迷宮災厄戦⑩〜庭園迷宮を駆け抜けろ
●怨念渦巻く城を突破せよ
「迷宮厄災戦の攻略は順調のようね。でも、無理は禁物よ? じゃあブリーフィングを開始するわね。今回は『ハートの女王が住んでいた城』よ」
早速、アヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)が説明を始める。
今回向かうハートの女王が住んでいた城……そこはかつてオウガ・オリジンの忠臣であったが、戯れに殺されてしまった『ハートの女王』の怨念が籠もった城だ。
「みんなの目的は怨念の影響で迷宮化した城内を突破する事にあるわ。全ての迷路を攻略すれば怨念は消え、先に進めるようになるんだけど……」
ここで一つ問題がある。
迷宮内には触れたものを城外に強制テレポートする『女王の石像』が、先へ進ませまいとばかりに辺りを巡回しているのだとか。
「石像そのものは弱いし一発で破壊出来るけど、何分数が多すぎるみたいなの。だから、相手をするより捕まらないように逃げ回るのが得策だと思うわ」
仮に破壊したとしても、またどこからともなく湧いて出てくる事から、石像を全滅させるのは不可能と考えた方がよさそうだ。
余程の事でもない限り、石像の破壊は極力避けた方がいいだろう。
「みんなに攻略してもらうエリアは城内の庭園よ。ここも迷宮化の影響で、かなり広くなってるようね」
庭園は背の高い生垣の迷路や噴水のある小広場、花壇のある通路などなど……様々な物が迷宮化した事で、複雑に入り乱れているようだ。
また、迷宮の上の方には見えない魔力のトラップが仕掛けられていて、空を飛んで楽して抜けると言う手段は通用しないとの事らしい。
そのため、正攻法で庭園迷宮を突破しなければならないようだ。
「石像に触れられないように進むのは難しそうだけど、上手く地形を生かして逃げ回ればきっと突破出来るはずよ。それじゃ、行ってらっしゃい!」
説明を終え、アヤカがゲートを開く。
この怨念渦巻く城を突破すれば、サー・ジャバウォックとオウガ・オリジンへの道は開ける……これはそのための第一歩だ。
果たして猟兵達は庭園迷宮を突破出来るのであろうか。
NS
はいどうも、NS(えぬえす)でございます。
迷宮厄災戦は順調のようですね。このままどんどん行きましょう。
それでは三本目のシナリオをお送りします、よろしくお願いします。
●目的
石像の追跡から逃げ回り、捕まる事なく庭園迷宮を突破する。
プレイングボーナスは『地形を利用して女王の石像と追いかけっこする』です。
庭園の状況はOPでアヤカが語った通りとなります。
空を飛ぶなどのプレイングは効果が無いものと考えて下さい。
上手く地形を生かすなどして、石像から逃げ回り庭園を抜けましょう。
●ご注意
本シナリオはクリアに必要な青丸が少なくなっています。
そのため、一定の人数が集まり次第プレイング受付を締め切る方針です。
今回は戦争シナリオにつき、なる早での完結を目標としております。
リプレイは出来るだけ早めにお返し出来ればと思います。
もし参加人数が多い場合、不採用も出る事を予めご了承の上でご参加下さい。
それでは、庭園迷宮の追いかけっこを制してください。
第1章 冒険
『女王の石像から逃げろ』
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POW : 女王の石像の集団に追いかけられながら、迷宮内をマラソンしつつ迷宮を探索する
SPD : 女王の石像に見つかる度に、全速力で振り切って安全を確保しつつ迷宮を探索する
WIZ : 女王の石像に見つからないように隠れ潜みながら迷宮を探索する
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●庭園迷宮入口にて
猟兵達はゲートを抜け、ハートの女王が住んでいた城へとやってきた。
城の庭園は主がいなくなった今も、昔と変わらず綺麗な姿のままだ。
当時と違うのは、現在ここが迷宮と化していて女王の怨念で動いている石像が闊歩する領域であると言うところだ。
複雑に入り組んだ自然の迷宮に、こちらを見つけると執拗に追いかけてくる無数の石像……猟兵達はいかに追跡の手をかわしつつ、ここを突破するのであろうか。
一向は覚悟を決めると、庭園迷宮の入口のゲートを潜る。
ここから先はいかに石像から逃げ回り、出口を抜けるのか。
各々の逃走テクニックが問われる事となるだろう。
さあ、迷宮を駆け抜けろ!
