにして、サーシャが【エレクトロレギオン】を発動させ、285体の小型戦闘用機械兵器を召喚した。
召喚された小型戦闘用機械兵器は壁の如く、ジョーカー達の前に立ち塞がった。
それらは一撃で消滅してしまう程、脆い存在であったが、異常なほど数が多いため、なかなか先に進む事が出来ないようだった。
「近づく前に、倒します」
そんな中、シャーロットが覚悟を決めた様子で、【エレメンタル・ファンタジア】を発動させ、炎の精霊を呼び出すと、炎の竜巻を起こして、ジョーカー達を攻撃した。
「……って、わざわざ炎で攻撃するなんて卑怯よ!」
「いくら炎を使うからって、耐性がある訳じゃないんだから!」
「……と言うか、コイツら、邪魔!」
ジョーカーが口々に恨み言を吐き出してきたが、それでも事態は好転しない。
むしろ最悪の展開めがけて、坂道をゴロゴロと転がり落ちているような感じであった。
「ルー、合わせて! いくよ!」
次の瞬間、零がルーガルズと連携を取りつつ、ジョーカーに迫っていった。
それに合わせて、ルーガルズが絶対零度の氷の吹雪を放ち、今度はジョーカーを凍らせた。
続いて、零が鏡の短剣を虚鏡霊術で広範囲に作って、流星群の如くジョーカーに落下させ、木っ端微塵に破壊した。
「よ、よくも、仲間を!」
「でも、これでアタシ達の取り分が増えるかも!」
だが、ジョーカー達は、ポジディブだった。
最近、食べ物が減っている分、食欲旺盛。
ここで取り分が増える事は、パラダイスタイムの始まりでもあった。
「私達を食べないのですか……?」
ネーヴェが断頭台の前に立ったまま、ジョーカー達の顔色を窺った。
「あはは、ウケる! 自分から断頭台の前に立つなんて!」
「きっと、自分の首を落として欲しいのよ!」
ジョーカー達がゴキゲンな様子でトランプをバラ撒き、灼熱の炎で辺りを包んだ。
即座に、ネーヴェが氷の壁で、灼熱の炎を防いだ。
「引っ掛かったわね!」
ジョーカーが邪悪な笑みを浮かべ、ネーヴェに迫っていった。
「えっ?」
その途端、ジョーカーが凍結した地面で足を滑らせ、そのまま勢いをつけて、断頭台にスポッとハマッた。
「う、嘘!?」
これには、ジョーカーも、ドン引き。
死亡フラグがマイムマイムを踊る中、目の前が真っ暗になっていた。
「ジョーカー様。次はあなた様が絶望する番……ですよ」
ネーヴェがジョーカーを見下ろし、断頭台を作動させた。
それと同時に鋭い刃がジョーカーめがけて落下し、驚きの表情を浮かべた首が地面にコロリと転がった。
「な、なんて酷い事をするの! アタシ達は何も悪い事をしていないのに! ただ、アリスを食べただけなのに!」
それを目の当たりにしたジョーカーが、嫌悪感をあらわにした。
「まあまあ、落ち着け。これを食べて、機嫌を直すのじゃ」
那由多がオオカムヅミ(仮称)をむしゃりと食べ、もうひとつをジョーカーに向かって放り投げた。
「まあ、そこまで言うなら……きゃあ!」
それをジョーカーがキャッチしようとした瞬間、オオカムヅミ(仮称)が弾け飛んだ。
それはジョーカーの意識を消失させるには、十分なほどの破壊力を秘めていた。
途端に、ジョーカーが、ばたんきゅー。
グルグルと目を回して、意識が飛んだ。
「さて、後は断頭台まで運ぶだけじゃが……重いのぅ」
