3
迷宮災厄戦⑥〜狂信の果てに

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アリスラビリンス
🔒
#戦争
🔒
#迷宮災厄戦


0




●ぱらいそは幻影の果てに
 突如虚空に現れた「魔空原城」は、アリスラビリンスらしからぬ「戦うための城」であった。西洋風の城をサムライエンパイアにそのまま持ってきたような趣の原城には、多くのオブリビオンが『ぱらいそ預言書』を信奉し、祈りを捧げながら戦いに備えているのである。
「戦いに倒れたとしても、我々はデウス様の待つぱらいそへ行くのよ。だから、もう何も恐くないわ」
 「星屑の魔女」と呼ばれるアリスなれの果ての少女は、絶望をまき散らしながら分身を生み出し、やってくる猟兵たちを討ち果たそうとするのであった。

●グリモアベースにて
「アリスラビリンスの空に、突如としてサムライエンパイアの原城が現れました」
 マリア・テミルカーノヴァ(電子の海を彷徨う光・f00043)は憐れむような顔をして状況を語りだした。その出で立ちこそかつての修道女の服装ではないが、その胸には、彼女の信仰を表す八端十字架のペンダントがかけられていた。

「彼女たち『星屑の魔女』のオリジナルの女性はアルダワ魔法学園から召喚されたアリスでした。ですが、アリスラビリンスに召喚されてしまったことで絶望してしまい、分身を大量に生み出して襲いかかってくるのです」
 なんでも、彗星に変身しものすごい速度で飛翔しながら流星を放って攻撃したり、望遠鏡で視線を向けたものに宇宙からの隕石をぶつける攻撃をしてくるのだという。さらに、星空でできた迷路に閉じ込めるという妨害行為も行ってくるのである。
 さらに厄介なことに彼女たちは『ぱらいそ預言書』を信奉する狂信者となっており、「謎の亡霊」のようなものを纏い、負傷や死を厭わず捨て身で襲いかかって来るという。この捨て身を逆に利用すれば、優位に戦いを進められるかもしれない。

 そんな絶望してしまった彼女を神様にとりなしてもらう祈りをマリアは捧げながら、猟兵たちに伝えるのであった。
「絶望は『死に至る病』と言われています。しかし、彼女の罪を憎まないであげてほしいのです。希望を抱くことは、きっと間違いではありませんから。今は彼女の罪が赦されることを祈りましょう……アミン!」
 そう伝えるとマリアは十字を描いて猟兵たちの無事を祈り、彼らを送り出すのであった。


ヨーシャ
 ズドラーストヴィチェ! ヨーシャです。
 梅雨が明けて真夏の空になりましたが、みなさん元気にお過ごしでしょうか。
 8月は戦争のみならずいろいろと予定が重なりやすいところですが、コロナウイルス感染症にも気をつけつつ、シナリオを楽しんでいただければ幸いです。

 なお、プレイングの受付期間ですが、いつからとかいつまでとか細かいことは言わないつもりです。断章が投下されてから随時の受付になっております。急に締め切りになることもあり得ますが、その時は連絡しないかもしれません。また、執筆ペースはマイペースかもしれません。

 では、「星屑の魔女」たちが救われるようとりなしの祈りを捧げながら、皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
61




第1章 集団戦 『星屑の魔女』

POW   :    イマトイウホウキボシ
【彗星】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【流星】を放ち続ける。
SPD   :    メテオインパクト
【望遠鏡を通した視線】を向けた対象に、【宇宙からの隕石】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    ホシクズノステージ
戦場全体に、【星空】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「主よ、私たちをぱらいそにお導きください……」
 星屑の魔女たちは一心不乱に祈っている。
「……そのためなら、傷つくことも死ぬことも厭いません!」
 そんな彼女たちは瞳に光はなかったが、何か吹っ切れたような表情をして叫ぶのだった。
「主のお力によって、お前たち猟兵を地獄送りにして見せます!!」

 さて、猟兵は星屑の魔女たちを倒し、彼女たちに安らぎを与えることができるのだろうか……。
コシチェイ・ヴォルノーイ
絶望の果てに信仰へ救いを求める少女でありますか…同じく主の救いを希う身としては、敵といえど親近感を覚えますな
とはいえ、猟兵としては闘う他ないでしょう…