佐伯・晶
とりあえず相手をしてたらきりがないって事だよね
使い魔やドローンを先行させて
通路の先の様子を伺いつつ
さっさと通り抜けよう
接触を避けつつ走っていくけど
時にはワイヤーガンを地面に射出して
巻き戻して急加速したり方向転換したりして
石像を躱すよ
立ち塞がるようなら
ガトリングガンで粉砕
あまり強くはないみたいだし
範囲攻撃でまとめて倒そう
いざとなったら邪神の領域を使用
周囲の女王の石像の時間を停め
一気に駆け抜けよう
戦闘力を高める必要は薄いから
体の石化は気にならないと思うよ
綺麗な庭園だからこんな状況じゃなければ
ゆっくり散策するのに良さそうな場所なんだけど
この戦いが終わったらこの世界も
殺伐とした場所が減ってくれるのかな
●間隙を縫うように
「こっちに近付く石像は無しと。……え、向こうの曲がり角から石像?」
庭園迷宮に入った佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は、早々にドローンと使い魔を飛ばし、通路の先を偵察させていた。
庭園の上部に展開された魔力トラップの影響で一定の高度までしか飛ばす事が出来ないが、偵察出来る分の高さまで上げる事が出来たのは幸運だったと言えよう。
「っと、あのまま進んだら危ないところだったね」
使い魔からもたらされた情報を目の代わりとして、時には息を潜めて物陰に隠れるなどして石像をやり過ごしていく。
晶はこうする事で、(今のところは)順調に迷宮を進みつつあった。
「綺麗な庭園だから、こんな状況じゃなければゆっくり散策するのに良さそうな場所なんだけど」
周りを見渡せば、未だきれいなままの庭園が広がっている。
……女王は在りし日に、この庭園で何をしていたのだろうか?
もっとも、彼女がかつてオウガ・オリジンの忠臣であった事を思うと、きっとロクでもない事をしていた可能性の方が高そうだが。
「それにしてもどこまで進んだんだろう。結構行ったと思いたいけど」
引き続き偵察させつつ、入り組んだ自然の迷宮を進む晶。
歩を進め、見通しのいい小広場に差し掛かった辺りで前方から数体の石像がこちらにやってくるのを確認する。
「どうやら見つかったみたいだね。さすがにあの中を突破するのは……」
少し厳しいかな?
そう思った晶であったが、咄嗟に逃げの手を思い付きワイヤーガンを取り出すと地面に打ち込む。
そして迫ってきたギリギリのタイミングでワイヤーを巻き戻し、石像の足元をギリギリで潜り抜ける。
「!?」
石像もこれには予測出来ず、慌てて振り返るが晶の姿は遠のいていく。
慌てて追跡する石像は応援を呼ぶと、晶を追い詰めるべく連携を取る。
隙間を開けまいと、密集して石像が前からやってきた。
「立ち塞がるなら……」
駆け抜けながら晶は携行型ガトリングガンを扇状に放ち、石像を粉々に砕く。
そうしている間にも、石像は次第に晶を包囲しつつあった。
「四方八方から来る……でも、まだこの手があるよ」
ここで晶は『邪神の領域(スタグナント・フィールド)』を使う。
周囲の存在を停滞・固定させる神気で迫り来る石像の時間を停め、その間をひょいっと抜けていく。
代償として体の一部が封印により少しずつ石化していくが、足が無事ならなんとかなる。
こうして晶は庭園を突破する事に成功した。
「この戦いが終わったら、この世界も殺伐とした場所が減ってくれるのかな」
振り返って再度庭園を見た晶が呟く。
その時が来たら、ここを見て回りたい物だと思いながら。
大成功
🔵🔵🔵
水心子・静柄
迷路の道順で悩むだけ時間の無駄だから第六感と野生の勘を頼りにノータイムに判断して突き進むわ。ただ背の高い生垣があるなら錬成カミヤドリで複製した脇差を念力操作して足場にし生垣を登ってみるわ。越えられそうなら石像を回避する方法として、越えられなくても石像の位置の確認をするわ。あとは進んで前方に石像を発見したら回避する方法を考えるけど、回避出来ないなら複製した脇差を念力操作して足場にし石像を飛び越えていくわ。飛び越えるのが難しそうなら複製した脇差を足元に飛ばして足止めして前の分岐路まで後退し、違う道を進むわね。
●走れ、疾風のごとく
「聞いていた以上にここは広すぎるわね……」
水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は改めて庭園迷宮の広さを痛感しつつ、とにかく前に進んでいた。
「また行き止まり……っと、後ろから石像が来るようね」
振り返ると、石像がズシンズシンと足音を響かせながらこちらにやってくる。
静柄は追い込まれてしまい、早々にピンチかと思われるやもしれないが……
「よっ、と」
錬成カミヤドリで複製した自身の本体……脇差を生垣に何本も刺すと、それを足場にしてひょいひょいっと素早く駆け上がる。
まるで忍者のような身のこなしだ。
「ええと、あっちに石像が六体いるから進めないとして……向こうの方が安全に進めそうね」
駆け上がった生垣の上から迷宮内の様子を確認し、石像の少ないルートを見つけると飛び降りてそっちの方向へと駆け出す。
単純に野生の勘と第六感だけで進んでいる訳ではなく、自身の武器となる能力をフルに活用しながら進んでいく辺りはさすがと言うべきだろう。
「今度は前から来るようね。でも、この程度なら」
通路の前方からやってくる石像を見て、静柄は慌てる事なく行動に移る。
先程の錬成カミヤドリで複製した脇差を通路両脇の生垣の壁へと不規則に突き刺し、石像を引き付ける。
石像から伸ばされる両腕があと少しで彼女に届くと言う辺りで、静柄が飛んだ。
左、右、更に左。
三角飛びの要領で石像を翻弄し、そのまま頭上を飛び越えて駆け抜けていく。
時間にして僅か数秒の出来事だ。
「次は分かれ道か……なら、こっちね」
丁字路に差し掛かったところで、野生の勘に頼って左に曲がる。
少し進むと、今度は十字路が見えてきた。
「このまま真っすぐ!」
静柄は第六感を信じ、ひたすら突き進むと……やたら入り組んだ場所に出る。
「ここは……何だか嫌な予感がしそうね」
それでも進むしかないとばかりに駆け出すと、角を曲がったと同時に石像と鉢合わせになる。
……予感は的中したようだ。
「ッ!?」
咄嗟に静柄は複製した脇差を足元に飛ばし、今まさに自身を捕まえようとしていた石像の体勢を崩すと素早く反転。
