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NINJA w/ チョコレイト

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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 Hey, 画面の前のキマイラたち! ちょっとニンジャになってみないかい?
 ルールは簡単だ。君たちにはスタート地点から、様々なアトラクションを乗り越えてゴールに向かってもらう。最後まで無事にクリアできれば、今日から君は晴れてニンジャ・ヒーローというわけさ!
 最高にクールだろ? いいや、答えは言わなくてもいいぜ。オレっちはちゃんと分かってるからYO!

 but, ただクリアするだけじゃあつまらない。
 そうだろ? 絶体絶命のピンチを乗り越えるから、ヒーローってやつはかっこいいんだぜ?
 どうだい、この一面のチョコレイト・プール! bigなファウンテンから流れ落ちる、この一面のブラック!
 アスレチックから落ちてしまえば、この中にドボン! 真っ逆さまという訳さ。真っ黒黒助、自慢の毛並みもカチンコチンってワケよ!
 ……おおっと、怖じ気づいちまったのかい、キマイラボーイズ・エンド・ガールズ?
 違うよな? オレっちは信じてるぜ。
 この超絶アトラクション「NINJA with chocolate」をクリアして、このキマイラフューチャーに新たなニンジャ・スターが現れることを!
 ヒーローの登場、待ってるゼ!


「という感じの動画がキマイラフューチャーで流れております」
 サイケデリックな色合いの爆発エフェクトに、耳をつんざく電子音。いかにも覚えたてのエフェクトを盛り込みましたといわんばかりの素人編集である。
「あー、目と耳が痛いですねー」
 織戸・梨夜(ミズ・オルトロスの事件簿・f12976)は笑顔を作りながら、しかし棒読みで言う。だが、すぐに真剣な表情に戻った。
「というわけで。皆さん、オブリビオンのバレンタインにあやかった企みのようです。キマイラの皆さんのためにも、ご協力よろしくお願いします」

 要するに、クリアタイムを競うアスレチック番組の再現のようだ。
 滑る急斜面登り、ボルダリング、ロープ渡り、不安定な丸太に捕まって転がりながらレールウェイ――その他諸々。一般人にはどだい無理、鍛えたアスリートで成功率半々といった風のアスレチックがずらーっと並んでいる。
 何より目玉は、四方八方から飛んでくるボールを躱しながら、細い一本橋を渡る、
「わー、全力でスタジオ・グリーンマウンテンだー」
 微妙に年齢が迷子な発言をする梨夜さん二十歳、UDCアース出身。

 閑話休題。
 このアスレチックの問題は『落ちた先』である。本来この手のものは、失敗して転落した時のために、水を張ったプール(あるいはネット)を用意する。
 だがそこにあるのは、つやつや光るチョコレートのプール。大型ファウンテンを循環する、まごう事なきお菓子の池。字面だけならロマンだが、実際に落ちたら大惨事である。
「あのチョコを身体に浴びると固まっちゃうみたいです。食用かどうかも微妙な素材で出来ているみたいですね」
 コンクリートもかくやというろくでもない代物らしい。チョコなので、温度を上げれば融けるとのことだが……。
「動画はチープでしたが、あのエセな語り口と、アスレチック自体の魅力に惹きつけられてしまった現地キマイラが相当数いるみたいです」
 動画についたコメント曰く、『チープなのがなんか癖になる』『レトロいいよねレトロ』『大丈夫? ハイク詠む?』とかなんとか。

「正直、オブリビオンが何を企んでいるのかは現時点ではよく分かりません。ですが放っておくと石像ならぬチョコ像が増えることは確実です」
 新鮮で楽しそうなアトラクション。それはキマイラフューチャーにおいて耐えがたい誘惑だ。そして一般人の身体能力では、おそらくクリア出来ない難易度にしているのだろう。
「猟兵の身体能力なら恐らくはクリア出来るでしょう。現地キマイラの皆さんを観客側に誘導しながら、相手の出方を探りたいと思います。よろしいですか?」
 まずは猟兵のアクションショーとして動画人気を乗っ取り、相手の動きを見る。梨夜の立てた作戦はそのようなものだった。


 ――フヒヒ。
 甘ったるい匂いの漂うアスレチックにカメラを向ける。集まってくるキマイラ達を見て、怪人はにたりと笑った。


むらさきぐりこ
 このたびMSとなりました「むらさきぐりこ」と申します。よろしくお願いします。
 元ネタも緑●スタジオで撮ってたんですね。今調べて知りました。

 一章は「アスレチックをかっこよくクリアして、キマイラの無謀な挑戦を抑える」ことが主目的となります。
 かっこよくアスレチック攻略をするもよし、キマイラを誘導するもよし、何らかの手段で動画を妨害するもよし。
 その他ユニークかつ有用なプレイングがあれば積極的に採用したいと思います。
(アスレチック一覧)
 滑る急斜面:水の流れる傾斜六十度の坂道を駆け上がる。
 ボルダリング:岩壁に取り付けられたデコボコを掴んで対岸に渡る。罠の滑るデコボコもある。
 ロープ渡り:何本ものロープを飛び移って対岸に渡る。ター●ン。
 丸太レール:太い丸太に捕まってごろごろ回転しながら対岸に渡る。コントロールを間違えるとレールから外れて丸太ごと転落。
 一本橋渡り:細い一本橋を渡る。四方八方からボールが飛んでくる。
 魔物の箱:20段はある跳び箱。ちょっとでも引っかかると足場ごと崩れる。

 なお二章、三章は純戦闘となります。
 こんなことを企んだバk……怪人とはいったい何者なのか!?
 キマイラもハジける刺激的なプレイング、お待ちしております。
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第1章 冒険 『天国か地獄か?チョコプールアスレチック』

POW   :    力が全て!ゴリ押しで進む!

SPD   :    テクニックが命!タイミングよく進む!

WIZ   :    無謀にも挑戦?または応援!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テフラ・カルデラ
ボク向けのアスレチックですぅ!…と、意気込んで参加してみたんですが、これモノホンのNINJAじゃないと無理ですよ…
既に犠牲者のチョコの像がずらりと並べられています…
うぅ…もう覚悟を決めていきます!

とりあえず野性の勘で案外とロープ渡りまで行けました…
ここもカッコよく決めたい!とぉ!
え?ぶちっ??なななななんでロープが切れているんですかぁぁぁぁ!?

うぅ…やっぱり落ちてしまいました…何とかプールから出たんですが…全身チョコまみれ…
え?ロープが切れるのは想定外?なぁんだ…ただのトラブルでしたらもう一回…え?ダメ?
あれ?脚が動かない!?固まるの早くないですか!?
で…できればポーズを…取る…時間が…欲し…




「これモノホンのNINJAじゃないとムリですよー!」
 心からの叫びがキマフューの空に響き渡る。
 バレーボールが後頭部をかすめる感触を覚えながら、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)はなんとか一本橋を渡りきった。無意識のうちにかわいいポーズを決めると、観客のキマイラから黄色い歓声が上がる。
 こう、なんか天啓だと思ったのだ。テフラの満たされぬ欲求に応えてくれるアスレチックがここにあると。
 だが本気すぎる。難易度がガチすぎた。おふざけ半分では一秒と待たずにチョコの海へドボン。そんなマジモンの殺意に溢れたアスレチックだった。
 それでもテフラがなんとか無事にいられるのは、天性の野生の勘のお陰である。曰く、出オチは勘弁、と。

「ここもカッコよく決めてみせますよ!」
 そうしてたどり着いたのはロープ渡り。鼻腔を満たす甘ったるさを無視しながら、華麗に次の綱へと飛び渡、

 ぶちっ。

「なんでロープが切れてるんですかぁぁぁぁ!!」
 あまりにも無情。美少女少年キマイラは、悲鳴と共に頭から真っ逆さま。
 とはいえこれは想定外の事故とのことで、やり直してもいいよと判定が下る。
「やったぁ、それじゃあ早速……」
 チョコ塗れになりながらも、ぷは、と顔を出したのもつかの間のこと。がちっと足がプールにハマって動けない。チョコも滴るいいキマイラことテフラの身体は、急速に乾いていく。
「ちょっ、固まるの早ッ……せ、せめてポーズは取らせ」
 ガチッ。
 それは最後の執念か。テフラは右手を高く空へかざすと、土曜の夜にフィーバーする感じの姿勢でチョコ像へと変貌した。

 ――チョコ化には勝てなかったよ……。

成功 🔵​🔵​🔴​

アメ・イラクサ
「たのしそー。わたしもやってみたーい」

トーヨーの神秘、ニンジャ。かっこいーよね。
わたしは化身忍者じゃないけど、となり村まで馬車で4日の道のりを近道して1日半にちぢめたじまんの足で――(天啓【WIZ】きたる)

はっ。子どもでもかんたんにクリアできると思われちゃいけなかったんだ。
てきとーなとこでわざと(本当に?)落ちて、身をもってキマイラのみんなを観客側に誘導するよ。
うーん、アメちゃんかしこい。さえてるー。
チョコがかたまってもわたしの【怪力】なら脱出できるハズ。かたまる前はえーと……きっとなんとかなるよ。なります。(適当)

「だしてー。たっけてー。たっけてー」→「 だ す け て ー ! ! 」



 さあ次なる挑戦者よ来たれ。
「たのしそー。わたしもやってみたーい」
 ゆるーいテンションでアメ・イラクサ(人間のファーマー・f01917)は宣言した。
 だってトーヨー神秘、ニンジャってかっこいいし。それに隣村まで馬車で四日の道のりを一日半に縮めた自慢の足ならいけるいける。そんな天啓が降りてきたのだ。

 ぽーんと坂道を駆け上がる。滑る斜面が何のその。傾斜六十度とか、まあ行けないレベルじゃない。
 実際、アメの身体能力なら序盤中盤、それほど苦戦するアスレチックは……。
 ――いや。
「はっ、しまった」
 天啓その二。気づいてしまった。アメはまだ七歳の人間である。今回のミッションが「キマイラたちをアスレチックに参加させないようにする」である以上、子供が簡単にクリアできる代物と思われては困るのだ。

 うーん、アメちゃんすごーい。さえてるー。
「あっ」
 ぼこ。ボルダリングの壁、色つきのデコボコ、手に取ったそれが容赦なくもげた。
 そのままつるりとチョコへダイヴ。どっぱーん。
 いや、だいじょーぶ。これがアメちゃんのさえたやりかただ。これでキマイラのみんなも危険に気づいてくれる。
「だしてー、たっけてー」
 そう、助けを乞えばいいのだ。所詮相手はお菓子。アメちゃんの怪力さえあればなんとでもなる。
「たっけてー」
 そう、なんとでも。
「たっけてー……?」
 なんとか……。

「だ ず げ で ーーーーー!?!?」
 ならない……! 残念ッ……! 圧倒的硬度ッ……!
 実際、粗悪なチョコレートだと歯をやっちゃうくらい硬いのとかあるらしいから、みんなも気をつけようね!

成功 🔵​🔵​🔴​

中條・竜矢
【POW判定】
身体能力をフルに使っている姿は見ていて楽しいからな。人気が出るのは分かる。だが、それを怪人に使われるのは良くないだろう。選手として参加して、派手に目を引こうか。

基本、自分のパワーを使ってアスレチックを攻略していく。
落下しそうになっても翼や尻尾が引っかかればそのままコースへの復帰を狙おう。
ロープ渡りと丸太レール、一本橋渡りでは翼を小さくまとめて障害にならないように。
飛行すれば楽できるかもしれないが、それではキマイラの面々から注目を受けられないだろうから、チョコに落ちそうでも無し。

万が一落ちたら……【邪竜の呪い(カースオブドラゴン)】のユーベルコードで脱出する……できるよな?



 ずるりと足場が抜ける。ボルダリングの悪質な罠は、結構な確率で仕掛けられているようだった。
 またも犠牲者が、と思われた。しかし、竜人の青年はその落胆(あるいは笑い)を綺麗に回避した。
「ふっ」
 壁が本来持っている些細な出っ張り。そこに翼の爪を器用に引っかけ、無事に復帰してみせたのである。これには観客たちも大いに湧いた。

 よし。きちんと目を引けている。中條・竜矢(変化する竜騎士・f03331)は確かな成功の手応えを感じた。
 ひやりとはしたが、取り返せる範囲だ。とっさのことで少し翼が肥大化してしまったが、それもまあ許容できる。

 全体的に難易度の高いアスレチックだが、竜矢の膂力を持ってすれば順当に制覇できる。そして猟兵ですら転落するこのアスレチック、それを質実剛健にクリアしていくというだけで注目に値するのである。
 なるべく平常心で。少しのミスは翼と尻尾でフォローする。飛べばいいというのはナンセンス。
 誠実に、着実に。竜矢のプレイングを観客達は固唾をのんで見守り、そして。

「ゴールだ」
 クリアの証であるボタンを叩く竜矢に、会場は沸き立ったのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ゼパル・パラドキア
リダン殿(f03694)と一緒に参加。

ここはニンジャを目指す拙者の腕の見せ所!
日頃の修行(木登りとかそんなの)の成果をとくと見るでござる。
この身のこなし……さすがでござろう?(と、得意になったあたりでロープを掴む手が滑って)

(落下した…?)

と、観客が思った次の瞬間、リダン殿が作ってくれた、チョコの海に浮かぶ足場に乗って、ニヤリと笑う拙者!
そのあとはリダン殿の足場を颯爽と駆け抜けるでござる。
さすがリダン殿!ちょうどいい場所に足場を作ってくれて助かるでござる。拙者たち、息ぴったりでござるな。

あ、もちろん、カメラ目線や、お気に入りのマフラーもなびかせてカッコよく走るでござるよ。


リダン・ムグルエギ
ゼパルちゃん、がんばれー!
アタシは観客としてNINJAを目指して日夜頑張るゼパルちゃんを応援しに来たの
試合前応援者インタビューも準備万端
「彼女は日夜壁を飛び越えたり(低めの奴)して忍者になる練習している人なの…きっとクリアできると信じてるわ!

ただ、試合前にちょこっと応援(物理)もさせてもらうわ
レプリカクラフトを使って、チョコレート色をした発泡スチロールの板をチョコの海の上に流しておくのよ
怪人さんに気取られぬよう、「着用者に気づかなくなるような催眠術を目撃者にかける服を防具改造で作って、それを着てステージの近くに侵入して実施」するわ

さ、後はゼパルちゃんの力次第ね
万魔電で撮影し続けるわ

がんばれー!



「ゼパルちゃんならやってくれると信じているわ」
 場所はチョコプールの側。カメラの前で、リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)は満面の笑みでそう言った。
「彼女は毎日壁を飛び越えたりして、忍者になる練習をしている頑張り屋さんなの。きっと大丈夫よ」
 画面が切り替わる。そこにはスタート地点でスタンバイしているゼパル・パラドキア(エルフの死霊術士・f00209)がマフラーを風になびかせて立っていた。その立ち姿はまさにキマイラフューチャーに蘇った忍者である。
 ふと、ゼパルがカメラを一瞥する。切れ長の目、マフラーに隠れた口元――惜しい。これで装束がライダースーツでなければ、まさしく伝説上の美しいくノ一だ。
「では、行くでござるよ」
 涼やかな声に、観客が、画面の向こうのキマイラたちが、ワアと歓声を上げた。

 ――まあ、壁と言っても低いやつというか、ハードル走みたいなものだけど。
 そんな野暮天をリダンは胸中にしまっておく。
「ゼパルちゃん、がんばれー!」
 信頼する友人の応援を背に、ゼパルは華麗にスタートを切った。

 実際、ゼパルのプレイングは堅実なものであった。
 普段の修行――木登りとか走り高跳びとかカッコいいポーズとか――の賜である。派手さには欠ける。だが特に瑕疵は見当たらない。忍者らしさといえば、たまに思い出したようにポーズを取るが、そのくらいだ。
 ……つまり、『無難すぎて面白くない』という空気が流れ始めていた。攻略する猟兵が出始めたことで、観客の求めるハードルが高くなっていたのである。ニンジャめいた服装ならなおのことだ。
「ニンジャなのは格好だけかい? ハッハー!」
 ふと、そんな野次が飛び出した。懸命に頑張る友人に対する無礼に、リダンは声の主を探す。
 ――あれ、ちょっと待って。今の声色。
 聞き覚えがある。エセっぽい訛りは、確かあの動画のナレーションだ。
 何かの手がかりになるかもしれないと、宇宙山羊は視線を走らせる。

 一方、ゼパルとて現状に甘んじるつもりはなかった。
 確かに今の自分では理想のニンジャにほど遠い。あっと言わせるパフォーマンスは出来そうにないだろう。

「はっ!」
 不意にゼパルの身体が宙を舞った。ロープを握っていた手が滑ったのだ。そのままチョコの海へどぼんと落ち、ささやかな笑いと失望を提供――。

 そう、自分一人だけなら。
 けれど、それが二人なら?

 どよ、と会場がどよめいた。なんとリダンは『流れるチョコの上に着地し』、そのまま軽やかに駆け抜けてみせたのである。
 そして何事もなかったかのようにステージへ復帰。想定外の事態に失格にすべきかどうか混乱の声が上がるが、観客の盛り上がりは最高潮だ。続けさせるべきだという方向に場が流れた。

「さすがリダン殿! 拙者たち息ぴったりでござるな!」
 ゼパルはぐっ、と親指を立てる。リダンは笑ってひらひらと手を振り返した。

 インタビュー直前。チョコプールに近づいたリダンがこっそり仕込んでいた、チョコレート色の足場が功を奏した形である。識別しづらい発泡スチロール製のレプリカは、見事その役目を果たしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

髪塚・鍬丸
「忍者にあんまり夢見られてもなぁ……。そんな恰好良いもんじゃないぜ?」
下忍時代を思い出して、ちょいと渋い顔をする。
だがまぁ、それはそれだ。楽しんでるところに野暮な事を言うもんじゃねぇな。ここは一つ、本場サムライエンパイア仕込みの忍者の体術をご披露といこうかね。

【ジャンプ】【ダッシュ】【クライミング】と、持てる体術を駆使してアスレチックに挑戦する。【見切り】【早業】【視力】でアトラクションのタイミングを見切ろう。修行時代を思い出して懐かしいねぇ。
超跳躍が必要な場合や万が一落下した場合は【猿飛の術】。
全身を忍装束で包み参加しよう。宙返り等、忍者らしい軽業でアスレチックをこなし観客にアピールするぜ。



 そして、満を持してその男は現れた。

 闇に溶ける濃紺の装束、顔を隠す頭巾、篭手に具足、風を受けて舞うマフラー。
 髪塚・鍬丸(人間の化身忍者・f10718)が、まごう事なき忍者装束でスタートポイントに現れたのである。
 それだけでも会場の熱量はオーバーフローせん勢いだ。だが、本物の忍者はそれすらも涼やかに受け流し――。

 坂道があった。すうと姿が消えたと思ったら、既にその上に彼は立っていた。
 綱渡りがあった。風に舞う木の葉の如く、気がついたら対岸にいた。
 跳び箱があった。不安定な箱は微塵も揺れることなく、いつの間にかその役目を終えていた。

 あまりにも鮮やかで、羽のように軽やかだ。平坦な道の上をただ歩くかのように、忍者はアスレチックを乗り越えていく。
 あれほど騒がしかった会場は、一人の忍者に掌握された。もはや誰もがその一挙手一投足に視線を注いでいる。
 その結果は、もはや語るまでもない。
 ゴールボタンを叩く電子音が響いて、歓声が起こるまでに数秒のラグがあった。それほどまでにこの世の物とは思えない光景だったと、後に観客は語る。

「……忍者にそんな夢見られてもなあ。そんな格好いいもんじゃないぜ?」
 一方、肝心の鍬丸といえば、そんな過剰な評価に苦笑を零した。かつての下忍としての過酷な修行と任務を思えば、彼らの求める『ニンジャ』とは都合の良い幻想である。
 だが、決して悪い気はしなかった。喜んでくれるならそれに越したことはない。

「さて……。そろそろ進展があるか?」
 それはさておき、これがただのショービジネスではあるまい。どこかに潜んでいるオブリビオンの企みとは、果たして――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『スロットマシン怪人』

POW   :    プレジャー・プリーズ
自身の【刹那的な楽しみ】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    スリーセブン・スラッシャー
【頭部のスロットをフル回転しての連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ロスト・ロケット
自身の装備武器に【遺失技術製のロケットエンジン】を搭載し、破壊力を増加する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「Shit! すっかり猟兵どものショーになっちまったじゃあないか!」
 怒気をはらんだ声が鳴り響く。
 会場の端に鎮座ましましていたスロットマシンが怪人そのものだったのだ。様々なオブジェに溶け込んで存在感を無くしていたが、とうとう業を煮やして立ち上がった。
「おかげでせっかくのギャンブルが台無しになっちまったじゃあないかよ! 何匹キマイラちゃんがカチンコチンになるかっていうなあ!?」
 ずしん、ずしんと怪人が地を揺らして歩み寄ってくる。集まっていたキマイラたちが蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
「どう落とし前付けてくれんだァ? こうなりゃテメーらを何匹狩れるかっていうギャンブルにするっきゃねぇなあ!」
 怪人は荒々しくがなり立てる。いかにも怒り心頭といった様子だった。

 梨夜はその様子を確認すると、ラップトップを叩きながら猟兵たちに通信する。
「確かに掲示板でそのような賭け事が行われていたようです。皆さんが台無しにしてくれたので、現在大荒れ中みたいですね」
 なので、と続ける。
「もう少しで胴元の尻尾を掴めそうです。突き止めてみせますので、まずはあの悪趣味な怪人をブッ倒してやっちゃってください」
ブリッツ・エレクトロダンス
んー、やっぱり猟兵のパルクールは中々いいもんだな。
俺の場合、こういう単純な身体能力に依存した奴はキツいし…(やれないとは言っていない)

さてさて。そう言ってる間にも企みがおじゃんになったからか怪人が出てきたもんだな。
んじゃ、お相手してやr―――待てお前ッ!?そのロケットエンジンに使われてる技術から見るに、遺物(レリック)の一種じゃねーか…!
よし、奪うか。

遺物ハンターの物欲全開!
ロケットエンジンの制御システムにハッキングを仕掛けるぜッ!
うまくいけばエンジン停止、そうでなくても出力低下、最低限でも制御不能を狙いたい所だな。



「さーて、COOLな猟兵のパルクールの後は、WACKな怪人のお出ましってワケだ」
 首をごきりと鳴らしながら、観客席に残っていた黒豹のキマイラが立ち上がる。ブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)は、咥えていたロリポップをばきりと噛み砕いた。
 ブリッツとてひとかどの猟兵である。アスレチックに挑戦しても、おそらくは難なくクリア出来たであろう。だが、理由はシンプルだ。見ていた方が楽しかった、それだけだ。
「そんじゃま、相手してやりますかね――」
 それもここまで。現れたのは、暖まったフロアに氷をぶち込む最悪にクソな怪人だ。悪趣味なキンキラキンが実にワック。なんてナンセンスなスロットマシンだろう。

「そこのCat! まずはテメェからだ!」
 軽薄に近寄ってくるブリッツに、スロット怪人は躊躇いなくロケットエンジンを起動して殴りかかり、
「ちょっ、ちょっ、待てお前! そのロケットエンジン! どう見てもレリックじゃねえか!」
 急に目の色を変えた黒豹は、実にマーヴェラスなスウェーでその一撃を躱したのだった。
 ――よし、奪うか。
 ブリッツの口がそう動く。次の瞬間には、宙に浮くタッチパネルが色鮮やかに明滅する。
「んなッ……!」
「レリックハンターのグリードフルスロットルだぜ! そのエンジン、ちょっと死ぬまで借りてくぜ?」
 スロットマシンの内部構造(ファイアウォール)に、ブリッツの意識が潜り込む。そして、ハッキングは速やかに完了した。
「チッ、結構しっかりくっつけてやがるな。物理的に」
 強奪こそ叶わなかったが、しかし制御は攪乱できた。黒豹はその名の通り、速攻で相手の足を一つ潰したのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

中條・竜矢
【SPD判定】
あのスロットマシン、飾りじゃなかったのか。オブリビオンならしっかり倒そう。しかし、こういった競技を賭け事に使うのは関心しないな。胴元とやらも倒さなければならないな。
あのがたいならパワーはあるだろう。ここはスピードで挑んでみるか。

ユーベルコードを発動後、両腕と翼の刃で飛び回りながら切り刻む。
相手に隙ができたら胴体を貫く勢いで突撃する。
「貫け!」
【アドリブ、アレンジ可です】



「あのスロットマシン、飾りじゃなかったのか」
 思えばゴール地点から見えた風景に、どこか違和感があった。いくら旧文明の遺物がトマソンと化しているキマイラフューチャーといえど、剥き出しのスロットマシンが道ばたに置いてあるというのもおかしな話だ。
 ともあれ、こういった競技を賭博に使うのは感心しない。百歩譲って勝敗を競うならともかく、無辜の犠牲者を数えるというなら尚のことだ。
 ――胴元とやらも倒さなければならないな。
 中條・竜矢(変化する竜騎士・f03331)はそう独りごちると、翼を広げて怪人の周りを旋回する。
「ウロチョロすんじゃねえ、このトカゲ野郎!」
 暴言と共に怪人のスロットマシンがフル回転する。結果はフィーバー、フィーバー、またフィーバー。アタリが出る度にレバーを模した両腕から、高速の拳が繰り出される。確実にイカサマだが、今更それをどうこう言う筋合いもない。
 それに、
「オラオラオラオラオラァ!」
「黒剣よ――」
 高速のラッシュを、竜矢は速さのみで躱しきる。初撃さえ当たらなければどうということはない。いくら数を束ねても、単調でひねりがないなら、それは大ぶりな一撃と大差なかった。
「貫け!」
 黒き刃が弾丸のようにスロットマシンの胴体に直撃する。めきりと確かな手応えを感じ、竜矢は一度距離を取った。

成功 🔵​🔵​🔴​

アメ・イラクサ
むぐぐ、わたしの忍法・力づくが通用しないなんて。
こんな時こそユーベルコードの出番だよね。サモニング・ガイストの【炎】でチョコを溶かして脱出するよ。

うえー。ぺっぺっ! おーいーしーくーなーいー。
チョコってしあわせ~な味がするって聞いてたのにな~…… やり場のないかなしみは怪人にぶつけるよ。
ベタベタしてちょっと動きづらいけど、ドロ汚れは野良仕事でなれてるからヘーキヘーキ。
このまま古代の戦士の霊を従えて、フォークと槍で追い立ててやるんだ。

「オトシマエをつけるのはキミのほーだーーーーっ!」

自分が用意したチョコレートのプールがどんなものか、たしかめてみたらいーと思うな。



「うえー、ぺっぺ。おいしくない……」
 チョコは幸せな味がするはずなのに。
 残ったのはやり場のない悲しみと、甘ったるいにおいだけ。チョコ地獄を抜け出したアメ・イラクサ(人間のファーマー・f01917)は、とてもやりきれない気持ちになった。炎でチョコを溶かしてくれた古代の戦士も、心なしか慰めてくれているような気がしなくもない。
「このやるせないうにゃうにゃはあいつにぶつけようー」
 べたべたして動きづらいが、意に介した風もなくアメは駆ける。この手の汚れは野良仕事で慣れている。
 槍を構えた亡霊戦士が先んじて飛びかかり、猟兵の攻撃で既に体勢を崩しかけていたスロットマシンを容赦なく打ち据える。
「F**K! このガキ!」
「おとしまえをつけるのはきみのほうだーーー!」
 続けざまに迫るアメのフォークに、怪人は悪態を吐くのが精一杯だ。アメは好機とばかりに、スロットマシンに組み付いた。
「くらえー、わたしの忍法、力ずくーーー!」
「えっ。ちょっ、おまーっ!?」
 そのまま容赦のないスローイング。明らかに倍以上の体躯がある怪人を、少女はあっけなく投げ飛ばした。
 そしてそのままチョコプールへドボン。
「用意したチョコプールがどんなものか、自分で試してみたらいーと思うなー」

成功 🔵​🔵​🔴​

髪塚・鍬丸
鍛えた技を認められるのも結構嬉しいもんだね。調子に乗ってみるか。

【影分身の術】を使用。自身と全く同じ姿の分身を生み出す。まるで片方は鏡に映った幻の様に、左右対称の動きで敵の両サイドに回り込む様に【ダッシュ】し接近。どちらが本物か迷う様に【だまし討ち】を仕掛け【先制攻撃】を狙う。
【残像】が残る程の速度で、二人一斉に刀で【2回攻撃】。抜刀術からの連続攻撃。ユーベルコード【変位抜刀術】の一技「変位抜刀……合掌崩し」
影と見せ掛け両方実体。前後左右から時に同時に、時に僅かに拍子をずらして放たれる斬撃の群、かわせるか。

反撃の態勢が整う前に距離を取る。
「手を下ろすが良かろう。もはや其処許に勝目はござらん。」



「ギギ、ギ……! コケにしやがって……!」
 怪人はチョコの海から這い出してくる。殺気はまだ消えていないが、自身の発熱で溶けては固まるチョコによって、嫌な焦げ臭さを放っていた。
「まだだ、まだ終わらねぇよ、F――」

「いや、手を下ろすがよかろう。もはや其処許に勝ち目はござらん」
 ここは開けたアスレチックのはずなのに。
 どうしてか、上下左右からそんな声がした。

 右手から刀が来る。反射的に防御の構えを取る。なぜか左から深々と抉り取られた。
 ――臨、兵、闘、者。
 相手はそこにいる。遮二無二腕を振った。当たる。手応えがない。背中を斬り付けられる。
 ――皆、陣、列、前。
 そこにいるのに、そこにいない。二人、三人、四人、目視ができない。数え切れないほどの相手がそこにいる。
 怪人の認識が限界を超えた。とにかく当てろ。殴ればいい。こういう手合いは一発殴ればすぐに済む……!
「遅い」
 前と右に相手がいた。斬りかかってきたから迎撃した。なのに、どうして。
「変位抜刀――合掌崩し!」
 四方八方から切り刻まれているのか――?

 少し調子に乗ってしまった。だが、自分の技を褒められるのは決して悪い気分ではない。
 仕留め損なった。しぶとさだけは折り紙付きのようだが、それもあと少しだろう。
 恨むなら、場を盛り上げた自分を恨め。無数の斬撃を繰り出した髪塚・鍬丸(人間の化身忍者・f10718)は、既に怪人の間合いからは遠く離れていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
さて、ロケットエンジンを物理的にくっつけてやがるんなら、剥がすしかねえな。
そういった暴力的な物理攻撃は得意じゃねえんだが…よし。
OK,Let's do this.

さて、スロットが回った段階でリモートハッキング再開だ!
制御システムに仕込んだバックドアを通して―――不意打ち気味にロケットエンジン最大出力!
中断不能の攻撃最中にバランスを崩させて…からの!(右手をライオンヘッド化)ロケットエンジン!頂くぜ!物理的にな!



 COOLなDJはまだ諦めていなかった。
 暴力的な手段は得意ではない。だが目の前には己のスタイルの原典であるレリックがある。そしてむざむざ見逃すのは果たしてクールか? ノー。
 ――OK,Let's do this.
 ブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)は再び駆けだした。何、相手は固まったチョコに捕らわれ(そういう意味では痛みアリだが遺物には仕方のないことだ)、既に満身創痍である。
「ま、た、テメェか……! F**K!」
 距離を詰めてくる黒豹に、スロット怪人は悪態を吐く。そして頭部のスロットが回転し始める。しかし、
「DJに同じ技は二度通用しねぇんだよ、Baby!」
 既にブリッツの術中であった。最初の一撃でパスは通っている。セキュリティホールを処理していない以上、二度目のハッキングなど造作も無い。

「んなっ、なっ!」
 怪人の一切意図しないタイミングで、自身のロケットエンジンが急に噴出した。スロット攻撃は自身で止められない以上、バランスが取れずに無様に横転する。
「頂いていくぜ! 物理的にな!」
 その隙を見逃さない。ライオンの頭部と化したブリッツの右腕が、容赦なくロケットエンジンを引きちぎる。
 ギャア、と断末魔の悲鳴を上げて、スロットマシンは完全に停止した。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『コスプレ撮影怪人アングラーロー』

POW   :    ここがコスプレ会場だーーーーーーー!!
【コスプレ化光線とポーズ指定催眠音波 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    お前は最高のコスプレイヤーだ!(フラッシュ)
【強制コスプレ光線 】【ポーズ指定催眠音波】【撮影されると気持ちよくなる催眠】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    良い! 実に良いアングルだ!
【カメラのレンズ 】から【強制コスプレ光線】を放ち、【ポーズを取らせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠プリマステラ・リコールドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 スロット怪人を倒したと思ったその瞬間、その場から逃げだそうとする影があった。
 だが異形の怪人を猟兵たちは見逃さない。すかさずその行く手を遮る。

 ――その風体は、このアスレチックの本質を的確に表していた。
 頭部はカメラ、お世辞にも清潔とは言えないチェックのシャツ、色のあせたチノパン。ぱんぱんの鞄には、色とりどりの布生地がはみ出している。
 マナーの悪いオタクのステレオタイプ――いや、盗撮魔と言って差し支えない。
「どどど、どけよお前ら。フヒヒ、フヒ、もう十分に堪能したからよぅ。お、俺には、石化した、キマちゃんののの、神になるんだからよ……!」
 つまるところ。
 この催しは、そんな特殊性癖を我慢できなかった変態の所業ということだ。

 容赦はいらない。徹底的に倒してしまえ!
ブリッツ・エレクトロダンス
…ああ。つまりのところ。状態変化系特殊性癖、って奴か。
なんとなく理解した。理解してしまった。この野郎…!
そうやって石化とか蝋化とかヤギコn…うあっ待て変な光線撃つんじゃね………え?何も起こらない?ただのフラッシュk…

は?スク―ル水着?は?ご丁寧にひらがなでぶりっつとか書いてくれて…
バカだろ。お前すごくバカだろ?バッカじゃねえの?

覚悟は出来てんだろうな?そのレンズ、叩き壊してやる…!
(『埒外』、つまり真の姿を解放し風と雷を纏う)
疾風神雷(しっぷうじんらい)、シュトルムブリッツ!


中條・竜矢
【SPD判定】
固めた相手にコスプレさせて飾ろうとしたということか?だが、見つけた以上それはさせない。

コスプレなどさせられても戦える。相手の攻撃を気にせず接近してドラゴンランスとユーベルコードのドラゴンヘッドで右手を変えて攻撃。
男にコスプレなんてさせても面白くないだろう。
できそうであれば、ドラゴンヘッドで噛みついたままチョコの中に放り込んでやる。

(コスプレOK、他キャラとの絡みやアレンジ、アドリブなどOKです)
(以下、問題なければお願いします。退○忍っぽいコスプレをさせられて)
退……?なんだそれは。私は忍者では無いぞ。
くっ……やめろ、撮るなぁ……(無意識に【誘惑】技能を使ってしまう)



 ざっ、と二人の猟兵が怪人の行く先に立ちはだかる。
「固めた相手をコスプレさせよう、ということか。見つけた以上はここまでだ」
 じろりと相手を睨めつけ、中條・竜矢(変化する竜騎士・f03331)が槍を構える。
「OK, OK。理解った。理解しちまった。石化、蝋化、山羊……そういうのかチクショウ!」
 どこでそんな知識を身につけたのか。多分遺物。ブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)はガシガシと頭を掻きながら悪態を吐く。
 なんともまあ極まった変態さんだ。行動に起こす辺りが実に悪質。
 だが立ちはだかったのは竜人と黒豹のキマイラ、たくましい男性二人組である。『あいつコスプレを強要する怪人だ!』という経験済み猟兵のリークもあり、
「男にコスプレをさせても面白くないだろう!」
 竜矢が一歩踏み込む。そう、むくつけき男(この表現に異論はあるだろうが)二人が被写体なら、相手は撮る気など失せる、

「フヒ」
 ……失せる、
「キタァーッ!!! フラーッシュ!!!」
 ――失せない!
 カメラのストロボに当たる部分からきらめく光が二人に降り注ぐ!

「――んなっ、バッ、バカじゃねえの!?」
「むっ……なんだ、これは……?」
 そこには。
 ぎりぎりのサイズでピチピチになっているスクール水着姿になったブリッツと、網タイツめいた露出度の高い忍者装束に着せ替えられた竜矢がいた。
「Foooーッ! 絡めッ!」
 あっけにとられた二人に対して、続けざまに光線が浴びせられる。
「バッ……!」「なっ……!」
 二人は意図せず、お互いの身体に腕を回し……。

 すごいえづらになった。

 どよめきが起こる。悲鳴が聞こえる。だが黄色い声も混じるのはどういうことか。
「ちょっ、やっ、マジやめっ、んあっ!」
「くっ、うぁっ、やめろ、撮るなっ……!」
 思い通りにならない二人を、怪人はいいように写真に収める。その度に言いしれぬ感覚が背筋を走り抜け、えもいわれぬ(えもいわれぬ)雰囲気を醸し出していた。
「ヒーヒヒヒッ! いいよォいいよォ!」
 怪人も怪人でノリノリである。ここから逃げることを忘れて撮りまくる。

 ――そう、つまり。極まった変態さんだった模様。
 思えばキマイラを撮るとは言っていたが、性別については言及なし。そこが二人の誤算であった。

「いい加減にしろォーーーーッッッ!!!」
 だがいつまでもやられっぱなしとはいかない。ブリッツは渾身の力で吼えた。
「こいつが俺の本質、『埒外』だッ! 疾風迅雷! シュトルムブリッツ!」
 お仕着せのスク水など知ったことかとばかりに高速で駆ける。むしろ燃やす勢いで殴り倒した。
「おぶばっ」
「くっ……妙なまねを……」
 相手が揺らいだ事で竜矢も正気を取り戻す。誘惑技能? 何のことかしら。
「ドラゴンの牙よ! 噛み砕けッ!」
 竜の顎と化した右腕で、カメラ怪人を殴りつける。そのままチョコプールに放り投げ、ようやく場の雰囲気は元に戻った。
 元に戻ったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テフラ・カルデラ
ふぅ…何とかチョコ化から脱出しました…
それにしても…盗撮とはよくありませんですね!
そういうのは…その…本人の許可がないと…いけませんし…
特殊性癖は個人や同志で楽しむのが普通です!皆さんの迷惑かけちゃいけませんよ!!
…ってそういうのじゃなくて!!
とりあえずウィザード・ミサイルでお仕置きです!慈悲はありません!!

あと盗撮したカメラは没収します!皆さんのためにも処分しておかなければ…
(あっ…でもボクの写真だけは取っといておこう…ぐぬぬ…割とカメラアングルが素晴らしいじゃないですかっ…!!)



「我が生涯に一片のなんたら!」
 叫ぶ。テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は必死の思いでなんとかチョコ像状態から抜け出した。ずっと突き上げた状態で固定されていた右腕が痛い。
「くっ、ネタキャラっぽいポーズになってしまいました……」
 テフラの求めるポージングとは『被害者らしく』である。これが成功と大成功の差なのか。多分違う。

 というか。
「むむむ、それにしても盗撮ですか……許せませんね!」
 有志の猟兵にチョコを溶かしてもらい、事情を聞いたテフラは激怒した。
 テフラには第二章が分からぬ(固まっていたので)。だが固めについては人一倍敏感であった。
 いつの間にかすぐ側でチョコ沼から這い出してきた怪人にビシッと指を突きつける。
「特殊性癖は個人や同士でひっそりと! カタギには迷惑かけない! これ常識です!――違う、そうじゃない!」
 このままじゃつらい!
「とにかくお仕置きです! 慈悲はない! ウィザード・ミサイルをくらえ~!」
「うおっまぶしっ」
 百本以上の炎の矢が降り注いで眩しいも何もないと思うが、ともあれ焦げ臭い臭いを辺りに振りまきながらもクリティカルヒットである。

 怯んだ隙に散らばった荷物をかすめ取る。
「写真は没収、没収ですよ……」
 あ、でもボクの写真だけはキープしとこうと思い立つテフラである。どうせ変態の盗撮魔、クオリティは期待なんてしていないが、
「け、結構いい感じに撮れているじゃないですか……!」
 変態的に執拗なカメラアングルに、ぐぬぬとなるテフラなのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アメ・イラクサ
黒幕もチョコプールに落っことされて、アメちゃんまんぞく。(帰り支度)

――おっとと、まだ終わってないんだった。オブリビオンはこりないもんね、しっかりやっつけなきゃ。
おたがい手のうちはバレてるもんね。引き続き【サモニング・ガイスト】で戦士の霊を呼んで、あの着せ替えビームがきたら霊の後ろにサッとかくれるよ。
にんにん。これぞ忍法・みがわり。(失敗しても泣かない)(その時は力づくだーっ!)

それにしても、なんだかもったいないよね。
アスレチックは手直ししたらみんなであそべそーだし、着せ替えビームもチョコプールに落っこちた人に使えば便利そーなのに。



 くろまくはチョコプールにたたきおとされた。あくはほろびた。まんぞく。まる。
 アメ・イラクサ(人間のファーマー・f01917)はほくほくと帰り支度を、
「あ、終わってない?」
 まだ帰ってなかった戦士の霊に呼び止められた。まだ終わりじゃねぇよ。

「オブリビオンはこりないもんねー。よーししっかりやっつけよー」
 おりゃー、と雑にフォークを振りかざすアメ。それにぴったりタンデムする形で古代の戦士が追随する。
「フヒヒ、こ、これが俺の範囲技だ……!」
 だが愚直だとばかりに、カメラ怪人はレンズをアメに合わせる。あとはトリガーを引くだけ。ロリっ娘にはどんな格好をさせてやろうと下衆な妄想と共に、シャッターが切られる。
「にんぽー、みがわり」
 ――えっ。
 ぱしゃりと鳴ったその瞬間、確かに古代の戦士はそう言った、気がする。

 果たして、
「うわあ」
 霊体ながらも巌のような肉体をした、バニースーツの戦士の姿がそこにあった。
「ヴォエ」
 自分でやっときながらあまりの光景に目を背ける怪人――えっ? さっきは良くて今度はダメなの?
「にんにん」
 何はともあれ作戦成功。相手の技をスカした隙を突いて、アメは怪人に組み付いた。
「うーん、くさい」
 あまりに雑で直球な言葉が怪人の心をえぐる。これはチョコの焦げた臭いだけではなく、元からのものだろう。ともあれ。
「とりゃー」
「笑いの基本は繰り返しーッ!」
 どばーん。怪人は再びチョコの海へDive。
 アメちゃん仕事した、のVサイン。しくしく泣きながら消えていくバニースーツの霊を添えて。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシア・アークライト
「まるでオタクの精神が形になったようなオブリビオンね」
「いいわ、本場、UDCアースのコスプレを見せてあげる」

・【幻覚】を用い、音楽付きでセーラー服めいた戦闘服に変身!

「ムーン・プリズ……」
 それ以上いけない。

・初めは、セーラーめいた戦士のように近接戦で攻撃。
・最後は、空高くジャンプしてから念動力で加速し、五重のフォースフィールドを纏ったイェーガー・キックを放つ。
 念動力×グラップル×捨て身の一撃=破壊力!!

 ミニスカートの中が見える?
 幻覚だから恥ずかしくないもん!


髪塚・鍬丸
……なるほど、これがコスプレ撮影か。実はよく分かっていなかったが、理解した。

コスプレさせられポージングを決めさせられたら、冷静な口調で
「……これだけか?」
と問う。
「忍びにとって恥とは!任務を遂行出来ぬ事のみ!御下命如何にしても果たすべし、慈悲は無い!」
と、自ら更に過激にポージングを決めてみせるぜ!格好良いニンジャが見たいか野郎共!ならば俺の生き様を見ろ!

ポージングで固められたまま、【風閂】で無数の手裏剣を操り敵を切り刻む。俳句を読め!

※版権に関わる部分は無視して下さい。



 猟兵? 強いよね。序盤、中盤、終盤。隙がないと思うよ。
「でもワイ負けないンゴ!」
 チョコでテッカテカになりいよいよ後がなくなったカメラ怪人は、ありったけの怪人パワーをかき集める。捜し物探りに行くのさ。明日って今さ!
「時報フラーーーッシュ!」
 つまるところ後がなくなり破れかぶれの一発だが、これが実に強烈であった。輝く世界へ。永遠はあるよ。なんと、その場にいた猟兵全てにコスプレを叩き付ける強烈な一発だったのである。火事場のクソ力、一万怪人パワー!

 が。
「――これだけか?」
 あわや猥褻。露出多めのメイド服姿へと変えられた髪塚・鍬丸(人間の化身忍者・f10718)の反応は、実に涼やかなものだった。
「ファッ」
「まったく、オタクの精神が形になったようなオブリビオンね。それも、タチの悪い部分の煮凝り」
 このクソニワカ野郎。アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は吐き捨てる。
「オゥフ」
 おっと心はグラス製。あまりの塩対応にショボンヌする怪人ちん陳皮。

 と、いうか。
「キャラがブッレブレなのよ! 思いついたネタを片っ端から並べても面白くないわ!」
 月光水晶お色直し! クソナードには、スタッフに変わって天誅よ! アレクシアの展開した幻覚が、お仕着せられたコスプレ衣装をさらに上書きする!
「本場、UDCアースのコスプレを見せてあげる!」
 セーラーなヒロインへと華麗な変身を遂げながら、アクロバティックな近接格闘術が炸裂する。説明しよう! 一流のコスプレイヤーは意識を衣装へと同化させることにより、スタイルを模倣出来るのだ。多分メイビー!
「ありがとうございます! でもモロはあんまり美味しくなデブゥ!」
「幻覚だから恥ずかしくないもん!」
 この期に及んでチラリズムを語るとはたいした野郎だ。気に入った。お前は最後に殺してやる。

 まあ、嘘だけど。

 不意に与太時空を切り裂く影。幾重もの白刃が、変幻自在に怪人の周囲を取り囲む。
「な、何ィーーーッ!? 貴様、動けないはずではッ!?」
 忍者は答えない。ただ静かに佇むのみ。その指先だけが軽やかに動き――
「おぶばっ!」
「忍びにとって恥とは、任務を遂行できないことのみ。御用命果たすべし、慈悲はない! イヤーッ!」
 卓越した技術によって操られる『糸』。それに結いつけられた手裏剣が、怪人を何重にもナマス=スラッシュする! 指先一つあればよい!
「グワーッ!」
「格好いい忍者が見たいと言ったな! ならば見せてやろう、俺の生き様を!」
 歓声が沸く。いつの間にか戻ってきていたキマイラ達が、子供のようにはしゃいでいる!
「辞世の句でも詠むか? 介錯してやろう」
「汚いな流石忍者きたない……」
「汚いのはあなたの品性よ!」
 至極まっとうなツッコミを入れながら、太陽をバックに宙を舞うアレクシア。
「念動力で加速して二倍のパワー! フォースフィールドが五倍で二×五の十倍のパワー!」
 あっ、これは。ウカツにも、怪人は自分が立てたフラグを今更思い出す。
「いつもの何倍かの回転と捨て身のアタック! これで一万二千猟兵パワーだーッ!」
「ゲェーーーッ!」
 ちゅどーん。ふわっとした計算とは裏腹に、エグい威力のスピニング・ドリル・キックが突き刺さったことにより、哀れ怪人は爆発四散。南無三。
「正義は勝つ!」
「……合わせてみたが、なんだかよく分からないまま勝っちまったな……」

 諸悪の根源が倒れたことで、全員にかかっていたコスプレ衣装が解除される。
 チョコファウンテンもなんだかんだで停止し、危険なアスレチックは何事もなく解体されることだろう。

 おめでとう! 君たちの大勝利だ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト