迷宮災厄戦⑩〜石像はキッチンを追う
「みんなー集まってくれてありがとー!」
君達にお礼を言ったレティエル・フォルクエイン(オラトリオのサウンドソルジャー・f15293)は、アリスラビリンスの世界で、オウガ、猟書家、猟兵による三つ巴の大戦争が続いてるんだけど、と前置きし。
「みんなには、その戦場にあるお城に行ってほしいんだよ」
そう明かしたグリモア猟兵の少女が指定したのは、ハートの女王が住んでいた城。文字通り、かつてオウガ・オリジンに戯れに殺された、忠臣「ハートの女王」の怨念が籠もった城だ。
「正確にはそのお城のご飯を作るところ、厨房だね。お城の中はどこも複雑な迷路になってて、触れたものをお城の外に強制テレポートする『女王の石像』さんが追いかけてくるんだって」
この石像、弱いオブリビオンであるため倒すこともできるのだが、いかんせん数が多い。いっぱいいる上に触れた対象を城外に強制テレポ―トするので、殴ったりした場合こちらが場外にテレポートさせられてしまうのだ。
「だから倒しちゃうより追っかけっこの方が楽なんだよ」
全ての迷路を攻略すれば城にこもった怨念は消えるため、そも敵を全滅させる必要もないのだ。君達は割り当てられた迷宮化した厨房のエリアをレティエルの指定したルートに沿って進み、突破するだけでいい。
「元が厨房の迷路だから食器棚とか食材を入れておくところだとか隠れるところもたくさんあるし、お城の厨房だから広いところもあるけど、調理器具なんかも残ってるからお鍋を転がして足止めとか、工夫次第でいろいろできると思うよ」
どんな方法で突破を試みるかは君達次第であるが。
「石像さんから逃げ回るのも大変かもだけど、レティちゃんもしっかりサポートするから、どうかよろしくね」
ぺこりと頭を下げると、グリモア猟兵の少女はそのまま君たちを送り出すのであった。
聖山 葵
紙面の迷路と比べると実際自分が入って出口を探すタイプの迷路はやたら迷う気がします。
それはさておき、今回は石像と追っかけっこしつつ迷宮を突破するお話となっております。
尚、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になります。
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プレイングボーナス……地形を利用して女王の石像と追いかけっこする。
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では、ご参加お待ちしておりますね。
第1章 冒険
『女王の石像から逃げろ』
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POW : 女王の石像の集団に追いかけられながら、迷宮内をマラソンしつつ迷宮を探索する
SPD : 女王の石像に見つかる度に、全速力で振り切って安全を確保しつつ迷宮を探索する
WIZ : 女王の石像に見つからないように隠れ潜みながら迷宮を探索する
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鈴木・志乃
アド連歓迎
UC発動
全員に自動マッピング装置と中継用の小型端末を配布。バラバラに散ってもらって出口を探しながら思いっきり暴れ回ってもらう。ダンスとパフォーマンスが得意な集まりだから、そこら辺に使えそうな物転がってりゃ一騒動起こしてくれるでしょう。敵のこと惹きつけたり、障害物作って足止めしたりして欲しいな。よろしくお願いしますね。
マップと敵の目撃情報を私の端末で集約し、私自身は出口らしき方面に向かって歩を進めます。第六感で敵を察知し、早業で物陰に身を隠しましょう。開始前から高速詠唱で、素早く動けるよう身体に加速魔法もかけておきましょうか。
さてはて、上手くはまらなければ大惨事だけどどうなるかな。
火土金水・明
方針は【WIZ】です。
基本的に使い魔のクロと一緒に行動します。
キッチンという【地形の利用】をして、自分が入れそうな食器棚を探しながら、いざという時に隠れます。
移動時は、【忍び足】【目立たない】【逃げ足】の技能を駆使します。分かれ道では、【野生の勘】で決めます。
いざという時には、【サンダーボルト】で『女王の石像』を攻撃して破壊します。
