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迷宮災厄戦⑪〜鏡と彫像の交差点

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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●彫像が映える鏡の間
「へぇ……戦争が始まったのね……」
 彫像と鏡が飾られている広間、一人のアリスは椅子に腰かけて鏡を見ていた。
 しかし彼女はアリスであってアリスではない……つまりオウガの誘いに乗って改造された成れの果てである。
「そうなると猟兵ってやつが来るんでしょ?素敵な素材だといいわねぇ~♪」
 ウキウキしながらも椅子から立ち上がり、早速迎え撃つ準備をしに奥へと歩いていく。
 その彼女が座っていた椅子は……よく見れば土下座のまま石化されたアリスの変わり果てた姿だった……。

●鏡を使いこなせ!
「皆さん!アリスラビリンスの戦争はまだまだ続いております!」
 ミネラル・トーリア(蝋成分100%のブラックタール・f25607)は今回の行き先を説明する。
「今回は『真実を告げる鏡の間』に行き、支配しているオウガを倒してください」
 その場所はオウガ・オリジンに戯れに殺された、かつての忠臣「鏡の女王」の怨念が籠もった所だ。
「あちこちに『真実の鏡』がありますので、うまく利用してください」
 鏡に質問すると『この不思議の国内部の事』限定で何でも答えてくれる。
「もちろん、鏡の間を支配するオウガもこれを利用して『猟兵の正確な位置』を把握し襲ってきます」
 そのため適切な質問を鏡に問いかけて、逆にオウガの一手先を突いて倒すことになる。
 尚、鏡は相手の位置や死角、ユーベルコードの弱点など……この国の内部にあるものの情報ならなんでも答えてくれる。
「そして、その支配しているオウガはかつてアリスが改造されてしまった姿です」
 堕ちた彫刻家『アリスアーティスト』、その名の通りアリスと彫刻家を掛け合わせたような姿である。
 アリスと言えどもオウガによって改造されてしまっているため助けることはできない。
 その上、本人はオウガとして味を占めてやりたい放題しているため、少なくとも容赦する必要はないだろう。
「さらにそのオウガは相手を彫像に変える力を持っています」
 彫刻刀や腕輪、さらには液状化した石膏を操って彫像に変えようとしている。
 その証拠に、鏡の間には迷い込んだアリスや愉快な仲間たちの彫像が飾られている。
「そちらについてはオウガ本体を倒せば元に戻り、助け出すことができます」
 猟兵も同様であり、オウガ本体を倒すか治療系のユーベルコードやアイテムを使えば元に戻れる模様。
「情報戦になりますが……無事に帰ってきてくださいね!」
 トーリアはぺこりと頭を下げ、転送する準備に掛かった。


もちもち大福
 おはこんばんちは!今日ももちもち!もちもち大福です。
 まだまだ続くアリスラビリンスの戦争、がんばっていきましょう!

 戦争シナリオのため、特殊ルールが存在します。
 プレイングボーナス……鏡に有効な質問をする。
 至る所に設置してある『真実の鏡』に有効な質問をし、オウガに対する情報を得て相手より一手先を突いてください。
 ただし胸の大きさや身長などといったあまりに猟兵個人のセンシティブな質問は避けてくださいね。

 いつもの通りやられ前提のプレイングも問題なく採用します!
(仮に石化されてしまっても終了時にはなんやかんやで戻ります)
 それでは、みなさまのプレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『堕ちた彫刻家『アリスアーティスト』』

POW   :    素敵な彫刻にしてあげる♪
【手に持つ彫刻刀】が命中した対象に対し、高威力高命中の【彫刻化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    大理石へと変わり果てなさい♪
【腕輪】から【呪いの瘴気】を放ち、【大理石化】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    石膏まみれになっちゃえ♪
【粘液状化したドロドロの石膏】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【が深い石膏の沼に変わり】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テフラ・カルデラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

二尾・結
まぁ質問なんてしなくても勝てるけど、一応相手の弱点でも聞いておこうかしら。

後は相手がどこから来てもいいように用心しながら迎え撃つ……って真後ろからの奇襲でツインテールの分け目を狙われて、体が痺れる……!?
そうか、鏡に私の弱点を聞いたのね!?

