2
迷宮災厄戦⑥〜破滅の嘶き(作者 にゃんさん。
3


「突然だけど、ある意味最強で最恐な兵士ってなんだか知ってる? ああ、どんな兵士に聞いても『絶対に相対したくない』って言われるような兵士だよ?」
 唐突にそんなことをユキメ・サリディアが聞いてきた。
 なんでそんなのを聞くのか、首を傾げてしまうが……。
 数が強みになる歩兵か、速さを生かせる騎兵か。……どちらでもない。
 では弓や銃兵? 砲兵だろうか? それらでもない。
「戦場で戦う兵士や戦士が出会いたくないもの、それはね……『死兵』だよ」
 死兵は命かなぐり捨ててる奴らだ。例え足や手を一本失くしたところで止まらず、どころか隣で味方がミンチになろうが身の毛もよだつ恐怖の邪神を覗こうが、足を僅かに鈍らせるか、まるっと無視するかな兵士だろう。
 元から命を捨ててるから、味方が酷い亡くなり方しようが、気勢を上げるだけになりえそうだし……恐怖? 命捨ててる奴らがまともな正気を保ってると?
 でもなんでいきなりこんな話?
「いやねー、アリスラビリンスで事が起きたようだけれど……どうもそんな感じになってるぽい所があってねー」
 ……散々脅された後で行きたくなるんですかねぇ?
「あ、そうじゃないというかなんというか……どうにも力の憑依? をされてて、なんとうか前に違う世界で見た『魔軍転生』に近いかも? でね、それが原因なのか分からないけれど、どうにも負傷や死を厭わない、捨て身な行動を起こすようになってるみたい」
 ちょっと話に気になる部分はあるものの、それが先に死兵の話に繋がるようだ。
「それでね、脅威が更に脅威になってることには変わりないけど、逆にそれを利用できそうでもあるよ」
 相手の攻撃を正面からまともに当たればどうなるか分からないが、捨て身であるならそれだけ弱い部分も出来ていることだろう。
「ちょっと……とは言えなさそうなくらい大変そうだけれど……お願いしますね」
 憑依されてるだけでなぜそのようになってるのか、ある意味、憑依されてるオウガへの救いでもあるのかもしれない。


にゃんさん。
 アリスラビリンスの世界で迷宮厄災戦なのですよー。
 今シナリオは戦争シナリオであり、一章のみで完結です。

 さて、なんでか死兵と化しちゃってるオウガ達を撃破するのが今回の目的です。
 OPで死兵と相対するのはと散々に言ってますが、自分らしく行けるのならば、どのように対処してもいいのですよ。

 敵を倒すということに注力しすぎてて、周りがみえてなさそう……それで、相手が捨て身でくるのならば、それを利用して逆に深手を負わせられるかもしれませんよ?
44




第1章 集団戦 『アルプトラオム』

POW ●劈く嘶き
命中した【悲鳴】の【ような嘶き声に宿る苦痛の記憶や感情】が【対象に伝わり想起させることでトラウマ】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD ●狂い駆ける
【自身を構成する恐怖の記憶や感情をばら撒く】事で【周囲に恐怖の記憶や感情を伝播させる暴れ馬】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ ●もがき苦しむ
攻撃が命中した対象に【自身を構成する記憶や感情から成る黒紅の靄】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【かつてのアリス達が抱いた絶望の記憶や感情】による追加攻撃を与え続ける。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


夢咲・向日葵
●心情
・成程、死兵。師匠から聞いたことがあるのよ。そして対処方法もね。いやぁ…師匠との勉強会は大変だったのよ…(死んだ目)
・ってことで、シャイニーソレイユによるドキドキ大地を使ったトラップ教室なの。(監修:師匠なの)
●戦闘
・まずは地面を操って地形操作なの。属性攻撃地で大きな岩壁を作って進行ルートを制限。その岩山の間に大量のプリンセスチェインの魔法陣。重力属性で先頭を足止めをすることで、敵の体で岩壁による通路を封鎖するの。重力属性で上を跳んで超えるのも制限。後は、岩壁崩して重量攻撃なの。
・因みにひまちゃんは、狂気耐性があるのでトラウマ系には強いの。抜けてきた敵については地属性攻撃の格闘で倒すのよ


フィロメーラ・アステール
「ものすごい気迫を感じる!」
これは正直だいぶコワイな!
しかし【勇気】があれば立ち向かえる!

