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月光に沈む移動遊園地

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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 ここは移動遊園地。 突如現れて、時刻が来れば煙のように消える不思議な遊園地。
  ちょっと色あせたゴーカート、百円玉を入れれば揺れる動物の乗り物。
 古びた看板の鏡屋敷にお化け屋敷。
 縁日コーナーにキネマ館。
 コーヒーカップにローラーコースター、フリーフォール。
 ちょっとレトロな乗り物に、キャストのパレードも楽しめる。
 目玉は 回転木馬。回る間だけ見える夢は、前向きに乗れば未来、後向きに乗れば過去だとか。

 そんな遊園地に猫の声が響く。
 月の光を食べる猫が昼を消してしまったのだ。どこを探しても昼はなく、宵闇と月があるばかり。
 夜に沈む遊園地を飛び交う骸魂が、遊園地のスタッフの妖怪達を取り込んで──遊園地は占領されてしまった。
「にゃぁん」
「にゃー」
「にゃんにゃん」
 遊具を楽しまないまんまるな猫達が、金色の猫が鳴きしきる、そんな世界の終わりがそこにあった。


「というわけなのでー……ちょっと、救ってきていただけませんでしょか……」
 と、寧宮・澪が猟兵達へと声をかけていた。
 昼が消えた宵闇の世界で骸魂に取り込まれた妖怪達を助けてほしいのだという。
 まず、昼を消したオブリビオンに迫る前に、すねこすりの骸魂に取り込まれた猫又、ねこまたすねこすりが行く手を阻む。あまり戦闘力は高くないが、ふかふかの毛並みで心を奪っていくようだ。倒せば中に取り込まれた妖怪は開放されるので、毛並みを堪能したあとにでも助けてあげてほしい。
 彼らを退けられたら、元凶の金秘華猫に会うことができるだろう。月の光をたっぷり浴びることが大好きな彼女は昼を簡単には返してくれない。懲らしめる必要がある。
「無事に、世界を救えたら……移動遊園地、楽しんでいきませんかー……?」
 そこには子供から大人まで楽しめる設備が揃っている。屋台なんかも出ていて食べ歩きも楽しめそうだ。
「私も、ちょっと遊んでいこうかな、と思いますー……」
 では、どうかお手伝いくださいな、と澪は頭を下げるのだった。


霧野

  回転木馬の回る向きで年を取ったり若返ったりという話がちょっと好きです。
 よろしくお願いします、霧野です。

●シナリオについて
 全体的にほんわかだったりコミカルだったり。
 三章はしんみりもできるかもしれません。
 いずれかの章だけの参加も歓迎です。

 一章:ねこまたすねこすりとの戦闘です。
 集団戦です。
 二章:金秘華猫との戦闘です。
 ボス戦です。
 三章:移動遊園地を楽しんでください。
 澪もいます。お声がけいただければ、現れます。
 日常です。

●複数人で参加される方へ
 どなたかとご一緒に参加される場合、プレイングに「お相手の呼び名(ID)」を。
 グループ参加を希望の場合は【グループ名】を最初に参加した章にご記入いただけると、助かります。

●アドリブ・絡みの有無について
 以下の記号を文頭に入れていただければ、他の猟兵と絡んだり、アドリブ入れたりさせていただきます。
 良ければ文字数節約に使ってください。
 ◎:アドリブ歓迎。
 ○:絡み歓迎。
 〆:負傷OK。
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第1章 集団戦 『ねこまたすねこすり』

POW   :    すねこすりあたっく
【もふもふの毛並みをすり寄せる】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【ねこまたすねこすり仲間】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    いつまでもすねこすり
攻撃が命中した対象に【気持ちいいふかふかな毛皮でこすられる感触】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と発生する心地よい感触】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    きもちいいすねこすり
【すねこすり】を披露した指定の全対象に【もっとふかふかやすりすりを味わいたい】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 動かないアトラクションや、パレードの乗り物の上で丸い影が鳴いている。
「にゃー」
「にゃーご」
「にゃぐにゃぐ」
「なーん」
 猟兵達が遊園地に現れれば、それらは月光の下にしゅばっと姿を現した。
 それは、まんまるもふもふ、短いあんよのねこまたすねこすりだ。
 彼らは新しくこするすねが来た、と喜び勇んで飛び掛って来る!
吉瀬・煙之助
理彦くん(f01492)と
遊園地、は初めてだね…
速そうな乗り物はちょっと怖いけど
まずは猫妖怪さんたちを解放してあげないとね

(突然すねをこすられて驚き)
わ…っ、びっくりした…
ん…、ふわふわした感触がちょっと擽ったいね
撫でても大丈夫かな…?
ふわふわでかわいいね、理彦くん♪
たくさん寄って来てくれるのはいいけど
あんまりこすられると擽ったくて…、ふふっ

ちょっと倒すの可哀想だけど、
取り込まれてる妖怪さん達の為に倒さなきゃだね…
UCで【範囲攻撃】して倒すよ

解放された猫妖怪さんたちは大丈夫かな…?


逢坂・理彦
煙ちゃんと(f10765)


相変わらず幽世は懐かしい雰囲気がただよっているね。
移動遊園地は初めてのはずだけどそれすら懐かしく感じちゃうから不思議だ。

まずはすねこすりの相手だね。
ほら、煙ちゃんあそこにたくさんいるよ。
ここから見ただけでももふもふだ。
ふふ、さっそくまとわりつかれて転んじゃいそうだなぁなんて…。
(すねこすりに期待を持たせながらしっかりと自分でしゃがんで)
ごめんごめん怒らせちゃったかな?
それじゃあ、かわりにもふもふしてあげるね。
もふもふ気持ちいいからねー。

区切りのいいところでこっそり
UC【墨染桜・桜吹雪】を発動。

すこし寂しいけどお別れしなきゃね。




 昼のない世界はひんやりと涼しく、現世の暑さとはなんとも差異がある。これなら多少動いたり、猫っぽい生き物と触れ合っても不快感は少ないだろう。
 そんなカクリヨファンタズムの移動遊園地に、吉瀬・煙之助(煙管忍者・f10765)と逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)は送り込まれた。
「相変わらず幽世は懐かしい雰囲気がただよっているね」
 古代から現代まで、様々な文明様式が混在している風景は不思議と懐かしい。
「移動遊園地は初めてのはずだけどそれすら懐かしく感じちゃうから不思議だ」
「うん、遊園地、は初めてだね……」
 ぐるり見渡せば遊園地の遊具。少し古い型であったり、現代では見られない乗り物もあるようだ。人のいない遊園地はうら寂しく、月光に照らされて猫の鳴き声が響くばかり。
「速そうな乗り物はちょっと怖いけど、まずは猫妖怪さんたちを解放してあげないとね」
「まずはすねこすりの相手だね。ほら、煙ちゃんあそこにたくさんいるよ。ここから見ただけでももふもふだ」
「わ、ふわふわだね……」
 二人に気づいてねこまたすねこすり達がしゅばばばっと物陰から現れて、新鮮なすねを狙い出す。じりじり距離を詰めてきて、飛びかかろうというのだろうか。
 突然、煙之助のすねにもふっとした感触。死角から飛びかかってきたねこまたすねこすり達がすりすりとすねをこすっているのだ。おまけにその感触は理彦にも伝播し、ふかふかの感触を伝えてくる。
「わ……っ、びっくりした……ん……ふわふわした感触がちょっと擽ったいね」
 こそばゆさに笑う煙之助の隣の理彦のすねも、もちろん狙われている。
「ふふ、さっそくまとわりつかれて転んじゃいそうだなぁなんて……」
 理彦は無防備にすねを見せながら、今だ! とばかりに飛びついてくるねこまたすねこすりの目の前でしゃがんでみせた。地面に膝をつけば、こするすねが隠れてしまう。
「にゃー」
「ぐなー」
「ごめんごめん怒らせちゃったかな? それじゃあ、かわりにもふもふしてあげるね。もふもふ気持ちいいからねー」
 大変遺憾である、すねを出すのだ、と言わんばかりに鳴いてぽすぽす当たってくるねこまたすねこすりへ理彦は手を伸ばし、丸っこい体を撫でてやる。毛並みがもふもふでふわふわしていて気持ちいい。撫でられた彼らも気持ちよさそうだ。すねをこすれない不満を忘れて、ふやんとした顔でたらんと足を投げ出している。
「撫でても大丈夫かな……? あ、ふわふわでかわいいね、理彦くん♪」
 すねをこすられ続ける煙之助も体を前に屈めて撫でてみる。すねを撫でやすいように長い毛並みを持っているのか、ふかふかふわふわな毛並みが気持ちいい。ねこまたすねこすりも、たくさんすねをこすれて更に撫でられるというすてき環境に満足げだ。更にこっちはこすれるすねだぞ、こすれこすれ、とねこまたすねこすりがどんどん集っては煙之助のすねに身を寄せてはこすっていく。
「たくさん寄って来てくれるのはいいけど、あんまりこすられると擽ったくて……ふふっ」
「にゃー」
「にゃーにゃー」
 すりすりすりすり、丹念にすねをこすられればなんともこそばゆかった。

 しばしすねをこすられ、撫でて毛並みをもっふり堪能した後、煙之助はちゃり、と小判を取り出した。
「ちょっと倒すの可哀想だけど、取り込まれてる妖怪さん達の為に倒さなきゃだね……」
「すこし寂しいけどお別れしなきゃね」
 理彦も薙刀を墨染桜の花びらに変えて、ひらりと舞わせる。
 六十二枚まで増えた小判は、ばらばらにねこまたすねこすりへと飛んでいき、当たった個体が弾けて、中からすんなりした猫又が現れた。同時に桜の花びらもぺちぺちと彼らに当たっては、猫又達を解放していった。
「解放された猫妖怪さんたちは大丈夫かな……?」
「大丈夫です」
「ありがとですにゃー」
 まんまるもふもふの数は減る。変わりに遊園地のスタッフ猫又達が現れていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

灰神楽・綾
【不死蝶】◎
夜の遊園地ってなんだか雰囲気あっていいよねぇ
漫画やテレビで見たけど実際には
お目にかかったことがないレトロなアトラクションに興味津々
あっ、あのパンダの乗り物気になる

猫さん達のお出迎えだね
少し前に遊びに行った、猫がいっぱいの島を思い出す
しかも皆ふわっふわで丸くて可愛いなぁ
あ、本当だ、ふわふわ毛が足に当たる感触が気持ちいい
これは心奪われるのも分かる
「人をダメにするすねこすり」とでも名付けよう
いやー悪い子達だなー
というわけでお返しにと
猫をころんと仰向けに転がして撫で撫で
ふわふわ毛並みとまん丸お腹を堪能
ちょっと蕩けた顔になってきて可愛い

名残惜しいけどそろそろおやすみの時間だよ
UCで優しく倒す


乱獅子・梓
【不死蝶】◎
雰囲気があるとかレトロとか言えば聞こえはいいが
少し古臭いのもあってか
肝試しスポットのように見えなくもないな…
えっ、アレに乗りたいのか綾…?

おーおー、本当に猫のたまり場だな
洗礼として早速すねをすりすりされる
あー、なるほどこれは気持ちいい
しかしこれ、妖怪というよりは
単なる人懐っこい猫のようだな…
せっかくだからお前らも一緒に遊ぶか?
猫の群れの中に焔と零を放り込んでみる
こいつらのすね、こすりづらそうだな…
最終的にふわふわに囲まれてもみくちゃにされてて
焔と零は困っているけどその様子は凄く可愛い
めちゃくちゃ可愛い
当然のようにスマホ取り出し連写

よーし、満足した
零の子守唄で寝かしつける(UC




 月に照らされた、明かりのない古びた風情の遊園地。
「夜の遊園地ってなんだか雰囲気あっていいよねぇ」
 灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)はきょろりと周囲の遊具を見渡す。
 最近の遊園地にありそうなものから、ブリキや真鍮で飾られたアトラクションや、歴史の中に消えていったようなアトラクションなど、馴染みのないものものも見える。綾はそういったレトロなアトラクションに惹かれていた。
「漫画やテレビで見たけど実際にはお目にかかったことがないなぁ」
 焔と零を肩に乗せた乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は少々気味悪げに辺りを警戒している。
「雰囲気があるとかレトロとか言えば聞こえはいいが……」
 少し古臭く、さらに明かりがないのも相まって、不気味な雰囲気すら漂う。いっど肝試しスポットのように見えなくもない。
 そんな梓の気持ちを露知らず、とある一つの乗り物に目を止める。
「あっ、あのパンダの乗り物気になる」
「えっ、アレに乗りたいのか綾……?」
 それは、昔デパートの屋上などにあった揺れるパンダの乗り物。愛嬌があると言えなくもない顔のパンダがただその場で揺れる、幼い子ども向けの乗り物に乗りたいという綾に梓は瞠目した。
 そんな風にわいわいと好き勝手言い合ってる二人の周囲にもこもことした影がしゅばっと集ってきた。
「猫さん達のお出迎えだね」
「おーおー、本当に猫のたまり場だな」
「しかも皆ふわっふわで丸くて可愛いなぁ」
 月明かりに照らされて、ふわふわもこもこ、丸いねこまたすねこすり達が遊具の影や隙間から現れて、二人のすねを狙い出す。
(少し前に遊びに行った、猫がいっぱいの島を思い出すなぁ)
 人よりも猫の多い島と言われるほど猫がいっぱいだった島での夏休みを思い出し、綾は ふと思い出し笑い。
 あのときの猫よりもたいそう丸い目の前の妖怪は、ふんすふんすとすねを狙ってじりじり近づいてくる。
 早速二人のすねにぽすんぽすんと何匹かが突撃し、すねをこすってくる。
「あー、なるほどこれは気持ちいい」
「あ、本当だ、ふわふわ毛が足に当たる感触が気持ちいい」
 魅惑のもふもふはふっかふかで、こすられればついついほんわかしてくる。
「これは心奪われるのも分かる。「人をダメにするすねこすり」とでも名付けよう」
「しかしこれ、妖怪というよりは単なる人懐っこい猫のようだな……」
「いやー悪い子達だなー」
 梓の感想はさておいて、綾はもふもふに魅了され、魅了してくる悪い子はこうだ、とねこまたすねこすりをころんとひっくり返す。やーん、すねこすらせろー、と短い脚をばたつかせるもふもふなねこまたすねこすりの腹があらわになった。
 綾はふわふわな毛並みとまんまるなお腹を撫でる。撫でる。絶妙な力加減で撫でる。
 撫でられたねこまたすねこすりはとろんと気持ちよさそうな顔でされるがままだ。
(ちょっと蕩けた顔になってきて可愛い)
「せっかくだからお前らも一緒に遊ぶか?」
 梓は肩に乗せていた子竜姿の二匹を下ろし、ねこまたすねこすりの群れの中に放り込んだ。
(こいつらのすね、こすりづらそうだな……)
 梓の感想通り、小さな二匹のすねはこすりづらい。ねこまたすねこすり達がこするの難しいぞ、すねを出すのだーとぐいぐいすりすり、小さな脚を狙って体当たりしている。焔と零はキュー、ガウと戸惑ったように鳴きながら押されるばかり。
 最終的に四方八方ねこまたすねこすりに囲まれて、ふわふわにもみくちゃにされて困ったように梓を見上げて鳴いている。
(凄く可愛い。めちゃくちゃ可愛い)
 助けを求められているはずの梓は、当然のようにスマホ取り出し連写していた。親ばかである。