くそ、うずくまった私に腰かけるなんて、馬鹿にして……!きゃあっ、分け目を撫でるな……!
え、私を新しい『椅子』にするってどういう……ああっ、体が石に……

※最期はツインテールの分け目と髪の流れが繊細に彫られた、土下座をする彫刻にされてしまいます。
その後正義の心が『正義の記憶の緊急召喚』で剣士の少女を召喚、アーティストを奇襲し返します。

〇△無様描写歓迎



「まぁ質問なんてしなくても勝てるけど、一応相手の弱点でも聞いておこうかしら?」
 二尾・結(通りすがりのツインテール・f21193)は余裕そうな態度を取っていた。
 何故なら彼女は『相手の攻撃を全て受け切った上で倒す』戦い方を主にしていたからだ。
 だがしかし、今回は真実の鏡の活用もしておこうと鏡に問いかける。
「ちょっとあんた!あのオウガの弱点とか知っているのかしら?」
『彼女は自身のコレクションに手を出される事を非常に嫌がる』
 コレクション……つまり周りにある彫像にされたアリスや愉快な仲間達の事だ。
 そんな犠牲者を見ると普通の石像や高価そうな大理石像……逆に粘液状の石膏に包まれてドロドロと垂れたまま固まった無様な姿を晒されている者も見えた。
 流石にそこまでの事をする必要はないと感じた結は相手がどこから来てもいいように用心しながら警戒を怠らない。
 と、突然背後からアリスアーティストが彫刻刀で奇襲をかけてきた。
 結も咄嗟に振り向くが避け切れず……ツインテールの分け目の刺してきた。
「くっ……そうか、鏡に私の弱点を聞いたのね!?」
 分け目が石化すると同時に身体が痺れてきてうずくまる結。
 そこにアリスアーティストが腰かける、まるで人間椅子のように……。
「あらあら……私だって何の対策もなしに突っ込んできたわけじゃないわよ?」
「くそ……うずくまった私に腰かけるなんて、馬鹿にして……!」
 屈辱的な格好……もはや土下座に近い状態のまま、結はオウガに分け目に触れられ動けなくなっていた。
「アハハ……あのアリスよりも座り心地が良いわね♪」
「きゃあっ、分け目を撫でるな……!」
 アリスアーティストは何かを思いついたように彫刻刀を取り出す。
「そうだ……新しい『椅子』にしましょう♪」
「それってどういう……ああっ、体が石に……」
 結の身体中が何度も刺されて、痛みがなくそこから灰色の斑点が広がり……石へと変わっていく。
 絶望的な状況に屈辱的な状態で固定されていく。
「ふふふふ……素敵な『椅子』ね♪」
「あっ……あぁぁ……」
 涙目で必死に懇願しようとするも声にならず、残った頭も石化の侵食に呑まれていく。
 こうして結は人間石椅子としてアリスアーティストのコレクションの一つに追加されてしまった……。

「ウフフ……猟兵も大したことないのね?このままもっとコレクションを増やしましょう♪」
 そう言い、ツインテールの分け目と髪の流れが繊細に掘られた『椅子』から降りて去ろうとする。
 しかしその背後から光が広がり、アリスアーティストは振り向く。
「何!?何が起こってるの……!?」
 そこには剣士の少女が剣を振り下ろすところで、結自身は変わらず土下座の姿のまま石化していた。
 何が何だか分からないままアリスアーティストは彫刻刀で応戦する。
 実は結の正義の心がユーベルコード【正義の記憶の緊急召喚】によって英雄達の複製である剣士の少女を召喚した。
 そしてオウガに奇襲をし返す形となった。
「きゃあぁ……!」
 少女の大振りに軽く吹き飛ぶアリスアーティスト、犠牲者達を巻き込む事を恐れ、抵抗せずにそのまま壁に叩きつけられる。
 気づけば少女の追撃が襲い掛かってくる事に恐れ、急いでこの場から離れていく。
 少女の攻撃は外れ、オウガが逃げていく姿を見届ける。
 そしてそのまま消滅し……様々な彫像が並べられる中、土下座する無様な姿の結が残されていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・静柄
鏡だけでも厄介なのに彫刻化の呪いとか訳の分からない事してくるなんて面倒ね。

