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迷宮災厄戦⑦〜知識をむさぼる強欲のオウガ(作者 青葉桂都
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●大図書館に潜むもの
 アリスラビリンスに存在する世界征服大図書館には、その名のごとく世界征服に関する様々な書物が収められている。
「ふふふ……今、すべてがわかりましたわ」
 その一角で1体のオウガが書を読みふけっていた。
 赤い着物に、独特な形をした頭飾りをつけたオウガ――『七罪』強欲のかぐや姫。
「今こそこの私がすべてを手に入れるとき。この世のすべてを私のものにしてさしあげましょう」
 その欲望のままに、かぐや姫は大図書館の知識をむさぼり続ける。
 世界のすべてを手に入れるために……。

●オウガを討て
 アリスラビリンスにて迷宮災厄戦が開始された。
「猟書家とオブリビオン・フォーミュラの両方を相手にしなければならないというのは厄介な話ですが、なんにせよまずは暗躍するオウガたちを倒さなければなりません」
 集まった猟兵たちに、白金・伶奈(プラチナの先導者・f05249)は告げた。
 伶奈が予知したオウガは『世界征服大図書館』に出現しているという。
「世界征服に関するあらゆる書物が集められたこの図書館の国で知識を得ることで、オウガはパワーアップを遂げています」
 数多の書物に記された『悪役らしい台詞・行動』を実践することで、通常よりもさらに高い力を得ているのだ。
「しかしながら、対抗手段はあります。世界征服大図書館には、征服の障害である正義の味方について記された『正義の書』も存在するのです」
 猟兵たちは『正義の書』を読み、『正義の味方らしい台詞・行動』を実践することでオウガに対抗する力を得ることができるのだ。
 正義の味方らしい行動は少しばかり恥ずかしいものもあるだろうが、世界のためなのだからがんばって欲しいと伶奈は言った。
「さて、わたくしが予知したオウガですが『七罪』強欲のかぐや姫です」
 その美しさとユーベルコードによって世界を手に入れることすらできるという『強欲』にとりつかれてしまったオウガだ。
 肉体を非実体化して霊薬による超再生能力を得た上で、敵に無理難題を強制するというユーベルコードを使用する。
 また、時を逸脱して攻撃するユーベルコードや、浴びた者を弱体化する光を放つ月による範囲攻撃のユーベルコードも使えるようだ。
「当然ながら、彼女は大図書館の書物によって得た知識をもとに行動してきます。対抗するためには、先ほども伝えた通り『正義の書』を参考に行動する必要があるでしょう」
 伶奈は静かに言った。
「いつになく厄介なルールの戦争ですが、目の前の敵を倒していくことで猟兵の皆様ならば必ず道を切り開けると信じています。どうぞよろしくお願いいたします」
 そう言って、彼女は頭を下げた。


青葉桂都
 おはようございます、青葉桂都(あおば・けいと)です。
 今回はアリスラビリンスの戦争で、オウガとの戦いに参加していただきます。

●シナリオについて
 当シナリオはフラグメント1つだけで完結する戦争シナリオです。
 戦場は『⑦世界征服大図書館』になります。

 猟書家やオブリビオン・フォーミュラの元へ向かうために撃破する必要があるほか、戦力を余分に削ることでオブリビオン・フォーミュラの戦力を低下させることができます。

●『七罪』強欲のかぐや姫
 ボス戦で戦う敵で、七罪によって歪められてオウガとなった女性です。
 非常に美しい外見をしています。その美しさとユーべるコートによって『強欲』の罪に憑りつかれています。

●戦場について
 この戦場となる図書館には『正義の書』が存在しています。
『正義の書』に記されているような、正義の味方らしい言動を行うことでプレイングボーナスを得ることができます。

 それでは、ご参加いただければ幸いです。
 どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『『七罪』強欲のかぐや姫』

POW ●シャイニング・プリンセス(かぐや姫の物語)
【敵に不利になる無理難題(ルール)の強制】【肉体を一時的に影に変化させる非実体化能力】【不老不死の霊薬による超再生・超回復】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD ●時の逸脱者
【一度に3秒程時間停止して自由に攻撃する力】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ ●常時発動型UC『輝く月の恩寵』
【UCの月から技能とUCを6分の1にする光】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフレミア・レイブラッドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


フィロメーラ・アステール
「これ以上、お前の好きにはさせないぞ!」
とりあえず高い所から登場するぜ!
正義の味方と煙は高い所が好き……だっけ?

とうっ!
掛け声とともにジャンプして【存在感】を放つかっこいいポーズを取りながら、ワイヤーアクション風にスイーっと【空中浮遊】する【パフォーマンス】を披露!
無駄に敵を飛び越えて振り返り、名乗りを上げるぜ!
このフィロメーラ・アステールが相手になってやる!

敵の月の光は【気合い】を込めた【オーラ防御】にて防ぐ!
なかなかいい光じゃないか、だが世界じゃあ二番目だ!
(光の妖精なので反射【カウンター】するともいう)

正義の光を見せてやる!
【スーパー流れ星キック】発動!
キックは正義の味方の得意技だぞ!


鈴木・志乃
お前の悪事もそこまでだ!!
(ヒーローが駆けつける時の超典型的な台詞で登場)
世界もこの国もお前の物じゃない、皆の物だ。
世界を蹂躙しようとするなら、私達猟兵が許さない!!
(古典的な言葉を並べ連ねるCF出身の役者。前を開けた黒パーカーをマント代わりに翻している。恥ずかしさは戦争中はかなぐり捨てる物。)

(何か周囲に守るべき物、人がいれば庇うよ。高速詠唱でオーラ防御張るのもヒーローらしいんじゃないかな。あれ、普段やってることと変わんないな?
苦しい思いをしても絶対諦めない。ヒーローとは諦めないものである。
全力魔法で拡声した大声によるUC歌唱の衝撃波で、敵の良心に訴えながら攻撃。)
皆が幸せになれますように。


●正義の書に導かれ
 世界征服大図書館。
 数多の書物に埋め尽くされたこの場所で、今戦いが始まろうとしていた。
「くっくっくっ、これで世界はこのかぐや姫のもの……」
 悪巧みをするオウガがほくそえむ。
 そこに、猟兵たちが到着した。
「お前の悪事もそこまでだ!!」
 力強く声を発したのは鈴木・志乃(ブラック・f12101)だ。
 役者でもある彼女の立ち姿は、あたかも英雄物語に語られるヒーローのようでもあった。
「これ以上、お前の好きにはさせないぞ!」
 そしてもう1人。
「何やつ!?」
 後方から聞こえた声に、かぐや姫が振り向く。
 本棚の上に立っていたのは幸運を呼ぶ妖精、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)。
 正義の味方と煙は、高いところが好きなのだ。
「とうっ!」
 背中に羽根が生えているのに、あえて跳び降りるのが様式美。
 空中でカッコいいポーズをとりながら敵の頭上を飛び越えて、そしてフィロメーラは羽をうまく使って滑るように志乃の横へと降り立つ。
「このフィロメーラ・アステールが相手になってやる!」
 そして、フィロメーラは高らかに名乗りをあげた。
 妖精の着地を待って、志乃は前を開けた黒いパーカーをマントのごとくひるがえす。
「世界もこの国もお前の物じゃない、皆の物だ。世界を蹂躙しようとするなら、私達猟兵が許さない!!」
 志乃は即興でフィロメーラの動きに合わせ、見栄を切る。
 内心では少し恥ずかしいのだが、戦争に勝つために羞恥心はかなぐり捨てている。
「ふっふっふ、面白い。貴様らごときがこの『強欲』のかぐや姫を倒せるかどうか……試してみるがいい!」
 女性悪役がよくやるように、胸を強調する位置で腕組みをしてかぐや姫が笑い声をもらす。
 その頭上では、月が禍々しく輝いていた。
 月の光が猟兵たちに襲いかかる。
 物理的な重圧すら感じるほどの光が、猟兵たちを襲う。
「なかなかいい光じゃないか、だが世界じゃあ二番目だ!」
 フィロメーラが叫んだ。
 志乃と共に、オーラを集めて身を守る。
「ふっ……余裕がいつまで続くかな。我が恩寵を受けし月の光は、私と同じく強欲だぞ?」
 光が2人のオーラを徐々に侵食していく。
 オーラだけではなく、猟兵たちの技や能力が弱体化させられているのだ。
 志乃は1歩前に出て、フィロメーラをかばう。
「諦めないよ。ヒーローは、諦めないものなんだ」
 苦しい中で息を吸い込む。
「全ての生命と意志を守ろう、『───』!」
 全力の魔法で声を拡大し、志乃は生命の讃歌を歌い上げる。
 響くのは友との約束。生きとし生けるものを守る歌が衝撃をともなってかぐや姫へと届く。
 失ったはずのかぐや姫の心に、語りかけるように、志乃は歌った。
 強欲なる月の前ではその力も6分の1となる……が、それでも、わずかの間、志乃の歌が月の光を封じ込める。
 その隙を逃さず、フィロメーラが動いた。
「正義の光を見せてやる!」
 宇宙速度に達するほどの加速で、図書館の書物を巻き上げながら妖精が上昇する。
「スーパー! 流れ星!! キーーーック!!!」
 月に勝るとも劣らぬ輝きと共に、フィロメーラはかぐや姫に向けて降下していく。
「キックは正義の味方の得意技だぞ!」
 小柄な妖精のキックとはとても思えない、隕石落下にも比類する衝撃を受けて、かぐや姫の動きが止まった。
 吹き飛んでいくかぐや姫の心へ、志乃はなおも歌いかける。
(皆が幸せになれますように)
 祈りを込めた歌は、図書館の中を静かに広がっていく。
 けれど、かぐや姫の心はいまだ強欲にとらわれたままだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

エンティ・シェア
正義、正義か
正義とは誰が定義したものか
さておき、本に書かれたとおりに振る舞えというのなら、それは得意分野だ
私の口先と演技力を披露するとしよう

なんとも強欲なかぐやの君
美しい顔で全てを欲するとは何たることだ
君にあげられるものなんてなにもない
私は全てを守るためにここにいる
欲しいならば私を倒していくことだ
私は、君のような悪の前には屈しないとも!

いい感じに演説したら「僕」に変わろう
欲しがるばかりで醜い顔を御覧なさい
悪には悪の矜持があるものでしょうに
ただ奪い尽くすだけなど、悪党の風上にも置けませんよ
彼女の悪を否定して力が削げればよし
出来ずとも、怒らせられたならそれで十分
色映しで、残さずお返ししましょう


箒星・仄々
強欲により歪められたとは
お可哀想に

最早元に戻して差し上げられませんが
せめて早く海へとお還しして差し上げたいです

弦や剣に属性魔力を宿し攻撃

翠の音や花萌の刃:風
緋の音や銀朱の刃:炎
蒼の音や紺碧の刃:水

三魔力の旋律や剣戟で畳みかけます

正義の書
空飛ぶランさんから
颯爽と飛び下り登場
とぉっ

ポーズをキメて名乗り
ケットシーのシンフォニア!
黒猫の魔導楽士!
箒星仄々!
魔法を使って背後でカラフルな爆発

攻撃の度に技名を叫ぶ

魔力の盾で仲間を庇う

かぐやさんが膝をついたら
他PC様との合体技でトドメ

かぐやさんが消滅し始めたら
くるりと背中を向けて帽子を目深にして
アデューと呟く

事後は竪琴を奏でながら一人去っていく
静かな眠りを


●正義の定義
 数多の本が立ち並ぶ図書館で、赤髪の青年は書をながめていた。
「正義、正義か。正義とは誰が定義したものか」
 エンティ・シェア(欠片・f00526)は『正義の書』の1冊を読み、呟いた。
「さておき、本に書かれたとおりに振る舞えというのなら、それは得意分野だ。私の口先と演技力を披露するとしよう」
 書を棚に戻して、エンティはオウガのほうを向く。
 1人のケットシーが、ソードフィッシュのカッツェンランツェに乗って強欲のかぐや姫へと接近しているところが見えた。
「強欲により歪められたとは、お可哀想に」
「何者だ!」
「とぅっ!」
 誰何の声に答えるよりも前に、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、大きな帽子を押さえながら颯爽とソードフィッシュの上から床へと飛び降りた。
 ケットシーにぴったりの帽子につけられた箒星風の飾りが静かに揺れる。
「ケットシーのシンフォニア! 黒猫の魔導楽士!」
 背後でカラフルな爆発が巻き起こる。あたかも『正義の書』に記された記載を再現するかのごとく。
「箒星仄々!」
 その前で、ポーズを決めた仄々が名乗りをあげた。
「最早元に戻して差し上げられませんが、せめて早く海へとお還しして差し上げましょう」
 細身の魔法剣を構えて、仄々はオウガと対峙する。
「ふふ……私がいかに強欲といっても、哀れみは欲していないわよ、猟兵」
 かぐや姫は口元を隠して鈴の音のような声で笑った。
「でも、心配してくれたお礼に、あなたのためのルールを考えてあげたわ。私にひざまずいて戦いなさい」
 扇を向けられると、仄々の膝が突然くずれた。
 手にした扇を振り上げて、かぐや姫はそれをケットシーに振り下ろそうとする。
 だが、そこにエンティが割って入った。
「なんとも強欲なかぐやの君。美しい顔で全てを欲するとは何たることだ」
 杖で扇を受け止めると、鈴の音が響いた。
「君にあげられるものなんてなにもない。私は全てを守るためにここにいる」
 とはいえ、エンティは止めただけで攻撃はしない。それは『私』の役目ではない。
 エンティが飛び退くのと同時に、かぐや姫もまた跳躍して距離をとる。
「欲しいならば私を倒していくことだ。私は、君のような悪の前には屈しないとも!」
 言葉を終えた瞬間、エンティの気配が変わった。
『私』から『僕』へと人格が変わったのだ。
 そして、かぐや姫がエンティを警戒した隙に仄々も動いていた。
「助けてくださって感謝しますよ。一緒にこの方を海へと還してさしあげましょう!」
 ひざまずいた姿勢を強制されたまま、それでも彼は蒸気機関式の竪琴を展開する。
「お見せしましょう! トリニティエンハンス!」
 翠の音が風をはらんでかぐや姫へと襲いかかった。
 他の猟兵たちも合わせて攻撃する。
 影と化して攻撃を防ごうとするかぐや姫だが、仄々は実体化したところに炎を宿す緋の音や、凍結する蒼の音で追撃を加える。
「素敵な竪琴ね。あなたを倒せば、それが手に入るのかしら」
 苦しい体勢から攻撃している仄々へかぐや姫が扇を向けた。
「それよりもあなたに必要なのは鏡でしょうね」
 エンティが言った。
「私が醜いとでも!?」
「欲しがるばかりで醜い顔を御覧なさい。悪には悪の矜持があるものでしょうに」
 たたみかけるように、『僕』は言葉を続ける。
「ただ奪い尽くすだけなど、悪党の風上にも置けませんよ」
「黙りなさい! ならば私の美しさを月の光とともに教えてあげるわ!」
 かぐや姫の頭上で月が輝いた。
「怒りましたね。では、その感情、お返ししますよ」
 エンティの前に鏡が現れる。
 月の光がなめらかな表面に映り込んだかと思うと、激しい衝撃波がかぐや姫へ向かって飛び出した。
「そんなっ!?」
 かぐや姫が膝をついたところに、仄々は図書館の床を強く押して体を無理やり跳び上がらせる。
「皆さん、今です! トリニティエンハンス!」
 護拳に箒星の象嵌が刻まれた剣を銀朱の炎に染めて、彼はかぐや姫を突き刺した。
 エンティを含め、他の猟兵たちも月の光を浴びながら一斉に攻撃する。
 かぐや姫の悲鳴が響いた。
「アデュー……と、言ってさしあげるのは、もう少し後のようですね」
 帽子を目深にかぶり直し……けれど、仄々は霊薬による超回復でかぐや姫がどうにかまだ生き延びているのをさっして呟く。
「でも、必ず静かに眠らせてさしあげますよ」
 霊薬の力をもってしても、かぐや姫の傷は深い。もはや、オウガに十分な余力は残っていないのはあきらかだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