すぐさま、那由多が【戯レノ創造(タワムレノソウゾウ)】を発動させ、自らの創造物に生命を与えた。
那由多によって生命を与えられた創造物は、気絶したジョーカーを断頭台まで運び、ストンと首を落とすのだった。
●【冥土隊】
一方、【冥土隊】は別の場所で、ジョーカー達に遭遇した。
「……うわっ」
鏡神・りた(美獣・f27665)が、ドン引きした様子で仰け反った。
ジョーカー達のまわりには沢山のゴミが散らばっており、異臭が漂う中で一心不乱に何かを貪っていた。
「何よ、アンタ達!」
「これは私達のモノよ!」
その視線に気づいたジョーカー達が、ムッとした様子で頬を膨らませた。
そのせいで、顔がパンパンに膨らんでおり、肉団子のようになっていた。
「お掃除の為に冥土参上! 弛みきったあなた達に活を入れに来ました!」
それでも躊躇う事なく、華上・ユーディ(は隠居生活中・f02310)が名乗りを上げた。
こんな不潔な状況を、見て見ぬフリなど出来ない。
そして、その元凶であるジョーカー達も、放っておく訳にはいかなかった。
「ハハァーン、つまりアレね。アタシ達を倒して、食べ物を横取りする気なんでしょ!」
「だったら、死んでもらうしかないわね! そして、私達の御飯になってもらうわよ!」
ジョーカー達が血に飢えたケモノの如く勢いで、ダラダラと涎を垂らしながら、死神の鎌を振り上げた。
しかし、その動きは、鈍重。
まるでスローモーションの如く、ゆっくりであった。
その代わり、威力は絶大ッ!
振り下ろされた瞬間、衝撃波が飛び、地面がめり込むほどの破壊力であった。
だが、当たらなければ、意味はない。
「一体、どこを狙っているのですか?」
即座に、ユーディが野生の勘を働かせ、ジョーカー達の動きを予測した。
そのおかげで、死神の鎌を容易に避ける事が出来、傷ひとつつかなかった。
「う、嘘! どうして、当たらないの! 一発でも当たればいいのに……!」
ジョーカーがイラついた様子で、狂ったように死神の神を振り回した。
「食べちゃいますよ♪」
その隙をつくようにして、りたが【美獣の指先(ケモノノユビサキ)】を発動させ、全身の神経を極限まで指先に集中させ、死神の鎌を破壊した。
「えっ? えっ? えええええええええええええ!?」
そのため、ジョーカーの攻撃は、空振り。
ユーディに対して、涼しい風を送り届けただけで、終了である。
「鎌さえなければ、怖いものなんてないですぅ」
その間に、りたがオーラ防御を展開すると、ジョーカーの動きを見切ると、紙一重で右ストレートを避け、容赦なくラリアットを喰らわせた。
「……この一撃は重いですよ!?」
それに合わせて、ユーディが【爆砕拳(バクサイケン)】を仕掛け、超高速かつ大威力の一撃で、ジョーカーを殴り飛ばした。
それは息の合ったふたりでなければ、出来ない攻撃。
「きゃあ!」
そのため、ジョーカーは受け身すら取れずに吹っ飛び、もうひとりのジョーカーを巻き込むようにして、仲良く断頭台の前で尻餅をついた。
「えっ? えっ? ええ!?」
ジョーカー達が、見上げた先にあったのは、鋭く輝く刃であった。
その事に危機感を覚えたものの、不摂生な身体が災いして、起き上がる事さえ出来なかった。
そして、鋭く尖った刃が無情にもジョーカー達に落下し、ふたつの首が宙を舞った。
●過去の自分は、黒歴史?
……同時刻。
「うわ、キッツ……こんなに醜いもんか、黒歴史の自分は……。しかも、めっちゃメタボやし」
渡月・遊姫(二重人格の殺人姫・f19443)は、ミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)と一緒に、ジョーカー達の前にいた。
ジョーカー達は、揃いも揃って、我儘ボディ。
その上、ぽっちゃりと言うより、肉団子。
「ミアはん、アレどう思う? 昔のウチなんやけど……」
遊姫が残念なナマモノを見るような目で、ジョーカー達を見ながら、今にも消え去りそうな声で、ミアに対して問いかけた。
何となく答えは、予想がつく。
それでも、実際に聞いてみないと分からない。
そのため、最悪の答えを覚悟の上で、ミアに聞いてみる事にした。
「んー? 昔のジョーカーさんはずいぶん太ってたん、だね。もちろん、今のジョーカーさんの方が素敵、だよ。見た目もそうだけど、優しいし、こうやってわたしたちと一緒に戦ってくれる、から」
ミアが躊躇う事なく、答えを返した。
それは天使そのもの。
その言葉が遊姫の不安な気持ちを消し飛ばした。
「なんや、アンタらは! いまさら来たって、何もやらんで!」
ジョーカー達がビクっと身体を震わせ、警戒心をあらわにした。
「さて、処刑タイムや。人目に触れる前に早く殺そ」
遊姫が覚悟を決めた様子で、ジョーカー達の前に陣取った。
「やーい、デブー。イベリゴブター。最後に鏡見たん何年前や? 少しは遊姫のこの完璧なプロポーションを見習い!」
遊姫が自信満々な様子で、ジョーカー達をからかった。
「なんや、ワレ! デブやない! ぽっちゃりやろうが! こう言うのが好きな奴だっておるんや! 馬鹿にしたら、痛い目見るで!」
ジョーカーが怒り狂った様子で、自らの魂を分割した分身体を召喚した。
だが、分身体も揃いも揃って、メタボボディ。
その上、隠しきれないパチモノ感。
「だから鏡を見ぃや!」
遊姫が、こめかみを激しくピクつかせ、【紅黒千刃(ショットガン・シャッフル)】を仕掛け、殺人トランプを複製して、念力でバラバラに操った。
次の瞬間、殺人トランプが鋭い刃となって、ジョーカーもろとも分身体を切り裂いた。
「てか、何しよんや! 黒歴史とか、デブとか適当な事言って! 本当はウチらの我儘ボディに嫉妬しているんやろ!」
ジョーカーがイラついた様子で、トランプをバラ撒き、灼熱の炎で遊姫達を攻撃した。
「いや、それは……ない」
遊姫が死んだ魚のような目で、キッパリと答えを返した。
そもそも、何処に嫉妬するのか、詳しい説明をしてほしいところである。
そんな気持ちも知らず、ジョーカーは、ドヤ顔。
しかも、外見だけはソックリで、中身はニセモノ。
その事で余計に遊姫のイライラ感が増していた。
「嘘や、嘘! それは嘘! その証拠に、ウチのボディに釘付けやん!」
ジョーカーが自信満々な様子で、遊姫に迫っていった。
それは黒歴史が歪に膨らみ、服を着て迫っているような感じであった。
「ジョーカーさん……いくよ」
次の瞬間、ミアがジョーカーの背後に現れ、【水鎚(ウォーター・ハンマー)】を仕掛け、魔法で出来た水の鎚を使って、思いっきり叩いて吹き飛ばした。
それと同時に、ジョーカーの身体が断頭台にスポッとハマり、抜け出す事が出来なくなった。
その身体をミアが水で覆い、完全に動きを封じ込めた。
「モゴモゴ……コボッ!(訳:やっぱり、嫉妬しているやないか! いくらウチの方がナイスバディだからって! こんな仕打ち……許されると思っとんのか! 絶対、天罰喰らうで!)」
それでも、ジョーカーが何やら文句を言っていたものの、水で覆われているせいで、言葉になる事なく泡と消えた。
そして、処刑執行。
最後は、遊姫の手で。
地面に転がったジョーカーの首は、悲劇のヒロインの如く、被害者ヅラだった。
「記念に仮面は拾って帰ろうかな……」
そう言って遊姫がジョーカーの首から視線を逸らし、足元に落ちていた仮面を拾い上げるのであった。
成功
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