全力でかかって来なさい…其方が死を恐れず向かってくるのであれば、我が不死身で以って受け止めましょう
(突撃して来る彼女達へ投擲で攻撃を加えつつ、残った個体を継戦能力を活かし捨て身の一撃で倒します)

ソレが憑いていると、天の國に入るには些か邪魔でありましょう
祓って差し上げますから、瞼を閉じて楽にしていなさい
(UCを用いて祝福した剣を突き刺し、謎の亡霊を取除いて止めを刺します)
どうか安らかに…貴女が主に迎えられることを願います


※アドリブ/連携その他大歓迎



 希望を抱くことは、間違いなのだろうか?
 昔の哲学者は、絶望こそが「死に至る病」であると語っている。彼女たち『星屑の魔女』は、アリスラビリンスに至り元の世界に戻れないということに絶望してしまったが故に「魔女」と化してしまったのである。
 そんな「魔女」たちと向かい合う者がいた。その名はコシチェイ・ヴォルノーイ(不死身のコシチェイ・f21127)、「不死の怪物」でありながら修道院にて贖罪のために働く首輔祭である。
「絶望の果てに信仰へ救いを求める少女でありますか……」
 『星屑の魔女』たちと向き合うコシチェイは口を開くと、『星屑の魔女』たちは目を光らせてコシチェイを睨んでいた。
「同じく主の救いを希う身としては敵といえど親近感を覚えますが、とはいえ、猟兵としては闘う他ないでしょう……」
 コシチェイは観念したように十字架の形を模した剣を構える。「Кирие элейсон(主憐れめよ)」という祈りの言葉を唱えながらコシチェイは己の剣を祝福すると、向かってきた一人の『星屑の魔女』を狙ってその剣を投擲するのであった。
「全力でかかって来なさい。其方が死を恐れず向かってくるのであれば、我が不死身で以って受け止めましょう」
 コシチェイの言葉を真に受けたのか、次々と向かってくる『星屑の魔女』を、引き抜いた剣でコシチェイは切り捨てていく。そんな彼に切り捨てられた『星屑の魔女』の一人が最期を悟り、言葉を残すのだった。
「これで……ぱらいそにいけるのね……短かった、私の命も、これで……」
 そんな彼女の最期に寄り添うかのように、コシチェイは語り出す。
「ソレが憑いていると、天の國に入るには些か邪魔でありましょう。祓って差し上げますから、瞼を閉じて楽にしていなさい……」
 魔女の瞳から、涙が流れる。それと共に、憑いていた亡霊のようなものが彼女の身体から離れていく。
「……どうか安らかに。貴女が主に迎えられることを願います。永遠の記憶……」
 息を引き取った一人の『星屑の魔女』の顔は、安らかであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィロメーラ・アステール
「これはアルダワの星空?」
故郷の星を想い続けている証拠かな?
それが最後の希望だったのかもしれない!

じゃあ、それを思い出させてあげよう。
【謳い謳われし満天星】を発動!
ハープ『甘き旋律』の【楽器演奏】に乗せて【全力魔法】を展開し、星空の迷路を【盗み】取るぞ!

あたしを迷路に閉じ込めても、敵は捨て身である以上、直接対峙しようとするしかないんじゃない?
つまり迷路に入ってくるしかない。
そこへ【郷愁を誘う】アルダワの曲を奏で、敵の【第六感】に働きかけることで失われた希望を【鼓舞】しよう。
思い出せば、もう異国で眠ろうとは思わないだろ?

今なら帰れるさ。
この星空に適応することで『行動成功率』が上昇する。
おかえり。



 救いとは「存在」と「希望」の承認である。
 「絶対的他者」や「自分自身」で「存在」と「希望」を承認する人は真に強い人といえる。だが、これを「普通の人間」に求めてしまう場合、相手が善人でなければ言いように利用されて搾取されてしまうことも十二分にあり得るだろう。

「主よ、私たちをぱらいそにお導きください……」
 祈りを繰り返す『星屑の魔女』たちは、一心不乱に祈りの言葉を唱えている。
 彼女たちが思い出すのは、懐かしきアルダワの学園生活なのだろうか。いずれにしても、彼女たちのオリジナルはアリスラビリンスに閉じ込められ、もはや分身を生み出しながらこの世を呪う存在になってしまっていたのである。

「これはアルダワの星空……故郷の星を想い続けている証拠かな?」
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は考える。それが最後の希望だったのかもしれない、と。今、彼女は『星屑の魔女』たちの生み出した星屑の迷宮に閉じ込められてしまったのだが、今まさにそれを奪い取ろうとしていた。フィロメーラは「謳い謳われし満天星」を歌い奏でると、『星屑の魔女』から星屑の迷宮を奪い取るのだった。

「どんな苦難があろうと、私たちはぱらいそに参ります……」
 閉じ込められてしまった『星屑の魔女』たちは祈りの言葉を止めずに進もうとするが、そこに流れてきたのは故郷アルダワの郷愁を誘う曲だ。UDCアースに伝わる古い話によれば、ある戦いの中で故郷の曲を聴かされた兵士たちは戦う意思をなくして逃げていったと言うが、まさにそれと同じ状況が星屑の迷宮の中で起こっていたのだ。
 涙にむせび泣く魔女たちの中で戦う意思をなくしていった者も少なくはない。彼女たちの流す涙は、心を癒やしていく。

「思い出せば、もう異国で眠ろうとは思わないだろ……今なら帰れるさ!」
 フィロメーラの呼びかけに幾らかの『星屑の魔女』たちの心は揺れに揺れていた。涙を流す彼女たちの「救済」の様子に、フィロメーラはじっと眺めていたのだった。
「……おかえり!」
 そんなフィロメーラの瞳からも、一筋の涙がこぼれていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マグダレナ・クールー
そうですか。ならば、手助けをしなくてはいけませんね
ええ、安らぎを与えましょう。そちらが捨て身でくるならば、わたくしも捨て身で参りましょう

真っ向から迎え撃ちます。流星は避けずに、薙ぎ払ったり串刺して受け流したりなどして対処します
彗星にはパルチザンを投げて撃ち落とします
落ちた者にはトドメを。……祈りを込めて、トドメを与えます

わたくしは、オウガは傷つき死ぬことを望みます
そこに恨みはありません。しかし、許すことはできません



 希望なき世界に、人は何を思うのだろうか。
 酒に溺れる人もいれば、薬に手を出す人もいる。
 希望なき世界を生きていると、心が痛むのだ。
 その痛みを忘れようとして、さらなる苦痛に苛まれていく。
 それゆえ、希望を取り上げられてしまったら生きられないのである。

 マグダレナ・クールー(マジカルメンタルルサンチマン・f21320)が見たものは、希望なき世界に希望を見いだそうとして狂気のような何かにとりつかれてしまった『星屑の魔女』たちであった。そういうマグダレナとて狂気のような何かを己の身に宿している。
「これは、私の聖戦……主の旗の下に倒れなさい……」
 そう口々につぶやきながら彗星に姿を変え、生気の消えた目で突っ込んでくる『星屑の魔女』たちを目前にしてマグダレナは何を思ったのか。錆びたパルチザンを片手に仁王立ちする様は、狂気にとりつかれたようにしか写らなかった。
「……安らぎを与えましょう。捨て身には、捨て身で、参ります!」
 『星屑の魔女』たちを真っ向から迎え撃つマグダレナは滅びの美学を堪能しているかのようにしか見えなかった。その狂気のような何かの下には、正気のような何かが埋まっているのだとしても。
 しかし、彗星から放たれる流星は容赦なく降り注ぐのであった。薙ぎ払おうにも、串刺しにしようにも、多勢に無勢の今の状態では己の身で受け止めるしかなかったのだ。
「……わたくしは、オウガは傷つき死ぬことを望みます!」
 流星を見に受けてもマグダレナは気力を振り絞り立っていた。ちょうどその時、彼女の目にひとつの彗星が映ったのだった。彼女は力を振り絞り、彗星めがけてパルチザンを投げつけたのだ。
「そこに恨みはありません。しかし、許すことはできません……」
 彗星は血しぶきを上げながら地に落ちていった。マグダレナは傷つきつつも、その様子を眺めていることしかできなかった。その瞳に映るのは狂気なのか、それとも正気なのか……。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

春霞・遙
それが吹き込まれたことではなくあなた方の選んだ救いならいいんですよ。
確かに叶わない願いも癒えることのない病もありますから。
でも、逃げ込んだ先が本当に楽園だと誰が言ったのでしょうね。
悪魔の甘言ではありませんでしたか?待っているのは本当に救い主ですか?

捨て身で襲ってくる魔女たちを【葬送花】で攻撃します。
空間に花びらを舞わせ、動くたび身を裂く刃とします。
迷路を力尽くで破る術はないので花を手向けつつ、奇襲に気をつけつつ地道に攻略します。
花びらによる攻撃以外は回避と届かない対話に専念します。

私には手の届いた命しか救えませんからね、せめて骸の海が苦しみのない場所でありますように。



 我々は神の像と肖に従って作られ、主の救いに応える自由意志を持っているのだろうか。これに対して、昔の聖人はこう語っていたという。
「悪魔は悪へのほのめかしを行うことは出来る。しかし、貴方を貴方自身の意志に背かせる事は出来ない」
 このことは、我々は、主の恩寵に応えるだけの自由意志はあるということである。

 春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は星屑の迷宮をただひたすら進むことしかできなかった。この迷宮は力ずくでは破ることはできない……なら、地道に進むしかない。まるで人生のように。しかも、『星屑の魔女』たちは耐えることなく押し寄せてくるのだ。奇襲されないよう気をつけながら、遙は道中で倒してきた『星屑の魔女』たちの安らかなる眠りを祈っていた。
「……それが吹き込まれたことではなくあなた方の選んだ救いならいいんですよ」
 この世の中には、叶わない願いも、癒えることのない病もある。医者である遙はそんなことなどわかりきっていたのだ。そんな彼女たちが逃げ込みすがった先は、本当に「ぱらいそ」なのだろうか。
「……悪魔の甘言ではありませんでしたか? 待っているのは本当に救い主ですか?」
 その強く問いかける目には光が宿っていた。遙は手にした杖を魔女たちに向けると、その先からは数多の薄桃色の花吹雪が舞い散る。これこそ、まさに「葬送花」だ。
「私たちは……『ぱらいそ』にいけることを信じるしかないの。もう、懐かしきアルダワには帰れないから……」
 光を宿さない瞳で『星屑の魔女』たちは答える。ならば、できることは攻撃をかわしつつ花吹雪を舞わせること、そして彼女たちに花を手向けることなのだ。

 倒れ込む魔女たちに手向けの花を捧げながら遙は祈る。手の届いた命しか救えないことぐらい、わかりきっているつもりだった。でも、祈らずにはいられないのだ。せめて骸の海が苦しみのない場所でありますように、と。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳩麦・灰色(サポート)
「ウチ、やなくて私も手伝わせてもらうよ」
「アンタ(敵)はそこで黙ってて」

◆特徴
独り言は関西弁
話言葉はほぼ標準語
脱力した口調
『敵さん』の行動の意図を考える傾向があるが内容に関わらず容赦しない

◆行動
【ダッシュ】【クライミング】【地形の利用】で場所を問わず速く動く事が得意

戦闘は速さで回避重視
味方が居れば武器の音で【存在感】を出し率先して狙われにいく

攻撃は主に【衝撃波】を込めた鉄パイプを使用、空砲銃は場合に合わせて使用

◆UC
索敵、回避特化ではUC『三番』
集団戦では『四番』
敵単体では『一番』か『二番』を使用する

◆日常
日常は何かしつつ寝落ちる事が多い


協力絡みセリフ自由
他おまかせ。よろしくおねがいします!



 希望を信じることは、本当に間違いではないといえるのだろうか。
 ましてや、その希望が偽りのものであるとすれば……。
 
 『星屑の魔女』たちに与えられた希望は偽物だったかもしれないが、彼女たちの苦しみを受け止めるのには十分だったのである。ましてや、希望さえあればどんな苦難を受けても強くいられるわけである。
「今となっては、ぱらいそに行くことが最大の希望……」
 元の世界に戻れない、全てを失った者たちだからこそ、彼女たちは「ぱらいそ」へ行けるという希望を胸に捨て身の戦いを挑んでくるわけである。

 そんな彼女たちの前に現れた鳩麦・灰色(音使いおおかみ・f04170)は、彼女たちの死んだ目を見るやいなや心の底から湧き上がってくる言葉をつぶやくように吐き出したのだった。
「……まったく、だまされとるわ。死んでも骸の海に帰るだけや……」
 灰色の姿を見つけるや、『星屑の魔女』たちは望遠鏡を取り出し彼女を覗くのだった。する事は決まっている。ぱらいそに行くことを否定する「悪魔の手先」は滅ぼすべきだと。たちまち宇宙から飛来する隕石を灰色はとっさにかわすと、普段脱力系モードの時には言わないであろう台詞を口走っていた。
「……アンタはだまされてる! とにかく、倒すべきオブリビオンである以上倒さないと行けないようだね……」
 直ちに灰色は音波にこんな戦いはしたくないという思いを込めると、『星屑の魔女』たちに向かって鉄パイプを振るったのだった。普段脱力系の彼女を真剣な面持ちにさせるほど、絶望した『星屑の魔女』たちを偽りの希望に染めた者に対する怒りは計り知れないのであろうか。
 鉄パイプから発せられた音波が魔女たちの望遠鏡を直撃すると、望遠鏡はぺしゃりと折れ曲がってしまった。これでは、宇宙からの隕石を投げることはできないだろう。涙を浮かべる『星屑の魔女』たちを傍目に、灰色は空砲拳銃でもって魔女たちめがけて音波を発するのだった。その衝撃に、足元から崩れ去る『星屑の魔女』たち。
「元の世界に帰れるという希望を捨てていなければ、彼女たちは助かったかもしれないね」
 灰色の口調には、どこか寂しさが浮かんでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

紬雁・紅葉(サポート)
『業邪…御鎮めします』
基本戦闘場面に参加

破魔、属性攻撃、衝撃波、薙ぎ払い等とUCを適宜組み合わせて攻撃

見切り、残像、オーラ防御、武器受け等とUCで防御や回避

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

範囲攻撃と2回攻撃での雑魚払いが得意だが
ボスとの戦闘も遜色なく行えるし行う


羅刹紋を顕わに戦笑み
傷負っても笑みを崩さず
何処までも羅刹の血と"剣神"の導きに従い
災魔業邪を打ち倒す

敵の最期に
去り罷りませい!
の言葉を

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 彼女たちにとって、故郷アルダワへ帰ることは悲願であったのだろう。
 だが、それも叶わぬ今となっては、今や猟書家「クルセイダー」のサムライエンパイア侵攻のためなら捨て身で戦う業邪と化して怨みを撒き散らす存在になってしまったのである。

 そんな業邪を見過ごしてはおけない一人の羅刹がいた。名は紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)、業邪を鎮め封じてきた巫女である。そんな彼女は数多の霊力を抱く刀剣を持っているが、今手に持っているのは九曜と呼ばれる、柄に特徴的な紋章の刻まれた魔法剣である。彼女は九曜を振るうと雷雲を纏い、『星屑の魔女』めがけて飛翔するのだった。
「全く、困ったものね。ぱらいそにいけるという希望を信じてしまったが故に、己の身を滅ぼすとは……」

 だが、魔女たちも負けてはいない。彗星に姿を変え、飛翔しながら紅葉を取り囲み流星を降らせていく。
「元の世界に帰れるだけ、うらやましいものよ。私なんか、アルダワ魔法学園に帰れないのだから!」
 魔女たちの世界を行き来できる猟兵に対する怨みは激しいものであった。だからこそ、紅葉は彼女たちの苦しみを解放しなければと思ったのであった。できるのは、取り囲む魔女たちを飛翔しながら切り捨てていくことである。残る一人の魔女は紅葉を見つめると、死んだ魚のような目で睨み付ける。そんな魔女を紅葉は憐れむような目で見つめると、祈りの言葉を唱えるのだった。
「この世界に連れてこられた怨霊よ、怨みを捨て、骸の海に去り罷りませい!」
 紅葉は強く叫ぶと、手にした九曜で最後の魔女を葬り去るのだった。その最後の魔女の目には、うっすらと涙が浮かんでいたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月20日


挿絵イラスト