2
泣きっ面に蜂、または金食い虫

#アックス&ウィザーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ


0




●賊が来たりて
「猶予は三日だ、それ以上は待たねぇ」
 テーブルに斧を振り下ろし、山賊は村長に人差し指を突きつけて言い放った。
 真二つに割れたテーブルを見下ろし、若い村長はぶるりと背筋を震わせる。そうしてこんな、なんで僕が親父の跡を継いだ途端に山賊なんか来るんだ。
 泣きそうになる表情をきゅっと引き締め、村長は山賊の頭目に視線を向ける。
「で、でも三日で金貨50枚なんてとても……!」
「とても、何だァ? ワシが集めろと言ったら集めるんだよ。村人を売っぱらうなりなんなりすりゃあいいじゃねぇか。お前の嫁さんなんか、いい値段付くんじゃあねえか? そうだな、金貨15ってところか……?」
 がはは、と笑う頭目。その笑い声に乗って、村長宅の入り口脇を固める山賊たちもわははと下卑た笑いを上げる。
「とにかく、牛でも家でも畑でも嫁さんでも売っぱらって金を用意しな。さもなきゃこの村はおしまいだぜ。このテーブルみたいになりたくなきゃ、ワシの言うことは素直に聞くんだな、がっはははは!!」
 三日後にまた来るぜ、と言い放って山賊たちは悠々と根城へ帰っていく。
 彼らの背中が見えなくなって、村長は憎々しげに山賊のアジトがある山を睨んだ。
「くそっ、なんで僕が村長になった途端に……!」
 彼が病に倒れ旅立った父親に代わって村長になってからというもの、畑は続く日照りで不作、近くの山に賊が住み着いてそこで狩りや採集が行えなくなるなど散々だった。
 それでも目をつけられないように大人しく細々と生きてきたつもりだが、それが逆に無抵抗の弱い村だと思われたらしい。
 山から降りてきた山賊に金貨50枚という貧しい村にはとても用意できない大金を強請られ、どうにもならない窮地に村長は下唇を噛む。
 先祖代々協力してこの村を築いてきた村人たちにこれ以上負担を強いることは出来ない。
 大切な妻を売るなんてもってのほか。しかし、金はどこにもない。
「…………いや、待てよ?」
 親父が死ぬ前、困ったことがあれば使えと戸棚の奥に小さな革袋を仕舞っていた。もしかしたら、それが希望になるかもしれない。
 僅かな望みをかけて、記憶を頼りに戸棚を漁る村長。すっかり物も少なくなった戸棚の奥から、その革袋はすぐに見つかった。
 口を縛る紐に結わえてある紙をほどき、村長はその手紙に目を走らせる。
 懐かしい父親の字で、その手紙にはこうあった。
『我が息子へ。優しいお前に村長の重荷を任せてすまないと思う。俺の曾祖父さんの代から皆で作った自慢の村だが、お世辞にも豊かではない村だ、この先どうしようもなく困ったことがあるかもしれん。そんなときのために、俺が生涯をかけて貯めた金貨20をこの革袋に詰めてお前に託す。村のために使え』
 父親の情に涙を流して、手紙をぎゅっと握りしめる村長。
 金貨20。山賊の要求には足りないが、それだけあればあの山賊を撃退できるだけの実力ある冒険者を雇うことが出来るかもしれない。
 いや、雇えなければ村が終わってしまう。あの山賊が20枚の金貨で許してくれるはずもない。
 この三日の猶予はギリギリだ。最寄りの町まで走り、なんとしても強い冒険者を雇わなければ――村長は涙を袖で擦り、決意に満ちた表情でずっしりと重い革袋の口紐を解く。
「…………あぁ、そんな、嘘だろ」
 だが、革袋に詰まっていたのは金貨ではなく丸々と肥えた虫。
 金貨の欠片だったのだろう、黄金色の小さな粒をかりりと齧って、その虫は開いた袋の口から飛び出していった。

●求む、冒険者
「――儲け話でございます。ああ、いえ。今回はそんなに儲けはございませんが」
 手の中でスロットリールを模したグリモアを回しながら、グリモア猟兵のフェイは猟兵たちに事件のあらましを説明した。
 現場はアックス&ウィザーズのとある小さな村。この村に近い山に山賊――察しの通りオブリビオンだ――が住み着き、法外な大金を村から脅し取ろうとしている。
 だが、小さな村にそんな大金があろうはずもない。払えなければ村の末路がどうなるか、それは火を見るよりも明らかだろう。
「けれども、村長には一つの望みがございました」
 先代村長の遺した財産。山賊の要求金額には満たないが、冒険者を雇うには十分な額の金貨だ。
 だが、その金貨は貨幣を餌にする金食い虫に喰われてしまった。これでは報酬が用意できず、金も貰えないのにこんな辺鄙な村を助けに来る奇特な冒険者もそうそう居ないだろう。
「そこで皆様に冒険者として、この村を助けに行っていただきたいのでございます」
 オブリビオンを倒すのは猟兵の仕事だ。その上、知ってしまった以上は哀れな村を見捨てる選択肢は無い。
「山賊の撃退でございますが、彼らの根城に乗り込むのは無駄にリスクが大きいので金貨を受け取りに村へやってきたところを叩くのがよろしいかと」
 幸いにも賊の勢力はそう大きくなく、当日はほとんどの山賊団員が降りてくるらしい。降りてきた主力と力で彼らを纏め上げている頭目さえ倒せば、根城に残った山賊がいたとしてもいずれ統率を無くして逃げ散るだろう。そうなれば、遠からず現地の冒険者や騎士団が生き残りも撃破してくれるはず。つまりは村に降りてきた分を確実に仕留めれば、猟兵たちの勝利でよいだろう。
 それまでの暇つぶしと言うわけではないが、金食い虫退治などどうだろうかとフェイは提案した。
「金貨を齧る虫とは、興味深……ああいえ、厄介な虫も居たものです。被害が広まらないよう、金食い虫について調査と駆除をお願い致します」
 貧しい村ですから、ちょっとお金を餌にすればすぐにお腹を空かせた虫が出てくるでしょう、と言いながらグリモアの回転を止めたフェイ。
「大丈夫、幸運はいつも皆様のもとにございます。今回もきっと上手く行くでしょう」
 7の図柄が揃ったことに満足げな笑みを浮かべて、彼女は猟兵達を送り出すのだった。


紅星ざーりゃ
 こんにちは、紅星ざーりゃです。
 今回はアックス&ウィザーズ、貧しい村を救っていただきたいと思います。
 山賊に金銭を恐喝され、冒険者を雇うための最後の希望たる前村長の遺産は金食い虫に食べられてしまった哀れな村を助けられるのは、猟兵たちだけです。

 第一章では山賊が到来するまでの間、金食い虫の駆除をします。
 放っておけばせっかくこれからこの村が持ち直そうとしても端から金銭を食べられてしまいますので、確実に駆除してください。
 手持ちのコインを餌に虫を釣って捕まえたり、村中を探し回って退治したり、村人や村長から話を聞いて巣や卵を見つけて根を断ったり。手段は思いつく限り何でも試してみましょう。
 第二章、第三章では約束の金貨50枚を受け取りに来た山賊との戦闘となります。
 彼らを倒し、村を脅かすオブリビオンを排除してください。卑劣で強欲な山賊に情け容赦は一切無用です。
 小さな村を守るため、皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
146




第1章 冒険 『お金はごはんじゃありません』

POW   :    出てきた【金食い虫】を片っ端から駆除する

SPD   :    研究のために【金食い虫】を出来るだけ捕獲してみる

WIZ   :    【金食い虫】の巣や卵などがないか情報を集め、調査する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

三鷹・一成
あー、いるいる
俺の財布にも金食い虫が住み着いてるから、その気持ちはよーく分かる

だからここらでいっちょ、まとめて害虫退治といきますか

とりあえずは手持ちのコインを大量コピー
それを持ち込めるだけ持ち込んだ粘着シートに貼っ付けて、即席トラップのできあがり
これでコインを食いに来たやつらを一網打尽と

できるなら村の方でもとりもちとか用意してもらえるとなお良し

で、それを村の中全体に均等に設置して、どの辺の捕獲数が多かったか調べれば、ある程度巣のありそうな場所を絞り込めるんじゃね?
「濃い」場所の中心かその方向に、巣の可能性高しと

コピーたぁ言え、俺の大事な大事なお守りを使ってんだ
食い付いてくれなきゃ泣いちゃうぜ?