勇気があることと、恐怖を感じないことは、似ているけど違う!
困難に向き合ったとき、それが明らかになる!

【蒼天まわしむ千変の星冠】を発動!
そして冷気を吹き付ける【属性攻撃】を行うぞ!
これで地面を凍結させて摩擦をゼロに!
そこへ【気合い】の【全力魔法】でさらに氷増量!
滑りやすい上にデコボコ!

でも恐怖しないんじゃ、そんな危険はお構いなしだろ?
警戒や対策するより先に突撃しちゃうみたいな!
つまり躓き放題、転び放題!

僅かにでも足が鈍れば凍結させて貼り付ける!
転んでしまえば氷漬け!
後続がお構いなしに来たら玉突き事故だー!


 洋風めいてはいるが、どこか日本風にようにも見える城の中に、殺気だった馬のような風貌のオウガ達が嘶いている。
「ものすごい気迫を感じる!」
 その殺気だった様子は、まだ正面に立っていないはずのフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)も感じ取ったようで、正直、だいぶコワイと感じているようだ。
「成程……死兵……」
 フィロメーラの傍、夢咲・向日葵(魔法王女・シャイニーソレイユ・f20016)も、やたらと気性が荒くなっているオウガ達を見て、なぜか死んだ目で見ていた。
「師匠から聞いたことあるのよ……そしてその対処法もね。いやぁ…師匠との勉強会は大変だったのよ……」
 死兵との対処法を教えられていると言っている向日葵だけれど、死んだ目になるような内容とは一体、その教えの中でなにがあったのだろうか……?
「たとえコワくても、勇気があれば立ち向かえる!」
 向日葵の死んだ目に触れないようにというか、自分を奮い立たせて気づかなかったのか、フィロメーラは死兵と化しているオウガ達の前に降り立つ。
 それに触発されるように、向日葵も続く。
『母なる大地に咲く、一輪の大花!輝く大地の魔法王女!シャイニーソレイユ!』
 オウガ達の前に立った向日葵の目は死んだ目では既に無く、そこに宿るのは絶対の自信に満ちた光だ。

 2人の猟兵を目の前にしたオウガ――アルプトラオム達だが、もし、眼があったのならば血走った眼で2人を見ていたかもしれない。
 現に、ただ敵を前にしたからと潰す事以外に何も考えていないようで、嘶きが悲痛な叫びに聞こえてくる。
 周りのことなど一切の考慮も無いのだろう、そこ悲痛な鳴き声の叫びから離れたがるように他の個体が暴れながらに駆け出す。
「勇気があるということと、恐怖を感じないことは、似ているけど違う!」
 その突撃は、フィロメーラには何も考えのない突撃にしか見えなかった。
『踊れー! 青い星の風の中で!』
 そんな無謀にしかないのならば、ならば困難を与えてしまえばいいと大気から冷気を作り出すと、その冷気を大地に叩きつけて一面をツルリとした氷の世界に変える。
「シャイニーソレイユによるドキドキ大地を使ったトラップ教室なの」
 向日葵も、師匠監修のトラップを仕込む。

 その結果として、鳴き声を遮るように幾つか壁のように隆起させた大地は、氷に覆われてピンボールのように進む先を制限させる氷壁となった。
 隆起した氷壁は氷で滑り、壁面を駆けのぼるのは難しいだろう。しかし、それで2人の仕掛けが終わることも無く。
 壁となって隆起していない所へ、フィロメーラが更に氷を吹き付けてツルリとした氷の上に凹凸を作り、向日葵は氷壁と氷壁の間に天に伸びる魔法の鎖を伸す。
 相手の行動を、制限する方向であった2人、そこまでのトラップの仕込みを終わった所に、暴れる馬がそこへと足を踏み入れる。

 勇気か無謀かと分かれ目になるのが困難に立ち会ったときとはフィロメーラの考えだ。
 用意した氷の世界の困難も、冷静であるならば上手く立ち回れるものであるが……。
 恐怖も無く、狂気に駆られて暴れまわるだけでは、警戒も対策もないままに突撃してくるだけ。
 張られた氷に足を入れたアルプトラオムは、一切の摩擦がないのだ、当然のように足を滑らせる。
 滑った先に生やされてる凹凸にも足を取られて転倒する。
 更にはその滑る行先も制限しているのだ、その先に行けば天に伸ばされた鎖で絡み取られるだけ。
 後続は止まらず、氷の世界に踏み行っては足を滑らせ転び、先頭は鎖に絡み取られて身動きを取れない所に、滑ってきた後続に押し込まれて玉突き事故のように詰まって行く。