すぐさま分岐路へと戻り別のルートを探す。
だが四方八方から新手の石像が次々と現れ、静柄を捕まえようとする。
「向こうも必死ね……けど、これだけ来ているのならもうすぐのはず!」
ここを進めば出口があると言う自分の野生の勘を信じ、進行ルート上に立ち塞がる石像へ脇差を飛ばして破壊し、敢えて強行突破する。
……そして、全力で駆け抜けた先には庭園出入口のゲートがあった。
どうやら正解のルートを引けたようだ。
「ふぅ、何とか抜ける事が出来たようね」
ここまで全力で駆け抜けた事もあってか、少し疲れた様子で静柄は一息つくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎
■行動
成程、庭園ですかぁ。
戦争が終わりましたら、ゆっくり観光しても良さそうですねぇ。
『上の方に罠が有る』のであれば、地上すれすれの低空飛行なら問題はなさそうですねぇ。
庭園に多い『足場』の問題や『スタミナ面』等へも対処出来ますから、【銀翼袍】を使用して低空飛行で突破しましょうかぁ。
此方は同時に「弱い認識阻害を伴う『崩壊の波動』」を放射出来ますから、発見される率を低下させつつ速度を生かして一気に抜けましょう。
発見された場合は、速度で振りきれそうなら加速、難しければ『崩壊の波動』に『F●S』3種の[砲撃]&[範囲攻撃]を合わせ、触れないように道を開いて進みますねぇ。
●低空飛行で切り開け
「成程、庭園ですかぁ。戦争が終わりましたら、ゆっくり観光しても良さそうですねぇ」
きれいな場所だ、と夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は思う。
既に主のいない城だ……戦争に勝利し、この世界が平和になったらここに来てのんびりしてみるのも悪くないだろう。
とは言え、そのためにはまず迷宮と化したこの地を突破せねばならないが。
「確か空は飛べない、と言ってましたねぇ。そうなると……」
少し考え、るこるは『豊乳女神の加護・銀翼袍(チチガミサマノカゴ・ギンヨクノショウゾク)』を使うと女神の衣を纏った姿に変身する。
飛翔能力を得るこのユーベルコードだが、この地で空を飛ぶ事は出来ない。
そう出撃前のブリーフィングで言われたのだが……
「さあ、進みましょう」
るこるは『地上スレスレの低空飛行』で進み出す。
……そう、飛ぶは飛ぶでも『低空飛行』ならば問題ないとるこるは踏んだのだ。
歩くよりもスタミナを消費しない、更に庭園の地形に足を取られる事もないと言う二つの利点も大きいと言えるだろう。
こうして、るこるも庭園迷宮の攻略を開始するのであった。
るこるの横を石像が素通りするように通り過ぎていく。
本来であれば視界に入った時点で発見され、追いかけられてしまうはずだが……
「行ったようですねぇ。それでは、今の内にっと……」
何事も無かったかのように通過した石像を見送ると、るこるは素早く移動する。
何故、彼女が見つからなかったのかは発動した銀翼袍に答えがあった。
戦場の敵全てに弱い『認識阻害を伴う、強力な『崩壊の波動』を放ち続けるのが理由であり、これのおかげで石像に発見される率は大幅に減少していたのだ。
こうなれば後は出口を探すだけである……が。
「あれ、こっちはさっき通りましたよね?」
るこるが右往左往する。
……今更説明するまでもないが、この迷宮はやたらと広い。
その上、石像があちこちうろついているのだから面倒である。
「うーん……ちょっとだけならいいですよね?」
このままでは埒が明かないとばかりに、るこるはFRSで生垣の壁を吹き飛ばす。
すると道が開けたのは良かったが……音を聞き付け石像が押し寄せてきた。
「あぁー! や、やっちゃいましたぁー!」
るこるは続々とやってくる石像から必死に逃げ回る。
出来れば庭園を傷付けたくは無かったが、こうなってしまったら仕方ない。
浮遊武装で生垣をブチ破り、立ち塞がる石像を破壊しながら強行突破していく。
……それがどれだけ続いたかは分からないが、るこるはいつの間にか庭園迷宮を突破していたようだ。
「ちょっとやりすぎちゃった気もしますが……み、見なかった事にしましょう」
庭園が荒れてしまったのを見て、るこるはそそくさと脱出するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
オル・フィラ
迷路の攻略だけでも大変なのに、追跡者付きですか
怨念とは恐ろしいものですね
逃げ足には自信がありますが、多勢を振り切るのは難しそうです
見つかっていない、または追ってくる石像の数が少ない内は、探索速度重視で進みます
石像の数が増えてきたら一旦、庭園内の小広場へ誘導し石像達を集めてしまいます
ある程度引き付けたら狭い通路へ進み、私を追える石像を減らしてから探索を再開します
【泥流弾】を使うのは追い詰められる危険が迫った時だけです
いつまでも追われ続けるわけにはいきません
こんな時こそ勘を頼りに、出口を見つけ出しましょう
●エスケープ・フロム・ガーデンラビリンス
ズシン、ズシンと足音を立てて庭園迷宮をまっすぐ進む影があった。
「……」
息を潜め、オル・フィラ(Rusalka・f27718)が隠れている。
生垣の壁を隔てた先にいる巨影は女王の石像。
死した女王の怨念で動く、魂の無い防衛装置だ。
奴は進路上に侵入者を発見すれば、即座に得物を追いかけるハンターと化す。
それは獲物を捕らえるか、獲物が迷宮から脱するか、或いは石像自身が破壊されるまで続くのだ。
「行ったようですね」
石像が通り過ぎたあと、ゆっくりと顔を出して周囲を確認する。
少なくともこの周辺に石像が通りかかる事はほとんどないと把握済であるため、数少ない半安全地帯のようだ。
「迷路の攻略だけでも大変なのに、追跡者付きですか。怨念とは恐ろしいものですね」
呟きつつも、オルは探索を早足で進めていく。
既に迷宮に入ってある程度の時間は過ぎたが、体力面では割と自信があるようなのか疲れた様子は今のところ見られない。
(まだ見つかっていないにせよ、そろそろ警戒も厳重になるはずです。そうなった場合の事も考えつつ行かなければ)
冷静に、かつ慎重に行く事を心掛けつつ、更なる探索を進めていく……
オルの予測は的中した。
一定のエリアを超えた辺りから巡回が増え、警戒も厳重となっていたのだ。
さすがにこれでは隠れきるのは難しい。
そう判断した彼女は一瞬の隙を突いて、石像から逃げる手に切り替える。
「石像の数は……増えていますね。振り切るのは難しそうです」
チラリと振り返り、追ってくる石像の数を確認する。
どうやら一度こちらを発見すると、近くにいる石像が反応するようになっているらしく、連鎖反応で追跡する数が増えるようだ。
何とも厄介な物だと思いつつも、オルは一度小広場の方へと誘導する。
噴水と花壇のある小広場に入ると、繋がっている通路のあちこちから石像が殺到してくるのが見えた。
「どこにこんな数が……ですが狙い通りです」
石像の間をパルクールのような前転で潜り抜けると、すぐさま目を付けていた通路へと走る。
そこは人が一人通れるだけのサイズで、石像は体の大きさから入れない場所。
振り返れば、どうにか通路に入り込もうとして入れない石像達が詰まっていた。
オルは上手く逃げ道を使って振り切ると、勘を頼りに更に出口を探していく。
……それから暫くすると、遠くにゲートのある広い通路が見えてきた。
「あそこに石像が見えると言う事は、おそらく出口でしょうか」
ならば話は早い。
MUD-CPを構え、走りながらオルは『泥流弾(マッド・フロウ)』を放つ。
胸部を貫いた弾丸は石像を完膚なきにまで破壊し、その横を通り抜けゲートを素早く抜ける。
「石像がこっちに来ない、と言う事は突破出来たようですね」
オルはMUD-CPを収め、警戒態勢を解く。
スリリングな追跡劇は彼女の勝利で終わったようだ。
大成功
🔵🔵🔵
ルパート・ブラックスミス
ニクス(爆槍フェニックス)を先行偵察させ【情報収集】し
自身の周囲は兆しの鈴の報せ(【第六感】)を頼りに進もう。