明「追いかけっことは、子供の頃を思い出しますね。」クロ「にゃあ。」
(別れた通路で)明「どっちが安全そうかな?。」クロ「にゃん!。」(前足でどちらかを指します)
アドリブ等はお任せします。
「おはようございます! これを――」
転送されるなり鈴木・志乃(ブラック・f12101)は黒パーカーの演劇集団を召喚すると、挨拶しつつ小型端末を配り始める。
「では、バラバラに散ってもらっていいですか?」
端的に言うなら人海戦術であり、喚び出した面々は囮を兼ねた協力者であり。
「敵のこと惹きつけたり、障害物作って足止めしたりして欲しいな。よろしくお願いしますね」
指示に頷いた演劇集団が散らばってゆくのを見送りつつ、志乃は周囲の気配を探る。
「人が多数動けば、気が付きますか」
現在地に向かってくる何かの気配を感じて志乃は物陰に身を隠す。直後にどすどす床を踏み鳴らして現れたのは、数体の石像だ。
「行ったようですね」
言葉は発さず、ただ視線を交わすよう互いを見た石像たちもまた特定の方向に固まらず、散らばってゆき、全ての石像が去って志乃は物陰から顔を出すと周囲を窺い。
「こちらも行動開始、としたいところですが」
歩き出す前に高速で詠唱を始めると、完成した加速魔法を自身へと施す。
「さてはて、上手くはまらなければ大惨事だけどどうなるかな」
ポツリと漏らすと、床を蹴り。
「追いかけっことは、子供の頃を思い出しますね」
「にゃあ」
鬼ごっこがすでに始まっている中、転送された火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が足元に居る使い魔のクロへと声をかければ、黒猫は短く鳴き。
「とはいうものの、このままただ歩くだけではいけませんよね」
周囲を見回し、探すのはいざというとき隠れられる場所だ。黒パーカーの演劇集団の誰かか、志乃か、おそらくは前者であろうが、人の足音をやや重めの足音が追いかけているのがどこからか明の耳に聞こえ。
「あそこに隠れますよ」
「にゃん」
忍び足で目立たぬ場所を歩きながら、ちょうどよい大きさの戸棚を見つけた明が、示すと後ろをついてきているクロが小さく鳴き。
「こっちこっち」
両者が戸棚へ隠れた後のこと。戸の隙間から微かに見える景色の中を黒パーカーを来た人物が軽いステップを踏めば、それを石像が追いかけてゆくのが見え。
「それっ」
別方向から声が聞こえた直後、転がってきた巨大な寸胴鍋が石像を直撃する。
「今の内ですね、クロ」
黒パーカーの逃亡者に翻弄された石像は明達には気づいていないようで、そっと戸棚を抜け出すと、騒ぎの元から離れる様に歩き出し。
「にゃ」
「っ」
クロの声に物陰に引っ込めば、騒ぎを聞きつけたのか複数の石像が先ほど明がいた場所を通って、騒ぎのあった場所へと駆けてゆく。
「危ないところでした。それはそれとして――」
何とかやり過ごした明日の前に現れたのは、左右と前方に伸びた通路。
「どっちが安全そうかな?」
「にゃん!」
明が尋ねると、使い魔はさしかかった十字路の右の道を前足で示し。
「それなりに距離は稼げたかな」
道の先に別の先の分岐から姿を見せたのは、志乃。先行しているのは、魔法による加速や喚び出した黒パーカーの演劇集団のおかげだろう。
「とは言え」
生き残った黒パーカーの演劇集団が居ればまだ石像を引き付けていることだろう。志乃は更に通路を先へ進むのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水心子・静柄
迷路の道順なんて考えるだけ無駄ね、第六感と野生の勘でノータイムに判断して突き進むわ。厨房の中を突き進むんなら、小麦粉とか油、洗剤とかも大量に残ってないかしらね?追ってくる石像には油や石像を床に撒いて滑りやすくして追撃速度を遅くしたり、綿棒等丸いものを敷いたりして転びやすくして追撃を逃れるわ。前方に石像がいるなら小麦粉を袋ごとぶつけて目潰しをしたり、寸銅みたいな深い鍋を頭に被せて目隠ししたりして、タッチされないように突き進むわ。タッチされそうになったら鍋の蓋を盾にして躱すわ。まぁ正直、隠れながらっていうのが性にあわないのよね。
「迷路の道順なんて考えるだけ無駄ね」
