6
噂の廃ホテルの怪

#UDCアース

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース


0




●『潜む悪意の犠牲』
 夜の闇が包み込む石畳の道を、数人の若い男女グループが手にした懐中電灯の明かりを頼りに歩いていた。カツカツと言う足音が響く。しかし、彼らの表情はまるで冒険する子供たちのようだった。
「ふ、冬に肝試しって、どうなのって、思ったけど。これはこれで雰囲気がでていいかもな。」
 男の一人がそういって目の前に立つ廃墟の扉を開き、中へ足を踏み入れる。
「で、でも。やばそうじゃない?ね、ねぇ。本当に行くの?」
 女がおびえた声色で先を行く男を止めようとする。しかし、
「ミカ、もしかしてオバケとか信じるタイプ?大丈夫だって、そんなのいないいない!」
「そうそう、肝試しっていうのは雰囲気を楽しむものなんだから。」
 ミカ、と呼ばれた女を置いて他の男女も次々と廃墟に入っていく。
「あっ、ちょっとまってよ!わ、私も行くから置いてかないで!」
 置いて行かれるのは心細いと思ったのか、ミカも慌てて廃墟の扉をくぐった。
 ひゅう、と一陣の風が吹く。廃墟の扉は風に煽られ、軋む音を派手に響かせながら閉じた。

●『内気なグリモア猟兵』
「UDCアースで、じ、事件が、起きて、しまいます。」
 呼びかけに集まった猟兵に、どもりながらも必死に予知した内容を伝えるグリモア猟兵、キケ・トレグローサ(たった一人の流浪の楽団・f00665)。彼なりに努力しているようだが、視線をあちこちに彷徨わせている様子は、見ている方まで不安になってくる。
「せ、説明、す、するね。」
 すっ。っと大きく息を吸い込むキケ。それをきっかけに彼の中で気持ちの切り替えがあったのか、胸をはり、堂々とした雰囲気に変わった。
「UDCアースの田舎にある廃ホテルが今回、事件が起きる現場になる。昔はリゾートホテルだったみたいだけど、今は客足も途絶えて久しいみたい。周囲は森で囲まれていて、一番近い町も数キロは離れてる。・・・なんでこんな所にホテルを作ったんだろうね。」
 ふっ、と疑問に思ったことを口にしてしまうキケだが、それほど交通の便が悪い所に件の廃ホテルがある、ということだ。キケが用意した周辺地図を見た猟兵の何人かも、同様の疑問を抱いたに違いないだろう。
「えっと、でもね、この廃ホテルは数年前から別の意味で人気が出たんだ。その・・・心霊スポットとして、ね。でも、この人気は事件とは関係ない、と思うよ。ホテルの説明はこんな感じかな・・・。」
 キケの説明では心霊の噂がUDCの正体ではない、ということになる。では一体何が事件なのか。
「心霊スポットは問題じゃないなら、何が事件なのかっていうとね。数年間、心霊スポットとして人気があったこの廃ホテルなんだけど、数か月前から本当に行方不明になる人が出始めたんだ。その行方不明事件の犯人がUDCだよ。」
 心霊スポットを隠れ蓑にして人間を襲うUDC、と言うわけだ。
「調査の方法だけど・・・UDCについての知ってる人は少ないかもしれないけど、聞き込みが無意味ってことはないと思う。UDC組織が乗り物を出してくれるから一番近い町に聞き込みに行っても問題はないかな。それと、やっぱり廃ホテルの内部を探索するのも大事だと思う・・・必要なものがあればUDC組織が用意してくれるはずだから、遠慮せずに言ってね。」
 聞き込みか、廃ホテルを調査するか。猟兵たちは自身の能力と照らし合わせて行動を決める必要がある、と言うことだ。もちろん、新たな方法を考え付く猟兵もいるだろう。
「UDCが起こした事件をきっかけに、廃ホテルの心霊スポットの噂は更に広がり始めている。ただの噂なら問題ないんだけど、これは人の命に関わる事件だ。何としても止めてほしい。それに、UDCがいるということは邪神を崇める邪教も何か関わってるはず。僕もできる限りのサポートをするから、これ以上の被害が出る前に、この事件を終わらせよう。」

 キケが締めくくると猟兵たちは自分たちの支度に向かった。その背中を見届けて、キケは一人大きくため息をつく。
「はぁ~。き、きんちょうしたぁ~。」
 内気な彼に、よく頑張った、と彼の中にいる兄弟たちが労っていた。


Yggd
 お初目にかかりますYggdと言います。この度マスター業務を務めさせていただくことになりました以後お見知り置きを。
 さて、UDCアースで事件が起きてしまいましたね。廃ホテルを舞台としてUDCを捜索して頂くわけですが、UDCがいるところに邪教あり、奴らもこの廃ホテルで何らかの活動を行っているはずです。UDCを撃破し奴らの目論見をうち砕いてやりましょう。
 1章は冒険パートになるわけですが、舞台は事件とは無関係なころから心霊スポットとして有名だった廃ホテル。雰囲気十分。しかも、正体不明のUDCがいるというグリモア猟兵のお墨付き。私だったら絶対行きたくないですね。怖すぎです。強がってもよし、おびえてもよし、キャラクタの個性を如何なく発揮しちゃってください。続く章で発見したUDCや邪教と戦って事件解決!
 プレイングに関して、アドリブや絡めは積極的に行っていきたいと思います。自分の力量でできる範囲で・・・。なので、そういうのが嫌だ!と、言う方はお手数ですがプレイング内にその旨を記載してください。特定のキャラクタと同行したい場合は相手様のお名前だけでいいのでプレイング内に記載してください。可能な限り反映させたいと思います。
 長くなりましたが、廃ホテルでの冒険。振るってご参加ください。力の入ったプレイングをお待ちしております。
19




第1章 冒険 『都市伝説の影に潜むUDCを調査せよ』

POW   :    実際に現場を調べてみる

SPD   :    近所で聞き込み調査

WIZ   :    噂の出どころから探ってみる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

波狼・拓哉
ふむふむ、廃ホテルね・・・なんで潰してないのとかは聞いちゃ行けない話なんだろうなぁ。
さてと探偵やってる身としてはやっぱり聞き込みかな。んー大学生辺りがやっぱりよく知ってると思うんだけどなぁ。近くに大学でもあればいいんだけど。
後はネットや新聞記事から情報収集。眉唾物が多いだろうけどないよりはマシだろう。ホテルの図面とか出てこねぇかなぁ・・・



 田舎の山道を登る車の車内。UDC組織から派遣された男は若い猟兵を廃ホテルから近い町へを送り届けていた。
「ふむふむ、廃ホテルね・・・なんで潰してないんだろ」
後部座席に座る猟兵、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)はUDC組織から渡された資料を眺めながら疑問を口にする。
「いろいろ理由はあると思いますが・・・取り壊しにも金がかかるんですわ。一番いいのは建物ごと買い手がつくことなんですが・・・あんな場所じゃ売れるわけもなく、かといって資産なんで行政も手が出せず、そのまんま、と」
 ハンドルを握るUDC組織の男が答える。
「さて、着きましたよ。廃ホテルからはずいぶん離れてますが、良いんですか?」
 運転手が車を止め拓哉に声をかける。
「ええ、探偵をやっている身としては聞き込みが基本ですから。」
 車を降りながら拓哉はそう答えた。

「んー。心霊スポットの噂だと、若者、大学生辺りが知ってると思うんだけどな…さて、どうやって聞き出すか・・・」
 考えた末、多少ベタではあるが、旅行者を装い学生に道を尋ねる振りをして情報を聞き出す作戦に出る。
「ちょっと道を聞いてもいいかな・・・このあたりに廃ホテルがあるって聞いたんだけど。詳しい道がわからなくて」
 そう拓哉が声をかけたのは大学周辺を歩いていた若い男女。彼らは拓哉に対しやや怪訝な顔をしながらも、親切に廃ホテルまでの道のりを教えてくれる。
「でも、肝試しですか?危ないですよ・・・本当に行方不明になった人もいるって話ですし・・・。」
 女子の方が拓哉を心配するように付け加えた。
「あ、安心して。僕は肝試しをしに行くわけじゃなくて、仕事であの辺りを調査するんだ。」
 拓哉が猟兵の都合を誤魔化しながら伝えると、女子はなぜか納得するような仕草を返す。
「あ、もしかして最近あのホテルに向かうトラックが走ってたのってその調査ですか?」
「え?あ、うん。そうそう。そのトラックと合流したくて・・・どのあたりで見たか教えてくれる?」
 女子が言うには、町からホテル寄りの森の中で実習している時に廃ホテルの方向に走るトラックを見かけた、と言う。拓哉は男女に礼を言うとその場を離れ思考する。
(UDC組織の資料には『トラックを走らせた』なんて書いてなかった。とすると、邪教側のトラック?邪教は例の廃ホテルに何かを運び込んだのか?)
 未だ予測の域を出ないが、邪教が暗躍している可能性は確実に強まったな、と拓哉は眉を顰めUDC組織への連絡に向かった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