鳩麦・灰色
【POW】
こんな不運って重なるもんやねんなー
可哀想ってのも勿論あるけど、このままやと『泣きっ面に斧』になりかねんし、ウチも手伝わせてもらうでー
さて……コインに寄る、巣や卵を持つ。……成程なー


村の周囲にコインを設置し、見つけた虫を駆除
その際、駆除した虫の位置を地図等で全て記録して、村人や他傭兵と共有しておく

その後、駆除位置の分布を確認しその偏りから虫の巣の凡その方向を割り出す

「村の全方位に、それこそ数え切れないほどの数でさえ無ければ分かると思うんやけ、ですけどねー」

巣や複数の虫を同時に見つけた場合、UCにて素早く駆除

「お、予想通りにいってよかったわ」
「んー、中々厳しいもんやなー」




「こんな不運って重なるもんやねんなー」
 ――可哀想に、やけどこのままやと泣きっ面に斧まで貰てまうような目になりかねんし。
 ウチも手伝わせてもらうで、と持ち込んだコインを指で高く弾き、落ちてきたそれをぱしりとキャッチしながら灰色は村を散策していた。
「まあでも気持ちは分かるぜ、よーく分かる。俺の財布にも金食い虫が住み着いててなあ」
 ま、俺の金食い虫は酒と楽しいひとときに化けるぶんちったぁ上等かね、と呟きながら突然姿を現した一成。気を抜いていたところに掛けられた声に、灰色はびくりと肩を震わせた。
「き、急に出てこんでください! びっくりするや……するじゃない。それで、どうだったんです?」
 すまんすまん、と拝むようなゼスチャーで詫びる一成にふんと小さく鼻息一つ、灰色はその進捗を問う。
「あー、駄目だわ。トリモチなりなんなり、粘着シートの代わりになるモン用意して貰えないかと思ったが、それどころじゃなさそうだな」
 どうにか飯が食えてます、って有様じゃあ生活必需品や食料以外の物を用意する余裕なんて、なぁ。と困ったように眉を寄せ、一成は手の中で鈍く輝くコインを握り込んでは増やしていく。
「そうですか。……はやいところ害虫駆除して、山賊もやっつけて安心して生活できるようにさせたらないけませんね」
「おう、というわけでこいつがアンタの分な。仕掛ける場所は前もって相談した通り、満遍なく村じゅうに等間隔に設置すれば」
「掛かりのいい所が虫の巣に近い所、ってわけですね」
 その通りと頷く一成が放り投げた複製コインの詰まった袋と、別の世界から持ち込んだ黒くてカサカサするあのアレ用の粘着シートの箱を受け取って、灰色は再び一成と別れる。
 外周担当の灰色と村の中担当の一成の二人がかりだと罠を仕掛けるのも早く済む。
「仕掛けは上々、あとは結果を御覧じろ、ってね。こいつでコインを食いに来た奴らを一網打尽と」
 粘着シートにコインを貼り付け、それを家の床下や木の枝の上、畑のそばの畦道などに設置する一成。
「コピーたぁいえ、俺の大事なお守りを使ってんだ。これで食いついてくれなきゃ泣いちゃうぜ?」


 それから暫く。罠の設置を終えた一成と灰色は合流し、なにもない村で時間を潰しながらその時を待つ。
「これだけ仕掛ければ村の全方位に、それこそ数え切れないほどの数で棲み着いてるとかでさえ無ければ巣の場所も分かると思うんやけ、ですけどねー」
「だなぁ。っと、そろそろ見に行くか。さてさて、どんなもんかね……」
 二人で罠を仕掛けた場所のメモを見ながら、トラップを回収していく。どこで何匹が罠にかかっていたかをメモに書き加え、捕獲した金食い虫はその場で灰色が鉄パイプを一振り。
「金を食べる以外はそんなに脅威じゃない感じか、なるほど?」
 粘着シートに絡め取られ、うぞうぞと蠢きながらパイプに潰されていく金食い虫の姿に、少なくともこの村に棲み着いた奴らは戦闘力があるタイプのモンスターじゃないのな、と分析する一成。
「うひぃ、ちょっとこれ見て。あかんあかん、ウチこれは流石に殴りたない」
 そんな調査モードの一成を一気に引き戻す灰色の悲鳴に、どうしたと軒下を覗き込む。
「うわ」
 居るわ居るわ。粘着シートが見えなくなるほどびっしりと貼り付いた金食い虫。なんなら仲間の背中の上を歩くことで、幸運にも罠を回避した個体までいるようだ。これだけの数の虫が犇めくのは、よほど虫や群体に耐性のある人間でもないと厳しいだろう、というくらい居た。
「……うん、殴りたくないのはよーくわかった。しっかし俺の武器も……」
 ホルスターに収まるリボルバー拳銃と、懐に忍ばせた鈎付きワイヤー。どう考えても虫の大群を一網打尽に仕留められる武器ではない。
「――しゃあないです。ウチがやりますけど、三鷹さん村の人連れて10メートルは離れてくださいね」
 金食い虫を放置することと多少の我慢を天秤にかけて、灰色は決心する。
「広がれ、"四番"!」
 鉄パイプで地面を擦り上げる。金属と小石が擦れる音は、一瞬のうちに破壊的な音波へと昇華した。
「ひゅー、派手だねぇ」
 灰色の攻撃でひっくり返って痙攣する金食い虫とそれらがへばりついた罠を回収し、枯れ草に煙草用のライターで火をつけて作った焚き火に放り込む一成。
「……でも、まあ予想通りにいってよかったわ」
「だな、こんだけ掛かるってことはかなり大雑把にこの辺が巣だろう。他の罠を回収して、もうちっと絞り込むぞ」
 またあそこまで大漁じゃなきゃいいな、と苦笑しながら、二人は次の罠を回収するべく移動する。
「ところで口調、もういいのか?」
「あ、しまっ……聞かんかったことに……んんっ。聞かなかったことにしてください」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハル・パイアー
「緑旺盛と聞いてたが、あの畑は……。まあ、あの暗い世界の枯れ木よりは余程マシではあるが。さて、金食い虫だったか。この寒村で根絶されない理由とは?貨幣の勉強と並行して動いてみるか。」

小官はこれよりSPDによる金食い虫収集を開始します。
収集には銅貨数十枚、強力な粘着テープを使用。
これらの材料を用いて簡易な虫捕りトラップを作成し、近隣家屋に設置して駆除、及び幾つか捕まえた個体を研究用プラスチックケージに収集致します。
また実験として銅貨を急速熱冷却で脆くさせ、粉砕または切断の[破壊工作]。
銅貨片を撒き餌に利用致します。

「熱ブレードと水で焼き入れ出来るだろう。だがこれで釣れるならば鉱脈があれば、か。」




「緑旺盛と聞いていたが、あの畑は……」
 つい先日訪れたダークセイヴァーの陰鬱な枯れた木々と比較して、アックス&ウィザーズの世界は自然豊かだと聞いていた。
 それがいざ実地に訪れてみれば、田畑は枯れ木々は痩せ衰えている。これもまた、宇宙船内と異なる、環境が人間にとって不都合な気候をももたらす自然環境ゆえ、なのだろう。
 それに、死に絶えたダークセイヴァーと違ってこの寒村にはまだ命と希望の気配がある。猟兵達が事態を解決すればいずれ再びこの村は持ち直すことも出来るだろう。
 さておき。
「金食い虫だったか。この寒村で根絶されない理由があるのか? 貨幣の勉強と並行して調査してみるか」
 斥候、調査を得意とするハルは、金食い虫という奇妙な生き物自体に興味を持ち、その生態を調べるべく村に繰り出す。
 前もって準備しておいたこの世界の銅貨を数十枚。それをやはり粘着トラップに貼り付け、設置して回る。
「……やはり思いつくことは皆同じ、か」
 途中、先立って行動していた猟兵の仕掛けたであろう粘着トラップを発見して苦笑するハル。相手が好む餌が分かっているなら、発想は似通ったところに落ち着くらしい。
 金銭を食べる虫ならば、それが多く存在する場所――この場合、人里の中でも家屋内に巣を作る可能性が高い。村人に事情を説明し、家の中に罠を仕掛けていく。
 手持ちの罠を全て仕掛けたところで、ハルは余りの銅貨を手にこっそりと物陰に移動した。決して悪いことをするわけではないが、これからの実験は貧しい村人に見られるのは少し気がひけるのだ。
「熱ブレードと……水の用意はよし。これで焼入れはできるだろう」
 桶に汲んだ水を確認し、それからハルは手持ちのヒートブレードの刀身を加熱させてその上に銅貨を載せる。
 待つこと数十秒。宇宙用兵器の装甲すら溶断する高熱で、銅貨はあっという間に赤熱する。それをハルがブレードを傾け刀身を滑らせることで桶に投入すると、水は一瞬で沸騰し水蒸気が立ち上る。
 冷却された銅貨を取り出し、加熱。そして冷却。工程を繰り返すことで脆くなった銅貨を、最後にブレードの柄尻で叩けばコインは粉々に砕け散った。
「これだけあれば実験には十分だな」
 数枚分の銅片を手に入れたハルは、それを人気の少ない廃屋の裏手に撒く。
「虫がコインの形に拘らず、材質で餌を選ぶのなら……」
 貧しいこの村で金食い虫が発生しているということは、貴金属の鉱脈が近くに存在する可能性がある。
 果たして、待つこと数時間。やはり実験は失敗、金食い虫は金属ではなく「貨幣」に執着するのか――とハルが諦めかけたところに虫が飛来する。
 数匹の虫は地面に散らばる銅貨の破片を触覚で突き回し、それから頑丈そうな顎でかりかりとかじり始めた。
「なるほどな」
 待った甲斐はあったとハルはわずかに頬を緩ませる。もちろん村人たちの少ない財産で生きながらえていた可能性はまだ否定できないが、金食い虫にとって餌となる貴金属が近くにある、という希望の芽も見出だせた。
「あとは罠の回収か。研究用に雌雄を数ペア、あとは駆除だな」
 銅片を齧る金食い虫を粒子銃で排除し、ハルは仕掛けた罠の成果を確認しに向かうのだった。 

成功 🔵​🔵​🔴​

三鷹・一成
さ、て、と
あとは元さえ断てばいいわけだが
つーても猫探しならともかく、虫探しはさすがに経験ねぇぞ?

とりあえずは残った罠を回収しつつ、更に巣の位置を絞り込み
特定できたら、そこを起点に民家の床下や木のうろなんかの人目につかないとこや、なんか怪しそうな場所に巣穴らしきものがないか捜索(第六感)

巣が見付かったなら、形やサイズ次第だが、穴塞いでまとめて煙で蒸し殺したり……は無理か?

ダメなら地道に駆除するしか無いわな

他にまとめて潰せるやつがいれば、俺は命中率重視で討ち漏らしの処理を
いなけりゃ手数重視で片っ端から処理処理処理(スナイパーor早業)

もし逃げられそうなら、撒き餌代わりにコインバラまいて足止めを


フィーナ・ステラガーデン
【wiz】
んー。金食い虫ねえ。あまり美味しそうじゃないわね!
村を助ければお礼に美味しいご飯とか食べさせてもらえないかしら!

とりあえず村の人達から話しを聞いてみようかしら。
出来れば巣を駆除したい所だけど何か怪しいものを見たかとか
一番被害が大きい場所とか知りたいわね!
怪しいものを見たって聞ければ、その場所に移動
被害が大きい場所が聞ければその場所、その周辺をくまなく調べてみるわ!
特定出来なければ、コインを置いて待ち伏せしてみるわ!
もしも巣や卵を発見できればUCを使って焼き払うわ!




「んー、金食い虫ねえ。あまり美味しそうじゃないわね!」
 村人たちに聞き込みをするフィーナは、話に聞く金食い虫の生態に味は期待できそうにないなと顔を顰めた。
「いや、お嬢ちゃん。金食い虫ってあれだぞ、金銀はともかく銅とか食べるんだから、旨い不味いの前に毒だぞ? そんなに腹減ってるなら俺の分も食べな、な?」
 聞き込み相手、この村唯一の食堂のおっちゃんに心配される始末。乏しい食材をやりくりして作った、薄味の何かの根っこらしき野菜のスープのおかわりをよそって貰いながら、フィーナは集めた情報を整理する。
「金食い虫を見た、って目撃証言があったのがこことここ」
 大雑把に書き込んだ村の地図に印を付け、繋ぐように線で結んで輪にしてみたり、対角線同士で直線を引いてみたり。
「それで、一番被害額が大きかったのが村長の家で金貨20、次が……」
「俺んちで売上、銀貨4と銅貨38。おかげで食材の仕入れも出来ねぇ。仕入れる食材も収穫出来て無いんだけどな!」
「ね。で、場所としてはそんなに離れてない。なんなら目撃地点を結んだ円の真ん中に近いくらいだし……」
 自嘲するように笑うおっちゃんをスルーして、フィーナの中で結論が導き出される。
「巣はこの辺にあると見たわ。定期的に餌が手に入る店舗関係が怪しいわね……」
 じっ、と見つめる少女の瞳に、おっちゃんの頬に朱が差した。
「こ、困るぜお嬢ちゃん……俺には女房と子供が――」
「は? この店の床下と屋根裏を確認したいだけなんだけど?」
 すん、と肩を落として静かになったおっちゃんの案内を受けて店内を家探ししたフィーナ。しかし、金食い虫どころか黒くてカサカサするあのアレ一匹出てこない。
 衛生管理は気をつけてるんだぜ、といつの間にかドヤ顔のおっちゃんを捨て置き、フィーナは次の調査ポイントたる村の鍛冶屋を目指して移動を開始した。
 

「さ、て、と。後は元を断てば良いわけだが、つーて猫ならともかく虫探しは流石に経験ねぇぞ?」
 罠を回収しては虫ごと燃やして駆除しながら、捕獲数の多い場所をピックアップして巣の位置を絞り込む一成。
「んー、大体この辺だと思うんだが……」
 家屋の床下を覗き込んだり、柔らかそうな土を掘り返してみたり、木に登ってうろを確かめてみたり。
 痩せて葉の落ちた木の枝によいしょ、とどうにか足を掛けたところで、眼下を真っ直ぐに歩く赤いドレスの少女が見えた。
 この村の住人ではなさそうな上等の服は、グリモアベースを出る時にちらと見たような気もする。迷いのなさそうなその足取りに興味を持った一成は、木からするりと降りて彼女に近づいていく。
「よ、お疲れさん。虫退治の進捗はどうよ?」
「あら。そっちは随分駆け回っているみたいね!」
 こっちは聞き込みでこの辺りが怪しいと睨んだところよ、と目の前の鍛冶屋を指差すフィーナ。
 ふぅん、と寂れた鍛冶屋を見て、一成はフィーナに問う。
「で、その根拠は一体?」
「目撃証言のちょうど中心に近いのよ。お店だからお金は集まりやすいし、金属を扱うここなら金食い虫がいよいよお腹を空かせて我慢できなくなった時に齧れるものは多いでしょう?」
 なるほどなぁと頷いて、一成は鍛冶屋の店主に声を掛ける。最近は包丁の研ぎ直しくらいしか仕事がないと嘆く店主は、どうせ暇だからと快く調査を受け入れてくれた。
「ま、俺達は村長に雇われた"冒険者"だしな」
「あら、だとしたら早く虫を駆除して山賊退治しなさいよ」
 二人は軽口を叩き合いながら、最近めっきり開けなくなったという地下の倉庫のドアを開く。
 ぎぎ、と蝶番が錆びついた音を立てて開き、一成のライターが真っ暗な部屋を照らすと、
「うん、大当たりだな」
「想像はしてたけど相当気持ち悪いわねこれ」
 ライターの小さな炎が発する橙色の光を反射して、もそもそと蠢く金食い虫の背中。
 それが一斉に羽根を広げ始め――
「いや嘘だろおい冗談キツイぞ!?」
「コイン、コイン持ってるわよね!? 投げなさいそれ! すぐ!!」
 一斉に光を目指して飛んでくる前に、二人が投げた複数のコインが地下室の奥の壁にぶつかりちゃりんと小気味良い音を立てて落ちる。
 大好物の音と匂いに、飛び立つ方向を変えてコインに群がる金食い虫。
「今よ! 其は全てを……詠唱省略! 焼きつくせえぇぇええ!!」
 再びこっちに向かってくる前に、詠唱をほとんど略したフィーナの『喰らう灼熱の――』もといすごく熱い黒い炎が虫の群れに飛び込んでいく。
 正確に虫だけを焼く漆黒の炎だが、数匹の虫がすばやく飛び上がり炎を逃れる。
「逃がすかよ!」
 そこに一成のリボルバーの早撃ちが襲いかかった。45口径の拳銃弾をまともに浴びては、掌大の虫はひとたまりもない。粉々に砕けてすごく熱い黒い炎に落ちていく残骸を見送り、ついでに卵らしい粒が燃えていくのを見て、二人は根を断ったことを確認するのだった。


「で、流石にこれは予想外だな……」
「まあ、良いんじゃない? 貧しい村にとりあえず一個産業ができそうで」
 呆然と虫がいなくなった地下室の壁を見つめる二人。
 金食い虫が食い荒らしていたのだろう、壁の向こうは空洞になっていた。
 そこに叩き込まれた一成の銃弾が、薄くなっていた壁を砕いてちょっとした洞窟の入り口を作り上げたわけだが。
「こりゃまた、詳しくないからなんだかわからんが鉱脈だよな。たぶん何かしらの金属の」
「こっちのこれ、宝石よ? 粒は小さいけど、装飾品には十分なサイズね……」
 金食い虫が掘り当てた宝の山。二人は予想外の成果に意気揚々と地上へ引き返す。
 虫の巣を焼き尽くしたこと、そして鉱脈を見つけたことを少しでも早く仲間たちと村長に知らせるために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『山賊』

POW   :    山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD   :    つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ   :    下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 金食い虫駆除から暫く経って。
「よォ! 約束の三日だ、金は用意できたんだろォな!」
 村の入口からがなり立てる濁声は、にやにやと下品な笑みを浮かべる山賊の頭目のものだった。
「……返事がねぇなあ。まさかあの腰抜け坊っちゃんに村人纏めて夜逃げするほどの度胸があるとは思えんが……おら、出てこねえんなら優しく金を貰ってやろうと思ったがやめだ、痛い目ェ見せてやろうか!」
 斧をこれ見よがしに掲げる頭目の周囲で、山賊たちもナタやナイフを抜いて舐めたり振り回したりと威嚇する。
 差し出さないなら強引に奪うまでだと彼らが手当たり次第に家屋に押し入ろうとしたところで、逆に家々から飛び出すものがあった。
 ――猟兵たちだ。
「なんだこいつら……あの腰抜け坊っちゃん、冒険者を雇いやがったな! 野郎ども、この村の連中ワシらに歯向かうつもりだぜ! まずはこの冒険者どもを血祭りに上げて、それから誰がこの辺のシマの頭領かじっくり教えてやらんとなァ!」
「へい、親分! へへへ、お前たちの装備は俺たちが大事に活用してやっからよ、安心して死にな!」
 頭目の号令を受けて、山賊たちが臨戦態勢に入る。
 本来の依頼、山賊退治がここに始まった!
三鷹・一成
ようやくちっこいのを駆除したと思ったら、こらまたデッカい虫が出たもんだ
さすが金の匂いにゃ敏感だってか?

まずは機先を制するために、雄叫び上げようとするやつからヘッドショットで無効化
逆に向こうの士気を下げて、こっちに主導権を(クイックドロウ+早業+スナイパー)

この手のやつらは、まともに相手するだけ無駄だ無駄
最初の一歩で思いっきりコケさせて、調子乗らせないのが一番だぜ?

その後は乱戦になりそうなんで、なるべく距離を取って味方の援護を中心に
隙を突こうとするやつや、逃げようとするやつを優先して狙い撃ち(援護射撃)

いやここまで分かりやすいと、安心通り越して逆に心配になってくるわ
もうちょい個性出そうぜ、個性




「ようやくちっこいのを駆除したと思ったら、こらまたデッカイ虫が出たもんだ」
 鉱脈を嗅ぎつけてきたわけじゃあないだろうが、こいつは金食い虫以上に金の匂いに敏感なんじゃないか?
 へらへらと軽薄に笑う一成の姿に、山賊たちは眦を吊り上げて威圧の表情を作る。
「おいおい兄ちゃん、虫ってのはもしかして俺たちのことかい?」
「お、自覚あったのか。そうそう、特にその髭とか触覚みたいでキモいよな」
 山賊の顔を指差す彼に、山賊団の怒りのボルテージは瞬く間に上昇していった。
「フザけんなテメェ! 舐めた口聞いてっと手足落として生きたままウジの餌に――」
 ぱぁん。
 よく響く乾いた破裂音、そして吠えていた山賊が急に押し黙りぐらりと後ろに倒れ込む。
「は? え?」
 仲間の山賊たちも状況が掴めず、酸欠の鮒のように口をパクパクと開け閉めしながら額に穴を空けて静かになった仲間と一成を交互に見ては声にならない呻き声を出す。
「いやここまで分かりやすい山賊てのは安心通り越して逆に心配になってくるわ。もうちょい個性だそうぜ、個性」
 ふっ、と銃口からくゆる煙を吹き消して、あたかも善意のアドバイスを投げかけるように気楽に話しかける一成。その言葉を受けて、ようやく山賊たちは仲間が撃ち殺されたことを理解する。
「テメェェ! 挽肉になるまで切り刻んでやらぁ! 鉄砲なんざ金持ちの玩具を振り回して悦に浸ってるようだがよォ、そんなもん一発撃っちまえば次撃つまでに相当時間が掛かるんだぜ、それより先に俺たちの刃が――」
 ぱぁん。ぱぁん。
 今度は二発分。ナイフを振り翳して威嚇する山賊二人が、最初の一人と同じように頭に新しい穴を増やして崩れ落ちた。
「だからもう少し個性的な台詞でも吐いてみろよ」
「…………は? れ、連射? なんで?」
「なんでだろうなあ。不思議だな?」
 数百年進んだ異界の技術で造られたリボルバー。その概念を知らない山賊たちは、銃が面倒で手間のかかる弾込めを要さないという常識外の事態に対応しきれない。
「お前らみたいなのはまともに相手するだけ無駄だ、無駄。さぁて逃げるやつ、隙を見せたやつから撃っちまうぞぉ!」
 撃った分の三発をリボルバーに込め直し、フル装填で一成は山賊を迎え撃つ。
 乱戦ともなれば刃物のリーチで戦わざるを得ないが、距離を取ることを意識し、そして彼らの出鼻を挫いた未知の銃を使う相手として警戒される一成は、かなりの優位を保ち着実に山賊を倒してゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリシア・マクリントック
自分に力があることを知っているのなら、それを正しく使えばよいものを……
マクリントック家の誇りにかけて貴方たちを倒します!

剣での戦いなら私の本領です。相手が多いのはまだ慣れませんが、マリアや仲間と連携して互いに死角をカバーするようにしましょう。
数で押し切られないよう、体力の消耗を少なくする立ち回りが必要ですね。こちらからは仕掛けずに反撃を狙っていくのがよさそうでしょうか。
体格差などもありますし、レイピアでは攻撃を受け止めることは難しいですから、絡め取るようにして受け流しましょう。そしてバランスを崩した隙に急所や防具の隙間を狙って攻撃を。
「小娘と甘く見ると後悔しますよ!」




「自分に力がある事を知っているのなら、それを正しく使えばよいものを……」
 賊に身をやつしていようと、彼らは非力な村人より遥かに強い力を持つ戦士なのだ。
 彼らが殺し奪う賊でさえなければ、村人たちが山で糧を得られなくなることもなかっただろう。
 ともすれば魔物のような別の脅威が現れた時、彼らが村人を護り助けることで村から日々の糧を貰うような、そんな共生もできたかもしれない。
 ――それはきっと、甘い夢想に過ぎないのでしょうね。現実はそう優しくはない。ならば、私は。
「マクリントック家の誇りにかけて、貴方たちを倒します!!」
 細剣を突きつけ、山賊の一隊と向かい合うアリシア。純白のドレスに、シンプルながら上品な肩鎧。そこに刻まれた紋章に、山賊たちの視線は集中する。
「へへへ、お貴族の娘さんまで出てくるたァツイてるぜ」
「おうよ、とっ捕まえて身ぐるみ剥いぢまおうか」
「身代金がっぽがっぽってか? なはは、こんなシケた村襲うよりいい儲けになるかもなあ!」
 下卑た笑顔でアリシアを品定めするような山賊たちに、アリシアを護るように前に出たマリアが唸る。
「ぬぉっ、狼まで連れてやがんのかよ!」
「いや、こいつも毛並みがいいぞ。毛皮に……いや、他の貴族に売りつけるのもいいな……!」
 げひゃひゃ、とマリアにすら欲望まみれの視線を絡みつかせ、各々の武器を抜き放つ山賊。
「貴方たちという人は……! 私を小娘と甘く見ると後悔しますよ!」
 知ったことかよ、と力任せにナタを振り下ろす山賊。男女、そして成人男性とうら若い乙女の単純な膂力の差を過信した、力任せの一撃をアリシアは細剣で刃先を撫で、滑らせるようにして空振りへと持ち込み、最小限の動きで肩口を一突きにして腕を奪う。
「ぎゃあああ! 腕が、俺の腕! 力が入らねえ、痛え、痛えよ!!」
 筋を断たれぶらりと垂れ下がる腕を押さえてのたうち回る山賊。これで一人無力化した。――いや、二人。
 その向こうで山賊の足に噛みつき引き倒したマリアが見える。彼女が引きずり回す山賊は、どうやら地面の石に頭をぶつけて気絶したらしい。
「てめぇ、見た目の良い餓鬼だから無傷でとっ捕まえようと思ったが……」
「そうも言ってられんみたいだなァ! まあいい、ボロボロのほうが燃えるってスキ者も居るだろうさ、怪我させてもかまうもんかよ!!」
 互いに目配せしあい、攻撃のタイミングを合わせる山賊たち。
「うらぁぁぁぁ!!」
「よし、せーので一斉に――おい!?」
「えっ、今のせーのが合図じゃ――」
 せっかくアイコンタクトを交え、声で合図まで掛けたというのに全く連携できていない山賊たち。
 彼らが狼狽えながらバラバラのタイミングで襲いかかってくるのを、アリシアは巧みな剣技で受け流しては防具の隙間を突いて手足の腱を斬っていく。
 そうしてひるんだ相手は、マリアが飛びかかって完全に無力化することでアリシアの後顧の憂いを断つとともに余計な方向へ注意を向ける疲労を減らし、また確実に討ち漏らしなく仕留められるよう連携する。
 同族であり、長らく共に過ごしたであろう戦友であり、言葉すら交わしてもなお息の合わない山賊に対し、アリシアとマリアのコンビネーションは見事なものであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハル・パイアー
「"山賊"。粗野で汚く、下品な罵声を喚き散らす住所不定無職の存在。データファイリング完了。」

これより山賊の掃討を開始します。
対象の危険度は低なれど、声と体臭、体液は脅威と判断。
よって遠距離からの射撃を選択します。

まずは家屋の屋根などの高所に陣取り[迷彩]で隠密。そこから[早業]の熱線[誘導弾]射撃で敵群を制圧射撃します。
こちらの居場所が察知された場合はUC《インビジブル・メン》起動。
姿を透過し[ジャンプ][ダッシュ][忍び足]で速やかにその場を離脱。同様に他家屋上部に陣取り、射撃を再開します。

「友軍には悪いが。私は煩くて臭くて汚い物に近づく気がしれない。」




「"山賊"」
 それは粗野な言葉遣いが特徴。下品な罵声を撒き散らす迷惑防止条例違反の存在。この世界にそんな条例が存在するのかはさておき。
 そして汚く、不潔で、雑菌まみれ。犯罪者故に銭湯にも行けず、そもそも彼らが身の回りの清潔を良しとする文化を持っているのかも怪しい。
 泥や煤、脂まみれの顔面を見て、ハルはその不潔さへの不快感で顔を顰めた。宇宙生まれ宇宙育ちの彼にとっては、清潔であることがある意味当然なのだろう。
「粗野で汚く下品な罵声を喚き散らす住所不定無職の存在。データファイリング完了」
 だからこそ、それ以上情報収集して不快な記憶を増やす必要もない。民家の屋根の上で迷彩クロークに身を包んだ彼は、早々に観察を切り上げる。
「……ん? 今誰か俺のことを住所不定無職っつったか?」
 俺は一所に留まらない風来坊なだけで、職業は山賊だぞ! と喚く男。山賊の仲間たちが、それを住所不定無職っつうんだよ、と笑う。同時に、自分たちを舐めたようなことを言うヤツが居るならば分からせてやろう、とも。
 刃物をギラつかせ、冒険者――猟兵と戦う仲間たちを背に、押し入る家を品定めする男たちに、突如天上から熱線の雨が降り注いだ。
「な、なン――」
「魔法だ、魔法使いが居やがるぞ!!」
「野郎!! 魔法使いなんざ雇える金を隠してやが――」
 過ぎた科学は魔法に等しいとは誰の言葉だったか。
 未だに満足な自動機械すら発明されていないであろうこの世界で、航宙戦艦が砲火を交え、艦載戦闘機やパワードスーツ兵、自律兵器がぶつかりあう宇宙世界のエネルギー兵器はまさしく魔法の産物であった。
「畜生三人やられた! 何処だ、どこにいやがる! 出てきやがれ卑怯だぞ!!」
「どの口が卑怯などと叩くのだ……?」
 心底わからん、と困惑の表情でハルは更に引き金を引く。空間に光の筋が奔り、面白いように山賊がバタバタと倒れていく。
「探せェ! 上だ、上に居るのは間違いねえ! 屋根の上だ、全員で背中合わせになって魔法の出処を探すんだ!! 見つけたら引きずり降ろしてぶち殺してやる!」
 この期に及んでようやく統率を取り戻した山賊たちが円陣を組み、血走った目で屋根の上をギョロギョロと睨みつけた。
「……居たぞ! いたぞぉぉぉぉお!!」
 そのうちの一人がハルを発見し、指をさしてその居場所を仲間に伝える。
「チッ、野生の勘というやつか。だが私は煩くて汚いものに近づく気はない」
 万が一にも返り血など浴びてしまったときには、と想像するとぞっとする。あんな汚い連中に近づくなどもっての外だ。
「野郎を逃がすな! ――おろ、何処に消えやがった!? もしかして飛び降りたのかもしれん、散って探せ!!」
 ハルは狙撃戦に徹するべく、クロークを深く被り姿を消すと、次なるポイントまで速やかに移動するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィーナ・ステラガーデン
雇われた冒険者。だったわね。
じゃあ後で雇い賃として、これ掃除し終わったら
また味の薄いスープでも頂きにいこうかしら?
こいつらの命とちょうど釣り合う報酬だと思うわ!
別に正義感とか、善良な村人の為とか、そんなものは私にはないわ!
ただあんたらの舐め腐った顔を見てると胸焼けすんのよ!

「ダッシュ」「オーラ防御」を使いつつ距離を取りつつ
「属性攻撃」による簡単な火の魔法をうち牽制を行うわ
詠唱のチャンスがあればUCを「高速詠唱」を乗せつつ使うわよ
「範囲攻撃」にてなぎ払うわ

(アレンジ、連携歓迎
ucは熱線で焼き斬っても、熱線で焼いた地面から順に連鎖爆発して吹き飛ばすもokです。
MSの自由に動かしてもらうことを希望)




「大丈夫よ。これ掃除し終わったらまた薄味スープをごちそうして頂戴」
 "雇われ冒険者"であるフィーナは、山賊に挑みかかろうとするうら若く華奢な客を必死に制止しようとする食堂のおっちゃんに微笑みかけ、食堂の扉を勢いよく開けて乱闘の只中に飛び込んでいく。
「あんたらの命は金貨や銀貨じゃお釣りが来るわ、あの味の薄い何が入ってるのかわかんないようなスープでちょうど釣り合う報酬よ」
 暴虐を働く山賊が許せない。
 善良で素朴な村人たちが苦しめられるのが捨て置けない。
 ――とかそういうやつは私には無いわ!! と。ただ人を、人生を舐め腐ったような山賊の汚らしいニヤケ面を見ていると胸焼けがするので視界から吹っ飛ばしたいだけよ!! と。
 そんなふうに自らの戦う理由を定めて、フィーナは山賊どもを迎え撃つ。
「おおっ!? へへっへへへ。うぇへへへへ……」
 頬にへばりつくようなニヤニヤ笑いを浮かべた山賊が、手にした手斧を仕舞ってフィーナに歩み寄る。
「お嬢ちゃんかわいいねぇ……いくつだい? ふへっへ、おじさんとあそばないかい。大丈夫、おじさん山賊だけどちびっこには優しいんだ…………ホントだよ?」
 うわキモ。フィーナはダッシュで山賊から距離を取る。
 ついでに火球を撃って牽制――するのだが、山賊は金食い虫よりよほど虫みたいな動きでカサカサとそれを回避して猛追を仕掛けてきた。
 しかも増えてる。
 ちょっと前向いて疾走に集中し、反撃しようと振り向いたら十人くらいになってた。
「ほんっ…………と真面目に生きてる人を舐め腐ってる連中…………!!」
 カサカサカサカサと火球を掻い潜る山賊に、フィーナの怒りがふつふつと湧き上がる。それに、だ。
「あたしはお嬢ちゃんじゃない! 20歳の立派なお姉さんだっての!!」
 あからさまに幼女扱いしてくる山賊どもは、フィーナの怒りのツボを的確に刺激していた。
「は? またまたー、背伸びしちゃってかわいいねぇ!」
「嘘だろ、20とかBBAじゃねぇか……」
「拙者よりと、し、う、え……! これには腹筋大激痛!!」
 そしてこの反応である。仲間たちは格好良く戦っているのに。あんなにかっこよく戦場に飛び込んだのに。
 どうしてこうなった――それもこれも、全部山賊が悪いのだ。
 湧き上がる怒りのままにフィーナは立ち止まり振り返ると、迫る山賊めがけて自らの持てるトップクラスの攻撃魔法を高速で詠唱開始する。
 きゅいーんってしてちゅんってやったらどどどーんってなる的なやつ。
 早すぎて溶けてる巨大人造人間とかが吐くような、アレ系のソレだ。またの名を刺シ薙ギ払ウ熱線。なぜこんなに格好いい術名があるのに、この子は擬音で説明しちゃうのか。
 果たして、きゅいーんとチャージされた熱量は極細の光線となり、ちゅん、と一瞬で山賊たちの走ってくる先の地面を舐めた。
 そして赤熱したラインを山賊が踏み越えた途端――
「うぎゃーっ!?」
「ほげーっ!!」
「ござーっ!!!?」
 どどどーん。道が爆ぜ、山賊どもの中でも特に癖が強く気持ち悪い連中は余さず空の彼方へ吹っ飛んでいった。きらーんと昼の空にいくつかの星が瞬く。
「おい、今の音は何だァ!?」
「あれ? さっきまで仲間が居たよな……」
「まさかこのガキ、仲間をやりやがったのか!?」
 爆発音を聞いて駆けつけた山賊たちが油断なく刃物を抜くのを見て、今度のはまだマトモな連中だとほんのすこしだけ安堵したフィーナは、改めて杖を構え魔法を詠唱し始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳩麦・灰色
よっしゃ、これからがウチらの見せ所やなー
というか動作が如何にも賊って感じがしてちょっと引くわー
……いやまぁウチの武器も十分賊っぽいんやけど

さて、行きましょうかー


飛び出した家屋から一番近い賊に【武器落とし】狙いで【衝撃波】を込めた、【武器改造】された鉄パイプを振り下ろし、素早く離脱を狙う。以降近い賊へ続ける。またその際【地形の利用】しつつ賊を密集させていくよう動く

賊からの攻撃には【残像】、【第六感】、【地形の利用】の技能を活用し回避重視で対応

その後、最も賊の密度が多い場所へ向けて【範囲攻撃】でのUC使用にて一掃を狙う

「悪いけどアンタは吹っ飛んでてなー」
「さすがに人数おると疲れん、疲れますねー」




「ヒャッハァーッ!! バカどもが冒険者に夢中になってる間に賢い俺達は略奪と洒落込むぜェーッ!! ヒャッハー!!!!」
「うひゃひゃひゃひゃ! 流石だぜ兄貴ィ! 親分の次に頭脳派なだけあるな!」
 あちこちで猟兵と戦闘を開始し、そして蹴散らされつつある仲間たちを囮に、その山賊の一隊はこそこそと隠れるように村の家屋に忍び寄っていた。
 忍び――うん、動作は忍んでいるのだ。そりゃもう、サムライエンパイア風に言えばニンジャのごとく。ただ、騒がしいテンションと事あるごとに挟まれるヒャッハーという高笑いがその隠密を全部台無しにしていた。
 おまけに終始ナイフをペロペロしている奴や、通り過ぎざまに家屋に山賊団参上!! なんて落書きを刻んでいくやつもいる。
 その姿を潜む建物の雨戸の隙間から伺って、灰色はため息を一つ。
「動作がいかにも賊って感じがしてちょっと引くわー」
 ここまでステレオタイプな賊はなかなか見るものではないかもしれない。動作の端々から僕たちさんぞくです! という雰囲気を滲ませる連中が、自分の隠れる家に近づいてきたのを確認して、灰色は武器を手にそっとドアの側へ移動する。
「……いやまぁウチの武器も十分賊っぽいんやけど」
 手の中にある、ずしりと頼もしい鉄パイプ。世が世なら賊――というより族が持っていそうなアイテムだ。殴ってよし、音を出してよし、DIYによし、お前によし俺によし。万能アイテムであることは間違いないが、抜き身で握っているとやはりどうしても暴走族的な不良のオーラを放ってしまうのは宿命なのだろうか。
 さておき、山賊たちは不運にも、灰色にとっては幸運にも、まっすぐ彼女が潜むドアの前にやってきた。
「せーの、でドアをぶち破って突っ込むぞ。せー……」
「のォ!!」
 勢いよくドアを開け、ナタを振りかぶった山賊の顔面に木板を叩きつけながら飛び出した灰色。その登場に唖然とする山賊一行のうち、鼻血を垂らして狼狽える一人の肩口めがけて灰色は鉄パイプを振り下ろす。
 ごしゃ、と気持ち悪い手応えとともに、筋肉に包まれた肩の骨が砕けた気配。山賊はものすごい悲鳴を上げて手にしたナタを取り落とす。
「ヒャッハーァ!? なんだテメェ! よくもやりやがったな!」
「逃げるぞ、追え! 追え! 野郎ブッコロッシャー!!」
 仲間を不意打ちで倒され、頭に血が上った山賊が灰色を追い回す。
 逃げる灰色、追う山賊。だが、金食い虫退治で村の構造を把握、熟知したことで、ショートカットを多用し立体的に逃げ回る灰色に山賊たちは追いつくことが出来ない。
「ぜぇぜぇ……あのアマ、なんて足の速さだ……」
「ひゃは……止まるな、人数ではこっちが上なんだ……囲んぢまえばこっちのもんよ……ひゃっは……!」
 肩で息をする山賊。幾人かは追撃戦から脱落し、集団から離れたところで息を整えていた。
 そして、そんな群から離れた羊は、狼の格好の獲物である。
「悪いけどアンタは吹っ飛んでてなー。はい、アンタもな」
 ごっ。迂回し、物陰から一撃離脱の奇襲を仕掛けた灰色の鉄パイプの一撃を受けて吹き飛ばされ、潰れたカエルのような悲鳴をあげて失神する山賊。
 はぐれた仲間がいつの間にかやられているのに気づき、集団を維持できていた山賊たちがその顔に僅かな恐怖を滲ませた。
「離れるな、離れたやつからやられるぞ! 集まれ、ヒャッハー!!」
「しかしよォ兄貴、集まったってどっから来るかわかんねぇことには……」
 山賊は密集し、背中合わせに周囲を警戒して襲い来る捕食者に震える。
 その判断は、確かにただの狼のような獣や、各個撃破を狙う襲撃者を相手取るには定石だったのだろう。
 だが、灰色には――
「集まってくれてありがとうな、おかげで手間が省けたわ。――打ちのめす、"六番"!」
 彼らを一網打尽に仕留める技がある。鉄パイプのひときわ大きな打撃音に乗って、陣形に乱入した灰色の連撃が炸裂する。
 村中に響く金属の反響が鳴り止んだ時、灰色を追って灰色に追われた山賊たちは軒並み肩を砕かれ、頭に大きなこぶを作って地に沈んでいた。
「ふぅ……幾ら三下でもさすがに人数おると疲れん、疲れますねー。と、そろそろかな?」
 気づけば、仲間たちの戦闘音も随分減ってきている。そろそろ、敵の親玉が動き出すころか。
 灰色もまた、倒した山賊どもが完全に無力化されていることを確認して移動を開始するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『山賊親分』

POW   :    強欲の叫び
【酒!】【金!!】【女!!!欲望に任せた叫び声をあげる事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    剛斧一閃
【大斧】による素早い一撃を放つ。また、【服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    手下を呼ぶ
レベル×5体の、小型の戦闘用【山賊子分】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「不甲斐ねぇ」
 山賊の首領は苛立っていた。
 こんな貧乏村が雇える程度の木っ端冒険者に良いようにされて、次々と倒れていく手下ども。
 多少は使えるバカだと思っていたが、所詮は食い詰め農民上がりの根性曲がりに過ぎないか、と首領は無精髭に覆われた顎を親指でじょりじょりと撫でて考える。
 だが、バカはバカでも自分の配下という看板を背負ったバカだ。それがああもあっけなく負けては、この山賊団自体が虚仮威しの雑魚集団だと思われかねない。
「今更バカどもが負けた事実はひっくり返らねぇが……」
 斧を肩に担ぎ、すぅっと息を吸って。
「野郎ども!! ワシらをナメ腐った冒険者どもを叩っ殺すぞ!!」
 バカどもは負けたがワシは勝つ。むしろ、有象無象が束になってかなわない相手をワシが捻り潰せば、生き延びた手下どもの忠誠心と恐怖心は高まるだろう。
 捻くれた無学な山賊共を纏め上げるには、首領となる存在が圧倒的な力を見せつけるのがてっとり速いのだ。
「来やがれ冒険者、ワシが相手ェしてやる! ビビって逃げても構わんが、そのときはこの村の連中がどうなるかわかってるだろうなァ!!」
フィーナ・ステラガーデン
あんたねえ!
配下の教育くらいしっかりしなさいよ!
さっきお嬢ちゃんお嬢ちゃんって気持ち悪く迫られたわよ!
山賊ってロリコンが多いのかしら・・・
って誰が幼女体型よ誰がーー!!

出来るだけ仲間と息を合わせるわ!
仮にも頭目だし油断はしないわよ!
完膚なきまでにやってやるわ!
雑魚が増えるようなら「範囲攻撃」を織り交ぜて
別に居ないならそのままucを使って罵声と共に睨みつけて
攻撃は仲間に任せるわね!

あー。それにしてもお腹がすいたわね!
山賊ってことは何か蓄えてんじゃないのかしら?
出しなさいよ!

(引き続き良いぞもっとやれ!くらいの勢いでアレンジ、アドリブ、猟兵、Npcとの絡み大歓迎)


アリシア・マクリントック
アドリブ、連携OK

そのようなことを言われてしまっては……残念ですが、私の慈悲はたった今品切れになってしまいました。お覚悟を。……変身!

子分の相手はマリアに任せて、私は親分の相手に集中しましょう。
いくらセイバークロスで強化していると言っても、私の力であの大斧と正面から打ち合うのは愚策ですね。
こちらからの攻撃は牽制程度にとどめておいて、敵が斧を振るって大きな隙ができたところを狙って本命の一撃を。
乱戦になるのならセイバーホールドを子分に当てないように注意しないといけませんね……
「人に迷惑をかけるけだものにはきちんと躾をしないといけませんね。」




「あんたねえ!!」
 自ら腰を上げ、冒険者達の撃退に赴く山賊の頭目と、実力者を伴ったことで勢いを得た山賊たち。その前に立ち塞がるのはフィーナとアリシア、二人の少女だ。
 まずは一言物申したいというフィーナに先を譲り、油断なく傍らで取り巻きを牽制するアリシアと彼女の相棒、マリア。さて何を言うのかと、アリシアだけでなく山賊たちの注意もフィーナに集中する。
「さっきお嬢ちゃんお嬢ちゃんって気持ち悪く迫られたわよ!! 山賊ってロリコンばっかりなの!? って誰が幼女体型よ誰がーッ!!」
 手下の教育くらいしっかりしなさいよー!! と憤慨するフィーナに、ぽかんと口を開けて唖然とする山賊の頭目。それからぷっ、と吹き出して、がはははと大笑いし始める。その笑いは山賊たちにも伝播し、腹を抱えて笑うものまで出る始末。
「何笑ってるのよ!! こっちは本気で怒ってるんだけど!!」
 ぎゃおー! と今にも山賊に飛びかかりそうなフィーナをアリシアは苦笑しながらどうどうと制止する。気持ちはわかりますけど、此処は抑えてください、ね?
 何しろフィーナは魔法使いタイプ。このまま放っておけば、怒りのままに肉弾戦を挑みそうだしなんならそれで山賊団を制圧しそうな気迫すらあるが、本領は発揮できないだろう。より被害を少なく勝利するためだから、とアリシアの説得を受けて、不承不承でフィーナの勢いが止まる。
「がはははは、いやあすまんなあお嬢ちゃん! ああいや、すまんなあご婦人!! なにせワシらは男所帯だからなァ、女ならチビでも婆さんでも構わねえ、って物好きが出てくるのよ、わははは!」
 違いねぇですね! と笑う配下の視線も、二人を物色するように頭の天辺から足の爪先までじろじろと行ったり来たり。それを察知したマリアが低く唸る。
「まあ、ワシも人の事ァ言えんがな。どうだ冒険者のお嬢ちゃん方、この村の儲けを分けてやる、貧乏村が出した報酬よりか多少は多めに出そう。ワシらに付かねぇか。いや……ワシらの嫁に来ねぇか!!」
 ここの村人をとっ捕まえて売っぱらった金で酒でも肉でも好きなだけ楽しめるぞ! と猟兵を勧誘する頭目だが、それに靡く二人ではない。
「そのようなことを言われてしまっては……残念ですが、私の慈悲はたった今品切れになってしまいました」
「怒ったらちょっとお腹が空いてきたところなのよね……でも、あんたたちに付くよりもっと手っ取り早く――」
 アリシアはベルトに手を翳し、フィーナは杖を頭目に突きつけて。
「お覚悟を。……変身!」
「あんたたちの手持ちからぶん取るわ! 何か持ってんでしょ! 出しなさいよ!!」
 高貴な戦乙女の如き白銀の甲冑に身を包んだアリシアと、闇の眷属の力を解き放ち目が怖くなったフィーナ。
 二人の戦闘準備完了に合わせるように、頭目もまた斧を肩に担ぐ。
「そいつは残念だなァ、そんじゃあ手足でももぎって持って帰るか!」
 頭目の掛け声とともに、わらわらと集まった山賊団が一斉に二人に襲いかかる。
「ヒャッハー! 女ァー!!」
 欲望に塗れた視線でアリシアの鎧に包まれた胸元を凝視しながら襲いかかる山賊を、横合いからフィーナの魔法が焼く。
「美女だァー!! 俺がお嫁さんにするぜェー!! って狼だァー!?」
 攻撃というより抱きつく勢いで突進してきた山賊を、マリアが横合いから足首に噛み付いて動きを止めてまわる。
 ゴロゴロと痛みにのたうち回る山賊が数人固まったところですかさずフィーナの範囲魔法が纏めて仕留めた。
「うおおーッ! 姫騎士萌えェェェーッ!!」
 アリシアに飛びかかる山賊をフィーナの以下略。
「ちょっとあんたたち!! こっちにも美女が居るんですけど!! こっちも見なさいよ!!」
 さっきは変態に追いかけ回され死ぬほど不快だったけれど、二人並んでいてガン無視をキメられるのも癇に障る。
 杖をブンブンと振り回して怒るフィーナに、山賊はすっとクールな表情で一言。
「イエスロリータ、ノータッチ。俺たちァ真摯なのさ。――それはそれとしてお姉さん僕と遊ばなーい!?」
 機敏なターンでアリシアに突っ込んでいった彼は、マリアに押し倒されて顔面にいぬパンチ――もとい狼パンチの連打を食らって動かなくなった。
「も、もう……何なのよこいつら……!!」
「流石に首領の直属だけあって、ふざけていても弱くはないようですね……!」
 山賊たちが殺到したアリシアの方はというと、その人数にやや押され気味だ。
「仕方ないわね! 短期決戦でいくわよ! 私が道を作ってあげるんだからしっかりキメなさい!」
 フィーナの詠唱が珍しく真面目にフルバージョンで唱えられ、頭目とアリシアを結ぶように作られた炎の道が邪魔をする山賊どもを焼き尽くす。
「ありがとうございます! 人に迷惑をかけるけだものには、きちんと躾をしてあげます――セイバーホールド!」
 そして必殺の一撃を叩き込むための、拘束光線がアリシアの構えた剣先から頭目に向かって伸びる。
 これが命中すれば、動けない山賊に渾身の斬撃が直撃するだろう。鍛え上げられた肉体の賊といえど――
「親分危ない!! ぐっ!!」
 ――火傷を辞さず炎に飛び込んだ山賊が、頭目を庇うように光線を受け、そのまま炎のダメージで力尽きた。拘束光線は頭目には当たっていない。だが、アリシアは僅かなチャンスを逃さぬようもう駆け出していた。
 それを迎え撃つように斧が振り上げられ――
「世話が焼けるわね! 止まりなさい。止まれって、言ってんでしょ!!」
「ぐおっ、身体が、動かねェ!?」
 やれやれと放たれたフィーナのこわい視線が、頭目の魂を魔力で蝕み動きを一瞬封じ込めた。
「――フィニッシュ!」
 そこに、アリシアの剣が滑り込む。
「やるじゃねぇか、だが山賊の生き汚さをしらねぇようだなァ!」
 山賊の頭目は深手を負い、しかしまだ不敵に笑って二人の前から逃げ出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハル・パイアー
「集団の頭目を発見、と言うよりもしびれを切らしてのご出陣だな。ふーむ、対象個体は矮躯の私と比べて恰幅があり、貫禄ある……いや、無理な装飾を捻くり出す必要もないな。特記不要。同じく的だ。」

小官は引き続き"山賊"の掃討任務を続行します。
SPD《ゴッドスピードライド》起動し[騎乗]する事で機動力を向上。
山賊の数が減った為機動戦に移行するものであります。
戦術は一定距離を維持しての射撃。[操縦]で常に相手の背後を取るように動き、[早業]で熱線を連射。
急速接近や攻撃の予兆を観察して[見切り]、その際は[ダッシュ]で緊急離脱を行います。

「汚れる懸念があるのは難点だが、この手のは姿を見せると油断してくれる。」




「集団の頭目を発見。痺れを切らしての出陣……というより敗走だな」
 クロークに身を包み、屋根上から頭目を追うハル。満を持して戦闘に参加した頭目が早々に深手を負ったように見えるのは、その脅威度の評価を些か多く見積もりすぎたか、とも思う。
「ふーむ、対象個体は矮躯の私と比べて恰幅があり、貫禄が……負傷した今となっては正確な評価も出来ないし、無理に飾る必要もないな。特記なし、同じく的だ」
 彼らは山賊。頭目だろうが平の団員だろうが、等しく掃討されるべき目標に過ぎない。ハルは傍らに駐機させた宇宙バイク、N=ムーバーに騎乗し、颯爽と山賊団の眼前に降下する。
「な、何モンだテメェ!!」
 頭目を護るように前に出た山賊を、ハルは無感動にブラスターで一撃。熱線を浴びて倒れた仲間の姿に、山賊たちはどよめく。
「テメェェ! 親分、アイツをまず追いやす! いいですね!」
「おい待て、ありゃあ挑発だ、あのよくわからん鉄の馬に魔法の武器……お前らの敵う相手じゃあねえ、戻れバカ!!」
 傷を追い、血を流したことでいくらか冷静さを取り戻した頭目が血気に逸る配下を呼び止めるが、山賊たちは頭目の制止を聞かずハルを追って飛び出していく。
 一方のハルは、ムーバーを反転させ、村の中を高速で疾駆して山賊たちを引きずり回す。
 機動力で生身の人間と高速移動用の騎乗機械が勝負になろうはずもない。
 おまけにまばらとはいえ家屋などの遮蔽物もある村内。斥候であるハルにとって、山賊に負ける要件など存在しえなかった。
 遮蔽を上手く使って視線を切り、自身を見失った敵の背後に現れては銃撃を雨あられと浴びせて走り去る。
 怒りと蛮勇で思考力の低下した山賊たちは、瞬く間に殲滅されていった。
「クソが、多少はマシなバカだと褒めてやろうと思ったのによ……!」
 次々と斃れる配下に、忌々しげに頭目は舌打ちをひとつ。被った毛皮を脱ぎ捨て傷を負った身体に包帯代わりに巻き付ける。清潔とは言い難いが、血を流れるままにするよりはマシだ。
 そして、身を包む毛皮をより密着させるように身体に巻いたことで、頭目は傷を負った身体でもまだ動けるとばかりに斧を二、三度振って確かめ、
「バカどもの不意を討って悦に浸っているようだがなあ! ワシには通じねぇぞ!!」
 深手を負っているとは思えない速度で駆け抜け、再度山賊に攻撃を仕掛けようとしたハルの前に飛び出し斧を一閃。
「な――ッ!?」
 ムーバーのシートを蹴り、間一髪で跳んだハルの爪先、その僅かに下を鈍く光る刃が通り過ぎる。主を失ったムーバーが横転し、ハルは地面にとん、と降りた。
「ちぃ、外したか。……ガキ、舐めたマネしてくれるじゃねえか……」
「ガキ、か。あれだけ部下を失ってまだ油断してくれるとはな」
 子供に良いようにされて青筋を立てて怒る頭目と、"子供に"と驕っているそこにこそ付け入る隙を見出したハル。
 二人は同時に駆け出した。頭目は前へ、ハルは後ろへ。頭目の振るう斧をドローンからの視界共有で振り返ることなく見切り、時にかがみ、時に跳んで回避するハル。
 一撃も受けていないが、斥候として調整を受けたその脚力にオブリビオンと化したとは言え生身で追随する頭目は、ただの賊ではないだけの実力を持つのだろう。
 肩越しにブラスターを放ち、牽制を加えながら逃げるハル。向かう先は――

成功 🔵​🔵​🔴​

三鷹・一成
ひっくり返らないのは、おたくがその程度のバカの上にしか立てないってぇ事実も同じだぜ?

引き続き距離取って、相手がビビってる内に取り巻きの雑魚を手早く処理
親分出てきて向こうも後が無いだろうし、特に遮二無二突っ込んでくるやつを優先で

粗方片付いたら、弾切れのふりして油断したとこを、この時の為に伏せてたワイヤーフックで大物一本釣りよ(だまし討ち+投擲)

あいにく、弾切れとは無縁でね
ポッケを叩けばあら不思議、ってなもんさ

全部終わった後は、帰る前に村の中のお片付けでもしてくかね

色々災難だったが、蜂あるところに蜜もあり
痛い目見た分、これからはおいしい思いもしなきゃあな
ま、舐めすぎで虫歯にだけはならないようにな?




 牽制で注意を引きながら逃げてくる猟兵と、その後ろを追いかける山賊の頭目。
 どれだけ上手くやったやら、頭目の視線は逃げる猟兵に釘付けだ。
「さてと。さっさと全部終わらせて帰るかね」
 家屋の外壁に凭れるように寄りかかり、お気に入りの銘柄の煙草を咥えて一服楽しんでいた一成は、吸い殻をくしゃりと携帯灰皿に押し付けてからすっと道に躍り出る。
 走る猟兵に視線で後は任せなと伝えて、頭目の前に立つ一成。逃げる獲物と引き換えに現れた怪しげな男に、頭目は眉根を寄せて身構えた。
「何だァ、てめェ。てめェもワシの邪魔をするってのか? ん?」
 濁声で威嚇する頭目に一成は人差し指を突きつけ、ふっと嘲笑う。
「『今更バカどもが負けた事実はひっくり返らねぇが……』ねぇ。ひっくり返らないのは、おたくがその程度のバカの上にしか立てない器だってぇ事実も同じだぜ?」
 頭目の言葉を引用しての挑発。お前もお前がバカと貶す山賊と同レベルなのだという指摘。
 それは、頭目のプライドに見事に刃を突き立てた。
「……ワシを……ワシを誰だかわかってそんな口ィ聞いてンのか、おォ!?」
 斧の柄がみしみしと軋むほど力を込めて、怒りに震える頭目。本当にどうしようもない、無学で非力な飢えた農民のはぐれものを鍛え上げ、山賊団という形ながらに組織として纏め上げた。
 それは、頭目にとって自らの偉業、数少ない誇りの拠り所だったのだ。それを一成はその程度のものと笑う。本当に人の上に立てる人間なら、この貧しい村をまだ村として保っているあの若い村長のように。あるいは、どこか大きな町で騎士や兵士を率いる隊長格のように、もっと誰にでも誇れる今日を生きているんじゃないのか? と。
「違う! 親分は……親分はバカだけどよぉ。俺たちに奪い方を教えてくれた!」
「そうだ、飢えて死ぬか獣に喰われて死ぬかってオレたちに、旨い酒の味とたらふくの肉が胃袋を膨らましてくれる心地を教えてくれたんだよぉ!」
 ようやく追いつき、頭目に並んだ山賊たちが口々に反論するが、それすら一成は笑い飛ばした。
「親分が教えるべきだったのは、獣の狩り方、畑の耕し方……地に足の着けて生きる方法だったんじゃないかねぇ。間違っても殺されても文句の言えねぇ山賊のなり方じゃねえよ」
 ロクデナシの俺が言うことでもないか、と拳銃を抜き撃つ。連射された弾丸は、今にも一成に飛びかかり、手にした刃物でメッタ刺しにしようと唸る山賊たちの額を正確に射抜く。
 乾いた銃声がリボルバーに込められた弾丸の数だけ響く。そして、動くものは一成と頭目の二人だけになった。
「馬鹿野郎どもが…………! 盾にもならねえ死に方しやがって……これだから無学なやつは役に立たねえンだ……」
「まだ言うかねえ、アレだけ慕ってくれてた部下じゃねぇか」
 うるせぇ、と斧を振りかざす頭目。身を守るように身体の前に刃を構え、油断なく眼前の敵を睨みつける。
「さっさと山に逃げ帰って応援を呼ぶなり金持って逃げるなり、そんな賢さがねぇから山賊にしかなれんのよ。だからワシみたいな悪党に良いように使われるってぇのを最期までわかってねえバカどもだ……だがなぁ」
 ワシにとっては、都の兵隊になり損ね、山賊なんぞに身をやつしたワシにとっては、自分で鍛えて育てた部下だったんだ。
 それは、散々奪い尽くした山賊団にとって身勝手な思いなのだろう。彼ら自身、誰かの身内の命を奪って生きながらえてきた存在だ。だが、自らの仲間たちの死に憤る頭目は知ったことかと雄叫びをあげて一成に突進する。
「連発できるおかしな鉄砲だが、みたところもう弾切れなんだろうよ! その珍しい鉄砲もワシが金に変えてやらァ!」
「チッ、そういう所察する知能はあんのかよ…………」
 一成に迫る頭目の斧。撃鉄を起こし、引き金を引いてもリボルバーはカチカチと回るだけで弾丸を吐き出さない。万事休す。頭目にとっては一矢報いる最大のチャンス。頭目の表情がにやりと歪み、次いで驚愕に目が見開かれる。
「なんてな。あいにく弾切れとは無縁でね。ポッケを叩けばあら不思議、ってなもんさ」
 ポケットを叩いて片手を突っ込めば、手の中で増えた弾丸がじゃらりと音をたてる。それをいくらか引き抜いて弾込めする一成の前で、罠に飛び込んだ山賊の頭目はもう片手から伸びるワイヤーフックで雁字搦めに拘束されていた。
「てめェ、一思いに殺しやがれ……!」
「ま、それは追々な?」


 村の脅威となる山賊団は猟兵たちの手で壊滅した。
 じきに頭目の首級を確認しに都から来る軍隊が、山に残る残党も狩り尽くしてくれるだろう。
 そうすれば、木々の実りや獣の狩り、あるいは山の水源から水路を引くなど、この村の食糧事情は改善していくはずだ。
 戦闘で荒れたぶんの後始末として片付けを手伝いながら、何人かの猟兵は自らの持てる技術を使ってより早く、より多くの収穫を得られるよう助言や協力をしている。
 それに、この村の地下には――
「色々災難だったが、蜂あるところに蜜もあり。痛い目見た分、これからはおいしい思いもしなきゃあな……ま、舐めすぎで虫歯にだけはならないようにな?」
 祝勝会と銘打った宴会に、久方ぶりに賑わう食堂で一成は村長に笑いかける。
 味の薄い、よくわからない野菜のスープを猟兵たちと共に味わいながら、村長は努力しますと苦笑した。
 山賊に脅された泣きっ面に金食い虫。しかし、災い転じて福となす。
 金食い虫がもたらした財貨の気配は、きっと真面目で勤勉な彼らを正しい幸福へと導いてくれることだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日


挿絵イラスト