断言した水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は飛ぶように迷宮と化した厨房を駆けていた。
「こっち」
頼るのは、第六感と野生の勘。分岐に出くわすたびにスピードは落とさず即決して突き進み。
「小麦粉とか油、洗剤とかも大量に残ってないかしらね?」
むしろ足を緩めたのは食材貯蔵庫の近くに差し掛かった時だった。
「これは」
片隅に放置されていた袋を静柄が発見したのは、半開きの扉の向こうを一瞥してで、手を伸ばした直後に背後で物音が生じる。
「数は多いらしいし、一度も遭遇しないなんてことの方が珍しいわよね」
石像のパーツを視界に認めるなり、静柄は並んでいた壺の一つを無造作にひっくり返す。中から滑りのある液体が床一面にぶちまけられ、それを踏んだ石像は足元が滑り仰向けにひっくり返る。
「使えそうなものは、それなりに――」
回り込んだのかもともと前方にいたのか行く手を塞ごうと近寄ってくる別の石像に静柄は扉の向こうにあった袋を投げつける。
「思ったより飛び散ったわ」
袋から飛び散った粉が視界を石像の覆い隠し、石像が右往左往する間に脇を抜けた静柄は手で付着した粉を軽くはたき落すとそのまま走り抜け。
「この調子なら、抜けられそうかしら。まぁ正直、隠れながらっていうのが性にあわないのよね」
だが、逃げも隠れもしなければ、石像とはまた遭遇しても不思議がない訳で。
「しつこいわね」
食料貯蔵庫は抜けたのか、調理器具の並ぶ区画にさしかかったところで、後方から聞こえてきた足音に綿棒など丸みがある道具を無造作につかんだ静柄は後方に放り捨て、石像の転倒した音を聞きながら更に走り続けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
秋山・軍犬
ふっ…勝ったっすね
如何に迷宮化していようとフードファイターが
厨房で迷うなどあり得ない(確信)
(料理+野生の勘+情報収集)
逆に女王さんは…
女王様、料理人の邪魔ですから
良い匂いがするからって物欲しそうな顔で
厨房をチラチラしないで下さい
政務はどうしたんですか?
サボってるとデザートのプリン没収ですよ…
…な感じで厨房に立ち入った事などあるまい(想像)
敵地なのに己の土俵…最高やな!
【指定UC】で大小無数の調理器具を作成展開し
遠隔操作で女王の追跡を妨害しつつゴールを目指す
自分のUCは女王には初見の上、妨害手段が調理器具なので
上手くすれば迷宮にある調理器具にまで
警戒と意識を割くことになると思う…疑心暗鬼!
「ふっ……勝ったっすね」
転送された直後であった、秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)が勝利宣言をしたのは。
「如何に迷宮化していようと、フードファイターが厨房で迷うなどあり得ない」
得意満面の笑みで確信とともに歩き出しつつ、立てるのは一本の指。
「逆に女王さんは……」
そう前置きして話し出すのは、在りし日のハートの女王の日常。
「女王様、料理人の邪魔ですから。良い匂いがするからって物欲しそうな顔で厨房をチラチラしないで下さい」
「政務はどうしたんですか? サボってるとデザートのプリン没収ですよ……」
料理人や使用人に注意とかってレベルを超えて不敬罪を適用されても仕方なさそうな感じでハートの女王は怒られて。
「……な感じで厨房に立ち入った事などあるまい」
あくまで個人的な想像ではあるが、相手に土地勘はないと踏んだが故に。
「敵地なのに己の土俵……最高やな!」
恵まれた状況を噛みしめる様に軍犬は震える。
「これが、限界を超えた力を使いこなす事で到達した新たな領域……フルコースゴールデン・オーラキッチン!!」
震えながら身を包む黄金のオーラから様々な調理器具を作り出し、複数展開してゆく。
「じゃ、始めるとするっすか」
展開された調理器具は軍犬が視線を向けるや動き出し。遠ざかった先でけたたましい音を立てて女王の石像とぶつかった。
「ここには調理器具もいっぱいあるっすからね」
調理器具に襲われれば、通常の調理器具にも警戒と意識を割くことになると思いつつ、進み続け。
「疑心暗鬼! それに苛まれてる相手には負けないっすよ」
妨害と攻略を同時並行させつつ軍犬は迷宮を突破したのだった。
大成功
🔵🔵🔵