1
迷宮災厄戦⑥~魔空原城

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アリスラビリンス
🔒
#戦争
🔒
#迷宮災厄戦


0




●アリスラビリンス
 洋風めいたサムライエンパイアの城が、不思議の国の虚空に浮かんでいた。
 その城が、どのような原理で浮かんでいるのか分からない。
 ただ、ひとつ言える事は、その城から禍々しい気配が漂っているという事だった。
 城内にいるのは、謎の『ぱらいそ預言書』を信奉する狂信者と化した鬼面蟲達のみ。
 鬼面蟲達は『謎の亡霊』のようなものを身に纏い、城内をウロつきまわっていた。
 その目的は、侵入者の排除。
 自分達以外は、すべて敵。
 例え、誰であろうと、関係ない。
 そこに心はなく、ただ事務的に命を奪うのみ。
 それ故に、何の迷いもないようだった。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明した。
 今回の目的は、鬼面蟲達の撃破。
 ただし、鬼面蟲達は謎の亡霊によって支配されており、どんなに傷ついても逃げる事はない。
 むしろ、攻撃を仕掛けてくる相手に対して、情けも無ければ、容赦もない。
 その上、後先考えず捨て身の覚悟で攻撃を仕掛けてくるため、確実に仕留めておかなければ、こちらの命が危うくなってしまう事は間違いない。
 逆に、その事を利用して戦う事で、戦闘を有利に進める事が出来るかも知れない。
 どちらにしても、命懸けの戦いになる事だけは、心に刻んでおくべきだろう。
 そう言った事も踏まえた上で、鬼面蟲達を撃破する事が今回の目的である。


ゆうきつかさ
 このシナリオは、戦争シナリオです。
 基本的にキャラクターらしく行動していただければ問題ありません。
194




第1章 集団戦 『鬼面蟲』

POW   :    増蟲
自身が戦闘で瀕死になると【宿主の体内で成長した鬼面蟲】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    操蟲
【宿主の身体能力】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
WIZ   :    宿蟲
【宿主を捨て、頭部への飛びかかり、腹部】から【対象の喉奥へ産卵管】を放ち、【窒息と脳への侵蝕】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:塒ひぷの

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夕月・那由多
ふぅむ、あの亡霊を直接なんとかしてみたいのう
あれ、食ってみるか…?
腹を壊したらそれはそれで

『八千之矛』で【武器受け】して応戦しつつ【フェイント】をかけ、手作り団子の『ヨモツヘグイへの誘い』を【投擲】して食わせて【催眠術】をかけたところに【生命力吸収】による【気絶攻撃】で意識を刈り取ったら、UCを使い謎の亡霊をひょいと食ってみる
んー…コメントに困る味じゃな
さすがに敵意強すぎてパワーには変換しにくいかの…?
残る気絶したオウガはあとでまとめて【怪力】でひと思いにやってしまうか…


馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

・第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私/我ら 冷静沈着
対応武器『白雪林』

何度か来た原城とはいえ、戦場ということで血が騒ぎますが。
『我ら』悪霊と、あれらに憑く亡霊。何の違いがあるのでしょうか。
ですが…あとに響かぬよう殲滅を。

基本は後衛。なるべく【早業】で射撃速度をあげ、【連鎖する呪い】つきの【制圧射撃】【援護射撃】に。
逃げぬというのならば、つまりは呪われ続ける距離にいるということでしょうから。

接近されたのならば、【結界術、防御オーラ】を兼ねた『四天霊障』や、借りた武器『漆黒風』で刺す対処を(持ち主別人格の『疾き者』)。


ラブリー・ラビットクロー
取り憑かれてるんだ?
わかんない
マザーはどー思う?
【よくわかりません】
取り憑かれてるかもなん
出来るかな…?

作るのは沢山のカイブツたちのハリボテ
モヒカン
恐竜
戦車
ゾンビ
悪の科学者
甲冑
つばめ
怖い人形
とか
今まで見た全部のカイブツを生み出すなん
らぶのカイブツでセカイを救うんだ
行くぞみんな
【いってらっしゃいませ】

無数のハリボテを次々侵入させて敵を撹乱するなん
らぶはできるだけ逃げて隠れて時間を稼ぐの
モヒカンとのこーしょーに手段は選ばないってししょーも言ってたから

もし敵が昏睡状態になったらバットで叩いて女の子を助けてみるなん
先にハリボテが尽きたら
しょーがねーのん
足元にビー玉ばら撒いて足元を悪くして頑張るのん


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

捨て身で攻めてくる狂信者どもって、
厄介なんだよなぁ。
思ったよりも痛い目を見る事が多いし……
しかも数も多そうだから、うかつに足技も使いたくないね。

……となりゃ、久々にアレの出番だね。
周囲に気を張りつつサイキックの念を練り、
アタシ目掛けて飛び掛かってくる鬼面蟲の本体へ
『カウンター』を合わせるように。
一撃必殺するくらいの気迫を込めて【漢女の徹し】をぶち込む!
数が多いのは分かってる、
周りの残りには『衝撃波』の『範囲攻撃』を当てて吹き飛ばし、
なるべく1対1でトドメを刺して回るよう心がけるよ。
やれるなら両方の手で一匹ずつぶち抜く二枚抜きも試してみたいところだけど、堅実に行くよ!


レジーナ・ドミナトリクス
捨て身というのは相手に悟られずこそ意味があるのではないでしょうか。
事前にそうするとわかっていれば、相応に立ち回るだけのことです。

命を的にするのでしたら、攻撃を当てるのは容易でしょう。
とはいえ仕留め損ねないように、切断形態のフォースセイバーで確実にトドメを差すようにします。
警戒すべきはむしろその先、肉を切らせて……いえ、骨を断たれても肉を切ろうとしてくる可能性もあります。
カウンターを受けないように【天劾飛輪】を盾として自身の周囲に浮遊させ、敵の動きを最後まで【見切って】確実に防ぎます。

見た目以外は親近感のある蟲ですが……宿主に寄生するものが更に亡霊に支配されて、なんだかもうよくわからないですね。


リク・ネヴァーランド(サポート)
「大丈夫、“僕たち”が来た!」
うさぎ人の住む不思議の国、ラパンドール王国の元王子様です。
魔法の本の中に王宮を封じ込めることにより、王国と国民を携帯している状態にあります。
本の中から国民や過去助けた愉快な仲間達を召喚したり、剣を用いたりして戦います。

利発そうな少年といった口調で話し(僕、~さん、だね、だよ、~かい?)、年上の人や偉い人には敬語を使います。戦闘中は凛々しく台詞を言い放つことも多いです。

ユーベルコードは設定したものを何でも使いますが、命よりも大切な魔法の本に危害が加えられる可能性がある場合は本を用いず、自分自身の力で何とかしようとします(他の猟兵と連携が取れそうなら取りに行きます)。


鯉澄・ふじ江(サポート)
怪奇ゾンビメイド、16歳女子
誰かのために働くのが生きがいの働き者な少女
コイバナ好き

自身が怪物寄りの存在なので
例えどんな相手でも対話を重んじ問答無用で退治はしない主義

のんびりした喋り方をするが
これはワンテンポ間をおいて冷静な判断をする為で
そうやって自身の怪物としての凶暴な衝動を抑えている
機嫌が悪くなると短文でボソボソ喋るようになる

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
自身の怪我は厭わず他者に積極的に協力します
また、例え依頼の成功のためでも
自身の矜持に反する行動はしません
 
何でもやります、サポート採用よろしくおねがいします!

(流血、損壊系のグロ描写やお色気系描写もOKです)


ライザー・ヴェロシティ(サポート)
・出身世界「アックス&ウィザーズ」の猟兵だ
元の世界でも傭兵として活動していた
依頼の傾向は純戦闘
重視するのは報酬だ(金銭、食事等)

仕事は仕事として割り切るスタンスだな
あとは強敵と戦う依頼を好む


・性格は荒っぽいほうだろう
デジタルとか近未来の文化にゃ馴染みがない

・風属性の魔法を主体とするマジックナイトだ
剣に風属性を付与して行う近接戦闘を主とするぞ
使用するユーベルコードは主に近接の強化
または攻撃のレンジや範囲を補うモノだ


・耳がいい
乱戦時とかにゃ僅かな音を頼りに見えない敵の位置を把握するぜ

ただ耳がよすぎるんでな、歌や高音は聞きすぎると頭が痛くなる
特に歌は嫌いだ
味方なら兎も角、敵が歌ってんなら全力で止める


トゥーリ・レイヴォネン(サポート)
敵が一杯、だね。全部潰すの、大変だ…
ああ、大丈夫。ぼくはまあ…一人でも、何とかするよ

行動指針
・他に行動指示などを行う猟兵が居る場合、「人を助ける」行為から外れるもの以外には従う
・自身の損害を軽視する傾向がある。デッドマン、ゾンビとして前に出て、囮と盾を兼ねる行動を取りたがる
・人格がある相手であれば、相手の言葉や行動に対して憤りを感じることもあるが、それを強く表情や行動には出さない
・ナタ、素手、拾った何かを使って泥臭く戦う

見た目と性格
基本的にはゾンビの女の子。肌を見せたがらない為常にコートとブーツを履いている
大雑把でがさつ。物事に頓着しない。苦しまずに殺す事も救いだと考えている
人並みの痛覚を持つ


メイリン・コスモロード(サポート)
『一緒に頑張りましょうね。』
人間の竜騎士×黒騎士、13歳の女です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「対人恐怖症(ワタシ、アナタ、デス、マス、デショウ、デスカ?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
人と話すのに慣れていなくて
「えっと……」とか「あの……」とか多様します。
戦闘ではドラゴンランスを使う事が多い。

その他、キャラの台詞はアドリブ等も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●原城内
「何度か来た原城とは言え、戦場という事で血が騒ぎますね」
 馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)は仲間達と共に、原城の城内に足を踏み入れた。
 城内は不気味な雰囲気が漂っており、生暖かい空気がネットリと纏わりついてきた。
 それだけで、この場所が普通とは違う事が理解できたものの、何度か来ている事もあり、あまり気にならなかった。
「……とは言え、捨て身で攻めてくる狂信者どもが厄介だなぁ。おそらく、痛い目を見るし……。数も多そうだから、うかつに足技も使いたくないのが本音なんだけど……」
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)が、困った様子で溜息を洩らした。
 狂信者と化した鬼面蟲達は、死をも恐れぬ危険な存在。
 そのため、どんなに傷ついたとしても、立ち止まる事はない。
 むしろ、それを当たり前のように受け入れ、襲い掛かってくるため、色々な意味でタチが悪かった。
「そもそも、捨て身というのは相手に悟られずこそ意味があると思うのですが……。事前にそうするとわかっていれば、相応に立ち回る事が出来るので、何とかなるかも知れませんね」
 そんな中、レジーナ・ドミナトリクス(密獄の女王・f12121)が、自分なりの考えを述べた。
 例え、相手が捨て身であっても、何の策もなく突っ込んでくるのであれば、いくらでも対処できる。
 それどころか、容易にパターンを読む事が出来るため、倒す事はそれほど難しくないと判断したようだ。
「ギギ……ギギギ……」
 次の瞬間、鬼面蟲達が奇妙な鳴き声を響かせ、物陰から姿をあらわした。
「ひょっとして、あれが狂信者?」
 ラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)が、非通信端末であるビッグマザーに問いかけた。
【分かりません】
 だが、ビッグマザーの反応は、冷ややか。
 まるで興味がない様子で、さらりと答えを返した。
「見た目以外は親近感のある蟲ですが……宿主に寄生するものが更に亡霊に支配されて、なんだか、もうよくわからないですね」
 レジーナが鬼面蟲達を見つめ、複雑な気持ちになった。
 何から何まで、ツッコミどころが、満載。
 『ボクの考えたサイキョー生物』並に、色々な要素が詰め込まれ、カオスと化している感じであった。
「とりあえず、食ってみるか……? 腹を壊したら、それはそれで」
 夕月・那由多(誰ソ彼の夕闇・f21742)が、何となく覚悟を決めた。
 しかし、どう見ても、不味そう。
 美味しそうな要素がカケラもない。
 その時点で、死亡フラグと仲良く肩を組み、記念撮影をしている状況ではあるものの、一度口に出した言葉を飲み込めるような状況でもなかった。
 それに、先人達はこう言った事を繰り返し、食べられるモノと、食べられないモノを区別してきたはず。
 そう言った先人達の魂を引き継ぐべく、那由多が心の中の迷いを捨てた。
 その間も、陽気な死亡フラグ達が『みんなで天国逝っちゃう? ウェーイ』的なノリで、視界の片隅にいるのだが、あえて気にしない事にした。
「大丈夫、“僕たち”が来た!」
 そんな中、颯爽と現れたのは、リク・ネヴァーランド(悠久ノ物語・f19483)達であった。
「ギギギギギ……」
 その途端、鬼面蟲達がリク達を品定めするようにして、宿主の首をコキコキと鳴らし始めた。
「ギギ……ギギ……ギギギギ……」
 その音に導かれるようにして、他の場所にいた鬼面蟲達が、ワラワラと集まってきた。
「あ、敵がいっぱい。全部潰すの、大変だ……。でも、まあ……何とかなるかな」
 トゥーリ・レイヴォネン(タナトスのオートマトン・f26117)が躊躇う事なく、鬼面蟲達の前に陣取った。
 その間に、鬼面蟲達は首をコキコキと鳴らし、ジリジリと距離を縮めてきた。
「一緒に頑張りましょうね」
 メイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)がトゥーリの横に立ち、警戒した様子で間合いを取った。
 鬼面蟲達の宿主になっている少女達は、意識を失っているのか、乱暴に身体を動かされても、悲鳴ひとつ上げなかった。
「……斬るのは、あの仮面みたいな奴だけでいいな。まあ、任せておけ」
 そんな空気を察したライザー・ヴェロシティ(Sturm Jaeger・f00188)が、鬼面蟲達に斬り掛かった。
 ただし、斬りつけるのは、鬼面蟲のみ。
 宿主自身は、無傷である。
「ギギギギギィィィィィィィィィィィィィィィィィ!」
 次の瞬間、鬼面蟲達が耳障りな鳴き声を響かせ、宿主の身体能力を上昇させた。
 それは宿主の身体に負担が掛かっていたが、鬼面蟲達はまったく気にしていないようだった。
 むしろ、自分の身を守るために、必要な犠牲であると思い込んでいるようである。
「今まで見た全部のカイブツを生み出すなん。らぶのカイブツでセカイを救うんだ。行くぞ、みんな」
 それを迎え撃つようにして、ラブリーが【頭の中のセカイの全て(ピュアデックス)】を発動させ、カイブツ達のハリボテ(モヒカン、恐竜、戦車、ゾンビ、悪の科学者、甲冑、つばめ、怖い人形等)を作り出した。
 それはどれも実物を模した偽物であったが、鬼面蟲達にとっては、すべて敵ッ!
 故に、鬼面蟲達の興味は、ラブリーが作り出した偽物に向けられた。
「今のうちにトドメを刺してしまいましょう。ここで倒しておかなければ、肉を切らせて……いえ、骨を断たれても肉を切ろうとしてくる可能性がありますので……」
 その隙をつくようにして、レジーナが切断形態のフォースセイバーで、鬼面蟲を斬り捨てた。
「で、でも、女の子だけは助けてあげたいなん」
 ラブリーが覚悟を決めた様子でビー玉を次々と転がして宿主を転倒させ、鬼面蟲だけをバットで攻撃した。
 それに合わせて、レジーナが【天劾飛輪(ジュピター・サテライツ)】を発動させ、スタン機能の増幅により雷撃を放つ機械首輪を念力で操って、狂信者と化した鬼面蟲達の首にはめた。
「グギギギギィ!」
 その途端、狂信者と化した鬼面蟲達が、イラついた様子で首輪を外そうとした。
 次の瞬間、首輪から凄まじい電撃が走り、鬼面蟲達の宿主がブクブクと泡を吐いて気絶した。
 それでも、鬼面蟲達は諦めておらず、宿主の体内で成長した鬼面蟲を召喚し、謎の亡霊に取り憑かれる事で力を得た。
「あらあら~? わたしぃ、腕をどこへやったかしらぁ?」
 そんな中、鯉澄・ふじ江(縁の下の力任せ・f22461)が【怪奇ゾンビ人間(カイキゾンビニンゲン)】を発動させ、左腕を生きた死体に変異させた。
 それと同時に、ふじ江の左腕は、鬼面蟲達の注意を引くようにして、カサカサと移動をし始めた。
「ギギギギギギィ!」
 その事に気づいた鬼面蟲達が、ふじ江の左腕にまっしぐら!
 まるで意中の相手を見つけたように、大興奮であった。
「あ、あの、そんなに興奮しなくても……。腕なら、もう一本……って、駄目ですぅ。食べたら駄目ですぅ。美味しくないですよぉ」
 ふじ江が困った様子で、鬼面蟲達にツッコミを入れた。
 しかし、鬼面蟲達には、ふじ江の左腕が魅力的に見えているらしく、互いに威嚇し合っていた。
「腐りかけが美味しいという事でしょうか? ……いえ、そんな事を言っている場合ではないですね」
 その事に危機感を覚えたメイリンが、【黒風鎧装】で真の姿を更に強化し、漆黒の旋風を纏った鬼面蟲達に攻撃を仕掛けていった。
「ここで散った者達よ、悪鬼に成り果てる前に力を貸せ」
 それに合わせて、那由多が【魂喰(コンジキ)】を発動させ、その思いを受け止めるようにして、戦場で散った無念の魂を喰らって、喰らって、喰らいまくった。
「ギギギギギィ……」
 だが、鬼面蟲はまったく気にしておらず、カサカサと音を立てながら、那由多の顔にへばりつこうとした。
「それでは、食べてみるかの……」
 即座に那由多が八千之矛で鬼面蟲を受け止め、手作り団子(ヨモツヘグイへの誘い)を喰わせ、催眠術を掛けたところで、生命力を吸収して、そのまま意識を刈り取った。
 その上で、小動物の如く怯える謎の魂を口の中に放り込み、飴玉のように転がした。
 それは何とも言えない微妙な味。
 例えるなら、ヘドロ。
 そこから、臭みと、苦みを消し、何となく無害にした感じ。
 そのため、美味しい、美味しくないではなく、『わらわ、頑張った! 物凄く……凄く頑張った!』と言う気持ちになった。
「ギギギギギィィィィィィィィィィィィ!」
 一方、鬼面蟲達は宿主を捨て、猟兵達の頭部に飛び掛かるため、狙いを定めていた。
「『我ら』悪霊と、あれらに憑く亡霊……。何の違いがあるのか分かりませんが、とにかく殲滅する必要がありそうですね」
 その事に気づいた義透が早業で射撃制度を上げ、【連鎖する呪い』つきの制圧援護射撃で、謎の亡霊に取り憑かれた鬼面蟲達を撃ち抜いた。
 しかし、鬼面蟲達は怯まない。
 猟兵達を新たな宿主として決めたのか、どんなに傷ついても、恐れる事なく飛び掛かってきた。
「おっ! 随分と活きがイイねえ! ……となりゃ、久々にアレの出番だ」
 多喜が周囲に気を張りつつ、サイキックの念を練り、飛び掛かってきた鬼面蟲に、カウンターを喰らわせた。
 だが、鬼面蟲達の勢いは衰える事なく、次々と猟兵達に襲い掛かってきた。
「疾風よ、舞い上がれ!」
 すぐさま、ライザーが【Runic Blast(ルーニック・ブラスト)】を仕掛け、懐からルーンダガーを放って、乱気流を発生させた。
 突如として城内に出現した乱気流は、鬼面蟲達を巻き込み、一時的に動きを封じ込めた。
「大丈夫、こういうの、なれてるから……」
 それに合わせて、トゥーリが【殴打(オウダ)】を仕掛け、『叩き壊す』という決意を込めた視線を鬼面蟲に向け、至近距離からの断続的且つ継続的な殴打を与えた。
 その間も、他の鬼面蟲達は呪いの影響を受け続け、次々と発生する不慮の事故に巻き込まれ、傷ついてボロボロになっていた。
「みんな、もう少しだから、頑張ろう」
 リクが剣を使って鬼面蟲達と戦いながら、【公正ノ同盟(ジャスティス・リーグ)】を発動させ、執事やメイド、過去助けた不思議の国の人々を召喚し、仲間達の治療を依頼した。
 不思議の国の人々は、猟兵達に駆け寄ると、傷ついた身体を、テキパキと治療し始めた。
「その事なら問題ありません。敵が逃げない限り、呪われ続けるだけですから……」
 その間に、義透が結界術と防御オーラを兼ねた四天霊障で身を守りつつ、漆黒風(棒手裏剣)で弱った鬼面蟲達の息の根を止めた。
「ギギギギギィィィィィィィィィィィィィ!」
 次の瞬間、最後まで生き残った鬼面蟲が奇妙な鳴き声を響かせ、辺りに漂っていた謎の霊達を呼び寄せた。
 謎の霊達は次々と鬼面蟲に取り憑き、辺りを漆黒の闇に包み込んだ。
「だったら、これをぶち込むだけ! わざわざ、敵が技を繰り出すまで待つ程、アタシもお人好しじゃないんでねぇ」
 それと同時に、多喜が【漢女の徹し(ヲトメノトオシ)】を仕掛け、無属性のサイキックエナジーを込めた掌底による超高速かつ大威力の一撃で、謎の亡霊達ごと鬼面蟲の身体をぶち抜いた。
「ギギギギ……」
 それでも、鬼面蟲はカサカサと耳障りな音を立てていたものの、肉体の方が限界を迎えて弾け飛んだ。
 その拍子に鬼面蟲に取り憑いていた謎の亡霊達も、幻の如く消え去った。
 そして、猟兵達は鬼面蟲の宿主になっていた少女達を抱え、原城を後にするのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月07日


挿絵イラスト