トレイシー・ノックス
【POW】
ホント、なんでこんな不便なところにホテルなんか作ったのかしら?
その理由も事件に関係があるのかも……考え過ぎなら、それでいいのだけどね。

ホテルの周辺の地理を実際に見て回って調べて、UDCや邪教に関わる何かが無いか探ってみるわ。
可能なら事前にUDC組織の人に頼んで、周辺の地形図を用意してもらいたいわね。
【地形の利用】の経験も利用して、人目につかずに人を攫えそうな場所、あとは儀式に使えそうな開けた場所なんかが怪しいかしら。

周辺の調査が空ぶりなら、事件はホテルの中でだけ起きていると考えられる。
行方不明者も生きていればホテル内にいるということにもなるし、その情報だけでも得られれば儲けものね。



「はい・・・はい・・・分かりました。トレイシーさん。仲間の方からの報告があります」
 山中を走るUDC組織の車内。無線を受けたUDC組織の運転手が後部座席に座る赤髪の猟兵、トレイシー・ノックス(インドア狩人・f06024)に声をかける。
「邪教側が廃ホテルに何かを運び込んだ可能性が出てきたみたいです。現地ではその点についても調査して下さい」
 運転手は無線で受けた内容を簡潔にトレイシーに伝える。
「分かったよ。それにしても。」
 と、トレイシーは車窓を流れる景色を眺める。
「なんでこんな不便なところにホテルなんか作ったのかしら?」
「ホテルが建設された当時はここをレジャーリゾートにしようとする動きがあったみたいですよ。ホテルを建てた段階で、計画を推し進めていた企業が突然破産。計画も白紙になって放置されたようです。」
トレイシーの疑問に運転手が答える。
「さて、もう間もなく廃ホテルに着きますが、このまま車でつけてしまって構いませんか?」
 運転手が尋ねる。トレイシーはわずかに思考しホテルより手前の森で車を降りる、と答えた。運転手は指示通りに車を路肩に止めトレイシーを降ろす。
「ホテルに乗り込む前に周辺の地形は把握しておいた方がいいよね」
 自身の狩人としての才能を活かすにはやはり、狩りと同じ自然の中の調査が良いと判断し、森の中へ足を踏み込むトレイシー。UDC組織から支給された周辺の地形図などの資料と照らし合わせながら廃ホテルを周辺の森を探索する。
 廃ホテルがあるのは周囲を小高い丘に囲まれた窪地の底に当たる場所だった。お椀型の地形で丘を越えれば平らな土地が続く。確かに大規模なレジャー施設の建設には向いていた地形だが、それは同時に木々さえ取り除けば、すぐに広い場所を確保することができるということでもあった。また、木々は鬱蒼として視界は悪い。地図を見る限り廃ホテルと町を繋ぐ道以外、整備された道もないようだ。
「場所はあって人目はない。なるほど、邪教には願ってもない土地ってわけね」
資料と自分の感覚で廃ホテル周辺の地形を確認し終えたトレイシーは道路に戻ろうと森を引き返し始める。が、トレイシーは自身の視界に違和感を感じ足を止めた。
「あら?これは・・・轍?こんな森の中に?」
 トレイシーが目を向けたのは地面。そこには微かにだが、草木を踏みつけるような車輪の跡が残っていた。それも最近のものだ。
「邪教がホテルに何かを運び込んだ、か。どうやら本当みたいね。あとを追ってみましょうか」
 トレイシーは地面に刻まれた轍を追い。そして、たどり着いたのが、
「事件はホテルの中で起きている。間違いないわね。」
 陰鬱な雰囲気を醸し出す廃ホテルだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ガルディエ・ワールレイド
寂れたホテルっつうのは、こんな雰囲気になるのか。
普段、暮らしてるホテル(所属旅団)とは大違いだな。

此処も本来は人をもてなす場所だったろうに。
そんな場所で好き放題やってる落とし前はつけさせねぇとな。

◆行動
【POW】実際に現場を調べてみる

懐中電灯を持って正面から入り、心霊スポットを見に来た一般人という感じで探索するぜ。
あっちから接触(襲撃)してくるならそれでOKだし、来ないなら堂々と探索するだけだ。

埃の溜まり具合、血痕、最近になって散らかったと思しき物品などの痕跡を探して、人の出入りの様子や争った(一般人が襲われた)形跡が無いかを探るぜ。

仮に一般人を見つけた場合は最優先で助けに入り、脱出させるぜ。


クロ・ネコノ
心霊スポットの廃ホテルで行方不明、UDC絡みだから邪教も関わってる、とりあえずの情報はこれ位かな?
聞き込みって手もあるけど、私には現地調査の方が向いてる、ホテルに行こうか。

【ゴム体質】[地形の利用][目立たない][忍び足][聞き耳]
どこから見られてるか分からないし素直に正面玄関から入る必要もないね、どこか開いてる窓を探して忍び込むよ。
【ゴム体質】で身体を柔らかくして物の陰に隠れつつ、目立たないように移動しながら聞き耳を立てて調べていこう。

心霊現象はUDC関係ないらしいけど、夜ならともかく日の出てる内なら別に気にならないよね。
…むしろ忍んでる私を見て心霊現象か何かだと勘違いされないかが心配だよ。


ジェット・ラトリオック
【POW】
ホテル内部へと直接侵入して痕跡が残っていないか調査を行う。
いなくなった、誘拐されたであろう場所をある程度見つけられると良いが。
調査時は細心の注意を払うとも。

誰かを発見した場合、対話を試みる。事前に脅威であるかどうかは目星をつけておく。
抵抗、逃亡する場合は力技で拘束。
こんな場所にいるのは、猟兵か、民間人か、それ以外の敵だけだ。容赦はしないとも。
拘束具も拷問具も、十分な数を所持して来ている。情報を引き出す分には問題ないだろう。


エルデラント・ズィーマ
心霊の類ですか……異種族だらけの猟兵ですからなんというか今更ですよね
取り敢えず直接乗り込むとしましょう。木を隠すなら森の中、UDCを隠すなら現場の中、です
ワタシには左眼の義眼があります。邪教の類が関わっているのであればホテルにそれ用の部屋を用意してる可能性もありますし、心霊そのものを捉えることが出来ればそれも手掛かりになるかもですね
推理、憶測、ワタシは生憎そういうのは苦手というか考えてて途中で忘れてしまうので同行者がいればその方にお任せちゃいます



 トレイシーが森林を調査している頃、廃ホテルの正面に四人の猟兵が集結していた。
「寂れたホテルっつうのは、こんな雰囲気になるもんなのか」
 一人呟き辺りを見渡すのはガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)。自ら騎士を名乗る漆黒の髪の猟兵だ。彼はとあるホテルによく行ってるが、目の前にある廃ホテルは比べ物にならない。廃ホテルは不気味で陰鬱な雰囲気を纏っていた。ガルディエ達が立っているのは嘗て車寄せとして作られた場所。ホテルの周囲は膝丈まで茂みが生い茂っているのだが、この石畳の車寄せには背の高い草はあまり生えていない。
「単純に草が育ちにくいだけか?」
「人の出入りがある、と考えたほうがいいかもしれませんよ。ほら」
ガルディエの疑問に答えた猟兵、緑髪で体の半分以上が機械に置き換わったサイボーグのエルデラント・ズィーマ(ロストメモリーズ・f02581)が石畳の上を指さす。
「わずかですがゴムが摩擦した跡があります。しかも、複数。どうやら、えっと・・・ここ・・・なんでしたっけ?」
 エルデラントは左目の機械化した義眼、サイバーアイは肉眼では感知できない痕跡を見つけ出し、解析する。しかし、その代償として彼女は自身の記憶を失い続ける。今も決してふざけているのではなく、言いたいことが本当に思いだせないのだ。
「ここがそれほど心霊スポットとしての人気なのか、それとも邪教が出入りが激しいか。どっちかのせいでタイヤ痕が残ってるってこと?」
 引き継いだのはクロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)。猫のような耳と尻尾をもつバーチャルキャラクターだ。
「ああ、そう、心霊スポットでしたね。クロさんの言う通りです。警戒するに越したことは、ないでしょう。」
「言われなくても、調査時は細心の注意を払うとも。」
 バケツをひっくり返したような鉄兜をかぶった大男が口を挟む。UDC組織にしながら猟兵として活動するジェット・ラトリオック(黒玉の蛸・f01121)は淡々とエルデラントの忠告を受け止めると正面扉を開いた。正面の扉を開けるときぃぃ・・・と悲鳴のような音が鳴った。
「素直に正面玄関から入る必要もないよね、私はどこか開いてる窓を探して忍び込むよ。」
 クロは正面玄関を潜ろうとする猟兵たちにそう告げる。
「それもそうですね。では、二手に分かれましょうか。そちらの方が探索の効率もいいですし。」
 エルデラントの提案により四人は二人ずつに分かれることにする。正面から入り一階を探索するのはジェットとガルディエ。窓から侵入し二階より上、客室を探索するのがクロとエルデラント。四人は頷くと廃ホテルの調査を開始した。