 しばし撫でるのと子竜の姿を堪能した二人。
「よーし、満足した」
「名残惜しいけどそろそろおやすみの時間だよ」
 零の子守唄が月夜に響く。あくびをして眠るねこまたすねこすりに紅い蝶が触れるとぽん、と弾け、すんなりとした猫又スタッフが解放されるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

篝・倫太郎
……ねこまたなのにすねこすり?
なんて思ってたらうきうきとすねを擦りに来ましたケドも?

いや、うん……すねこすりたいのな?
猫って擦り寄る性質あるけどさ
そっかーねこまたかー……

最終的には天地繋鎖で還って貰うとしても
ま、まぁ?
すねが無くなっちまわないなら存分にこすって貰っても?
ふかふかだし?
そのふかふかがすりすりしてくれるんだし?
(完全に敵のUC効果が覿面に効いているが自覚はない)

うちの猫達も時々してくれるけど
大概に飯強請る時くらいだもんなー……

はー……もふもふふかふか……
(覿面に効いている※2回目)

さてっと……すねが減った訳でもないけど
先に進まないとなんでごめんなー?
心を鬼にして華焔刀ですぱっとな?




 ふさふさの尻尾は二股で、三角系の耳があって、 基本やや釣り目で、髭もある。少々丸っこいが、短い足には肉球もある。
 そんな姿のねこまたすねこすりに、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は囲まれていた。
「……ねこまたなのにすねこすり?」
 すねこすりとは犬のような毛の長い妖怪、という説が多いだろうか。ねこまたすねこすり猫又であるがすねこすりである。その存在の不思議さに首をひねっていれば、囲んでいたねこまたすねこすりがうきうきとすねをこすり始めた。
「いや、うん……すねこすりたいのな?」
 しゅばばばっと足の間を駆け抜けすねをこするもの、おっとりたっぷりすねをこするもの、左右のすねをまんべんなくこするもの。好き勝手にすねをこすっていく。
「猫って擦り寄る性質あるけどさ。そっかーねこまたかー……」
 最終的には倒さなくてはならない。ならないのだが。
「ま、まぁ? すねが無くなっちまわないなら存分にこすって貰っても? ふかふかだし? そのふかふかがすりすりしてくれるんだし?」
 完全に魅了されてしまっているが、倫太郎にその自覚はない。しかしその効果は抜群で、そのふかふかの毛並みやすりすりを味わいたいと思ってしまい、ねこまたすねこすり達に抵抗することなくこすられている。
「うちの猫達も時々してくれるけど、大概に飯強請る時くらいだもんなー……」
 そのつれなさもかわいいが、こうやって甘えられているのもいい。
「はー……もふもふふかふか……」
 倫太郎はしばらくの間、すねこすりを堪能するのだった。

 もふもふを堪能しきって、ねこまたすねこすりも落ち着いた頃合いで、倫太郎は刀を抜く。
「さてっと……すねが減った訳でもないけど。先に進まないとなんでごめんなー?」
 倫太郎は辺り一帯のねこまたすねこすり達を指差して鎖で繋ぐ。そこを華焔刀ですぱっと切れば、取り込まれた猫又が解放されるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴久名・紡
惟継(f27933)と◎
POW

すねこすりは判る
猫又も当然判る
判るけど、二つ合わさったのってあっただろうか

ところで、惟継の脛って何処になるんだ?
……というか脛、あるんだろうか?

下半身は竜のままだけど……
じーっとその竜の身である半身を眺め

ここって言ったらそこが脛になったりしないよな?
親父殿はおおらかが過ぎる……

おっと、凄い勢いで突進してくる……
もふもふだしふわふわで抗い難い

惟継はなんか、孫とお爺ちゃんの戯れみたいに見える
楽しそうではある……からいいかな

さて……ねこまたこすり、またな?
一応お前達は還さなきゃいけない存在だから

葬焔を弓に、禮火を矢に変えて
生命力吸収を乗せて射貫く

おやすみ、楽しかったよ


鈴久名・惟継
紡(f27962)と参加◎
POW

なんとも愛らしいなぁ
猫もすねこすりも、どちらにしても大した問題はない
好いぞ好いぞ、相手をしてやろうではないか

俺の脛……?
まぁ、竜の足の……膝下辺り……俺もよく分からんぞ
足に寄ってくればいいのではなかろうか
さあさあ、ドンと来るがいい!

足に集まるねこまたこすりにされるままに
ちゃっかり半身の竜の背に乗ったりしているが、それもまた好かろう
紡もちゃんと戯れているか?相手をしてから還すのだぞ

堪能した後は天候を操作し、破魔の力を付与した雷、鳴神にて一掃
すまんなぁ、倒さねば世界に終末を迎えてしまうものでな
それにこうでもしなければ開放できないからな




 鈴久名・紡(境界・f27962)はしゅばっと現れたねこまたすねこすりを見る。周囲を囲む彼らの毛皮の色や柄、大きさに違いはあれど、皆丸っこくふかふかの姿。
「すねこすりは判る」
 人のすねをこすっていく、毛玉のような、犬のような妖怪。
「猫又も当然判る」
 長く生きた猫がなるという、尻尾が二つに別れた猫の妖怪。
「判るけど、二つ合わさったのってあっただろうか」
 無論存在していなかった。いっそ新しい妖怪なのか、と思うこともできた。
 しかしここにいるのは、すねこすりの骸魂に取り込まれた猫又、ねこまたすねこすり──オブリビオンだ。
 そんな甥の隣で、鈴久名・惟継(天ノ雨竜・f27933)はじりじり近づいてくるねこまたすねこすりに目を細めた。
「なんとも愛らしいなぁ」
 新鮮なすねを狙って周囲から集まってくる彼らは足は短く、尻尾は二つ、けれど全体的になんとも丸い。そしてふかふかである。惟継にはたいそう可愛らしく見えた。
「猫もすねこすりも、どちらにしても大した問題はない。好いぞ好いぞ、相手をしてやろうではないか」
 さあ存分にこするといい、と竜の半身をくねらせ脚を前へと出してやる。
「ところで、惟継の脛って何処になるんだ? ……というか脛、あるんだろうか?」
 紡はその竜の身を、ひょいと出された脚をじっと見た。膝もあるし、足との間をつなぐ部位もある。ここがすねだろうか、とか思いながら。
 尋ねられた惟継も首を傾げる。
「俺の脛……? まぁ、竜の足の……膝下辺り……俺もよく分からんぞ。足に寄ってくればいいのではなかろうか」「ここって言ったらそこが脛になったりしないよな? 親父殿はおおらかが過ぎる……」
 竜神であれば思うがままに姿形も変わるかもしれない。そんなおおらかさが惟継にはあった。
 そんな風にのんびり話す二人へと、ゆくぞ、とばかりにしゅばっと飛び出すねこまたすねこすり達。ぽすぽすと何匹も当たってきてすねをこすろうとする。何匹も何匹も勢い良くぽふぽふ当たってくる勢いはかなりのものだ。
「おっと、凄い勢いで突進してくる……もふもふだしふわふわで抗い難い」
 紡はぽすんぽすんと押されるままに、少し後退する。払いのけるのも避けるのも簡単だろうが、大して痛くもないし、どうにも抗いがたいふかふかさだ。
「さあさあ、ドンと来るがいい!」
 惟継は、とまどいつつも竜の脚を狙うねこまたすねこすりを受け止め、その脚をこすられるがままだ。勢いのままにちゃっかり竜身に乗っかってむふーとしているものもいるが、それも好いだろうと頓着しない。わちゃわちゃとねこまたすねこすりに体当りされ、ときにはその体の上に乗られ、すりすりされている。
(惟継はなんか、孫とお爺ちゃんの戯れみたいに見える。楽しそうではある……からいいかな)
 勢い良くまとわりつかれ、遊ばれているような光景を見守る養い子に、惟継は笑いかけた。
「紡もちゃんと戯れているか? 相手をしてから還すのだぞ」
「ああ」
 ぐいぐいすりすりと紡のすねをこする、ねこまたすねこすりに紡も手を伸ばした。ふかふかの毛並みを撫でてやったり、されるがままにすねをこすらせてやる。

 しばし二人でねこまたすねこすりにしたいようにさせた後、名残惜しくも少し払いのけ、距離を取る。
「さて……ねこまたこすり、またな?」
 どんなに可愛らしくとも、彼らについた骸魂は還さなくてはならない。紡は葬焔を弓に、禮火を矢に変えて、集う彼らを射貫く。
「おやすみ、楽しかったよ」
 惟継も天候を操り、雷を呼んだ。暗い空から破魔の力を帯びたカミナリガ落ちてきて、ねこまたすねこすりを打ち据えた。
「すまんなぁ、倒さねば世界に終末を迎えてしまうものでな。それにこうでもしなければ開放できないからな」
 彼らが攻撃した後には丸い姿は消え、骸魂から解放された猫又スタッフ達が現れるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジョヴァンニ・カフカ
◎○〆

何と凶悪な骸魂でしょうか…
あまりの暴力的な外見に声が出ません(可愛くて)
すねをこするなら、存分にこすりなさい
此方も容赦しませんよ。勿論もふる的な意味で、です(もふもふ)

元々のすねこすりとは、転ばせる妖怪でしたか
転ばせに来る様ならアクロバットの要領で受け身を取るか、
いっそ、転がってすねこすりさんを堪能します
被毛に隠れて分かりづらいですが、小さな足が可愛らしいですね
愛らしい外見でも敵である事には違いませんから、
肉球をふにふにして懲らしめましょう

その外見から、どうも攻撃しにくいですね
箒の柄でポカッとやる程度で何とかなれば良いのですが…
どうしても無理そうなら、ユーベルコードで対処します。南無三




 ジョヴァンニ・カフカ(暁闇・f28965)は現れたねこまたすねこすりの姿にぷるぷると震えていた。
(何と凶悪な骸魂でしょうか……)
 まんまるな体、ふかふかの毛並み、短いあんよ、ピンクの肉球。ほんのりつり上がった目もかわいらしい。
(あまりの暴力的な外見に声が出ません)
 仮面の下の顔が緩んで仕方がない。可愛さの暴力の効果てきめんである。
 やる気満々なねこまたすねこすりは、新鮮なすねを狙ってじりじり近づいてくる。
「すねをこするなら、存分にこすりなさい。此方も容赦しませんよ」
 勿論もふる的な意味で。
 そう言われればねこまたすねこすりも黙っていない。しゅばっと素早い動きでジョヴァンニのすねを狙って飛びかかってきた。
(元々のすねこすりとは、転ばせる妖怪でしたか)
 一説によれば足の間を走ってすねをこすっていく、あわよくば転ばせるという妖怪である。パルクールでの移動を得意とするジョヴァンニならば、転がされてもアクロバットの要領で受け身を取れるが──いっそ転がってすねこすりを堪能するのも悪くはない。
 なのでぽすんぽすんと飛び込んで、すねをこする勢いに抗わずにジョヴァンニは転がった。
 ねこまたすねこすりは彼を囲んで、思いっきりすりすりもふもふしてくる。
 ジョヴァンニは上半身を起き上がらせ、わちゃわちゃ寄ってくるねこまたすねこすりを観察する。
(被毛に隠れて分かりづらいですが、小さな足が可愛らしいですね)
 しかし愛らしい外見でも敵である事には違いない。故に懲らしめねば。
 故にジョヴァンニ手近なねこまたすねこすりを一匹抱き上げる。その一匹はやーん、すねこするのー、と言わんばかりに短い脚をばたつかせた。
 けれどジョヴァンニはあえて心を鬼にして、肉球をふにふにするのだ。もちもちとした弾力のある肉球も、こすられるすねも、ふかふかの毛並みも気持ちよかった。

 しばし毛並みと肉球を堪能したあと、ジョヴァンニは躊躇いながらもウィザードブルームを手にした。
(どうも攻撃しにくいですね)
 それでもやらねばならない。すねをこすって満足した彼らを、ぽかりと叩く。
 途端、ぽんとはじけたねこまたすねこすりから、飲み込まれていた猫又スタッフ解放されたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

オヴィリア・リンフォース
 ◎○
猫たちが悪さをしているのなら放ってはおけないのです
相手はまんまるな猫さんだけれど油断はできないのです
もふもふなら負けない自信はあるのですが、直接確かめてみるのです
(尻尾を揺らしながら)
さあ、すり寄ってくるのです!

