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迷宮災厄戦⑥〜信じるもののために苦しみを

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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 苦痛、悲しみ、絶望、憎しみ。
 この世界にはアリスの痛みが渦巻いている。
 それを運ぶ災厄は、今は苦しみながら信じるものを見出した。
 蠢く亡霊のような何かを身にまとう、 馬のようなオウガが嘶く。
 全て、「ぱらいそ預言書」のために。

 ここは原城、虚空に浮かぶ洋風めいたサムライエンパイアの城。そこにいるオウガ達は「ぱらいそ預言書」を信奉する狂信者。
 彼らは何も恐れない。傷も、死も、何も。
 ただ己の信ずる預言書のためにその身を尽くすのみ。
 彼らは侵入者を見つければすぐに馳せ参じ、排除するだろう。


「ええと、迷宮災厄戦の戦場の一つに……原城、という場所があります。そこのオウガを倒すのに、手を貸していただけませんかー……」
 寧宮・澪が、猟兵達へと呼びかける。
 猟書家の領域へと続く道の一つ、虚空に浮かぶ城、原城。
 この原城の中にいるオウガは謎の「ぱらいそ預言書」を信奉しており、負傷も死も恐れず、捨て身で侵入者へと戦いを挑む。
 どんなに傷ついても彼らに撤退はない。死ぬまで戦い続けるだろう。
「逆に、その捨て身を利用できたら……有利に戦えるかもしれません」
 何か工夫してみてほしい、と澪は言う。
 今回殲滅してもらうオウガの群れは、アルプトラオム。かつてアリス達が受けた恐怖や苦痛、絶望に苦しみながらそれをばら撒く災厄めいたもの。
 今はその苦しみを受けながらも、「ぱらいそ預言書」のために敵対するものへと襲い掛かってくる。
「……終わりのない、苦痛、どうか終わらせてあげてください、な」
 よろしくお願いします、と澪は頭を下げて、原城へと道を紡ぐのであった。


霧野
 苦しみの先に救いがあれば、と願います。
 よろしくお願いします、霧野です。

●シナリオについて
 『迷宮災厄戦』のシナリオです。
 虚空に浮いた、洋風めいたサムライエンパイアの城「原城(はらじょう)」。その内部のオウガの群れを倒してください。
 以下の行動を行うと、プレイングボーナスがつきます。
=============================
プレイングボーナス……オウガの捨て身を逆に利用する。
=============================

 一章:謎の亡霊のようなものを纏ったアルプトラオムの群れを撃退してください。
 集団戦です。
 オープニング公開後、すぐプレイング受け付けてます。

●複数人で参加される方へ
 どなたかとご一緒に参加される場合、プレイングに「お相手の呼び名(ID)」を。
 グループ参加を希望の場合は【グループ名】を最初に参加した章にご記入いただけると、助かります。

●アドリブ・絡みの有無について
 以下の記号を文頭に入れていただければ、他の猟兵と絡んだり、アドリブ入れたりさせていただきます。
 良ければ文字数節約に使ってください。
 ◎:アドリブ歓迎。
 ○:絡み歓迎。
 〆:負傷OK。
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第1章 集団戦 『アルプトラオム』

POW   :    劈く嘶き
命中した【悲鳴】の【ような嘶き声に宿る苦痛の記憶や感情】が【対象に伝わり想起させることでトラウマ】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD   :    狂い駆ける
【自身を構成する恐怖の記憶や感情をばら撒く】事で【周囲に恐怖の記憶や感情を伝播させる暴れ馬】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    もがき苦しむ
攻撃が命中した対象に【自身を構成する記憶や感情から成る黒紅の靄】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【かつてのアリス達が抱いた絶望の記憶や感情】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

風嶺・陽
足りない……。こんなんじゃあ全然足りないんですよ……ッ!
私達の勝利の為の、礎になりなさいッ!