 元々、鳴き声を遮るように壁を作っていたから、声が届くころには弱弱しくなっていて苛む程ではなくなっていたけれど、アルプトラオム達が詰まってしまえば、その身体が蓋になったのか、鳴き声も聞き取り辛いほどになっていた。
「じゃあ、そろそろ仕上げなのよ」
 向日葵こと、シャイニーソレイユが手を上げると、これで最後だというように上げた手を振り下ろす。
 それを合図に、聳えていた氷壁は絡み取り、詰まっているアルプトラオム達を押し潰すようにして崩れて行く……。

 壁が崩れてもうもうと土煙が辺りを覆う。
 やがてその土煙も薄れていけば、トラップに捕えていたアルプトラオム達の姿はもう見えない。
 トラップに見事に嵌めることが出来て、手を叩き合うフィロメーラと向日葵であった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK

んー、死兵とはまた物騒だねえ。
まあ確かに強い部分もあるけれど、対処ができないほどでもないかな。

死兵の弱点といったら防御が手薄な事だよねえ。
死ぬまでは戦えても、死んだら当然戦えないんだから。

相手がばら撒く恐怖も、しっかりと落ち着いていれば戦いに支障はないし、
平静を保って捨て身の一撃を見切ればちゃんと避けられる。
後は【死線凌牙】でカウンターでぶん殴って、
きっちりと一撃で頭を叩き潰せばそれでおしまい。

生きていれば出来る事は沢山あるんだから、
命を捨てるってのはあんまり良いやり方じゃあないと思うけどねえ。


 先の2人のトラップで数は減ったとはいえ、まだ全てを片付けたわけでもなく。
 仲間を減らされたことに気にもしないのかより殺気だっているのかは……殺気だってるのは元からなのでよく分らなかった。
「んー、死兵とはまた物騒だねぇ」
 ちょっと普通なら近づきたくないような状態なアルプトラオム達を眺めて、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)特に気負いも無く淡々とした様子をみせていた。
 特に怖いとも感じてないようなのは、確かに怒りやらといった感情があれば強くなるだろうけれど、だがそれだけでは、周りへの注意も散漫になるだろうと、対処が出来なくないわけだと考えているから。

 そもそも死兵は真正面から相対するのは危険であるのだが。
「死兵の弱点と言ったら、防御が手薄なことだよねぇ」
 なりふり構わないのだから防御も捨てているということでもある。
 そこの所はペトも十分に分かっていることだ。そして、死兵といっても本当に死んだら当然、戦えなくということも。

 足踏みをするように蹄を鳴らしていて、今にも駆け出しそうだ。
 そんなアルプトラオの視線の先にいるのは、ペトで、視線の先に捉えている人も物も、すべてなぎ払って突き進もうとしているようでもある。
 そして駆け出す。狂ったままに、自分を形作る呪詛を撒き散らしながら。
 先にいるペトだけれど、だが慌てることもなく、落ち着いたままにただ構えている。

 狂い駆け出したアルプトラオだが、駆ける前にペトを見ていたけれど、その時からも逆にペトもアルプトラオを見ていた。だから……。
『だいたいわかった』
 かなぐり捨てて駆けるだけの姿なのだ、その動きを読み切る事はいつもよりも容易なこと自然の中で培った感を働かせる必要もなさそうで、弾き飛ばされそうになった瞬間に身体をずらし避ける。
 紙一重で避けて、それではなく、腕を力強さを感じさせる生物の腕に変化させると、その腕は避けたアルプトラオの頭上へと振り下ろした。
 叩き潰す音が鳴り、その腕を受けたアルプトラオの個体は、頭を陥没させて、生き物としてとても生なんで感じさせない身体となって、駆けたままの勢いのままに数歩、足を動かしながら進むと、糸が切れたように倒れ込む。
 もう、狂いだすことも嘶くこともないのだろう。それが出来る器官は失ったのだから。

 潰した個体をペトは一瞥すると。
「命を捨てるってあんまり良いやり方じゃあないと思うけどねぇ」
 生きていれば出来る事は沢山あるんだからと続けて、潰された仲間に続くように駆け出そうとするアルプトラオム達へと向き直るのだった。
成功 🔵🔵🔴