(沢山の猫たちに突進され)
むむむ…中々に侮れないもふもふなのです
猫好きの人達ならひとたまりもないのです
実にいい毛並みなのです

(堪能した後で)
それでも心を鬼にして戦うのです
猫パンチでねこまた達を倒して妖怪達を助けるのです
力不足ならキャットフードとか
何か美味しい物を食べてパワーアップするのです
倒せたのならちゃんと解放されたのか確かめるのです
金ピカ猫の猫さんはどこにいるのです!




 オヴィリア・リンフォース(銀色の魔女猫・f25140)の尻尾はリズミカルに揺れている。闘争心たっぷりにやる気満々だ。
 視線の先には、新たな獲物の登場にしゅばっと現れたねこまたすねこすり。
(猫たちが悪さをしているのなら放ってはおけないのです。相手はまんまるな猫さんだけれど油断はできないのです)
 純粋な猫ではないけれど、放っておけないのだ。到底悪さのできなそうなまんまるなボディ。血湧き肉踊る戦いよりもすねをもふろうという欲求が強そうであるが、それでも気をつけるべきだろう。
(もふもふなら負けない自信はあるのですが、直接確かめてみるのです)
 きりっと大地を踏みしめて、小さなオヴィリアは凛々しく宣言する。
「さあ、すり寄ってくるのです!」
 その言葉に応じて、たくさんのねこまたすねこすり達がオヴィリアに向かって突進してくる。ぽすんぽすんと何匹も体当りし、オヴィリアのすねを狙いつつもうまくこすれず、ならばオヴィリア本人をこすればいいともふもふすりすりしていくのだ。
「むむむ……中々に侮れないもふもふなのです。猫好きの人達ならひとたまりもないのです。実にいい毛並みなのです」
 ふかふかすりすりされれば心地よく、心奪われそうになる心地よさ。すりすりと何度も体当りしてくるねこまたすねこすり達を、オヴィリアは受け止め、存分にこすられるのだった。

 もふもふを堪能したあと、オヴィリア心を鬼にする。
 たっぷりすねをこすって満足したねこまたすねこすり達に、ぺしんぺしんと猫パンチしていく。
「妖怪達を助けるのです!」
 叩かれたねこまたすねこすりがぽんと弾け、猫又の遊園地スタッフが現れる。
「大丈夫です?」
「ありがとうございました、大丈夫です」
 きちんと解放されたことを確認し、オヴィリアは次の猫を目指して遊園地を探索にいく。
「金ピカ猫の猫さんはどこにいるのです!」
 昼を消してしまった、元凶の猫を探しに。

成功 🔵​🔵​🔴​

神坂・露
レーちゃん(f14377)と。
わ♥わわ♪なになにこの子達すごく人懐っこいわ。
えへへ…へへ♪かわい~。ぎゅっ…ってしちゃうわ。
この猫さん達って脚が大好きみたいね?…特に脛?

しばらく自由にさせてたらレーちゃんから指摘されて。
「え? この子達が相手? えぇー。可愛いのに~」
って何匹か抱っこしてる子見て。何匹か脛でじゃれてる子みて。
戦い難いわ。満足するまで脛にじゃれてたら還るかしら。
ってレーちゃんに聞いてみたらため息混じりに同意してくれたわ。
ありがとーってお礼いってから思いきり猫さん達と遊ぶわ。

やっぱり大好き♪最近は本当にレーちゃんって丸くなった気がするわ。
初めて会った時は冷たい目で無視されたのに。


シビラ・レーヴェンス
露(f14377)と。
尾が二股だが丸々としていて猫又とはまた違った種だな。
と思ったが猫又らしいな。毛並みで丸々とした姿なのか。

考えているうちに毛玉まみれだ。こういう役は露だろうに。
いや。露…君もさりげなく紛れて私に抱き着いてくるな。

骸魂の名前からして脛を対象にしかけてくる相手のようだ。
ということは両脚が攻められるのか。オーラ防御で纏っておく。
露も同じように対策を…していないな。まあ問題はなさそうだが。
後は倒すことだが…ん。露ではないが攻撃し難いな。この子達は。

さて。自然と露の顔をみる。やはり同じことを考えているようだ。
やれやれ。一苦労だが今回も満足するまで遊んでやろう。
…だから猫まみれは…。




レーちゃん(f14377)と。

 ぽすんぽすんと飛び込んではすねをこすってくるねこまたすねこすりに、神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)は嬉しげに言う。
「わ♥ わわ♪ なになにこの子達すごく人懐っこいわ」
 思わず手近な数匹を捕らえてぎゅっと抱きしめた。
「えへへ…へへ♪ かわい~」
 抱きしめられたねこまたすねこすりは、やーんすねこするのー、と言わんばかりに短い脚と尻尾をばたつかせて抵抗しているが、露は構わず抱きしめた。
 シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)は、物陰からしゅばっと現れたねこまたすねこすりを観察していた。
(尾が二股だが丸々としていて猫又とはまた違った種だな……)
 猫又を飲み込んだ骸魂なので、今は純粋な猫又ではないのだろう。すねこすりの特徴である毛玉のような姿と猫又が合わさったのが今の姿のようだった。
 そんな風にシビラが考えこんでいれば、動かない新鮮なすねへとねこまたすねこすりが飛び込んできた。ふかふか毛並みでもふもふとすねをこすっている。
(すっかり毛玉まみれだ。こういう役は露だろうに)
 そしてそれに紛れるように、ねこまたすねこすりを離した露が背中に抱きついていた。
「いや。露……君もさりげなく紛れて私に抱き着いてくるな」
「え〜。レーちゃんつれない……」
 不満だと言わんばかりに口を尖らせながらも、露はシビラから離れて、自分の足元のねこまたすねこすりを再び抱き上げる。
「この猫さん達って脚が大好きみたいね? ……特に脛?」
「骸魂の名前からして脛を対象にしかけてくる相手のようだ」
「そうなのね」
 なのでシビラはすねを守るようにオーラをまとってはいるが、露は無防備にしゅばっと飛び掛って来るねこまたすねこすりを受け止めてされるがままだ。
(まあ問題はなさそうだが)
 あまり力が強くないのか、体当りされてもさほどダメージはない。ひたすらもふもふとされるだけだ。きゃあきゃあ言いながらすりすりしてくるねこまたすねこすりを捕まえては抱きしめる露に、シビラは告げる。
「露、分かってるな? 今回倒す相手だぞ」
「え? この子達が相手? えぇー。可愛いのに~」
 露は、したぱた暴れている抱きかかえている何匹かを見て、すねじゃれてくる何匹かを見て。大変複雑な顔をした。
「戦い難いわ」
「……ん。攻撃し難いな。この子達は」
 シビラは自然と露の顔を見てみれば、どうやら同じことを考えているようだった。
「レーちゃん。満足するまで脛にじゃれてたら還るかしら」
「試してみてもいいかもしれないな。やれやれ。一苦労だが今回も満足するまで遊んでやろう」
 ため息まじりではあるが、シビラは同意した。すねをもふられるままに受け止める。
「レーちゃん、ありがとー」
 露もシビラに礼をいい、飛びついてはすねをこすってくるねこまたすねこすり達を受け止める。
 ねこまたすねこすりまみれになって困惑するシビラを見ながら露は思う。
(やっぱり大好き♪最近は本当にレーちゃんって丸くなった気がするわ。初めて会った時は冷たい目で無視されたのに)

 しばらくの間、ねこまたすねこすりが満足するまですねをこすらせたが、骸魂から妖怪が解放されることはなかった。
 仕方なく、ねこまたすねこすりを攻撃すればぽんと弾け、ようやく取り込まれた猫又が解放されるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

檀・三喜エ門
名前を聞いた時から可愛い予感しかなかったのだけど
見目愛らしいだけに、なかなかの強敵なのでは
こういった趣向の出し物だと言われたら信じてしまうね
ああ、でも猫又くん達も困っているだろうし、対処しなくては

すまない、すねこすりくん
おじさん袴だから擦りにくかったね…袴の裾を咬まないでおくれ
手近な長椅子にでも腰掛けたら、脛も出るしもふもふを堪能できるのではとおじさんは閃いてしまった
短い足では痒い所も届きにくいだろうから、掻いてあげよう

さて、名残惜しいけれど猫又くん達を解放してもらおうか
結界術にて複数を集め、鬼雨で範囲攻撃
君たちを送るのが優しい技でなくてすまないね
来世があるなら、愛される猫であるように祈るよ




(名前を聞いた時から可愛い予感しかなかったのだけど、見目愛らしいだけに、なかなかの強敵なのでは)
 可愛らしい姿に檀・三喜エ門(落日・f13003)はへにゃりと顔を緩めた。
「こういった趣向の出し物だと言われたら信じてしまうね……ああ、でも猫又くん達も困っているだろうし、対処しなくては」
 さてどうしたものか、と考える三喜エ門へとねこまたすねこすりは飛びかかる。ひらひらの袴の裾にぼふんと頭から飛び込んですねをこすろうとするが、裾が邪魔でいまいち思うようにこすれない。
 大変不満である、すねを出すのだ、と言わんばかりに、ねこまたすねこすり達は三喜エ門の袴の裾を咬んで引っ張りだした。
「すまない、すねこすりくん。おじさん袴だから擦りにくかったね……袴の裾を咬まないでおくれ」
 あたふたする三喜エ門の目に止まったのは、設置されている木のベンチ。
(そうだ、あれに腰掛けたら脛も出るしもふもふを堪能できるのでは)
 と、三喜エ門は閃いてしまった。
「さあおいで」
 袴の裾をめげずにかじるもの、すねをこすろうとするもの、機をうかがうもの、全てを引き連れて三喜エ門は手近なベンチへと腰掛けた。
 袴の裾が齧ったものをぶら下げながらも上がり、すねを顕にする。ねこまたすねこすりは早速ぽすんぽすんとすねをこする。大変もふもふだ。
 未だに裾にかじりついているものへと三喜エ門は手を伸ばし、抱え上げた。
「短い足では痒い所も届きにくいだろうから、掻いてあげよう」
 したぱた暴れるねこまたすねこすりの背中を掻いてやれば、暴れるのをやめて、気持ちよさそうに広がった。

 もふって満足しておとなしくなったねこまたすねこすり達。膝の上の個体もおろしてやって、三喜エ門は立ち上がる。
「さて、名残惜しいけれど猫又くん達を解放してもらおうか」
 逃げぬように結界で周りを閉ざし、弓を構えてびょうと射る。
「君たちを送るのが優しい技でなくてすまないね。来世があるなら、愛される妖怪であるように祈るよ」
 ばらりばらりと降る矢の雨がねこまたすねこすりを穿けば、ぽんと弾けて猫又達が解放されるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

落浜・語
【路地裏】3名

そう言えば、ずっと気になってたけれどカクリヨに来たの初めてだ。
なんか、来たことはないんだけれど懐かしい感じがるのは、似ているからなんだろうなぁ。
じゃ、まずはやることやりますか。

すねこすり、もとい、猫又……ん?逆か?まぁ、いいか。
さすがにこすられると擽ったい…。でも、もふもふで触ってる感触はちょっと気持ちいいんだよな…。……(もふもふ)あ、すごくもふもふ……。
止めろカラス、お前、探知能力上がってないか?わかってるから、やることやるから。

ちょっとかわいそうだが、UC『紫紺の防禦』でもって、燃やしてしまおうか。
お前たちがいるのは、ちょっと困ってしまうからな。


吉備・狐珀
【路地裏】

ここがカクリヨ。初めてなのに初めてのような気がしないのはヤドリガミだからでしょうか。

あれが、ねこまたすねこすり…。
かわ…じゃなくて、もふも…でもなくて、ふわも…。
奪われていません(もふもふ)心を奪われていません(もふもふ)
これは演技です(もふもふ)。ウカ、ウケ、心を奪われた演技ですからね?
エンギデスヨ?

