●
「集合お疲れ様。迷宮災厄戦の時間だ」
レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)は集まった猟兵達の姿を確認し、早速説明を始めていく。
「アリスラビリンスを巡る戦いが始まったよ。今回はいつもよりオブリビオン勢力も複雑なようだけれど……今はとにかく道を切り拓こう」
『猟書家』と呼ばれる存在や『オウガ・オリジン』の思惑が絡み合う此度の戦いだが、まずは彼らへの道を作るのが最優先。
そのためには邪魔するオウガ達を蹴散らさなければならない。
「今回皆に向かってもらうのは『遠き日の憧憬の花園』という場所だよ。そこには厄介な機関を埋め込まれたオウガが待ち構えている。それを討伐してきて欲しいんだ」
花園に巣食うオウガには『魔導蒸気機関』というものが埋め込まれている。
この機関からは周囲を汚染する『瘴気の蒸気』が発せられ、それによりオウガはパワーアップしているとの事。
「僕達が『瘴気の蒸気』を吸い込むのも良くないだろう。何しろ汚染物質だからね。上手く対処出来ればいいんだけど……」
オウガ達は背中に大きな外付けの装置が取り付けられているようで、これがその問題の機関のようだ。
「皆には『瘴気の蒸気』の対応も行ってもらわないといけないだろうね。上手く機関を止めたりして、動きやすくしたり敵のパワーアップに対抗して欲しいよ」
機関自体もそこまで頑丈ではないらしく、上手く攻撃すれば壊す事が可能だろう。
いかに蒸気に対応し、その上で敵を倒すか。
それがこの戦いの大きなポイントになりそうだ。
「戦争は始まったばかりでどう転がるかは分からない。けれど今はひたすら前に進むしかないだろう」
レンは改めて猟兵達を見遣り、緩く笑みを浮かべる。
「でも、皆ならきっと大丈夫。無事に第一歩を進められるよう待っているからね」
言葉の終わりと同時にゲートが開く。
その先に待っているのは、セピア色の花園だ。
ささかまかまだ
●
プレイングボーナスの条件は「『瘴気の蒸気』への対抗手段を考える」です。
●
こんにちは、ささかまかまだです。
迷宮災厄戦です。アリスラビリンスを救うため頑張っていきましょう。
敵はバックパックのような形で『魔導蒸気機関』を背負っており、そこから『瘴気の蒸気』が排出されています。
この瘴気に上手く対抗しましょう。
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シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『うさうさトランプ兵』
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POW : 落雷II
無敵の【空飛ぶイボイノシシ型の対地攻撃機】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : そう、我々はやればできる!
自身の【ゴーグル】が輝く間、【軽量自動小銃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : バーガータイム
【ハンバーガーとフライドチキン】を給仕している間、戦場にいるハンバーガーとフライドチキンを楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
マリエラ・レイクベア
なんともまぁ、体に悪そうな瘴気!
これはいけません!早急に取り除かねば!!
『湖幻の怪』
幻影のペガサスに騎乗、影を操り属性攻撃、瘴気を吹き飛ばします!
風を纏い飛翔!
そのなんか空飛ぶイノシシ!
地上にいた時は厄介そうですがぁ!同じ空中ならただのイノシシです!?
大斧を怪力でなぎ払い、イノシシをトランプ兵達のいる方向に
叩き落とします!せーのぉ!
もう一つ!風を纏いて切り裂け!
大弓を構えて全力魔法、風の魔力を込めた矢を放ち、
着弾と同時に周囲にカマイタチを放ちます!
●
花園に辿り着いた瞬間、マリエラ・レイクベア(駆けだしマリー・f26774)は眉を顰めた。
鼻につくのはすえたような嫌な匂い。恐らくこれが『瘴気の蒸気』なのだろう。
見れば周囲に咲く草花も弱っている様子。このままでは世界が汚染され続けてしまう。
「これはいけません! 早急に取り除かねば!!」
このような毒を広める存在は悪であり、騎士に憧れる者として放置する訳にはいかない。
決意を胸に、マリエラは頼れる相棒へと声をかけた。
「湖幻の怪、来て下さい!」
彼女の声に応えるように、清涼な風が舞い上がる。
その中から姿を現したのは幻影のペガサスだ。けれど幻には確かな実体があり共に戦う事が出来るのだ。
マリエラがペガサスの背に飛び乗るのと同時に、頼れる相棒は勢いよく地を駆ける。
「さあ、行きますよ!」
「敵襲USA!」
オウガ達もマリエラの姿を視認すると、側に設置していた装置を起動し始めた。
装置から飛び出してきたのはイボイノシシ型の対地攻撃機だ。
「あれも空を飛ぶようですが……私達だって!」
マリエラがペガサスの背を軽く叩けばその身体はふわりと空を飛び始めた。
同時に生み出される風は危険な瘴気を跳ね除け、彼女達の道を切り拓く。
「そのなんか空飛ぶイノシシ! 地上にいた時は厄介そうですがぁ……」
攻撃機が接近しきるより早く、マリエラは湖幻の大斧の柄を握りしめる。
こちらも幻で出来ている存在だが、ペガサスと同じように自在に出現させて実体化も出来るのだ。
イノシシ達は突然出てきた大斧にびっくり仰天。けれど――気付いた時にはもう遅い。
「同じ空中ならただのイノシシです! せーのぉ!!」
勇ましい掛け声と共に大斧が振るわれれば、その刃はイノシシ達を見事に捉える!
大きな音を立てながら攻撃機は弾き飛ばされ、真っ直ぐにオウガ達の元へと送り返されていく。
そのまま彼らの身体はぶつかり合い、凄まじい爆発音が周囲に響き渡った。
幸い瘴気は引火性ではないようだ、マリエラ達が爆発に巻き込まれる事はない。
そして――今こそ追撃のチャンスだろう。
「もう一つ!」
次にマリエラが実体化させたのは湖幻の大弓だ。
そこに魔法の矢をつがえさせ、オウガ達の元へと狙いを定めて。
魔力も思いも全力で籠めてマリエラは願う。これ以上オウガの非道は許せない。だからこそ、ここで決める!
「風を纏いて切り裂け!」
勢いよく放たれた矢は瘴気も纏めて吹き飛ばし、一直線に敵の元へと飛んでいく。
そして着弾と同時に発動したカマイタチが全てを切り裂き、魔導蒸気機関ごと叩き潰す!
残った風が幻のように消え去る頃にはオウガ達も完全に消え失せていた。
その様子を確認しマリエラも安堵するように息を吐いたが、すぐに表情を真剣なものに切り替えて前を向く。
「これで一安心ですが……敵もまだまだ潜んでいるでしょう。どんどん戦っていきますよ!」
騎士を志す少女の戦いは続く。
けれど――その道には、きっと力強い風が吹いているだろう。
大成功
🔵🔵🔵
楊・宵雪
同行
神崎・柊一(f27721)
瘴気の蒸気対策
可能なら風上取り呪詛耐性とオーラ防御で耐え
UCの炎の熱で気流を起こし蒸気の流れを誘導
拡散防ぎ味方守りつつ技能破魔で無害化を試みる
さらに、部位破壊で蒸気機関部を狙い
衝撃波の風圧で蒸気から身を守る
疣猪対策
「お空を飛ぶのは赤い豚ばかりではないのね
飛行で対地攻撃から逃げる
バーガー対策
めんどくさい注文して隙を大きくし攻撃に転じる
「チーズバーガーチーズ抜きで、ピクルス多めケチャップ少なめ、バンズは無しで。チキンはサイとウイングをいただける?ドリンクはコーヒー、常温でお願いね
小銃対策
残像駆使し位置をシャッフル
射線に別敵を挟みなるべく味方攻撃を多くさせる
神崎・柊一
同行
楊・宵雪(f05725)
「ハンバーガーを楽しむとは食べる事だけをいうのか?
否!
それはオーダーし、待つ間も含めて楽しむというはずなんだ!
瘴気の蒸気対応
先制+弾幕+貫通+部位破壊で敵の蒸気機関を狙い
UCの爆発の熱、爆風で蒸気の霧散と瘴気の破壊を狙う
結界術で自分と仲間への蒸気の影響を抑える
浮遊で落雷Ⅱよりも高度を上に
片翼に射撃で穴をあけ、後は装備の自重で落ちるように仕向ける
落ちる方角は敵陣をねらう
また大地は盛大に砲撃し土埃等でゴーグルを曇らせる
バーガー給仕のやつを見つけたら
ネギ抜き、バンズしただけ抜き、など難題を吹っ掛け
しかもデリバリーを要求
楽しんで行動速度を維持しつつ敵に行かぬようこちらに縛る
●
『瘴気の蒸気』に包まれる花園に熱風が舞い踊った。
その中から姿を現したのは楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)と神崎・柊一(自分探し中・f27721)だ。
「瘴気自体は厄介だけれど、防御も簡単そうね」
「ああ、あとは装置を壊すだけだ!」
二人の周囲には狐火が飛び回り、その熱から生じる気流が危険な瘴気を押し流している。
更には破魔の結界による防御も重なれば準備も万端。猟兵達は一気に敵陣へと駆けていく。
しかし同時にオウガ達も二人の出現には気付いたようだ。各々が武装を構え、二人へと狙いを定めている。
「敵襲USA!」
最初に発せられたのはイボイノシシ型の対地攻撃機だ。このまま放っておけば爆撃は免れない。
そこで宵雪と柊一は同時に地を蹴り、攻撃機達よりも高く舞い上がった。
宵雪は更に前へと進み、その後ろで柊一はビームキャノンを取り出し構える。
「お空を飛ぶのは赤い豚ばかりではないのね。神崎さん、そちらは任せたわ」
「了解、そっちも気をつけて」
作戦は直接言葉に出さずとも伝わる。二人は共にいくつもの戦場をくぐり抜けてきたのだ。
ビームキャノンの銃口は攻撃機達の翼へと狙いを定められ、最適なタイミングで熱光線が放たれる。
直接攻撃機を撃ち落とさなかったのは――きちんと狙いがあるからだ。
「……よし、今だ!」
飛行能力を失った攻撃機達は風に煽られ、オウガ達の元へと送り返されていく。
突然の事に彼らもすぐには対応できなかったのだろう。すぐさま凄まじい爆発が巻き起こり、オウガ達は火の海に飲まれていく。
けれど柊一の攻撃はこれで終わらない。
「もう一発……!」
再び発射されたビームはオウガ周辺の地を穿つ。
その衝撃で地面は抉られ汚染された草花達が弾け飛び、土埃が花園の中を覆い尽くした。
「ウ、USA! 猟兵達はどこだ!」
爆発から生き残ったオウガ達はなんとか体勢を立て直そうとするが、それよりも早く宵雪が動く。
「わたくしならここにいるわ」
土埃の中から飛び出してきた美しい女性にオウガ達も思わず目を奪われた。
けれど彼らもやはり凶暴なオブリビオンだ。すぐさま自動小銃を構え、宵雪へとその銃口を向けてくる。
「我々はやればできる!」
叫び声と共に発砲音が鳴り響き、宵雪の元へ弾丸の雨が降り注ぐが――何故か彼女の身体はそのまま溶けて消え去った。
その理由にオウガ達が気付いた時にはもう遅い。
先程までの宵雪はただの残像だ。本物は彼らの後ろに姿を現している。
「驚かせてごめんなさいね。その機関は危ないから止めさせてもらうわね」
次の瞬間、戦場に再び炎が舞い上がった。
宵雪の発した狐火がオウガの背負った機関を破壊し、瘴気ごと吹き飛ばしていく。
オウガ達もなんとか炎から逃れ、宵雪の方へと向き直ろうとするが――。
「宵雪、そこから離れて。さあ吹き飛べ……フルバースト!」
それよりも早く熱線と砲撃がオウガ達の元へと襲いくる。
柊一が全兵器を開放し、宵雪に翻弄されたオウガ達を一気に撃ち抜いたのだ。
さらなる熱風が瘴気を消し飛ばし、戦場に心地よいくらいの風が吹き抜ける。
けれど戦いもまだまだ続く。
「補給を要請するUSA! ハンバーガーとチキンを頼む!」
命からがら生き残ったオウガが無線のようなものを取り出し、どこかへ応援を求めだしたようだ。
一見ふざけた注文に聞こえるがこれも立派な彼らの戦略。放っておく訳にはいかない。
猟兵達は再びひらりと空を舞い、そのまま無線機を華麗に掠め取る。
「ハンバーガーを楽しむとは食べる事だけをいうのか? 否! それはオーダーし、待つ間も含めて楽しむというはずなんだ! だから僕達も注文しよう!」
「せっかくだから普段頼めないものを頼むのもいいかもしれないわ。チーズバーガーチーズ抜きで、ピクルス多めケチャップ少なめ、バンズは無しで。神崎さんは?」
「うーん、ネギ抜きなんてどうだろう。あとはバンズしただけ抜きとか……」
すらすらとふっかけられる無理難題に無線機の相手も思わず困惑しているようだ。なんともいえない声が返ってきている。
「チキンはサイとウイングをいただける? ドリンクはコーヒー、常温でお願いね。ぬるめのコーヒーだってたまには飲みたくなるものなの」
「あ、ついでにデリバリーで頼んだよ。僕達は取りにいけないからね」
「しょうがないUSA……俺達もプロだ、持っていってやる!」
折れたのはオウガの方だった。彼らは猟兵達の無理難題に応えるべく補給の準備をし始めている。
「ふふ、どんな味になっているか楽しみね」
「こうやって二人で待つのも楽しいんだよね」
くすくすと笑みを零し合う宵雪と柊一。この二人は間違いなく今の状況を、そして給仕を楽しんでいる。
こうなるとオウガ達の目論見も失敗だろう。彼らの補給は失敗し、猟兵達の動きも阻害できない。
自棄になったオウガ達は破れかぶれの銃撃を放とうとしてきたが――。
「やっぱりあなた達は放っておけないの。これ以上花園を汚される訳にもいかないから……」
「そっちもそっちで大変なのは分かるけど、俺達だって精一杯なんだ。だから……これで終わりだ」
それよりも早く狐火と砲撃がオウガ達を撃ち抜いた。
最後に残ったのは乾いた風が吹く花園と――今を生きて楽しむ猟兵達だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
岩戸・御影
毒を扱う身として、他人の行使する瘴気は気になるね
【WIZ】
[鬼装束]で敵の瘴気――穢れを祓いつつ[結界術]を練り上げ、更にその上から空気を混ぜ込んだ[オーラ防御]で瘴気の影響を抑え込む
僕は目につくように袂から[衆合の針種]を幾らか取り出し、敵の足元に放る
その間に[哭廻]を操作、敵の死角に回らせよう
たった数秒で敵の足元には簡易針山地獄
そんな靴じゃ簡単に突き抜けるよ
ばーがーたいむ?
ああ、食べ物を楽しむのか。別にいいけど足は大丈夫?
敵が地面に視線をやったら哭廻で背後からバックパックの肩紐を切断
そのまま切っ先に引っ掛け遠くへ投擲
即座にUC発動、足の傷から毒を
敵から離れないようにして瘴気を行き渡らせるよ
●
瘴気独特の匂いを確かめながら岩戸・御影(赫鬼面・f28521)は花園の中を進んでいた。
毒を扱う身として他者の操る瘴気はどうしても気になるが――鬼装束でその穢れを祓い除け、結界とオーラで更に強固な壁を作れば問題ない。
外からの穢れを祓うのは慣れたものだ。何事もなかったかのように御影は歩む。
「……あれが敵かい?」
暫く進めば見慣れない装備の男達が待ち構えている。あれがこの花園に潜むオウガだろう。
彼らはちょうど補給を行おうとしていたようだ。ハンバーガーを手に取り雑談に興じている。
相手が油断しているならちょうどいい。御影は刀剣『哭廻』をこっそりと操作して、花園と瘴気の影へと忍ばせた。
御影は小さな袋を片手に持って、敢えて大きな足音を立てつつ敵へと接近していく。
「猟兵だUSA!」
オウガは御影の存在に気がついたが、既に自分達の術が発現しているためか焦りはしない。
確かに御影の周囲だけ時の流れが遅いようだ。水中を進むような感覚をおぼえつつ御影は更に歩を進める。
「バーガータイムの邪魔はさせないUSA!」
「ばーがーたいむ? ああ、食べ物を楽しんでいたのか。別にいいけど――」
御影が袋の中身を投げつけた瞬間、空気の流れが一変した。
地面からは針状の植物が飛び出して、それがオウガ達の足元を覆い尽くす。
針山のような毒棘はあっさりとオウガの靴を突き破り、苦悶の声が花園の中に響き渡った。
オウガが補給を楽しむ余裕もなくせば時の流れも正常化する。その感覚と敵の様子を見遣り、御影はゆるく笑みを浮かべた。
「――足は大丈夫?」
敵の意識が足元へと集中したのを確認し、御影は『哭廻』へと指示を飛ばす。
影から飛び出してきた呪いの刃はオウガ達の背へと迫り、彼らが背負っていた機関の紐をあっさりと切り落とした。
「これは良くないからね。取り上げさせてもらうよ」
刃を返した勢いでバックパックも奪い去り、そのまま遠くへ投げつけたのならグシャリという音だけが微かに響く。
「何をするUSA……」
「瘴気というのはこうやって使うんだよ。キミ達も身を以て知るといい」
急いで武器を取り出し御影へと攻撃しようとするオウガだが、すぐに彼らの身体は違和感に覆われていった。
気がつくと周囲には『瘴気の蒸気』によるものではない、別の瘴気が展開されていたからだ。
その中央に立っているのは御影だ。彼から放たれる瘴気は強力な呪いと化して、オウガ達の傷口へと侵入している。
蛇のように入り込んだ呪いはオウガ達を内側から蝕み、腐らせ溶かす。
「キミ達の淀みもちゃんと送るよ。どこに届くかは分からないけれど」
言葉の通り行き先は分からない。けれどこれが己の役割だろうから。
倒れ伏すオウガを見守りつつ、御影は生まれる淀みの流れを感じていた。
大成功
🔵🔵🔵
一ノ瀬・千智
連携アドリブOK
瘴気の蒸気…………つまり毒ガスみてぇなもんだな!
細かい理解を放棄しつつも【猪突猛進】のメダルを自身に張り付ける。
これで敵に突撃する限り周囲の悪影響は受けねぇから問題ないな。
そして突撃前にパワーフード相当の一口スイーツ詰め合わせを食ってエネルギー充填。
そして自分を【鼓舞】して【勇気】120%で突撃、革命剣バレンティアを【怪力】で思いっきりぶん回して【範囲攻撃】で薙ぎ払っていくぜ。
まぁたまに面倒になってぶん殴ったり蹴ったりして【カウンター】するけどな!
相手からの攻撃は【覚悟】を決めて【オーラ防御】で最小限にダメージを抑えていくぜ。
●
「瘴気の蒸気か……」
事前に受けた説明を思い出しつつ、一ノ瀬・千智(エスペランサ・f19318)は小さく唸る。
「……つまり毒ガスみてぇなもんだな!」
危険なものだから気をつけよう。ざっくりとした解釈をしたのち取り出したのは『直線番長イノシシ』が描かれたメダルだ。
これをぺたっと身体に貼り付け、視線の先にオウガの姿を認識する。
一口スイーツで気合を入れて、更に自分自身を勇気づけて。気持ちで勝つのが一番大切なのだ。
瘴気の影響を受けすぎないようしつつも呼吸を整えたのなら――後は真っ直ぐ駆けるだけ!
「細かいことは考えねぇ、行くぜ!!」
革命剣『バレンティア』を携え千智は走る。
番長イノシシが力を分け与えてくれているから、真っ直ぐ駆ける彼女の身体は瘴気によって蝕まれる事もない。
ただひたすら、目の前の敵を蹴散らすべく千智の身体は突き進む。
「猟兵だUSA、迎え撃て!」
オウガ達も千智の接近に気がつくと、自動小銃を構えて銃撃を放ってきた。
正面から飛んでくる弾丸は出来る限りバレンティアで受け止めるが、敵の数もなかなか多い。
剣で受け止めたり避けきれない分の弾丸は少しずつ千智の身体を掠めていくが――それでも彼女は止まらない。
「覚悟は十分に決めてるんだよ! この程度で止まれるか!」
身体はオーラで、心は覚悟で守りつつ千智は更にひた走る。
銃弾の雨をくぐり抜け敵の元へと辿り着けば、まずはバレンティアを大きく振るう。
凄まじい力で振るわれる革命の刃はオウガ達をあっさりと斬り裂いて弾き飛ばした。
「なんだこいつ、凄い力USA!」
「お前らみたいのをぶっ飛ばすために気合入れてんだ、覚悟しろ!」
驚愕するオウガの顔面に飛び蹴りもぶちかまし、更に千智の身体は花園の中を跳ね回る。
アリス適合者としてこの世界の危機は見逃せない。
例え銃弾によって傷ついても、危険な瘴気が肺を蝕んでも、その程度で千智は止まりはしないのだ。
「オウガのせいで世話になったやつらだって困ってるんだ。これ以上好きにはさせないからな!」
彼女の気持ちに応えるようにバレンティアの刃が更に煌めく。
嵐のように振るわれる斬撃は次々にオウガ達を刻んでいき、彼らが背負った機関ごとバラバラにしていく。
その間もメダルは千智の事を守ってくれていた。
何故ならこれは前を向く戦い。真っ直ぐに敵を目指し、やるべき事へと突き進む戦いだから。
「お前らみたいなやつはどこまでも追いかけて必ずぶっ飛ばす。これが俺のやり方だ!」
全力で戦う千智の姿はどこかあどけなさを感じさせつつも――何よりも頼もしく、勇ましい。
彼女の振るう刃は確かに悪しき鬼達を打ち倒していくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
化野・花鵺
「アリラビに軍人さん~?行かねばぁ!」
狐、話半分で飛び込んだ
「瘴気…瘴気ぃ?呪詛みたいなものだろうからぁ、呪詛耐性とオーラ防御で何とかなるかなぁ…?」
着いてから確認した狐、首を傾げた
「おぉう、ほんとに軍人さんだぁ!ピンクで恥ずか死ぬ気がするけど軍人さんだぁ!ウサ耳も意味不明でいらない気がするけどかっこいぃ!」
狐、褒めてるのか貶めてるのか分からない賛辞?を贈った
「はー、笑かし楽しませて貰ったからぁ、カヤも頑張るぅ。行けぇ管狐!一片残さず喰いつくせ!」
「管狐の召喚」し敵を一欠け残さず喰い殺させる
「のんびり喰われ続けるって苦しむだけな気がするけど…まぁいっかぁ」
狐、ハンバーガー食べつつ敵を眺めた
●
「アリラビに軍人さん~? 行かねばぁ!」
グリモアベースで得た情報を耳にして化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)は御伽の国へと飛び出していた。
彼女にとって重要なのは『制服を着込んだ軍人がいる』という部分だけで、他の部分についての認識は曖昧だったが……。
現場に着いてすぐに違和感には気づく事が出来た。嫌な淀みが周囲に漂っているのだ。
「これって瘴気ぃ……? 呪詛みたいなものだろうからぁ、これで何とかなるかなぁ……?」
小首を傾げつつ身体をオーラと防御術で覆う花鵺。確かに身体を蝕む違和感は緩和された。これで問題なく進めるだろう。
とにかくここに制服の軍人さんがいるはずだ、わくわくしつつ花鵺は進む。
「何者だUSA!」
「おぉう、ほんとに軍人さんだぁ!」
敵の姿を視認して花鵺は狐耳をぴーんと立てた。
確かにここに陣取っているオウガは軍人さんだが――その姿はどこか珍妙ではあった。
「ピンクで恥ずか死ぬ気がするけど軍人さんだぁ!」
「そんな事ないUSA! これが俺達のトレンドだ!」
「ウサ耳も意味不明でいらない気がするけどかっこいぃ!」
「……お前、褒めるのか貶すのかどっちかにするUSA!」
きゃっきゃと喜ぶ花鵺だが言葉は割りと容赦ない。オウガ達もちょっとショックを受けつつ戦いの準備を進めていた。
「失礼なやつUSA、さっさと倒してやる!」
オウガ達はハンバーガーを取り出しつつ花鵺へと銃を向ける。どうやら補給と並行しつつ戦うつもりのようだ。
「はー、笑かし楽しませて貰ったよ。だからカヤも頑張るぅ」
花鵺も負けじと竹筒を取り出して、自らの妖力を高めていく。
そして筒の先端を敵へと向けて、召喚するのは頼もしい管狐達だ。
「行けぇ管狐! 一片残さず喰いつくせ!」
管狐達はオウガの元へと殺到し、彼らの身体へと喰らいつく。
鋭い牙が軍服をボロボロにするのはちょっと勿体ないけれど、おもしろ軍服だったし別にいいか。
手癖の悪い管狐がぶんどってきたハンバーガーを口にしつつ、花鵺はオウガ達の様子を眺めていた。
「……あ、この状態だとのんびり喰われ続けちゃう? それって苦しむだけな気がするけど……まぁいっかぁ」
オウガ達の能力は『バーガータイムを楽しんでいない者の時の流れが遅くなる』というものだ。
つまりこの状況で食事を楽しめるのは花鵺だけで、オウガ達はじっくり管狐に噛みつかれる事になるのだが――最終的な結果は変わらないから別に構わないだろう。
「今度はカッコいいせぇふくを見に行きたいなぁ」
もぐもぐとハンバーガーを咀嚼しつつ、花鵺は次に出会う制服の事を夢見ている。
暫くすれば管狐達も満足するだろう。それまでの間、花鵺はたっぷりと楽しい空想を繰り広げるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ガーネット・グレイローズ
ごほっ、ひどい匂いだ…鼻が曲がりそうだ。
魔導蒸気機関といったが、
これはアルダワのトラップと関係があるのか?
敵は絶えず瘴気を振りまきながら突撃してくるだろう…
〈戦闘知識〉で瘴気の有効範囲を測りつつ、
距離を取って戦おう。瘴気が流れてこないよう、
風向きに注意。できるだけ風下に立たないように。
しかしただ距離を取るだけではこちらも攻撃できないから、
【フルチャージバスター】でクロスグレイブの性能を
強化し、瘴気の外から〈砲撃〉を仕掛けよう。
魔導蒸気機関とやらが取り付けられている場所は…
ズバリ、この背中のバックパックだな!
銀河帝国の毒ガス作戦を思い出す…
まさにこの世の地獄と呼べるものだった。戦術的に…フッ。
●
「ごほっ、ひどい匂いだな……」
スーツの袖で鼻と口を覆いつつ、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は花園の中を見渡していた。
この花園本来のセピア色とは別の淀んだ空気。これを生み出しているのは『魔導蒸気機関』という装置らしい。
「これはアルダワのトラップと関係があるのか? 何にせよ危険なものに違いないだろう……」
瘴気の効果や流れてくる方向を確かめつつ、ガーネットは敵の姿を探していく。
幸い敵の姿は目立つ。彼らは集団で構えて猟兵の襲来を待ち構えているようだ。
相手の獲物は銃火器で、接近戦を挑むのは分が悪い。それならこちらも瘴気の影響が及ばないよう遠距離で戦おう。
ビーム砲塔デバイス『クロスグレイブ』を肩に担ぎ、ガーネットは少しずつ敵へと距離を詰めていく。
「この辺りでいいだろうか?」
花園の中に身を潜め、ガーネットは敵陣との距離を考える。
無強化のクロスグレイブでも敵の武器より射程は長いだろうが、瘴気と共に接近されて囲まれてしまっては危険だろう。
「なら出力3倍、出血大サービスだ。相手も危険な兵器を扱う以上、こちらも相応の手段で戦わせてもらう」
ユーベルコードの力でクロスグレイブを改良し、一時的に出力を大きく引き上げて。
しっかり敵へと狙いを定め――まずは一発、放つは全力の砲撃だ。
「さあ、喰らうがいい!」
ガーネットの叫びと共に放たれた光線は着弾と同時に凄まじい衝撃を巻き起こす!
次に聞こえてきたのは混乱する敵の声だ。恐らくこちらの方向はすぐに判明してしまう。相手が接近しきるより早く、全員を打ち倒さねば。
「少しでも危険を減らしていかないといけないな。魔導蒸気機関とやらは……ズバリ、背中のバックパックだな!」
敵が動き出した事で機関の位置は判明した。
出力を抑えたビームで敵の動きを撹乱しつつ、背を向けた敵を優先的に狙って更に砲撃を。
機関の破壊を優先した事で瘴気の影響も少しずつ薄れてきている。おかげで敵の襲来までに余裕が出そうだ。
「しかしこの戦い、銀河帝国の毒ガス作戦を思い出す……」
少し目を細め、思い返すは嘗ての戦い。
あの地獄のような光景が再び繰り返されるとは。このまま放っておくわけにもいかない。
「だからここは戦術的にいかなければ……なんてな」
仲間の真似をし吐息のような笑みを零しつつ、ガーネットは更に砲撃を続けていく。
彼女の巧みな作戦は見事に功を奏し、敵が襲来しきるより先に殲滅する事が出来た。
暫くすれば瘴気による汚染も改善するだろう。けれど、この戦いそのものが終わらなければ悲劇も繰り返されてしまう。
「まだまだ頑張らなければならないな」
少し清浄になった空気を吸いつつ、ガーネットは改めて決意を胸に抱くのであった。
●
こうして猟兵達は花園に潜むオウガを全滅させる事が出来た。
アリスラビリンスを救うための第一歩は、しっかりと刻まれていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