とりあえず、奇襲に備えて真実の鏡に「敵のいる方向と距離」を聞いて、教えられた方向を警戒しながら質問を続けるわ。次に聞くのは「彫刻刀を左右ので持って戦うのか」と「利き手はどちらか」かしら。片手なら持ってる方を、両手なら利き手の方を注意してれば躱し易いんじゃないかしらね。他に聞く事は「彫刻化の呪いの原理と対処法」かしら。原理がわかれば応用も出来るだろうし、そもそも彫刻化しなければ普通に戦えるしね。あとはもう実際に戦ってみるだけね。今まで培ってきた勘(第六感と野生の勘)に従って、召喚した本差で切り刻んであげるわ。



「鏡だけでも厄介なのに彫刻化の呪いとか訳の分からない事してくるなんて面倒ね」
 様々な彫像が立ち並んでいる中、脇差のヤドリガミである水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は、奇襲に備えて近くにある真実の鏡に質問をする。
「真実の鏡よ……私を狙うオウガがいる方向と距離を教えてよ?」
『ここから別の通路……あと少しの距離であなたの背後を取ろうとしている』
 まだ距離はあるようだが油断はできず、教えられた方向を警戒しながら質問を続ける。
「次に、そのオウガの持つ彫刻刀は左右どちらを持って戦う?」
『両手どちらも持って戦う』
 静柄はさらに質問を続けていく。
「最後に……聞き手はどちらか聞きたいわ?」
『あなたから見て左手で戦う』
 なるほど……と静柄は頷く。
 彫刻刀を持つ手が片手ならその手を、両手なら聞き手の方を注意して戦えば躱し易いと考えている。
 そうすれば彫刻化することがなく、普通に戦うことができる。
 あとは実践あるのみ、オウガが通る道から隠れて息をひそめる。
 ユーベルコード【僕の考えた最強の刀】を発動し、召喚した本差を手に掛ける。
 残り数秒となった今、オウガの足音が近づいてきた。
 
 アリスアーティストは真実の鏡に別の猟兵の場所を聞き出し、その場所とは別の通路から通って奇襲しようとしていた。
「ハァ……酷い目に会ったけど、次はどんな猟兵像が出来上がるかしら♪」
 色々想像しながらも堕ちたアリスは少しずつ距離を詰める。
 奇襲する前には場所の他にもどんな姿なのかも確認した。
「次の獲物……なかなかの美人だったわね……」
 どんな表情をするのか?どんなポーズをしてくれるのか?想像するだけでも彼女の期待は盛り上がる。
 もう少しでその場所……利き手に彫刻刀を手にして攻撃態勢に入る。
 その一歩を踏み出す、直後に静柄が本差で斬り込もうとした。
 しかしギリギリで彫刻刀で受け止める。
「ちっ……さすがにバレたわ……」
「ふふふ……でもまだ行きますよ♪」
 もう片手に彫刻刀を持ち静柄に突き刺そうとする。
「甘いわっ……!」
 相手の利き手では無い方と分かっているため、今まで培ってきた【第六感】や【野性の勘】に従って躱していく。
 流石に二、三度躱されたアリスアーティストは焦りだす。
「くっ……動かないで!素敵な彫像になれないわ!」
「そんなのお断りよ!」
 その隙を狙い、もう一度本差でアリスアーティストの身体に斬り込む。
「がっ……」
 流石に浅かったが、さらに何度も彼女の身体に切り刻む。
 服がボロボロになり身体中から出血していくオウガは、不利と判断して液状化した石膏を壁にして逃げ出す。
「くっ……」
 さすがに静柄はそのまま飛び込んだら固められると恐れたため踏みとどまった。
 いつの間にかアリスアーティストも必死に逃げてしまったようだ。
「だけど……あれだけ重傷を負わせれば虫の息ね……」
 何度も切り刻んだのであるからそう遠くへは逃げられないとは思う。
 そうして一息つき、次第に固まった石膏の壁に埋まった犠牲者達をどうしようかと静柄は考えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リアナ・トラヴェリア
趣味が悪い相手だね。
私は彫像になる趣味なんかないし、それに巻き込まれた人を助けるつもりでいるよ。
だからあなた芸術活動はここでおしまい、何も残せず消えていくんだ。

鏡には「敵が彫刻刀を投げてくる方向と回数」を聞いておくよ。これが分かっていれば魔術師の手で掴めるから。
近接攻撃を仕掛けつつ、相手が彫刻刀を投げるのを誘発して、逆に掴むよ。
相手が状況を把握できない内に彫刻刀を突き刺して呪いを発動させる。
……強い呪いなんだよね。最後は自分を作品にすべきだよ。

相手が抵抗するのなら容赦なく斬るし、完全に石化したらすぐに砕くよ。
石化した人たちを助けないと。

…悪いけど、芸術のことなんてからっきしなんだ。



「趣味が悪い相手だね」
 リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)は周りの彫像達を見て呆れる。
「私は彫像になる趣味なんかないし、それに巻き込まれた人を助けるつもりでいるよ」
 だからあなたの芸術活動はここでおしまい、何も残せず消えていくんだ……とアリスの大理石像を見て呟く。
 彼女はまず、真実の鏡に質問を投げかける。
「敵が彫刻刀を投げてくる方向教えてほしいんだ?」
『あなたの真後ろから投げてくる』
 それを聞いたリアナはそこから動かないようにして、もう一つ質問を投げる。
「それじゃあ、投げてくる彫刻刀の回数は?」
『投擲する彫刻刀は2~3本』
 これが分かっていればユーベルコード【掴み取る魔術師の手】によって対応ができる。
 直後、背後からアリスアーティストが襲い掛かる。
「やっぱり気付いていたようね?」
 服が所々ボロボロになっており、石膏だろうか?無理に傷を塞いでいるように見えており、ダメージが重くなっている事が分かった。
 リアナは近接攻撃を仕掛ける、相手もまた彫刻刀を手に持ち突き刺そうと近づく。
 しかし、常に距離を取っておりオウガも苛々が募っていく。
 もちろん、リアナは相手が彫刻刀を投げるように誘発していたのだ。
「くっ……いい加減……石像になりなさいよ!」
 その誘発に誘われてしまい彫刻刀を、鏡の言う通り2~3本投げてきた。
 リアナはすぐにユーベルコード【掴み取る魔術師の手】でその彫刻刀を掴み取った。
「えっ……!?」
 アリスアーティストはまさか投げた彫刻刀を掴まれるとは思わず、状況を把握できていない。
 その内にリアナはその彫刻刀を両手と胸に突き刺すと、そこから石化が始まる。
「……強い呪いなんだよね、最後は自分を作品にすべきだよ」
「そっ……そんな……」
 アリスアーティストの様子を見て、抵抗するのであれば容赦なく斬るつもりでもある、完全に石化してしまえばすぐに砕く。
 しかし……彼女は抵抗を選んだ。
「まだ私は……!!」
 無理矢理刺さった彫刻刀を振りほどき石化の進行を遅らせる。
 リアナは斬ろうとするが、アリスアーティストの腕輪から瘴気が放たれる。
「きゃぁっ……!?」
 瘴気を浴びるギリギリの所で咄嗟に下がり相手の様子を窺うが……彼女は既に逃走していた。
「まさか逃げられるなんてね……でもあの感じだと……」
 放っておいてもあれだけ強い石化の呪いである、次第に侵食して完全に石像と化すだろう。
 その時に再会する時があれば砕いておけば良いだろう。
 できる限りのことをしたとリアナは思いつつ、彫像に変えられたアリスや愉快な仲間たちの救出を開始する。
「……悪いけど、芸術のことなんてからっきしなんだ」
 少なくとも……こんな悪趣味な芸術を理解するのは止めた方がいいと思ったリアナだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
符術で攻撃応戦

鏡に問う、石膏攻撃は何秒後?
時限爆弾カウントダウンで石膏を吹き飛ばすぜ

石膏が降って沼になるのは予想外
這い上がる石膏に錯乱・恐怖・絶望
『どうしてアタシは簡単に物にされるんだ!』
奇しくも断末魔で鏡に問う

石膏像として手直し加工される中
微かに鏡の答えを聞く
耐性・油断・諦め―

諦めた魂が石膏の底なし沼に沈み、連動して体の芯まで石膏が沁みる
他人には諦めるなって願うくせに

情けなくて石膏の涙を流し…

ド畜生が!
呪詛耐性全開・限界突破…意地のフォックスファイアで内から石膏を加熱粉砕だ
肉が焼け爛れても、諦めは嫌なんだ!