ん?この子達から少々邪な気を感じますね。
まるで行く手を阻もうとするような…(もふもふ)。
せっかく可愛いのにこの気は似合いませんよ。
UC【鎮魂の祓い】使用
悪い気は祓ってしまいましょうね。
猫又にとりついたねこすりの骸魂を祓う音色を魂迎鳥で奏で浄化してしまいましょう。


勘解由小路・津雲
◎【路地裏】3名
ここがカクリヨか。おれの出身のサムライエンパイアでは、妖怪変化はすべてオブリビオンだから、友好的な妖怪が住む世界というのはなんだか不思議な感じがするな。
……まあ、私達ヤドリガミも妖怪の親戚みたいなものですが(ここだけ口調変化)。

【戦闘?】
こういうときに、無力化する技(UC)がないのは不便だな。とりあえず形代を取り出し、【白帝招来】!
虎のすねってどこになるのだろうな? まあ好きな場所をこするがよい。
肝心のすねこすりの骸魂は、……毛づくろいではがれないものかな? ざらざらの舌でざりざりっとな。

ダメなら語が燃やしてくれるだろう。
あと吉備さんのは演技ではないと思う(断言)




 昼のない、ひんやりとした夜の気配のこの場所に、【路地裏】の一行はやってきた。
 ぐるりと見渡せば月明かりに照らされた、どこか寂れた遊園地。
 落浜・語(ヤドリガミの天狗連・f03558)肩にカラスを乗せたまま呟いた。
「そう言えば、ずっと気になってたけれどカクリヨに来たの初めてだ」
 どこか懐かしい不思議な世界。新しいもの古いものが混ざり合っているからなのか。
「なんか、来たことはないんだけれど懐かしい感じがるのは、似ているからなんだろうなぁ」
 吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)も同じように感じていた。
「初めてなのに初めてのような気がしないのはヤドリガミだからでしょうか」
 勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)は少々首を傾げてみせた。
「サムライエンパイアでは、妖怪変化はすべてオブリビオンだから、友好的な妖怪が住む世界というのはなんだか不思議な感じがするな」
 彼の出身世界の法則や事実とは異なるカクリヨファンタズムに、懐かしみよりも不思議な心地が勝ったのだ。
 けれどふと眼差しを緩めて、常の通りの柔らかな敬語で呟いた。
「……まあ、私達ヤドリガミも妖怪の親戚みたいなものですが」
 そんな風に話す三人を見つけ、物陰から影が躍り出る。
 まんまるな体に短い脚。ふかふかの二又の尻尾をしたんしたんとリズミカルに揺らして、新鮮なすねを狙うねこまたすねこすり達だ。
「じゃ、まずはやることやりますか」
「あれが、ねこまたすねこすり……」
「すねこすり、もとい、猫又……ん? 逆か? まぁ、いいか」
 もふもふした集団は三人を狙い、じりじりと近づいて行く。隙を見せれば一気に飛び掛って来るだろう、そんな雰囲気を醸し出している。
「こういうときに、無力化する技がないのは不便だな」
 眠らせたり動きを制限できる技があれば、こういった見目が愛らしいものや、悪さが大したことのないものを封じる際に心の重しが多少は軽くなるものだ、などと思いながら津雲は袍から形代を取り出し、宙へと投げる。
 紙の形代がぐんと大きくなり、津雲の体を覆ったかと思った次の瞬間、そこにいたのは白い虎。真の姿の白虎へと変じた津雲であった。
「虎のすねってどこになるのだろうな? まあ好きな場所をこするがよい」
 突如現れた白虎。ねこまたすねこすり達は警戒することく、その四本の脚全てに群がってこすっていく。まんべんなくしっかり大地を踏みしめる太い脚を、大きな手を目掛けてしゅばっと飛び込んできた。四本の脚全てをこすり、白虎の毛並みを撫でるように、行っては戻ってふかふかもふもふしていく。
 するとまだ触れられていない語と狐珀のすねにも感触が伝わっていった。触れられていないのに何だかもふもふしてきた。
 更にぽすんぽすんと二人のすねにも、ねこまたすねこすり達が突撃していく。多少よろけて後ろに下がるもそれだけだ。
 三人に群がるねこまたすねこすり達は思い思いにすねをこすって走り去ったり、そのままこすりつづけたりと自由に動き回っている。
「さすがにこすられると擽ったい……でも、もふもふで触ってる感触はちょっと気持ちいいんだよな……」
 語は上体を曲げ、自分のすねをこするねこまたすねこすりの一体に手を伸ばして撫でる。
「……あ、すごくもふもふ……」
 ふかふかの毛並みはもふもふで気持ち良い。少々うっとりしていると肩の上で身動ぐ気配がした。
「止めろカラス、お前、探知能力上がってないか?わかってるから、やることやるから」
 それでも少しくらい、とその手は止まらない。



一方狐珀はすでに夢中だった。
「かわ…じゃなくて、もふも…でもなくて、ふわも……。奪われていません。心を奪われていません。これは演技です。ウカ、ウケ、心を奪われた演技ですからね? エンギデスヨ?」
 その手にはしたぱたと短い脚と二本の尻尾をばたつかせるねこまたすねこすり。すねをこするのだー、と暴れるねこまたすねこすりをもふっている。無論足元にまとわりつくその感触も堪能していた。主を補佐する狐達の視線は、無論冷たいものだった。
 もふられながらその様子を見た津雲は断言する。
「吉備さんのは演技ではないと思う」
「ないなぁ」
 語もそれには同意した。彼女の家にはもふもふふわふわしたぬいぐるみが増え続けるほどのもふもふ好きであるのだから。
 そんなもふもふ好きの狐珀は、ねこまたすねこすりをもふもふするうちに気づく。
「ん? この子達から少々邪な気を感じますね。まるで行く手を阻もうとするような……」
 実際にもふもふに夢中になって足止めされている最中であるが、そこはそれ。
「せっかく可愛いのにこの気は似合いませんよ」
 名残惜しくももふもふから手を離し、魂迎鳥を口に当てる。
 すぅと息を吹き決めば、奏でられるは浄化の音。猫又を取り込んだすねこすりの骸魂が、浄化されて祓われる。
 すっかりおとなしくなるねこまたすねこすり達。未だ祓われず、姿が変わらぬもの達を津雲がべろりと舌でなめれば、ぽんと弾けて、すんなりとした猫又の姿へと変わっていく。
 それでも祓われぬ骸魂には、語のループタイから現れる花びらが降り注ぐ。
「お前たちがいるのは、ちょっと困ってしまうからな」
 かわいそうだけれど、世界を壊すわけにはいかないのだから。
 花びらが触れたねこまたすねこすりを燃やす。炎が収まった後には、猫又が無事解放されるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『金秘華猫』

POW   :    にゃーんにゃん♪
攻撃が命中した対象に【徐々に体が猫化する呪詛】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【金秘華猫に好意を寄せてしまう呪詛】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    月を食らう猫
戦闘中に食べた【月の光】の量と質に応じて【更に妖艶な姿になり、一時的に無敵になって】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    化け猫の悪戯
【面をかぶることで、周囲の猟兵や妖怪の姿】に変身し、武器「【不意打ちの爪や牙】」の威力増強と、【バレた時は猫の逃げ足】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナミル・タグイールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 まあるいねこまたすねこすりよりも、まん丸なお月様。そこから降り注ぐ月の光はしゃらりと溶けるような舌ざわり。すぅっと爽やかな後味残る甘さを、苦くも芳しい煙で流せばいくらでもたべられる。 
「にゃあん? 何用かにゃ?」
 ぷかりぷかり、煙管をふかし。回転木馬の屋根の上に寝転んで。おいしいおいしい月の光を食べていた金秘華猫が近づいてくる猟兵に気づく。
「ふむん、腹ごなしにちょうどいいにゃ」
 まだまだいっぱい食べられるように、少し遊ぼうか、と金秘華猫は立ち上がった。

===
・プレイングは、9/9の朝8:31以降に受付させてください。その前に届いたプレイングはお返しさせていただきます。
篝・倫太郎
月も夜も好きだけどな
それしかないのは好きじゃねぇんだよなぁ
昼があるから、月も夜も愛おしくなる

なーんて風情や風流の類は判んねぇか……
悪いけど、返して貰うぜ?

天地繋鎖使用
野生の勘や第六感を元に視力も用いて敵の看破を試みる
バディペットの烈や疾風の嗅覚も利用して特定
その後に対象指定しての先制攻撃

鎖の攻撃と同時にダッシュで接近
生命力吸収と衝撃波を乗せた華焔刀で
なぎ払いから、刃先返しての2回攻撃

敵の攻撃は見切りや残像で回避

敵が逃げようとする場合は
再度天地繋鎖を使用して妨害し地に落とす

逃がすと思ったか?
言っただろ?返して貰うってよ

再度仮面を付けさせるような事はさせねぇ
さっさと骸の海に還んな
俺達が送ってやる




「月も夜も好きだけどな、それしかないのは好きじゃねぇんだよなぁ。昼があるから、月も夜も愛おしくなる」
 倫太郎が華焔刀 [ 凪 ]を構え、金秘華猫へと告げる。けれどそんな言葉はどこ吹く風、金秘華猫はあくび混じりに言い返してきた。
「関係ないにゃ。お腹いっぱい食べれる夜があればそれでいいのにゃ」
「やっぱり風情や風流の類は判んねぇか……悪いけど、返して貰うぜ?」
 ぐんと華焔刀を振り回し、回転木馬の屋根の上に立つ金秘華猫へと倫太郎は飛びかかる。逃げれぬように、烈や疾風に囲い込みを任せつつ、同時にその指先を月光色の毛並みの猫に突きつけた。
「其処に天地を繋ぐ鎖を穿て」
「にゃあ!?」
 瞬時に天地を渡る鎖が金秘華猫を縛り付ける。藻掻く猫だが鎖が緩むことも外れることもなく、華焔刀の薙ぎ払いに吹き飛ばされた。
 吹き飛んだその先にいたのは烈。前脚で疾風の方へと金秘華猫を蹴り飛ばす。地面を跳ねたその体に疾風が噛み付いたあと、倫太郎の再攻撃に切り飛ばされた。
 面をつける暇も逃げる暇も与えない、怒涛の攻撃に、金秘華猫はにゃあにゃあ鳴いて姿を晦まそうと面へと手を伸ばす。
 そこに再度指される指先。鎖が伸びて、面を下げようとした指を弾いた。
「逃がすと思ったか?  言っただろ?返して貰うってよ」
 再度仮面などつけれぬほどに追い立ててやれば、金秘華猫は慌てて飛び上がる。
「さっさと骸の海に還んな。俺達が送ってやる」

大成功 🔵​🔵​🔵​

吉瀬・煙之助
理彦くん(f01492)と
えーと、あの子を倒せばいいのかな…?
昼がないとずっと暗い世界で過ごす事になっちゃう…
あまり戦闘は得意じゃないけど、
しっかり理彦くんのサポートするからね…!

【目立たない】で気配を消しながら、理彦くんに注意が向いた時に
銃で【スナイパー】【マヒ攻撃】で攻撃するよ
理彦くんと同じUCを使うなら、そのぶん僕が支援するだけだよ
後衛から【援護射撃】しながら敵の【体勢を崩す】ように狙う
理彦くん今だよ…!

理彦くんが傷ついたら、【鼓舞】しながらUCでケガを回復する
敵の攻撃は【オーラ防御】で防いでその隙を理彦くんに狙ってもらう

小さな怪我でも化膿したら痛いでしょ
ちゃんと治さなきゃだめだよ…?


逢坂・理彦
煙ちゃんと(f10765)
あそこで煙管をふかしてる猫ちゃんが相手かな?
お月様の光が好物な君にはお昼は煩わしく感じるかもしれないけれど。
大抵の生き物には日の光は必要だからね。

【防御拠点】と【かばう】で煙ちゃんを護りつつ
UC【狐神楽】発動。
他の妖怪や猟兵さんに化けちゃうのは厄介だけど…と【破魔】で探りを入れて【第六感】で【見切り】!
逃げるのならば追いかけて墨染桜で【早業】【なぎ払い】
うん、煙ちゃんの援護があるから戦いやすいね。

あ、怪我はそんなにしてないよ。
猫ちゃん相手だからね引っかかれはしたけれど。
大丈夫。
…うん、ちゃんと治すよ。




 かろうじて鎖から逃れて距離をとり、体勢を立て直す金秘華猫。落ち着くように煙管をふかした姿を見据え、煙之助と理彦は自身の武器を構えた。
「あそこで煙管をふかしてる猫ちゃんが相手かな?」
「えーと、あの子を倒せばいいのかな……?」
 そんな二人に負った傷を手当するように舐めながら、金秘華猫が気づけばふーっと毛を逆立てる。
「にゃ、お前らも邪魔するのにゃ? 美味しいご飯食べ放題の邪魔しないでほしいにゃ!」
 金秘華猫はただ己の欲求に従い食事を得るために昼を消した。しかしそれは受け入れられることではないのだ。
「お月様の光が好物な君にはお昼は煩わしく感じるかもしれないけれど。大抵の生き物には日の光は必要だからね」
「昼がないとずっと暗い世界で過ごす事になっちゃう……」
「知ったこっちゃないにゃ!」
 煙管を勢い良く吸い込み、金秘華猫は煙を大きく吐き出した。普通の煙よりも広く広がったそれに視界が覆われ、煙之助と理彦は一瞬その姿を見失う。
 煙はすぐに晴れたが、そのときには金秘華猫の姿がなくなっていた。おそらく面を被って姿を変えて、どこかに紛れているのだろう。
 理彦は狩衣姿に変身する。
「他の妖怪や猟兵さんに化けちゃうのは厄介だけど……」
 と言いつつ墨染桜を振るえば、しゃんしゃんと魔を破る鈴の音が響き渡る。
「ふぎゃ!」
 こそりこそりと乗り物の陰を辿るように移動していた猫又が頭を抱えて転げる姿が見えた。あれが金秘華猫の化けた姿に違いない。
「逃さないよ!」
「ふしゃー!」
 ばれたならば、と逃げようとする金秘華猫の前に回り込み、理彦は墨染桜を薙ぎ払う。
 ひらりと一閃を避けた金秘華猫は、お返しとばかりに手を振るった。鋭い爪で僅かに理彦の腕を引っ掻いて、薙刀が傾いだその隙に再び逃げ出そうとする。
 そこに目立たぬように忍び寄っていた煙之助の投げ銭が火を吹いた。
(あまり戦闘は得意じゃないけど、しっかり理彦くんのサポートするからね……!)
 麻痺の呪力を込めた銭がびしりと当たり、金秘華猫の尻尾を撃ち据える。金秘華猫は余りの痛さに、痺れる感覚に、ぐらりと声もなく膝をついた。
「理彦くん今だよ……!」
「うん!」
 動けない金秘華猫を狙い、理彦の墨染桜が振るわれる。ざくり、今度は確かに金秘華猫の身を刃が切り裂いた。
 傷を負った金秘華猫は、二人から距離を取るように痺れた体を無理やり動かして飛び上がる。
 その間に煙之助は理彦へと駆け寄った。
「煙ちゃん、ありがとう。援護のおかげで戦いやすいよ」
「どういたしまして。理彦くん、小さな怪我でも化膿したら痛いでしょ」
「あ、怪我はそんなにしてないよ。猫ちゃん相手だからね引っかかれはしたけれど。大丈夫」」
 ほら、と理彦が僅かに血の滲む引っかき傷を見せると、煙之助は心配そうに眉を下げた。
「ちゃんと治さなきゃだめだよ……?」
「……うん、ちゃんと治すよ」
 そう言っただけで警戒を続ける理彦の怪我に、煙之助がふわりと白檀の香りを当ててやれば、僅かに血をにじませた引っかき傷が癒えていった。
「ありがとう、煙ちゃん」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鈴久名・惟継
紡(f27962)と参加◎

夜のままでは植物は育たぬし、暗ければ朝か夜かも分からんぞ
時の流れも分からぬまま生きたくはないものだなぁ
天候を変えるとて自然の摂理あってこそだ、歪められては困る
そういうことで、お前さんを倒すことにしたぞ
怨んでくれるなよ

雷獣ノ腕、雷槍を形成
命中率重視且つ槍のリーチを活かして戦う
攻撃はどうにも厄介でな
受けてしまいそうな時には武器受けにて防ぐようにしよう
受けた際には呪詛耐性にて効果を遅らせる
その時は武器を大太刀に変えて攻め込むとしよう

どっちの女性とな……?
うぅむ、そうだなぁ……どちらかと言えば後者か
ミステリアスも良いのだがな

おっ、紡!お前さんもそろそろ興味を持ったか?


鈴久名・紡
惟継(f27933)と◎

昼が消えたままなのは困る
流石に天候を多少操作する事は出来ても
天体の操作は出来ないからな

腹ごなしじゃなくて、還っていいけど
素直に還ってはくれないんだろう?
なら、戦うしかないな

かりそめの記録使用
先程同様に葬焔を弓に、禮火を矢に変えて射貫く
乗せるのは鎧砕き

射貫けなくとも、当たればいい
それだけで、意味はあるから

無敵なのは一時的なもの
それなら解けるタイミングを掴んで
更に射かけよう

敵の攻撃は見切りと残像で回避
間に合わない場合はオーラ防御で凌ぐ

惟継はああいう妖艶系と清楚なの
どちらがタイプなんだ?
なるほど、後者か

そろそろってなんだ……
あんたは俺の事よりも自分の心配をした方が良いと思うぞ




 多少弱った金秘華猫に、惟継と紡は彼らの得意とする間合いまで距離を詰めていく。
 惟継は槍の間合いまで。紡はその後ろ、金秘華猫よりも、高い位置へ。
「昼が消えたままなのは困る」
「夜のままでは植物は育たぬし、暗ければ朝か夜かも分からんぞ。時の流れも分からぬまま生きたくはないものだなぁ」
「流石に天候を多少操作する事は出来ても、天体の操作は出来ないからな」
「天候を変えるとて自然の摂理あってこそだ、歪められては困る。──そういうことで、お前さんを倒すことにしたぞ。怨んでくれるなよ」
 摂理を歪められたままの世界は崩壊するのみ。故に倒すことこそ道理なのだ、と言われようが金秘華猫には関係ないと、近寄る二人にふーっと威嚇してくる。
「倒されて怨まないやつがいたら見てみたいにゃ!」
「腹ごなしじゃなくて、還っていいけど。素直に還ってはくれないんだろう?」
「当たり前にゃ!」
「なら、戦うしかないな」
 葬焔を弓に、禮火を矢に変え、紡は射掛ける。びょうと鳴る弦の音と共に夜を赤い矢が貫いた。月色の毛並みを狙った矢は確かに届いた。
 けれど金秘華猫の体を貫くことなく弾かれる。
 先程より更に色香を纏い、無敵となった金秘華猫には刺さらなかったのだ。
 反撃しようと紡へと飛びかかる金秘華猫に突き出されたのは、雷が変じた槍。惟継は自身に、紡に近づかせぬように、かつ避けられぬように槍を繰り出す。
 無論、金秘華猫も黙っていない。呪詛を乗せた爪を振るい、あわよくば紡もその呪詛に巻き込んで攻撃しようと狙ってくる。下手に受けて耐えるのはまずかろう。
 故に当たらぬよう、惟継は立ち回る。槍の柄で金秘華猫の腕を防ぎ、爪の間合いに入らぬよう牽制して。
 紡も弓を弾く手を止めない。たとえ射抜けなくとも当たることに意味はある。
(無敵なのは一時的なもの)
 永遠に維持することなどできないのだから。
 紡は絶え間なく射掛けながら、ふと金秘華猫の攻撃をさばく惟継へ話しかける。
「惟継はああいう妖艶系と清楚なの、どちらがタイプなんだ?」
「どっちの女性とな……?」
 槍を振るいながらも惟継は首を傾げた。
「うぅむ、そうだなぁ……どちらかと言えば後者か。ミステリアスも良いのだがな」
「なるほど、後者か」
 養い親の好みを覚えるように頷く紡。
「おっ、紡!お前さんもそろそろ興味を持ったか? いい縁談を探そうか?」
「そろそろってなんだ……あんたは俺の事よりも自分の心配をした方が良いと思うぞ」
 余裕ある会話をする二人へ思うように攻撃できず、刺さらないとはいえ、飛んでくる矢に金秘華猫は苛立った。もともと堪え性もないのだろう。
「うざったいにゃあ!」
 ぐんと大きく飛んで、惟継から距離を取る。仕切り直すか、逃げ出すか。そう一瞬悩んだ瞬間に、金秘華猫の毛づやが少しだけ落ちた。妖艶さが薄れ、初めに見た姿にほど近くなる。
 紡の矢がそこに飛ぶ。威力も精度も増した矢が、確かに金秘華猫の腕を貫いた。痛みに金秘華猫は声を上げ、その場から走って離脱する。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
念のためにオーラ防御と呪詛耐性を共に身体に施す。

雰囲気が不気味だ。距離を取り【氷結の矢】で攻める。
(早業、高速詠唱、全力魔法、2回攻撃、範囲攻撃)
破魔の力を籠め限界突破と継戦能力で矢の数を底上げ。
相手の近接攻撃を防止する為矢を弾幕代わりに連続行使。

この弾幕で月の光を食す余裕も与えないようにしたい。
露にも協力して貰うが…なるべく近づくなと注意はする。

もし露に化けられたら私は…構わず躊躇なく攻撃するぞ。
その気配で露か別人か判るときっぱり猫に即答してやる。
きっぱり言ったが実はそんなわけはない。化け対策だ。
…露にはバレたようだがな…。やれやれ。後が面倒だな。


神坂・露
レーちゃん(f14377)と。連携と協力必須よね!

うん。この金色の猫さんは近づいたら危険なのね。
じゃあじゃあ【銀の舞】が一番いい攻撃方法かしら。
ダッシュと早業と継戦能力を駆使して一撃離脱攻撃よ。
武器は破魔の力籠めてダガーとクレスケンスルーナで。

月の光を食べ…てる?美味しいのかしら月の光って。
浴びるだけでも気持ちがいいし美味しいんだろうな~。
今度してみよ♪で対策は弾幕を縫って手数で攻める。

え!?あたしが二人?なんでなんで?姉妹だったっけ?
ってちょっと考えてたらレーちゃんが迷わず攻撃して…。
…金色猫さんの術?だったのね。ってレーちゃん酷い!
むうむぅ。後で沢山ぎゅうー…ってしちゃうんだから!!



●シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)  ※(過去採用=第1章)
露(f19223)と。

 シビラと露は金秘華猫へと相対する。沈まない月の光を食べている金秘華猫は、傷ついたと言っても強敵なのは間違いないだろう。
「雰囲気が不気味だ。露、あまり近づかないように」
「うん。この金色の猫さんは近づいたら危険なのね」
 呪詛を祓うオーラを身に纏うシビラの側から、露は駆け出した。近づいたら危険だと言うなら、最低限の接触で済むよう一撃離脱していくのだ。
 ひらりとストールを翻し、踊るような足取りで露は素早く金秘華猫との距離を詰める。くるりくるり、ダガーとクレスケンスルーナを翻し、素早い斬撃を繰り出した。
 金秘華猫はそれを嫌がり、月の光を食みながら距離を取ろうと下がっていこうとしている。
「月の光を食べ……てる?美味しいのかしら月の光って。浴びるだけでも気持ちがいいし美味しいんだろうな~。今度してみよ♪」
 けれど食べさせ続けるわけにはいかない。もぐもぐ口を動かす金秘華猫の食事を阻むように氷の矢が降り注ぐ。シビラの生み出した四百を優に超える氷結の矢が弾幕をなすように、金秘華猫へと向かっていく。更にその合間を縫うように、露の斬撃が襲ってくるのだ。
「ゆっくり食べられないにゃ、じゃまするんじゃないにゃ!」
「食べさせるわけ無いだろう」
 月の光を悠長に食べられるはずもなく、金秘華猫はふしゃーっと威嚇して、煙管をふかす。その煙に紛れるようにして、額の面を被った。
 晴れたシビラと露の視界に映ったのは、もう一人の露。同じ服装、同じ武器で、同じように戸惑った表情で立っている。
(え!? あたしが二人? なんでなんで? 姉妹だったっけ?)
 同じ鉱床から生まれて、同じように年月を重ねた姉妹が実はいたのかもしれない。戸惑いながら、二人の露は同じ動きでシビラを見つめる。そっくりな二人の露を見分けるのは難しい。
「Posibilitatea de a îngheța blocanții……」
 けれどシビラは躊躇することなく両方に氷の矢を打ち出した。露は詠唱に合わせてその場を離れるが、化けた金秘華猫は遅れて氷の矢の弾幕に包まれる。矢が刺さった露の姿がぼふんと煙に包まれて、金秘華猫へと戻る。
「……金色猫さんの術? だったのね」
 凍って動きの鈍った金秘華猫へ、露の斬撃が叩きこまれた。
 冷えきった上に切り裂かれた金秘華猫は涙目になりながら後退する。
「そっちのちっちゃいの、ためらいないにゃ!?」
「当たり前だろう。その気配で露か別人か判る」
 断言するシビラの言は揺るぎない。しかし実がそんなことはなく、化けられないようにするはったりだ。
 分が悪いとばかりに金秘華猫はその場から逃げ出した。
 追いかけようとするシビラに露の不満の叫びが届いた。
「レーちゃん酷い!」
 露にははったりがバレている。むぅと頬を膨らませ、後で沢山沢山抱きつくのだと決意をしていた。
「やれやれ」
 これは後が面倒だ、とシビラはため息をついたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


※9/15
すみません、体調不良で間に合わないかもしれません。間に合わせられるようがんばります。
乱獅子・梓
【不死蝶】◎
な、なんか猫なのに妙に色っぽい奴だな…
色んな意味で若干戦いにくい相手だ

以前この世界で
一切の闇が無い、光だけの世界に変えた骸魂を
相手にしたことがあったな
ったく、どいつもこいつもやることが極端なんだよ
その場の勢いで世界を危機に晒せるんだから厄介なもんだ

チッ、猫だからすばしっこいな!
成竜に変身させた焔に、敵の攻撃から庇ってもらう
ここを凌げば反撃のチャンスが……

ほ、焔が猫っぽくなってるー!?
成竜から元のサイズに戻り
ツノが猫耳に変わって、更に鱗ももふもふの体毛に…
鳴き声も「キュー」じゃなくて「ニャー」に…
いや、これはこれで可愛いな…?
ありかもしれないな…?
思わず戦闘中だけどスマホを取り出し


灰神楽・綾
【不死蝶】◎
あー、夜が好きそうな感じするねぇ
こう、夜の街とかに居そうな…
おっと、あんまりそんなこと考えていると
セクハラになっちゃうね、いけないいけない

昼と夜なら、俺も夜のほうが好きだな
でもそれは眩しい昼が存在するからこそ
夜の落ち着いたひと時が愛おしく感じるわけで
ずっと夜の世界というのはロクなもんじゃない
自身の故郷を脳裏に浮かべつつ

うわぁ、焔を猫に変えるだけじゃなく
親ばかの梓にまで予想外の効果を発揮してる
なんて恐ろしい攻撃なんだ…

使い物にならなくなった梓は放置して早くケリを付けよう
UC発動し、飛翔能力で一気に接近
敵の攻撃は蝶々に肩代わりさせて
Emperorのハンマー部分で力溜めた吹き飛ばし攻撃




「な、なんか猫なのに妙に色っぽい奴だな……色んな意味で若干戦いにくい相手だ」
「あー、夜が好きそうな感じするねぇ。こう、夜の街とかに居そうな……」
 傷ついても、いや傷ついたからこそ、より匂い立つような色香を漂わせ、潤んだ様な眼差しでにらみつけてくる金秘華猫。
「おっと、あんまりそんなこと考えているとセクハラになっちゃうね、いけないいけない」
 梓は少々躊躇いを、綾は若干即物的な印象を抱きながら相対する。
「昼と夜なら、俺も夜のほうが好きだな。でもそれは眩しい昼が存在するからこそ、夜の落ち着いたひと時が愛おしく感じるわけで、ずっと夜の世界というのはロクなもんじゃない」
 そう言いながら、Emperorを構え綾は自分の故郷を思う。昼ですらなお暗いあの世界を出て、明るい昼と穏やかな夜に触れて初めて夜を好きになれたのだから。
「以前この世界で一切の闇が無い、光だけの世界に変えた骸魂を相手にしたことがあったな……ったく、どいつもこいつもやることが極端なんだよ。その場の勢いで世界を危機に晒せるんだから厄介なもんだ」
 そうは言いつつも、どんなに厄介で面倒であっても、自身の欲求のまま、世界を滅ぼすという意志のまま、躊躇なく従う彼らへ対処しなくてはならないのだ。故に梓も退く気はない。
 金秘華猫にそんな二人の言葉に秘められた気持ちが届いた様子はない。自身の敵にふしゃーと威嚇し、弱った体に鞭打ち素早く跳ね上がる。
「好き勝手言ってるんじゃにゃいにゃ! こっちはいっぱいいっぱい、いつまでも食べたいのにゃ!」
 あくまでも自分の欲望に素直で、他者への迷惑なんて気にしない。そんな自分の心をまくし立て、呪詛を乗せた爪で切り裂こうと迫りゆく。
「チッ、猫だからすばしっこいな!」
 素早さと軽い身のこなしを活かした攻撃に、梓と綾は僅かに押されていた。金秘華猫も弱っているからこそその爪を振るう速度を衰えさせない。
 しのぎきれないと判断した梓は、焔に庇うよう支持をだす。
 変身した焔の大きさでなら余裕で金秘華猫の爪を防ぐことができた。
「ここを凌げば反撃のチャンスが……」
 そう呟いた梓の目の前で、ぼふんと煙とともに焔の姿が消えた。
「焔!」
 視界を覆う煙が晴れれば、そこに大きな赤い竜はおらず。
「ニャー」
「ほ、焔が猫っぽくなってるー!?」
 元の肩乗りサイズに戻った上に、角は猫耳に、鱗はもふもふの体毛に、尻尾も細長く先の丸い猫の尻尾に変わった焔がいた。
「いや、これはこれで可愛いな……? ありかもしれないな……?」
 梓は可愛さのあまり、スマホを取り出し動画を取り始めた。焔は不安そうにニャーニャー鳴いている。
「うわぁ」
 完全に無力化している梓に、綾は思わず声をもらした。焔を猫に変えるだけではなく、梓の親ばかを刺激するとは。
「予想外の効果を持つ……なんて恐ろしい攻撃なんだ……」
 もはや使い物にならない梓を放置して、綾はさっさと方を付けるべく蝶を纏い、空へと飛び上がる。
 死にものぐるいで伸ばしてくる金秘華猫の爪の攻撃は蝶が肩代わりして散らしてゆく。
 猫になることもなく金秘華猫に接敵した綾は、上空から落ちる勢いも乗せたEmperorを金秘華猫へと振り切り、思いっきりその体を吹き飛ばすのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『来し方行く末』

POW   :    アトラクションを楽しむ

SPD   :    屋台やパレードを眺める

WIZ   :    回転木馬に乗って夢を見る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 ずっと中天にあった満月がゆっくりと動き始めた。
 昼をなくした骸魂が退治されたことで、時間が動き始めたのだ。
 囚われていた妖怪達も無事に開放され、移動遊園地が動き始める。
 鏡屋敷のお化け屋敷、木組みのジェットコースター、コーヒーカップに小さなカート、動物を模した揺れる乗り物。
 過去や未来を見せてくれる回転木馬も、キィキィときしんだ音をさせながら、オルゴールの音楽に合わせて回っている。
 今宵、月が沈むまでの遊園地。
===
・お待たせしてすみません。3章のプレイングは、9/26の朝8:31以降から受付させてください。
・この章からの参加も歓迎です。公共良俗のルールを守っていただき、お気の向くまま、楽しんでいただければ幸いです。
・OPや断章にないアトラクションも多分あります。フードコートっぽいものや、お土産屋さんもあるでしょう。
神坂・露
レーちゃん(f14377)と。
何時もみたいにぎゅうってレーちゃんにくっつくわ。
金猫さんの時のバツもあるんだけどね♪

行先をレーちゃんに聞こうとしたけどやめたわ。
だってまだ許してないんだもん♪
「あのね。回転木馬乗ってみたいわ…いい?」
レーちゃんのことをもっと知りたいから言ってみたけど。
…過去を知るのは迷うわ。だって怒るかもしれないもの。
緊張しながらくっついて一緒に同じ木馬に乗るわ。
視たのは。
闇の中でランタン一つ。ウロウロしてるレーちゃん。
三歳頃かしら。ボブショートのレーちゃん…泣いてる?
闇の中誰か探してる感じで幾つもの部屋をウロウロ。

レーちゃんの過去は全部悲しくて。
終わってからキツク抱きしめたわ。


シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
む。何時もより更にうっとおしい。暑苦しい。
だが。まあしかたがないか。やれやれ…。

遊園地は露の希望に従う。…回転木馬か…。
見渡す限り猫がいる中心に私は独り座っていて。
猫達にされるがままになっている景色が見えた。
猫の種類は多種多様で二股の化け猫までいる。
大量の猫達のもふもふふわふわ毛は心地いいが。
その中に露まで居て私に抱きついてうっとおしい。
…むぅ。これは未来?どんな未来だこれは…。

さて。露の方はどんなものを視たのか気になったが。
態度や言動から察するに私の『過去』を視たようだな。
今は寂しくないか悲しくないかと聞かれたが。
どうだろうな?
何時もより抱きしめる力が籠っていて苦しい。




 シビラと露はいつも通りくっついていた。いや、いつも以上にくっついていた。
(む。何時もより更にうっとおしい。暑苦しい。だが。まあしかたがないか。やれやれ……)
 シビラの顔は辟易としていたが、振り払うつもりはない。先程の金秘華猫の化け術に対する所業に対する露の抗議が込められてもいるからだ。
 にこにこした露は口を一度開いてから、また閉じてもう一度開く。シビラにどこに行きたいか聞こうと思ったのだが、まだ許していないから自分が行きたい場所を言うために。
「あのね。回転木馬乗ってみたいわ……いい?」
 ぎゅっと抱きつきながらも体を緊張で固くして、露は言う。行きたいとねだるのは、過去や未来が夢に見れるという回転木馬。
(レーちゃんのことをもっと知りたいから言ってみたけど。……過去を知るのは迷うわ。だって怒るかもしれないもの)
 そんな露をくっつけたままシビラは頷いた。
「……回転木馬か……」
 先程の罪滅ぼしというわけではないが、特にシビラに異論はなく。くっついたままの露を一度引き剥がして、遊園地の中心にある回転木馬へと二人で向かったのだった。

 キィ、キィと僅かに軋む音とともにくるくる回る回転木馬。オルゴールの音色もどこか懐かしい響きのようで、ぼんやりとした明かりに照らされたその光景は、幻想的だった。
 後ろ足で立ち上がった猫又の係員に誘導され、シビラは前を向いて、露は緊張したままに後ろを向いて、二人乗りの馬に乗る。
 くるりくるり、二人を乗せた馬は回る。回る二人もいつしか夢を見る。
 シビラがふと気づけば、回りはふかふかの毛玉。まあるくなっていたり、転がっていたり、走っていたり、自由気ままな猫達がいっぱいいる。種類も様々、短毛長毛、模様も大きさも体の形も多種多様、尻尾が二又の猫もいる。
 さらに自分はその中心で好き勝手もみくちゃにされている上に、ぎゅうぎゅう抱きつく露までいる。
(……むぅ。これは未来? どんな未来だこれは……)
 幸せなような、うっとおしいような夢にシビラは顔をゆるめればいいのか、しかめればいいのか。なんとも複雑な気分だった。
 露の見た夢は、闇の中の夢。小さな影がランタンを持ってさまよっている。
(あれは、ボブショートのレーちゃん……泣いてる?)
 それは三歳ぐらいのシビラが、明かりのない闇の中を小さなランタン一つ持っただけで、まるで誰かを探すように歩いて回る、悲しい悲しい夢だった。
 小さく声を上げて涙を流し、幾つもの部屋を開けては覗き、肩をその度に落とし、また歩き出す。足取りは重く、弱々しい。
 くるりと一巡りすれば夢から覚めて、二人は馬から降ろされる。
 いつになく静かな露の手を引いてシビラが歩いて行くうちに、ぎゅうと露が抱きついてきた。
「レーちゃん……」
 湿ったようなその声、俯いてぎゅうぎゅうとシビラを抱く姿。
(態度や言動から察するに私の『過去』を視たようだな)
 さてどうしたものか、と悩めば、露が小さな声で聞いてくる。
「レーちゃん……今は寂しくない? 悲しくない?」
「どうだろうな?」
 今のシビラには、まだよくわからない。けれどこの騒がしい毎日はおそらく、寂しくも悲しくもないのでは、とは思う。
 しかしはっきりと答えないシビラに、露はより力強く抱きついたのだった。
「レーちゃぁん……ずっと一緒だからねぇぇ」
「……苦しい」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


===
2020/9/30 追記
・危ない乗り方や、危険、迷惑な行為であると判断したものはその部分をアレンジするか、採用を見送らせていただきます。申し訳ありません。
吉瀬・煙之助
理彦くん(f01492)と

無事に時間が戻ってよかったね、理彦くん
うん、遊園地とっても楽しみだね

ぱれえど?
へぇ、それはとっても楽しそう…!
(パレードを見て)わぁ、妖怪くんたちが色んな格好して踊って歌ってる
凄いね…観ててとっても楽しくなるよ
って、え…えと、僕も一緒に行くの…?
こういうのに参加するのは、楽しいけど恥ずかしいよ…っ

はぁ…びっくりした
うん、楽しかったけどちょっと疲れちゃったから
観覧車はゆっくり景色を楽しめていいね
カクリヨの夜空もとっても綺麗…

うん、どれも楽しかったけど
こうやって理彦くんと一緒に出かけられたのが1番楽しい


逢坂・理彦
煙ちゃんと(f10765)

あぁ、無事お月様が動き出したみたいだね。
それじゃあ煙ちゃん遊園地を楽しもうか?

あ、今からパレードがあるみたいだからまずはそれを観ようか。
ふふ、賑やかだかねぇ♪ほら去年あった南瓜行列?あれみたいな感じだ。
って、はは、煙ちゃん演者さんが一緒に行こうって。
(理彦も背中をキャストに押されて)
俺もかい?そうだね。せっかくだから楽しもうか。
(パレードから離れて観覧車に移動)
煙ちゃん大丈夫?ここならゆっくりできるから。
ちょっとビックリしたけどああいうのも楽しいものだね。
あぁ、ここが天辺か。
星が綺麗だねぇ…それにお月様も綺麗だ。
ふふ、今日は楽しかったね煙ちゃん。



●吉瀬・煙之助(煙管忍者・f10765)  ※(過去採用=第1章・第2章)
理彦くん(f01492)と


 昼を消した骸魂が消え、月がゆっくりと傾き出す。このまま自然と過ごせば、月が沈んで朝が来て、また昼になり夜が再び来るだろうことが感じられる。
「あぁ、無事お月様が動き出したみたいだね」
「無事に時間が戻ってよかったね、理彦くん」
 それならもう心配はないだろう。理彦は煙之助へと笑いかけた。
「それじゃあ煙ちゃん遊園地を楽しもうか?」
「うん、遊園地とっても楽しみだね」
 柔らかな笑みを浮かべ、煙之助はその誘いに喜んで応じる。
 さて、何から巡ろうか、何から乗ろうか、と頭を突き合わせて考え始めれば、注意を引くスピーカーからの音。
 聞けばこれより園内を巡るパレードが始まるという。
「あ、今からパレードがあるみたいだからまずはそれを観ようか」
「ぱれえど?」
 訳知り顔で向かう理彦の後を煙之助は追いながらも、どんなものかと首を傾げた。
 ちょうどやってきたパレードの音楽が聞こえる方を指し示し、理彦はパレードについて解説する。
「ふふ、賑やかだかねぇ♪ ほら去年あった南瓜行列? あれみたいな感じだ」
 きらびやかな衣装の演者や、それらを乗せた乗り物が園内を巡っていく。出し物や様々な演出が行われて見ているだけでも楽しめる、そういうものである、と。
「へぇ、それはとっても楽しそう……!」
 話しているうちにパレードの列はもう目の前だ。
 華やかな衣装を身にまとい、光る玉を浮かばせたパレードがやってくる。
「わぁ、妖怪くんたちが色んな格好して踊って歌ってる」
 きらきら光る光の粒、ふわり漂うシャボン玉。楽しげな音楽にあわせて踊り、歌う演者達。
「凄いね……観ててとっても楽しくなるよ」
 賑やかな行列に見入る煙之助。そんな彼と目のあった妖怪が手招きをする。
「はは、煙ちゃん演者さんが一緒に行こうって」
「え……えと、僕も一緒に行くの……?」
 くいくい、近くの演者が煙之助の手を引いて、行列へと引き込んでいく。
「こういうのに参加するのは、楽しいけど恥ずかしいよ……っ」
 真っ赤な顔で連れられる煙之助を見送る理彦の背も、別の演者が押してくる。
「俺もかい? そうだね。せっかくだから楽しもうか」

 華やかな行列に参加してしばし歩き、解放されたときには煙之助はかなり疲れていた。理彦はそんな彼を休ませようと、観覧車へと連れていく。
 ゆっくり回ってきたゴンドラへと乗り込んで座っていれば、煙之助も落ち着いてきた。
「煙ちゃん大丈夫? ここならゆっくりできるから」
「はぁ……びっくりした」
「ちょっとビックリしたけどああいうのも楽しいものだね」
「うん、楽しかったけどちょっと疲れちゃった」
 ぽつり、ぽつりと先程の感想を話す間にも、観覧車はゆっくりと夜空を登っていく。
 そうして、一番高い天辺へと二人の乗るゴンドラが到着した。
 窓から見える景色は、満月が煌々と輝いて、その周りに星星が小さいながらも煌めいて美しい夜空だった。
「あぁ、ここが天辺か。星が綺麗だねぇ……それにお月様も綺麗だ」
「観覧車はゆっくり景色を楽しめていいね。カクリヨの夜空もとっても綺麗……」
 ゆっくりと地上に戻る夜空を惜しみながら、二人顔を見合わせて笑う。
「ふふ、今日は楽しかったね煙ちゃん」
「うん、どれも楽しかったけど……こうやって理彦くんと一緒に出かけられたのが1番楽しい」
 また、一緒に出かけられるといい。地上につくまでの間、二人はそんな風な未来の楽しみを語るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

灰神楽・綾
【不死蝶】◎
スタッフの妖怪達も戻って、賑やかになってきたね
俺達も遊ぼうよ梓
梓の腕を引っ張って、パンダの乗り物のところに行く

ずっと気になってたんだよねこれー
躊躇なく遊ぶ気満々で跨がろうとしたら…
あっ、ほんとだ。子ども限定かー残念
無理に乗って壊しちゃったら良くないし我慢
でもちょっとしょんぼり
あっ、そうだ、焔と零を乗せてみるのはどう?
俺の代わりに楽しんでよ

次に向かったのは回転木馬
確か未来や過去の夢が見えるんだっけ
ほんとかなぁなんて思いながら前向きに乗ってみる

……俺と梓、焔と零
皆で一緒に色んな世界に行って
今日みたいに戦ったり遊んだり、いつも通りの光景
うーん?本当に未来が見えてたのかなぁ…?


乱獅子・梓
【不死蝶】◎
いつになくはしゃいでいるな綾のやつ
まぁ故郷には遊園地なんて当然無かったし
UDCアースでもわざわざ行く機会は無かったから
物珍しく思う気持ちは分かる

あー、そういえばここに来た時から
このパンダに惹かれてたよな…
だが綾、これ『子ども用』と書いてあるぞ
平均よりデカい成人男性が
パンダに乗って喜ぶ姿はシュール過ぎるから
見ずに済んで良かったというか…
おっ、それは良いアイデアだな
焔と零を乗せてみれば
揺られて不思議そうにしたあと
キャッキャとはしゃぐ姿が可愛い

回転木馬に乗り込む綾を外から見守る
降りてきたら、どんな夢を見たのか聞いてみよう
…それってつまり、これからも…
少し照れくさくなったのはここだけの話




 無事に解放された妖怪達の手によって、移動遊園地が動き出す。園内には光と音、動く遊具があふれ出し、月が沈むまでの賑わいを見せてくれる。
「スタッフの妖怪達も戻って、賑やかになってきたね」
 そんな風に呟く綾は、肩に焔や零を乗せた梓の腕をぐいぐい引き寄せて引っ張っていく。
「俺達も遊ぼうよ梓」
 いつもより声が跳ねているような、落ち着きがないような。まるで戦闘時のように楽しげですらある。
(いつになくはしゃいでいるな綾のやつ)
 ただ、梓にもその気持ちがわからないわけではない。
(まぁ故郷には遊園地なんて当然無かったし、UDCアースでもわざわざ行く機会は無かったから。物珍しく思う気持ちは分かる)
 でも、あれはないだろうとも思うのだ。
 綾が目指していたのは、先程乗りたがっていた乗り物のところだ。
「ずっと気になってたんだよねこれー」
「あー、そういえばここに来た時から、このパンダに惹かれてたよな……」
 そう、100円硬貨を入れると揺れるパンダの乗り物である。
 綾は硬貨を取り出し、遊ぶ気満々で足を上げる。が、梓が腕を掴んで止めた。
「だが綾、これ『子ども用』と書いてあるぞ」
「あっ、ほんとだ。子ども限定かー残念」
 大人、それも平均よりもかなり大きい綾が乗れば、壊しかねない。それは良くないので、綾は我慢した。ちょっとしょんぼりしているが。
 梓は成人男性がパンダに跨がって喜ぶシュール過ぎる図を見ないで済んだのは良かったのか、とちょっと考えていた。
「あっ、そうだ、焔と零を乗せてみるのはどう?」
「おっ、それは良いアイデアだな」
 小さな仔竜ならば、二匹並んで乗ってもちょうどいいサイズだ。
「俺の代わりに楽しんでよ」
 ちょんと座席に乗せたあと、硬貨を入れればパンダが動き出す。焔と零は最初はきょとんとしていたが、ゆらゆら揺れる感覚が気に入ったようで、キューキューガウガウ、楽しげにはしゃぎだす。
 そんな二匹を綾は微笑ましげに、梓はカメラ越しに見守っていた。

 パンダが揺れ終わったあと、一行が目指したのは回転木馬。くるりくるりと巡る間に未来や過去を夢に見るという。
 梓達に見送られて、綾は一人木馬に前向きに跨った。
(確か未来や過去の夢が見えるんだっけ。ほんとかなぁ)
 くるりくるりと木馬が回る。オルゴールの音にあわせて、木馬に乗った綾も回る。そうして、夢を見た。
 くるりくるり、くるりくるりと巡ったあと、回転木馬は止まった。それと同時に綾の夢も消えていく。
 首を傾げながら降りてきた綾へ、梓も首を傾げる。
「何だ、夢を見なかったのか?」
「うーん……多分、見たと思うけど……」
「どんな夢だったんだ?」
「いつも通りだった」
 綾が見た夢は、綾と梓、焔と零、いつもの皆で色んな世界に行って、時に戦ったり、時に遊んだりする、そんないつも通りの光景。
「うーん?本当に未来が見えてたのかなぁ……?」
 今までの過去を見ていたのかな、なんて首を傾げる綾。けれど梓は、少しだけそんな彼から目をそらす。
(……それってつまり、これからも……)
 ずっと一緒にいるということではないのだろうか、と照れくさくなったなんて。
 少しだけ赤くなった耳を、焔と零だけが見ていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

月舘・夜彦
【華禱】
倫太郎に勧められて回転木馬に挑戦してみましょう
早速……と思いきや、倫太郎は乗らないような様子でしたので
少し強引ではありますが彼にもご一緒して頂きます

私ばかり楽しむ訳にはいきません
折角私に勧めてくださったのですから一緒に楽しみませんか?
彼の返事に満足そうに微笑んで一緒に乗ります

過去や未来を見せてくれるもの
以前は未来に関してとても消極的でした
……多くの人は時を刻む中、私は止まったままでしたから

見える未来は言葉通り様々で
深く関わった人達の一喜一憂さえも等しく共有している
それでも見えたもの以上に幸多き未来を
今は、そう願わずにはいられない

はい、次は別の所へ行きましょう
今度も一緒に乗ってくださいね


篝・倫太郎
【華禱】
夜彦と一緒に回転木馬を楽しむ
といっても、俺は乗らないで床から夜彦に寄り添って……
ようとしたら引っ張り上げられた

え?ちょ、夜彦?
だめですか?みたいな顔されたら勝てねぇもんなぁ
無自覚なの、ほんとズルい……

まぁ、あんたと俺の未来は重なってるから
一緒に見るのも悪くないけどな

夜彦の腕の中から、未来を見る
子供達の事、俺達自身の事
穏やかでばかりもいられない未来なのは
俺もこの人も猟兵だから

あぁ、でも……幸せのために努力はしよう

回転木馬が止まれば見えていた未来も消える
零れ落ちた吐息は俺と夜彦、どちらのものか

よし、夜彦
次はコーヒーカップに乗ろうぜ?
ジェットコースターでも良いけど!
楽しまないと勿体ないだろ?




 お客の入れ替えのため、止まっている回転木馬。一人乗りのもの、二人で乗れるもの。馬車のように並んで座れるものもある。
 それに乗れば、過去や未来を夢に見られるという、不思議なアトラクション。
 夜彦は倫太郎に勧められるまま、体験してみることにする。
 ゲートをくぐる前、どれに乗ろうか悩む夜彦を見送り、柵の向こう側で見守ろうと、手を振る倫太郎。
 けれどその手を夜彦は捕まえる。
「私ばかり楽しむ訳にはいきません」
「え? ちょ、夜彦?」
 少々強引ではあるが、夜彦は倫太郎の手を引いて進む。目指すは相乗りできる大きな木馬。
 最初から乗る木のなさそうであった倫太郎を、素直に開放する気は夜彦にはなかった。
「折角私に勧めてくださったのですから一緒に楽しみませんか?」
 繋いだ手をそのままに振り向いて、だめですか? と言うように眉を少し下げて、微笑んでくる夜彦。二人で同じように楽しむのもまたいいだろう、と誘っているのだ。
(そんな顔されたら勝てねぇもんなぁ。無自覚なの、ほんとズルい……)
 その顔に勝てるはずもなく、倫太郎は抵抗を諦めた。
「まぁ、あんたと俺の未来は重なってるから。一緒に見るのも悪くないけどな」
 だめじゃない、と答えた倫太郎の返事に、夜彦は満足げに微笑んだ。

 くるりくるり、オルゴールの音楽に合わせて、回転木馬が回る。相乗り用の木馬の背に乗った二人も回っていく。
(過去や未来を見せてくれるもの)
 夜彦は不思議な回転木馬に思いを馳せた。
(以前は未来に関してとても消極的でした。……多くの人は時を刻む中、私は止まったままでしたから)
 いつまでも、たった一人追いていかれるだけの時間。ならば未来も変わらないだろうと思えた。
 けれど、今は同じ未来を過ごす大切な人たちがいるから、少し希望や期待を抱けるのだ。
 前を向いて乗る夜彦と倫太郎はいつしか夢を見ていた。
 二人の子供の姿、彼ら自身の姿、彼らと縁のある人達の姿。喜ばしいこと、悲しいこと、様々なことが入れ替わり立ち替わり、現れては消えていく。
 見える未来は決して穏やかなものばかりではないのは、夜彦も倫太郎も猟兵であるがため。
(あぁ、でも……幸せのために努力はしよう)
 目が覚めたら忘れる夢なのかもしれない。けれど今だけは、夢の中で共有していた。その思いを忘れたくはない。
(それでも見えたもの以上に幸多き未来を。今は、そう願わずにはいられない)
 二人、同じような願いを胸に抱きながら、重なる未来を垣間見る、僅かな間の夢を見たのだった。

 気づけば木馬も止まり、見えていた未来も消え失せた。
 零れ落ちた吐息は倫太郎と夜彦、どちらのものかわからない。
 スタッフのアナウンスに夢の名残を振り払い、夜彦と倫太郎は木馬から降りて歩き出す。
「よし、夜彦。次はコーヒーカップに乗ろうぜ? ジェットコースターでも良いけど! 楽しまないと勿体ないだろ?」
「はい、次は別の所へ行きましょう。今度も一緒に乗ってくださいね」
 月が地平に沈むまで、遊園地は終わらない。二人は手を取りあい、夜の園内を巡るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クレア・オルティス
アレン・アルタイド(f10617)と

アドリブ歓迎

え…ここお化け屋敷だよ?ちょっとまって!?入るの…?
ええ~~…アレンはビッグなオトコだから怖くないかもしれないけど…!
うぅぅ…絶対離れないでね!置いていったりしないでね!約束だからね~!

真っ暗だよ…何も見えないよ…
恐怖のあまりアレンの袖をぎゅっと掴む

うわーん!
も、もうやだよぅ…早く出たいよぅ
な、なんか後ろから…
わぁぁ~~おばけが追いかけてくる~~どうしよう!?
こんな時ビッグなオトコはどうするの!?
ここのおばけ達ってどうしてこんなに怖いんだろう…!?
ひょっとして…知らずのうちに本物のおばけの世界に迷い込んだとか…
ふぇぇぇん!


アレン・アルタイド
クレア・オルティス(f20600)と

「おいおいおいお化け屋敷じゃん。めっちゃ面白そうだな…入ってみようぜクレア!!」
「大丈夫だって、ちゃんと傍にいるからよ」

怯えるクレアを連れてお化け屋敷へと向かう
テンションは高めだが、裾を掴まれているので歩みは少しゆっくり目に

「確かに暗いな…離れるなよクレア」
「ビッグな男たる俺がいるから安心しうおおおおおおおおおおお来てる来てる!!」
「思った以上にすげーなこれ!」

お化け屋敷の想像以上のすごさにビックリするが、自分以上に恐怖している子が近くにいるので逆に冷静になった
クレアの手を引き、先導してお化け屋敷クリアを目指す




 遊園地の一角に、古びた見かけの建物がある。薄汚れた壁、ぼうぼうと雑草が周りに生えて窓ガラスは破れている。立て付けが悪く閉まらない玄関の上には、かすれた墨で「お化け屋敷」と書かれたボロボロの看板があった。
「おいおいおいお化け屋敷じゃん。めっちゃ面白そうだな……入ってみようぜクレア!!」
 それを見た瞬間にアレン・アルタイド(_/\○_ヒャッ ε=\___○ノホーウ!!・f10617)はクレア・オルティス(天使になりたい悪魔の子・f20600)を誘い、意気揚々と向かっていく。
 クレアは小さく震えながら、アレンに話しかけた。
「え……ここお化け屋敷だよ?ちょっとまって!?入るの……?」
 近づけば火の玉が不気味に燃えながら漂い、揺らめく陰影でより恐怖心を煽る。入り口の外側だけ提灯で照らされて明るく、中はより暗く浮かび上がる様は、お化けが口を開けて待っているよう。
「もちろん! 一緒に行こうぜ」
「ええ~~……アレンはビッグなオトコだから怖くないかもしれないけど……!」
 アレンは平気かもしれないが、クレアはこういうのは得意じゃないのだ。ふるふると小さく首を横に振るクレアを励ますようにアレンは手を差し伸べて明るく笑う。
「大丈夫だって、ちゃんと傍にいるからよ」
「うぅぅ……絶対離れないでね! 置いていったりしないでね! 約束だからね~!」
 離れないよう、アレンの服の袖の裾をつまみながらも、恐る恐るクレアはアレンと肩を並べ、入り口に歩を進めたのだった。

 二人は猫又のスタッフの誘導に従い、一歩足を踏み入れる。
「真っ暗だよ……何も見えないよ……」
「確かに暗いな……離れるなよクレア」
 明るかった外とは違い、ぼんやりした青い光の火の玉が所々に浮かぶだけの屋敷内は暗い。目を、手を離せば簡単に見失いそうで、クレアはアレンの袖をぎゅっと掴んだ。
 順路の矢印に従い、歩く。
 アレンは何が出るかテンション高く、クレアは恐怖で足取り重く。ゆっくり進むクレアに合わせ、二人で進む。
 飛び出してくる幽霊、不気味な音などの定番はまだ可愛らしかった。時折現れる鏡の通路は薄暗く、時間も距離も惑わせてくる。
「うわーん!」
「すげぇ!」
 予兆無く虚空に現れる幽霊、道が変わる迷路、百鬼夜行。妖怪達による盛大なもてなしが二人を襲う。
「も、もうやだよぅ……早く出たいよぅ……」
 泣き言をつぶやくクレアの耳に、かたり、かたりと小さな音が聞こえてきた。それは段々と増えていく。
「な、なんか後ろから……」
 涙目で振り向いた、クレアの目に飛び込んできたのは──人形達。
『ズット……ココニ、イヨウ……?』
『タノシイ、ヨォオオオ……?』
 虚ろな目、赤い液体の痕をつけた数多の人形が群れなして追いかけてきていたのだ。
「わぁぁ~~おばけが追いかけてくる~~どうしよう!?」
「ビッグな男たる俺がいるから安心しうおおおおおおおおおおお来てる来てる!!」
 アレンも気づいたと知るやいなや、人形達が一斉に走り出した。
 先程のゆっくりした音からは程遠く、カタカタカタカタとすごい勢いで迫ってくる。
「思った以上にすげーなこれ!」
「こんな時ビッグなオトコはどうするの!?」
「まず出口を目指す!」
 混乱しているクレアの手を引いて、アレンは出口に向かって早歩き。
 アレンも想像した以上のすごさに無論驚いている。けれどより恐怖しているクレアがいるから、かえって冷静になったのだ。
 人形達もつかず離れず追いかけてくるだけで、危害を加えてくることはない。時折飛んで、耳元で囁くお茶目なのがいるくらいだ。
 クレアはアレンに手を引かれてとにかく歩く。
「ここのおばけ達ってどうしてこんなに怖いんだろう……!?」
 妖怪ならではのトリッキーな動きに翻弄され、完全に涙目である。
「ひょっとして……知らずのうちに本物のおばけの世界に迷い込んだとか……ふぇぇぇん!」
 出口まで、あと僅か。もてなそうと精一杯の演技を披露する妖怪達の脅かしを、存分に受ける二人なのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

音海・心結
【はぴぺい】◎

初めての遊園地
どきどきわくわくいっぱいなのですっ

すごーく高い観覧車ですねぇ
空に届きそうなのです
せっかくなので、乗りませんか?
えへへ
みゆが一番乗りなのです♪

期待を胸に
中に入れば満喫

窓に手を添え、外の景色に釘付け
わあ、見てください
とても綺麗ですねぇ
月光を浴び眩い光が目に映る

機械に疎いせいか何でできているかはわからない
でも

きっと素敵な魔法みたいな何かなのですよ
みゆたちは現に幸せですし♪

4人で遊ぶのは2回目で想い出は作ってる最中だからこそ

もっともっと想い出作ってゆきましょうねっ!
みゆは、みんなとまだまだ仲良くなりたいのですっ!

えへへ
地上についたら、メリーゴーランドですよーっ!


マギア・オトドリ
【はぴぺい】◎

遊園地には、数度行った事はありましたが、移動遊園地は、初めてですね……
見るに結構、色々とあるのが、驚きではあります。
さて、皆様と、楽しみましょう……!

程々にはしゃぎつつも、皆さまと一緒に、遊園地を回ります。
おや、観覧車、です?良いですよ、行きましょう……!
3番目くらいで乗り込んで、ゆっくり観覧車の外、上っていく景色を見てみます。

遊具の明かり、それで遊ぶ方の笑顔、そしてそれを照らす月光。
どれも、綺麗です。

想い出は、色々と作っていきたい、ですからね。
私も、仲を、もっと深められるならば、です!
これからも、宜しくお願い、しますね?

メリーゴーランド、です?そちらも、いきましょ!


神楽木・由奈
【はぴぺい】◎
遊園地に来たのは初めて!
あたしの世界には遊園地というものはなかったからね。
みんなと遊園地にこれて嬉しいな!

はしゃぐみんなを微笑みながら見守りつつ、
あたしはのんびり最後に観覧車に乗り込むね~!
席に行儀よく座りつつ、ゆっくり上がっていく観覧車を楽しむよ。
たかーい! 人ちっちゃい!
月明かりに照らされた園内が幻想的できれーい!
あたしも機械には詳しくないけど、機械って、こんな風に人を幸せにできるんだ。すごいね。

あたしもみんなとの思い出、これからも、もっともっと作っていきたい!
みんなともっと仲良くなれたら、あたしも嬉しいな!

次はメリーゴーランドだね!
メリーゴーランド、かわいいね! 楽しみ!


ソフィア・シュミット
【はぴぺい】◎

遊園地ですか?ソフィアは行ったことがないのです。本では見たことありますがどんなところなのでしょうか。わくわく、なのです。
おすすめは観覧車なのですか?
わぁーーー……。見上げるほど大きいのですよ。翼を使わなくても、お空の近くに?

不安半分で乗ってみるのです。これは機械で動いているのでしょうか。ソフィアは機械のことは詳しくありません。
でも、なかよしのみなさんと見る景色。きれいなのでしょうね。こういう生活は、きっと幸せなのです。

次はメリーゴーランドなのですか?これも、機械?機械はすごいのです。機械は楽しいがいっぱい?




 鏡屋敷にお化け屋敷、コーヒーカップにカート、大きな乗り物小さな乗り物。中心でくるくる巡る回転木馬。
 満月の光と明かりに照らされながら、楽しげな音楽の流れるその園内で音海・心結(瞳に移るは・f04636)は目を輝かし、きょろきょろと辺りを見回している。
「初めての遊園地……どきどきわくわくいっぱいなのですっ」
「あたしも初めて!」
 同じく初めての経験に目を輝かせる神楽木・由奈(小さな願い・f24894)。彼女の世界には、遊園地は未だ存在していなかったから。
「みんなと遊園地にこれて嬉しいな!」
 ソフィア・シュミット(邁進を志す・f10279)も、辺りの光景に目を急がしく動かし、映るものにはしゃいでいた。
「ソフィアも初めて来たのです。本では見たことありますがどんなところなのでしょうか。わくわく、なのです」
 本で見たものと似ているような乗り物や施設がいくつもあって、実際に体験できる期待に心が弾む。
 マギア・オトドリ(MAG:1A・f22002)は、これまでの遊園地とは違う部分にも目を留めていた。
「遊園地には、数度行った事はありましたが、移動遊園地は、初めてですね……」
 月が沈む頃には消えてしまうという、不思議な遊園地。移動するというけれど、種々様々なアトラクションがあって。
「見るに結構、色々とあるのが、驚きではあります。さて、楽しみましょう……!」
 4人ではしゃぎながら、まずは皆で一緒に乗れるものを探す。
「おや、観覧車、です?」
 マギアが指差したのは、一際大きい観覧車。各ゴンドラにライトがつけられており、遠くから見れば光の輪が夜に浮かび上がるよう。
「すごーく高い観覧車ですねぇ。空に届きそうなのです」
「わぁーーー……。見上げるほど大きいのですよ。翼を使わなくても、お空の近くに?」
 心結とソフィアが並んで見上げれば、大きな輪のフレームにつけられたゴンドラは、一番上まで上がれば月まで届くかのようだった。
「せっかくなので、乗りませんか?」
「良いですよ、行きましょう……!」
 4人で観覧車の真下へと向かい、係員の誘導にあわせて乗り込んでいく。
「えへへ、みゆが一番乗りなのです♪」
 一番はしゃいで楽しみにしていた心結がまず最初に。続いて不安半分、わくわく半分のソフィアが乗り込んだ。見守りながら歩いてきたマギアは3番目に、最後にのんびりと由奈が入れば、ゴンドラのドアが閉められる。
 そうして、ゆっくりと観覧車は空へと登っていく。
 段々と明るい地上が遠ざかり、星や月の輝く夜空へと登っていく。窓から地上を見れば満月に照らされ、明かりに輝く遊園地が、上を見れば輝く月と星がきれいに見えた。
 心結は窓に手を添え、外の景色に釘付けになる。
「わあ、見てください。とても綺麗ですねぇ」
「たかーい! 人ちっちゃい!」
 行儀よく座りながらも、同じように下を見た由奈も歓声を上げた。
「遊具の明かり、それで遊ぶ方の笑顔、そしてそれを照らす月光。どれも、綺麗です」
 マギアも穏やかに微笑んで、地上を見ていた。
 きらきらと輝く遊園地は夜の中に浮かび上がるよう。小さく見える人や妖怪達が楽しげに動く様は、見ていてとても楽しいものだった。
 ソフィアはちょっぴり不安になりながら、ゆっくり離れる地上を窓から見る。
「これは機械で動いているのでしょうか。ソフィアは機械のことは詳しくありません」
 どんな仕組みでこんな高い場所まで上がっていくのか。ソフィアには今は理解できない。星や月にどんどん近づいていく、観覧車はどうやって作られたのだろうか。
「みゆも何でできているかはわからないです。でも、きっと素敵な魔法みたいな何かなのですよ。みゆたちは現に幸せですし♪」
「あたしも機械には詳しくないけど、機械って、こんな風に人を幸せにできるんだ。すごいね」
「そうですね。すごいです」
 不安そうなソフィアを励ますように、心結、由奈、マギアは口々にすてきな何かでできたこの観覧車を褒める。
 そんな風に言われれば、そうなのかもしれない。ソフィアには未知への不安はあるし、自分の翼で飛んでいないのに高い場所に行く不思議さはある。
 けれど、仲良しの皆と見る、夜の遊園地の景色はとてもきれいだった。
 ソフィアはこんな思い出をもっと増やしたかった。
「こういう生活は、きっと幸せなのです。……もっと増やしていけたら、いいのです」
 心結はぱあ、と顔を明るく輝かせて言う。
「もっともっと想い出作ってゆきましょうねっ! みゆは、みんなとまだまだ仲良くなりたいのですっ!」
 マギアだってその思いは負けていない。
「想い出は、色々と作っていきたい、ですからね。私も、仲を、もっと深められるならば、です! これからも、宜しくお願い、しますね?」
 由奈だってそうだ。
「あたしもみんなとの思い出、これからも、もっともっと作っていきたい! みんなともっと仲良くなれたら、あたしも嬉しいな!」
 4人で遊ぶのはまだ2回目。想い出は作ってる最中だ。4人で目を合わせ、互いに笑いあう。きっとこれからも楽しい時間を、仲良しの皆と刻んでいけるだろうから。
「次はメリーゴーランドだね!」
「えへへ。地上についたら、メリーゴーランドですよーっ!」
「メリーゴーランド、です? そちらも、いきましょ!」
 遠くに見える、この遊園地の中心。くるりくるりと作り物の馬が、馬車を模した座席が巡る機械仕掛けの遊具もきらきらと、柔らかな明かりに照らされて幻想的に回っている。
 淡く明るい色彩で彩られ、可愛らしい装飾のメリーゴーランドは、オルゴールの音と一緒に回るのだ。
「メリーゴーランド、かわいいね! 楽しみ!」
「次はメリーゴーランドなのですか? これも、機械? 機械はすごいのです。機械は楽しいがいっぱい?」
 前を向くか、後ろを向くか。作ってきた思い出を振り返るか、これから作る思い出を垣間見るか。
 どちらにしようか悩みながら、4人は地上につくまでの時間を、おしゃべりしながら過ごすのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年10月04日


挿絵イラスト