既に似たような依頼を終えて来てるのでテンション高めで血塗れです。
この戦争用に作った撲殺金砕棒『逢魔』を【怪力】で振り回しながら相手の挙動を【見切り】つつ【鎧無視攻撃】【範囲攻撃】ついでに【鎧砕き】込みでUCをぶち込みますよ。
相手が捨て身で来るならそこをそれ以上の力で蹂躙するまでです!

「呵々! 呵々々ッ! どうしたどうした! お前達の覚悟はその程度か! 殺る気が無いなら疾く去ねィ!」


アドリブ・絡み歓迎。
負傷描写OKです。


春霞・遙
◎○〆そっか、この悪夢も元々はアリス達が抱いた恐怖だったんだ。
それなら、きっともう目覚めてもいい頃ですよね。

【竜巻導眠符】を使用し周囲に導眠符を舞わせます。
その中をきっと脇目も振らず突進してくるオウガを符の力で眠らせ、催眠術で『有利に戦闘が運んで、アルプトラオムの攻撃で猟兵が絶望で苦しむ夢』を見せます。

符に触れなかったオウガの攻撃は出来るだけ回避して再度【竜巻導眠符】を使用。
ダメなら拳銃で眉間を狙います。

眠るアルプトラオムの拳銃で額を撃ちぬきます。
最期に自分たちが解放される夢を見てくれたらいいと思います。




 風嶺・陽(鬼刹猟姫・f06532)と春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)が現れたその場には、蠢く亡霊のような何かを身にまとったアルプトラオムがいた。
 彼らは二人に気づくと侵入者を排除せん、と悲痛な嘶きを上げて走ってくる。
 その姿はひどく苦しげで、見る者に悲痛な思いを与えてくるようだ。
 遙は悪夢のような彼らに悲しくも優しい眼差しで相対する。
「そっか、この悪夢も元々はアリス達が抱いた恐怖だったんだ。それなら、きっともう目覚めてもいい頃ですよね」
 終わらぬ苦しみから目を覚まさせるために、今一度の眠りを。
 遙が脳裏に印を思い描く。途端、手にした無地の符の束から竜巻が巻き起こった。その竜巻は導眠符をはらみ、アルプトラオム達を包んでくる。
 真っ直ぐに突進してきた彼らに導眠符は貼り付き、その足を緩める。そして眠りの淵へと導いた。
 彼らが見る夢は、侵入者が苦しむ夢。彼らの苦しみを感じて苦しむ、そんな都合のいい夢だ。
 穏やかにアルプトラオム達が眠る。苦痛から開放されて、優しい眠りに微睡んでいく。
 そして遙は眠るアルプトラオムの額を拳銃で撃ち抜いていった。どうか悪夢から目覚めますように、最後に見る夢が開放されるものでありますように、と願いながら。
 竜巻から逃れ、突撃してくるアルプトラオムに陽が突撃する。
「足りない……。こんなんじゃあ全然足りないんですよ……ッ! 私達の勝利の為の、礎になりなさいッ!」
 その体は既に他のオウガの血に塗れ赤く染まっていた。戦いに、血に高揚する勢いのまま陽は湧き上がる怒りをぶつける。これでは足りない、足りない、もっと闘争を。
 勝利のため、3mを超える撲殺金砕棒『逢魔』を持ち前の怪力で振り回す。たとえ見切られようと構うものか。
 向かってきた彼らの嘶きが突き刺さっても気に留めない。じくじくと苛むような心の傷など、高ぶったこの心には届くものか。
 迫る悪夢の馬の挙動を見据え、避けるならばそこに金棒を持ってこよう。受けるならばその体を砕こう。振り回して悪夢達を払いのけよう。
 相手が捨て身でくるのならば、それ以上の力で蹂躙するのみだ。
 振るわれた金棒はアルプトラオムを弾き飛ばし、打ち据え、黒い靄へと戻していく。
「呵々! 呵々々ッ! どうしたどうした! お前達の覚悟はその程度か! 殺る気が無いなら疾く去ねィ!」
 まさに怒れる羅刹のような形相で、陽はひたすらに悪夢を蹂躙したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