 廃ホテルのエントランスはぼろぼろになった赤絨毯が敷かれ天井も半ば崩落している。
「さぁ、来るなら来やがれ」
 ガルディエがつぶやく。ジェットは無言だが周囲を警戒し、視線を飛ばしている。懐中電灯で照らされたエントランスを調査する二人。
「埃はあんまり溜まってる感じがしねぇな・・・やっぱり人の出入りがある、っつうことか。」
 ガルディエが足元に目をやっても降り積もった埃はない。それどころか何人いや、何十人分と思われるほど大量の足跡が男女問わず残ってる。
「こいつは・・・一般人か邪教か足跡じゃ判断つかねぇな」
「おい、こっちに来てみろ。静かにな・・・」
 足跡を観察していたガルディエをジェットが呼ぶ。彼はレストランの扉の前に立っている。
「何かあっ・・・」
 ガルディエがジェットに声をかけようとするも、ジェットが口に手を当ててやめるよう合図する。訝しむガルディエ。だが、黙ったことで彼の耳にも微かな物音が聞こえるようになる。
「誰かいるのか?」
 ガルディエはジェットに小声で尋ねる。
「聞こえたか。何がいるかは分からん。獣か一般人か邪教徒かそれとも・・・」
 オブリビオンか。二人は己の得物に手をかけながらレストランの扉を蹴り破った。

「潜入完了!っとさて、ここからどこを探そうかな?」
 体がゴムのように伸びるクロはその伸縮性を活かし廃ホテルの二階へと潜入する。
「あの、降ろしていただいても、よろしいですか。」
 伸縮する腕にグルグル巻きにしてもらい、共に二階へ侵入したエルデラントが苦しそうに声をかけると、クロは慌てて自分の腕を元に戻してエルデラントを開放する。
「ありがとうございます。では、調査開始ですね。」
 侵入した窓は客室の窓だった。エルデラントの義眼が素早くボロボロ客室を見渡し、人がいた痕跡を探し出す。
「床が所々脆くなっていますね、気を付けて歩きましょう・・・足跡もあちこちにありますね…いずれも成人のもの。男女どちらのものもありますね・・・この部屋にはそれ以外の痕跡は特には・・・次に行きましょうか」
 エルデラントは義眼による解析を終えると客間の扉を開き廊下へ。
「廊下にも大量の足跡がありますね・・・心霊スポットとしての人気はよほどのものだったのでしょう・・・それと、何か重いものを引きずった跡があります。追跡してみましょう。」
 淡々と事務的に義眼による解析をこなすエルデラントは次々と痕跡を発見し迷うことなく廃ホテルを進んでいく。
「エルデラントさん、すっごい・・・私は敵が来ないか私は警戒しておくね」
「ええ、お願いします」
 自然と役割分担が成立する二人。エルデラントは廊下の引きずり跡を追って歩き出し、その後ろをクロが警戒しながら追う。やがて二人は一つの客室へとたどり着く。
「ここは、他の客室よりも綺麗だね。窓も割れてないよ」
 クロが指摘した通り他の客室よりもずいぶん状態がいい。クロスは剥がれクローゼットの扉はどこかへ行っているものの、それ以外の家具は十分に機能しそうだ。
「この部屋・・・最近まで使われていたようです。詳しく調べてみましょう」
 エルデラントは客室にあった机の引き出しを勢いよく開き始める。
「見つけましたよ・・・焼いて処分しようとしたようですが。何枚もの書類にまとめて火を点けただけだったのでしょう。まだ読める部分が残っています」
 引き出しが金属製だったのも幸いしたのだろう。引き出しの中には一部焦げた書類が入っていた。
「クロさん、あなたも読んでください。私では忘れてしまうかも・・・むぐっ」
 振り返りクロに書類を見せようとするエルデラントだが、その口はクロの手によって塞がれる。エルデラントを黙らせたクロは足音を立てずに客室の入り口に向かう。そして機を待って廊下へと飛び出した!
「誰っ!」
 廊下に飛び出したクロは伸縮する腕で廊下にいた男の襟首をつかみ引き寄せる。男は若く20歳前半くらいに見えた。

 レストランに突入したジェットとガルディエもまた、一人の若者と出会っていた。
「な、なんだよあんたたちは。俺はここで肝試ししようと思って下見に来てるだけだぜ・・・ピリピリして・・・なんかあったのか?」
 若者は突撃してきた二人に驚き一歩後ろに下がる。
「一般人?」
ガルディエは武器から手を放す。
「いや、嘘ついてるかもしれない」
一方で得物から手を離さないジェット。断割鉈という彼の手にした大鉈が鈍い光を発すると、若者は顔を歩くする。
「な、なにそれ、ぼぼぼ、暴力反対だよ!わ、悪かったから、勝手に建物に入ったのは謝るから、ね!見逃して下さい!ききき、肝試しにも来ないから!さ?」
 若者の必死の命乞いにジェットも敵ではないと判断したのか、ようやく鉈から手を放す。それだけで若者は大きく胸をなでおろした。
「そ、それじゃぁ。僕らは帰りますね・・・」
「僕ら?あんた一人じゃないのか」
 若者の何気ない一言にガルディエが反応する。
「え、うん。3人で来てて、手分けして下見してるんだけど・・・」
 若者が話しているとき、開きっぱなしになったレストランの扉からクロとエルデラントが一人の若者を連れて入ってきた。
「ジェットさんにガルディエさん。一般人を発見したので一旦合流しようと思いまして。おや、そちらにもいらっしゃったようですね」
 エルデラントが状況を説明している間にも若者たちは視線を交わし、諦めたようなため息をつく。
「そこに兄ちゃんの話じゃ一般人はあと一人みたいだ。そいつもさっさと見つけちまおう。どこにいるのか知らないのか?」
 ガルディエが二人の若者に尋ねる。二階にいた若者を首を傾げ知らない風だが、一階にいた若者は知っているようで。
「えっと、確か温室のほうを見に行くとか言ってましたよ。雰囲気出るんじゃないかとか言って」
 若者の言葉にクロがピクリと反応する。
「ん?どうしましたクロさん。温室・・・確かどこかで見聞きしたような気がするのですが・・・」
 エルデラントは額に手を当ててじっくりと考えにふけるが、対照的に慌てたようにクロが叫ぶ。
「そんな悠長にしてる暇はないよ!だって、温室って・・・」
 しかし、クロの言葉を遮るように廃ホテル中に悲鳴が響き渡る。猟兵たちは悲鳴の聞こえたほうへ一目散に駆けだした。

 クロとエルデラントが読み、エルデラントが忘れた、焼け焦げた資料の中身は以下のようなものだ。
『儀式には温室の奥を使うことにする。十分な広さがあり、また、秘密を守護する眷属との相性が良い環境だ』