大火傷で倒れる前に
鏡に敵の回避方向を問う
大理石の剣で切り呪詛を流す
アンタが彫像になりな



「鏡に問う、石膏攻撃は何秒後?」
 四王天・燦(月夜の翼・f04448)が真実の鏡に聞く。
『10秒後、あなたの背後から襲う』
「よし……なら……!」
 その背後を向くと、ほとんどボロボロのアリスアーティストの足元から液状化した石膏を操り、燦に襲い掛かろうとしていた。
 彼女はそこに時限爆弾を放り投げ……カウントダウンで石膏を吹き飛ばす。
「爆弾……!?」
 アリスアーティストは一瞬焦った、この彫像が並べられている中で爆発物なんてもってのほかだ。
 彼女は石膏を大量に出し、爆発に巻き込まれそうな彫像に壁を作って守った。
「よくも私の作品を……!」
 飛び散った石膏が降り注ぎ、沼のように溜まる。
 燦は足を踏み外し、石膏の沼に身体全体で受ける形でダイブしてしまう。
「わっぷ!?これは予想外……」
「アハハ……そのまま石膏の沼に引きずり込まれなさい……」
 ボロボロの身体のほとんどが石化しても尚、笑う余裕が生まれている。
 身体中這い上がる石膏に錯乱し、恐怖し、絶望する燦……。
「どうしてアタシは簡単に物にされるんだ!」
 奇しくも断末魔で鏡に問うが、その間に石膏の沼に溺れて次第に頭とドロドロまみれの腕だけが残る。
「うぐっ……アタ……シ……は……ごぽっ」
 泡を噴き出し……頭も沈み……石膏まみれの手を伸ばしつつも、それらも沈んでいった。
 石膏像として手直し加工される中……鏡が答えを言う。
『それは―――あなたの避けられない運命―――』
 微かにその答えを聞く燦……耐性・油断・諦め―――。
 諦めた魂が石膏の底なし沼に沈み……連動して身体の芯まで石膏が沁みる。

 ―――他人にはあきらめるなって願う癖に

「さぁ……って……」
 アリスアーティストは石膏の沼を操り、ドロドロまみれの燦を引き上げる。
 空気中に触れた瞬間固化していき、像とは言えない荒だらけのオブジェが出来上がった。
「自信があったようだけども、その末路がこんな姿だなんて……♪」
 調子に乗っているアリスアーティストの言葉に、自分の情けなさに石膏の涙を流し……
「ド畜生が!」
 最後まで諦めるわけにはいかなかった燦は【呪詛耐性】全開・【限界突破】……意地のユーベルコード【フォックスファイア】によって内から石膏を加熱粉砕する。
「きゃぁぁぁぁ……!」
「肉が焼け爛れても、諦めは嫌なんだ!」
 吹き飛んだ石膏の欠片に防御するアリスアーティスト。
 燦は大火傷で倒れる前に、鏡にオウガの回避方法を問う。
「鏡よ!アリスアーティストの回避方法は?」
『現時点では無し』
 丁度良い!と叫び、オウガに向かっていく。
「こ……来ないで……来ないでぇー!?」
 アリスアーティストも自身の石化の影響で回避が間に合わなかった。
 かつて、蛇姫が愛用していたと言われる剣【大理石の剣】を彼女の身体に思いきり斬りつける。
「ああああぁぁぁぁーーーー!!」
「アンタが彫像になりな……!!」
 大理石化の呪詛をこれでもかというほど流し込まれたアリスアーティストは瞬く間に文字通り大理石の像へと変わり果てた。
 今まで様々な生を像へと変えたアーティストの最期は……自ら像へと変わる末路となった。
「ハァ……ハァ……」
 息を荒くする燦……かなり無茶な事をしてしまったため気を失うように倒れ込む。
 相手はただの像と化した、もうこれ以上襲われることはないとわかったからだった。

 彼女が倒れた後には後続の猟兵達に助けられ……とりあえず彼女の命は助かった。
 そして、彫像と化したアリスや愉快な仲間たちも無事治療され自由の身となった。
 こうして『真実を告げる鏡の間』における激しい攻防の一つはここに幕を閉じた……。
 しかし、まだこれは一つの戦場を超えたに過ぎない……先には強大な世界の破壊者が待ち受けている事だろう……。
 それでも猟兵達は進む……アリスラビリンスを救うために……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月15日


挿絵イラスト