祇条・結月
「ぱらいそ」
天国、か
……信じるもののために力も、自分の心も。命だって擲ってしまえるのは、幸せなのかもしれないけど

それでも……
そういう、姿には負けれないよね

侵入者を許さない、ってことなら
待ち構えたりしないで積極的に排除に来るんだろう
そこに付け入るよ

【忍び足】で【闇に紛れる】ように少しでも見つかるのを遅らせるように潜入
それでも敵の拠点。いつまでも誤魔化せたりしないだろうけど
発見されて、攻撃を受けたら

……残念、この辺りは迎撃の準備済み(【早業】【罠使い】)
銀の糸で迎撃用のトラップを張って、冷静に仕留めていくよ

敵が突っ込んできて、嫌な気配を感じたら自分に鍵を掛けて影響を断つ

ごめん。けど、負けれないんだ




 祇条・結月(キーメイカー・f02067)は、悪夢のような馬が狂うほどに信仰しているというものを思う。
 「ぱらいそ」、即ち天国を示す言葉。
(天国、か……信じるもののために力も、自分の心も。命だって擲ってしまえるのは、幸せなのかもしれないけど。それでも……そういう、姿には負けれないよね)
 原城の一角、そこを闊歩するアルプトラオム達。送り出された結月は彼らに見つからぬようにそっと音なく歩く。暗がりに潜み、彼らを迎撃するのに向いた場所へと移動する。
(侵入者を許さない、ってことなら、待ち構えたりしないで積極的に排除に来るんだろう)
 そこに付け入る隙があるのだから。
 そうして歩くことしばし、廊下のようになった狭い道を見つける。隠れる場所が少ないそこは結月の作戦を活かせる位置だ。
 物陰を伝いながらそこに至った結月にアルプトラオム達が気づく。異質な彼を排除するために駆けてくる。
「……残念、この辺りは迎撃の準備済み」
 結月に近づく一体が転ぶ。足元に張られた鋭い銀の糸に脚を切られたのだ。押し寄せるアルプトラオム達は、通路に張られた糸に切りつけられ、その勢いを落としていく。
 結月はそんな彼らを銀の鍵で突き刺して黒い靄へと戻していく。努めて冷静に、恐怖に引きずられないように、己に錠を掛けて守りながら。
「ごめん。けど、負けれないんだ」
 苦痛に苦しみながら、信じたもののために狂った悪夢達を結月は確実に減らしていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篝・倫太郎
◎・〆
狂信者なんてな
ロクなもんじゃねぇっての

さってと、往きますか

天地繋鎖使用
近い場所に複数が纏まっている敵を指定し
纏めて先制攻撃

同時にその場から華焔刀に衝撃波を乗せてなぎ払いの範囲攻撃
攻撃には追加で破魔と鎧無視攻撃も乗せて、刃先返して2回攻撃

捨て身とか以前に理性ねぇだろ、こいつら……
ただ、まぁ……苦しいのは終わらせでやんねぇとな

敵の攻撃はフェイントを混ぜた見切りと残像で回避
回避不能時はオーラ防御で防ぎつつ
靄からの追加攻撃を狂気耐性と激痛耐性で凌ぎ
靄から出来るだけ距離を取る
距離を取る事が難しい場合は破魔と衝撃波を乗せた華焔刀で一薙ぎ

暴走して突っ込んで来るようなら
再度天地繋鎖を使用して動きを止める




 篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)はぐるりと首を巡らせた。
(狂信者なんてな、ロクなもんじゃねぇっての)
 手近な場所に纏まって集まるアルプトラオムの集団を見つけ、そちらへと向き直った。
「さってと、往きますか──其処に天地を繋ぐ鎖を穿て」
 言葉と同時にアルプトラオムの集団を指差した。気づいて走り出そうとする彼らは、天地を繋ぐ見えない鎖に阻まれて倫太郎へ近づけない。
 倫太郎はその場で華焔刀【凪】を振るう。
 音を立てて斜め上から下に振るわれたその軌道に沿って、薙刀から衝撃波を生み出した。破魔の力を乗せられたそれは、アルプトラオムの群れを纏めて薙ぎ倒す。
 振り切ったあとに刃先を返して逆に振るい、再度衝撃波を撃ちだした。先の衝撃波と同様に、オウガ達を払いのけて黒い靄へと返していく。
 薙ぎ倒された仲間も気に留めず、我が身が傷つこうと意に介さず。痛みに呻きながらも、苦しみながらも、悪夢の馬は恐れない。倫太郎を見据えて逃げる素振りも見せずに走ってくる。
(捨て身とか以前に理性ねぇだろ、こいつら……ただ、まぁ……苦しいのは終わらせでやんねぇとな)
 脇目も振らずに飛び込んでくる、苦しみの厄災を軽く回避し、倫太郎は再度華焔刀を振るう。苦痛からの開放を祈りながら。もがき苦しむオウガ黒い靄は破魔の刀の一薙で散らされる。
 倫太郎は時折天地を繋ぎながら、ぐるりぐるりと薙刀を振るい、悪夢を祓うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メアリー・ベスレム
◎〆
メアリ、痛いのも苦しいのも嫌いよ?
だからこそ、その先に待つ復讐がとっても楽しみになるんだもの
このオウガ達が待つ救い? ってそういうのとは違うのかしら

伝搬される恐怖の記憶や感情に
【呪詛耐性】や【狂気耐性】で耐えてみせ
ふぅん? この程度なの? と挑発を
【逃げ足】【継戦能力】で立ち回りながら
オウガ自身がその恐怖に、あるいは寿命の消費に
捨て身を以てしても耐えきれなくなるまで耐えきって
【雌伏の時】を終えて反撃を

……あぁ、でも駄目ね
これだけ酷いものを見せつけられたのに
あなた達を殺すのがちっとも楽しくない
だって、そんなにも苦しんでいるんだもの
良いわ、救いなんて知らないけれど
メアリがあなた達を殺してあげる




 メアリー・ベスレム(Rabid Rabbit・f24749)は絶望の刃を揺らしながら、苦痛を撒き散らす悪夢達を見る。
「メアリ、痛いのも苦しいのも嫌いよ? だからこそ、その先に待つ復讐がとっても楽しみになるんだもの」
 そんなものを抱えながら、信じるものにためにオウガ達が信じられない。
「このオウガ達が待つ救い? ってそういうのとは違うのかしら」
 アルプトラオムが恐怖を撒き散らす。この世界に呼ばれたアリスの記憶を、感情を、撒き散らし走ってくる。
「ふぅん? この程度なの?」
 小馬鹿にするような態度でメアリーは跳ねる。感じる苦痛の分だけ必ずその回避は成功する。悪夢の馬の与えてくる苦痛を甘受するこちで暴走する悪夢を回避できる。
 オウガは恐怖を感じても信じるもののためにすべて耐える。侵入者を排除せねばならない。死を恐れぬ彼らは自身の未来を払い、駆け抜ける。
 メアリーは耐えて悪夢の終わりを待ち構え、ふらついたオウガの首を一太刀で刎ねた。
「……あぁ、でも駄目ね」
 けれどメアリーに充足が訪れない。
「これだけ酷いものを見せつけられたのに、あなた達を殺すのがちっとも楽しくない。だって、そんなにも苦しんでいるんだもの」
 苦しみなど感じないオウガに、苦しみを与えて殺すのが楽しいのに。このオウガは、すでに苦しんでいるのだから。
「良いわ、救いなんて知らないけれど、メアリがあなた達を殺してあげる」

成功 🔵​🔵​🔴​

逢坂・理彦

まさかここにきてサムライエンパイアに関わる出来事が起こるなんてね。他の世界も大事だけどやはり故郷は特別だし頑張らせてもらうよ。

捨身の攻撃ね…とりあえず前に進みにくいようにお互いを繋いでしまおうか。
UC【狐火・紅薔薇】
蔦が絡まって動きにくいだろう。

…ッ俺のトラウマ、ね。故郷を滅ぼされた後悔。
だけどもう無い以上これ以上はどうしようもない。だからせめてあの世界はと俺は戦う。

じゃあ、そろそろお別れだ絡まっている敵を
墨染桜に【破魔】と【除霊】を乗せて【なぎ払い】だ。




 原城へと送り出された逢坂・理彦(守護者たる狐・f01492)は、故郷を思う。この先にいる猟書家はサムライエンパイアの侵略を目指しているというのだ。
(まさかここにきてサムライエンパイアに関わる出来事が起こるなんてね。他の世界も大事だけどやはり故郷は特別だし頑張らせてもらうよ)
 墨染桜を携えて、理彦へと走ってくるアルプトラオム達へと相対する。
 彼らは傷も死も恐れない。明確な敵へと走り寄り、排除すべく愚直なまでに走ってくる。
「捨身の攻撃ね……とりあえず前に進みにくいようにお互いを繋いでしまおうか」
 理彦の周囲に狐火が浮かび上がる。いくつもあるそれは、駆けてくる悪夢の馬達へと目掛けて飛んでいき、当たった瞬間爆発した。
 瞬間、薔薇の蔦がぐるりぐるりと理彦とオウガ達を繋ぐように絡みつき、動きを制限する。
 抵抗するようにアルプトラオムが嘶く。悲鳴のようなその声は、突き刺さるように理彦の心の傷を揺さぶった。
(……ッ)
 湧き上がるのは故郷を滅ぼされた後悔。守るべき社を破壊された痛み。
 けれど、もうそれらは存在しないものだ。
(もう無い以上これ以上はどうしようもない。だからせめてあの世界は守りたい)
 痛みを堪えて理彦は墨染桜を振り上げる。
「じゃあ、そろそろお別れだ」
 苦しみを抱いた悪夢の馬へ救済を。
 破魔と除霊の力を込めた一撃を、墨染桜に込めて薙ぎ払う。
 薔薇の蔦に絡みとられたオウガ達は、薙刀の一撃で黒い靄へと変わっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

清川・シャル
エンパイアは故郷です。守らなければと思う大事な故郷です。勿論アリスラビリンスの事も、他の世界の事も、そう思ってる方は居るでしょう。だから負けられないんです、猟兵っていうのは。
オウガの群れがせめて少しでも早く楽になれるよう、一気に攻めます。
ぐーちゃん零で威嚇射撃しながらおびき寄せて、
見切りと武器受けで避けつつ地形の利用で敵を集めます
一網打尽ってやつですね
見計らってUC起動、呪詛を帯びたなぎ払い攻撃です
骸の海へおかえりなさい、捨て身で生きた分、ゆっくり休むといいですよ




 清川・シャル(無銘・f01440)はアサルトウェポンのぐーちゃん零を携えて、原城へときりりとした表情で現れた。
(エンパイアは故郷です。守らなければと思う大事な故郷です。勿論アリスラビリンスの事も、他の世界の事も、そう思ってる方は居るでしょう。だから負けられないんです、猟兵っていうのは)
 そう負けられない、勝つべくして勝つのだ。たとえ捨て身の オウガの群れが相手であろうとも。
 苦しむ悪夢の馬が、シャルを見つけた。排除するために彼らは走り寄り、悲痛な嘶きを上げている。
 彼らの気が逸れぬよう、桃色のアサルトライフルで威嚇射撃。バララと音を立ててばらまかれる銃弾にもアルプトラオムは躊躇うことなく接近し、シャルへと向かって突撃する。
(オウガの群れがせめて少しでも早く楽になれるよう、一気に)
 一網打尽にすべく、悲痛な嘶きを聞かぬよう、周囲で一番広い場所に程よく分断するように時折銃弾をばらまいて、彼らを集めていく。
 数体ほどのグループになったところで、鬼の金棒へと武器を変える。

見計らってUC起動、呪詛[※呪詛20]を帯びたなぎ払い[※なぎ払い2]攻撃です
「骸の海へおかえりなさい、捨て身で生きた分、ゆっくり休むといいですよ」
 鬼の如くの膂力で金棒をなぎ払い、地面を陥没させながらオウガ達を薙ぎ払う。
 当たったオウガは黒い靄へと返り、後続のオウガも陥没した地面へと足を滑らせ落ちていく。
 シャルはオウガの群れが途切れるまで、金棒を振るうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミスミ・アクティブハート
◎○〆 POW

理由はどうあれ暴れまわられるのは困るんだけど、
馬仲間としては見過ごせないわよねー。
ま、せめてゆっくり眠らせてあげましょ。

敵が捨て身で突っ込んでくるなら話は早いわ、迎撃するわよ。
UC【トライストライク】を使い、
相手の悲鳴や想起させられるトラウマをそれを起こさせたオウガへの怒りを込めた怒りの咆哮で振り払いつつ、
その咆哮に当たった連中を手当たり次第に角で刺していくわよ。
【串刺し】【ランスチャージ】【貫通攻撃】ってとこね。
敵から突っ込んで来れば咆哮や突進も当たりやすいでしょうし、
近場の敵からぶっ刺していくわよ。
一応危険なときは剣による【武器受け】で何とかしたいわね。

やれるだけやりましょ。




 ミスミ・アクティブハート(しるべ無き三角獣・f27984)は三つの角を誇り高く掲げ、辺りで悲痛に嘶いている悪夢の馬を見る。彼らは信じるものを見つけ、そのために苦痛を受けるのも構わず戦うというのだ。
「理由はどうあれ暴れまわられるのは困るんだけど、馬仲間としては見過ごせないわよねー。ま、せめてゆっくり眠らせてあげましょ」
 苦痛に苛まれてると言うならば、狂ったように信じるもののために戦うと言うならば、せめてゆっくり眠れるようにミスミも戦うまでである。
 アルプトラオムがミスミにむけて高く嘶く。苦痛や悲しみ、絶望のこもった悲鳴のような嘶きは、ミスミの耳をつんざいた。同時に心にかつてのアリスの感じたトラウマを映される。
 けれどミスミはそれを良しとしない。そんな苦痛を甘受するものか、と怒りを抱き、咆哮として解き放つ。
 真正面から怒りの咆哮を浴びて一瞬竦んだオウガへとミスミは突進する。怒りの咆哮を迸らせ、頭を下げて低い位置から突進する。勢いづいて飛び込んで、頭上の鋭い三つ角でオウガを串刺し、黒い靄へと変えていく。
 オウガもすくみはすれど、足は止めず。怒りに燃えるミスミへと突進し、悲痛な声で嘶くが、それはミスミには届かない。逆に途切れぬ怒りの咆哮を受け、三つ角に串刺しにされていくのみだった。
 三つ角の駿馬が脚を止める頃には、この辺りのオウガの群れが消え果てているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジノーヴィー・マルス
アイシャ(f19187)と。

◎〆
SPD


え、何。はらいせ預言書?
他人からの急な八つ当たりを回避できるとか?…じゃなくて、ぱらいそ?
ったく、たまーにまぎらわしい単語出てくるよな、シゴトしてっと。

まぁそれはいいや。しかし敵さんは恐いねぇ。捨て身でこっち来るって?ああ、やだやだ。ちったぁ俺を見習ってサボれよ。

「怠け者は頑張らない」んだからな。こうやって捨て身の攻撃も防ぎながら、適当に第666機鋼剛拳で敵を捕まえて、で【敵を盾にする】
盾にしつつ、適宜【カウンター】でブン殴る。


アイシャ・ラブラドライト
◎〆
ジノ(f17484)と
口調→華やぐ風

ジノの肩に乗って戦場へ
えっとね、ぱらいそって、天国を表す言葉って聞いたよ
一体どんな内容の預言書なんだろうね?

でもね、私は何かを盲信したくなる気持ち、少し分かる気がする
きっと救いが欲しかったんだと思う
信じることで受ける苦しみよりも
耐え難い悲しみから目を逸らすほうが楽に思えてしまったんだろうな
悲しいけど、倒すしか救う方法はないよね

UCで相手の技を封じる
お馬さん、技を使う度に苦しそうで見てられない…
技を封じてしまえば物理的な攻撃は高く飛ぶ限り当たらない
空中からmuguetを使って攻撃
ジノの様子をよく見て、手助けができそうなことを探す
防御にはembraceで盾を




 悪夢を撒き散らすオウガの信じるものを聞いたとき、ジノーヴィー・マルス(ポケットの中は空虚と紙切れ・f17484)は一度聞き違えた。
「え、何。はらいせ預言書? 他人からの急な八つ当たりを回避できるとか?」
 彼の肩に乗ったアイシャ・ラブラドライト(煌めく風・f19187)はそれを訂正する。
「ジノ、腹いせじゃなくて、ぱらいそ」
「ったく、たまーにまぎらわしい単語出てくるよな、シゴトしてっと」
 猟兵の仕事をしていると難解な言葉やら、紛らわしい音の言葉やらに出会う機会は多い。いかんともしがたい顔でぼやくジノーヴィーにアイシャはぱらいその意味を話す。
「えっとね、ぱらいそって、天国を表す言葉って聞いたよ一体どんな内容の預言書なんだろうね?」
 Paraiso、天国を示す言葉を冠する預言書。一体どのような内容が記されているのか。苦痛を抱きながらその身を尽くせるほどに、素晴らしい内容なのか。
 ジノーヴィーも興味を惹かれなくもないが、まずは戦場を切り抜けなくてはいけないだろう。
「まぁそれはいいや。しかし敵さんは恐いねぇ。捨て身でこっち来るって?ああ、やだやだ。ちったぁ俺を見習ってサボれよ」
「でもね、私は何かを盲信したくなる気持ち、少し分かる気がする。きっと救いが欲しかったんだと思う」
 存在している限り苦しみを感じ、痛みを集めて、絶望へ沈み、それを厄災として撒き散らす。そんなオウガであるが故になおさら救いを望んだのかもしれない。
「信じることで受ける苦しみよりも、耐え難い悲しみから目を逸らすほうが楽に思えてしまったんだろうな……悲しいけど、倒すしか救う方法はないよね」
「まあな。……さて、やりますか」
 そうして話しているうちに、二人はアルプトラオムのいる一角へと現れる。
 悪夢の馬は二人に気づいた途端、向かってきた。恐怖の記憶を撒き散らし、暴走する暴れ馬としてジノーヴィーへと突っ込んでくる。
「まあ、怠け者は頑張らないんだからな」
 その突進に対して無防備に、ぼんやりするジノーヴィー。ただだらんと両の腕を垂らしてひたすらにサボる。そんなやる気のなさが周囲にも伝わって、必死の心持ちのオウガの脚を少しだけにぶらせた。
 そんな彼らに、高く飛ぶアイシャの声が届く。
(お馬さん、技を使う度に苦しそうで見てられない……)
 優しく慰めるようなその歌が届いたアルプトラオムの体から湧き出る黒紅の靄が、鎮まっていく。
 しかし彼らは己の力を封じられても戦うことをやめない。ただ己の信じる預言書のために、侵入者を排除しようとひたすらに突進してくる。
 アイシャはそんな彼らに対してmuguetを振るう。周囲に響く嘶きや、彼女の歌から生まれた衝撃波がアルプトラオムを薙ぎ払い、黒い靄へと変えていく。
 ジノーヴィーただ怠けることで、アルプトラオムの突進を防いでいる。そんな中、たまたま目前でよろめいた一体を、背後に背負った第666機鋼剛拳で捕まえた。
 その間にも突進してきた悪夢の馬を、掴んだ一体で盾にして防ぎ、同時にカウンターで殴り飛ばす。
 ジノーヴィーの死角からの攻撃は、アイシャがembraceで防ぎ、手助けをする。
 息のあった二人の連携で、この一角のオウガは殲滅されるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月03日


挿絵イラスト