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『六零二『デビルズナンバーはやし』』

POW   :    悪魔の枝葉(デビルリーフ)
【刃物のように鋭い木の葉】が命中した対象を切断する。
SPD   :    悪魔の花粉(デビルポレン)
【目が痒くなる特殊な花粉】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    悪魔の樹枝(デビルブランチ)
レベル×5本の【刺突】属性の【鋭く伸びた木の枝】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 悲鳴を聞きつけ温室になだれ込む猟兵たち。そこに温室の奥から蒼白な顔をした若者が必死の様子で温室の出口に向けてかけてくる。
「ななな、なんだよあいつ!信じられない!ここ、これは夢だ・・・ああっ!うわぁぁぁ」
 現実逃避するようにうわごとを叫び、転げるように走る若者に猟兵たちが駆け寄る。
「ああああ、あんたたたち・・・だだ、だれだ・・・ここ、はやばい!にに、にげるんだよ!」
 もたつきながら暴れる若者は、震える手で温室の奥を指さす。猟兵たちはその指の先を追って、巨大な木々を目にする。刃のような葉、槍のような枝を持ち怪しい花粉を振りまいて木々が迫る。そう、迫っているのだ。根を足のようにくねらせ木々が命を奪わんと迫る。猟兵が木々に身構えると、木々も猟兵のただならぬ気配に身を震わせ臨戦態勢をとる。資料に書かれた秘密を守る眷属とはこの木々のことだろう。
 隙を見て若者は温室から逃げ出したようだ。さぁ、眷属を打ち砕き、邪教の目論見を暴け!
波狼・拓哉
ふう…話聞くためとはいえ同年代くらいは緊張した。テンパって僕とかいったし。
…まあ、その話は置いておいて運び込まれたのはあれでよさそうだな。運び込めるってことは外から繋がってる…のかな?…別に壁壊したらダメとかなかったな、突っ込むかミミックさん。真っ直ぐ突っ切ろう。無理そうなら急いで走るけど。
さて無事相敵っと…ミミック前衛をよろしくね。俺は衝撃波を弾に込めて打ち出し後ろでチョロチョロしつつサポートと行くか。木の葉や花粉、木の枝を撃ち落とすよー。…若者の方に行かないようにも見とかないとね。ミミックは体当たりとか箱の中身で相手の気を引く感じで頑張ってね。


トレイシー・ノックス
【POW】
悲鳴が聞こえて踏み込んで来たけど、早々に化け物とご対面とはね。
幸いにも一般人はさっさと逃げたみたいだし、とりあえずこいつを片付けるとしましょうか。

まずは【狩猟眼光】で周囲の状況をよく観察。
と言っても、敵の前で堂々と観察なんかしてたら攻撃されるわね。
【地形の利用】で物陰に隠れながら、罠として利用できそうな地形や障害物が無いか探すわ。
温室なら奴ら以外の植物もあるだろうし、天井がガラス張りならそれを射抜いて割ればダメージを与える手段になる。
そういったものを見つけ次第、【罠使い】としてその罠を最大限利用。
強大な獣を狩る為に研鑽された狩人の知恵と技術、その恐ろしさを教えてやるわ。



 聞き込みを行っていた拓哉が温室から響いた悲鳴を聞いたのは、ちょうどUDC組織の車で廃ホテルに到着したときだった。
「悲鳴?・・・…別に壁壊したらダメとか言われなかったな、突っ込むか。」
 ふむ、と考えをまとめると拓哉は実行に移す。
「さていつも通りお願いしますよ…っと!」
 拓哉が声をかけると、彼のそばに箱型の何かが現れる。それは箱型生命体、拓哉がミミックと名付けた彼の仲間。
「ミミックさん。真っ直ぐ突っ切ろう!」
 そしてミミックと拓哉は同時にホテルの正面玄関を蹴り破り突入する。
「あんた!?何を!」
 ホテル内に到着していたトレイシーが突如扉を破壊して侵入してきた拓哉に驚く。トレイシーはホテル近くの森を探索していたため、拓哉よりも早く廃ホテルに到着していたのだ。拓哉の蛮行ともいえる行動に驚くトレイシーだが、拓哉は気にした様子もない。
「トレイシーさん、悲鳴は聞いたでしょう?このまままっすぐ行きます。付いてきてください。」
 拓哉がトレイシーに話す間にもミミックは温室へまっすぐ、自分の箱の中身にある鈍器などの道具で道をこじ開ける。
「全く、悲鳴を聞いて駆けつけたら一直線に化け物とご対面とはね。」
 ミミックがこじ開けた道を通り、二人は温室へと突入する。悪魔の木々は強引な手段で侵入してきた二人を危険因子と判断したのか、木の枝を二人へ向けとばす。先端が槍のように尖った枝が数十本、外敵を討たんと一直線に飛翔する。だが、それらは二人を傷つけることはなかった。飛び出したミミックが自身の箱の中から取り出した斧を振るい叩き落としたのだ。
「ミミックさん!前衛はよろしく。」
 拓哉の声に応えるようにミミックは更に前進、悪魔の木の一つへ駆け、その幹に斧を叩き込む。
「何か、利用できるものはないかしら。」
 ミミックが生み出した隙にトレイシーは温室内部を見回す。
「何か考えがあるようですね。では、俺がサポートしますよ。」
 トレイシーが周囲を観察する時間を拓哉とミミックが稼ぐ。わずかな間で方針を定めた二人と一体は速やかに行動を開始する。
「ほら、俺はここですよっ!」
 拓哉はカラフルな装飾が施されたモデルガンを抜き放ち悪魔の木に銃口を向ける。本来は殺傷力のないモデルガンだが、持ち主が拓哉ならば話が変わる。衝撃波を纏ったおもちゃの弾丸は実弾に劣らぬ威力をもって木を穿ち、幹に弾痕を残す。傷つけられ、怒り狂った数本の悪魔の木々は矛先を拓哉へ向ける。お返しとばかりに再び木の枝を発射するが、それらは間に割って入るミミックが弾く。加えてミミックは斧で痛烈な反撃を加える。年数を重ねた仲間だからこそできる、一人と一体による見事な連携だ。
 だが、優勢は長くは続かない。数度の攻防を経験した悪魔の木々は一度拓哉を無視し、ミミックへ攻撃を集中させるようになる。拓哉の衝撃波よりもミミックの攻撃のほうが痛烈だと、感覚で感じ取った様子だった。
「ミミックさん!」
 拓哉は攻撃を一手に引き受けるミミックへ援護射撃を飛ばす。衝撃波は木々の飛ばす枝や刃のような葉などの攻撃を吹き飛ばす。しかし、攻め手が多い。じわじわとミミックが追い込まれつつあった。
「準備ができたわ!こっちへ!」
 周辺を観察していたトレイシーが拓哉とミミックへ合図を飛ばす。拓哉はミミックへ引き続き援護射撃を飛ばし、自分の下へ引き戻させる。
「ミミックさんお疲れさま。」
 飛び込んできたミミックを抱え労いの言葉をかけながら、拓哉はトレイシーの指示した方向へ走る。ミミックを攻撃していた悪魔の木々は、逃走を許さないと言いたげに拓哉とミミックの後を追う。
「強大な獣を狩る為に研鑽された狩人の知恵と技術、その恐ろしさを教えてやるわ。」
 トレイシーは自身の愛用の狩猟弓を引き絞る。全身全霊の一矢に、弓の弦が震え、全ての力が余すことなく矢に注がれ、放たれる。軽い風切り音を伴いトレイシーの放った矢は拓哉と悪魔の木々よりもさらに上へ。そして、寸分過たず標的を射抜く。トレイシーが射抜いたのは温室のガラス天井を支えていた枠組みだ。それが経年劣化により錆付き、脆くなっていた。ぎりぎりの状態を保っていたガラス天井が、その支えの一本をなくす。崩れたバランスは次々と別の枠への負担を増加させ、破壊が連鎖する。トレイシーが一本の枠組み射抜いた数秒後には、悪魔の木々の真上の天井が全てのバランスを失い、崩落する。ガラスが砕け散る音と、木材が割ける音、二つの高い破壊音が温室の一角に充満する。
「ずいぶん派手ですね。」
 崩落から逃れた、ミミックとミミックを抱えた拓哉がトレイシーの隣に駆け寄りながら感想を漏らす。
「狩場を知ることが、狩人が力をより効率的に発揮する方法よ。けれど・・・」
 ガラス天井の崩落に巻き込めた悪魔の木はせいぜい数本、しかし、温室にはその倍近い悪魔の木が残っていた。
「これは少し厳しい狩りになりそうだわ。」
 二人と一体は再び各々の武器を構えなおした。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ジェット・ラトリオック
樹木系か。まぁ何でもいい。

他猟兵の援護も行いながら、自身も前に出て戦闘を行う。
AW-Sunを使用し、援護射撃。属性攻撃で炎属性の銃弾を用い、生い茂る葉っぱに攻撃。敵の攻撃の弱体化を狙う。

ある程度援護し終えた後は、各々に対応を任せ自身も前線へ。
【拷問具:Life Reverser】で敵を叩き潰し、地面へと押し付け、絶命するまで最大出力で放電し続けて攻撃する。
確実に一体づつ、丁寧に処理を行う。攻撃が来る場合は逃げ足で逃げつつ、ヒットアンドアウェイを心掛ける。