進行ルート上、避けれない位置に女王の石像がいた場合は
UC【錬成カミヤドリ】による複製鎧を展開。
まだ見つかっていないなら囮として都合の良い方に【おびき寄せ】、
既に捕捉されている場合は体当たりだ。
石像に触れる以上、破壊できても強制テレポートされる【捨て身の一撃】になるが…なに、80騎ほど有るのだ。迷宮突破までは保つだろう。
三次元的に要警戒であるならば頭数も足らなくなったやもだが、
迷宮のトラップのおかげで頭上注意の必要もなし。
鎧のヤドリガミの強み、存分に活用し進もう。
【アドリブ歓迎】
●大囮作戦
「戻ったか、ニクス。……ふむ、ここから西は巡回が二体、東は四体か」
ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)の伸ばした右腕に青いヨタカが停まる。
因みにこのヨタカは愛用武器である爆槍フェニックスが変身した姿であり、迷宮内を偵察する事で情報収集を行っていたようだ。
迷宮に仕掛けられた魔力トラップの都合上、迷宮そのものを一望出来るだけの高度は取れないものの、生垣の迷路の一部を確認する事が出来るだけの高さまでなら飛べるようだ。
「ならば西に行くのが得策だな。では引き続き、斥候の方を頼むぞ」
ニクスに命じ、再度偵察に飛ばすルパート。
事前の情報収集のおかげもあって、現時点での探索は順調だ。
「しかし、女王の怨念か……」
ルパートはふと、出撃前に聞いた女王の話を思い出す。
ただの戯れで殺されてしまったのは、あまりにも理不尽な死に方であったのは想像に難くない。
「今の自分に出来る事は、早急にこの城を攻略し怨念を晴らすと同時にオウガ・オリジンへの道を拓くのみ……」
もっともオウガ・オリジンに仕えていた以上、アリスの命を多く奪ってきたのは間違いないだろうし、その悪人の怨念を晴らすと言うのも少し気が引ける。
だが、今はこの世界を救うために黒き鎧のヤドリガミは迷宮を往くのだ。
……ズシンズシンと石像が侵入者である漆黒の鎧を発見し、追いかける。
更に別の石像も連動し、複数で追跡を行う。
このままでは捕まってしまうのも時間の問題である……が、その石像達が通り過ぎた後でルパートの姿がひょこっと現れた。
「よし、今の内だな」
周囲を確認すると、素早く通路を駆け抜けていく。
因みに先程追われていたのは、錬成カミヤドリで複製したルパートの本体……即ち漆黒の鎧である。
それを念力で動かし、石像をおびき寄せると言うユーベルコードの有効利用を行っていたと言う訳だ。
使える数に限りはあるが、80体もあれば十分すぎると言える。
……今頃、城の外には抜け殻となった鎧が転がっている事だろう。
「どうだ、ニクス? ……なに、この先に通路を塞ぐ石像が?」
ニクスによる偵察結果を聞くとルパートの進む先には石像がおり、こちらに気付くと駆け寄ってくる。
排除せねば進めないのは明白だ。
「このユーベルコードには、こう言う使い方もある……!」
ルパートが複製鎧を即座に捨て身の一撃として体当たりさせる。
激しい激突音で石像が砕け散ると同時に、鎧が光に包まれシュンと消え去った。
「なるほど、こうなるか。数に限りがあるとは言え、迷宮突破までは保つだろう」
複製鎧は囮や石像破壊に使う分にはまだまだ余裕がある。
ニクスの偵察も含めた万全の策で進むルパートに死角は無く、最終的に複製鎧の四分の三を消費した辺りで無事に出口である庭園のゲートに辿り着く事が出来たのであった。
大成功
🔵🔵🔵
テラ・ウィンディア
追跡を逃れつつ迷宮を突破
迷路だけでも難しいのに中々面白い事してくれるな
上等っ!名探偵の知的な突破を見せてやる!
【戦闘知識】で周囲の状況と石像の動きの把握
特に利用できる地形とかは確認だ
モードグランディア発動
この場合は飛行状態だけど迷宮の上を飛ばなければいいよな(地面すれすれ
【見切り・第六感・残像】も駆使して石像の動きを見切り
追い込まれたり囲まれないような位置取りを意識しながら突破していく!
それでも尚前に回り込まれて突破できない時は
………(グラビティバスターエネルギー装填
【一斉放射】でどかーん!
…よし
おれの燃え盛る脳細胞が導き出す道はこっちだ!
(何事もなかったことにして猛ダッシュ!!!
●最後に行きつくのは……
「追跡を逃れつつ迷宮を突破……迷路だけでも難しいのに中々面白い事してくれるな。上等っ! 名探偵の知的な突破を見せてやる!」
テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)がやたらやる気を燃やしている。
名探偵と自称はしているものの、以前のカクリヨファンタズムの事件に関わった時は滅茶苦茶な事になっていたような気がするが……
「まず名探偵たるもの、周囲の状況と石像の動きは把握しないとだな!」
テラは意外にも慎重な様子で自分の周辺を観察しつつ、耳を澄ませて石像の足音を確認しルートを予測する。
地形の方は自分が隠れられそうな細い通路、通り抜けられそうな穴などのチェックも忘れない。
さすがに前回の事を反省したのか、なかなかそれらしい立ち回りである。
「よし大体分かった。後は様子を見つつ駆け抜けていく……完璧だな、おれ!」
自信満々の様子でテラは『モード・グランディア(モードグランディア)』を発動し、地面から浮かび上がる低空飛行モードに移る。
この状態で突っ走ると、猛スピードで生垣の壁などに激突してしまうのは避けられないため、移動の際には大幅に速度を落とす必要はあるのだが。
果たしてテラは最後まで名探偵らしく動けるのであろうか?
「……おっと、石像の足音が近いな。ここは一旦停止して様子見だ」
ピタリと歩を止め、テラが生垣の壁に背を付ける。
真横で石像の足音が聞こえると、次第にその音が遠ざかっていく。
……どうやら行ったようだ。
「あいつはこの近くをうろうろしているみたいだな。だとすれば、そろそろこの辺りを抜けて先に……へ?」
ふと、テラの姿を大きな影が覆う。
顔を上げれば、そこには……
「あ、ども……石像さん」
なんと音もなく、突然石像が現れたではないか。
確か出撃前に『石像はどこからともなく湧いてくる』と言う話を聞いたはずだが……まさかここがリスポーン地点だったとでも言うのだろうか?
「……逃げるッ!」
反射的に脱兎のごとくテラがその場から逃げ出す。
その数瞬後、テラのいた場所に石像の手が伸びていた……間一髪!
「くそぉ、いきなり現れるなんて聞いてないぞぉ!」
ついに追われる立場となって、愚痴りつつも地上を滑るように駆け出す。
石像は連携し、その数を増やす事で追跡の手を強める。
四方八方から迫る石像を前にテラは追い詰められつつあるのを感じていた。
それでも石像の動きを第六感で見切り、時には残像で翻弄しつつ囲まれないように立ち回っていく。
「よーし、ここまで来れば……げ、回り込まれた!?」
もう少しで逃げ切れると言う時に、前方を塞ぐように石像の姿が。
これはいよいよもってピンチか!?
「この、吹き飛べぇーッ!」
最早なりふり構っていられないとばかりに、テラは星霊重力砲『グラビティ・バスター』のエネルギーを緊急充填し、ブッ放す。
石像が一瞬で粉砕されると、周囲の生垣も大きな穴が開く。
「……よし、おれの燃え盛る脳細胞が導き出す道はこっちだ!」
それを見なかった事にし、テラは猛ダッシュで駆け抜けていった。
……結局、名探偵らしい立ち回りは忘却の彼方へ追いやられてしまったが最終的にテラは石像の群れを躱して庭園より脱出に成功。
このエリアに挑んだ猟兵達は全員、攻略を完了したのであった。
大成功
🔵🔵🔵