迷宮災厄戦③〜異形の強欲(作者 鶺鴒
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 そこは、二つの事象を除けばごく普通の森であった。
 一つは真昼間だというのに、薄暮の如く黄昏の光が、全てを橙色に染めていること。
 もう一つは無数の牙を持つ毒々しい体色の巨大な芋虫が、森の中を徘徊していること。

 ギチギチ、ギチギチと、森の中には常に不快な音が鳴り響いている。
 それは異形の芋虫が発する声、或いは音。
 ただでさえ嫌悪感を催す外見だというのに、更に背中からは乱雑に人間の腕が生えていて、より一層醜悪さが増している。
 不快な雑音は、その腕から発せられているようにも聞こえるものであった。


「召集に応じて貰えてありがたいのです」
 小さな妖精、ウーナ・グノーメ(砂礫の先達・f22960)は、翅を煌めかせながらグリモアベースに集った猟兵へとお辞儀をした。
「既にご存知だとは思うのですが、アリスラビリンスで大規模な戦闘が継続中なのです。今回、あなた方に赴いて欲しいのは、どの時間帯でも夕闇に覆われた森なのです」

 猟兵に手渡された資料には、『グリードキャタピラー』と呼称される異形の芋虫が記載されていた。これはどこからともなく集団で現れ、アリスを喰らおうとするオウガで、グリモア猟兵に襲来を予知された数も多い。
 だが、ウーナが言うには今回のグリードキャタピラーは様子がおかしいらしい。

「今まで出現、討伐されたグリードキャタピラーとは異なり、彼らには『人間の腕』のような部位が、背部から生えているのです。これにより、木々によじ登っての奇襲や、武器や飛び道具を受け止めるなどの行動を行うようなのです」
 グリードキャタピラーは多くのアリスを喰らうことで、より恐ろしい存在へと成長するかもしれない、と噂される不気味なオウガである。
 今回、予知された個体群がその『成長』によるものなのか、或いは別の因子による変異体なのかは定かではない、とのことだ。

「いずれにせよ、今までのグリードキャタピラーよりも強力な個体であることは確かなのです。腕以外の変異は見られないので、腕への対抗手段があれば有利に戦えるはずなのです。決して油断せず、気を引き締めて挑んで欲しいのです」
 例えば、最初に腕を削ぎ落とす、或いは腕を使った行動を逆利用するなどの手段が有効になるだろうか。もっとも、それらを考えるのも猟兵の仕事であり、ウーナは混乱を招く余計な情報を与えることは避けた。

「ブリーフィングは以上なのです。わたしはあなた方の勝利を確信しているのです」
 グリモアが輝き、世界を渡るための門が開かれた。
 妖精は今回も一度も表情を変えることなく、猟兵達を見送るのだった。


鶺鴒
 2020年8月よりMS活動を開始させて頂きました、鶺鴒(せきれい)と申します。
 まだまだ初心者ではございますが、皆様の活躍を精一杯描写させて頂きたく思います。

 本シナリオは一章完結の戦争シナリオとなっております。全体のルールはトップページを参照下さい、シナリオとしてのルールに変化はございません。
 此度の舞台は、夕闇に支配された森となっております。
 また、ここに登場するオウガはユーベルコードによる攻撃以外に、拡張された身体部位による攻撃や防御を常に行います。
 この依頼に出現するグリードワームは、背中から人間の腕が生えており、立体的な移動や真剣白刃取りなど、芋虫ならぬ行動を多用します。

 補足として増殖した部位への対処、今回の場合は『腕への対処』を活かした戦略的なプレイングにはボーナスが付与されます。

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちさせて頂きます。
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第1章 集団戦 『グリードキャタピラー』

POW ●キャタピラーファング
【無数の歯の生えた大口で噛みつくこと】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD ●脱皮突進
【無数の足を蠢かせての突進】による素早い一撃を放つ。また、【脱皮する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ ●汚らわしき蹂躙
全身を【表皮から溢れる粘液】で覆い、自身が敵から受けた【敵意や嫌悪の感情】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


メテオラ・エルダーナ
うわー……
見てるだけで食欲なくなっちゃいますね…
でも、これなら倒すのに躊躇はいりませんね!
まあ可愛くても斬っちゃいますけど!

遠距離攻撃がないなら距離をとればOK!
突進は【スライディング】で手のない腹側に回避しながら、
炎の【属性攻撃】で木々を焼き払って、手を使った機動力を削ぎましょう!

無理に斬りかかっても剣は受け止められちゃうかも。
それなら「掴めないもの」で攻めれば関係ないですよね?

『ライトニング・スパイク』で敵を正面から斬りつけます。
受け止められなければもちろん、受け止めても衝撃波で丸ごと吹っ飛ばしちゃいますよー!


「うわー……見ているだけで食欲なくなっちゃいますね」

 メテオラ・エルダーナ(まほうつかいキャット・f05337)はグリードキャタピラーを前に独り言ちた。しかし、これなら倒すのに躊躇はないと言うもの。もっとも、愛くるしい外見であろうと打ち倒すのが猟兵というものであるが。

「ギュ、ギギィイ!!」

 グリードキャタピラーの一体がメテオラの存在を感知して、威嚇音のような叫びを発し、上体をもたげた。そしてわさわさと無数の脚を蠢かせ、芋虫とは思えない猛スピードでメテオラに向かって突進する。

「おっと危ない! 遠距離攻撃がないなら、距離を取らせて貰いますよ!」

 メテオラは華麗なスライディングで突進を回避、そのまま距離を取る。グリードキャタピラーは急には止まれないと思われたが、しかし歪な腕部を用いて樹木を掴むことで回転するようにブレーキをかけ、そのまま樹の幹をぐるぐると回るように登り始めた。今度は空中から襲い掛かろうという心算なのだろう。

「させませんよー!」

 その瞬間、グリードキャタピラーの登る樹が黄昏の中で尚赤く染まった。メテオラの放った生の樹木すら焼き尽くす炎の属性を宿した一撃が、樹を包み込んだのだ。

「ギャキ、ギャヒッ! ギャキィキキキ!!」

 炎に包まれたグリードキャタピラーは思わず樹から落下し、哄笑とも絶叫ともつかない不気味な声を発しながらのたうち回った。

「わー、気持ち悪……ですが、これでトドメです! まばたき禁止!です!! まばたきできるならですが!!」

 メテオラは瞬時に距離を詰めて、斬撃を見舞う。グリードキャタピラーは態勢を立て直し、腕部でそれを受け止めようとするが……彼女が放ったそれは不可視、もっと言えば実体を持たない衝撃波だ。

「ギッ!」

 衝撃波がグリードキャタピラーを超音速で駆け抜けると、芋虫の動きがピタリと止まった。まるで手を合わせて祈るような格好が数秒続いた後、ゆっくりとその毒々しい体は両断され、左右へと崩れ落ちるのであった。
大成功 🔵🔵🔵

グリムグラム・グルーム
POW

アリスラビリンスは奇妙な世界と聞いていたけれど、まさかここまでとは。カクリヨファンタズムよりも不思議な世界があるなんて思わなかったわ。
あの芋虫もすごく醜悪。……醜悪よね?私の美的センスが時代遅れなわけじゃないわよね?なんといったかしら。キモ…カワ?とかいうのではないのよね?
むぅ、カクリヨは世界自体が時代遅れの塊なんですもの。仕方ないじゃない。

人間の腕が生えている?
私をどうこうしようなんて悪い手ね。
捥いでしまいましょうか。

『力尽くでなんとかする』わ。
手を握り返して、思い切り木々や他の芋虫たちに叩きつけましょう。振り回して千切れ飛んだら次の芋虫を捕まえるわ。
私、蹂躙って少し得意なの。少しね?


「アリスラビリンスは不思議な世界と聞いていたけれど、まさかここまでとはね」

 夕闇に支配された森と、蠢く芋虫を見てグリムグラム・グルーム(デモンズソウル・f27998)は呟いた。カクリヨファンタズムも大概不思議な世界であるが、アリスラビリンスの突飛さ、纏まりの無さとはまた方向性が違うもの。

「あの芋虫もすごく醜悪。醜悪……よね? 流行りのキモカワとかではないわよね? あーもう、仕方ないじゃない! カクリヨは世界単位で時代遅れなんですもの!」

 誰に指摘されたわけでもないのに、グリムグラムは感情を昂らせる。確かに、キモカワという概念すら流行の最先端かと言われると非常に微妙なものなのであるが。

「ギッ、キキキキィ!!」

 そしてグリードキャタピラーの一体がグリムグラムを補足して、飢餓が満たされる喜びの声をあげた。しかしそれは見方を変えれば、嘲笑のようにも聞こえるもので。

「何だか腹が立ってきたわね。その腕で私をどうかするつもり?」

 芋虫がその問いに答えることは当然なく、大口を開いて噛み砕こうと急接近をしてきた。しかしグリムグラムは動ずることなく、逆に上顎を掴んで、口が閉ざされる前に思い切り地面へと叩き付ける。

「あら、強引なのはお嫌いかしら?」

 ニヤリ、と笑いながら再び手を伸ばし、言葉通りに強引に掴みかかろうとするが、芋虫の背から生えた腕がその手を掴み、それを阻止しようとする。

「私をどうこうしようだなんて、悪い手ね。捥いでしまいましょう」

 グリムグラムにとって、それは掴む部位が変わっただけの話であった。無茶苦茶に振り回され、木々や地面に叩き付けられ、頭陀袋のように引き摺り回されると、嫌な音を発して腕が千切れ、そして芋虫自体も動かなくなった。

「あらあら、もう壊れちゃったの? なら次の玩具を見つけなくちゃ。悪魔らしく、ね」

 ニヤリ、と笑みを浮かべたグリムグラムは他の芋虫へと目を向ける。
 敵の数は多い、彼女が憂さ晴らしに事欠くことはないだろう。
成功 🔵🔵🔴

御形・菘
妾は基本的に、誰であっても外見をディスることはせんよ
はっはっは、実にブッ飛んだビジュアルではないか
キモカワを極めんとするその有り様、イイ感じであるぞ!

なるほど、ただボコろうとすると、腕を使ってガードや回避されるということか
噛み付かれるのはあまり気にせん! 妾の左腕の、必中必殺の距離であるからな
しかし、いいようにやられてカウンター狙いに徹するのは、動画構成的に面白くあるまい?

手腕の動きを読むのは妾の得意技よ
握手をしてきた回数は誰にも負けんぞ? 至高の握手テクに感動せい!
右手で優しく握ってやって…持ち上げてブン回す!
そのまま武器にして、お仲間に対してブチ込んでくれよう!
もちろん左手は左手でボコる!


「はっはっは! 実にブッ飛んだビジュアルではないか。キモカワを極めんとするその有り様、イイ感じであるぞ!」

 豪快に笑う御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は、他の猟兵とは対照的にグリードキャタピラーの容姿を褒め称えた。菘自身が異形寄りの存在であるためか、彼女は他人の外見をディスる(※貶したりすること)は、基本的にしないのだ。

「さて、妾は噛み付かれることはあまり気にせん! その間合いは妾にとっても必殺の間合いであるからな! が、しかし……」

 菘には懸念が一つあった。噛み付き、噛み付かれという泥臭い戦いは『動画映え』しないと。効率よりも見栄えを優先するのは、キマイラフューチャーの住民の宿命とでも言えるべきものである。

「で、あるならば。ここはスターらしく握手会に興じてやろう! 安心せい、握手をしてきた回数は誰にも負けん。優しく優しく握ってやろうぞ」

 菘を喰らい尽くさんと、大口を開いて突進してきたグリードキャタピラーを宣言通りにひらりと回避。手腕の動きを読むのは彼女にとって十八番であり、これもまた宣言通り、歪に生えた手を優しく握ってやるのである。

「もっとも、優しくするのは握るところまでだがなぁ! 見せてやろう、妾の握手力を! そして涙を流して喜ぶが良い! これがファンミーティングの頂点よ!」

 軽々と芋虫の体を持ち上げてその体をぶん回し、即席の武器と為して他の芋虫も巻き込んで次々と蹴散らしていく。その様は彼女が邪神と自称するのも肯ける威迫であった。

「そして! 左手は左手でそのままボコる!!」

 握手会(物理)を行なっていた右手はそのまま樹木の幹へと叩きつけ、所謂壁ドンのような格好になった。だが、行われるのは告白などではなく、巨大な左手でラッシュを仕掛ける無慈悲なサンドバッグ化だ。

「うむ、妾のファンサービスに歓喜の震えが止まらんようだな! 良い良い、金など取らぬぞ! お題は命で結構! さて、次のファンへと『握手』をせねばなぁ!」

 ピクピクと震え、やがて動かなくなった芋虫を尻目に、次の獲物へ向けて舌舐めずりをする様はまごうことなき邪神のそれ。心なしか、他の芋虫も動揺している素振りを見せているように見えた。
大成功 🔵🔵🔵

春乃・結希
私小さい頃、あなた達に良く似た芋虫が主人公の絵本、好きだったよ
あの子は可愛かったけど……あなたはあんまり可愛くないね

噛み付かれても、『wanderer』での蹴りで無理やり引き剥がす【激痛耐性】【怪力】
負傷はブレイズキャリバーの炎で補完出来るから
何匹に囲まれても絶対に退かない【覚悟】

腕で止めようとしても、それごと叩き潰す
UC発動
全力で叩き付ける【怪力】【重量攻撃】
受け止めた腕を破壊するだけの威力はあるはず
一度で本体に届かなければ、全部の腕が使い物にならなくなるまで
何度でも叩きつける【鎧無視攻撃】

その程度で、止められると思わないで
あなたのはらぺこは、満たされる事は無いよ


「小さい頃、あなた達に良く似た芋虫が主人公の絵本、好きだったよ。あの子は可愛かったけど……あなたはあんまり可愛くないね」

 グリードキャタピラーの群れに囲まれながらも、悠々と言葉を紡ぐ春乃・結希(withと歩む旅人・f24164)。それは余裕とも見える態度であったが、しかしその内にあるのは確かな覚悟であった。

「ギャキヒィ!!」

 芋虫共が一斉に飛びかかり、跡形もなく喰らい尽くさんと大口を開く。しかし全身を超威力の噛み付きで捕らえられ、血飛沫が上がっても結希は全く動じない。結希の強い激痛への耐性の賜物だ。そして、彼女がゆらりと片足を持ち上げると、ポン!という妙な音と共に、芋虫の一体が蹴り飛ばされた。

「しゃーしい」

 それは結希の怪力と、蒸気仕掛けのブーツ『wanderer』との合わせ技によるもの。先程の音は、圧縮された空気が吹き出る音だ。そしてまだ、複数の芋虫が身体に噛み付いたままだというのに、恐るべき怪力によって鉄塊剣『with』を吹き飛んだ芋虫に叩き付ける。

「ギ、ィ!!」

 芋虫は腕でそれを受け止めようとするも、それは剣と呼ぶにはあまりに重く、あまりに乱雑な鉄塊。受け止めた腕ごと破砕され、芋虫は原型を留めぬ程の肉塊と化した。

「これがwithと私の全力。あなた達も味わってみる?」

 withを振り回し、体に噛み付いた複数の芋虫を吹き飛ばす。生々しい傷跡は、ブレイズキャリバーの持つ炎が塞いでいく。それは地獄の炎であり、彼女は地獄を体現する者。業火に覆われたまま、弾き飛ばされる芋虫共に結希は静かに言い放った。

「その程度で、止められると思わないで。あなた達のはらぺこは、満たされる事は無いよ」
成功 🔵🔵🔴

フィランサ・ロセウス
あらあら?その手で武器を受け止めることも出来るのね!とっても賢いわ!
それじゃあ…これも受け止められるわよね?
(武器による攻撃と見せかけ【だまし討ち】の手枷を嵌め、猿轡と拘束ロープで縛り上げる【咎力封じ】)
動きを封じたら、余計な手は切り取っちゃいましょうねー?(【部位破壊】)
あはっ、やっぱり芋虫は手なんてないほうが可愛いわ!
さあ、さあ、もっとおいで?
みんなピン留めの標本にしてあげる♥️
(手を喪った個体は拾った枝、又はシャベル等の長柄の武器で【串刺し】にする)


「あら? あらあら? その手で武器を受け止めることもできるのね! とっても賢いわ!」

 薄暗がりに支配された森の中に似つかわしくない、明るくハキハキとした鈴を転がすような声。フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)は口角を吊り上げて、大袈裟にグリードキャタピラーを称えていた。

「私、あなたのようなキュートな芋虫は好きよ! 私の好き、受け止めて! もちろん、受け止めてくれるわよね?」

 フィランサは素早く距離を詰め、武器を振り下ろした。それに素早く反応した芋虫は両手で受け止め、防御する……はずだった。

「ふふっ、引っかかーった❤️」

 それは武器ではなく手枷。彼女のユーベルコードが生み出した、攻撃力を削ぎ取る拘束具。彼女は武器を振り下ろすと見せかけた騙し打ちで、その両腕を枷で封じたのだ。

「はーい、そのまま猿轡とロープも使って、動けなくしちゃいましょうねー。うふふっ、縛られてるあなたもとってもキュートよ! でもー、ちょっと余計なモノがついちゃってるわね?」

 フィランサは完全に動きを封じられ、ユーベルコードも発動できなくなった芋虫の両腕を、容赦なく叩き落とす。猿轡越しにくぐもった絶叫が響き渡った。

「あはっ、やっぱり芋虫は腕なんてないほうが可愛いわ! 今のあなたはさっきよりもーっと好きよ!」

 その言葉と共に、芋虫をシャベルで串刺しにして樹の幹へと縫い止め、トドメを刺す。一瞬の躊躇いも油断もなく、恍惚の笑顔を浮かべたままに。磔にされ、痙攣していた芋虫が動かなくなると、今度は別の芋虫に笑顔を向ける。

「さあ、さあ、もっとおいで? みんなピン留めの標本にしてあげる❤️ そうすれば、ずーっとそのキュートな姿のままでいられるでしょう? もう、好き好き! あなた達全員、大好きよ!」

 否、それは恍惚の笑顔などではない。もっと悍しい何かであった。
成功 🔵🔵🔴

かくして、奇妙な森の異形の芋虫共は駆逐された。
後に残るは、奇妙な夕暮れが支配する森だけであった。
木々の騒めきとカラスとヒグラシの鳴き声しか、聞こえる音はもうない。

最終結果:成功

完成日2020年08月02日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