ただ殺せ。容赦なく、躊躇なく。

(※アドリブ、絡み、自由にお任せします)


ガルディエ・ワールレイド
へぇ。あの一般人、不格好だろうとも、この状況から自力で離脱してみせたな……やるじぇねぇか。
それなら専門家の猟兵としては完璧な仕事をしねぇとな。

◆戦闘
【竜神の裁き】に【属性攻撃】を乗せて、強化した雷で薙ぎ払うのが基本の攻撃だ。そこに武器戦闘も織り交ぜるぜ。
あと【悪魔の枝葉(デビルリーフ)】に対しても、【竜神の裁き】で襲ってくる葉を焼いて相殺しようと試みる

武装は【怪力】【2回攻撃】を活かすハルバードと長剣の二刀流
【武器受け】を駆使して立ち回り、被弾しそうな時は【オーラ防御】
味方に通ってヤバそうな攻撃は【かばう】
近接攻撃が命中した時は【生命力吸収】
敵が間合いの内に複数いればハルバードで【なぎ払い】だ


エルデラント・ズィーマ
わぁ、これはこれは沢山の植物ですね、燃やしたいですが我慢しましょう
近寄らせない工夫が大切です。ブラスターの射撃で出来る限り数を減らしましょう。木の葉に関しては生身ではない部分で防げば痛くはないと思います
距離を詰められれば室内で密集すると思いますのでユーベルコードを使用します
狭い室内で何人も動き回ると流石に邪魔になっちゃいますね、動きも必要最低限に抑えましょう
……爆破したら燃えますか。燃えたら最高ですね



 温室の別の場所でも猟兵と悪魔の木々による戦闘は行われていた。
「へぇ。あの一般人、不格好だろうとも、この状況から自力で離脱してみせたな…やるじぇねぇか。」
 ガルディエは、泣き喚きながらも温室から脱した若者が出て行った扉を振り返り、ニヤリと口角を上げる。
「わぁ、これはこれは沢山の植物ですね、燃やしたいでね。ですが、室内でした。我慢しましょう。」
 ガルディエとは反対、悪魔の木々を見上げたエルデラントが緊張感のない一言をこぼす。
「まぁ、何でもいい。」
 二人の話をその一言で片づけたのはジェット。手にはすでに彼の鎚鉾、拷問具『Life Reverser』が握られてる。
「ただ殺せ。容赦なく、躊躇なく。」
 ジェットの鎚鉾が振られ、悪魔の木々に向け唸りを上げた。

「はっ!一般人が根性見せたんだ。専門家の猟兵としては完璧な仕事をしねぇとな。」
 ジェットに続き、ガルディエが己の武器を抜き放ち悪魔の木々の中へ突撃する。彼が持つのはハルバード『複合魔槍斧ジレイザ』。複数の呪物を組み合わせた槍斧だ。ガルディエのジレイザが悪魔の木々へ振りかざされ、その表皮を切り裂く。しかし、木々は動じた様子もなく、飛び込んできたガルディエへ向けその枝を振るう。枝には刃のように鋭い葉が何十とついている。一撃貰えば、身を切り裂かれただでは済まないだろう。
「なめんな!」
 ガルディエはジレイザを片手に持ち替えもう一つの武器を抜く。『複合魔剣レギア』。ガルディエのもう一つの武器だ。レギアがガルディエの導きで悪魔の木の枝を受ける。しかし、悪魔の木の攻撃はそれだけではなかった。受けられた枝を震わせ、刃の葉をガルディエへ向け飛ばし始めたのだ。
「っ!こいつは…」
 飛来した刃がガルディエの身体に浅い傷を作る。一枚が作る傷は微々たるものだがそれが何枚何十枚と増えれば話は変わる。今すぐ脱するべきなのだ。それにはレギアを枝から離す必要がある。しかし、枝がガルディエへ迫る力は衰える様子はなく一瞬でも力を抜けば、待っているのは枝の激突による衝撃と無数の刃の葉による蹂躙だ。
「・・・潰れろ。」
 静かな、しかし鬼気迫る声とともに、ガルディエを押さえつけていた枝に雷光を纏った戦鎚が振るわれる。ジェットが放った鎚鉾Life Reverserだ。Life Reverserの一撃は枝だけには留まらず、衝撃が地面を突き抜け温室の床を陥没させる。
「おわぁ!」
 ガルディエは突如消失した地面に驚きの声が上げるが、難なく着地する。
「助かったぜ、すげぇ威力だな。」
「礼はいらん。俺は言っただろう。ただ殺せ。と、」
 ジェットは素っ気なく答えるとLife Reverserを振るい、別の木へ重い一撃を加える。
「ガルディエさん。ご無事のようですね。」
 エルデラントが入れ替わるようにやってきてガルディエに声をかける。
「おう、大丈夫だ。」
「よかったです。ところでガルディエさん。このたくさんの植物、燃やしたらいいと思うんです、爆発すれば燃えますよね。燃えたら最高ですね。」
 さっき、自分で『室内だから』と燃やすのを止めにしたのはエルデラント自身だろうに、もうエルデラントはその出来事を忘れているようだ。あきれながらもガルディエは
「だが、悪くねぇぜ。俺も乗った!」
 と、肯定の意を示す。
「では、爆発は私が発生させます。ガルディエさんは奴らを一か所に追い込んでくれますか?」
「了解!」
 気合を充填しガルディエが猛る。
「本番はこっからだぜ!この雷は半端じゃねぇぜ。覚悟しな!」
 ガルディエから放たれた赤い雷が、群れから突出しようとしていた悪魔の木に向けて放たれる。それだけではない、ガルディエ本人が帯電するように赤い雷を帯びる。ガルディエに秘められた異端の神の力が顕現しているのだ。危機を感じた悪魔の木の一体がガルディエへ再び枝を振りかざし刃の葉で攻撃しようとする。
「同じ手が二回も通じるかよ!」
 啖呵を切るガルディエ。それに呼応するように再び赤い雷が放たれ枝ごと刃の葉を燃やし尽くた。

 ガルディエの奮戦を横目にジェットも悪魔の木々を相手にLife Reverserを振るって戦闘を行う。彼は確実に一体づつ、悪魔の木を葬り続ける。淡々と鎚鉾を振るい、隙を見せた敵をなぎ倒し、絶命するまでLife Reverserの最大出力の攻撃を加える。相対した悪魔の木がジェットに危険を感じ、距離を取る。その場所で身を震わせる。と、ジェットに向けて刃の葉を発射された。ジェットは冷静に懐から別の武器を取り出す。AW-Sun。対UDC用に調整された、ジェットの小柄サブマシンガンだ。特殊な弾丸を込め悪魔の木に向ける。邪魔なら処理すればいい。確実に、丁寧に。AW-Sunが火を噴いた。比喩ではない、文字通り『火』を噴いたのだ。燃える弾丸は刃の葉を燃やしながら突き進み、悪魔の木に着弾する。弾丸の火は悪魔の木を燃料として更に延焼していく。火のついた悪魔の木が苦しそうにもがく。消化しようと全身を大きく震わせ刃の葉をまき散らす。それらも全てAW-Sunの弾丸が燃やし尽くした。悪魔の木は幹の一部を焦がしながらも火を消したようだ。だが、刃の葉はすべて失い丸裸だ。
「お前も…潰れろ!」 
 攻撃手段を失った悪魔の木はLife Reverserの一撃のもとに葬られた。

 ガルディエとジェット、二人の奮戦により悪魔の木たちは温室の端へ端へと追い込まれていく。
「うん、そろそろいい感じでしょうね。」
 エルデラントは二人の猟兵によって密集し始めた悪魔の木々を観察する。自らが着火する機会を探りながら時折、逃げ出す木がいないようにカノン砲やブラスターによるけん制射撃を加えていた。そして、エルデラントの左目の義眼『サイバーアイ
』が、悪魔の木々が彼女の攻撃の有効範囲内に収まったことを通知した。
「それでは参りますか。」
 エルデラントは悪霊の木々に向かい彼女の背部に着いたバックアームズで跳躍する。
「対象を爆砕します。大丈夫です、痛みを感じる前に殺しますから。」
 宣言とともにエルデラントの右手にエネルギーが集中する。彼女の記憶を燃料とし、悪魔の木々を焼き尽くさんと力が収束する。そして彼女がその拳を叩きつけると同時にそれらは爆発した。
 高すぎるエネルギーが熱となり悪魔の木々の身体に火を付け、爆風がそれを炎へと成長させる。『レッドホットイクスプロージョン』。エルデラントの一撃が放った大爆発は範囲にいた悪魔の木々を一瞬で火炎の渦に放り込んだ。攻撃を喰らった悪魔の木々の身体は半分が焼け、消化は不可能だと一目で分かった。この一撃で悪魔の木々の半数以上が葬られたのだ。
「おや、植物の敵ですか。よく燃えている様子で。最高ですね。」
 悪魔の木々を燃やしたエルデラント本人は、記憶を失ってなんとも間の抜けたセリフを吐くのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

クロ・ネコノ
まさか木が襲ってくるとは思わなかったなぁ、私の矢だとあんまり効きそうにないし…って思ってたんだけど随分と景気良く燃やしてくれてるから私にも出来ることがありそうだね。
まだ燃えてる木々の火を矢に移して、火矢で【降り注ぐ矢の雨】を放とうか、良い具合に天井も破壊してくれてるからね。



 崩落する天井、陥没する床、突き刺さった枝、燃える悪魔の木々、温室は戦闘の余波でその様子をかなり変化させていた。
「まさか木が襲ってくるとは思わなかったなぁ」
 ひょっこりと物陰から顔を出すクロ。彼女の武器はロングボウとその矢。固い表皮に覆われた悪魔の木々相手には不利だと踏んで回避に専念していたのだ。だが、ここで彼女は動き出す。
「随分と景気良く燃えてるし、良い具合に天井も破壊してくれてるからね」
 と、言いながら矢を番え駆ける。先にあるのは、今まさに燃えている木々だ。
「質より量って場合もあるよね!」
 燃える木々の根の上へ飛び乗るクロ。彼女の頭上を業火が盛ってるが、ひるむことなく、その矢を頭上へ向け放つ。
「みんな!隠れて!」
 温室で戦闘していた猟兵へ警告し自身も回避行動をとる。数秒後、空から飛来のは百本近くの火矢。放った矢が、木の炎で引火し、クロがそれを空中で増殖させたのだ。文字通り、炎の雨が温室に降り注ぐ。炎は植物に燃え移り、無事に生き残っていた悪魔の木々にも火が燃え移る。悪魔の木々は、一体残らず焼き尽くされようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『雷穹龍グローレール』

POW   :    雷霆光輪
【超高熱のプラズマリング】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    撃ち砕く紫電
レベル×5本の【雷】属性の【破壊光線】を放つ。
WIZ   :    ドラゴニック・サンダーボルト
【口から吐き出す電撃のブレス】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・皇士朗です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 炎が燃え盛る温室、だが、悪魔の木々が燃え尽きるにつれて、その火も収まっていった。猟兵たちは悪魔の木々が立ちはだかり、見えていなかった場所に扉を見つける。意を決して侵入する猟兵たち。そこは先ほどの部屋同様の温室の一つで、本来ホテルが順調に経営されていたならば、二つの温室で異なる植生の植物を飼育する予定だったのだろう。
 猟兵たちが歩みを進めると人影が数人分。その者たちは猟兵たちに気が付いていた様子で振り返り、高笑いを発した。
「はっはっはっ!僅かに遅かったな!門番ども倒したことは称賛に値するが。結果は我らの勝利だ!心霊の噂を利用し、邪魔者の目を避け、綿密な計画の末、儀式はたった今完成した!さぁ、雷穹龍グローレール様、あ奴らを」
 その言葉が最後まで語られることはなかった。『雷穹龍グローレール』と呼ばれる存在がそこに存在したからだ。彼らの儀式によって、たった今召喚されたのだろう雷穹龍は、出現と同時に目の前にいた生命、つまり召喚主である者達から殺したのだ。純粋な破壊と殺戮を行う邪神、雷穹龍グローレールは次なる標的として猟兵たちへと牙をむいた
 邪教徒はプスプスと焦げ臭いにおいを放つ。完全に絶命しているのが一目でわかるほどだ。
「あーあ、見事に死んじゃってますね。どうして自分達が殺されるのに蘇らせるんですかねコイツら。まぁどうでもいいですね」
 と、エルデラントが邪教徒を横目に見つつ、雷穹龍グローレールへゆっくりと接近する。
「大物だね、こんな所でドラゴンを見るとは思わなかったよ」
 と後方で弓を構えながら雷穹龍グローレールを見上げるクロ、素早く矢を番え、弦を引く。
「とにかく攻撃しない事には始まらないよね!」
 クロが矢を放ち、悪魔の木々との戦闘でも見せたように複製、大量の矢が雷穹龍グローレールに飛来する。だが、雷穹龍グローレールが一度咆哮を発すると、身体から強い放電が発生、飛来する矢を悉く感電させ、焦がして阻む。
「あれは取り敢えず何か黒焦げにしないといけない呪いでもあんのか」
 その様子を観察し、あきれ半分でぼやく拓哉。
「…さて、遠距離苦手なんだよな。どうしようか…龍には龍……コントロール出来るよな」
 と、連れたミミックに尋ねる。答えるようにミミックは小さくジャンプ。
「よし。さあ、化け咆えなミミック。その姿、真に近づき狂怖に陥れな…!」
 拓哉に応えミミックが飛び出し、変化する。翼が生え、足は強靭に。ミミックは龍へと変化し飛翔する。二匹の龍が温室の上空に飛び出し、同時に咆哮する。雷穹龍グローレールから放たれる電撃に対し、ミミックが放つ咆哮は爆撃のように衝撃を放つ。びりびりと温室の空気が振動する中、雷穹龍グローレールの様子がどうもおかしい。一度目の咆哮の後からのたうつように体をくらせ、むやみやたらに電撃を放ようになる。ミミックの咆哮には、強い狂気が含まれていた。その咆哮を浴びた雷穹龍グローレールの気が振れつつあるようだ。
「龍が妙な動きしてますね・・・雷撃が滅茶苦茶に飛んでます。ではワタシは半分金属なので盾となりましょう。ワタシ自身を避雷針にしてしまえば、多少は安全でしょう」
 エルデラントが雷穹龍グローレールに近づいて金属の身体をバックアームで浮かせる。雷撃の発生地点に近い方がより多く電撃を吸収できるためだろう。予測通り、乱発される雷穹龍グローレールの雷撃はエルデラントの近くへと引き寄せられるように放射されてゆく。
(ワタシ自身はどこまでボロボロになっても構いませんが、電圧が高い…感電して壊れる……なんてことはないと思いたいです)
 エルデラントが雷撃を引き受けている間にもミミックは雷穹龍グローレールへ吠え雷穹龍グローレールも滅茶苦茶に雷を放つ。
「落とした方が後もやり易いよなぁ。上からの衝撃も加われば引きずり落とせるか?」
 戦場を観察し拓哉は天井を見上げる、天井は悪魔の木々がいた温室同様にガラスのの板を金属の支えが支える構造だ。
「また、天井おとすの?」
 クロが矢を番えガラス天井を狙う。
「ええ、だけどミミックが龍をひるませたタイミングがいい。脆くできますか?」
「任せて!」
 と、身近短いやり取りのあと、再びクロが百近い矢を放つ。それらはガラスの天井にヒビを走らせ、今にも崩れそうなほど脆くする。その間に拓哉は雷穹龍グローレールへ近づき、備えて持ってきた縄を投げ縄の要領で投擲、雷穹龍グローレールの足に引っ掛ける。
「ミミックさん!これを!」
 縄の反対をミミックへ投げ渡す拓哉。ミミックは意を汲み受け取った再び吠える。狂気の宿ったミミックの咆哮に雷穹龍グローレールも硬直し、咆哮を返そうと息をのむ。
「ここだっ!」
 拓哉が天井の下から飛び退きながらモデルガンを天井に向け、衝撃波を打ち出す。二匹の龍の間をすり抜けた衝撃が天井に到達し、脆くなっていたガラス板は完全に砕け、落下する。ミミックもタイミングを測り、崩落から逃れるように飛び、その勢いのままローブを引く。落下してくるガラス天井。さらに、ロープにくくられた足を強く引かれ雷穹龍グローレールは地に落とされる。
「なんとか、耐え切れましたね…」
 墜とされた雷穹龍グローレールにエルデラントが近づく。高電圧の電撃を受けた金属部と生身の接合地点が、電気抵抗により熱を持ち火傷になっているようで、みるのも痛々しい。だが、エルデラントは自身の傷に気を留めず雷穹龍グローレールへ右こぶしを振り上げる。
「お返しに脳天を爆破してやりましょう」
 悪魔の木々を焼き払ったエルデラントの右こぶしが雷穹龍グローレールへ放たれる。強力な爆破に雷穹龍グローレールも悲鳴を上げる。だが、邪神の一柱、雷穹龍グローレールはその一撃では倒れない。頭部を焼き、水膨れのように腫らしながら身を起こす。雷穹龍グローレールは電撃を纏った咆哮で猟兵たちに再び襲い掛かった。
波狼・拓哉
…あれは取り敢えず何か黒焦げにしないといけない呪いでもあんのか。いや別に信者残されても困るけど。
…さて、遠距離苦手なんだよな。どうしようか…龍には龍……コントロール出来るよな。さあ、化け咆えなミミック。その姿、真に近づき狂怖に陥れな…!あんまり無理せずヒット&ウェイでいきなよ!
さて、上空はミミックに任せるとして…落とした方が後もやり易いよなぁ…ロープで引き釣り落とすのは筋力的に無理か。が上からの衝撃も加われば…行ける…か?ミミックの攻撃で少しふらついた瞬間を狙ってロープを引っ掛け天井に向けて発砲ガラス天井の崩落に巻き込むのを狙ってみるか…!
(アドリブ絡み歓迎です)


エルデラント・ズィーマ
あーあ、見事に死んじゃってますね。どうして自分達が殺されるのに蘇らせるんですかねコイツら。まぁどうでもいいですね

さて、相手は雷使いですか。ワタシは半分金属なので盾となりましょう。ワタシ自身を避雷針にしてしまえば多少は周りが戦いやすいのではないでしょうか。
ワタシ自身はどこまでボロボロになっても構いません。生身の部分もあるので多少焼け焦げてしまうでしょう。感電して壊れる……なんてことはないと思いたいです。
もし耐え切れたらユーベルコードで反撃です。お返しに脳天を爆破してやりましょう


クロ・ネコノ
大物だね、こんな所でドラゴンを見るとは思わなかったよ。
とにかく攻撃しない事には始まらないから、【降り注ぐ矢の雨】を放つ。
目くらまし位になってくれると良いんだけどね…どう動くか想像つかないんだよなぁ。
相手が攻撃してきたら『ゴム体質』の伸縮性を利用して物に飛びついたりしながら逃げよう、本当にゴムになってる訳じゃないから電撃なんて受けたくないよ!



 邪教徒はプスプスと焦げ臭いにおいを放つ。完全に絶命しているのが一目でわかるほどだ。
「あーあ、見事に死んじゃってますね。どうして自分達が殺されるのに蘇らせるんですかねコイツら。まぁどうでもいいですね」
 と、エルデラントが邪教徒を横目に見つつ、雷穹龍グローレールへゆっくりと接近する。
「大物だね、こんな所でドラゴンを見るとは思わなかったよ」
 と後方で弓を構えながら雷穹龍グローレールを見上げるクロ、素早く矢を番え、弦を引く。
「とにかく攻撃しない事には始まらないよね!」
 クロが矢を放ち、悪魔の木々との戦闘でも見せたように複製、大量の矢が雷穹龍グローレールに飛来する。だが、雷穹龍グローレールが一たび咆哮を発すると、身体から強い放電が発生、飛来する矢を悉く感電させ、焦がして阻む。
「あれは取り敢えず何か黒焦げにしないといけない呪いでもあんのか」
 その様子を観察し、あきれ半分でぼやく拓哉。
「…さて、遠距離苦手なんだよな。どうしようか…龍には龍……コントロール出来るよな」
 と、連れたミミックに尋ねる。答えるようにミミックは小さくジャンプ。
「よし。さあ、化け咆えなミミック。その姿、真に近づき狂怖に陥れな…!」
 拓哉に応えミミックが飛び出し、変化する。翼が生え、足は強靭に。ミミックは龍へと変化し飛翔する。二匹の龍が温室の上空に飛び出し、同時に咆哮する。雷穹龍グローレールから放たれる電撃に対し、ミミックが放つ咆哮は爆撃のように衝撃を放つ。びりびりと温室の空気が振動する中、雷穹龍グローレールの様子がどうもおかしい。一度目の咆哮の後からのたうつように体をくらせ、むやみやたらに電撃を放つ。ミミックの咆哮には、強い狂気が含まれていた。その咆哮を浴びた雷穹龍グローレールの気が振れつつあるようだ。
「龍が妙な動きしてますね・・・雷撃が滅茶苦茶に飛んでますね。ではワタシは半分金属なので盾となりましょう。ワタシ自身を避雷針にしてしまえば、多少は安全でしょう」
 エルデラントが雷穹龍グローレールに近づいて金属の身体をバックアームで浮かせる。雷撃の発生地点に近い方がより多く電撃を吸収できるためだろう。予測通り、乱発される雷穹龍グローレールの雷撃はエルデラントの近くへと引き寄せられるように放射されてゆく。
(ワタシ自身はどこまでボロボロになっても構いませんが、電圧が高い…感電して壊れる……なんてことはないと思いたいです)
 エルデラントが雷撃を引き受けている間にもミミックは雷穹龍グローレールへ吠え雷穹龍グローレールも滅茶苦茶に雷を放つ。
「落とした方が後もやり易いよなぁ。上からの衝撃も加われば引きずり落とせるか?」
 戦場を観察し拓哉は天井を見上げる、天井は悪魔の木々がいた温室同様にガラスのの板を金属の支えが支える構造だ。
「また、天井おとすの?」
 クロが矢を番えガラス天井を狙う。
「ええ、だけどミミックが龍をひるませたタイミングがいい。脆くできますか?」
「任せて!」
 と、身近短いやり取りのあと、再びクロが百近い矢を放つ。それらはガラスの天井にヒビを走らせ、今にも崩れそうなほど脆くする。その間に拓哉は雷穹龍グローレールへ近づき、備えて持ってきた縄を投げ縄の要領で投擲、雷穹龍グローレールの足に引っ掛ける。
「ミミックさん!これを!」
 縄の反対をミミックへ投げ渡す拓哉。ミミックは意を汲み受け取った再び吠える。狂気の宿ったミミックの咆哮に雷穹龍グローレールも硬直し、咆哮を返そうと息をのむ。
「ここだっ!」
 拓哉が天井の下から飛び退きながらモデルガンを天井に向け、衝撃波を打ち出す。二匹の龍の間をすり抜けた衝撃が天井に到達し、脆くなっていたガラス板は完全に砕け、落下する。ミミックもタイミングを測り、崩落から逃れるように飛び、その勢いのままローブを引く。落下してくるガラス天井。さらに、ロープにくくられた足を強く引かれ雷穹龍グローレールは地に落とされる。
「なんとか、耐え切れましたね…」
 墜とされた雷穹龍グローレールにエルデラントが近づく。高電圧の電撃を受けた金属部と生身の接合地点が、電気抵抗により熱を持ち火傷になっているようで、みるのも痛々しい。だが、エルデラントは自身の傷に気を留めず雷穹龍グローレールへ右こぶしを振り上げる。
「お返しに脳天を爆破してやりましょう」
 悪魔の木々を焼き払ったエルデラントの右こぶしが雷穹龍グローレールへ放たれる。強力な爆破に雷穹龍グローレールも悲鳴を上げる。だが、邪神の一柱、雷穹龍グローレールはその一撃では倒れない。頭部を焼き、水膨れのように腫らしながら身を起こす。雷穹龍グローレールは電撃を纏った咆哮で猟兵たちに再び襲い掛かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ガルディエ・ワールレイド
奇遇だな、テメェも雷のドラゴンなのか。
似た者同士、派手にやろうぜ

【黒風鎧装】を使用して真の姿を顕す
真の姿は、黒い西洋風ドラゴン

先ずは挨拶代わりに【全力魔法】【衝撃波】【属性攻撃】を融合した、赤い雷のドラゴンブレスを使用するぜ。
本来は切り札なんだが、似たような属性のコイツにはあまり効かない可能性を考慮して、ブレス後は巨体と【怪力】を活かした近接戦に移行

左右の爪での【2回攻撃】や、尾での【なぎ払い】を駆使して立ち回るぜ。
勝負どころでは牙で噛み付いて【生命力吸収】

被弾しそうな時は【オーラ防御】
味方に通ってヤバそうな攻撃はかばう
雷霆光輪は自分が避けれずとも、他の仲間への被害が減らせるならそれでOKだ。



 ガルディエは雷穹龍グローレールの咆哮を真正面から受け止めニヤリと口に笑みを浮かべる。
「奇遇だな、テメェも雷のドラゴンなのか」
 その言葉を合図にしたかのように、ガルディエの周囲に漆黒に染まる旋風が巻き起こる、強力な風は赤黒い、雷を発生させ勢いを増してゆく。
「似た者同士、派手にやろうぜ」
 旋風に包まれたガルディエが吠えた。旋風から現れる、漆黒に染まるドラゴン。ガルディエ自身の内側に宿した異端の神の力。故郷で言い伝えられていたその神に酷似した、この赤黒い雷を纏ったこの黒竜こそ、ガルディエの真なる姿だった。ガルディエと雷穹龍グローレールが互いの雷を放つ。
 雷穹龍グローレールの雷は青白く、ガルディエが放った雷の咆哮は赤い。相反する二色の雷が衝突し、空気を焦がし、温室内部を鋭い閃光で包み込んだ。
 全力で放った二匹の龍の雷は、似通った力を使う龍同士では決定打にはならない。それを悟った龍たちは雷の放射しながら、自身の身体を用いた勝負に挑んだ。
 のしかかり、爪を振るい、尾を払う。龍が動くたびに温室の木々はなぎ倒され、壁に大穴が空く。牙を剥き、吼え、雷を打ち込みあう。二匹龍は己の出せる限りの力で争い、傷つけあった。
 相手がなかなか倒れないことにしびれを切らしたのは雷穹龍グローレールの方だ。爪を振るい、ガルディエと距離を置くと大きく息を吸い込む。大技が飛び出す予兆だ。ガルディエもまた、対抗するように力を溜める。
 同時に吠える両龍。衝突する紅と蒼の稲妻。温室に再び閃光が駆け抜けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェット・ラトリオック
電撃は使い勝手は良いが、受けるのは好みではない

電撃対策として、「武器改造」で黒削刃を長く伸ばし、複数の避雷針を作成、設置しておく。
AW-Sunの射撃と、【拷問具:黒削刃】を複数投擲して、遠距離より攻撃。逃げ足も使い、距離を取る。
黒削刃が肉に刺されば、後は勝手に血を吸い、成長していく。
遠距離攻撃で致命傷を与えられない場合は、接近戦も視野に入れる。「武器改造」「吸血」「生命力吸収」で急成長の準備を整えた黒削刃による致命の一撃を狙う。あんなに電気が流れている体なぞ、長時間触れていられるか。

竜は現実には不要。フィクションだけで十分だ。

(※アドリブ、自由にお任せします)


アレクシア・アークライト
 雷穹龍グローレール。
 あいつと戦うのは3回目だけど、今日のは暴れるだけで、喋ることもできないのね。
 召喚のされ方によって、知性が変わったりするのかしら。面白いわ。

 後でUDCで調べるのは……邪神は死んだら消えちゃうから無理か。
 まぁその分、後掃除はちょっと楽だけど。

・などと軽口を叩いてはみたものの、あの巨龍には全力を出さなければダメージを与えられないのが現実。
・力を全開放。力場で雷を防ぎつつ、仲間と戦っている隙を突いて接近し、喉元を全力で攻撃する。

 逆鱗は龍の弱点って話もあるけど、貴方はどうかしら、ね!


(貴方も、呼ばれたからってほいほい出てくるのはやめなさいよね。)



温室を駆け抜けた閃光を逆行し、雷穹龍グローレールに鋭く尖った幾多の小さな刃が飛来する。雷穹龍グローレールにとって、人間の皮膚に待ち針が刺さる程度の感覚の微々たる攻撃でしかない小さな刃だ。しかし、それが何十とも重なると、さすがにうっとおしい。閃光が収まり、雷穹龍グローレールは視界を取り戻すと刃を飛ばし続けていたジェットへ咆哮と共に雷撃を放つ。だが、その行動もジェットの予測済みだ。
「電撃は使い勝手は良いが、受けるのは好みではない」
 足元にばらまいたのは雷穹龍グローレールに放った刃よりもやや大きめの金属の棘。それらが避雷針となり、ジェットに迫りくる電撃を誘引し分散させる。微弱となった電撃はすでにダメージに値しない。ジェットは静電気程度の電撃を無視し、愛用のサブマシンガン『AW-Sun』を雷穹龍グローレールに向けて発射すると同時に再び小さな刃を投擲を続ける。と、そんなジェットの隣に、突如空間を歪めて登場する人物が。赤い髪に赤い瞳を持ち、一部が機械化したサイボーグの体を持つ女性だ。
「今日のは暴れるだけで、喋ることもできないのね」
「お前が組織が寄越した応援か」
 瞬間移動をするユーベルコードなのか、隣に出現した女性に横目にジェットが不愛想にいった。
「そうよ、オブリビオンの始末を専門とするUDCエージェントのアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)よ、よろしくね」
 にこりと笑顔で応対するアレクシアにふんと短い溜息で答えるジェット。
「最悪の場合、接近戦をすることも視野に入れていたが、アレクシア君が言う通りの人物なら、それは君に任せ、私は足止めに徹しよう」
「任されたわ」
 と、うなずくアレクシア。ジェットがアレクシアが接近するために雷穹龍グローレールの近くに避雷針となる金属の棘をばらまく。
(見栄を切って任されるなんて叩いてはみたものの、あの巨龍には全力を出さなければダメージを与えられないのが現実なのよね…喉元を全力で攻撃する!これしかない!)
 ジェットが作りだした道を抜け雷穹龍グローレールに突撃するアレクシア。避雷針に雷を阻まれた雷穹龍グローレールは電撃を捨てて自分の肉体により攻撃を繰り出す。鋭い爪が振りかざされ、アレクシアを磨り潰さんとする。しかし、雷穹龍グローレールは次の行動を行うこと叶わなかった。がくっと、雷穹龍グローレールの体が揺らぐ。観察すれば雷穹龍グローレールに突き立ったジェットの刃が人間の腕ほどの大きさになって食い込んでいるではないか。拷問具:黒削刃。ジェットの放った刃は敵の血を吸い成長する狂刃だった。
「黒削刃が餌を喰い始めた。今だ」
 ジェットの合図でアレクシアが跳躍、弱った雷穹龍グローレールの眼前に飛び出す。
「私の全てを込めた一撃、貴方なんかに防げる代物じゃないわ!」
 文字通り、全力の一撃を放つアレクシア。武器は己の拳のみ。だが、強力な念動力により何倍にも引き上げられた一撃は寸分過たずに雷穹龍グローレールの喉を貫き、風穴を開けた。
「竜は現実には不要。フィクションだけで十分だ」
 アレクシアの攻撃によって崩れ落ち、事切れる雷穹龍グローレールを尻目にジェットはAW-Sunを収めた。

「UDCは倒されると消えちゃうから、調査が進まないのよね」
 と、塵になりつつある雷穹龍グローレールの遺骸を漁りながらぼやくアレクシア。
「貴方も、呼ばれたからってほいほい出てくるのはやめなさいよね。でも、今回は話せなかったみたいだし、召喚のされ方によって知性が変わるのかしら…あら?」
 ぶつぶつと呟きながら雷穹龍グローレールの遺骸の調査を続けるアレクシアだが、雷穹龍グローレールの中から召喚に使われたと思われる祭具のようなものを発見する。
「これは…邪教側がせっせと運び込んでいた物の一つかしら。祭具として使ったようだけれど…私の知る限り雷穹龍グローレールの召喚には必要のないもののはず…」
 祭具は雷穹龍グローレールが消滅した影響かぼろぼろと崩れさった。

 後日、UDC組織が廃ホテル買い取り、邪教の痕跡集めに乗り出した。温室の奥やホテルの物置から、大量の呪物が発見された。邪教徒が秘密裏に収集した物品だと判断されたが、ほとんどがガラクタ同然の偽物であった。また、様々な文献も同時に発見されたが、信憑性に欠ける物が多い。これを受け、UDC組織は多くの邪教が正確な邪神の召喚方法を確立していない可能性が高いと結論付ける。ともすれば、今回発見された雷穹龍グローレールも完全な姿ではなく本来の力は発揮されていない、と予測できる。もし、完全な邪神の召喚が行われれば、被害は一体どれほど甚大なものになるのだろうか。UDC組織の面々は背に冷や汗が流れるのを感じた。

 廃ホテルはUDC組織の主導で取り壊しが決定された。間もなくあの建物は跡形もなくなり、土地は森の一部となるだろう。噂の廃ホテルの怪、その幕引きはあっけなく、誰の気にも留まらず、ゆっくりと時間の中で風化し骸の海に沈んでゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト